JP5585864B2 - パーセルシェルフの支持構造 - Google Patents

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Description

本発明は、
荷室側面を形成する内装部材とパーセルシェルフの側部との一方に横軸部が設けられ、前記横軸部が相対回転自在に嵌合する嵌合部を備えた軸受け部が他方に設けられて、前記パーセルシェルが起立姿勢と倒伏姿勢とに揺動切り換え自在に構成されているパーセルシェルフの支持構造に関する。
この種のパーセルシェルフの支持構造を備えた車両では、パーセルシェルフを起立姿勢に設定して荷室の上部を開放することで荷室に荷物を収容しやすくし、荷物を荷室に収納した後はパーセルシェルフを倒伏姿勢に設定してパーセルシェルフに荷物を載置できるようにしている。
従来、パーセルシェルフを起立姿勢に保持する技術として、起立姿勢のパーセルシェルフをシートバックで受け止める技術(特許文献1参照)や、図7に示すように、起立姿勢のパーセルシェルフ5(図7の二点鎖線)の前壁部分10Aを車両後方側RrからストッパSで受け止める技術があった。図7に示す技術では横軸部は円筒に形成されて、倒伏姿勢(閉じ状態)のパーセルシェルフ5の荷重を支持している。符号Oはパーセルシェルフ5の回転軸芯(揺動軸芯)である横軸部の軸芯を示し、符号Frは車両前方側を示している。
一般に、シートバックは後ろ上がりに傾斜し、パーセルシェルフの回転軸芯である横軸部の軸芯はシートバックの上端部の背面に近接している。従って、シートバックにヘッドレストが連結されている場合、パーセルシェルフがシートバックやストッパに当接するよりも先にヘッドレストに当接する。そのために、荷室側の水平面に対するパーセルシェルフの傾斜角が90°以下となり、パーセルシェルフが自重で倒伏姿勢に戻りやすい。
この問題を解消するために、前記傾斜角が90°以下となった場合でもパーセルシェルフが起立姿勢を保持できるように、乗員が別途ヒモで天井やバックドアにパーセルシェルフを吊り下げ支持していた。
実登第2577898号公報
上記従来の技術によれば、前記傾斜角が90°以下となった場合でもパーセルシェルフが起立姿勢を保持できるように、乗員が別途ヒモで天井やバックドアにパーセルシェルフを吊り下げ支持していたために、パーセルシェルフの姿勢変更作業に手間がかかっていた。
本発明は上記実状に鑑みて成されたもので、その目的は、荷室側の水平面に対する起立姿勢のパーセルシェルフの傾斜角が90°以下となる構造であっても、パーセルシェルフを簡単に起立姿勢に設定することができて、パーセルシェルフの姿勢変更作業の手間を軽減することができるパーセルシェルフの支持構造を提供する点にある。
本発明の特徴は、
荷室側面を形成する内装部材とパーセルシェルフの側部との一方に横軸部が設けられ、
前記横軸部が相対回転自在に嵌合する嵌合部を備えた軸受け部が他方に設けられて、前記パーセルシェルが起立姿勢と倒伏姿勢とに揺動切り換え自在に構成されているパーセルシェルフの支持構造であって、
前記横軸部と嵌合部の一方に、他方に対して弾性係合して前記パーセルシェルフの起立姿勢を保持する係合凸部が形成され
前記横軸部は筒状に形成され、
前記係合凸部は前記横軸部の外周部に形成され、
前記横軸部の径方向への前記係合凸部の弾性変形を許すスリットが前記横軸部の周部に形成され、
前記係合凸部は前記横軸部の外周部の下端部に軸方向に沿って形成され、
前記横軸部の周方向で前記係合凸部の両側に前記スリットが軸方向に沿ってそれぞれ形成され、
前記嵌合部は断面C字状に形成され、
前記パーセルシェルフの倒伏姿勢時に前記係合凸部が前記嵌合部の両開放端の間に位置し、
前記パーセルシェルフの倒伏姿勢時に前記スリットが前記嵌合部の両開放端の間に位置し、
前記係合凸部は断面山形状に形成され、
前記係合凸部の車両前方側の傾斜面の傾斜が車両後方側の傾斜面の傾斜よりも緩やかに設定され、
前記パーセルシェルフが前記倒伏姿勢から前記起立姿勢に姿勢変更されるに伴って、前記嵌合部の一方の開放端が、前記係合凸部の車両前方側の傾斜面に対して摺接しながら前記係合凸部に乗り上げて、前記係合凸部が前記嵌合部に弾性係合し、
前記パーセルシェルフの後端部にはバックドアトリムに対するクッションが設けられている点にある。(請求項1)
上記の構成により、乗員がパーセルシェルフを起立姿勢側に揺動させると、横軸部と嵌合部の一方に形成された係合凸部が他方に対して弾性係合してパーセルシェルフの起立姿勢を保持する。
つまり、荷室側の水平面に対する起立姿勢のパーセルシェルフの傾斜角が90°以下となった場合でも、ヒモで天井やバックドアにパーセルシェルフを吊り下げ支持することなく、パーセルシェルフを起立姿勢に保持する事ができる。
従って、パーセルシェルフを起立姿勢に設定する場合、乗員はパーセルシェルフを起立姿勢側に揺動させるだけでよく、パーセルシェルフを簡単に起立姿勢に設定することができて、パーセルシェルフの姿勢変更作業の手間を軽減することができる。(請求項1)
前記横軸部の周部に前記スリットが形成されているから、パーセルシェルフを起立姿勢側に揺動した時に、係合凸部を横軸部の径方向内方側に撓みさせやすくすることができ、パーセルシェルフをスムーズに揺動回転させることができる。そして、起立姿勢時には係合凸部を軸受け部の嵌合部に弾性復元力で圧接させることができて、係合凸部で嵌合部と横軸部の相対回転を抑制することができ、パーセルシェルフの起立姿勢を確実に保持することができる。
前記係合凸部は前記横軸部の外周部に軸方向に沿って形成されているから、横軸部の周方向における嵌合部の嵌合面に対する係合凸部の当接長さ(当接部分の長さ)を短くできて、横軸部と嵌合部の相対回転の抵抗が大きくなることを抑制できながら、嵌合部の嵌合面に対する係合凸部の当接面積を大きくすることができて、軸受け部で横軸部を(あるいは横軸部で軸受け部を)安定支持することができる。
また、横軸部の周方向で前記係合凸部の両側に前記スリットがそれぞれ形成されているから、係合凸部を横軸部の径方向に弾性変形させやすくすることができ、パーセルシェルフをスムーズに揺動回転させることができる。
そして、係合凸部に嵌合部の嵌合面が当接している状態でパーセルシェルフの揺動を停止させると、係合凸部が横軸部と嵌合部との相対回転を抑制することで、パーセルシェルフを起立姿勢に確実に保持することができる。これにより、パーセルシェルフの姿勢変更作業の作業性の向上と、パーセルシェルフの起立姿勢の安定化とを両立させることができる。
前記倒伏姿勢時には長時間にわたってパーセルシェルフが同一姿勢を続けるが、この倒伏姿勢時には、前記係合凸部が軸受け部の嵌合部の開口部(嵌合部の両開放端の間)に位置するから、嵌合部の変形を防止できて軸受け部で横軸部を(あるいは横軸部で軸受け部を)安定支持することができる。
前記倒伏姿勢時には長時間にわたってパーセルシェルフが同一姿勢を続けるが、この倒伏姿勢時には、スリットのような脆弱部が軸受け部の嵌合部の開口部(嵌合部の両開放端の間)に位置するから、前記倒伏姿勢時に充分なパーセルシェルフの支持強度を得る事ができる。
起立姿勢側にパーセルシェルフが揺動回転する場合、係合凸部の一方の傾斜面がガイドとなって係合凸部への抵抗が少なくなり、パーセルシェルフをスムーズに回転させる事ができる。また、係合凸部の他方の傾斜面が軸受け部の嵌合部の嵌合面に接することがなく、ガイド効果が生じない為、係合凸部の当接力が充分に発揮されて、パーセルシェルフを起立姿勢に確実に保持することができる。
本発明において、
前記横軸部は前記内装部材の側部に設けられ、
前記軸受け部は前記パーセルシェルフの側部に設けられていると、既存のパーセルシェルフの軸受け部の形状を変更する必要がなくなって既存のパーセルシェルフを採用することができる。(請求項2)
本発明によれば、
荷室側の水平面に対する起立姿勢のパーセルシェルフの傾斜角が90°以下となる構造であっても、パーセルシェルフを簡単に起立姿勢に設定することができて、パーセルシェルフの姿勢変更作業の手間を軽減することができるパーセルシェルフの支持構造を提供することができた。
パーセルシェルフを倒伏姿勢にした状態の自動車の車体後部を示す斜視図 パーセルシェルフを起立姿勢にした状態の自動車の車体後部を示す斜視図 軸受け部と横軸部の組み付け状態を示す斜視図 倒伏姿勢と起立姿勢のパーセルシェルフとその周りの構造を示す縦断面図 (a)はパーセルシェルフを倒伏姿勢にした状態の横軸部と軸受け部を示す縦断面図(b)はパーセルシェルフを起立姿勢にした状態の横軸部と軸受け部を示す縦断面図 横軸部の斜視図 従来の技術を示す図であり、倒伏姿勢と起立姿勢のパーセルシェルフとその周りの構造を示す縦断面図
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1,図2に自動車の後部荷室30を示してある。この後部荷室30は、後席のシートバック1と、フロアパネル2と、後部荷室30の左右の側面を形成する左右一対の内装トリム3(内装部材に相当)と、後部荷室30の後壁を形成するテールエンドトリム4と、左右一対の内装トリム3間に架設された横長の長方形状のリヤパーセルシェルフ5(以下、「パーセルシェルフ5」と称する)とで形成されている。内装トリム3・テールエンドトリム4・パーセルシェルフ5はそれぞれ樹脂材で成形されている。
図4に示すように、前記シートバック1は後ろ上がりに傾斜し、シートバック1の上端部に上下位置変更調整自在なヘッドレスト6が連結されている。図4には上側位置・中間位置・下側位置に位置するヘッドレスト6を示してある。ヘッドレスト6の後端6E(上側位置と中間位置に位置するヘッドレスト6の後端6E)はシートバック1の上端部の後端1Eよりも車両後方側Rrに位置している。
左右一対の内装トリム3同士はほぼ対称形状に成形されて車体パネル(インナパネル)を車幅方向内側W1から覆っている。各内装トリム3は、上下方向で互いに連結された下側のクォータトリム7と上側のクォータトリム8とから成る。上下のクォータトリム7,8は車体パネルにそれぞれ固定されている。
[パーセルシェルフ5の構造]
図1〜図4に示すように、パーセルシェルフ5は、周壁が下側開放の断面コの字状に隆起した左右対称の横長のトレイ状に形成され、車両前後方向でシートバック1の上端部の近傍からバックドア(図示せず)の近傍まで延びて後部荷室30の上部を覆っている。このパーセルシェルフ5は、小荷物を載置させる機能と、後部荷室30の上部を覆って後部荷室30内を車室外から見えなくする機能とを有する。
パーセルシェルフ5の後端部の左右両端部は、内装トリム3の後端部側の張り出し部3Hに対応して車両後方側Rrほど車幅方向内側W1(車両の左右中央側)に位置する状態に傾斜するとともに平面視(倒伏姿勢のパーセルシェルフ5の平面視)で段差状に形成されている。パーセルシェルフ5の後端部にはバックドアトリムに対するクッション14が設けられている。図2,図3に示すように、左右一対の下側のクォータトリム7の上端部に、倒伏姿勢に設定されたパーセルシェルフ5の後端部の左右両端部を載置支持する一対の棚部50が各別に張り出し成形されている。
図3に示すように、左右一対の下側のクォータトリム7の上端部に、車幅方向内側W1(後部荷室30内)に膨出する長方形台座状の支持部45が設けられ、この支持部45に車幅方向内側W1(後部荷室30内)に突出する横軸部15が設けられている。
さらに、横軸部15が相対回転自在に嵌合する軸受け部25がパーセルシェルフ5の両側部(パーセルシェルフ5の断面コの字状に隆起した周壁のうちパーセルシェルフ5の外側の側壁部分11A)の前端部に設けられて、パーセルシェルフ5が起立姿勢(図2参照)と倒伏姿勢(図1,図3参照)とに横軸部15の軸芯O(図4参照)周りに揺動切り換え自在に構成されている。
符号10はパーセルシェルフ5の隆起した周壁のうちの前壁、11は側壁、12は後壁、10Aは外側の前壁部分、10Bは内側の前壁部分、11Aは前述のように外側の側壁部分、12Aは外側の後壁部分、12Bは内側の後壁部分、符号13はパーセルシェルフ5の底壁である。
前記倒伏姿勢のパーセルシェルフ5の表裏両面はほぼ水平方向に沿っている。図4に示すように、パーセルシェルフ5の前端部がシートバック1の上端部の後端1Eの近傍に位置し、ヘッドレスト6の後端6Eがシートバック1の上端部の後端1Eよりも車両後方側Rrに位置しているので、パーセルシェルフ5を起立姿勢側に持ち上げ揺動した場合、パーセルシェルフ5が鉛直姿勢になる前にヘッドレスト6に当たる。
そのために、後部荷室30側の水平面に対するパーセルシェルフ5の傾斜角が90°以下となり(図4の右側の2点鎖線参照。左側の2点鎖線は鉛直線である。)、パーセルシェルフ5が自重で倒伏姿勢に戻ってしまう。そこで、本発明では前記傾斜角が90°以下となった場合でもパーセルシェルフ5の起立姿勢を保持可能に次のように構成してある。
[軸受け部25の構造]
前述のように、軸受け部25はパーセルシェルフ5の前記外側の側壁部分11Aの前端部に設けられている。詳述すると、図3,図5(a),図5(b)に示すように、パーセルシェルフ5の前記外側の側壁部分11Aの前端部に下窄まりの台形状のブラケット18が車幅方向内側W1から重なっている。そして、ブラケット18の上端部の前後両端部が前記外側の側壁部分11Aの前端部に熱カシメにより固定されている(クリップなど他の手段で固定されていてもよい)。符号Rは熱カシメにより固定された固定部である。
また、前記外側の側壁部分11Aの前端部に下側開放の第1切り欠きK1が形成されている。ブラケット18は、第1切り欠きK1とほぼ同一形状の下側開放の第2切り欠きK2を備えたブラケット本体27と、第2切り欠きK2内に位置する状態にブラケット本体27に連設され、横軸部15を内嵌させる下側開放の嵌合部28と、横軸部15を嵌合部28にガイドするガイド部19とから成る。
嵌合部28は車幅方向内側W1に向かって窄まるテーパ円筒状に形成されるとともに、下側が開放した断面C字状に形成されている。
ガイド部19は、嵌合部28の両開放端28A,28Bのうち、車両前方側Frの開放端28Aから車両前後方向の前下方に延びる前側ガイド壁29と、車両後方側Rrの開放端28Bから車両前後方向の後下方に延びる後ろ側ガイド壁31とから成る。
また、嵌合部28の嵌合面に嵌合部28の軸芯方向に沿う複数の係合突起39が周方向に間隔を空けて突設されている。係合突起39は断面三角形状に形成されている。この係合突起39により横軸部15に対する嵌合部28の圧接力を強くすることができる。
前側ガイド壁29は車両前方側Frに凸の「く」の字状に屈曲している。さらに、前側ガイド壁29の下端部29Kは車両前方側Frに屈曲し、後ろ側ガイド壁31の下端部31Kは車両後方側Rrに屈曲している。前記第2切り欠きK2の内周部に対して嵌合部28・前側ガイド壁29・後ろ側ガイド壁31は離間しており、前側ガイド壁29の車両前方側Frに屈曲した下端部29Kと、後ろ側ガイド壁部31の車両後方側に屈曲した下端部31Kとが、ブラケット本体27の第2切り欠きK2の下端部の両側に各別に連結している。これにより、嵌合部28を弾性変形しやすくすることができる。
ブラケット本体27の周部(第2切り欠きK2の周部も含む)には車幅方向内側W1に突出する補強リブLが環状に形成されている。
上記構造の軸受け部25において、横軸部15が嵌合部28の両開放端28A,28Bの間の開口部21を通るようにパーセルシェルフ5を持ち上げると、パーセルシェルフ5を下側のクォータトリム7から取り外すことができる。
[横軸部15の構造]
図6に示すように、横軸部15は先窄まりのテーパー円筒状に形成され、横軸部15の先端部に端部壁16が設けられている。そして、図5(a),図5(b),図6に示すように、軸受け部25の嵌合部28に弾性係合してパーセルシェルフ5の起立姿勢を保持する係合凸部17が横軸部15の外周部に形成され、横軸部15の径方向への係合凸部17の弾性変形を許すスリット38が横軸部15の周部に形成されている。
前記係合凸部17は横軸部15の外周部の下端部に軸方向に沿って形成され、スリット38は横軸部15の周方向で係合凸部17の両側に前記軸方向に沿ってそれぞれ形成されている。係合凸部17とスリット38はほぼ同一の長さであり、いずれも横軸部15のほぼ全長にわたって形成されている。
前記嵌合部28の両開放端28A,28Bの間の開口部21には、パーセルシェルフ5の倒伏姿勢時に前記係合凸部17と係合凸部17の両側のスリット38が位置する(図5(a)参照)。
係合凸部17は断面において頂部が円弧となる山形状に形成されている。また、係合凸部17の一方の傾斜面17M1がなだらかな勾配になるように形成され、反対側(車両後方側Rr)の他方の傾斜面17M2が急勾配になるように形成されて、前記一方の傾斜面17M1の傾斜が他方の傾斜面17M2の傾斜よりも緩やかに設定されている(図5(a)参照)。
そして、パーセルシェルフ5が前記倒伏姿勢から前記起立姿勢に姿勢変更されるに伴って、前記嵌合部28の一方の開放端28Aが、係合凸部17の一方の傾斜面17M1に対して摺接しながら係合凸部17に乗り上げて、係合凸部17が嵌合部28に係合するよう構成されている。
[横軸部15と軸受け部25の作動]
(1) パーセルシェルフ5の倒伏姿勢から起立姿勢への切り換え
図1,図3,図5(a)に示すように、パーセルシェルフ5の倒伏姿勢では、横軸部15の係合凸部17と両スリット38は軸受け部25の嵌合部28の開口部21内にある。
この状態でパーセルシェルフ5の後端部を乗員が持ち上げて揺動させると、それに伴って、嵌合部28の係合突起39が横軸部15の外周面に対して摺接しながら嵌合部28が横軸部15に対して回転する。
また、嵌合部28の一方の開放端28Aが、係合凸部17の一方の傾斜面17M1に対して摺接しながら係合凸部17に乗り上げて、係合凸部17が嵌合部28に係合する。
パーセルシェルフ5が起立姿勢になった時に乗員がパーセルシェルフ5の揺動を停止させると、係合凸部17が嵌合部28を内側から突っ張った状態になって、嵌合部28と横軸部15の相対回転が阻止され、係合凸部17がパーセルシェルフ5を起立姿勢に保持する(図5(b)参照)。
起立姿勢側にパーセルシェルフ5が揺動回転する場合、係合凸部17の一方の傾斜面17M1がガイドとなって係合凸部17への抵抗が少なくなり、パーセルシェルフ5をスムーズに回転させる事ができる。また、係合凸部17の他方の傾斜面17M2が軸受け部25の嵌合部28の嵌合面に接することがなく、ガイド効果が生じない為、係合凸部17の当接力が充分に発揮されて、パーセルシェルフ5を起立姿勢に確実に保持することができる。
(2) パーセルシェルフ5の起立姿勢から倒伏姿勢への切り換え
図5(b)に示すパーセルシェルフ5の起立姿勢から、乗員がパーセルシェルフ5の後端部を下に押して下降揺動させると、前記嵌合部28の係合突起39が横軸部15の外周面に対して摺接しながら嵌合部28が横軸部15に対して回転する。この時、係合凸部17の他方の傾斜面17M2は嵌合部28の嵌合面に対して摺接せず、係合凸部17の頂面が嵌合部28の嵌合面に対して摺接する。そして、前記係合凸部17と両スリット38が軸受け部25の開口部21に収容されてパーセルシェルフ5が倒伏姿勢に保持される(図5(a)参照)。
前記倒伏姿勢時には長時間にわたってパーセルシェルフ5が同一姿勢を続けるが、倒伏姿勢時には、係合凸部17が軸受け部25の嵌合部28の開口部21に位置するから、横軸部15で軸受け部25を安定支持することができる。また、スリット38のような脆弱部が嵌合部28の開口部21に位置するから、前記倒伏姿勢時に充分なパーセルシェルフ5の支持強度を得る事ができる。
本発明によれば、軸受け部25をパーセルシェルフ5とは別体のブラケット18に形成してあるので、軸受け部25(ブラケット18)を車幅の異なる他の機種(車種)にも共通に用いることができる。
前記係合凸部17は車室内側位置する横軸部15に設けられているから、パーセルシェルフ5側に構造の変更を必要とせず、ヘッドレスト6が付かない他機種にもパーセルシェルフ5を共通に用いることができる。
以上の構造により、本発明では、後部荷室30側の水平面に対するパーセルシェルフ5の傾斜角が90°以下となった場合でも、ヒモ等でパーセルシェルフ5を吊り下げ支持することなく、パーセルシェルフ5を起立姿勢に保持する事ができる。
つまり、パーセルシェルフ5を起立姿勢に設定する場合、乗員はパーセルシェルフ5を起立姿勢側に揺動させるだけでよく、パーセルシェルフ5を簡単に起立姿勢に設定することができて、パーセルシェルフ5の姿勢変更の手間を軽減することができる。
[別実施形態]
前記横軸部15をパーセルシェルフ5側、軸受け部25を下側のクォータートリム側7に設けても良い。この場合、軸受け部25の開口部21の位置(開口位置)および横軸部15の係合凸部17の形状は、前後上下方向を先述の実施形態とは逆に配置することにより、同様の効果を得ることができる。
7 内装部材(下側のクォータトリム)
5 パーセルシェルフ
15 横軸部
17 係合凸部
17M1 一方の傾斜面
17M2 他方の傾斜面
25 軸受け部
28 嵌合部
28A 嵌合部の開放端
28B 嵌合部の開放端
38 スリット

Claims (2)

  1. 荷室側面を形成する内装部材とパーセルシェルフの側部との一方に横軸部が設けられ、
    前記横軸部が相対回転自在に嵌合する嵌合部を備えた軸受け部が他方に設けられて、前記パーセルシェルが起立姿勢と倒伏姿勢とに揺動切り換え自在に構成されているパーセルシェルフの支持構造であって、
    前記横軸部と嵌合部の一方に、他方に対して弾性係合して前記パーセルシェルフの起立姿勢を保持する係合凸部が形成され
    前記横軸部は筒状に形成され、
    前記係合凸部は前記横軸部の外周部に形成され、
    前記横軸部の径方向への前記係合凸部の弾性変形を許すスリットが前記横軸部の周部に形成され、
    前記係合凸部は前記横軸部の外周部の下端部に軸方向に沿って形成され、
    前記横軸部の周方向で前記係合凸部の両側に前記スリットが軸方向に沿ってそれぞれ形成され、
    前記嵌合部は断面C字状に形成され、
    前記パーセルシェルフの倒伏姿勢時に前記係合凸部が前記嵌合部の両開放端の間に位置し、
    前記パーセルシェルフの倒伏姿勢時に前記スリットが前記嵌合部の両開放端の間に位置し、
    前記係合凸部は断面山形状に形成され、
    前記係合凸部の車両前方側の傾斜面の傾斜が車両後方側の傾斜面の傾斜よりも緩やかに設定され、
    前記パーセルシェルフが前記倒伏姿勢から前記起立姿勢に姿勢変更されるに伴って、前記嵌合部の一方の開放端が、前記係合凸部の車両前方側の傾斜面に対して摺接しながら前記係合凸部に乗り上げて、前記係合凸部が前記嵌合部に弾性係合し、
    前記パーセルシェルフの後端部にはバックドアトリムに対するクッションが設けられているパーセルシェルフの支持構造。
  2. 前記横軸部は前記内装部材の側部に設けられ、
    前記軸受け部は前記パーセルシェルフの側部に設けられている請求項に記載のパーセルシェルフの支持構造。
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