JP2004056569A - パラレル伝送装置および伝送レート決定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】システム全体のスループットを向上すること。
【解決手段】S/P変換部100は、送信データをシリアル/パラレル変換し、1系列のデータを2系列に分割し、サブストリーム1およびサブストリーム2を生成する。MCS選択部110−1およびMCS選択部110−2は、受信装置から報告されたCQIに応じてMCSを選択するためのテーブルを保持しており、サブストリーム1およびサブストリーム2を送信するためのMCSをそれぞれ選択する。ここで、MCS選択部110−1が保持しているテーブルは、MCS選択部110−2が保持しているテーブルよりも保守的な基準を有している。
【選択図】 図1
【解決手段】S/P変換部100は、送信データをシリアル/パラレル変換し、1系列のデータを2系列に分割し、サブストリーム1およびサブストリーム2を生成する。MCS選択部110−1およびMCS選択部110−2は、受信装置から報告されたCQIに応じてMCSを選択するためのテーブルを保持しており、サブストリーム1およびサブストリーム2を送信するためのMCSをそれぞれ選択する。ここで、MCS選択部110−1が保持しているテーブルは、MCS選択部110−2が保持しているテーブルよりも保守的な基準を有している。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パラレル伝送装置および伝送レート決定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、無線通信においては、複数の系列のデータを同時に伝送するパラレル伝送が行われることがある。パラレル伝送の例としては、例えば複数のアンテナからそれぞれ異なるデータを同一周波数で同時に送信するMIMO(Multi Input Multi Output)通信や、周波数が異なる複数のサブキャリアにそれぞれ異なるデータを重畳して送信するOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplex)方式を用いた通信などがある。
【0003】
このうち、例えばMIMO通信においては、”Increasing MIMO throughput with per−antenna rate control(3GPP TSG RAN WG1, TSG−R1(01)0879)”に記載されているように、複数のアンテナから送信するそれぞれ異なるデータの伝送レートを独立に調整することが検討されている。この技術は、PARC(Per−Antenna Rate Control)と呼ばれ、変調方式と誤り符号化方式によって規定される伝送レートを示すMCS(Modulation Coding Schemes)を各アンテナごとに変えることにより、複数のアンテナからのデータ伝送レートを独立に調整するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したように、パラレル伝送における複数系列のデータについて、MCSによる伝送レートを独立に調整する場合、各系列におけるMCS選択の基準は同一であるため、受信側において、すべての系列のデータから誤りが検出されることがある。具体的には、MCSの選択は、所定のテーブルから回線品質に応じた変調方式および誤り符号化方式が選択されることにより行われるが、複数の系列において独立にMCSを選択する場合でも、MCS選択用のテーブルは各系列で同一であるため、回線の状態の変化などにより、受信側においてすべての系列のデータが誤る可能性がある。すべての系列のデータが誤ると、例えばデータの再送が多発し、システム全体のスループットが低下するという問題がある。
【0005】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、システム全体のスループットを向上することができるパラレル伝送装置および伝送レート決定方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明のパラレル伝送装置は、送信データを複数の系列のデータに分割する分割手段と、前記複数系列のデータのうち少なくとも1系列のデータの伝送レートを保守的な基準に基づいて決定する決定手段と、決定された伝送レートで前記複数系列のデータを同時に送信する送信手段と、を有する構成を採る。
【0007】
この構成によれば、送信データを分割して得られた複数系列のデータのうち、少なくとも1系列のデータの伝送レートを保守的な基準に基づいて決定し、送信するため、少なくとも1系列のデータは確実に伝送して、受信側において検出されるデータの誤りを削減することができ、システム全体のスループットを向上することができる。
【0008】
本発明のパラレル伝送装置は、前記決定手段は、前記複数系列のデータに対応する伝搬路状態情報を受信する伝搬路状態情報受信部と、受信された伝搬路状態情報に応じて誤り符号化方式および変調方式からなる伝送レートを選択する伝送レート選択部と、を有し、前記伝送レート選択部は、前記複数系列のデータのうち少なくとも1系列のデータの伝送レートを、他の系列のデータよりも保守的な基準に基づいて選択する構成を採る。
【0009】
この構成によれば、伝搬路状態情報に応じて複数系列のデータに対応する誤り符号化方式および変調方式からなる伝送レートを選択するとともに、少なくとも1系列のデータの伝送レートを他の系列のデータよりも保守的な基準に基づいて選択するため、例えば受信側から報告されるCQI(Channel Quality Indicator)などの伝搬路状態情報に応じて複数系列のデータのMCS(Modulation Coding Schemes)をそれぞれ独立に選択する際に、少なくとも1系列のデータは確実に伝送して、受信側において検出されるデータの誤りを削減することができ、システム全体のスループットを向上することができる。
【0010】
本発明のパラレル伝送装置は、前記伝搬路状態情報受信部は、前記複数系列のデータのグループであるサブセットに対応する伝搬路状態情報を受信する構成を採る。
【0011】
この構成によれば、複数系列のデータのグループであるサブセットに対応する伝搬路状態情報を受信するため、例えばCQIなどの伝搬路状態情報を報告するための信号の量を削減することができ、システム全体のスループットをさらに向上することができる。
【0012】
本発明のパラレル伝送装置は、前記伝送レート選択部は、前記複数系列のデータのグループであるサブセットのうち少なくとも1系列のデータの伝送レートを、当該サブセットの他の系列よりも保守的な基準に基づいて選択する構成を採る。
【0013】
この構成によれば、複数系列のデータのグループであるサブセットのうち少なくとも1系列のデータの伝送レートを、当該サブセットの他の系列よりも保守的な基準に基づいて選択するため、サブセット内において少なくとも1系列のデータは確実に伝送して、受信側において検出されるデータの誤りを削減することができるとともに、サブセット単位で共通のCQIに基づく伝送レートを決定する場合には、CQIを報告するための信号の量を削減することができ、システム全体のスループットをさらに向上することができる。
【0014】
本発明のパラレル伝送装置は、前記サブセットのうち保守的な基準を適用する系列のデータを指示するための指示信号を受信する指示信号受信部、をさらに有し、前記伝送レート選択部は、指示信号によって指示された系列のデータの伝送レートを、他の系列のデータよりも保守的な基準に基づいて選択する構成を採る。
【0015】
この構成によれば、サブセットのうち保守的な基準を適用する系列のデータを指示するための指示信号を受信し、指示された系列のデータの伝送レートを他の系列のデータよりも保守的な基準に基づいて選択するため、受信側は、例えば各系列のデータごとの受信品質に応じて、保守的な基準に基づいて伝送レートを選択する系列を指示することができ、指示された系列のデータをさらに確実に伝送することができる。
【0016】
本発明のパラレル伝送装置は、前記決定手段によって保守的な基準に基づいて伝送レートが決定された系列のデータおよび当該系列以外の系列のデータに関する誤り訂正符号を生成する生成手段、をさらに有し、前記送信手段は、保守的な基準に基づいて伝送レートが決定された系列のデータに生成された誤り訂正符号を付加して送信する構成を採る。
【0017】
この構成によれば、保守的な基準に基づいて伝送レートが決定された系列およびそれ以外の系列のデータに関する誤り訂正符号を生成し、保守的な基準に基づいて伝送レートが決定された系列のデータに付加して送信するため、受信側は、保守的な基準に基づいて伝送レートが決定された系列以外の系列のデータに関する誤り訂正符号を確実に受信した上で、この系列の誤り訂正を行うことができ、システム全体のスループットをさらに向上することができる。
【0018】
本発明のパラレル伝送装置は、前記決定手段によって保守的な基準に基づいて伝送レートが決定された系列のデータおよび当該系列以外の系列のデータに関する誤り訂正符号を生成する生成手段、をさらに有し、前記送信手段は、前記複数系列のデータに生成された誤り訂正符号を均等に付加して送信する構成を採る。
【0019】
この構成によれば、保守的な基準に基づいて伝送レートが決定された系列およびそれ以外の系列のデータに関する誤り訂正符号を生成し、複数系列のデータに均等に付加して送信するため、誤り訂正符号を含む複数系列のデータのデータ長を揃えることができ、装置構成の簡略化を図ることができる。
【0020】
本発明のパラレル伝送装置は、少なくとも1系列のデータの伝送レートが保守的な基準に基づいて決定された複数系列のデータを含む信号を受信する受信手段と、受信信号を前記複数系列のデータごとに分離する分離手段と、前記複数系列のデータのうち伝送レートが保守的な基準に基づいて決定された系列のデータに付加されている誤り訂正符号を用いて前記複数系列のデータの誤り訂正をする誤り訂正手段と、を有する構成を採る。
【0021】
この構成によれば、受信信号を少なくとも1系列のデータの伝送レートが保守的な基準に基づいて決定された複数系列のデータごとに分離し、伝送レートが保守的な基準に基づいて決定された系列のデータに付加されている誤り訂正符号を用いて各系列のデータの誤り訂正をするため、保守的な基準に基づいて伝送レートが決定された系列以外の系列の誤り訂正を行うことができ、システム全体のスループットをさらに向上することができる。
【0022】
本発明のパラレル伝送装置は、前記誤り訂正手段は、前記複数系列のデータに均等に付加されている誤り訂正符号を用いて前記複数系列のデータの誤り訂正をする構成を採る。
【0023】
この構成によれば、複数系列のデータに均等に付加されている誤り訂正符号を用いて誤り訂正をするため、受信信号から誤り訂正符号部分を容易に抽出することができ、誤り訂正復号化を効率的に行うことができる。
【0024】
本発明の基地局装置は、上記のいずれかに記載のパラレル伝送装置を有する構成を採る。
【0025】
この構成によれば、上記のいずれかに記載のパラレル伝送装置と同様の作用効果を、基地局装置において実現することができる。
【0026】
本発明の移動局装置は、上記のいずれかに記載のパラレル伝送装置を有する構成を採る。
【0027】
この構成によれば、上記のいずれかに記載のパラレル伝送装置と同様の作用効果を、移動局装置において実現することができる。
【0028】
本発明の伝送レート決定方法は、送信データを複数の系列のデータに分割するステップと、前記複数系列のデータのうち少なくとも1系列のデータの伝送レートを保守的な基準に基づいて決定するステップと、決定した伝送レートで前記複数系列のデータを同時に送信するステップと、を有するようにした。
【0029】
この方法によれば、送信データを分割して得られた複数系列のデータのうち、少なくとも1系列のデータの伝送レートを保守的な基準に基づいて決定し、送信するため、少なくとも1系列のデータは確実に伝送して、受信側において検出されるデータの誤りを削減することができ、システム全体のスループットを向上することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
本発明の骨子は、複数系列のデータのうち、少なくとも1系列のデータの伝送レートを保守的な基準に基づいて決定して送信することである。
【0031】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の各実施の形態においては、パラレル伝送としてMIMO通信を例にとって説明するが、本発明はこれに限定されず、周波数の異なる複数のサブキャリアにデータを重畳して送信するOFDM方式や、複数のコードによってデータを拡散して送信するマルチコード伝送など、複数の系列のデータを同時に送信する場合に適用可能である。
【0032】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る送信装置の構成を示すブロック図である。同図に示す送信装置は、S/P(Serial/Parallel)変換部100、MCS(Modulation Coding Schemes)選択部110−1〜2、適応符号化部120−1〜2、適応変調部130−1〜2、拡散部140−1〜2、無線送信部150−1〜2、無線受信部160、およびCQI(Channel Quality Indicator)復号部170−1〜2を有している。
【0033】
なお、以下の説明においては、MCS選択部110−1から無線送信部150−1によって処理され送信されるデータの流れを「サブストリーム1」といい、MCS選択部110−2から無線送信部150−2によって処理され送信されるデータの流れを「サブストリーム2」という。
【0034】
S/P変換部100は、送信データをシリアル/パラレル変換し、1系列のデータを複数系列のデータに分割する。ここでは、S/P変換部100は、1系列のデータを2系列に分割し、サブストリーム1およびサブストリーム2を生成する。MCS選択部110−1およびMCS選択部110−2は、後述する受信装置から報告されたCQIに応じてMCSを選択するためのテーブルを保持しており、サブストリーム1およびサブストリーム2を送信するためのMCSをそれぞれ選択する。ここで、MCS選択部110−1が保持しているテーブルは、MCS選択部110−2が保持しているテーブルよりも保守的な基準を有している。すなわち、サブストリーム1およびサブストリーム2が伝送される回線の回線品質が同じであれば、サブストリーム1の伝送レートの方がサブストリーム2の伝送レートより低く、データの誤りが生じにくいMCSが選択されるようなテーブルが、それぞれMCS選択部110−1およびMCS選択部110−2によって保持されている。
【0035】
具体的には、例えば図2(a)に示すようなテーブルがMCS選択部110−1によって保持されており、図2(b)に示すようなテーブルがMCS選択部110−2によって保持されている。これらの図に示すテーブルにおいては、MCS1が最も低い伝送レートのMCSであるが、データの誤りが生じにくく、MCS2、MCS3となるに連れ、伝送レートは高くなるが、データの誤りが生じやすくなる。これらの図に示すようなテーブルがMCS選択部110−1およびMCS選択部110−2によってそれぞれ保持されいている場合、例えばサブストリーム1およびサブストリーム2が伝送される回線の回線品質を示すCQIがいずれも9dBであると、MCS選択部110−1においては、MCS2(変調方式がQPSKで符号化率が1/2)が選択され、MCS選択部110−2においては、MCS3(変調方式が8PSKで符号化率が1/3)が選択されることになる。したがって、MCS選択部110−1によって選択されるMCSで伝送されるサブストリーム1は、MCS選択部110−2によって選択されるMCSで伝送されるサブストリーム2よりも低い伝送レートで伝送されるが、受信側において誤りが検出される可能性は小さくなる。
【0036】
このように、実際にデータ伝送可能な伝送レートよりも低い伝送レートが選択されるような伝送レート選択のための基準を、本明細書においては「保守的な基準」という。
【0037】
適応符号化部120−1および適応符号化部120−2は、それぞれMCS選択部110−1およびMCS選択部110−2によって選択されたMCSの誤り符号化方式でサブストリーム1およびサブストリーム2を誤り符号化する。適応変調部130−1および適応変調部130−2は、それぞれMCS選択部110−1およびMCS選択部110−2によって選択されたMCSの変調方式でサブストリーム1およびサブストリーム2を変調する。拡散部140−1および拡散部140−2は、それぞれサブストリーム1およびサブストリーム2を拡散する。無線送信部150−1および無線送信部150−2は、それぞれサブストリーム1およびサブストリーム2に対して所定の無線送信処理(D/A変換、アップコンバートなど)を行い、それぞれ対応するアンテナを介して送信する。
【0038】
無線受信部160は、後述する受信装置から報告されるCQIを含む信号をアンテナを介して受信し、所定の無線受信処理(ダウンコンバート、A/D変換など)を行う。CQI復号部170−1およびCQI復号部170−2は、無線受信部160によって受信された受信信号に含まれ、それぞれサブストリーム1およびサブストリーム2に対応するCQIを復号する。
【0039】
図3は、実施の形態1に係る受信装置の構成を示すブロック図である。同図に示す受信装置は、無線受信部200−1〜2、逆拡散部210−1〜2、チャネル推定部220、サブストリーム分離部230、復調部240−1〜2、復号化部250−1〜2、誤り検出部260−1〜2、CIR(Carrier to Interference Ratio)測定部270−1〜2、CQI生成部280−1〜2、および無線送信部290を有している。
【0040】
無線受信部200−1および無線受信部200−2は、それぞれ対応するアンテナから信号を受信し、所定の無線受信処理(ダウンコンバート、A/D変換など)を行う。逆拡散部210−1および逆拡散部210−2は、それぞれ対応するアンテナからの受信信号を逆拡散する。チャネル推定部220は、アンテナごとの受信信号に対してチャネル推定を行い、チャネル推定結果をサブストリーム分離部230へ出力する。サブストリーム分離部230は、アンテナごとのチャネル推定結果に基づいて、送信装置におけるサブストリーム1およびサブストリーム2を分離し、それぞれ復調部240−1とCIR測定部270−1および復調部240−2とCIR測定部270−2へ出力する。
【0041】
復調部240−1および復調部240−2は、それぞれ送信装置におけるサブストリーム1およびサブストリーム2に対応する信号を復調する。復号化部250−1および復号化部250−2は、それぞれサブストリーム1およびサブストリーム2に対応する信号を誤り復号化する。誤り検出部260−1および誤り検出部260−2は、送信装置においてサブストリームごとに付加されたCRC(Cyclic Redundancy Check)などの誤り検出符号を用いて、それぞれサブストリーム1およびサブストリーム2に対応する信号の誤り検出を行い、受信データを得る。
【0042】
CIR測定部270−1およびCIR測定部270−2は、それぞれサブストリーム1およびサブストリーム2に対応する信号の受信品質を示すCIRを測定する。CQI生成部280−1およびCQI生成部280−2は、それぞれサブストリーム1およびサブストリーム2に対応する信号のCIRに基づいて、各サブストリームが伝送される回線の品質を示すCQIを含む信号を生成する。無線送信部290は、CQI生成部280−1およびCQI生成部280−2によって生成されたCQIを含む信号を多重して得られた多重信号に対して所定の無線送信処理(D/A変換、アップコンバートなど)を行い、アンテナを介して送信する。
【0043】
次いで、上記のように構成された送信装置および受信装置の動作について説明する。
【0044】
送信データは、S/P変換部100によってシリアル/パラレル変換され、サブストリーム1およびサブストリーム2の2系列のデータが得られる。そして、MCS選択部110−1によって、サブストリーム1に対応する信号が伝送される回線のCQIに基づきサブストリーム1を送信する際のMCSが選択され、同様に、MCS選択部110−2によって、サブストリーム2に対応するCQIに基づきサブストリーム2を送信する際のMCSが選択される。ここで、各サブストリームに対応するCQIは、受信装置によって生成されて送信されたものであり、CQI復号部170−1およびCQI復号部170−2によって復号されたものである。
【0045】
このとき、上述のように、MCS選択部110−1によって選択されるMCS(すなわち、サブストリーム1を送信するためのMCS)は、MCS選択部110−2によって選択されるMCS(すなわち、サブストリーム2を送信するためのMCS)よりも保守的な基準を有するテーブルに基づいて決定されるため、各サブストリームが伝送される際に、サブストリーム1の方が誤る可能性が小さい。
【0046】
そして、サブストリーム1(サブストリーム2)は、対応するMCS選択部110−1(MCS選択部110−2)によって選択されたMCSに応じた誤り符号化方式で適応符号化部120−1(適応符号化部120−2)によって誤り符号化され、同様に選択されたMCSに応じた変調方式で適応変調部130−1(適応変調部130−2)によって変調される。さらに、サブストリーム1(サブストリーム2)は、拡散部140−1(拡散部140−2)によって拡散され、無線送信部150−1(無線送信部150−2)によって所定の無線送信処理(D/A変換、アップコンバートなど)が行われ、対応するアンテナから送信される。
【0047】
送信装置から送信されたサブストリーム1およびサブストリーム2は、受信装置の無線受信部200−1および無線受信部200−2によって、アンテナを介して受信される。このとき、それぞれのアンテナには、サブストリーム1、サブストリーム2、および雑音を含む信号が受信される。そして、無線受信部200−1および無線受信部200−2によって、受信信号に対して所定の無線受信処理(ダウンコンバート、A/D変換など)が行われる。そして、無線受信処理後の信号は、逆拡散部210−1および逆拡散部210−2によって逆拡散されるとともに、チャネル推定部220によってチャネル推定される。逆拡散後の信号は、チャネル推定結果に基づいて、送信装置におけるサブストリーム1およびサブストリーム2に対応する信号へとサブストリーム分離部230によって分離され、サブストリーム1に対応する信号は復調部240−1およびCIR測定部270−1へ出力され、サブストリーム2に対応する信号は復調部240−2およびCIR測定部270−2へ出力される。
【0048】
そして、サブストリーム1(サブストリーム2)に対応する信号は、復調部240−1(復調部240−2)によって復調され、復号化部250−1(復号化部250−2)によって誤り復号化され、誤り検出部260−1(誤り検出部260−2)によって例えばCRCなどが用いられることにより誤り検出され、サブストリーム1(サブストリーム2)に対応する受信データが得られる。このとき、サブストリーム1は、サブストリーム2より保守的な基準を有するテーブルに基づいて決定されたMCSによって送信されているため、誤り検出部260−1によって誤り検出が行われる信号は、誤り検出部260−2によって誤り検出が行われる信号よりも誤っている可能性が小さい。
【0049】
また、サブストリーム1(サブストリーム2)に対応する信号は、CIR測定部270−1(CIR測定部270−2)によって、受信品質を示すCIRが測定され、CQI生成部280−1(CQI生成部280−2)によって、CIRからサブストリーム1(サブストリーム2)が伝送された回線の品質を示すCQIを含む信号が生成される。そして、各サブストリームに対応するCQIを含む信号は多重され、無線送信部290によって所定の無線送信処理(D/A変換、アップコンバートなど)が行われ、アンテナを介して送信される。
【0050】
各サブストリームに対応するCQIを含む信号は、送信装置の無線受信部160によってアンテナを介して受信され、所定の無線受信処理(ダウンコンバート、A/D変換など)が行われる。そして、受信信号は、CQI復号部170−1によって復号され、サブストリーム1に対応するCQIがMCS選択部110−1へ通知される。同様に、受信信号は、CQI復号部170−2によって復号され、サブストリーム2に対応するCQIがMCS選択部110−2へ通知される。
【0051】
このように、本実施の形態によれば、サブストリームごとのMCSを選択する際に、少なくとも1つのサブストリームに関するMCSの選択には、他のサブストリームに関するMCSの選択よりも保守的な基準を有するテーブルが用いられるため、回線の状態の変化が生じたような場合でも、すべてのサブストリームが誤って伝送されることを防ぐことができ、システム全体のスループットを向上することができる。
【0052】
なお、本実施の形態においては、2つのアンテナによって信号を送受信するMIMO通信について説明したが、本発明はこれに限定されず、複数の系列から同時にデータを伝送するパラレル伝送において適用することが可能である。
【0053】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2の特徴は、複数の系列のデータをグループ化し、各グループの系列のデータには共通のCQIを用いることにより、受信装置から送信装置へCQIを報告するための信号の増加を防止することである。
【0054】
図4は、実施の形態2に係る送信装置の構成を示すブロック図である。同図に示す送信装置において、図1に示す送信装置と同じ部分には同じ符号を付し、その説明を省略する。図4に示す送信装置は、S/P変換部300、MCS選択部310−1〜4、適応符号化部320−1〜4、適応変調部330−1〜4、拡散部340−1〜4、無線送信部350−1〜4、無線受信部160、CQI復号部170−1〜2を有している。
【0055】
なお、以下の説明においては、MCS選択部310−1から無線送信部350−1によって処理され送信されるデータの流れを「サブストリーム1」といい、同様に、MCS選択部310−2〜4から無線送信部350−2〜4によって処理され送信されるデータの流れを、それぞれ「サブストリーム2」、「サブストリーム3」、「サブストリーム4」という。
【0056】
S/P変換部300は、送信データをシリアル/パラレル変換し、1系列のデータを複数系列のデータに分割する。ここでは、S/P変換部300は、1系列のデータを4系列に分割し、サブストリーム1〜4を生成する。本実施の形態においては、サブストリーム1およびサブストリーム2が1つのグループであるサブセットを構成しており、同様に、サブストリーム3およびサブストリーム4が1つのサブセットを構成しているものとする。
【0057】
MCS選択部310−1〜4は、後述する受信装置から報告されたCQIに応じてMCSを選択するためのテーブルを保持しており、サブストリーム1〜4を送信するためのMCSをそれぞれ選択する。ここで、MCS選択部310−1およびMCS選択部310−2は、1つのサブセットに関するMCSを選択するサブセットMCS選択部を構成しており、CQI復号部170−1によって得られるCQIに基づいて当該サブセットのMCSを選択する。同様に、MCS選択部310−3およびMCS選択部310−4は、1つのサブセットに関するMCSを選択するサブセットMCS選択部を構成しており、CQI復号部170−2によって得られるCQIに基づいて当該サブセットのMCSを選択する。また、MCS選択部310−1が保持しているテーブルは、MCS選択部310−2が保持しているテーブルよりも保守的な基準を有しており、MCS選択部310−3が保持しているテーブルは、MCS選択部310−4が保持しているテーブルよりも保守的な基準を有している。すなわち、サブストリーム1およびサブストリーム2が伝送される回線の回線品質が同じであれば、サブストリーム1の伝送レートの方がサブストリーム2の伝送レートより低く、データの誤りが生じにくいMCSが選択されるようなテーブルが、それぞれMCS選択部310−1およびMCS選択部310−2によって保持されている。同じように、サブストリーム3およびサブストリーム4が伝送される回線の回線品質が同じであれば、サブストリーム3の伝送レートの方がサブストリーム4の伝送レートより低く、データの誤りが生じにくいMCSが選択されるようなテーブルが、それぞれMCS選択部310−3およびMCS選択部310−4によって保持されている。
【0058】
適応符号化部320−1〜4は、それぞれMCS選択部310−1〜4によって選択されたMCSの誤り符号化方式でサブストリーム1〜4を誤り符号化する。適応変調部330−1〜4は、それぞれMCS選択部310−1〜4によって選択されたMCSの変調方式でサブストリーム1〜4を変調する。拡散部340−1〜4は、それぞれサブストリーム1〜4を拡散する。無線送信部350−1〜4は、それぞれサブストリーム1〜4に対して所定の無線送信処理(D/A変換、アップコンバートなど)を行い、それぞれ対応するアンテナを介して送信する。
【0059】
なお、本実施の形態においては、実施の形態1と異なり、CQI復号部170−1およびCQI復号部170−2は、無線受信部160によって受信された受信信号に含まれ、それぞれサブストリーム1〜2を含むサブセットおよびサブストリーム3〜4を含むサブセットに対応するCQIを復号する。
【0060】
図5は、実施の形態2に係る受信装置の構成を示すブロック図である。同図に示す受信装置において、図3に示す受信装置と同じ部分には同じ符号を付し、その説明を省略する。図5に示す受信装置は、無線受信部400−1〜4、逆拡散部410−1〜4、チャネル推定部220、サブストリーム分離部430、復調部440−1〜4、復号化部450−1〜4、誤り検出部460−1〜4、CIR測定部470−1〜4、CQI生成部480−1〜2、および無線送信部290を有している。
【0061】
無線受信部400−1〜4は、それぞれ対応するアンテナから信号を受信し、所定の無線受信処理(ダウンコンバート、A/D変換など)を行う。逆拡散部410−1〜4は、それぞれ対応するアンテナからの受信信号を逆拡散する。サブストリーム分離部430は、アンテナごとのチャネル推定結果に基づいて、送信装置におけるサブストリーム1〜4を分離し、それぞれ復調部440−1〜4とCIR測定部470−1〜4へ出力する。
【0062】
復調部440−1〜4は、それぞれ送信装置におけるサブストリーム1〜4に対応する信号を復調する。復号化部450−1〜4は、それぞれサブストリーム1〜4に対応する信号を誤り復号化する。誤り検出部460−1〜4は、送信装置においてサブストリームごとに付加されたCRCなどの誤り検出符号を用いて、それぞれサブストリーム1〜4に対応する信号の誤り検出を行い、受信データを得る。
【0063】
CIR測定部470−1〜4は、それぞれサブストリーム1〜4に対応する信号の受信品質を示すCIRを測定する。CQI生成部480−1は、サブストリーム1およびサブストリーム2に対応する信号のCIRに基づいて、これらのサブストリームを含むサブセットのMCSを選択するためのCQIを含む信号を生成する。同様に、CQI生成部480−2は、サブストリーム3およびサブストリーム4に対応する信号のCIRに基づいて、これらのサブストリームを含むサブセットのMCSを選択するためのCQIを含む信号を生成する。ここで、CQI生成部480−1およびCQI生成部480−2は、それぞれ対応するCIR測定部470−1〜2およびCIR測定部470−3〜4によって測定されたCIRの平均値を用いてCQIを決定しても良く、また、高い方または低い方のCIRを用いてCQIを決定しても良い。
【0064】
次いで、上記のように構成された送信装置および受信装置の動作について説明する。
【0065】
送信データは、S/P変換部300によってシリアル/パラレル変換され、サブストリーム1〜4の4系列のデータが得られる。そして、MCS選択部310−1およびMCS選択部310−2によって、サブストリーム1〜2を含むサブセットに対応する信号が伝送される回線のCQIに基づき当該サブセットを送信する際のMCSが選択され、同様に、MCS選択部310−3およびMCS選択部310−4によって、サブストリーム3〜4を含むサブセットに対応するCQIに基づき当該サブセットを送信する際のMCSが選択される。ここで、各サブセットに対応するCQIは、各サブセットに含まれるサブストリームに対応する信号が受信装置によって受信され、その受信品質に応じて生成されて送信されたものであり、CQI復号部170−1およびCQI復号部170−2によって復号されたものである。
【0066】
このとき、上述のように、MCS選択部310−1によって選択されるMCS(すなわち、サブストリーム1を送信するためのMCS)は、MCS選択部310−2によって選択されるMCS(すなわち、サブストリーム2を送信するためのMCS)よりも保守的な基準を有するテーブルに基づいて決定され、同様に、MCS選択部310−3によって選択されるMCS(すなわち、サブストリーム3を送信するためのMCS)は、MCS選択部310−4によって選択されるMCS(すなわち、サブストリーム4を送信するためのMCS)よりも保守的な基準を有するテーブルに基づいて決定されるため、各サブストリームが伝送される際に、それぞれのサブセットにおいてはサブストリーム1およびサブストリーム3の方が誤る可能性が小さい。
【0067】
そして、サブストリーム1(サブストリーム2〜4)は、対応するMCS選択部310−1(MCS選択部310−2〜4)によって選択されたMCSに応じた誤り符号化方式で適応符号化部320−1(適応符号化部320−2〜4)によって誤り符号化され、同様に選択されたMCSに応じた変調方式で適応変調部330−1(適応変調部330−2〜4)によって変調される。さらに、サブストリーム1(サブストリーム2〜4)は、拡散部340−1(拡散部340−2〜4)によって拡散され、無線送信部350−1(無線送信部350−2〜4)によって所定の無線送信処理(D/A変換、アップコンバートなど)が行われ、対応するアンテナから送信される。
【0068】
送信装置から送信されたサブストリーム1〜4は、受信装置の無線受信部400−1〜4によって、アンテナを介して受信される。このとき、それぞれのアンテナには、サブストリーム1〜4および雑音を含む信号が受信される。そして、無線受信部400−1〜4によって、受信信号に対して所定の無線受信処理(ダウンコンバート、A/D変換など)が行われる。そして、無線受信処理後の信号は、逆拡散部410−1〜4によって逆拡散されるとともに、チャネル推定部220によってチャネル推定される。逆拡散後の信号は、チャネル推定結果に基づいて、送信装置におけるサブストリーム1〜4に対応する信号へとサブストリーム分離部430によって分離され、サブストリーム1〜4に対応する信号は、それぞれ復調部440−1〜4およびCIR測定部470−1〜4へ出力される。
【0069】
そして、サブストリーム1(サブストリーム2〜4)に対応する信号は、復調部440−1(復調部440−2〜4)によって復調され、復号化部450−1(復号化部450−2〜4)によって誤り復号化され、誤り検出部460−1(誤り検出部460−2〜4)によって例えばCRCなどが用いられることにより誤り検出され、サブストリーム1(サブストリーム2〜4)に対応する受信データが得られる。このとき、サブストリーム1およびサブストリーム3は、それぞれサブストリーム2およびサブストリーム4より保守的な基準を有するテーブルに基づいて決定されたMCSによって送信されているため、誤り検出部460−1および誤り検出部460−3によって誤り検出が行われる信号は、誤り検出部460−2および誤り検出部460−4によって誤り検出が行われる信号よりも誤っている可能性が小さい。
【0070】
また、サブストリーム1(サブストリーム2〜4)に対応する信号は、CIR測定部470−1(CIR測定部470−2〜4)によって、受信品質を示すCIRが測定され、CQI生成部480−1(CQI生成部480−2)によって、CIRからサブストリーム1およびサブストリーム2を含むサブセット(サブストリーム3およびサブストリーム4を含むサブセット)が伝送された回線の品質を示すCQIを含む信号が生成される。そして、各サブセットに対応するCQIを含む信号は多重され、無線送信部290によって所定の無線送信処理(D/A変換、アップコンバートなど)が行われ、アンテナを介して送信される。
【0071】
各サブセットに対応するCQIを含む信号は、送信装置の無線受信部160によってアンテナを介して受信され、所定の無線受信処理(ダウンコンバート、A/D変換など)が行われる。そして、受信信号は、CQI復号部170−1によって復号され、サブストリーム1およびサブストリーム2を含むサブセットに対応するCQIがMCS選択部310−1およびMCS選択部310−2へ通知される。同様に、受信信号は、CQI復号部170−2によって復号され、サブストリーム3およびサブストリーム4を含むサブセットに対応するCQIがMCS選択部310−3およびMCS選択部310−4へ通知される。
【0072】
このように、本実施の形態によれば、複数のサブストリームをグループ化し、各グループ内のサブストリームに関するMCSの選択には、共通のCQIを用いるとともに、各グループ内において、少なくとも1つのサブストリームに関するMCSの選択には、他のサブストリームに関するMCSの選択よりも保守的な基準を有するテーブルが用いられるため、CQIを報告するための信号の量を削減することができると同時に、回線の状態の変化が生じたような場合でも、すべてのサブストリームが誤って伝送されることを防ぐことができ、システム全体のスループットをさらに向上することができる。
【0073】
なお、本実施の形態においては、4つのアンテナによって信号を送受信するMIMO通信について説明したが、本発明はこれに限定されず、複数の系列から同時にデータを伝送するパラレル伝送において適用することが可能である。
【0074】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3の特徴は、複数の系列のデータをグループ化し、各グループの系列のデータには共通のCQIを用いるとともに、グループ内のデータのうち、保守的な基準で送信されるデータを受信装置が指示することである。
【0075】
図6は、実施の形態3に係る送信装置の構成を示すブロック図である。同図に示す送信装置において、図1および図4に示す送信装置と同じ部分には同じ符号を付し、その説明を省略する。図6に示す送信装置は、S/P変換部300、MCS選択部500−1〜2、適応符号化部320−1〜4、適応変調部330−1〜4、拡散部340−1〜4、無線送信部350−1〜4、無線受信部160、CQI復号部170−1〜2、指示信号復号部510−1〜2を有している。
【0076】
なお、以下の説明においては、MCS選択部500−1から無線送信部350−1によって処理され送信されるデータの流れを「サブストリーム1」といい、MCS選択部500−1から無線送信部350−2によって処理され送信されるデータの流れを「サブストリーム2」という。また、同様に、MCS選択部500−2から無線送信部350−3〜4によって処理され送信されるデータの流れを、それぞれ「サブストリーム3」、「サブストリーム4」という。
【0077】
MCS選択部500−1は、後述する受信装置から報告されたCQIに応じてMCSを選択するためのテーブルを保持しており、サブストリーム1〜2を送信するためのMCSを選択する。MCS選択部500−2は、後述する受信装置から報告されたCQIに応じてMCSを選択するためのテーブルを保持しており、サブストリーム3〜4を送信するためのMCSを選択する。ここで、MCS選択部500−1〜2は、それぞれMCSを選択するためのテーブルを2つ保持しており、一方のテーブルは他方のテーブルより保守的な基準を有している。そして、MCS選択部500−1〜2は、それぞれ指示信号復号部510−1〜2によって復号される指示信号に基づいて、サブストリーム1〜2およびサブストリーム3〜4のうち保守的な基準を有するテーブルを適用するサブストリームを決定し、当該サブストリームと他方のサブストリームとのMCSを選択する。具体的には、例えば、指示信号復号部510−1によって復号される指示信号が、サブストリーム1について保守的な基準を適用する旨を示している場合、MCS選択部500−1は、サブストリーム1に対して保守的な基準を有するテーブルを適用してMCSを選択し、サブストリーム2に対して他方のテーブルを適用してMCSを選択する。
【0078】
指示信号復号部510−1は、サブストリーム1およびサブストリーム2のうち、どちらのサブストリームに対して保守的な基準のMCS選択用のテーブルを適用するかを示す指示信号を復号する。同様に、指示信号復号部510−2は、サブストリーム3およびサブストリーム4のうち、どちらのサブストリームに対して保守的な基準のMCS選択用のテーブルを適用するかを示す指示信号を復号する。
【0079】
図7は、実施の形態3に係る受信装置の構成を示すブロック図である。同図に示す受信装置において、図3および図5に示す受信装置と同じ部分には同じ符号を付し、その説明を省略する。図7に示す受信装置は、無線受信部400−1〜4、逆拡散部410−1〜4、チャネル推定部220、サブストリーム分離部430、復調部440−1〜4、復号化部450−1〜4、誤り検出部460−1〜4、CIR測定部470−1〜4、CQI生成部480−1〜2、指示信号生成部600−1〜2、および無線送信部290を有している。
【0080】
指示信号生成部600−1は、サブストリーム1およびサブストリーム2に対応する信号のCIRに基づいて、どちらのサブストリームに対して保守的な基準のMCS選択用のテーブルを適用するかを示す指示信号を生成する。同様に、指示信号生成部600−2は、サブストリーム3およびサブストリーム4に対応する信号のCIRに基づいて、どちらのサブストリームに対して保守的な基準のMCS選択用のテーブルを適用するかを示す指示信号を生成する。
【0081】
ここで、指示信号生成部600−1および指示信号生成部600−2は、それぞれ対応するCIR測定部470−1〜2およびCIR測定部470−3〜4によって測定されたCIRのうち、高い方のCIRに対応するサブストリームに対して保守的な基準のMCS選択用のテーブルを適用する旨を示す指示信号を生成しても良く、また、低い方のCIRに対応するサブストリームに対して保守的な基準のMCS選択用のテーブルを適用する旨を示す指示信号を生成しても良い。高い方のCIRに対応するサブストリームに対して保守的な基準のMCS選択用のテーブルを適用する場合には、受信品質が高いサブストリームを確実に伝送することになり、サブストリーム1〜2からなるグループおよびサブストリーム3〜4からなるグループの中から、それぞれ1つずつ伝搬路において誤りが生じにくいサブストリームを設けることができる。一方、低い方のCIRに対応するサブストリームに対して保守的な基準のMCS選択用のテーブルを適用する場合には、受信品質が低いサブストリームの伝送品質を向上させることになり、サブストリーム1〜2からなるグループおよびサブストリーム3〜4からなるグループの全体的な誤りを削減することができる。
【0082】
次いで、上記のように構成された送信装置および受信装置の動作について説明する。
【0083】
送信データは、S/P変換部300によってシリアル/パラレル変換され、サブストリーム1〜4の4系列のデータが得られる。そして、MCS選択部500−1によって、サブストリーム1〜2に対応する信号が伝送される回線のCQIに基づきこれらのサブストリームを送信する際のMCSが選択され、同様に、MCS選択部500−2によって、サブストリーム3〜4に対応するCQIに基づきこれらのサブストリームを送信する際のMCSが選択される。このとき、指示信号復号部510−1および指示信号復号部510−2によって復号された指示信号に基づき、それぞれMCS選択部500−1およびMCS選択部500−2によって保持されている2つのテーブルのうち、どのテーブルをどのサブストリームのMCS選択に適用するかが決定される。具体的には、MCS選択部500−1によって保持されている2つのテーブルのうち、保守的な基準を有するテーブルをサブストリーム1〜2のどちらに適用し、MCS選択部500−2によって保持されている2つのテーブルのうち、保守的な基準を有するテーブルをサブストリーム3〜4のどちらに適用するかが決定される。
【0084】
そして、サブストリーム1〜2(サブストリーム3〜4)は、対応するMCS選択部500−1(MCS選択部500−2)によって選択されたMCSに応じた誤り符号化方式でそれぞれ適応符号化部320−1〜2(適応符号化部320−3〜4)によって誤り符号化され、同様に選択されたMCSに応じた変調方式でそれぞれ適応変調部330−1〜2(適応変調部330−3〜4)によって変調される。さらに、サブストリーム1(サブストリーム2〜4)は、拡散部340−1(拡散部340−2〜4)によって拡散され、無線送信部350−1(無線送信部350−2〜4)によって所定の無線送信処理(D/A変換、アップコンバートなど)が行われ、対応するアンテナから送信される。
【0085】
送信装置から送信されたサブストリーム1〜4は、受信装置の無線受信部400−1〜4によって、アンテナを介して受信される。このとき、それぞれのアンテナには、サブストリーム1〜4および雑音を含む信号が受信される。そして、無線受信部400−1〜4によって、受信信号に対して所定の無線受信処理(ダウンコンバート、A/D変換など)が行われる。そして、無線受信処理後の信号は、逆拡散部410−1〜4によって逆拡散されるとともに、チャネル推定部220によってチャネル推定される。逆拡散後の信号は、チャネル推定結果に基づいて、送信装置におけるサブストリーム1〜4に対応する信号へとサブストリーム分離部430によって分離され、サブストリーム1〜4に対応する信号は、それぞれ復調部440−1〜4およびCIR測定部470−1〜4へ出力される。
【0086】
そして、サブストリーム1(サブストリーム2〜4)に対応する信号は、復調部440−1(復調部440−2〜4)によって復調され、復号化部450−1(復号化部450−2〜4)によって誤り復号化され、誤り検出部460−1(誤り検出部460−2〜4)によって例えばCRCなどが用いられることにより誤り検出され、サブストリーム1(サブストリーム2〜4)に対応する受信データが得られる。
【0087】
また、サブストリーム1(サブストリーム2〜4)に対応する信号は、CIR測定部470−1(CIR測定部470−2〜4)によって、受信品質を示すCIRが測定され、CQI生成部480−1(CQI生成部480−2)によって、CIRからサブストリーム1およびサブストリーム2(サブストリーム3およびサブストリーム4)が伝送された回線の品質を示すCQIを含む信号が生成される。また、指示信号生成部600−1(指示信号生成部600−2)によって、サブストリーム1〜2(サブストリーム3〜4)のうち、どちらのサブストリームに対して保守的な基準のMCS選択用のテーブルを適用するかを示す指示信号が生成される。そして、各サブストリームのグループに対応するCQIを含む信号および指示信号は多重され、無線送信部290によって所定の無線送信処理(D/A変換、アップコンバートなど)が行われ、アンテナを介して送信される。
【0088】
各サブストリームのグループに対応するCQIを含む信号および指示信号は、送信装置の無線受信部160によってアンテナを介して受信され、所定の無線受信処理(ダウンコンバート、A/D変換など)が行われる。そして、受信信号は、CQI復号部170−1および指示信号復号部510−1によって復号され、サブストリーム1およびサブストリーム2に対応するCQIおよびどちらのサブストリームに保守的な基準のテーブルを適用するかがMCS選択部500−1へ通知される。同様に、受信信号は、CQI復号部170−2および指示信号復号部510−2によって復号され、サブストリーム3およびサブストリーム4に対応するCQIおよびどちらのサブストリームに保守的な基準のテーブルを適用するかがMCS選択部500−2へ通知される。
【0089】
このように、本実施の形態によれば、複数のサブストリームをグループ化し、各グループ内のサブストリームに関するMCSの選択には、共通のCQIを用いるとともに、各サブストリームの受信品質に基づいて、グループ内のどのサブストリームに対して保守的な基準を有するテーブルを用いてMCSを選択するかが決定されるため、CQIを報告するための信号の量を削減することができると同時に、サブストリームの伝送品質を高めるようにMCS選択用のテーブルを適用することができる。
【0090】
なお、本実施の形態においては、4つのアンテナによって信号を送受信するMIMO通信について説明したが、本発明はこれに限定されず、複数の系列から同時にデータを伝送するパラレル伝送において適用することが可能である。
【0091】
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4の特徴は、複数の系列のデータを送信する際に、保守的な基準で送信されるデータに、各系列のデータを含む誤り訂正符号のパリティビット(冗長ビット)を付加して送信することである。
【0092】
図8は、実施の形態4に係る送信装置の構成を示すブロック図である。同図に示す送信装置において、図1に示す送信装置と同じ部分には同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0093】
図8に示す送信装置は、データ分割部700、MCS選択部110−1〜2、RS(Reed−Solomon)符号化部710、余剰ビット除去部720、適応符号化部120−1〜2、適応変調部130−1〜2、拡散部140−1〜2、無線送信部150−1〜2、無線受信部160、およびCQI復号部170−1〜2を有している。
【0094】
なお、以下の説明においては、MCS選択部110−1から無線送信部150−1によって処理され送信されるデータの流れを「サブストリーム1」といい、MCS選択部110−2から無線送信部150−2によって処理され送信されるデータの流れを「サブストリーム2」という。
【0095】
データ分割部700は、1系列の送信データを2系列に分割する。具体的には、データ分割部700は、RS符号化部710によってデータの実体である情報ビットにパリティビットが付加された後に、サブストリーム1とサブストリーム2のデータ全体の長さが等しくなるような配分で送信データを分割する。サブストリーム1およびサブストリーム2のデータを構成するビットについては後述する。
【0096】
RS符号化部710は、サブストリーム1のデータの実体である情報ビット(以下、「情報ビット1」という)とサブストリーム2のデータの実体である情報ビット(以下、「情報ビット2」という)および各サブストリームの情報ビットに付加されている誤り検出符号のCRC(Cyclic Redundancy Check)ビット(以下、それぞれ「CRC1」、「CRC2」という)を結合したデータに対してRS符号化を行い、RSパリティビットを付加する。
【0097】
余剰ビット除去部720は、RSパリティビット付加後のデータから、サブストリーム2のデータ実体である情報ビット2とその誤り検出符号であるCRC2とを除去する。
【0098】
また、本実施の形態においては、適応符号化部120−1〜2は、ターボ符号化を行い、パリティビットを付加する。一般に、RS符号は、バースト誤りに対する耐性が大きく、ターボ符号は、ランダム誤りに対する耐性が大きい。これらの種類の異なる誤り訂正符号化を組み合わせることにより、バースト誤りおよびランダム誤りの両方に対して耐性を有する符号化を行うことができる。
【0099】
図9は、実施の形態4に係る受信装置の構成を示すブロック図である。同図に示す受信装置において、図3に示す受信装置と同じ部分には同じ符号を付し、その説明を省略する。図9に示す受信装置は、無線受信部200−1〜2、逆拡散部210−1〜2、チャネル推定部220、サブストリーム分離部230、復調部240−1〜2、復号化部250−1〜2、誤り検出部260−1〜2、判定部800、RS復号化部810、誤り検出部820、CIR(Carrier to Interference Ratio)測定部270−1〜2、CQI生成部280−1〜2、および無線送信部290を有している。
【0100】
判定部800は、誤り検出部260−1および誤り検出部260−2によってそれぞれCRC1およびCRC2が用いられて各サブストリームに対応する信号の誤り検出が行われた結果から、各サブストリームに対応する信号の誤りの有無を判定する。換言すれば、判定部800は、誤り検出部260−1によってCRC1による誤り検出が行われた結果、サブストリーム1に対応する信号に誤りがあるか否かを判定し、同時に、誤り検出部260−2によってCRC2による誤り検出が行われた結果、サブストリーム2に対応する信号に誤りがあるか否かを判定する。
【0101】
RS復号化部810は、サブストリーム1に対応する信号に付加されているRSパリティビットを用いて、サブストリーム1およびサブストリーム2に対応する信号の誤り訂正復号を行う。ここで、サブストリーム1に対応する信号に付加されているRSパリティビットは、サブストリーム2のデータの実体である情報ビット2に関する情報を含んでいるため、RS復号化部810は、サブストリーム1およびサブストリーム2に対応する信号の誤り訂正復号を行うことができる。
【0102】
誤り検出部820は、判定部800の判定結果として、サブストリーム1に対応する信号に誤りが無く、かつ、サブストリーム2に対応する信号に誤りがあった場合、RS復号化部810による誤り訂正復号結果を用いて、再度サブストリーム2に対応する信号の誤り検出を行い、受信データを得る。
【0103】
次いで、上記のように構成された送信装置および受信装置の動作について説明する。
【0104】
送信データは、データ分割部700によって分割され、サブストリーム1およびサブストリーム2の2系列のデータが得られる。そして、MCS選択部110−1によって、サブストリーム1に対応する信号が伝送される回線のCQIに基づきサブストリーム1を送信する際のMCSが選択され、同様に、MCS選択部110−2によって、サブストリーム2に対応するCQIに基づきサブストリーム2を送信する際のMCSが選択される。ここで、各サブストリームに対応するCQIは、受信装置によって生成されて送信されたものであり、CQI復号部170−1およびCQI復号部170−2によって復号されたものである。
【0105】
このとき、実施の形態1と同様に、MCS選択部110−1によって選択されるMCS(すなわち、サブストリーム1を送信するためのMCS)は、MCS選択部110−2によって選択されるMCS(すなわち、サブストリーム2を送信するためのMCS)よりも保守的な基準を有するテーブルに基づいて決定されるため、各サブストリームが伝送される際に、サブストリーム1の方が誤る可能性が小さい。
【0106】
そして、サブストリーム1の情報ビット1およびCRC1とサブストリーム2の情報ビット2およびCRC2とが結合され、このデータは、RS符号化部710によってRS符号化され、RSパリティビットが付加される(図10(a)参照)。ここで、付加されるRSパリティビットは、情報ビット1および情報ビット2に関する誤り訂正符号用のビットであるため、受信装置は、このビットを用いて誤り訂正復号することにより、情報ビット1および情報ビット2の誤りを訂正することができる。
【0107】
そして、余剰ビット除去部720によって、RSパリティビット付加後のデータから、情報ビット2およびCRC2が除去される。この結果得られた、情報ビット1、CRC1、およびRSパリティビットからなるサブストリーム1のデータは、対応するMCS選択部110−1によって選択されたMCSに応じた誤り符号化方式で適応符号化部120−1によってターボ符号化され、パリティビットが付加される。また、情報ビット2およびCRC2からなるサブストリーム2のデータは、対応するMCS選択部110−2によって選択されたMCSに応じた誤り符号化方式で適応符号化部120−2によってターボ符号化され、パリティビットが付加される(図10(b)参照)。このとき、サブストリーム1には、RSパリティビットが含まれるため、情報ビット1と情報ビット2のデータ長が同じであれば、サブストリーム1の方がサブストリーム2よりも長くなるが、データ分割部700によって、各サブストリームの長さが等しくなるように送信データが分割されているため、図10(b)に示すように、ターボ符号化後の各サブストリームのデータ長は等しくなる。
【0108】
そして、サブストリーム1(サブストリーム2)は、MCS選択部110−1(MCS選択部110−2)によって選択されたMCSに応じた変調方式で適応変調部130−1(適応変調部130−2)によって変調され、拡散部140−1(拡散部140−2)によって拡散され、無線送信部150−1(無線送信部150−2)によって所定の無線送信処理(D/A変換、アップコンバートなど)が行われ、対応するアンテナから送信される。
【0109】
送信装置から送信されたサブストリーム1およびサブストリーム2は、受信装置の無線受信部200−1および無線受信部200−2によって、アンテナを介して受信される。このとき、それぞれのアンテナには、サブストリーム1、サブストリーム2、および雑音を含む信号が受信される。そして、無線受信部200−1および無線受信部200−2によって、受信信号に対して所定の無線受信処理(ダウンコンバート、A/D変換など)が行われる。そして、無線受信処理後の信号は、逆拡散部210−1および逆拡散部210−2によって逆拡散されるとともに、チャネル推定部220によってチャネル推定される。逆拡散後の信号は、チャネル推定結果に基づいて、送信装置におけるサブストリーム1およびサブストリーム2に対応する信号へとサブストリーム分離部230によって分離され、サブストリーム1に対応する信号は復調部240−1およびCIR測定部270−1へ出力され、サブストリーム2に対応する信号は復調部240−2およびCIR測定部270−2へ出力される。
【0110】
そして、サブストリーム1(サブストリーム2)に対応する信号は、復調部240−1(復調部240−2)によって復調され、復号化部250−1(復号化部250−2)によってターボ復号化され、誤り検出部260−1(誤り検出部260−2)によってCRC1(CRC2)が用いられることにより誤り検出される。この誤り検出の結果は、判定部800へ通知され、サブストリーム1およびサブストリーム2に対応する信号の誤りの有無が判定される。このとき、サブストリーム1は、サブストリーム2より保守的な基準を有するテーブルに基づいて決定されたMCSによって送信されているため、誤り検出部260−1によって誤り検出が行われる信号は、誤り検出部260−2によって誤り検出が行われる信号よりも誤っている可能性が小さい。
【0111】
判定部800による判定の結果、サブストリーム1に対応する信号に誤りが無く、サブストリーム2に対応する信号に誤りがあった場合、誤りが無いサブストリーム1に対応する信号に含まれるRSパリティビットが用いられて、RS復号化部810によってサブストリーム1およびサブストリーム2に対応する信号の誤り訂正復号が行われる。さらに、誤り訂正復号されたサブストリーム2に対応する信号は、誤り検出部820によって、再度誤り検出が行われ、受信データが得られる。
【0112】
また、実施の形態1と同様に、サブストリーム1(サブストリーム2)に対応する信号は、CIR測定部270−1(CIR測定部270−2)によって、受信品質を示すCIRが測定され、CQI生成部280−1(CQI生成部280−2)によって、CIRからサブストリーム1(サブストリーム2)が伝送された回線の品質を示すCQIを含む信号が生成される。そして、各サブストリームに対応するCQIを含む信号は多重され、無線送信部290によって所定の無線送信処理(D/A変換、アップコンバートなど)が行われ、アンテナを介して送信される。
【0113】
各サブストリームに対応するCQIを含む信号は、送信装置の無線受信部160によってアンテナを介して受信され、所定の無線受信処理(ダウンコンバート、A/D変換など)が行われる。そして、受信信号は、CQI復号部170−1によって復号され、サブストリーム1に対応するCQIがMCS選択部110−1へ通知される。同様に、受信信号は、CQI復号部170−2によって復号され、サブストリーム2に対応するCQIがMCS選択部110−2へ通知される。
【0114】
このように、本実施の形態によれば、サブストリームごとのMCSを選択する際に、少なくとも1つのサブストリームに関するMCSの選択には、他のサブストリームに関するMCSの選択よりも保守的な基準を有するテーブルを用い、当該サブストリームにすべてのサブストリームの情報ビットに関する誤り訂正符号を含めて送信するため、すべてのサブストリームに関する誤り訂正符号を確実に伝送することができ、受信装置においてすべてのサブストリームの誤りを訂正することができ、システム全体のスループットをさらに向上することができる。
【0115】
なお、本実施の形態においては、送信装置は、RSパリティビットをサブストリーム1に含めて送信する構成としたが、図11に示すように、RS符号化部710aがRSパリティビットをサブストリーム1およびサブストリーム2に半分ずつ含めるような構成としても良い(図12参照)。この場合には、各サブストリームに同じ長さのRSパリティビットが含まれることになるため、図8に示す送信装置のデータ分割部700に代えて、S/P変換部100を設ければ良い。また、図8に示す送信装置の余剰ビット除去部720も必要ないため、送信装置を図11のように構成することにより、装置構成の簡略化を図ることができる。
【0116】
また、本実施の形態においては、2つのアンテナによって信号を送受信するMIMO通信について説明したが、本発明はこれに限定されず、複数の系列から同時にデータを伝送するパラレル伝送において適用することが可能である。
【0117】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、システム全体のスループットを向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る送信装置の構成を示すブロック図
【図2】実施の形態1に係るMCS選択用テーブルの一例を示す図
【図3】実施の形態1に係る受信装置の構成を示すブロック図
【図4】本発明の実施の形態2に係る送信装置の構成を示すブロック図
【図5】実施の形態2に係る受信装置の構成を示すブロック図
【図6】本発明の実施の形態3に係る送信装置の構成を示すブロック図
【図7】実施の形態3に係る受信装置の構成を示すブロック図
【図8】本発明の実施の形態4に係る送信装置の構成を示すブロック図
【図9】実施の形態4に係る受信装置の構成を示すブロック図
【図10】実施の形態4に係るデータ構成の一例を示す図
【図11】実施の形態4に係る送信装置の他の構成を示すブロック図
【図12】実施の形態4に係るデータ構成の他の一例を示す図
【符号の説明】
100、300 S/P変換部
110−1、110−2、310−1、310−2、310−3、310−4、500−1、500−2 MCS選択部
120−1、120−2、320−1、320−2、320−3、320−4
適応符号化部
170 CQI復号部
230、430 サブストリーム分離部
260−1、260−2、460−1、460−2、460−3、460−4、820 誤り検出部
270−1、270−2、470−1、470−2、470−3、470−4
CIR測定部
280−1、280−2、480−1、480−2 CQI生成部
510−1、510−2 指示信号復号部
600−1、600−2 指示信号生成部
700 データ分割部
710、710a RS符号化部
720 余剰ビット除去部
800 判定部
810 RS復号化部
【発明の属する技術分野】
本発明は、パラレル伝送装置および伝送レート決定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、無線通信においては、複数の系列のデータを同時に伝送するパラレル伝送が行われることがある。パラレル伝送の例としては、例えば複数のアンテナからそれぞれ異なるデータを同一周波数で同時に送信するMIMO(Multi Input Multi Output)通信や、周波数が異なる複数のサブキャリアにそれぞれ異なるデータを重畳して送信するOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplex)方式を用いた通信などがある。
【0003】
このうち、例えばMIMO通信においては、”Increasing MIMO throughput with per−antenna rate control(3GPP TSG RAN WG1, TSG−R1(01)0879)”に記載されているように、複数のアンテナから送信するそれぞれ異なるデータの伝送レートを独立に調整することが検討されている。この技術は、PARC(Per−Antenna Rate Control)と呼ばれ、変調方式と誤り符号化方式によって規定される伝送レートを示すMCS(Modulation Coding Schemes)を各アンテナごとに変えることにより、複数のアンテナからのデータ伝送レートを独立に調整するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したように、パラレル伝送における複数系列のデータについて、MCSによる伝送レートを独立に調整する場合、各系列におけるMCS選択の基準は同一であるため、受信側において、すべての系列のデータから誤りが検出されることがある。具体的には、MCSの選択は、所定のテーブルから回線品質に応じた変調方式および誤り符号化方式が選択されることにより行われるが、複数の系列において独立にMCSを選択する場合でも、MCS選択用のテーブルは各系列で同一であるため、回線の状態の変化などにより、受信側においてすべての系列のデータが誤る可能性がある。すべての系列のデータが誤ると、例えばデータの再送が多発し、システム全体のスループットが低下するという問題がある。
【0005】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、システム全体のスループットを向上することができるパラレル伝送装置および伝送レート決定方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明のパラレル伝送装置は、送信データを複数の系列のデータに分割する分割手段と、前記複数系列のデータのうち少なくとも1系列のデータの伝送レートを保守的な基準に基づいて決定する決定手段と、決定された伝送レートで前記複数系列のデータを同時に送信する送信手段と、を有する構成を採る。
【0007】
この構成によれば、送信データを分割して得られた複数系列のデータのうち、少なくとも1系列のデータの伝送レートを保守的な基準に基づいて決定し、送信するため、少なくとも1系列のデータは確実に伝送して、受信側において検出されるデータの誤りを削減することができ、システム全体のスループットを向上することができる。
【0008】
本発明のパラレル伝送装置は、前記決定手段は、前記複数系列のデータに対応する伝搬路状態情報を受信する伝搬路状態情報受信部と、受信された伝搬路状態情報に応じて誤り符号化方式および変調方式からなる伝送レートを選択する伝送レート選択部と、を有し、前記伝送レート選択部は、前記複数系列のデータのうち少なくとも1系列のデータの伝送レートを、他の系列のデータよりも保守的な基準に基づいて選択する構成を採る。
【0009】
この構成によれば、伝搬路状態情報に応じて複数系列のデータに対応する誤り符号化方式および変調方式からなる伝送レートを選択するとともに、少なくとも1系列のデータの伝送レートを他の系列のデータよりも保守的な基準に基づいて選択するため、例えば受信側から報告されるCQI(Channel Quality Indicator)などの伝搬路状態情報に応じて複数系列のデータのMCS(Modulation Coding Schemes)をそれぞれ独立に選択する際に、少なくとも1系列のデータは確実に伝送して、受信側において検出されるデータの誤りを削減することができ、システム全体のスループットを向上することができる。
【0010】
本発明のパラレル伝送装置は、前記伝搬路状態情報受信部は、前記複数系列のデータのグループであるサブセットに対応する伝搬路状態情報を受信する構成を採る。
【0011】
この構成によれば、複数系列のデータのグループであるサブセットに対応する伝搬路状態情報を受信するため、例えばCQIなどの伝搬路状態情報を報告するための信号の量を削減することができ、システム全体のスループットをさらに向上することができる。
【0012】
本発明のパラレル伝送装置は、前記伝送レート選択部は、前記複数系列のデータのグループであるサブセットのうち少なくとも1系列のデータの伝送レートを、当該サブセットの他の系列よりも保守的な基準に基づいて選択する構成を採る。
【0013】
この構成によれば、複数系列のデータのグループであるサブセットのうち少なくとも1系列のデータの伝送レートを、当該サブセットの他の系列よりも保守的な基準に基づいて選択するため、サブセット内において少なくとも1系列のデータは確実に伝送して、受信側において検出されるデータの誤りを削減することができるとともに、サブセット単位で共通のCQIに基づく伝送レートを決定する場合には、CQIを報告するための信号の量を削減することができ、システム全体のスループットをさらに向上することができる。
【0014】
本発明のパラレル伝送装置は、前記サブセットのうち保守的な基準を適用する系列のデータを指示するための指示信号を受信する指示信号受信部、をさらに有し、前記伝送レート選択部は、指示信号によって指示された系列のデータの伝送レートを、他の系列のデータよりも保守的な基準に基づいて選択する構成を採る。
【0015】
この構成によれば、サブセットのうち保守的な基準を適用する系列のデータを指示するための指示信号を受信し、指示された系列のデータの伝送レートを他の系列のデータよりも保守的な基準に基づいて選択するため、受信側は、例えば各系列のデータごとの受信品質に応じて、保守的な基準に基づいて伝送レートを選択する系列を指示することができ、指示された系列のデータをさらに確実に伝送することができる。
【0016】
本発明のパラレル伝送装置は、前記決定手段によって保守的な基準に基づいて伝送レートが決定された系列のデータおよび当該系列以外の系列のデータに関する誤り訂正符号を生成する生成手段、をさらに有し、前記送信手段は、保守的な基準に基づいて伝送レートが決定された系列のデータに生成された誤り訂正符号を付加して送信する構成を採る。
【0017】
この構成によれば、保守的な基準に基づいて伝送レートが決定された系列およびそれ以外の系列のデータに関する誤り訂正符号を生成し、保守的な基準に基づいて伝送レートが決定された系列のデータに付加して送信するため、受信側は、保守的な基準に基づいて伝送レートが決定された系列以外の系列のデータに関する誤り訂正符号を確実に受信した上で、この系列の誤り訂正を行うことができ、システム全体のスループットをさらに向上することができる。
【0018】
本発明のパラレル伝送装置は、前記決定手段によって保守的な基準に基づいて伝送レートが決定された系列のデータおよび当該系列以外の系列のデータに関する誤り訂正符号を生成する生成手段、をさらに有し、前記送信手段は、前記複数系列のデータに生成された誤り訂正符号を均等に付加して送信する構成を採る。
【0019】
この構成によれば、保守的な基準に基づいて伝送レートが決定された系列およびそれ以外の系列のデータに関する誤り訂正符号を生成し、複数系列のデータに均等に付加して送信するため、誤り訂正符号を含む複数系列のデータのデータ長を揃えることができ、装置構成の簡略化を図ることができる。
【0020】
本発明のパラレル伝送装置は、少なくとも1系列のデータの伝送レートが保守的な基準に基づいて決定された複数系列のデータを含む信号を受信する受信手段と、受信信号を前記複数系列のデータごとに分離する分離手段と、前記複数系列のデータのうち伝送レートが保守的な基準に基づいて決定された系列のデータに付加されている誤り訂正符号を用いて前記複数系列のデータの誤り訂正をする誤り訂正手段と、を有する構成を採る。
【0021】
この構成によれば、受信信号を少なくとも1系列のデータの伝送レートが保守的な基準に基づいて決定された複数系列のデータごとに分離し、伝送レートが保守的な基準に基づいて決定された系列のデータに付加されている誤り訂正符号を用いて各系列のデータの誤り訂正をするため、保守的な基準に基づいて伝送レートが決定された系列以外の系列の誤り訂正を行うことができ、システム全体のスループットをさらに向上することができる。
【0022】
本発明のパラレル伝送装置は、前記誤り訂正手段は、前記複数系列のデータに均等に付加されている誤り訂正符号を用いて前記複数系列のデータの誤り訂正をする構成を採る。
【0023】
この構成によれば、複数系列のデータに均等に付加されている誤り訂正符号を用いて誤り訂正をするため、受信信号から誤り訂正符号部分を容易に抽出することができ、誤り訂正復号化を効率的に行うことができる。
【0024】
本発明の基地局装置は、上記のいずれかに記載のパラレル伝送装置を有する構成を採る。
【0025】
この構成によれば、上記のいずれかに記載のパラレル伝送装置と同様の作用効果を、基地局装置において実現することができる。
【0026】
本発明の移動局装置は、上記のいずれかに記載のパラレル伝送装置を有する構成を採る。
【0027】
この構成によれば、上記のいずれかに記載のパラレル伝送装置と同様の作用効果を、移動局装置において実現することができる。
【0028】
本発明の伝送レート決定方法は、送信データを複数の系列のデータに分割するステップと、前記複数系列のデータのうち少なくとも1系列のデータの伝送レートを保守的な基準に基づいて決定するステップと、決定した伝送レートで前記複数系列のデータを同時に送信するステップと、を有するようにした。
【0029】
この方法によれば、送信データを分割して得られた複数系列のデータのうち、少なくとも1系列のデータの伝送レートを保守的な基準に基づいて決定し、送信するため、少なくとも1系列のデータは確実に伝送して、受信側において検出されるデータの誤りを削減することができ、システム全体のスループットを向上することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
本発明の骨子は、複数系列のデータのうち、少なくとも1系列のデータの伝送レートを保守的な基準に基づいて決定して送信することである。
【0031】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の各実施の形態においては、パラレル伝送としてMIMO通信を例にとって説明するが、本発明はこれに限定されず、周波数の異なる複数のサブキャリアにデータを重畳して送信するOFDM方式や、複数のコードによってデータを拡散して送信するマルチコード伝送など、複数の系列のデータを同時に送信する場合に適用可能である。
【0032】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る送信装置の構成を示すブロック図である。同図に示す送信装置は、S/P(Serial/Parallel)変換部100、MCS(Modulation Coding Schemes)選択部110−1〜2、適応符号化部120−1〜2、適応変調部130−1〜2、拡散部140−1〜2、無線送信部150−1〜2、無線受信部160、およびCQI(Channel Quality Indicator)復号部170−1〜2を有している。
【0033】
なお、以下の説明においては、MCS選択部110−1から無線送信部150−1によって処理され送信されるデータの流れを「サブストリーム1」といい、MCS選択部110−2から無線送信部150−2によって処理され送信されるデータの流れを「サブストリーム2」という。
【0034】
S/P変換部100は、送信データをシリアル/パラレル変換し、1系列のデータを複数系列のデータに分割する。ここでは、S/P変換部100は、1系列のデータを2系列に分割し、サブストリーム1およびサブストリーム2を生成する。MCS選択部110−1およびMCS選択部110−2は、後述する受信装置から報告されたCQIに応じてMCSを選択するためのテーブルを保持しており、サブストリーム1およびサブストリーム2を送信するためのMCSをそれぞれ選択する。ここで、MCS選択部110−1が保持しているテーブルは、MCS選択部110−2が保持しているテーブルよりも保守的な基準を有している。すなわち、サブストリーム1およびサブストリーム2が伝送される回線の回線品質が同じであれば、サブストリーム1の伝送レートの方がサブストリーム2の伝送レートより低く、データの誤りが生じにくいMCSが選択されるようなテーブルが、それぞれMCS選択部110−1およびMCS選択部110−2によって保持されている。
【0035】
具体的には、例えば図2(a)に示すようなテーブルがMCS選択部110−1によって保持されており、図2(b)に示すようなテーブルがMCS選択部110−2によって保持されている。これらの図に示すテーブルにおいては、MCS1が最も低い伝送レートのMCSであるが、データの誤りが生じにくく、MCS2、MCS3となるに連れ、伝送レートは高くなるが、データの誤りが生じやすくなる。これらの図に示すようなテーブルがMCS選択部110−1およびMCS選択部110−2によってそれぞれ保持されいている場合、例えばサブストリーム1およびサブストリーム2が伝送される回線の回線品質を示すCQIがいずれも9dBであると、MCS選択部110−1においては、MCS2(変調方式がQPSKで符号化率が1/2)が選択され、MCS選択部110−2においては、MCS3(変調方式が8PSKで符号化率が1/3)が選択されることになる。したがって、MCS選択部110−1によって選択されるMCSで伝送されるサブストリーム1は、MCS選択部110−2によって選択されるMCSで伝送されるサブストリーム2よりも低い伝送レートで伝送されるが、受信側において誤りが検出される可能性は小さくなる。
【0036】
このように、実際にデータ伝送可能な伝送レートよりも低い伝送レートが選択されるような伝送レート選択のための基準を、本明細書においては「保守的な基準」という。
【0037】
適応符号化部120−1および適応符号化部120−2は、それぞれMCS選択部110−1およびMCS選択部110−2によって選択されたMCSの誤り符号化方式でサブストリーム1およびサブストリーム2を誤り符号化する。適応変調部130−1および適応変調部130−2は、それぞれMCS選択部110−1およびMCS選択部110−2によって選択されたMCSの変調方式でサブストリーム1およびサブストリーム2を変調する。拡散部140−1および拡散部140−2は、それぞれサブストリーム1およびサブストリーム2を拡散する。無線送信部150−1および無線送信部150−2は、それぞれサブストリーム1およびサブストリーム2に対して所定の無線送信処理(D/A変換、アップコンバートなど)を行い、それぞれ対応するアンテナを介して送信する。
【0038】
無線受信部160は、後述する受信装置から報告されるCQIを含む信号をアンテナを介して受信し、所定の無線受信処理(ダウンコンバート、A/D変換など)を行う。CQI復号部170−1およびCQI復号部170−2は、無線受信部160によって受信された受信信号に含まれ、それぞれサブストリーム1およびサブストリーム2に対応するCQIを復号する。
【0039】
図3は、実施の形態1に係る受信装置の構成を示すブロック図である。同図に示す受信装置は、無線受信部200−1〜2、逆拡散部210−1〜2、チャネル推定部220、サブストリーム分離部230、復調部240−1〜2、復号化部250−1〜2、誤り検出部260−1〜2、CIR(Carrier to Interference Ratio)測定部270−1〜2、CQI生成部280−1〜2、および無線送信部290を有している。
【0040】
無線受信部200−1および無線受信部200−2は、それぞれ対応するアンテナから信号を受信し、所定の無線受信処理(ダウンコンバート、A/D変換など)を行う。逆拡散部210−1および逆拡散部210−2は、それぞれ対応するアンテナからの受信信号を逆拡散する。チャネル推定部220は、アンテナごとの受信信号に対してチャネル推定を行い、チャネル推定結果をサブストリーム分離部230へ出力する。サブストリーム分離部230は、アンテナごとのチャネル推定結果に基づいて、送信装置におけるサブストリーム1およびサブストリーム2を分離し、それぞれ復調部240−1とCIR測定部270−1および復調部240−2とCIR測定部270−2へ出力する。
【0041】
復調部240−1および復調部240−2は、それぞれ送信装置におけるサブストリーム1およびサブストリーム2に対応する信号を復調する。復号化部250−1および復号化部250−2は、それぞれサブストリーム1およびサブストリーム2に対応する信号を誤り復号化する。誤り検出部260−1および誤り検出部260−2は、送信装置においてサブストリームごとに付加されたCRC(Cyclic Redundancy Check)などの誤り検出符号を用いて、それぞれサブストリーム1およびサブストリーム2に対応する信号の誤り検出を行い、受信データを得る。
【0042】
CIR測定部270−1およびCIR測定部270−2は、それぞれサブストリーム1およびサブストリーム2に対応する信号の受信品質を示すCIRを測定する。CQI生成部280−1およびCQI生成部280−2は、それぞれサブストリーム1およびサブストリーム2に対応する信号のCIRに基づいて、各サブストリームが伝送される回線の品質を示すCQIを含む信号を生成する。無線送信部290は、CQI生成部280−1およびCQI生成部280−2によって生成されたCQIを含む信号を多重して得られた多重信号に対して所定の無線送信処理(D/A変換、アップコンバートなど)を行い、アンテナを介して送信する。
【0043】
次いで、上記のように構成された送信装置および受信装置の動作について説明する。
【0044】
送信データは、S/P変換部100によってシリアル/パラレル変換され、サブストリーム1およびサブストリーム2の2系列のデータが得られる。そして、MCS選択部110−1によって、サブストリーム1に対応する信号が伝送される回線のCQIに基づきサブストリーム1を送信する際のMCSが選択され、同様に、MCS選択部110−2によって、サブストリーム2に対応するCQIに基づきサブストリーム2を送信する際のMCSが選択される。ここで、各サブストリームに対応するCQIは、受信装置によって生成されて送信されたものであり、CQI復号部170−1およびCQI復号部170−2によって復号されたものである。
【0045】
このとき、上述のように、MCS選択部110−1によって選択されるMCS(すなわち、サブストリーム1を送信するためのMCS)は、MCS選択部110−2によって選択されるMCS(すなわち、サブストリーム2を送信するためのMCS)よりも保守的な基準を有するテーブルに基づいて決定されるため、各サブストリームが伝送される際に、サブストリーム1の方が誤る可能性が小さい。
【0046】
そして、サブストリーム1(サブストリーム2)は、対応するMCS選択部110−1(MCS選択部110−2)によって選択されたMCSに応じた誤り符号化方式で適応符号化部120−1(適応符号化部120−2)によって誤り符号化され、同様に選択されたMCSに応じた変調方式で適応変調部130−1(適応変調部130−2)によって変調される。さらに、サブストリーム1(サブストリーム2)は、拡散部140−1(拡散部140−2)によって拡散され、無線送信部150−1(無線送信部150−2)によって所定の無線送信処理(D/A変換、アップコンバートなど)が行われ、対応するアンテナから送信される。
【0047】
送信装置から送信されたサブストリーム1およびサブストリーム2は、受信装置の無線受信部200−1および無線受信部200−2によって、アンテナを介して受信される。このとき、それぞれのアンテナには、サブストリーム1、サブストリーム2、および雑音を含む信号が受信される。そして、無線受信部200−1および無線受信部200−2によって、受信信号に対して所定の無線受信処理(ダウンコンバート、A/D変換など)が行われる。そして、無線受信処理後の信号は、逆拡散部210−1および逆拡散部210−2によって逆拡散されるとともに、チャネル推定部220によってチャネル推定される。逆拡散後の信号は、チャネル推定結果に基づいて、送信装置におけるサブストリーム1およびサブストリーム2に対応する信号へとサブストリーム分離部230によって分離され、サブストリーム1に対応する信号は復調部240−1およびCIR測定部270−1へ出力され、サブストリーム2に対応する信号は復調部240−2およびCIR測定部270−2へ出力される。
【0048】
そして、サブストリーム1(サブストリーム2)に対応する信号は、復調部240−1(復調部240−2)によって復調され、復号化部250−1(復号化部250−2)によって誤り復号化され、誤り検出部260−1(誤り検出部260−2)によって例えばCRCなどが用いられることにより誤り検出され、サブストリーム1(サブストリーム2)に対応する受信データが得られる。このとき、サブストリーム1は、サブストリーム2より保守的な基準を有するテーブルに基づいて決定されたMCSによって送信されているため、誤り検出部260−1によって誤り検出が行われる信号は、誤り検出部260−2によって誤り検出が行われる信号よりも誤っている可能性が小さい。
【0049】
また、サブストリーム1(サブストリーム2)に対応する信号は、CIR測定部270−1(CIR測定部270−2)によって、受信品質を示すCIRが測定され、CQI生成部280−1(CQI生成部280−2)によって、CIRからサブストリーム1(サブストリーム2)が伝送された回線の品質を示すCQIを含む信号が生成される。そして、各サブストリームに対応するCQIを含む信号は多重され、無線送信部290によって所定の無線送信処理(D/A変換、アップコンバートなど)が行われ、アンテナを介して送信される。
【0050】
各サブストリームに対応するCQIを含む信号は、送信装置の無線受信部160によってアンテナを介して受信され、所定の無線受信処理(ダウンコンバート、A/D変換など)が行われる。そして、受信信号は、CQI復号部170−1によって復号され、サブストリーム1に対応するCQIがMCS選択部110−1へ通知される。同様に、受信信号は、CQI復号部170−2によって復号され、サブストリーム2に対応するCQIがMCS選択部110−2へ通知される。
【0051】
このように、本実施の形態によれば、サブストリームごとのMCSを選択する際に、少なくとも1つのサブストリームに関するMCSの選択には、他のサブストリームに関するMCSの選択よりも保守的な基準を有するテーブルが用いられるため、回線の状態の変化が生じたような場合でも、すべてのサブストリームが誤って伝送されることを防ぐことができ、システム全体のスループットを向上することができる。
【0052】
なお、本実施の形態においては、2つのアンテナによって信号を送受信するMIMO通信について説明したが、本発明はこれに限定されず、複数の系列から同時にデータを伝送するパラレル伝送において適用することが可能である。
【0053】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2の特徴は、複数の系列のデータをグループ化し、各グループの系列のデータには共通のCQIを用いることにより、受信装置から送信装置へCQIを報告するための信号の増加を防止することである。
【0054】
図4は、実施の形態2に係る送信装置の構成を示すブロック図である。同図に示す送信装置において、図1に示す送信装置と同じ部分には同じ符号を付し、その説明を省略する。図4に示す送信装置は、S/P変換部300、MCS選択部310−1〜4、適応符号化部320−1〜4、適応変調部330−1〜4、拡散部340−1〜4、無線送信部350−1〜4、無線受信部160、CQI復号部170−1〜2を有している。
【0055】
なお、以下の説明においては、MCS選択部310−1から無線送信部350−1によって処理され送信されるデータの流れを「サブストリーム1」といい、同様に、MCS選択部310−2〜4から無線送信部350−2〜4によって処理され送信されるデータの流れを、それぞれ「サブストリーム2」、「サブストリーム3」、「サブストリーム4」という。
【0056】
S/P変換部300は、送信データをシリアル/パラレル変換し、1系列のデータを複数系列のデータに分割する。ここでは、S/P変換部300は、1系列のデータを4系列に分割し、サブストリーム1〜4を生成する。本実施の形態においては、サブストリーム1およびサブストリーム2が1つのグループであるサブセットを構成しており、同様に、サブストリーム3およびサブストリーム4が1つのサブセットを構成しているものとする。
【0057】
MCS選択部310−1〜4は、後述する受信装置から報告されたCQIに応じてMCSを選択するためのテーブルを保持しており、サブストリーム1〜4を送信するためのMCSをそれぞれ選択する。ここで、MCS選択部310−1およびMCS選択部310−2は、1つのサブセットに関するMCSを選択するサブセットMCS選択部を構成しており、CQI復号部170−1によって得られるCQIに基づいて当該サブセットのMCSを選択する。同様に、MCS選択部310−3およびMCS選択部310−4は、1つのサブセットに関するMCSを選択するサブセットMCS選択部を構成しており、CQI復号部170−2によって得られるCQIに基づいて当該サブセットのMCSを選択する。また、MCS選択部310−1が保持しているテーブルは、MCS選択部310−2が保持しているテーブルよりも保守的な基準を有しており、MCS選択部310−3が保持しているテーブルは、MCS選択部310−4が保持しているテーブルよりも保守的な基準を有している。すなわち、サブストリーム1およびサブストリーム2が伝送される回線の回線品質が同じであれば、サブストリーム1の伝送レートの方がサブストリーム2の伝送レートより低く、データの誤りが生じにくいMCSが選択されるようなテーブルが、それぞれMCS選択部310−1およびMCS選択部310−2によって保持されている。同じように、サブストリーム3およびサブストリーム4が伝送される回線の回線品質が同じであれば、サブストリーム3の伝送レートの方がサブストリーム4の伝送レートより低く、データの誤りが生じにくいMCSが選択されるようなテーブルが、それぞれMCS選択部310−3およびMCS選択部310−4によって保持されている。
【0058】
適応符号化部320−1〜4は、それぞれMCS選択部310−1〜4によって選択されたMCSの誤り符号化方式でサブストリーム1〜4を誤り符号化する。適応変調部330−1〜4は、それぞれMCS選択部310−1〜4によって選択されたMCSの変調方式でサブストリーム1〜4を変調する。拡散部340−1〜4は、それぞれサブストリーム1〜4を拡散する。無線送信部350−1〜4は、それぞれサブストリーム1〜4に対して所定の無線送信処理(D/A変換、アップコンバートなど)を行い、それぞれ対応するアンテナを介して送信する。
【0059】
なお、本実施の形態においては、実施の形態1と異なり、CQI復号部170−1およびCQI復号部170−2は、無線受信部160によって受信された受信信号に含まれ、それぞれサブストリーム1〜2を含むサブセットおよびサブストリーム3〜4を含むサブセットに対応するCQIを復号する。
【0060】
図5は、実施の形態2に係る受信装置の構成を示すブロック図である。同図に示す受信装置において、図3に示す受信装置と同じ部分には同じ符号を付し、その説明を省略する。図5に示す受信装置は、無線受信部400−1〜4、逆拡散部410−1〜4、チャネル推定部220、サブストリーム分離部430、復調部440−1〜4、復号化部450−1〜4、誤り検出部460−1〜4、CIR測定部470−1〜4、CQI生成部480−1〜2、および無線送信部290を有している。
【0061】
無線受信部400−1〜4は、それぞれ対応するアンテナから信号を受信し、所定の無線受信処理(ダウンコンバート、A/D変換など)を行う。逆拡散部410−1〜4は、それぞれ対応するアンテナからの受信信号を逆拡散する。サブストリーム分離部430は、アンテナごとのチャネル推定結果に基づいて、送信装置におけるサブストリーム1〜4を分離し、それぞれ復調部440−1〜4とCIR測定部470−1〜4へ出力する。
【0062】
復調部440−1〜4は、それぞれ送信装置におけるサブストリーム1〜4に対応する信号を復調する。復号化部450−1〜4は、それぞれサブストリーム1〜4に対応する信号を誤り復号化する。誤り検出部460−1〜4は、送信装置においてサブストリームごとに付加されたCRCなどの誤り検出符号を用いて、それぞれサブストリーム1〜4に対応する信号の誤り検出を行い、受信データを得る。
【0063】
CIR測定部470−1〜4は、それぞれサブストリーム1〜4に対応する信号の受信品質を示すCIRを測定する。CQI生成部480−1は、サブストリーム1およびサブストリーム2に対応する信号のCIRに基づいて、これらのサブストリームを含むサブセットのMCSを選択するためのCQIを含む信号を生成する。同様に、CQI生成部480−2は、サブストリーム3およびサブストリーム4に対応する信号のCIRに基づいて、これらのサブストリームを含むサブセットのMCSを選択するためのCQIを含む信号を生成する。ここで、CQI生成部480−1およびCQI生成部480−2は、それぞれ対応するCIR測定部470−1〜2およびCIR測定部470−3〜4によって測定されたCIRの平均値を用いてCQIを決定しても良く、また、高い方または低い方のCIRを用いてCQIを決定しても良い。
【0064】
次いで、上記のように構成された送信装置および受信装置の動作について説明する。
【0065】
送信データは、S/P変換部300によってシリアル/パラレル変換され、サブストリーム1〜4の4系列のデータが得られる。そして、MCS選択部310−1およびMCS選択部310−2によって、サブストリーム1〜2を含むサブセットに対応する信号が伝送される回線のCQIに基づき当該サブセットを送信する際のMCSが選択され、同様に、MCS選択部310−3およびMCS選択部310−4によって、サブストリーム3〜4を含むサブセットに対応するCQIに基づき当該サブセットを送信する際のMCSが選択される。ここで、各サブセットに対応するCQIは、各サブセットに含まれるサブストリームに対応する信号が受信装置によって受信され、その受信品質に応じて生成されて送信されたものであり、CQI復号部170−1およびCQI復号部170−2によって復号されたものである。
【0066】
このとき、上述のように、MCS選択部310−1によって選択されるMCS(すなわち、サブストリーム1を送信するためのMCS)は、MCS選択部310−2によって選択されるMCS(すなわち、サブストリーム2を送信するためのMCS)よりも保守的な基準を有するテーブルに基づいて決定され、同様に、MCS選択部310−3によって選択されるMCS(すなわち、サブストリーム3を送信するためのMCS)は、MCS選択部310−4によって選択されるMCS(すなわち、サブストリーム4を送信するためのMCS)よりも保守的な基準を有するテーブルに基づいて決定されるため、各サブストリームが伝送される際に、それぞれのサブセットにおいてはサブストリーム1およびサブストリーム3の方が誤る可能性が小さい。
【0067】
そして、サブストリーム1(サブストリーム2〜4)は、対応するMCS選択部310−1(MCS選択部310−2〜4)によって選択されたMCSに応じた誤り符号化方式で適応符号化部320−1(適応符号化部320−2〜4)によって誤り符号化され、同様に選択されたMCSに応じた変調方式で適応変調部330−1(適応変調部330−2〜4)によって変調される。さらに、サブストリーム1(サブストリーム2〜4)は、拡散部340−1(拡散部340−2〜4)によって拡散され、無線送信部350−1(無線送信部350−2〜4)によって所定の無線送信処理(D/A変換、アップコンバートなど)が行われ、対応するアンテナから送信される。
【0068】
送信装置から送信されたサブストリーム1〜4は、受信装置の無線受信部400−1〜4によって、アンテナを介して受信される。このとき、それぞれのアンテナには、サブストリーム1〜4および雑音を含む信号が受信される。そして、無線受信部400−1〜4によって、受信信号に対して所定の無線受信処理(ダウンコンバート、A/D変換など)が行われる。そして、無線受信処理後の信号は、逆拡散部410−1〜4によって逆拡散されるとともに、チャネル推定部220によってチャネル推定される。逆拡散後の信号は、チャネル推定結果に基づいて、送信装置におけるサブストリーム1〜4に対応する信号へとサブストリーム分離部430によって分離され、サブストリーム1〜4に対応する信号は、それぞれ復調部440−1〜4およびCIR測定部470−1〜4へ出力される。
【0069】
そして、サブストリーム1(サブストリーム2〜4)に対応する信号は、復調部440−1(復調部440−2〜4)によって復調され、復号化部450−1(復号化部450−2〜4)によって誤り復号化され、誤り検出部460−1(誤り検出部460−2〜4)によって例えばCRCなどが用いられることにより誤り検出され、サブストリーム1(サブストリーム2〜4)に対応する受信データが得られる。このとき、サブストリーム1およびサブストリーム3は、それぞれサブストリーム2およびサブストリーム4より保守的な基準を有するテーブルに基づいて決定されたMCSによって送信されているため、誤り検出部460−1および誤り検出部460−3によって誤り検出が行われる信号は、誤り検出部460−2および誤り検出部460−4によって誤り検出が行われる信号よりも誤っている可能性が小さい。
【0070】
また、サブストリーム1(サブストリーム2〜4)に対応する信号は、CIR測定部470−1(CIR測定部470−2〜4)によって、受信品質を示すCIRが測定され、CQI生成部480−1(CQI生成部480−2)によって、CIRからサブストリーム1およびサブストリーム2を含むサブセット(サブストリーム3およびサブストリーム4を含むサブセット)が伝送された回線の品質を示すCQIを含む信号が生成される。そして、各サブセットに対応するCQIを含む信号は多重され、無線送信部290によって所定の無線送信処理(D/A変換、アップコンバートなど)が行われ、アンテナを介して送信される。
【0071】
各サブセットに対応するCQIを含む信号は、送信装置の無線受信部160によってアンテナを介して受信され、所定の無線受信処理(ダウンコンバート、A/D変換など)が行われる。そして、受信信号は、CQI復号部170−1によって復号され、サブストリーム1およびサブストリーム2を含むサブセットに対応するCQIがMCS選択部310−1およびMCS選択部310−2へ通知される。同様に、受信信号は、CQI復号部170−2によって復号され、サブストリーム3およびサブストリーム4を含むサブセットに対応するCQIがMCS選択部310−3およびMCS選択部310−4へ通知される。
【0072】
このように、本実施の形態によれば、複数のサブストリームをグループ化し、各グループ内のサブストリームに関するMCSの選択には、共通のCQIを用いるとともに、各グループ内において、少なくとも1つのサブストリームに関するMCSの選択には、他のサブストリームに関するMCSの選択よりも保守的な基準を有するテーブルが用いられるため、CQIを報告するための信号の量を削減することができると同時に、回線の状態の変化が生じたような場合でも、すべてのサブストリームが誤って伝送されることを防ぐことができ、システム全体のスループットをさらに向上することができる。
【0073】
なお、本実施の形態においては、4つのアンテナによって信号を送受信するMIMO通信について説明したが、本発明はこれに限定されず、複数の系列から同時にデータを伝送するパラレル伝送において適用することが可能である。
【0074】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3の特徴は、複数の系列のデータをグループ化し、各グループの系列のデータには共通のCQIを用いるとともに、グループ内のデータのうち、保守的な基準で送信されるデータを受信装置が指示することである。
【0075】
図6は、実施の形態3に係る送信装置の構成を示すブロック図である。同図に示す送信装置において、図1および図4に示す送信装置と同じ部分には同じ符号を付し、その説明を省略する。図6に示す送信装置は、S/P変換部300、MCS選択部500−1〜2、適応符号化部320−1〜4、適応変調部330−1〜4、拡散部340−1〜4、無線送信部350−1〜4、無線受信部160、CQI復号部170−1〜2、指示信号復号部510−1〜2を有している。
【0076】
なお、以下の説明においては、MCS選択部500−1から無線送信部350−1によって処理され送信されるデータの流れを「サブストリーム1」といい、MCS選択部500−1から無線送信部350−2によって処理され送信されるデータの流れを「サブストリーム2」という。また、同様に、MCS選択部500−2から無線送信部350−3〜4によって処理され送信されるデータの流れを、それぞれ「サブストリーム3」、「サブストリーム4」という。
【0077】
MCS選択部500−1は、後述する受信装置から報告されたCQIに応じてMCSを選択するためのテーブルを保持しており、サブストリーム1〜2を送信するためのMCSを選択する。MCS選択部500−2は、後述する受信装置から報告されたCQIに応じてMCSを選択するためのテーブルを保持しており、サブストリーム3〜4を送信するためのMCSを選択する。ここで、MCS選択部500−1〜2は、それぞれMCSを選択するためのテーブルを2つ保持しており、一方のテーブルは他方のテーブルより保守的な基準を有している。そして、MCS選択部500−1〜2は、それぞれ指示信号復号部510−1〜2によって復号される指示信号に基づいて、サブストリーム1〜2およびサブストリーム3〜4のうち保守的な基準を有するテーブルを適用するサブストリームを決定し、当該サブストリームと他方のサブストリームとのMCSを選択する。具体的には、例えば、指示信号復号部510−1によって復号される指示信号が、サブストリーム1について保守的な基準を適用する旨を示している場合、MCS選択部500−1は、サブストリーム1に対して保守的な基準を有するテーブルを適用してMCSを選択し、サブストリーム2に対して他方のテーブルを適用してMCSを選択する。
【0078】
指示信号復号部510−1は、サブストリーム1およびサブストリーム2のうち、どちらのサブストリームに対して保守的な基準のMCS選択用のテーブルを適用するかを示す指示信号を復号する。同様に、指示信号復号部510−2は、サブストリーム3およびサブストリーム4のうち、どちらのサブストリームに対して保守的な基準のMCS選択用のテーブルを適用するかを示す指示信号を復号する。
【0079】
図7は、実施の形態3に係る受信装置の構成を示すブロック図である。同図に示す受信装置において、図3および図5に示す受信装置と同じ部分には同じ符号を付し、その説明を省略する。図7に示す受信装置は、無線受信部400−1〜4、逆拡散部410−1〜4、チャネル推定部220、サブストリーム分離部430、復調部440−1〜4、復号化部450−1〜4、誤り検出部460−1〜4、CIR測定部470−1〜4、CQI生成部480−1〜2、指示信号生成部600−1〜2、および無線送信部290を有している。
【0080】
指示信号生成部600−1は、サブストリーム1およびサブストリーム2に対応する信号のCIRに基づいて、どちらのサブストリームに対して保守的な基準のMCS選択用のテーブルを適用するかを示す指示信号を生成する。同様に、指示信号生成部600−2は、サブストリーム3およびサブストリーム4に対応する信号のCIRに基づいて、どちらのサブストリームに対して保守的な基準のMCS選択用のテーブルを適用するかを示す指示信号を生成する。
【0081】
ここで、指示信号生成部600−1および指示信号生成部600−2は、それぞれ対応するCIR測定部470−1〜2およびCIR測定部470−3〜4によって測定されたCIRのうち、高い方のCIRに対応するサブストリームに対して保守的な基準のMCS選択用のテーブルを適用する旨を示す指示信号を生成しても良く、また、低い方のCIRに対応するサブストリームに対して保守的な基準のMCS選択用のテーブルを適用する旨を示す指示信号を生成しても良い。高い方のCIRに対応するサブストリームに対して保守的な基準のMCS選択用のテーブルを適用する場合には、受信品質が高いサブストリームを確実に伝送することになり、サブストリーム1〜2からなるグループおよびサブストリーム3〜4からなるグループの中から、それぞれ1つずつ伝搬路において誤りが生じにくいサブストリームを設けることができる。一方、低い方のCIRに対応するサブストリームに対して保守的な基準のMCS選択用のテーブルを適用する場合には、受信品質が低いサブストリームの伝送品質を向上させることになり、サブストリーム1〜2からなるグループおよびサブストリーム3〜4からなるグループの全体的な誤りを削減することができる。
【0082】
次いで、上記のように構成された送信装置および受信装置の動作について説明する。
【0083】
送信データは、S/P変換部300によってシリアル/パラレル変換され、サブストリーム1〜4の4系列のデータが得られる。そして、MCS選択部500−1によって、サブストリーム1〜2に対応する信号が伝送される回線のCQIに基づきこれらのサブストリームを送信する際のMCSが選択され、同様に、MCS選択部500−2によって、サブストリーム3〜4に対応するCQIに基づきこれらのサブストリームを送信する際のMCSが選択される。このとき、指示信号復号部510−1および指示信号復号部510−2によって復号された指示信号に基づき、それぞれMCS選択部500−1およびMCS選択部500−2によって保持されている2つのテーブルのうち、どのテーブルをどのサブストリームのMCS選択に適用するかが決定される。具体的には、MCS選択部500−1によって保持されている2つのテーブルのうち、保守的な基準を有するテーブルをサブストリーム1〜2のどちらに適用し、MCS選択部500−2によって保持されている2つのテーブルのうち、保守的な基準を有するテーブルをサブストリーム3〜4のどちらに適用するかが決定される。
【0084】
そして、サブストリーム1〜2(サブストリーム3〜4)は、対応するMCS選択部500−1(MCS選択部500−2)によって選択されたMCSに応じた誤り符号化方式でそれぞれ適応符号化部320−1〜2(適応符号化部320−3〜4)によって誤り符号化され、同様に選択されたMCSに応じた変調方式でそれぞれ適応変調部330−1〜2(適応変調部330−3〜4)によって変調される。さらに、サブストリーム1(サブストリーム2〜4)は、拡散部340−1(拡散部340−2〜4)によって拡散され、無線送信部350−1(無線送信部350−2〜4)によって所定の無線送信処理(D/A変換、アップコンバートなど)が行われ、対応するアンテナから送信される。
【0085】
送信装置から送信されたサブストリーム1〜4は、受信装置の無線受信部400−1〜4によって、アンテナを介して受信される。このとき、それぞれのアンテナには、サブストリーム1〜4および雑音を含む信号が受信される。そして、無線受信部400−1〜4によって、受信信号に対して所定の無線受信処理(ダウンコンバート、A/D変換など)が行われる。そして、無線受信処理後の信号は、逆拡散部410−1〜4によって逆拡散されるとともに、チャネル推定部220によってチャネル推定される。逆拡散後の信号は、チャネル推定結果に基づいて、送信装置におけるサブストリーム1〜4に対応する信号へとサブストリーム分離部430によって分離され、サブストリーム1〜4に対応する信号は、それぞれ復調部440−1〜4およびCIR測定部470−1〜4へ出力される。
【0086】
そして、サブストリーム1(サブストリーム2〜4)に対応する信号は、復調部440−1(復調部440−2〜4)によって復調され、復号化部450−1(復号化部450−2〜4)によって誤り復号化され、誤り検出部460−1(誤り検出部460−2〜4)によって例えばCRCなどが用いられることにより誤り検出され、サブストリーム1(サブストリーム2〜4)に対応する受信データが得られる。
【0087】
また、サブストリーム1(サブストリーム2〜4)に対応する信号は、CIR測定部470−1(CIR測定部470−2〜4)によって、受信品質を示すCIRが測定され、CQI生成部480−1(CQI生成部480−2)によって、CIRからサブストリーム1およびサブストリーム2(サブストリーム3およびサブストリーム4)が伝送された回線の品質を示すCQIを含む信号が生成される。また、指示信号生成部600−1(指示信号生成部600−2)によって、サブストリーム1〜2(サブストリーム3〜4)のうち、どちらのサブストリームに対して保守的な基準のMCS選択用のテーブルを適用するかを示す指示信号が生成される。そして、各サブストリームのグループに対応するCQIを含む信号および指示信号は多重され、無線送信部290によって所定の無線送信処理(D/A変換、アップコンバートなど)が行われ、アンテナを介して送信される。
【0088】
各サブストリームのグループに対応するCQIを含む信号および指示信号は、送信装置の無線受信部160によってアンテナを介して受信され、所定の無線受信処理(ダウンコンバート、A/D変換など)が行われる。そして、受信信号は、CQI復号部170−1および指示信号復号部510−1によって復号され、サブストリーム1およびサブストリーム2に対応するCQIおよびどちらのサブストリームに保守的な基準のテーブルを適用するかがMCS選択部500−1へ通知される。同様に、受信信号は、CQI復号部170−2および指示信号復号部510−2によって復号され、サブストリーム3およびサブストリーム4に対応するCQIおよびどちらのサブストリームに保守的な基準のテーブルを適用するかがMCS選択部500−2へ通知される。
【0089】
このように、本実施の形態によれば、複数のサブストリームをグループ化し、各グループ内のサブストリームに関するMCSの選択には、共通のCQIを用いるとともに、各サブストリームの受信品質に基づいて、グループ内のどのサブストリームに対して保守的な基準を有するテーブルを用いてMCSを選択するかが決定されるため、CQIを報告するための信号の量を削減することができると同時に、サブストリームの伝送品質を高めるようにMCS選択用のテーブルを適用することができる。
【0090】
なお、本実施の形態においては、4つのアンテナによって信号を送受信するMIMO通信について説明したが、本発明はこれに限定されず、複数の系列から同時にデータを伝送するパラレル伝送において適用することが可能である。
【0091】
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4の特徴は、複数の系列のデータを送信する際に、保守的な基準で送信されるデータに、各系列のデータを含む誤り訂正符号のパリティビット(冗長ビット)を付加して送信することである。
【0092】
図8は、実施の形態4に係る送信装置の構成を示すブロック図である。同図に示す送信装置において、図1に示す送信装置と同じ部分には同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0093】
図8に示す送信装置は、データ分割部700、MCS選択部110−1〜2、RS(Reed−Solomon)符号化部710、余剰ビット除去部720、適応符号化部120−1〜2、適応変調部130−1〜2、拡散部140−1〜2、無線送信部150−1〜2、無線受信部160、およびCQI復号部170−1〜2を有している。
【0094】
なお、以下の説明においては、MCS選択部110−1から無線送信部150−1によって処理され送信されるデータの流れを「サブストリーム1」といい、MCS選択部110−2から無線送信部150−2によって処理され送信されるデータの流れを「サブストリーム2」という。
【0095】
データ分割部700は、1系列の送信データを2系列に分割する。具体的には、データ分割部700は、RS符号化部710によってデータの実体である情報ビットにパリティビットが付加された後に、サブストリーム1とサブストリーム2のデータ全体の長さが等しくなるような配分で送信データを分割する。サブストリーム1およびサブストリーム2のデータを構成するビットについては後述する。
【0096】
RS符号化部710は、サブストリーム1のデータの実体である情報ビット(以下、「情報ビット1」という)とサブストリーム2のデータの実体である情報ビット(以下、「情報ビット2」という)および各サブストリームの情報ビットに付加されている誤り検出符号のCRC(Cyclic Redundancy Check)ビット(以下、それぞれ「CRC1」、「CRC2」という)を結合したデータに対してRS符号化を行い、RSパリティビットを付加する。
【0097】
余剰ビット除去部720は、RSパリティビット付加後のデータから、サブストリーム2のデータ実体である情報ビット2とその誤り検出符号であるCRC2とを除去する。
【0098】
また、本実施の形態においては、適応符号化部120−1〜2は、ターボ符号化を行い、パリティビットを付加する。一般に、RS符号は、バースト誤りに対する耐性が大きく、ターボ符号は、ランダム誤りに対する耐性が大きい。これらの種類の異なる誤り訂正符号化を組み合わせることにより、バースト誤りおよびランダム誤りの両方に対して耐性を有する符号化を行うことができる。
【0099】
図9は、実施の形態4に係る受信装置の構成を示すブロック図である。同図に示す受信装置において、図3に示す受信装置と同じ部分には同じ符号を付し、その説明を省略する。図9に示す受信装置は、無線受信部200−1〜2、逆拡散部210−1〜2、チャネル推定部220、サブストリーム分離部230、復調部240−1〜2、復号化部250−1〜2、誤り検出部260−1〜2、判定部800、RS復号化部810、誤り検出部820、CIR(Carrier to Interference Ratio)測定部270−1〜2、CQI生成部280−1〜2、および無線送信部290を有している。
【0100】
判定部800は、誤り検出部260−1および誤り検出部260−2によってそれぞれCRC1およびCRC2が用いられて各サブストリームに対応する信号の誤り検出が行われた結果から、各サブストリームに対応する信号の誤りの有無を判定する。換言すれば、判定部800は、誤り検出部260−1によってCRC1による誤り検出が行われた結果、サブストリーム1に対応する信号に誤りがあるか否かを判定し、同時に、誤り検出部260−2によってCRC2による誤り検出が行われた結果、サブストリーム2に対応する信号に誤りがあるか否かを判定する。
【0101】
RS復号化部810は、サブストリーム1に対応する信号に付加されているRSパリティビットを用いて、サブストリーム1およびサブストリーム2に対応する信号の誤り訂正復号を行う。ここで、サブストリーム1に対応する信号に付加されているRSパリティビットは、サブストリーム2のデータの実体である情報ビット2に関する情報を含んでいるため、RS復号化部810は、サブストリーム1およびサブストリーム2に対応する信号の誤り訂正復号を行うことができる。
【0102】
誤り検出部820は、判定部800の判定結果として、サブストリーム1に対応する信号に誤りが無く、かつ、サブストリーム2に対応する信号に誤りがあった場合、RS復号化部810による誤り訂正復号結果を用いて、再度サブストリーム2に対応する信号の誤り検出を行い、受信データを得る。
【0103】
次いで、上記のように構成された送信装置および受信装置の動作について説明する。
【0104】
送信データは、データ分割部700によって分割され、サブストリーム1およびサブストリーム2の2系列のデータが得られる。そして、MCS選択部110−1によって、サブストリーム1に対応する信号が伝送される回線のCQIに基づきサブストリーム1を送信する際のMCSが選択され、同様に、MCS選択部110−2によって、サブストリーム2に対応するCQIに基づきサブストリーム2を送信する際のMCSが選択される。ここで、各サブストリームに対応するCQIは、受信装置によって生成されて送信されたものであり、CQI復号部170−1およびCQI復号部170−2によって復号されたものである。
【0105】
このとき、実施の形態1と同様に、MCS選択部110−1によって選択されるMCS(すなわち、サブストリーム1を送信するためのMCS)は、MCS選択部110−2によって選択されるMCS(すなわち、サブストリーム2を送信するためのMCS)よりも保守的な基準を有するテーブルに基づいて決定されるため、各サブストリームが伝送される際に、サブストリーム1の方が誤る可能性が小さい。
【0106】
そして、サブストリーム1の情報ビット1およびCRC1とサブストリーム2の情報ビット2およびCRC2とが結合され、このデータは、RS符号化部710によってRS符号化され、RSパリティビットが付加される(図10(a)参照)。ここで、付加されるRSパリティビットは、情報ビット1および情報ビット2に関する誤り訂正符号用のビットであるため、受信装置は、このビットを用いて誤り訂正復号することにより、情報ビット1および情報ビット2の誤りを訂正することができる。
【0107】
そして、余剰ビット除去部720によって、RSパリティビット付加後のデータから、情報ビット2およびCRC2が除去される。この結果得られた、情報ビット1、CRC1、およびRSパリティビットからなるサブストリーム1のデータは、対応するMCS選択部110−1によって選択されたMCSに応じた誤り符号化方式で適応符号化部120−1によってターボ符号化され、パリティビットが付加される。また、情報ビット2およびCRC2からなるサブストリーム2のデータは、対応するMCS選択部110−2によって選択されたMCSに応じた誤り符号化方式で適応符号化部120−2によってターボ符号化され、パリティビットが付加される(図10(b)参照)。このとき、サブストリーム1には、RSパリティビットが含まれるため、情報ビット1と情報ビット2のデータ長が同じであれば、サブストリーム1の方がサブストリーム2よりも長くなるが、データ分割部700によって、各サブストリームの長さが等しくなるように送信データが分割されているため、図10(b)に示すように、ターボ符号化後の各サブストリームのデータ長は等しくなる。
【0108】
そして、サブストリーム1(サブストリーム2)は、MCS選択部110−1(MCS選択部110−2)によって選択されたMCSに応じた変調方式で適応変調部130−1(適応変調部130−2)によって変調され、拡散部140−1(拡散部140−2)によって拡散され、無線送信部150−1(無線送信部150−2)によって所定の無線送信処理(D/A変換、アップコンバートなど)が行われ、対応するアンテナから送信される。
【0109】
送信装置から送信されたサブストリーム1およびサブストリーム2は、受信装置の無線受信部200−1および無線受信部200−2によって、アンテナを介して受信される。このとき、それぞれのアンテナには、サブストリーム1、サブストリーム2、および雑音を含む信号が受信される。そして、無線受信部200−1および無線受信部200−2によって、受信信号に対して所定の無線受信処理(ダウンコンバート、A/D変換など)が行われる。そして、無線受信処理後の信号は、逆拡散部210−1および逆拡散部210−2によって逆拡散されるとともに、チャネル推定部220によってチャネル推定される。逆拡散後の信号は、チャネル推定結果に基づいて、送信装置におけるサブストリーム1およびサブストリーム2に対応する信号へとサブストリーム分離部230によって分離され、サブストリーム1に対応する信号は復調部240−1およびCIR測定部270−1へ出力され、サブストリーム2に対応する信号は復調部240−2およびCIR測定部270−2へ出力される。
【0110】
そして、サブストリーム1(サブストリーム2)に対応する信号は、復調部240−1(復調部240−2)によって復調され、復号化部250−1(復号化部250−2)によってターボ復号化され、誤り検出部260−1(誤り検出部260−2)によってCRC1(CRC2)が用いられることにより誤り検出される。この誤り検出の結果は、判定部800へ通知され、サブストリーム1およびサブストリーム2に対応する信号の誤りの有無が判定される。このとき、サブストリーム1は、サブストリーム2より保守的な基準を有するテーブルに基づいて決定されたMCSによって送信されているため、誤り検出部260−1によって誤り検出が行われる信号は、誤り検出部260−2によって誤り検出が行われる信号よりも誤っている可能性が小さい。
【0111】
判定部800による判定の結果、サブストリーム1に対応する信号に誤りが無く、サブストリーム2に対応する信号に誤りがあった場合、誤りが無いサブストリーム1に対応する信号に含まれるRSパリティビットが用いられて、RS復号化部810によってサブストリーム1およびサブストリーム2に対応する信号の誤り訂正復号が行われる。さらに、誤り訂正復号されたサブストリーム2に対応する信号は、誤り検出部820によって、再度誤り検出が行われ、受信データが得られる。
【0112】
また、実施の形態1と同様に、サブストリーム1(サブストリーム2)に対応する信号は、CIR測定部270−1(CIR測定部270−2)によって、受信品質を示すCIRが測定され、CQI生成部280−1(CQI生成部280−2)によって、CIRからサブストリーム1(サブストリーム2)が伝送された回線の品質を示すCQIを含む信号が生成される。そして、各サブストリームに対応するCQIを含む信号は多重され、無線送信部290によって所定の無線送信処理(D/A変換、アップコンバートなど)が行われ、アンテナを介して送信される。
【0113】
各サブストリームに対応するCQIを含む信号は、送信装置の無線受信部160によってアンテナを介して受信され、所定の無線受信処理(ダウンコンバート、A/D変換など)が行われる。そして、受信信号は、CQI復号部170−1によって復号され、サブストリーム1に対応するCQIがMCS選択部110−1へ通知される。同様に、受信信号は、CQI復号部170−2によって復号され、サブストリーム2に対応するCQIがMCS選択部110−2へ通知される。
【0114】
このように、本実施の形態によれば、サブストリームごとのMCSを選択する際に、少なくとも1つのサブストリームに関するMCSの選択には、他のサブストリームに関するMCSの選択よりも保守的な基準を有するテーブルを用い、当該サブストリームにすべてのサブストリームの情報ビットに関する誤り訂正符号を含めて送信するため、すべてのサブストリームに関する誤り訂正符号を確実に伝送することができ、受信装置においてすべてのサブストリームの誤りを訂正することができ、システム全体のスループットをさらに向上することができる。
【0115】
なお、本実施の形態においては、送信装置は、RSパリティビットをサブストリーム1に含めて送信する構成としたが、図11に示すように、RS符号化部710aがRSパリティビットをサブストリーム1およびサブストリーム2に半分ずつ含めるような構成としても良い(図12参照)。この場合には、各サブストリームに同じ長さのRSパリティビットが含まれることになるため、図8に示す送信装置のデータ分割部700に代えて、S/P変換部100を設ければ良い。また、図8に示す送信装置の余剰ビット除去部720も必要ないため、送信装置を図11のように構成することにより、装置構成の簡略化を図ることができる。
【0116】
また、本実施の形態においては、2つのアンテナによって信号を送受信するMIMO通信について説明したが、本発明はこれに限定されず、複数の系列から同時にデータを伝送するパラレル伝送において適用することが可能である。
【0117】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、システム全体のスループットを向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る送信装置の構成を示すブロック図
【図2】実施の形態1に係るMCS選択用テーブルの一例を示す図
【図3】実施の形態1に係る受信装置の構成を示すブロック図
【図4】本発明の実施の形態2に係る送信装置の構成を示すブロック図
【図5】実施の形態2に係る受信装置の構成を示すブロック図
【図6】本発明の実施の形態3に係る送信装置の構成を示すブロック図
【図7】実施の形態3に係る受信装置の構成を示すブロック図
【図8】本発明の実施の形態4に係る送信装置の構成を示すブロック図
【図9】実施の形態4に係る受信装置の構成を示すブロック図
【図10】実施の形態4に係るデータ構成の一例を示す図
【図11】実施の形態4に係る送信装置の他の構成を示すブロック図
【図12】実施の形態4に係るデータ構成の他の一例を示す図
【符号の説明】
100、300 S/P変換部
110−1、110−2、310−1、310−2、310−3、310−4、500−1、500−2 MCS選択部
120−1、120−2、320−1、320−2、320−3、320−4
適応符号化部
170 CQI復号部
230、430 サブストリーム分離部
260−1、260−2、460−1、460−2、460−3、460−4、820 誤り検出部
270−1、270−2、470−1、470−2、470−3、470−4
CIR測定部
280−1、280−2、480−1、480−2 CQI生成部
510−1、510−2 指示信号復号部
600−1、600−2 指示信号生成部
700 データ分割部
710、710a RS符号化部
720 余剰ビット除去部
800 判定部
810 RS復号化部
Claims (12)
- 送信データを複数の系列のデータに分割する分割手段と、
前記複数系列のデータのうち少なくとも1系列のデータの伝送レートを保守的な基準に基づいて決定する決定手段と、
決定された伝送レートで前記複数系列のデータを同時に送信する送信手段と、
を有することを特徴とするパラレル伝送装置。 - 前記決定手段は、
前記複数系列のデータに対応する伝搬路状態情報を受信する伝搬路状態情報受信部と、
受信された伝搬路状態情報に応じて誤り符号化方式および変調方式からなる伝送レートを選択する伝送レート選択部と、を有し、
前記伝送レート選択部は、
前記複数系列のデータのうち少なくとも1系列のデータの伝送レートを、他の系列のデータよりも保守的な基準に基づいて選択することを特徴とする請求項1記載のパラレル伝送装置。 - 前記伝搬路状態情報受信部は、
前記複数系列のデータのグループであるサブセットに対応する伝搬路状態情報を受信することを特徴とする請求項2記載のパラレル伝送装置。 - 前記伝送レート選択部は、
前記複数系列のデータのグループであるサブセットのうち少なくとも1系列のデータの伝送レートを、当該サブセットの他の系列よりも保守的な基準に基づいて選択することを特徴とする請求項2記載のパラレル伝送装置。 - 前記サブセットのうち保守的な基準を適用する系列のデータを指示するための指示信号を受信する指示信号受信部、をさらに有し、
前記伝送レート選択部は、
指示信号によって指示された系列のデータの伝送レートを、他の系列のデータよりも保守的な基準に基づいて選択することを特徴とする請求項3記載のパラレル伝送装置。 - 前記決定手段によって保守的な基準に基づいて伝送レートが決定された系列のデータおよび当該系列以外の系列のデータに関する誤り訂正符号を生成する生成手段、をさらに有し、
前記送信手段は、
保守的な基準に基づいて伝送レートが決定された系列のデータに生成された誤り訂正符号を付加して送信することを特徴とする請求項1記載のパラレル伝送装置。 - 前記決定手段によって保守的な基準に基づいて伝送レートが決定された系列のデータおよび当該系列以外の系列のデータに関する誤り訂正符号を生成する生成手段、をさらに有し、
前記送信手段は、
前記複数系列のデータに生成された誤り訂正符号を均等に付加して送信することを特徴とする請求項1記載のパラレル伝送装置。 - 少なくとも1系列のデータの伝送レートが保守的な基準に基づいて決定された複数系列のデータを含む信号を受信する受信手段と、
受信信号を前記複数系列のデータごとに分離する分離手段と、
前記複数系列のデータのうち伝送レートが保守的な基準に基づいて決定された系列のデータに付加されている誤り訂正符号を用いて前記複数系列のデータの誤り訂正をする誤り訂正手段と、
を有することを特徴とするパラレル伝送装置。 - 前記誤り訂正手段は、
前記複数系列のデータに均等に付加されている誤り訂正符号を用いて前記複数系列のデータの誤り訂正をすることを特徴とする請求項8記載のパラレル伝送装置。 - 請求項1から請求項7のいずれかに記載のパラレル伝送装置を有することを特徴とする基地局装置。
- 請求項8または請求項9のいずれかに記載のパラレル伝送装置を有することを特徴とする移動局装置。
- 送信データを複数の系列のデータに分割するステップと、
前記複数系列のデータのうち少なくとも1系列のデータの伝送レートを保守的な基準に基づいて決定するステップと、
決定した伝送レートで前記複数系列のデータを同時に送信するステップと、
を有することを特徴とする伝送レート決定方法。
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