JP5585647B2 - 伝送装置、伝送方法及び伝送システム - Google Patents
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Description
特許文献1は、対向する通信装置との間に複数の論理リンクを形成し、送信データを分割して送信する通信装置の構成を開示している。特許文献1に記載された通信装置は、受信したデータをその送信番号順に合成することにより、分割された送信データを元のデータに復元する。
特許文献2は、広域イーサネット(「イーサネット」は登録商標)網において、網内を流れる、所定の長さよりも長いMAC(Media Access Control)フレームを分割して分割フレームを生成するエッジ装置の構成を記載している。そして、特許文献2に記載されたエッジ装置は、網内から外部へ分割フレームを転送する場合には、これらの分割フレームを結合する。
このように、特許文献1及び2に記載された通信装置は、送信データを分割して並列に伝送することで、伝送容量の拡大を図っている。
さらに、伝送路の状況に応じて伝送容量を最適化する方式として、特許文献3に記載された適応変調機能が知られている。適応変調機能を備えた伝送装置は、伝送路の状況に基づいて、伝送誤りが許容量以下となるように、変調方式を決定する。
従って、適応変調機能を備えた伝送装置を用いてデータを分割して並列に伝送する場合、受信側の伝送装置には、受信した複数のデータから分割される前のデータを復元するまでの間データを保持しておくための、大容量のメモリが必要となる。その結果、適応変調機能を備えた伝送装置において、データを分割して伝送しようとすると、大容量のメモリの搭載が必要となり、伝送装置の構成が複雑化するとともに価格も上昇する。
しかしながら、特許文献1乃至3は、適応変調機能を備えた伝送装置においてデータを分割して伝送する際のこのような課題を解決する手段を開示していない。
本願発明の目的は、適応変調機能を備えた伝送装置において、データを分割して伝送するためには、伝送装置の構成が複雑となり価格が上昇してしまうという課題を解決するための手段を提供することにある。
本願発明の伝送方法は、入力されたデータを複数に分割し、分割されたデータを伝送路に送信し、伝送路の状態に対応付けられた変調方式の中から、送信するデータの各々の伝送速度の差が所定の範囲内となるようにデータの変調方式を決定する。
無線伝送システムの伝送容量を拡大するためには、可能な限り変調多値数が大きい変調方式を用いてデータを変調することが好ましい。しかしながら、一般的に、変調方式の変調多値数が大きくなるにつれて、無線伝送路の伝搬条件の変動に対する無線信号の耐力が低下する。逆に、変調多値数を小さくすると、伝送容量は低下するが、伝搬条件の変動に対する無線信号の耐力は大きくなる。
適応変調機能を備えた無線伝送システムは、伝送路の状況に応じて、より適した変調方式を随時選択することにより、伝送誤りの低減と伝送容量の拡大とを両立させることができる。なお、適応変調機能を備えた伝送システムの動作手順はよく知られているので、適応変調機能に関する詳細な説明は省略する。
図1は、本願発明の第1の実施形態の無線伝送システムの構成を示す図である。
図1を参照して、無線伝送装置10の構成を説明する。図1において、無線伝送装置30の構成及び機能は無線伝送装置10と同一であるので、無線伝送装置30の構成及び機能の説明は省略する。また、無線伝送装置10の無線送受信部19の構成は、無線送受信部15と同一である。従って、無線伝送装置30及び無線送受信部19の詳細な説明も省略する。なお、図1において、無線送受信部15に各部に対応する無線送受信部19の各部には、無線送受信部15に係る参照符号に「A」を付している。
無線伝送装置10は、無線伝送装置30と対向して互いにMACフレームの伝送を行う。無線伝送装置10は、ユーザーネットワーク40から入力された外部LAN信号100を分割し、無線信号として無線伝送装置30に送信する。無線伝送装置30は、無線伝送装置10から受信した無線信号からデータを復元し、外部出力LAN信号501としてユーザーネットワーク50に出力する。
逆に、無線伝送装置30は、ユーザーネットワーク50から入力された外部LAN信号502を分割し、無線信号として無線伝送装置10に送信する。無線伝送装置10は、無線伝送装置30から受信した無線信号からデータを復元し、外部出力LAN信号231としてユーザーネットワーク40に出力する。
無線伝送装置10は、フレーム分割部11、生成部12及び13、送信判定部14、無線送受信部15及び19、解析部20及び21、受信判定部22、フレーム統合部23を備える。
以下では、まず無線伝送装置の各部の接続関係を主に説明する。動作の詳細は「実施形態の動作の説明」の項で改めて説明する。
フレーム分割部11には、ユーザーネットワーク40からの外部入力LAN信号100と送信判定部14からの分割制御信号141とが入力される。外部入力LAN信号141は、ユーザーネットワーク50へ伝送されるMACフレームである。フレーム分割部11は、入力された外部LAN信号100のMACフレームを2分割し、分割LAN信号111及び分割LAN信号112として、それぞれ生成部12及び生成部13へ出力する。
生成部12には、フレーム分割部11から入力された分割LAN信号111と、送信判定部14から入力された多重アラーム信号142とが入力される。そして、生成部12は、分割LAN信号111と多重アラーム信号142とを多重して送信信号121として無線送受信部15内の無線送信部16へ出力する。
生成部13には、フレーム分割部11から入力された分割LAN信号112と、送信判定部14から入力された多重アラーム信号143とが入力される。そして、生成部13は、分割LAN信号112と多重アラーム信号143とを多重して送信信号131として無線送受信部19内の無線送信部16Aへ出力する。
次に、無線送受信部15、19について説明する。
無線送受信部15は、無線送信部16、無線受信部17及び適応変調決定部18を備える。また、無線送受信部19も、無線送信部16A、無線受信部17A及び適応変調決定部18Aを備える。無線送受信部19の構成及び動作は無線送受信部15と同様であるので、無線送受信部19の各部に関する説明は省略する。
無線送信部16には、生成部12から送信信号121が入力される。無線送信部16は、変調制御信号181が指定する変調方式によって送信信号121を変調し、無線信号161を生成する。無線信号161は、アンテナ10Aから、対向する無線伝送装置30に接続されたアンテナ30Aへ電波として送信される。
一方、無線受信部17に接続されたアンテナ10Bは、無線伝送装置30が生成してアンテナ30Bから放射された無線信号301を、アンテナ10Bを経由して受信する。無線受信部17は、入力された無線信号301を復調して受信信号172を生成し、受信信号172を解析部20へ出力する。また、無線受信部17は、送信判定部14と受信判定部22とへ無線アラーム信号171を出力する。無線アラーム信号171は、無線受信部17の受信電力が低下したことを示す受信電力低下アラームを含んでいる。さらに、無線受信部17は、受信電力モニタ信号173を適応変調決定部18へ出力する。
適応変調決定部18は、受信電力モニタ信号173から、無線対向の無線伝送装置30から受信する信号の無線受信電力を知る。そして、適応変調決定部18は、無線受信電力と予め設定された閾値との大小関係に基づいて、変調方式を選択する。適応変調決定部18は、選択した変調方式を変調制御信号181として無線送信部16へ出力する。
ここで、適応変調決定部18は、変調方式同期信号182を用いて、無線送受信部19の適応変調決定部18Aとの間で互いに変調方式に関する情報を送受信する。その結果、適応変調決定部18及び適応変調決定部18Aは、送信信号121及び送信信号131に対して選択された、両方の変調方式を知ることができる。
なお、無線送受信部15と内部構造が同一である無線送受信部19の無線送信部16Aも、無線送信部16と同様の動作を行う。すなわち、無線送信部16Aは、生成部13から入力された送信信号131に対して変調及び周波数変換を行い、無線信号191を生成する。そして、無線送信部16Aは、無線信号191をアンテナ10Cへ出力する。
送信判定部14には、無線アラーム信号171及び192と、受信アラーム信号202及び212が入力される。送信判定部14は、これらのアラーム信号の状態から所定の判定動作を行う。判定動作に関しては、「実施形態の動作の説明」の項で説明する。そして、送信判定部14は、判定結果を分割制御信号141としてフレーム分割部11へ出力する。また、送信判定部14は、判定結果を、生成部12及び13へ、それぞれ多重アラーム信号142及び143として出力する。
無線受信部17には、無線対向局である無線伝送装置30から、アンテナ30B及び10Bを経由して受信した無線信号301が入力される。無線受信部17は、入力された無線信号301を周波数変換して復調する。そして、無線受信部17は、復調した信号を受信信号172として解析部20へ出力する。また、無線受信部17は、無線伝送装置30からの受信電力が低下したことを示す受信電力低下アラームを、無線アラーム信号171として送信判定部14及び受信判定部22へ出力する。
なお、無線送受信部15と内部構成が同一である無線送受信部19の無線受信部17Aも、無線受信部17と同様の動作を行う。すなわち、無線受信部17Aは、受信信号193を解析部21へ出力するとともに、無線アラーム信号192を送信判定部14及び受信判定部22へ出力する。
解析部20には受信信号172と統合制御信号221とが入力される。解析部20は、統合制御信号221に基づいて受信信号172の処理を行い、処理結果を統合LAN信号201としてフレーム統合部23へ出力する。また、解析部20は、無線アラーム信号171から検出されたアラームを、受信アラーム信号202として送信判定部14及び受信判定部22へ出力する。
解析部21の動作は、入力される受信信号が無線送受信部19から出力された受信信号193である他は、解析部20と同様である。すなわち、解析部21には、無線送受信部19から出力された受信信号193と受信判定部22から出力された統合制御信号222とが入力される。解析部21は、統合制御信号222に基づいて受信信号193に所定の処理を行い、処理結果を統合LAN信号211としてフレーム統合部23へ出力する。また、解析部21は、受信信号193から検出したアラームを通知する受信アラーム信号212を送信判定部14及び受信判定部22へ出力する。
フレーム統合部23には、解析部20及び21が出力する統合LAN信号201及び211が入力される。フレーム統合部23は、入力されたこれらの2つの信号を統合してMACフレームを生成する。そして、フレーム統合部23は、生成したMACフレームを外部出力LAN信号231としてユーザーネットワーク40へ出力する。
受信判定部22には、無線受信部17が出力する無線アラーム信号171と無線送受信部19が出力する無線アラーム信号192とが入力される。受信判定部22は、これらの信号に基づいて後述する判定を行い、判定の結果を解析部20及び21へ、統合制御信号221及び222としてそれぞれ出力する。
[実施例の動作の説明]
図1〜図5を参照して第1の実施形態の無線伝送システムの動作を詳細に説明する。
図1の無線伝送装置10のフレーム分割部11には、ユーザーネットワーク40からの外部入力LAN信号100と送信判定部14からの分割制御信号141とが入力される。
フレーム分割部11は、分割制御信号141に基づいて、外部LAN信号100のMACフレームを2分割する。フレーム分割部11は、2分割した外部入力信号100の一方を、生成部12を経由して無線送受信部15へ出力する。また、フレーム分割部11は、2分割した外部入力信号100の他方を、生成部13を経由して無線送信部19へ出力する。
ここで、送信前のMACフレームの分割時と、受信後のMACフレームの統合時とで分割方式が合致していれば、任意の手順でMACフレームを分割してよい。例えば、フレームの偶数又は奇数バイト毎にMACフレームが分割されてもよい。あるいは、MACフレームを構成するデータの1バイト(8ビット)毎に、上位ビットと下位ビットとでMACフレームを2つに分割してもよい。
図2は、第1の実施形態における、MACフレームの分割及び統合を説明するための図である。図2には、1バイト(8ビット)を単位とするデータ(以下、「BYTEデータ」という。)であるMACフレームを、上位ビット及び下位ビットに分割して伝送する場合のMACフレームの形態を例として示す。
図2のS1〜S3は、MACフレームを構成するデータの1バイト毎に、上位ビットと下位ビットとでMACフレームを2つに分割する手順を示す。
上位ビットとは外部LAN信号100をバイト単位で区切ったデータの第5〜第8ビットであり、図2において1−1、2−1、3−1、4―1・・・で示されるデータである。また、下位ビットとは、外部LAN信号100をバイト単位で区切ったデータの第1〜第4ビットであり、1−2、2−2、3−2、4―2・・・で示されるデータである。フレーム分割部11は、入力された外部LAN信号100(S1)を、上位ビットのデータから成る分割LAN信号111(S2)及び分割LAN信号112(S3)に分割して出力する。
また、フレーム分割部11は、分割制御信号141によって、分割を停止するように指示された場合には、MACフレームの分割を停止する。MACフレームの分割の停止が指示された場合、フレーム分割部11は、無線送受信部15及び19のうち指示された方向へは無効データを送出する。そして、フレーム分割部11は、無効データを送出しない方向へMACフレームを分割せずに送出する。
無効データの内容は、受信の際にそのデータが分割されたMACフレームではないことが識別可能なものとしてもよい。たとえば、データを全て「0」あるいは「1」とし、受信の際に、読み出したデータが全て「0」あるいは「1」であればそのデータが無効データであると受信側が判断するようにしてもよい。あるいは、無効データに特定のパターンを付与し、受信側でその特定のパターンが検出された場合にはそのパターンを含むデータは無効データであると受信側が判断してもよい。
図3は、第1の実施形態において、フレーム分割部11が出力するデータの一方が無効データである場合のMACフレームの処理手順を示す図である。
図3のS11〜S13は、図2において下位ビットを伝送していた系への分割データの送出が停止され、無効データが代わりに送出される場合のMACフレームの様子を示す。フレーム分割部11は、入力された外部LAN信号100(S1)の上位ビットのデータと下位ビットのデータを、分割LAN信号111(S2)として交互に出力する。また、フレーム分割部11は、分割LAN信号112(S3)として、無効データを出力する。
次に、生成部12及び13の動作について説明する。図1の生成部12及び13は、出力先が無線送受信部15であるか無線送受信部19であるかという点が相違するのみである。このように、生成部12と生成部13との構成及び動作は同じであるため、以下では生成部12に関してのみ説明を行い、生成部13の説明は省略する。
生成部12は、フレーム分割部11から入力された分割LAN信号111と後述する送信判定部14から入力された多重アラーム信号142とを多重する。また、生成部12は、同期パターンとエラー検出符号とを、多重された信号に一定周期で挿入する。生成部12は、このようにして生成した送信信号121を、無線送受信部15へ出力する。送信信号121に一定周期で挿入された同期パターンとエラー検出符号とは、無線対向局30で検出されて伝送品質を評価するために用いられる。
なお、ここで生成部12、生成部13は同一装置内の同一クロックで動作する。従って、生成部12が分割LAN信号111に同期パターン及びエラー検出符号を挿入するタイミングと、生成部13が分割LAN信号112に同期パターン及びエラー検出符号を挿入するタイミングとは一致する。
無線送信部16には、生成部12が出力した送信信号121が入力される。無線送信部16は、送信信号121に対して周波数変換及び変調を行う。無線送信部16は、変調制御信号181で指定される変調方式によって、送信信号121を変調する。そして、無線送信部16は、周波数変換及び変調を行った送信信号121を、無線信号161としてアンテナ10Aを介して対向する無線伝送装置30のアンテナ30Aへ送信する。
無線送信部16Aは、無線送信部16と同様の動作を行う。すなわち、無線送信部16Aは、送信信号131に、変調及び周波数変換を行う。無線送信部16Aは、変調制御信号181Aで指定される変調方式によって、送信信号131を変調する。そして、無線送信部16Aは、周波数変換及び変調を行った送信信号131を、無線信号161としてアンテナ10Cを介して無線伝送装置30のアンテナ30Cへ送信する。
ここで、適応変調決定部18は、無線送受信部19の適応変調決定部18Aとの間で、変調方式同期信号182を用いて互いに変調方式に関する情報を送受信する。そして、適応変調決定部18及び18Aは、所定の手順に従い、送信信号121及び131に対する伝送速度が同一となるように変調方式を選択する。その結果、無線送受信部15と無線送受信部19とが送信するデータは、同一の速度で対向する無線伝送装置で受信される。
例えば、適応変調決定部18及び18Aは、変調方式同期信号182によって、変調制御信号181で指定される変調方式及び変調制御信号181Aで指定される変調方式の双方の情報を知ることができる。従って、適応変調決定部18及び18Aが共通して認識している変調方式のうち、最も伝送速度が低い変調方式を選択することで、適応変調決定部18及び18Aは、同一の変調方式を選択することができる。
無線受信部17は、無線対向局である無線伝送装置30から、アンテナ30B及び10B経由で無線信号301を受信する。そして、無線受信部17は、無線信号301の周波数変換及び復調を行い、受信信号172として解析部20へ出力する。
さらに、無線受信部17は、無線送受信部15の内部の障害や伝送路の伝搬状態の変化により発生する受信アラームに関する情報を、受信アラーム信号171として送信判定部14と受信判定部22とへ出力する。受信アラームに関する情報には、例えば受信電力が予め設定した値を下回ったことを示すアラームがある。しかし、受信アラームの内容は伝送路の状態、受信信号あるいは受信処理に関連するアラームであればよく、上記の例に限定されない。
また、無線送受信部15と構成が同一である無線送受信部19においては、無線受信部17Aは、無線信号302を周波数変換して復調して得られた受信信号193を解析部21へ出力する。また、無線受信部17Aは、無線信号302から検出した無線アラーム信号192を、送信判定部14と受信判定部22とへ出力する。
解析部20には、無線受信部17が出力した受信信号172が入力される。解析部20は、受信信号172を、LAN信号とアラーム信号とへ分離する。LAN信号は、ユーザーネットワーク40へ伝送されるデータである。そして、解析部20は、分離したLAN信号を統合LAN信号201としてフレーム統合部23へ出力する。
また、解析部20は、受信信号172から分離したアラーム信号と、無線対向局の生成部で挿入した誤り検出符号とから受信信号172の誤りを検出して、受信アラーム信号202として出力する。そして、解析部20は、誤りが予め設定された基準を超えて発生している場合には、アラーム情報を生成して受信アラーム信号202に多重して送信判定部14へ出力する。
解析部21は、解析部20と同様に、受信信号193から分離したLAN信号を統合LAN信号211としてフレーム統合部23へ出力する。そして、解析部21は、受信信号193から分離したアラーム信号を受信アラーム信号212として出力する。また、解析部21は、受信信号193から検出されたアラーム情報を受信アラーム信号212に多重して送信判定部14へ出力する。
フレーム統合部23には、統合LAN信号201と統合LAN信号211とが入力される。フレーム統合部23は、統合LAN信号201と統合LAN信号211との双方がともに無効データでない場合には、これらの2つの信号を統合してMACフレームを生成する。しかし、統合LAN信号201及び統合LAN信号211の一方が無効データである場合には、他方の統合LAN信号のみを用いてMACフレームを生成する。その結果、フレーム統合部23において、送信時に分割される前のMACフレームが復元される。フレーム統合部23は、統合したMACフレームを外部出力LAN信号231としてユーザーネットワーク40へ出力する。
ここで、フレーム統合部23におけるフレーム統合手順について図4を参照して説明する。
図4は、フレーム統合部23の構成を示す図である。図4に示すフレーム統合部23において、図1に示した解析部20及び解析部21から入力された統合LAN信号201と統合LAN信号211とは、それぞれ遅延補正部23_1と遅延補正部23_3へ入力される。
遅延補正部23_1及び遅延補正部23_3は、無線送受信部15及び19、装置官や装置内の配線あるいは無線伝送路の電気長差等によって生じる伝搬遅延差を検出する。具体的には、遅延補正部23_1及び遅延補正部23_3は、それぞれ生成部12又は生成部13で挿入された同期パターンを検出し、その検出タイミングを互いに比較する。その結果、遅延補正部23_1及び遅延補正部23_3は、統合LAN信号201と統合LAN信号211との伝搬遅延差を検出することができる。
そして、遅延補正部23_1及び遅延補正部23_3は、統合LAN信号201と統合LAN信号211とを互いにシフトさせて、統合LAN信号201と統合LAN信号211との間の伝搬遅延差を最小化する。ここで、統合LAN信号201又は211をシフトする最少単位は、これらの信号から生成したクロック単位となる。
本実施形態では、MACフレームは、フレーム分割部で分割された後、異なる無線伝送路で伝送され、異なる無線受信部で復調される。このため、伸長信号23_21と伸長信号23_41の伝送速度は同じであるが、遅延補正部23_1及び遅延補正部23_3においてクロック単位の遅延補正を実施してもそれぞれの信号の位相が一致しない場合がある。また、電波の伝搬状態の変動に起因するフェージング等によって、伝送データに動的な位相変動が発生する場合もある。これらの理由により、2系統のデータの間で、時間的に位相差が変動することがある。これらの2系統のデータを、一方のデータに同期したクロックで処理し続けた場合、他方のデータの位相がクロックに対してずれを生じる結果、他方のデータを正確に読み出すことができない場合がある。
そこで、第1の実施形態においては、フレーム統合部23は、伸長部23_2及び伸長部23_4において、データに対してビット幅伸長と呼ぶ操作を行っている。以下に、ビット幅伸長の手順について説明する。
ビット幅伸長とは、処理すべきデータを並列に処理することで、データの伝送速度を変化させることなく、データ1ビットの幅を伸長する処理をいう。
図5は、ビット幅伸長操作を説明するための図である。
異なるクロックと同期している2つのデータ列(以降、「1系データ」及び「2系データ」とする)を、一方のデータ列から生成したクロックの立ち下がりで読み出す場合について考える。1系のデータと2系のデータとの間に位相差がある場合、1系データと同期したクロックが2系のデータを読み出すタイミングが2系データの変化点と一致すると、クロックと同期していない方の系のデータが、正しく読み出されない恐れがある。
図5において、(a)は1系のクロック、(b)は1系のデータ、(c)は2系のクロック、(d)は2系のデータである。データの位相調整はクロック単位で行われるため、1系データ(b)と2系データ(d)の位相差が図5のようにクロックの半周期近傍である場合、これ以上1系のデータと2系のデータとの位相差が小さくなるように調整することはできない。
図5の(a)〜(d)においては、1系分周クロック(a)の立ち下がりタイミングを(K)、2系分周クロック(c)の立ち下がりタイミングを(L)として図中に示す。ここで、1系データ(b)及び2系データ(d)を、1系データと同期した1系クロック(a)の立ち下がりのタイミング(図5の(K))で読み出そうとすると、その立ち下がりのタイミングが2系データ(d)の変化点と一致してしまう。この場合、2系データ(d)が正しく読み出されない恐れがある。
逆に、1系データ(b)及び2系データ(d)を2系クロック(c)の立ち下がりのタイミング(図5の(L))で読み出そうとすると、その立ち下がりのタイミングが1系データ(b)の変化点と一致してしまう。この場合、1系データ(b)が正しく読み出されない恐れがある。
すなわち、1系データ(b)と2系データ(d)の位相差がクロックの半周期近傍である場合には、1系又は2系のいずれのクロックを用いても、1系データ(b)及び2系データ(d)の両方のデータを正しく読み取ることができない場合がある。
ビット幅伸長は、データをn本(nは2以上の整数)並列に処理することで、データ幅をn倍とする。そして、ビット幅伸長操作を行うことにより、データの位相関係が図5(a)〜(d)に記載されたような場合であっても、1系及び2系のいずれのデータから生成したクロックを用いても、1系データ及び2系データを読み出せるようになる。
図5(e)〜(h)は、ビット幅伸長により、データのビット幅を伸長して2倍とした場合のクロック及びデータについて説明する図である。
図5において、1系分周クロック(e)は、1系クロックを2分周したクロック、(f)は2並列で処理される1系データ、(g)は2系クロックを2分周したクロック、(h)は2並列で処理される2系データである。図5の(e)〜(h)においては、1系分周クロック(e)の立ち下がりタイミングを(M)、2系分周クロック(g)の立ち下がりタイミングを(N)として図中に示す。
図5に示すように、1系データ(f)及び2系データ(h)は、ビット幅が伸長されたデータである。そして、1系データ(f)及び2系データ(h)において、並列化されたデータは同時にクロックで読み出されて処理される。従って、各々の処理のクロック速度は、ビット幅伸長処理を行わない場合の2分の1でよい。このビット幅伸長の操作は、図2においてはS2からS4、及び、S3からS5への遷移に対応する。
ビット幅が伸長された1系データ(f)及びビット幅が伸長された2系データ(h)は、それぞれ1系データ(b)及び2系データ(d)を、それぞれクロック(a)及び(c)と同期させたまま2並列化されている。従って、ビット幅が伸長された1系データ(f)とビット幅が伸長された2系データ(h)との位相差は、1系データ(b)及び2系データ(d)との位相差(すなわちクロック(a)または(c)の半周期)と等しい。
ここで、ビット幅が伸長された1系データ(f)とビット幅が伸長された2系データ(h)との位相差は、1系クロック(a)または2系クロック(c)の半周期であるのに対して、1系データ(f)と2系データ(h)との長さは、並列化により2倍となっている。
ここで、、1系分周クロック(e)及び2系分周クロック(g)の立ち下がりと、1系データ(f)及び2系データ(h)のデータ変化点とに着目する。1系クロック(e)及び2系クロック(g)の立ち下がりのタイミング(図5の(M)及び(N))は、いずれも、データ(f)及びデータ(h)の変化点以外の所にある。従って、1系クロック(e)またはクロック(g)のいずれを用いても、データ(f)及びデータ(h)を正しく読み込むことができる。
このように、ビット幅伸長操作は、データを並列に処理することでデータ幅を伸長する。データ幅を伸長することにより、1系及び2系のクロックの読み出しタイミング(図5の(M)及び(N))を、いずれもデータの変化点以外の点となるようにすることができる。その結果、異なる位相の信号を、1系または2系のいずれのクロックを用いても正確に読み出すことが可能となる。第1の実施形態においては、統合LAN信号201と統合LAN信号211とが、それぞれ1系(あるいは2系)及び2系(あるいは1系)のデータに相当する。
なお、以上の説明ではデータの並列数を2とし、クロックを2分周した場合について説明した。しかしながら、データの並列数(すなわちクロックの分周数)は2以上であれば同様の効果が得られる。
図4の説明に戻ると、伸長部23_2及び伸長部23_4は、ビット幅伸長を行った統合LAN信号201と統合LAN信号211とを、リタイミング部23_5へ、それぞれ、伸長信号23_21と伸長信号23_41として出力する。
リタイミング部23_5は、伸長信号23_21及び伸長信号23_41のいずれか一方から無効データではない系を選択する。そして、リタイミング部23_5は、選択した信号のクロックと、PLL部23_6が出力するリタイミングクロック23_61との位相を比較し、比較結果に基づいて生成した周波数制御信号23_51をPLL部へ出力してPLLを制御する。その結果、リタイミング部23_5は、リタイミングクロック23_61を、選択したクロックと同期させることができる。
ここで、伸長信号23_21及び伸長信号23_41は、伸長部23_2及び伸長部23_4においてビット幅伸長処理を受けている。従って、図5を用いて説明した作用により、リタイミング部23_5は、一方のデータから再生したリタイミングクロック23_61を用いて、伸長信号23_21及び伸長信号23_41の両方のデータのリタイミングを行う。
そして、リタイミング部23_5は、リタイミングされた伸長信号23_21及び伸長信号23_41を、伸長信号23_21を上位ビット列、伸長信号23_41を下位ビット列とするBYTEデータとなるように合成する。これは、図2において、S4からS6、あるいはS5からS6への遷移に対応する。
合成されたBYTEデータは、リタイミング信号23_52(図2のS6)として短縮部23_7へ出力される。
なお、ここまでの説明において、伸長信号23_21と伸長信号23_41とからBYTEデータへの合成は、両方の信号が正常なデータの場合に行われる。伸長信号の一方が無効データである場合には、リタイミング部23_5は、正常な伸長信号からのみBYTEデータへの合成を行う。これは、図3のS14からS16への遷移に対応する。
短縮部23_7には、リタイミング部23_5が出力したリタイミング信号23_52が入力される。短縮部23_7は、伸長部23_2、伸長部23_4で施したビット幅伸長の逆の操作を行い(図3のS6からS7への遷移)、データの幅を元のビット幅へ戻す。そして、短縮部23_7は、ビット幅を戻したデータを、外部出力LAN信号231として図1のユーザーネットワーク40へ出力する。
なお、リタイミング部23_5は、伸長信号23_21と伸長信号23_41との一方をクロック源として選択し、PLL部23_6に出力する。この際に、リタイミング部23_5が、PLL回路を使用することなく、クロック源を単純にセレクタで切り替えて、リタイミング部23_5自身で使用すると、切り替え時にクロックの瞬断あるいはクロック位相のジャンプが発生する場合がある。そして、クロックの瞬断あるいはクロック位相のジャンプは、信号誤りの発生の原因となる。このため、第1の実施形態では、リタイミング部23_5は、PLL部23_6が出力するクロックによって動作する。これによって、リタイミング部23_5において、クロック源の切り替えの際に、クロックの瞬断あるいはクロック位相のジャンプによって信号誤りが発生する可能性を低減できる。
なお、上に述べたフレーム統合部23における遅延補正方法やリタイミング方法は、デジタル無線伝送分野における無瞬断切り替えの方式として知られているため、これ以上の詳細な説明は省略する。
第1の実施形態の動作の説明に戻ると、図1の送信判定部14は、無線伝送装置10が保持するアラーム状態を、多重アラーム信号142及び143としてそれぞれ生成部12及び生成部13へ出力する。送信判定部14が出力するアラーム状態に含まれるアラームには、無線送受信部15及び19の機器障害や無線伝送路の環境変化等による受信アラームと、受信信号の信号誤りアラームや無効データの検出アラームがある。
ここで、無線送受信部の機器障害や無線伝送路の環境変化等による受信アラームは、無線アラーム信号171及び無線アラーム信号192から検出される。また、受信信号の信号誤りアラームや無効データの検出アラームは、先に説明した受信アラーム信号202と受信アラーム信号212から検出される。
また、送信判定部14は、受信アラーム信号202または212から、無線伝送装置30が検出した受信アラームあるいは受信信号の信号誤りアラームを検出した場合は、これらのアラームを検出した系の信号を無効データとする。アラームを検出した系の信号を無効データとする場合、送信判定部14は、当該系の信号を無効データとすることを指示する分割制御信号141を、フレーム分割部11へ出力する。
受信判定部22には、無線アラーム信号171及び無線アラーム信号192が入力される。受信判定部22は、これらの無線アラーム信号から、無線送受信部の機器障害アラームや、無線伝送路の環境変化による受信電力低下アラームを検出する。受信判定部22は、機器障害アラームまたは受信電力低下アラームを検出すると、これらのアラームが発生している系のデータを無効データとする制御信号を統合制御信号221及び222として出力する。
以上説明した第1の実施形態の無線伝送システムの第1の効果は、適応変調機能を備えた伝送装置の構成の複雑化と価格の上昇とを抑えることが可能であるということである。第1の実施形態の無線伝送システムにおいては、無線伝送装置は、適応変調機能を備えている。そして、無線伝送装置は、2系統の無線送信部で同一の変調方式を用いてデータを変調する。すなわち、第1の実施形態の無線伝送システムでは、複数の伝送路の状態に応じて送信側の伝送装置ではより適した変調方式を選択できるとともに、受信側の伝送装置では、分割されたデータを同一の変調速度で受信することが可能である。その結果、受信側の伝送装置ではそれぞれの受信データの伝送速度の差を吸収するためのメモリが不要であり、適応変調機能を備えた伝送装置の構成の複雑化と価格の上昇とを抑えることが可能である。
第1の実施形態の無線伝送システムの第2の効果は、ユーザーネットワークからのLAN信号のMACフレームを無線で単一の対向局へ伝送する無線伝送装置において、容易に無線伝送容量を増加させることが可能であるということである。
その効果をもたらす手順は、以下の通りである。第1の実施形態の無線伝送装置は、自装置内でMACフレームを2分割し一定周期毎に同期パターンを挿入する。そして、第1の実施形態の無線伝送装置は、分割したデータを自装置内に具備した2系統の無線送受信部から無線対向局へそれぞれ伝送する。対向する無線伝送装置は、無線送受信部、ケーブル、無線伝送路等の電気長差から発生する伝搬遅延差を、受信信号内の同期パターンを用いて検出する。そして、対向する無線伝送装置は、伝搬遅延差を吸収するように双方のMACフレームの位相を調整する。その後、無線伝送装置は、伝搬遅延差を吸収した後に、2分割されていたMACフレームを単一のMACフレームへ統合する。その結果、第1の実施形態の無線伝送システムは、1本の無線伝送路でMACフレームを伝送する場合に比べて2倍の伝送容量を得ることが可能である。
第1の実施形態の第3の効果は、一方の無線送受信部の機器障害や無線伝送路の伝搬条件が悪化してデータの伝送が不可能な状況である場合でも、他方の正常な系のみでの信号伝送が可能なことである。
その理由は、無線伝送装置の生成部において、信号誤り検出符号を挿入して無線伝送しているからである。すなわち、無線伝送装置は、無線送受信部における受信電力低下アラームの検出結果や、解析部における信号誤り検出の結果から、無線伝送路の異常を検出する。そして、無線伝送装置は、無線伝送路の異常を検出した場合には、無線対向局へ、異常を検出した系の異常状態を通知する。また、無線伝送装置が、解析部において無線対向局から異常状態の通知を検出すると、フレーム分割部は、MACフレームの分割を停止する。そして、無線伝送装置は、異常状態が発生している系へは無効データを送出し、正常に動作している系のみへMACフレームデータを送出する。対向する無線伝送装置では、フレーム統合部において、解析部が出力する統合LAN信号が正常であれば分割された2つの信号からMACフレームを統合する。また、受信した分割データのうち一方が無効データであれば、無線伝送装置は、正常な系から受信されたデータのみを用いてMACフレームを復元する。その結果、第1の実施形態の無線伝送システムは、一方の系で異常が発生しても、他方の正常な系のみで信号伝送の継続を可能とする。
第1の実施形態の第4の効果は、ランダムな長さを持つMACフレームを複数の伝送路へ分配して伝送する際に発生するMACフレームの順序入れ替わりの発生を回避することが可能となることである。
その理由は、第1の実施形態において、無線伝送装置は、MACフレームを、各伝送路にMACフレーム単位で割り振るのではなく、入力したMACフレーム自体を2分割して、MACフレームの順序を変えることなく伝送しているからである。その結果、対向する無線伝送装置は、無線伝送路から受信したデータを、受信した順番通りに統合することで、LAN信号のMACフレームを復元することができる。従って、第1の実施形態の無線伝送システムは、フレームの順序入れ替わりの発生を回避することを可能とする。
なお、第1の実施形態において、適応変調決定部18は、対向する無線伝送装置30における無線受信電力と、予め設定された閾値との大小関係に基づいて変調方式を選択するとした。しかしながら、適応変調決定部18は、これ以外の情報に基づいて変調方式を決定してもよい。たとえば、対向する無線伝送装置30が、無線伝送装置10から受信した信号のCNR(Carrier to Noise Ratio、搬送波電力対雑音電力比)や受信信号の誤り率を無線伝送装置10に送信してもよい。そして、無線伝送装置10の適応変調決定部18は、無線伝送装置30から受信したCNRまたは誤り率に基づいて、無線送信部16又は16Aの変調方式を選択してもよい。
また、第1の実施形態において、無線伝送装置10の適応変調決定部18及び18Aは、送信信号121、131に対する伝送速度が同一となるように変調方式を選択するとして説明した。しかしながら、送信信号121、131の伝送速度の差が小さい場合には、送信信号121、131を受信する無線伝送装置30の構成の複雑化と価格の上昇という課題が発生しない場合も考えられる。たとえば、受信側の無線伝送装置において大容量のメモリを必要としない程度であれば、送信信号121、131の伝送速度に差が生じても、無線伝送装置の構成の複雑化と価格の上昇とを抑えることが可能という本願発明の効果は失われない。
このように、受信側の無線伝送装置においてある程度の伝送速度の差が許容される場合には、適応変調決定部18及び18Aは、全く同一の伝送速度を持つ変調方式をそれぞれにおいて決定しなくともよい。
たとえば、適応変調決定部18及び18Aは、各々で決定する変調方式の伝送速度の差が、所定の範囲内となるように変調方式を決定してもよい。
そして、適応変調決定部18及び18Aは、決定する変調方式の伝送速度の差の範囲を、受信装置に許容される伝送速度の範囲に基づいて決定してもよい。
[第2の実施形態]
第1の実施形態においては、入力されたMACフレームを2分割して送信する構成を備えた無線伝送装置について説明した。しかしながら、MACフレームの分割数は、2分割に限られるものではない。
図6は、本願発明の第2の実施形態の無線伝送システムを示す図である。図6に示す無線伝送装置10_1は、MACフレームを4分割して対向する無線伝送装置30_1に伝送する機能を備える。なお、図6において、無線伝送装置10_1の内部の各部の動作は、図1に示した無線伝送装置10における同一名称の部分と同様である。従って、図6においては、各部の詳細な接続及び無線送受信部の内部の記載は省略されている。
図6において、無線伝送装置10_1は、無線伝送装置30_1と対向して互いにMACフレームの伝送を行う。無線伝送装置10_1は、ユーザーネットワーク40から入力された外部LAN信号100を分割し、無線信号として無線伝送装置30_1に送信する。無線伝送装置30_1は、無線伝送装置10_1から受信した無線信号からデータを復元し、外部出力LAN信号501としてユーザーネットワーク50に出力する。
[0112]
逆に、無線伝送装置30_1は、ユーザーネットワーク50から入力された外部LAN信号502を分割し、無線信号として無線伝送装置10_1に送信する。無線伝送装置10_1は、無線伝送装置30_1から受信した無線信号からデータを復元し、外部出力LAN信号231としてユーザーネットワーク40に出力する。
[0113]
図6に示す無線伝送装置は、フレーム分割部11においてMACフレームを4分割して送信する。このため、4個の生成部12、13、12_1、13_1、4個の解析部20、21、20_1、21_1、及び4個の無線送受信部15、19、15_1、19_1を備える。各無線送受信部は適応変調機能を備えている。4個の無線送受信部15、19、15_1、19_1は、互いに無線送信部の変調方式の情報を通知し、全ての無線送受信部が同一の伝送速度の変調方式を用いるように動作する。
なお、無線伝送装置10Aにおける各部の構成及び動作は、第1の実施形態で説明した無線伝送装置10と基本的に同様であるので、各部の詳細な説明は省略する。
無線送受信部15は、生成部12から入力された、分割されたMACフレームを変調し、無線信号161として出力する。無線信号161は、アンテナ10A及び30Aを経由して無線伝送装置30_1に伝送される。
同様に、生成部13、12_1、13_1は、それぞれ分割されたフレームを無線送受信部19、15_1、19_1に出力する。そして、無線送受信部19、15_1、19_1は、入力された信号を変調して無線信号191、101,102を出力する。そして、無線信号191、101、102は、アンテナ10C、10E、10G及びアンテナ30C、30E、30Gを経由して無線伝送装置30_1に伝送される。
また、無線送受信部15は、無線伝送装置30_1が送信した無線信号301を、アンテナ30B及び10Bを経由して受信する。そして、無線送受信部15は、無線信号301を復調し、解析部20に出力する。解析部20は、復調した信号から分割されたMACフレームを分離し、フレーム統合部23に出力する。そして、フレーム統合部23は、解析部20、21、20_1、21_1から入力された、分割されたMACフレームを統合し、外部出力LAN信号231としてユーザーネットワーク40に出力する。
同様に、無線送受信部19、15_1、19_1は、無線伝送装置30_1が送信した無線信号302,303、304を、アンテナ30D、30F、30H及び10D、10F、10Hを経由して受信する。そして、無線送受信部19、15_1、19_1は、それらの無線信号を復調し、それぞれ解析部21、20_1、21_1に出力する。それぞれの解析部は、復調した信号から分割されたMACフレームを分離し、フレーム統合部23に出力する。
第2の実施形態の無線伝送システムは、MACフレームを4分割して伝送しているので、第1の実施形態で説明した効果に加えて、第1の実施形態と比較して、より高い伝送速度でMACフレームを伝送することが可能であるという効果も奏する。
以上の第1及び第2の実施形態では、本願発明を無線伝送装置あるいは無線伝送システムに適用した場合について説明した。しかし、本願発明の対象は無線伝送に限られない。例えば、本願発明は同軸ケーブルや光ファイバを用いた有線伝送装置にも適用可能である。
また、本願発明が対象とする無線伝送の方式は、電波を用いた方式に限られない。本願発明は、例えば光空間伝送方式を用いる伝送装置にも適用可能である。
[第3の実施形態]
図7は、本願発明の第3の実施形態の伝送装置の構成を示す図である。図7において、伝送装置700は、分割部701と、N個の送信部702_1〜702_Nと、送信部702_1〜702_Nと、変調方式決定部703と、を備える。
分割部701は、入力されたデータを複数に分割する。送信部702_1〜702_Nは、分割したデータを伝送路に送信する。変調方式決定部703は、伝送路の状態に対応付けられた変調方式の中から、複数の送信手段が送信するデータの各々の伝送速度の差が所定の範囲内となるように送信手段が用いる変調方式を決定する。
すなわち、図7の伝送装置は、分割部701で分割されたデータを、複数の送信部702_1〜702_Nを用いて伝送路に送信する。ここで、送信部が使用する変調方式は、データが伝送される伝送路の状態と対応付けられている。そして、変調方式決定部703は、これらの変調方式の中から、送信手段が送信するデータの各々の伝送速度の差が所定の範囲内となるように、送信部702_1〜702_Nがデータを変調する変調方式を決定する。
変調方式決定部703が、送信部702_1〜702_Nに対応付けられた変調方式に基づいて、送信部702_1〜702_Nで用いられる変調方式を決定することで、図示されない受信側の伝送装置の構成が複雑になること、及び、価格が上昇することを回避できる。
例えば、変調方式決定部703が、送信部702_1〜702_Nで同時に用いられる変調方式の伝送速度の差を制限することで、受信側の伝送装置において、同時に処理するべき変調方式やデータの速度の範囲が限定される。変調方式の速度を一定範囲内とすることで、受信側の伝送装置においてはそれぞれの受信データの伝送速度の差を吸収するための大容量のメモリが不要となる。
従って、第3の実施形態の伝送装置は、適応変調機能を備えた伝送装置を用いてデータを分割して伝送する際に、伝送装置の複雑化と価格の上昇とを抑えることを可能とするという効果を奏する。
以上、第1から第3の実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上述した実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細説明には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
この出願は、2010年3月16日に出願された日本出願特願2010−058982を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
40、50 ユーザーネットワーク
11 フレーム分割部
12、13、12_1、13_1 生成部
20、21、20_1、21_1 解析部
14 送信判定部
15、15_1、19、19_1 無線送受信部
16、16A 無線送信部
17、17A 無線受信部
18、18A 適応変調決定部
22 受信判定部
23 フレーム統合部
23_1、23_3 遅延補正部
23_2、23_4 伸長部
23_5 リタイミング部
23_6 PLL部
23_7 短縮部
10A〜10H、30A〜30H アンテナ
700 伝送装置
701 分割部
702_1〜702_N 送信部
703 変調方式決定部
100、501 外部LAN信号
111、112 分割LAN信号
121、131 送信信号
101、102、161、191、301〜304 無線信号
181、181A 変調制御信号
141 分割制御信号
142、143 多重アラーム信号
171、192 無線アラーム信号
172、193 受信信号
201、211 統合LAN信号
202、212 受信アラーム信号
221、222 統合制御信号
23_21、23_41 伸長信号
23_51 周波数制御信号
23_52 リタイミング信号
23_61 リタイミングクロック
231、502 外部出力LAN信号
Claims (10)
- 入力されたデータを複数に分割する分割手段と、
前記分割された前記データを伝送路に送信する複数の送信手段と、
前記伝送路の状態に対応付けられた変調方式の中から、前記複数の送信手段が送信する前記データの各々の伝送速度の差が所定の範囲内となるように前記送信手段が用いる変調方式を決定する変調方式決定手段と、を備える伝送装置であって、
前記複数の送信手段から送信された前記分割されたデータを前記伝送路を介して受信し、前記受信された前記分割されたデータを互いに統合することにより前記入力されたデータを復元する機能を担う受信装置によって許容される伝送速度の範囲に基づいて、前記所定の範囲が決定されることを特徴とする伝送装置。 - 前記変調方式決定手段は、前記複数の送信手段が送信する前記分割されたデータの伝送速度が同一となるように、前記送信手段が用いる変調方式を決定する、請求項1に記載された伝送装置。
- 複数に分割されたデータを伝送路を介して受信し、かつ受信した前記分割されたデータを互いに統合することによって分割前のデータを復元する機能を有する受信装置を含む通信システムにおいて用いられる伝送装置であって、
入力された前記分割前のデータを複数に分割する分割手段と、
前記分割されたデータを前記伝送路に送信する複数の送信手段と、
前記伝送路の状態に対応付けられた変調方式の中から、前記複数の送信手段が送信する前記分割されたデータの各々の伝送速度の差が所定の範囲内となるように前記送信手段が用いる変調方式を決定する変調方式決定手段とから構成され、
前記変調方式決定手段は、前記複数の送信手段が送信する前記分割されたデータの伝送速度が同一となるように、前記送信手段が用いる変調方式を決定する、ことを特徴とする伝送装置。 - 前記伝送装置が生成する障害情報または前記伝送装置と対向する伝送装置が生成する障害情報に基づいて、前記分割手段に対してデータの分割の停止を指示する判定手段をさらに備える、請求項1乃至3のいずれかに記載された伝送装置。
- 分割されて伝送された複数のデータを受信する複数の受信手段と、前記複数のデータを統合して出力する統合手段と、をさらに備える、請求項1乃至4のいずれかに記載された伝送装置。
- 一方の前記伝送装置の送信手段から送信された前記分割されたデータが他方の前記伝送装置の受信手段で受信されるように、請求項5に記載された伝送装置が配置されている、伝送システム。
- 入力されたデータを複数に分割し、
前記分割されたデータを伝送路に送信し、
前記伝送路の状態に対応付けられた変調方式の中から、前記送信されるデータの各々の伝送速度の差が所定の範囲内となるように前記データの変調方式を決定する、伝送方法であって、
送信された前記分割されたデータを前記伝送路を介して受信し、前記受信された前記分割されたデータを互いに統合することにより前記入力されたデータを復元する機能を担う受信装置によって許容される伝送速度の範囲に基づいて、前記所定の範囲が決定されることを特徴とする、伝送方法。 - 前記分割されたデータの伝送速度が同一となるように、前記変調方式が決定される、請求項7に記載された伝送方法。
- 複数に分割されたデータを伝送路を介して受信し、かつ受信した前記分割されたデータを互いに統合することによって分割前のデータを復元する機能を有する受信装置を含む通信システムにおいて用いられる伝送方法であって、
入力された前記分割前のデータを複数に分割し、
前記分割されたデータを前記伝送路に送信し、
前記伝送路の状態に対応付けられた変調方式の中から、前記送信される前記分割されたデータの各々の伝送速度の差が所定の範囲内となるように前記分割されたデータの変調方式を決定し、
前記分割されたデータの伝送速度が同一となるように、前記変調方式が決定されることを特徴とする、伝送方法。 - 障害情報に基づいて、データの分割の停止を指示する、請求項7乃至9のいずれかに記載された伝送方法。
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