以下に添付図面を参照して、この発明にかかる電波修正時計の好適な実施の形態を詳細に説明する。
(電波修正時計の構成)
まず、この発明にかかる実施の形態の電波修正時計の構成について説明する。図1は、この発明にかかる実施の形態の電波修正時計の外観を示す説明図である。図1において、この発明にかかる実施の形態の電波修正時計100は、電波修正時計100の外装をなすケース(外装ケース)101を備えている。ケース101は、たとえば、金属材料を用いて形成され、両端が開口した略円筒形状をなす。
ケース101における一端側には、当該一端側の開口102を閉塞する風防ガラス103と、当該風防ガラス103の周縁を支持するベゼル104と、が設けられている。風防ガラス103は、たとえば、透明なガラス材料を用いて形成され、略円板形状をなす。ベゼル104は、たとえば、金属材料を用いて形成され、風防ガラス103の直径と略同一の内径の環形状をなす。
ケース101の他端側には、当該他端側の開口(図3における符号301を参照)を閉塞する裏蓋部材(図3における符号302を参照)が設けられている。裏蓋部材は、たとえば、金属材料を用いて形成することができる。あるいは、裏蓋部材は、プラスチックなどと称される高分子材料を用いて形成されていてもよい。
裏蓋部材は、スクリューバック方式、はめ込み方式、ネジ蓋方式など、公知の各種の技術を用いることによってケース101に取り付けることができる。ケース101に対する裏蓋部材の取り付け方法については、公知の各種の技術を用いて容易に実現可能であるため、説明を省略する。
ケース101の形状は、上記に限るものではない。ケース101は、少なくとも軸心方向における一端側に開口102を備えていればよい。この発明にかかる実施の形態の電波修正時計100においては、ケース101と裏蓋部材とが一体とされた、いわゆるワンピース構造によってケース101の他端側を閉塞する構成であってもよい。
ケース101の内側には、文字板106が設けられている。文字板106には、表示部材である時刻指示針(指針)107の位置すなわち時刻を示すインデックス(指標)108が設けられている。インデックス108は、時刻指示針107の軸心を中心とする円周上に配置されている。インデックス108は、たとえば、文字、数字、記号などによって実現することができる。
インデックス108は、文字、数字、記号に限るものではなく、たとえば、文字板106に設けられた突起によって実現してもよい。この発明にかかる実施の形態の電波修正時計100において、インデックス108は、たとえば、金属材料を用いて形成することができる。インデックス108は、文字板106にプリントされたものであってもよいし、金属などの別部材を設けることによって実現されるものであってもよい。
この発明にかかる実施の形態の電波修正時計100において、インデックス108は、時刻指示針107の回転中心を中心とする同一円周上に配置することができる。この場合、たとえば、各インデックス108は、時刻指示針107の回転範囲、すなわち、時刻指示針107が回転することによる当該時刻指示針107の先端の軌跡がなす円よりも、少なくとも一部が外周側に位置するように配置することができる。
インデックス108は、すべてのインデックス108が、時刻指示針107の回転中心を中心とする同一円周上に配置されるものに限らない。この発明にかかる実施の形態の電波修正時計100において、インデックス108は、たとえば、少なくとも一部のインデックス108が時刻指示針107の回転範囲内に配置され、別の一部のインデックス108が時刻指示針107の回転範囲よりも外周側に配置されるものであってもよい。
時刻指示針107は、文字板106に設けられ、具体的には、たとえば、時針、分針、などによって実現することができる。また、時刻指示針107は、たとえば、秒針によって実現してもよい。時刻指示針107は、文字板106の中心を回転中心として回転可能な状態で文字板106に設けられている。
時刻指示針107は、輪列(図8における符号810を参照)を介してモータ(図8における符号801を参照)に連結されており、当該モータの駆動力を受けて回転する。時刻指示針107は、たとえば、金属材料を用いて形成することができる。時刻指示針107は、金属材料を用いて形成されるものに限らず、たとえば、プラスチックなどと称される高分子材料を用いて形成してもよい。
(電波修正時計100の内部構成)
つぎに、この発明にかかる実施の形態の電波修正時計100の内部構成について説明する。図2は、この発明にかかる実施の形態の電波修正時計100の内部構成の一部を示す説明図である。図3は、図2のA−A断面図である。
図2および図3において、この発明にかかる実施の形態の電波修正時計100は、ケース101の内側であって文字板106よりも裏蓋部材302側に設けられたアンテナ201を備えている。アンテナ201は、時刻情報や日付情報を含む標準電波を受信する。アンテナ201は、アンテナ本体202と、受信リード板(集磁部材)203(203A、203B)と、を備えている。
ケース101の内側であってアンテナ201よりも裏蓋部材302側には、アモルファスカバー303が設けられている。図3において、符号304は、受信リード板203(203A、203B)と、アンテナ201と、を接続するフェライトブロックを示している。フェライトブロック304は、アンテナ201の軸心方向における両端に、それぞれ設けられている。
アンテナ本体202は、文字板の略8時位置に配置され、受信リード板203Aは、文字板の略7時位置〜4時位置の範囲に配置され、受信リード板203Aは、文字板の略9時位置〜2時位置の範囲に配置されている。仮に、受信リード板203Bの長さを、図2に示した長さより短くし、受信リード板203Aの長さと同じ長さとした場合は、アンテナの指向性が、受信リード板203Aの中心と、受信リード板203Bの中心を通る方向である、略5時−11時方向になる。これに対して、受信リード板203Bの長さを図2に示した長さにすることにより、アンテナの指向性を略12時−6時方向にすることができる。
図4および図5は、この発明にかかる実施の形態の電波修正時計100が備えるアンテナ201を示す説明図である。図4は、アンテナ201を風防ガラス103側から見た状態を示している。図5は、アンテナ201の斜視状態を示している。図4および図5において、アンテナ本体202は、アンテナコア(コア)401と、アンテナコイル(巻線)402と、によって構成されている。
アンテナコア401は、アモルファス材(磁性材料)を用いて形成され、短冊形状をなす。アンテナコア401は、地板(時計基板、図11および図12における符号1101を参照)に支持されている。地板は、非磁性材料を用いて形成され、平板形状をなしている。
アンテナコイル402は、アンテナコア401の周囲に巻回された巻線(電線)であって、アンテナコア401の長手方向を軸心方向として当該アンテナコア401の周囲に巻回されている。アンテナ201は、アンテナコイル402の軸心方向が文字板106の板面と略平行となるように配置されている。
受信リード板203は、アンテナ本体202に設けられている。具体的には、受信リード板203は、アンテナ本体202が備えるアンテナコア401の両端部に、それぞれ、フェライトブロック502を介して取り付けられている。受信リード板203(203A、203B)は、文字板106の中心を中心とする円弧形状をなす板状部材であって、アモルファス材(磁性材料)を用いて形成されている。
受信リード板203(203A、203B)においては、たとえば、ソーラーセルと回路基板とを接続するバネなどの部品が配置される部分の近傍となる位置に、文字板106の中心を中心とする円弧に対して凹んだ凹み部分(図4における符号403を参照)が設けられている。このように、受信リード板203(203A、203B)の形状は、文字板106の中心を中心とする完全な円弧形状をなしているものに限らず、ケース101内に配置される各種の部品の位置に応じてへこみ部分403を備えた形状であってもよい。
図6および図7は、この発明にかかる実施の形態の電波修正時計100の内部構成の一部を示す説明図である。図6においては、この発明にかかる実施の形態の電波修正時計100の内部構成の一部を風防ガラス103側から見た状態を示している。図7においては、図6に示した、この発明にかかる実施の形態の電波修正時計100の内部構成の一部を裏蓋部材302側から見た状態を示している。図6および図7において、この発明にかかる実施の形態の電波修正時計100は、ケース101の内側に設けられた耐磁板601、602を備えている。
耐磁板601、602は、電波修正時計100のムーブメントに組み込まれ、当該ムーブメント内のモータを覆うように配置され、当該ムーブメントが外部磁界(外部磁場)によって影響を受けることを防止したり、当該ムーブメントが外部磁界(外部磁場)から受ける影響を低減したりする。耐磁板は、たとえばステンレスなどの金属を材料として用いて形成することができる。
この発明にかかる実施の形態の電波修正時計100は、風防ガラス103、文字板106、裏蓋部材302の配置方向(以下「厚み方向」という)において、モータより文字板106側に設けられた耐磁板(耐磁部材)601と、モータより裏蓋部材302側に設けられた耐磁板(別の耐磁部材)602と、を備えている。厚み方向においてモータよりも文字板106側に設けられた2つの耐磁板601、および、厚み方向においてモータよりも裏蓋部材302側に設けられた2つの耐磁板602は、受信リード板203に対応させてそれぞれ複数(この実施の形態においては、2つずつ)設けられている。
厚み方向においてモータよりも文字板106側に設けられた耐磁板601(601A、601B)は、時刻指示針107の軸心方向に直交する方向において、受信リード板203から離間して配置されている。すなわち、厚み方向においてモータよりも文字板106側に設けられた耐磁板601は、当該耐磁板601を、厚み方向に沿って文字板106側からあるいは裏蓋部材302側から見た場合(平面視した場合)に、受信リード板203から離間するように配置されている。これによって、受信リード板203と、厚み方向においてモータよりも文字板106側に設けられた2つの耐磁板601とを経由する磁気ループの発生を抑制することができる。
より具体的に、この発明にかかる実施の形態の電波修正時計100においては、モータよりも文字板106側に設けられた耐磁板601は、受信リード板203がなす円弧よりも内周側に配置されている。モータよりも文字板106側に設けられた耐磁板601は、受信リード板203がなす円弧の内周側に完全に収まるよう配置されていることが好ましい。これによって、モータよりも文字板106側に耐磁板601を設けることによって受信リード板203の受信性能が低下することを抑制することができる。
厚み方向においてモータよりも裏蓋部材302側に設けられた2つの耐磁板602(602A、602B)は、それぞれ、厚み方向に対して直交する方向に平行な同一平面内に配置されている。モータよりも裏蓋部材302側に設けられた耐磁板602は、当該耐磁板602を平面視した場合に、受信リード板203から離間していることが好ましい。具体的には、耐磁板602は、たとえば、受信リード板203がなす円弧の内周側に、ほぼ全体が収まるように配置されていることが好ましい。
この実施の形態では、厚み方向においてモータよりも裏蓋部材302側に設けられた耐磁板602は、当該耐磁板602を平面視した場合に、一部が、受信リード板203と重なる形状をなしている。この実施の形態では、厚み方向においてモータよりも裏蓋部材302側に設けられた耐磁板602には、受信リード板203と重なる部分に、地板に対する当該耐磁板602の位置決めをおこなう位置決め用の加工が施されている。位置決め用の加工は、たとえば、地板に設けられた位置決め用のボスが嵌合される孔603によって実現することができる(図11を参照)。
この発明にかかる実施の形態の電波修正時計100は、合計2つのモータを備えている。2つのモータのうち、一方のモータは、厚み方向における耐磁板601Aと耐磁板602Aとの間に配置されている。2つのモータのうち、他方のモータは、厚み方向における耐磁板601Bと耐磁板602Bとの間に配置されている。
厚み方向においてモータよりも裏蓋部材302側に設けられた2つの耐磁板602(602A、602B)のうち一方の耐磁板602Bには、モータの駆動力を時刻指示針107に伝達する輪列の少なくとも一部を間接的に支持する支持部604が形成されている。支持部604は、輪列に加わる力を間接的に受ける。輪列は、輪列に加わる力を図示を省略する輪列受けによって受ける。輪列受けの裏蓋部材302側には、図示を省略する回路基板が配置されている。
指針軸(表示部材の回転軸)への針付けに際しては、文字板側から裏蓋部材302側の方向に沿って輪列に力が加わる。文字板側から裏蓋部材302側の方向に沿って輪列に加わる力は、輪列受けの裏蓋部材302側にある回路基板にも加わる。このようにして回路基板に加わった力によって当該回路基板が変形すると、回路基板に実装されている回路部品が剥がれるなどの不具合が生じる。
これに対して、この発明にかかる実施の形態の電波修正時計100においては、耐磁板602Bに形成された支持部604が回路基板の裏蓋部材302側から当該回路基板を受ける(支持する)ことによって、当該回路基板の変形を防ぐことができる。これによって、回路基板に加わった力によって当該回路基板が変形することによる各種の不具合を防ぐことができる。
支持部604は、耐磁板602Aまたは耐磁板602Bの少なくとも一方に設けられていればよい。具体的には、支持部604は、たとえば、耐磁板602Bに代えて、耐磁板602Aに設けてもよい。あるいは、具体的には、支持部604は、たとえば、耐磁板602Aおよび耐磁板602Bの両方に設けてもよい。
図8は、この発明にかかる実施の形態の電波修正時計100における、受信リード板203と、厚み方向においてモータ801よりも文字板106側に設けられた耐磁板601と、厚み方向においてモータ801よりも裏蓋部材302側に設けられた耐磁板602と、の位置関係を模式的に示す説明図である。図8において、厚み方向においてモータ801よりも文字板106側に設けられた2つの耐磁板601(601A、601B)は、それぞれ、厚み方向に対して直交する方向に平行な同一平面内に配置されている。
この実施の形態において、厚み方向においてモータ801よりも文字板106側に設けられた2つの耐磁板601は、厚み方向に対して直交する方向に平行な平面内において、互いに、L1以上の離隔距離をあけて配置されている。モータ801よりも文字板106側に設けられた2つの耐磁板601どうしを、厚み方向に対して直交する方向に平行な平面内において離間させることにより、当該2つの耐磁板601(601A、601B)を経由する磁気ループ(図8における点線矢印を参照)の発生を抑制することができる。
厚み方向においてモータ801よりも文字板106側に設けられた耐磁板601は、厚み方向に対して直交する方向に平行な平面のうち、受信リード板203とは異なる平面内に配置されていることが好ましい。具体的に、この発明にかかる実施の形態の電波修正時計100においては、厚み方向においてモータ801よりも文字板106側に設けられた2つの耐磁板601は、当該厚み方向において受信リード板203よりもモータ801側に設けられている。
これにより、厚み方向においてモータ801よりも文字板106側に設けられた2つの耐磁板601と受信リード板203とを、厚み方向における同一平面内に配置する場合と比較して、受信リード板203と耐磁板601との間隔を広く確保することができる。これによって、受信リード板203と、厚み方向においてモータ801よりも文字板106側に設けられた2つの耐磁板601とを経由する磁気ループ(図8における点線矢印を参照)の発生を抑制することができる。
厚み方向においてモータ801よりも裏蓋部材302側に設けられた耐磁板602(602A、602B)は、厚み方向に対して直交する方向に平行な平面のうち、受信リード板203とは異なる平面内に配置されている。これにより、厚み方向においてモータ801よりも裏蓋部材302側に設けられた耐磁板602を、当該耐磁板602を平面視した場合に一部が受信リード板203と重なる形状とした場合にも、受信リード板203から離間して配置することができる。
これによって、当該耐磁板602を平面視した場合に、モータ801よりも裏蓋部材302側に設けられた耐磁板602の一部(または耐磁板602の全部)と受信リード板203とが重なっていても、モータ801よりも裏蓋部材302側に設けられた耐磁板602と受信リード板203とを確実に離間させて配置することができる。そして、これによって、厚み方向においてモータ801よりも裏蓋部材302側に設けられた2つの耐磁板602を経由する磁気ループ(図8における点線矢印を参照)の発生を抑制することができる。
厚み方向においてモータ801よりも裏蓋部材302側に設けられた2つの耐磁板602は、厚み方向に対して直交する方向に平行な平面内において、互いに、L2の離隔距離をあけて配置されている。モータ801よりも裏蓋部材302側に設けられた2つの耐磁板602どうしを、厚み方向に対して直交する方向に平行な平面内において離間させることにより、当該2つの耐磁板を経由する磁気ループ(図8における点線矢印を参照)の発生を抑制することができる。
厚み方向においてモータ801よりも文字板106側に配置された耐磁板601(601A、601B)どうしの離隔距離L1と、厚み方向においてモータ801よりも裏蓋部材302側に配置された耐磁板602(602A、602B)どうしの離隔距離L2とは、離隔距離L1>離隔距離L2の関係を満足することが好ましい。
つぎに、受信リード板203の配置位置について説明する。図9および図10は、受信リード板203の配置位置を示す説明図である。図9および図10において、受信リード板203は、時刻指示針107の回転範囲すなわち時刻指示針107が回転することによる当該時刻指示針107の先端の軌跡がなす円(図9において符号910で示した点線)よりも外周側であって、ケース101の一端側(風防ガラス103側)に設けられた開口102の内径(図9および図10において符号920で示した点線)よりも小さい円弧形状をなす。
受信リード板203は、時刻指示針107における時針および分針が回転することによる当該時刻指示針107の先端の軌跡がなす円よりも外周側に設けられている。時刻指示針107における時針および分針は、秒針と比較して大きく、平面視した場合の面積が秒針よりも大きい。このため、時刻指示針107における金属製の時針や金属製の分針の回転範囲よりも内側に受信リード板203を配置した場合は、時刻指示針107の影響によって受信性能が低下することが懸念される。
これに対し、この発明にかかる実施の形態の電波修正時計100においては、時刻指示針107における時針および分針の回転範囲よりも外側に受信リード板203を配置しているため、金属材料を用いて形成された時針および分針を用いた場合にも、時刻指示針107の影響による受信性能の低下を防止することができる。
時刻指示針107における秒針は、時針および分針と比較して細く、平面視した場合の面積が時針および分針よりも小さい。このため、受信リード板203は、平面視した場合に、時刻指示針107における秒針の回転範囲と一部または全部が重複するように配置されていてもよい。時刻指示針107における時針および分針の回転範囲よりも外側に受信リード板203を配置することにより、時刻指示針107の影響による受信性能の低下を確実に防止することができる。
また、受信リード板203は、インデックス108の配置範囲よりも外周側であって、ケース101の一端側(風防ガラス103側)に設けられた開口102の内径よりも小さい円弧形状をなす。複数存在するインデックス108のうちの一部のインデックス108が、時刻指示針107の回転中心を中心とする同一円周上に配置されていない場合、受信リード板203は、時刻指示針107の回転中心を中心とする円の半径方向においてもっとも外周側に位置するインデックス108よりも、当該円の半径方向における外周側であって、ケース101の一端側(風防ガラス103側)に設けられた開口102の内径よりも小さい円弧形状をなす。
受信リード板203は、時刻指示針107の回転中心を中心とする円の半径方向においてもっとも外周側に位置するインデックス108が、時刻指示針107が回転することによる当該時刻指示針107の先端の軌跡がなす円よりも外周側に配置されている場合は、インデックス108の配置範囲よりも外周側であって、ケース101の一端側(風防ガラス103側)に設けられた開口102の内径よりも小さい円弧形状をなす。
ケース101内の容積には限りがあるため、単に受信リード板203を大きくするとアンテナ201の配置に制約が生じる。また、ケース101内の容積には限りがあるため、単に受信リード板203を大きくするとアンテナ201をケース101内に収納するスペース利用効率が低下するという不具合も生じる。
また、ケース101内の容積には限りがあるため、単に受信リード板203を大きくすると、受信リード板203がケース101に近接しすぎて渦電流による損失が生じたり、受信リード板203がケース101に接触して渦電流が流れてしまうという不具合がある。この発明にかかる実施の形態の電波修正時計100においては、ケース101に対する受信リード板203の配置位置を上記のように定めることにより、受信性能の向上を図るとともに、上記の各種の不具合が生じることを防止することができる。
図11および図12は、この発明にかかる実施の形態の電波修正時計100の一部を切断した断面を示す説明図である。図11においては、この発明にかかる実施の形態の電波修正時計100の一部を、厚み方向においてモータ801よりも裏蓋部材302側に設けられた耐磁板602に施された位置決め用の加工部分を通り、厚み方向に沿って切断した断面を示している。図12においては、この発明にかかる実施の形態の電波修正時計100の一部を、電池を通り、厚み方向に沿って切断した断面を示している。
図11および図12において、厚み方向においてモータ801よりも裏蓋部材302側に設けられた耐磁板602に施された位置決め用の加工である孔603には、地板1101に設けられた位置決め用のボス1102が嵌合される。地板1101は、非磁性材料を用いて形成された略円形状の板状部材によって実現することができる。
地板1101は、たとえば、アンテナコア401を支持する。厚み方向においてモータ801よりも裏蓋部材302側に設けられた耐磁板602に施された位置決め用の加工である孔603に、地板1101に設けられたボス1102を嵌合させることによって、厚み方向においてモータ801よりも裏蓋部材302側に設けられた耐磁板602の地板1101に対する位置決めを容易かつ確実におこなうことができる。
図12に示すように、この発明にかかる実施の形態の電波修正時計100の厚み方向における寸法(厚さ)は、電池1201の厚さに大きく依存する。この発明にかかる実施の形態の電波修正時計100においては、厚み方向においてモータ801よりも裏蓋部材302側に設けられた耐磁板602に施された位置決め用の加工である孔603に、地板1101に設けられたボス1102を嵌合させることによって、厚み方向においてモータ801よりも裏蓋部材302側に設けられた耐磁板602の地板1101に対する位置決めをおこなうことができるので、電波修正時計100の厚さが大きくなることを抑制し、厚み方向における電波修正時計100の小型化を図ることができる。
上述した実施の形態においては、厚み方向においてモータ801よりも裏蓋部材302側に配置された2つの耐磁板602(602A、602B)を、離隔距離L2をあけて配置するようにしたが、これに限るものではない。この発明にかかる実施の形態の電波修正時計100においては、厚み方向においてモータ801よりも裏蓋部材302側に配置された2つの耐磁板602(602A、602B)は、離隔距離L2が離隔距離L1よりも小さくなるような形状、あるいは離隔距離L2が離隔距離L1よりも小さくなるような配置がなされていればよく、0(ゼロ)であってもよい(図13および図14を参照)。
図13および図14は、この発明にかかる実施の形態の電波修正時計100の変形例を示す説明図である。図13および図14においては、この発明にかかる実施の形態の電波修正時計100において、厚み方向においてモータ801よりも裏蓋部材302側に配置された耐磁板602(602A、602B)の離隔距離L2を0とした例を示す説明図である。
図13においては、この発明にかかる実施の形態の電波修正時計100(変形例)の内部構成の一部を風防ガラス103側から見た状態を示している。図14においては、図13に示した、この発明にかかる実施の形態の電波修正時計100(変形例)の内部構成の一部を裏蓋部材302側から見た状態を示している。
図13および図14に示すように、離隔距離L2が0である場合、厚み方向においてモータ801よりも裏蓋部材302側に配置される耐磁板602(602A、602B)は1枚とされる。これにより、耐磁板の枚数を減らすことができるので、電波修正時計100の組み立てにかかる工程数を減らし、電波修正時計100の組み立てにかかる作業者の作業負担の軽減を図ることができる。
上述した実施の形態において、耐磁板602は、地板に設けられた位置決め用のボスが嵌合される孔603のように、耐磁板602の位置決めをおこなう位置決め用の加工および当該加工を施す領域を備えているものに限らない。耐磁板602は、耐磁板602の位置決めをおこなう位置決め用の加工および当該加工を施す領域を備えていない構成であってもよい。
裏蓋部材302側の耐磁板602は、文字板側の耐磁板601よりも、受信リード板203に対して厚み方向に離れているため、受信リード板203とは磁気結合がされ難い。このため、図8に示したように間隔L2を狭くしても磁気結合しにくい。また、このため、図13や図14に示したように1枚にすることができる。これを利用して、裏蓋部材302側の耐磁板602を中央まで伸ばす(離隔距離L2を0とする)ことができ、裏蓋部材302側の耐磁板602における伸ばした部分によって輪列に加わる力を、間接的あるいは直接的に受けることができる。また、これを利用して、図6に示した孔603のように、裏蓋部材302側の耐磁板602における受信リード板203と平面的に重なる部分を設け、位置決めに利用することができる。
図15は、この発明にかかる実施の形態の電波修正時計100の別の変形例を示す説明図である。図15に示すように、この発明にかかる実施の形態の、別の変形例としての電波修正時計100において、モータ801よりも裏蓋部材302側に配置される耐磁板602(602B)は、耐磁板602の位置決めをおこなう位置決め用の加工を施す領域を備えていない。そして、モータ801よりも裏蓋部材302側に配置される耐磁板602(602B)には、位置決め用の加工が施されていない。また、厚み方向においてモータ801よりも裏蓋部材302側に配置される耐磁板602Aと602Bとの間隔を、図6に示したものより広くして、これらの磁気結合を防止している。
このような形態によれば、耐磁板602の位置決めをおこなう位置決め用の加工を施す領域を備えていない分、耐磁板602を小さくし、電波修正時計100の小型化に寄与することができる。また、このような形態によれば、耐磁板602(602B)に位置決め用の加工を施さない分、位置決め用の加工が施された耐磁板602(602B)と比較して、耐磁板602(602B)の製造にかかる工程数を少なく抑え、製造コストの低減を図ることができる。さらに、厚み方向においてモータ801よりも裏蓋部材302側に配置される耐磁板602Aと602Bとの磁気結合を防止することができる。
図16は、この発明にかかる実施の形態の電波修正時計100の別の変形例を示す説明図である。図16においては、この発明にかかる実施の形態の、別の変形例としての電波修正時計100における受信リード板203の配置位置を示している。図16に示すように、この発明にかかる実施の形態の、別の変形例としての電波修正時計100は、金属材料を用いて形成されたケース101の内側に設けられた見返しリング1601を備えている。
見返しリング1601は、プラスチックなどと称される絶縁性の高分子材料を用いて形成され、リング形状(環形状)をなしている。インデックス108は、時刻指示針107の回転中心を中心とする円において、見返しリング1601の内周側となる位置に設けられている。見返しリング1601は、外装部分となるケース101とインデックス108との間に配置される。これにより、平面視した状態においてインデックス108と受信リード板203(203A、203B)とが重ならないように配置することによってケース101とインデックス108とが離間したデザインとなる場合も、外装部分となるケース101とインデックス108の間に装飾部材である見返しリング1601を配置することにより、電波修正時計100の見栄えをよくすることができる。
受信リード板203(203A、203B)は、厚み方向において、見返しリング1601と重複する位置に設けられている。すなわち、この発明にかかる実施の形態の、別の変形例としての電波修正時計100を風防ガラス103側から平面視した場合に、受信リード板203(203A、203B)と見返しリング1601とは少なくとも一部が重複する。
見返しリング1601は、金属製の部品で構成してもよい。見返しリング1601はケース101に比べて体積が小さいため、ケース101と見返しリング1601との間を絶縁することで、ケース101ほど受信に影響を及ぼさない。この場合は、見返しリング1601の内側(内周側)に、受信リード板が平面的に重ならない部分を設ける。
図17は、この発明にかかる実施の形態の電波修正時計100の別の変形例を示す説明図である。図17においては、この発明にかかる実施の形態の、別の変形例としての電波修正時計100における受信リード板203の配置位置を示している。図17に示すように、この発明にかかる実施の形態の、別の変形例としての電波修正時計100は、円板形状をなす部材1701と、当該部材1701の外周に設けられて環形状をなす部材1702と、を組み合わせて構成される文字板106を備えている。
文字板106における内周側の部材1701は金属材料を用いて形成され、外周側に設けられる部材1702はプラスチックなどと称される高分子材料を用いて形成されている。この発明にかかる実施の形態の、別の変形例としての電波修正時計100において、見返しリング1601は、風防ガラス103側から平面視した場合に、部材1702に重なる位置に設けられている。
受信リード板203(203A、203B)は、厚み方向において、見返しリング1601と重複する位置に設けられている。この発明にかかる実施の形態の、別の変形例としての電波修正時計100を風防ガラス103側から平面視した場合、部材1702は見返しリング1601の裏側に配置され、かつ、受信リード板203(203A、203B)は見返しリング1601の裏側に配置されている。
このような構成とすることにより、金属材料を用いて形成された文字板106を用いることができる。金属材料を用いて形成された文字板106を用いることにより、電波修正時計100の外観に高級感を持たせることができる。このような構成の電波修正時計100によれば、外観に高級感を持たせるとともに、時刻指示針107が示す時刻の精度に対する信頼性を確保しつつ、標準電波の受信感度の向上を図ることができる。
また、文字板106における内周側の部材1701を、文字板106の内周の領域のうちの一部の領域だけに設け、文字板106の内周の領域のうちの残りの領域を外周の部材1702と一体に高分子材料を用いて形成してもよい。たとえば、文字板106内の時計中心以外の12時位置、6時位置、9時位置の一箇所又は複数個所の位置にモータ810によって駆動される小針を設け、小針先端の回転軌跡がなす円の内側の領域を小針の軸心方向に文字板に投影し、文字板の投影した領域だけに金属材料を用い、それ以外の部分に高分子材料を用いて形成してもよい。
上述した実施の形態においては、モータ801を2つ、文字板106側の耐磁板601を2つ、裏蓋部材302側の耐磁板602を2つ、それぞれ備える電波修正時計100についての例を説明したが、モータ801の数、文字板106側の耐磁板601の数および裏蓋部材302側の耐磁板602の数は2つに限るものではない。この発明は、モータを1つ、文字板106側の耐磁板を1つ、裏蓋部材302側の耐磁板を1つ備える電波修正時計を実現するものであってもよい。具体的には、この発明は、たとえば、上記の図6における耐磁板601Bや耐磁板602Bを備えていない電波修正時計によって実現されるものであってもよい。
図18−1は、この発明にかかる実施の形態の電波修正時計100における受信リード板203の形状を示す説明図である。図18−1に示したように、この発明にかかる実施の形態の電波修正時計100における受信リード板203Aは、図18−1における点線1801を間にして線対象形状になっている。これにより、受信リード板203Aは、点線1801を中心として図18−1における左右の位置をひっくり返して(裏返した状態で)も使用することができる。
また、この発明にかかる実施の形態の電波修正時計100における受信リード板203Bも、図18−1における点線1802を間にして線対象形状に形成することができる。たとえば、図18−1における受信リード板203Bの、アンテナ本体202に磁気的に接続している端部と、その反対側の端部との形状を同一形状とし、点線で示した403の凹み部分を設けないようにするか、点線1802に対して線対象形状となる位置に凹み部分を形成する。これにより、受信リード板203Bを、点線1802を間にして線対象形状に形成することができるので、受信リード板203Bは、点線1802を中心として図18−1における左右の位置をひっくり返して(裏返した状態で)も使用することができる形状となる。
受信リード板203A、203Bは、それぞれ、板状のアモルファス材を数枚重ねて形成することができる。このようにして受信リード板203A、203Bを形成する場合、1つの受信リード板203A(あるいは受信リード板203B)を構成する各アモルファス材の板厚が、一方の端部側が厚く他方の端部側が薄いなどのように、1枚のアモルファス材における場所ごとに板厚にばらつきが生じることがある。1枚のアモルファス材における場所ごとに板厚にばらつきが生じている場合、当該アモルファス材を数枚重ねると受信リード板203A(あるいは受信リード板203B)の一方の端部が厚く、他方の端部が薄くなってしまうことがある。
これに対して、この発明にかかる実施の形態の電波修正時計100における受信リード板203Aは、図18−1における点線1801を間にして線対象形状になっているため、受信リード板203Aを構成する複数のアモルファス材のうちの数枚を選択的にひっくり返して重ねることで、厚さのばらつきを解消することができる。また、受信リード板203A(あるいは受信リード板203B)を、ひっくりかえしてムーブメントに組み込むこともできる。受信リード板203Bについても同様に構成することができ、これによって厚さのばらつきを解消することができる。
図18−2は、この発明にかかる実施の形態の電波修正時計100における受信リード板203の別の形状を示す説明図である。図18−2に示したように、この発明にかかる実施の形態の電波修正時計100においては、上述した2つの受信リード板203A、203Bに代えて、長さが同じ2つの受信リード板203A’、203B’を備えていてもよい。
この場合、たとえば、受信リード板203A’は、上述した受信リード板203Aにおけるアンテナ本体202側の端部を一方の端部1821とし、その反対側の端部を他方の端部1822とした場合に、当該他方の端部1822が仮想直線1804の位置に位置する長さとする。仮想直線1804は、受信リード板203A’の一方の端部1821を通り、アンテナコア401の長さ方向すなわちアンテナコイル402の軸心方向に直交する方向に延出している。この場合、受信リード板203A’の長さは、受信リード板203Aの長さよりも長い。
また、この場合、たとえば、受信リード板203B’は、上述した受信リード板203Bにおけるアンテナ本体202側の端部を一方の端部1823とし、その反対側の端部を他方の端部1824とした場合に、当該他方の端部1824が仮想直線1804の位置に位置する長さとする。仮想直線1805は、受信リード板203B’の一方の端部1823を通り、仮想直線1804と平行に、アンテナコア401の長さ方向すなわちアンテナコイル402の軸心方向に直交する方向に延出している。この場合、受信リード板203B’の長さは、受信リード板203Bの長さよりも短い。
受信リード板203A’、203B’をこのような形状とすることにより、受信リード板203A’と受信リード板203B’は、長さが同じになるので、受信リード板203A’と受信リード板203’を同形状の線対象形状とすることができる。すなわち、受信リード板203A’、203B’を、図18−2において符号1803で示した仮想直線を間にして線対象形状とすることができる。
これにより、受信リード板203A’ 、203B’を構成するアモルファス材や受信リード板203A’ 、203B’自体をひっくり返して使用できるだけではなく、受信リード板203A’を受信リード板203B’として使用することもできる。このような場合でも、受信リード板203A’および受信リード板203B’は、文字板106側および裏蓋部材302側の耐磁板601、602に対して、前述の配置関係を適用することができる。
受信リード板203A’、203B’をこのような形状とした場合、たとえば、アンテナ本体202を文字板の略9時位置に配置し、受信リード板203A’を文字板の略3時位置〜8時位置の範囲に配置し、受信リード板203B’を文字板の略10時位置〜2時位置の範囲に配置するとよい。
なお、金属材料によって形成されたインデックス108を用いる場合、受信性能を考慮すると、平面視した状態において耐磁板601と受信リード板203A、203Bとが重ならない状態で配置するのが理想的であるが、これに限るものではない。受信への影響が小さい場合であれば、平面視した状態において耐磁板601と受信リード板203A、203Bとが重なる状態で配置することもできる。
また、図1〜図18−2に示した実施の形態では、モータ801によって駆動される表示部材を指針107によって実現する例を示したが、これに限るものではない。モータ810によって時刻以外の情報を表示する表示部材に適用してもよい。また、表示部材の形態も指針に限らず、板状の表示部材を用いることができる。板状の表示部材は、たとえば、日板や時、分、秒などを表示する時円板、分円板、秒円板によって実現することができる。さらに、モータによって駆動される表示部材で表示する情報は時刻に限らない。例えば、時刻は液晶表示装置で表示し、時刻以外の充電量、受信局、都市などの情報を表示部材で表示し、この表示部材を駆動するモータ用の耐磁板を設けてもよい。
なお、日板のように、リング形状の表示部材の場合は、日板の表示面に直交する方向、言い換えると、表示部材から裏蓋部材302または裏蓋部材302側の部材(モータ、受信リード板、耐磁板)への方向を軸心方向とする。
また、文字板106内の中心以外の12時位置、6時位置、9時位置などにモータ801によって駆動される小針を設け、その小針の先端の軌跡と受信リード板とが平面的に重ならないように、受信リード板203を配置することも可能である。
以上説明したように、この発明にかかる実施の形態の電波修正時計100は、標準電波を受信するアンテナ本体202と、アンテナ本体202に設けられた集磁部材としての受信リード板203(203A、203B)と、回転軸を中心として回転可能に設けられた表示部材としての時刻指示針107を駆動するモータ801と、時刻指示針107の軸心方向においてモータ801よりも受信リード板203(203A、203B)側に設けられ、モータ801に対する外部磁界の影響を遮断または低減する耐磁部材としての耐磁板601(601A、601B)と、を備え、耐磁板601が、時刻指示針107の軸心方向に直交する方向において、受信リード板203から離間して配置されていることを特徴としている。
この発明にかかる実施の形態の電波修正時計100によれば、時刻指示針107の軸心方向に直交する方向における受信リード板203と耐磁板601とを離間させる、すなわち、時刻指示針107の軸心方向に沿って受信リード板203および耐磁板601を平面視した状態における受信リード板203と耐磁板601とを離間させることにより、受信リード板203と耐磁板601とを確実に離間させることができる。これによって、耐磁板601と受信リード板203との磁気結合を防止することができる。
このように、この発明にかかる実施の形態の電波修正時計100によれば、耐磁板601を用いてモータ801に対する外部磁界の影響を遮断または低減することにより時刻指示針107が示す時刻の精度に対する信頼性を確保するとともに、耐磁板601が存在する場合にも当該耐磁板601と受信リード板203との磁気結合を防止することができるので、耐磁板601と受信リード板203とが磁気結合することに起因して受信リード板203による標準電波の受信感度が低下することを防止することができる。これによって、時刻指示針107が示す時刻の精度に対する信頼性を確保しつつ、標準電波の受信感度の向上を図ることができる。
また、この発明にかかる実施の形態の電波修正時計100は、耐磁板601が、時刻指示針107の軸心方向において、受信リード板203から離間して配置されていることを特徴としている。
この発明によれば、時刻指示針107の軸心方向に沿って受信リード板203および耐磁板601を平面視した状態における受信リード板203と耐磁板601とを離間させるとともに、時刻指示針107の軸心方向において受信リード板203と耐磁板601とを離間させることができる。これによって、受信リード板203と耐磁板601との磁気結合をより確実に防止することができる。
また、この発明にかかる実施の形態の電波修正時計100は、上記の発明において、少なくとも軸心方向における一端側に開口102を備え、アンテナ本体202、受信リード板203、モータ801および耐磁板601を収容する外装ケース101を備え、時刻指示針107が、金属材料を用いて形成されており、受信リード板203が、金属材料を用いて形成された時刻指示針107の回転範囲よりも外周側であって、開口102の内径よりも小さい円弧形状をなすことを特徴としている。
この発明にかかる実施の形態の電波修正時計100によれば、受信リード板203に対する時刻指示針107の位置にかかわらず、時刻指示針107の軸心方向に沿って受信リード板203および時刻指示針107の回転範囲(時刻指示針107先端の回転軌跡)を平面視した状態における受信リード板203と時刻指示針107とを離間させることができる。これによって、受信リード板203に対する時刻指示針107の位置にかかわらず、金属材料を用いて形成された時刻指示針107の影響による受信性能の低下を防止することができる。
また、この発明にかかる実施の形態の電波修正時計100は、外装ケースであるケース101内に収容され、金属材料を用いて形成され時刻指示針107の位置を示す指標としてのインデックス108が時刻指示針107の軸心を中心とする円周上に配置された文字板106を備え、受信リード板203が、インデックス108の配置範囲よりも外周側であって、開口102の内径よりも小さい円弧形状をなすことを特徴としている。
この発明にかかる実施の形態の電波修正時計100によれば、インデックス108の位置にかかわらず、時刻指示針107の軸心方向に沿って受信リード板203およびインデックス108を平面視した状態における受信リード板203とインデックス108とを離間させることができる。これによって、金属材料を用いて形成されたインデックス108の影響による受信性能の低下を防止することができる。
すなわち、この発明にかかる実施の形態の電波修正時計100によれば、インデックス108の形状、インデックス108の個数、インデックス108の配置位置など、電波修正時計100のデザインの自由度を低下させることなく、かつ、インデックス108の影響による受信性能の低下を防止することができる。
また、この発明にかかる実施の形態の電波修正時計100は、時刻指示針107の軸心方向においてモータ801を間にして受信リード板203とは反対側に設けられ、モータ801に対する外部磁界の影響を遮断または低減する別の耐磁部材としての耐磁板602(602A、602B)を備えたことを特徴としている。
この発明にかかる実施の形態の電波修正時計100によれば、時刻指示針107の軸心方向に沿ってモータ801の両面側から当該モータ801に対する外部磁界の影響を遮断または低減することができる。これによって、時刻指示針107が示す時刻の精度に対する信頼性の一層の向上を図ることができる。
また、この発明にかかる実施の形態の電波修正時計100は、アンテナ本体202が、アンテナコイル402の巻線が巻回されるコアとしてのアンテナコア401を備え、受信リード板203が、巻線の軸心方向におけるアンテナコア401の両端部にそれぞれ設けられており、耐磁板601、602が、受信リード板203に対応させてそれぞれ複数設けられており、耐磁板601(601A、601B)どうしの間隔である離隔距離L1が、耐磁板602(602A、602B)どうしの間隔である離隔距離L2よりも大きいことを特徴としている。
この発明にかかる実施の形態の電波修正時計100によれば、耐磁板601(601A、601B)どうしの間隔である離隔距離L1を、耐磁板602(602A、602B)どうしの間隔である離隔距離L2よりも大きくすることにより、時刻指示針107の軸心方向において耐磁板602よりも受信リード板203に近い耐磁板601どうしの磁気結合を防止するとともに、時刻指示針107の軸心方向において受信リード板203から離間している耐磁板602の面積を大きくして耐磁板602側におけるモータ801に対する外部磁界の影響を確実に遮断または低減することができる。これによって、時刻指示針107が示す時刻の精度に対する信頼性を確保しつつ、標準電波の受信感度の向上を図ることができる。
また、この発明にかかる実施の形態の電波修正時計100は、耐磁板602Bが、時刻指示針107の軸心方向に直交する方向において時刻指示針107の回転軸側に突出し、モータ801の駆動力を時刻指示針107に伝達する輪列810の少なくとも一部を間接的に支持する支持部604を備えたことを特徴としている。
この発明にかかる実施の形態の電波修正時計100によれば、耐磁板602(602B)を用いて輪列810の少なくとも一部を間接的に支持することにより、当該輪列810を専用の部品を用いて支持する場合と比較して部品点数を減らすことができる。これによって、専用の部品を用いて輪列を支持する場合と比較して、電波修正時計100の小型化を図ることができる。
また、この発明にかかる実施の形態の電波修正時計100は、耐磁板602は、少なくとも一部が、時刻指示針107の軸心方向に直交する方向において、受信リード板203と重なるように配置されていることを特徴としている。
この発明にかかる実施の形態の電波修正時計100によれば、耐磁板602は時刻指示針107の軸心方向において受信リード板203から離間しているため、当該耐磁板602の形状の自由度を高めることができ、当該耐磁板602の位置決めが可能な位置決め部としての孔603を設けることができる。これによって、専用の部品を用いて別の耐磁板の位置決めをおこなう場合と比較して、電波修正時計100の小型化を図ることができる。
このように、この発明にかかる実施の形態の電波修正時計100によれば、耐磁板601と受信リード板203とが磁気結合することに起因して受信リード板203による標準電波の受信感度が低下することを防止することができるので、耐磁板601を用いることにより時刻指示針107が示す時刻の精度に対する信頼性を確保しつつ、標準電波の受信感度の向上を図ることができる。