JP5586840B2 - 芯無しトイレットロール製造用シャフト - Google Patents
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Description
この種のトイレットロール(以下、芯無しトイレットロールという)は、紙管が存在しないがゆえその巻き長さが長く、交換頻度が少なくてすむために、店舗や公共施設においてよく利用されている。
このような芯無しトイレットロールは、シャフトと呼ばれるステンレス製の断面が円形の芯棒に水等の適宜の液体を噴射した後、直ちに帯状の連続衛生薄葉紙の端部を接触させて当該薄葉紙を所定の長さ巻き取り、さらにその後にシャフトを回転方向に直行する方向(シャフトの軸心延在方向)に引き抜くことでログを形成したのち、これを適宜の幅に裁断して製造されている。
すなわち、シャフトに噴射された液体によって連続衛生薄葉紙の巻き始めから所定長さが接着され、衛生薄葉紙自体によって擬似的な筒芯が形成されるのである。
そして、従来、この芯無トイレットロールの製造に用いられているシャフトは、衛生薄葉紙の張り付き等を考慮して、業界で片研とも呼ばれる、2B表面規格のステンレスを#400番のバフにより研磨仕上げしてなる光沢のあるステンレス製シャフトが用いられている。
そこで、本発明の主たる課題は、このような芯無しトイレットロールの製造時に生ずる問題点を解決することにある。
<請求項1記載の発明>
材質が金属製であって、その外周面のJIS B 0601(2001)に準拠して測定された算術表面粗さ(Ra)が1.0μm〜5.0μmであり、
濡れ性において、JIS R 3257(1999)に準拠して測定されたθ/2法による水との接触角が、100ms時に83〜91°である、
ことを特徴とする芯無しトイレットロール製造用シャフト。
材質が金属製であって、その外周面のJIS B 0601(2001)に準拠して測定された算術表面粗さ(Ra)が1.0μm〜5.0μmであり、
濡れ性において、JIS R 3257(1999)に準拠して測定されたθ/2法による水との接触角が、500ms時において72〜79°である、
ことを特徴とする芯無しトイレットロール製造用シャフト。
濡れ性において、JIS R 3257(1999)に準拠して測定されたθ/2法による水との接触角が、500ms時において72〜79°である請求項1記載の芯無しトイレットロール製造用シャフト。
本発明のシャフトは、これまで一般的に用いられてきた片研と呼ばれる、光沢仕上げのシャフトと比較して、表面粗さが極めて高い。
これまで、シャフトの表面を粗くすると、シャフトの抜き取り工程時に、衛生薄葉紙との摩擦が増加して、擬似的に形成された芯の部分が削られて紙くずが発生したり、芯の部分が崩れたり、或いは芯部分が竹の子状に飛び出してしまう事故が増加するものと考えられていた。
しかしながら、本発明者らが鋭意研究したところ、表面粗度及び濡れ性を本発明の範囲とすると、シャフト表面における液体存在面積が増加するとともに、シャフト表面と衛生薄葉紙との接触部分との減少が効果的に相まって極めてスムーズにシャフトを引き抜くことができ、製造時の問題点が劇的に改善されることを知見し本発明が完成された。
外周面のJIS B 0601(2001)に準拠して測定された最大高さ(Rmax)が15〜25μmである請求項1〜3の何れか1項に記載の芯無しトイレットロール製造用シャフト。
最大高さ(Rmax)が、本発明の範囲であると請求項1記載の効果がよりいっそう確実に発揮されるようになる。
芯無しトイレットロールの製造方法は、背景技術の欄においても述べたように、帯状の連続衛生薄葉紙の巻き取り開始端を、シャフトに水等の適宜の液体を噴射した後、直ちに帯状の連続衛生薄葉紙の端部を接触させ、当該状態からシャフト及び連続衛生薄葉紙を回転させて、連続薄葉紙を所定の長さ巻き取り、さらにその後にシャフトを回転方向に直行する方向、すなわちシャフトの軸心延在方向に引き抜くことでログを得たのち、これを幅方向に適宜の大きさに裁断して製造されている。
本発明は上記シャフトに関するものである。かかるシャフトは、一般的に断面が実質的真円の筒状、中空又は中実の棒状をなし、その断面直径は、30〜50mm程度であり、長さは概ね1〜3mである。
そして、本発明においては、そのシャフトにおいて、特徴的にその外周面JIS B 0601(2001)に基づいて測定された算術表面粗さ(Ra)を1.0μm〜5.0μm、好ましくは2.0〜4.0μmとした。算術表面粗さ(Ra)が1.0μm未満であったり5.0μmを超えると、シャフト引き抜き工程時に擬似的に形成された芯が抜けたり、崩れたりといった問題点が生ずる。
また、本発明のシャフトは、外周面のJIS B 0601(2001)に準拠して測定された最大高さ(Rmax)が15〜25μm、好ましくは19〜23μmであるのが望ましい。
15μm未満であったり、25μmを超えたりすると、本発明の効果が得られがたくなる。
濡れ性に関しては、さらに、本発明のシャフトは、上記100ms時の接触角であるとともに、500ms時において72〜79°であり、100ms及び500ms時の接触角であるとともに、1100ms時において67〜75°であり、上記100ms、500ms、1100ms時の接触角であるとともに、1700ms時において63〜73°であり、さらに経時的に接触角が減少するものであるのが望ましい。
ただし、過度に積層枚数が多くなると、シャフトに付着した水が衛生薄葉紙に過度に吸収されて、シャフトと薄葉紙との間に存在する液体が減少し、本発明の効果的なシャフト引き抜き操作が発揮されなくなるおそれが高まる。
もちろん、抄紙に際しては、例えば、分散剤、苛性ソーダ、アンモニア水等のpH調整剤、消泡剤、防腐剤、蛍光染料、離型剤、耐水化剤、流動変性剤、歩留まり向上剤などの適宜の薬品を添加することができる。
次いで、本発明にかかるシャフトと従来シャフトとを用いて、実際に4000本/日でログを30日間製造し、シャフト抜き取り時におけるトラブルの発生割合について検討した。
なお、本発明にかかるシャフトは、算術表面粗さ(Ra)が3.382μm、最大高さRmaxが20.1118μmと測定されたものを用いた。
表面粗さ等の測定には、テーラーホブソン株式会社製、From Talysurf Series S4Cを用いた。
Claims (4)
- 材質が金属製であって、その外周面のJIS B 0601(2001)に準拠して測定された算術表面粗さ(Ra)が1.0μm〜5.0μmであり、
濡れ性において、JIS R 3257(1999)に準拠して測定されたθ/2法による水との接触角が、100ms時に83〜91°である、
ことを特徴とする芯無しトイレットロール製造用シャフト。 - 材質が金属製であって、その外周面のJIS B 0601(2001)に準拠して測定された算術表面粗さ(Ra)が1.0μm〜5.0μmであり、
濡れ性において、JIS R 3257(1999)に準拠して測定されたθ/2法による水との接触角が、500ms時において72〜79°である、
ことを特徴とする芯無しトイレットロール製造用シャフト。 - 濡れ性において、JIS R 3257(1999)に準拠して測定されたθ/2法による水との接触角が、500ms時において72〜79°である請求項1記載の芯無しトイレットロール製造用シャフト。
- 外周面のJIS B 0601(2001)に準拠して測定された最大高さ(Rmax)が15〜25μmである請求項1〜3の何れか1項に記載の芯無しトイレットロール製造用シャフト。
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