JP5585173B2 - 全有機体炭素測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、無機体炭素を除去した試料水を燃焼させ、試料水中の炭素を酸化反応により二酸化炭素に変換してその濃度を測定し、試料水中に含まれる全有機体炭素量を連続的に測定する全有機体炭素測定装置に関するものである。
従来から、排水、環境水又は洗浄水や冷却水等の各種プラント水等、種々の試料水中の有機物量を表す指標である全有機体炭素(TOC)を連続的に測定する装置として、無機体炭素を除去した試料水を燃焼させ、試料水中の炭素を酸化反応により二酸化炭素に変換してその濃度を測定する燃焼式の全有機体炭素測定装置(TOC計)が使用されている。
具体的には、試料水に一定量の酸(塩酸溶液又は硫酸溶液等)を加えて無機体炭素(IC)を二酸化炭素に変換し、精製空気や窒素ガス等を通気することにより除去し、IC除去後の試料水を燃焼酸化部に注入して燃焼させ、試料水中の炭素を酸化反応により二酸化炭素に変換する。この二酸化炭素をキャリヤガスによりCO検出器(赤外線式ガス検出器)に移送して濃度を測定し、その濃度から試料水中に含まれるTOCを演算して求める。
燃焼式の全有機体炭素測定装置の種類としては、IC除去後の試料水を一定時間間隔で燃焼酸化部に注入する間欠式と、IC除去後の試料水を一定流量で燃焼酸化部に注入する連続式とがある(非特許文献1参照)。
間欠式の全有機体炭素測定装置の場合、JISK0805(有機体炭素(TOC)自動計測器)において応答時間は5分以内と規定されている。このため、1回に注入する試料水を数μL程度と微量に留め、短時間で燃焼酸化を完了させるようにしている。試料水中に含まれるTOC濃度が低い場合には、CO検出器で測定する二酸化炭素濃度も微量となるため、JISK0805で規定されている繰返し性の性能基準(最大目盛値の±3%以内)を確保するために、高精度、高感度なCO検出器を用いている。
一方、連続式の全有機体炭素測定装置の場合、JISK0805において応答時間は15分以内と規定され、繰返し性については間欠式の場合と同様に最大目盛値の±3%以内と規定されている。連続式の全有機体炭素測定装置のうち、試料水を常に連続して注入し続ける方式の場合は、一旦系内の環境が安定してしまえば、安定した測定を連続して行うことができるが、IC除去用の酸溶液やキャリヤガスの消費量が多く、また、燃焼酸化部の消耗も激しいため、ランニングコストが嵩む。
このため、数mLの試料水を一定流量で所定時間連続的に燃焼酸化部に注入して燃焼酸化させて二酸化炭素濃度を測定する工程を1測定周期として、これを繰り返して連続的にTOCを測定するタイプの連続式の全有機体炭素測定装置も開発されている(特許文献1段落番号0055〜0069等参照)。
これら連続式の全有機体炭素測定装置においては、注入する試料水の流量を上げるか、キャリヤガスの流量を下げるかしてCO検出器で測定する二酸化炭素濃度を増加させることにより、高精度、高感度なCO検出器を用いずに、低濃度のTOC測定を行うことが試みられている。例えば、特許文献2には、キャリヤガスの流量を可変とし、測定要望精度に応じて応答時間を早めるか、応答時間を要しはするが高精度な測定を行い得る炭素量測定装置が開示されている。
特開2009−210442号公報 特開平3−215740号公報
JIS K 0805(有機体炭素(TOC)自動計測器)
特許文献2に開示された発明によれば、CO検出器の精度限界以上の高精度、高感度なTOC測定を行う場合には、キャリヤガスの流量を下げなければならない。すなわち、試料水に含まれるTOC濃度が低い場合には、CO検出器が測定する二酸化炭素濃度が、CO検出器が保証する繰返し性(例えば、最大目盛値の±1%以内)の値以上となるようにキャリヤガスをゆっくり流さなければならない。
上述のような装置においては、可変とされるキャリヤガスの流量や一定の流量で注入する試料水の流量をどのように決定すればよいのかが明らかではなく、試行錯誤の末、それらの流量を決定することとなり、幅広い測定レンジに対してフレキシブルに対応することが困難であるという問題があった。
上記課題を達成するために、本発明は、以下の構成を採用した。
[1] 試料水の無機体炭素を除去する無機体炭素除去部と、
無機体炭素除去後の試料水を燃焼管内に注入する試料水注入部と、
燃焼管内に注入された試料水を燃焼させ試料水中の炭素を酸化反応により二酸化炭素に変換する燃焼酸化部と、
前記酸化反応に必要な酸素を供給し、前記二酸化炭素をCO検出器へ移送し、かつ、系内を清浄化するためのキャリヤガスを供給するキャリヤガス供給部と、
移送された前記二酸化炭素の濃度を測定するCO検出器と、
CO検出器が測定した二酸化炭素の濃度から試料水中に含まれる全有機体炭素量を演算するとともに全体の動作を制御する演算制御部と、を備え、
演算制御部により、試料水の注入を停止し、かつ、キャリヤガスを供給する系内清浄化ステップと、
所定量の試料水を所定の流量で連続的に燃焼管内に注入するとともにキャリヤガスを供給する酸化反応ステップと、を含む工程を1測定周期として繰り返すように制御される全有機体炭素測定装置であって、
前記酸化反応ステップにおける試料水の流量とキャリヤガスの流量とが、以下の関係式を満たすように制御されることを特徴とする全有機体炭素測定装置。
全有機体炭素測定装置のFS[TOC濃度mgC/L]×全有機体炭素測定装置に要求される繰返し性[%FS]×K×試料水の流量[mL/分]/キャリヤガスの流量[L/分]≧CO検出器のFS[ppm]×検出器が保証する繰返し性[%FS](FS:最大目盛値 K:気体の状態方程式から導き出される係数)
[2] 前記演算制御部は、前記系内清浄化ステップにおけるキャリヤガスの流量が、前記酸化反応ステップにおけるキャリヤガスの流量よりも増加するように制御することにより、前記1測定周期を所定の応答時間内に完了させることを特徴とする[1]に記載の全有機体炭素測定装置。
本発明によれば、全有機体炭素測定装置の最大目盛値(以下「FS」という。)と、全有機体炭素測定装置に要求される繰返し性と、CO検出器のFSと、検出器が保証する繰返し性との関係から、試料水の流量とキャリヤガスの流量とを適切に決定することができる。
また、全有機体炭素測定装置のFSや全有機体炭素測定装置に要求される繰返し性、あるいは採用するCO検出器のFSや検出器が保証する繰返し性に応じて、それらの値を関係式に当てはめることにより、試料水の流量とキャリヤガスの流量とを各々容易に決定することができる。このため、全有機体炭素測定装置の装置構成を変更することなく、幅広い測定レンジに対してフレキシブルに対応することができる。
さらには、系内清浄化ステップにおけるキャリヤガスの流量を増加させることにより、系内を清浄化する時間を短縮することができる。このため、酸化反応ステップにおけるキャリヤガス流量を下げたとしても、所定の応答時間内にTOC測定を行うことができる。
本発明の一実施形態に係る全有機体炭素測定装置の概略構成図である。 本発明の一実施形態に係る全有機体炭素測定装置の動作のタイミングを表す動作説明図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態の全有機体炭素測定装置1は、無機体炭素(IC)除去部10と、試料水注入部20と、燃焼酸化部30と、キャリヤガス供給部40と、測定部50と、図示しない演算制御部とを備えている。さらには、図示しない表示部や出力部等を備えている。
IC除去部10は、試料水を装置内に導入する試料水入口11を有し、試料水の希釈及び試料水中のICの除去を行う希釈・IC除去槽(図示せず)を備えている。希釈・IC除去槽には、後述するキャリヤガス供給部40が接続され、IC除去のための通気を行うことができるようになっている。
試料水注入部20は、定量ポンプ21と、滴下部22とを備えている。定量ポンプ21は、演算制御部により制御され、所定の流量でIC除去後の試料水を後述する燃焼管31内へと注入(滴下)したり、その動作を停止したりすることができるようになっている。
燃焼酸化部30は、試料水が滴下される燃焼管31と、これを加熱する加熱炉(図示せず)とを備えている。また、試料水中に含まれるTOCを完全に燃焼酸化させるために、燃焼管31内には燃焼を助けるための触媒33が充填されている。
燃焼管31は、加熱炉により600℃〜900℃程度に加熱される。これにより、滴下された試料水中に含まれるTOCは燃焼酸化して二酸化炭素に変換される。
キャリヤガス供給部40は、キャリヤガスの供給源である精製空気ボンベ41と、キャリヤガスの供給圧力を制御する調圧弁42と、キャリヤガスの流量を制御するフローコントローラ43と、キャリヤガスを燃焼管31内へ導入するキャリヤガス導入管44とを備えている。
フローコントローラ43は、演算制御部により制御され、キャリヤガスを所定の流量で供給したり、供給を停止したりすることができるようになっている。
このキャリヤガスは、燃焼酸化に必要な酸素を燃焼管31内に供給し、TOCの燃焼酸化により生じた二酸化炭素を試料ガスとして測定部50に移送し、また、系内(燃焼管31からCO検出器53に至るガス流路)を清浄化するためのものである。さらには、前述のとおり、希釈・IC除去槽に接続され、IC除去のための通気にも使用される。
したがって、キャリヤガス供給源は、精製空気ボンベ41に限定されるものではなく、二酸化炭素、ダスト、オイルミスト、水滴、燃焼により二酸化炭素を発生する物質等を含まないものであればよい。例えば、計装エアを精製(燃焼させて不純物を除去した後にソーダライム管で二酸化炭素を除去する等)して供給することや、窒素ボンベと酸素ボンベとを組み合わせてこれらのガスを混合して供給することもできる。
測定部50は、試料ガス中の水分を除去するための除湿器51と、試料ガス中のハロゲン物質を除去するためのハロゲンスクラバー52と、試料ガス中の二酸化炭素濃度を測定するためのCO検出器(赤外線式ガス検出器)53と、測定後の試料ガスを排出するための大気開放されたガス排出管54とを備えている。
CO検出器53は演算制御部に接続され、演算制御部ではCO検出器53が測定した二酸化炭素濃度から試料水中に含まれるTOCを演算して求めることができるようになっている。
また、演算制御部は、前述のとおり定量ポンプ21とフローコントローラ43とを制御するほか、全有機体炭素測定装置1の全体の動作を制御するようになっている。
次に、図2を参照して、本実施形態の全有機体炭素測定装置1の動作について説明する。
本実施形態の全有機体炭素測定装置1は、系内清浄化ステップと、酸化反応ステップと、待機時間とからなる工程を1測定周期として、これを繰り返すことにより、試料水中のTOC濃度を連続的に測定している。
系内清浄化ステップは、試料水中に含まれるTOCの正確な測定のために、系内の残留ガス等の影響を排除する目的で行うものである。また、酸化反応ステップは、IC除去後の試料水を燃焼酸化させ、試料水中に含まれるTOCを二酸化炭素に変換してその濃度を測定する目的で行うものである。
本実施形態の全有機体炭素測定装置1は、演算制御部からの信号により、系内清浄化ステップを開始する(図2のa1のタイミング)。
系内清浄化ステップは、系内の残留ガス等の影響を排除する目的で行うものであるから、試料水の注入を停止した状態にして、CO検出器53が測定する二酸化炭素濃度の測定値がベースラインになるまでキャリヤガスを通気する必要がある。
したがって、系内清浄化ステップでは、試料水の注入を停止し、かつ、キャリヤガスを供給する。すなわち、系内清浄化ステップでは、定量ポンプ21の動作は停止させ、フローコントローラ43は、後述する式(4)に基づき決定した所定の流量で、又はそれよりも多い流量で動作させる。
図2においては、後述する式(4)に基づき決定した所定の流量(on1のレベル)よりも多い流量(on2のレベル)で動作させている様子を表している。
系内清浄化ステップでは、キャリヤガスが燃焼管31からCO検出器53に至るガス流路に通気され、溜まっていた残留ガス等がガス排出管54から排出されて系内が清浄化される。これに伴い、CO検出器53が測定する二酸化炭素濃度は急速に低下し、やがて測定値はベースラインになる(図2のCO検出器の測定値参照)。
CO検出器53が測定する二酸化炭素濃度の測定値がゼロになれば、次の測定(酸化反応ステップ)を開始することができる。したがって、キャリヤガスの流量が多いほど、系内清浄化ステップの所要時間を短縮することができる。
また、本実施形態の全有機体炭素測定装置1では、系内清浄化ステップが実行されている間に、試料水の希釈及びIC除去も行われる。試料水入口11から一定量の試料水を希釈・IC除去槽に導入して希釈した後、一定量の塩酸溶液を加えてICを二酸化炭素に変換し、キャリヤガスを通気することにより除去する。
なお、試料水の希釈及びIC除去は、酸化反応ステップの開始までに完了していればよく、系内清浄化ステップと同一のシーケンスに組み込む必要はなく、別のシーケンスにより行うことができる。
続いて、本実施形態の全有機体炭素測定装置1は、酸化反応ステップを開始する(図2のb1のタイミング)。
酸化反応ステップでは、定量ポンプ21及びフローコントローラ43を後述する式(4)に基づき決定した所定の流量で動作させる。
定量ポンプ21の動作により、IC除去後の試料水が滴下部22から燃焼管31内へと滴下(注入)される。
滴下された試料水は、600℃〜900℃程度に加熱された燃焼管31内で気化され、試料水中に含まれるTOCは燃焼酸化され二酸化炭素に変換される。燃焼管31内には、フローコントローラ43の動作により、一定の流量(on1のレベル)でキャリヤガスが供給されている。このため、燃焼後のガス(試料ガス)は、燃焼管31から検出部50へと移送される。
検出部50へと移送された試料ガスは、除湿器51で水分が除去され、ハロゲンスクラバー52でハロゲン物質が除去された後、CO検出器53により二酸化炭素濃度が測定される。CO検出器53で測定された試料ガスは、大気開放されたガス排出管54から排出される。
CO検出器53で測定された値は、演算制御部に送られる。
酸化反応ステップ開始からしばらくの間は、系内に満たされていた清浄なキャリヤガスが徐々に押し出されるため、CO検出器53の測定値は徐々に上昇していくが、やがて試料水中に含まれるTOCに応じた二酸化炭素濃度の値に達して安定する。
演算制御部は、測定値が安定したところで、所定時間(例えば、100秒間)データを取得する(図2のc1〜d1のタイミング)。そして試料水中に含まれるTOCを演算して求める。
演算制御部は、データを取得し終わると、定量ポンプ21及びフローコントローラ43を停止させる(図2のd1のタイミング)。そして、例えば、1分間の待機時間後に再び系内清浄化ステップを開始させる(図2のa2のタイミング)。以後、前述したのと同様にb2、c2、d2、a3・・・のタイミングでそれぞれの動作を行う。
このように、全有機体炭素測定装置1は、a1〜a2、a2〜a3をそれぞれ1測定周期として、これを繰り返すことにより、試料水中のTOC濃度を連続的に測定する。
このような連続式の全有機体炭素測定装置の場合、JISK0805において、応答時間は15分以内と規定され、繰返し性の性能はFSの±3%以内と規定されている。
したがって、JISに準拠した装置とするには、上述の1測定周期を15分以内に完了させ、かつ、同一条件で試料を繰り返して測定した場合には、FSの±3%以内の測定値を示す必要がある。
試料水に含まれるTOC濃度が低く、CO検出器53が測定する二酸化炭素濃度が、CO検出器53が保証する繰返し性の値よりも小さくなった場合は、CO検出器53の繰返し性の性能が保証できない状態となり、その結果として、全有機体炭素測定装置1も繰返し性の性能を保証できないこととなる。
例えば、試料水1L中に炭素換算にして100mgのTOCが含まれている場合(TOC濃度:100mgC/L)に、試料水1mLを燃焼させてTOCを二酸化炭素に変換して、1LのキャリヤガスによりCO検出器53に移送したときの二酸化炭素濃度は、次の式(1)のとおりである。
CO[ppm]=K×1[mL]×100 [mgC/L]/1[L]・・・(1)
ここで、Kは、炭素の単位量当たりの体積であり、気体の状態方程式から導き出される係数である。次の式(2)により求められる。
K=8.314×10[Pa・L・K−1・mol−1]×(273+25)[K]/101325[Pa]/12×10[mg/mol]≒2.038×10−3[L/mg]・・・(2)
すなわち、全有機体炭素測定装置1において、CO検出器53が測定する二酸化炭素濃度は、次の式(3)により求めることができる。
CO[ppm]=2.038×10−3[L/mg]×試料水の流量[mL/分]×TOC濃度 [mgC/L]/キャリヤガスの流量[L/分] ×10[μL/mL]・・・(3)
したがって、例えば、全有機体炭素測定装置1において、TOC濃度が100mgC/Lである試料水を、試料水の流量0.4mL/分、キャリヤガスの流量0.5L/分で動作させて測定したときに、CO検出器53が測定する二酸化炭素濃度は163.04ppmである。
換言すると、全有機体炭素測定装置1のFSが100mgC/Lであって、試料水の流量0.4mL/分、キャリヤガスの流量0.5L/分でTOCを測定する場合に、繰返し性の性能をFSの±3%以内で保証しようとするときには、上記式(3)に3%を乗じて得られる4.89ppmの値が、CO検出器53が保証する繰返し性の性能よりも大きくなければならない。
ここで、例えば、CO検出器53のFSが200ppmであって、保証する繰返し性の性能がFSの±0.5%以内である場合には、1ppm以上の濃度の二酸化炭素を測定するときに繰返し性の性能が保証される。したがって、上述の条件でTOC測定を行う場合は、全有機体炭素測定装置1の繰返し性の性能を確保することができる。
一方、例えば、全有機体炭素測定装置1のFSが10mgC/Lである場合に、前述の場合と同様に試料水の流量0.4mL/分、キャリヤガスの流量0.5L/分で動作させて測定したとき、繰返し性の性能をFSの±3%以内で保証しようとすれば、CO検出器53が保証する繰返し性の性能の値は、0.49ppmよりも大きくなければならず、上述のようなFSが200ppm、保証する繰返し性の性能がFSの±0.5%以内のCO検出器53では不適切ということになる。
そこで、例えば、試料水の流量0.3mL/分、キャリヤガスの流量0.1L/分で動作させて測定を行うと、CO検出器53が保証する繰返し性の性能の値は、1.83ppmよりも大きければよいこととなり、全有機体炭素測定装置1の装置構成を変更せずに、全有機体炭素測定装置1に要求される繰返し性の性能を満たすことができる。
以上のことから、全有機体炭素測定装置1の酸化反応ステップにおける試料水の流量とキャリヤガスの流量とは、次の式(4)の関係を満たすように決定し、定量ポンプ21及びフローコントローラ43を制御すればよい。
全有機体炭素測定装置のFS[TOC濃度mgC/L]×全有機体炭素測定装置に要求される繰返し性[%FS]×K×試料水の流量[mL/分]/キャリヤガスの流量[L/分]≧CO検出器のFS[ppm]×検出器が保証する繰返し性[%FS]・・・(4)
(実施例)
全有機体炭素測定装置1の繰返し性の性能がFSの±3%以内であって、CO検出器53FSが200ppmであり、保証する繰返し性の性能がFSの±0.5%以内のものを採用した場合における実施例について説明する。
まず、全有機体炭素測定装置1のFSが10mgC/Lである場合に繰返し性の性能FSの±3%を保証するために必要な値は次の表1のとおりである。
表1の縦方向にはキャリヤガスの流量を示し、横方向には、試料水の流量を示した。これらの交点の値が、CO検出器53が保証する繰返し性の性能である1ppm以上であれば適切な組み合わせであり(白抜きの部分)、1ppm未満であれば不適切な設定である(斜線部分)。
さらに、次の表2には、全有機体炭素測定装置1でTOC濃度が10mgC/Lの試料水を測定した場合の二酸化炭素濃度を示す。
前述の不適切な組み合わせの部分には、表1と同様に斜線を付しているが、これらの部分の他、キャリヤガスの流量が0.05L/分、試料水の流量が0.5mL/分の部分については、CO検出器53のFSである200ppmを超えているため、やはり不適切な組み合わせとなる。
次の表3は、CO検出器53の仕様は上述のままで、全有機体炭素測定装置1のFSを100mgC/Lとした場合に繰返し性の性能FSの±3%を保証するために必要な値である。また、表4は、全有機体炭素測定装置1でTOC濃度が100mgC/Lの試料水を測定した場合の二酸化炭素濃度を示す。
表3の値は、すべてCO検出器53が保証する繰返し性の性能である1ppm以上であるから、表4の値がCO検出器53のFSである200ppm以下であれば、適切な組み合わせであり(白抜きの部分)、200ppmを超えるものは不適切な設定である(斜線部分)。
次の表5は、CO検出器53の仕様は上述のままで、全有機体炭素測定装置1のFSを490mgC/Lとした場合に繰返し性の性能FSの±3%を保証するために必要な値である。また、表6は、全有機体炭素測定装置1でTOC濃度が490mgC/Lの試料水を測定した場合の二酸化炭素濃度を示す。
表5の値は、すべてCO検出器53が保証する繰返し性の性能である1ppm以上であるから、表6の値がCO検出器53のFSである200ppm以下であれば、適切な組み合わせであり(白抜きの部分)、200ppmを超えるものは不適切な設定である(斜線部分)。
本実施例の全有機体炭素測定装置1では、IC除去用の酸溶液やキャリヤガスの消費量を抑え、燃焼酸化部31の消耗を防ぐため、また、燃焼酸化部31のパワーを考慮して、試料水の流量は0.1mL/分〜0.5mL/分、キャリヤガスの流量は0.05L/分〜0.5L/分の間の値を適宜選択するようになっている。
上述の構成を採用する全有機体炭素測定装置1は、FSが10mgC/L〜490mgC/Lまでの幅広い測定レンジに対応することができる。
なお、本発明は、これらの値に限定されるものではなく、燃焼酸化部31のパワーやランニングコストを考慮して、試料水の流量及びキャリヤガスの流量を適宜選択することができる。
さらに、試料水の流量及びキャリヤガスの流量は、上記式(4)をもとに、操作者が適宜手入力により設定してもよいし、式(4)をもとに作成したデータテーブルの値を利用して演算制御部が適宜選択するような構成とすることもできる。
10…IC除去部、20…試料水注入部、21…定量ポンプ、22…滴下部、30…燃焼酸化部、31…燃焼管、40…キャリヤガス供給部、43…フローコントローラ、50…測定部、53…CO検出器

Claims (2)

  1. 試料水の無機体炭素を除去する無機体炭素除去部と、
    無機体炭素除去後の試料水を燃焼管内に注入する試料水注入部と、
    燃焼管内に注入された試料水を燃焼させ試料水中の炭素を酸化反応により二酸化炭素に変換する燃焼酸化部と、
    前記酸化反応に必要な酸素を供給し、前記二酸化炭素をCO検出器へ移送し、かつ、系内を清浄化するためのキャリヤガスを供給するキャリヤガス供給部と、
    移送された前記二酸化炭素の濃度を測定するCO検出器と、
    CO検出器が測定した二酸化炭素の濃度から試料水中に含まれる全有機体炭素量を演算するとともに全体の動作を制御する演算制御部と、を備え、
    演算制御部により、試料水の注入を停止し、かつ、キャリヤガスを供給する系内清浄化ステップと、
    所定量の試料水を所定の流量で連続的に燃焼管内に注入するとともにキャリヤガスを供給する酸化反応ステップと、を含む工程を1測定周期として繰り返すように制御される全有機体炭素測定装置であって、
    前記酸化反応ステップにおける試料水の流量とキャリヤガスの流量とが、以下の関係式を満たすように制御されることを特徴とする全有機体炭素測定装置。
    全有機体炭素測定装置のFS[TOC濃度mgC/L]×全有機体炭素測定装置に要求される繰返し性[%FS]×K×試料水の流量[mL/分]/キャリヤガスの流量[L/分]≧CO検出器のFS[ppm]×検出器が保証する繰返し性[%FS](FS:最大目盛値 K:気体の状態方程式から導き出される係数)
  2. 前記演算制御部は、前記系内清浄化ステップにおけるキャリヤガスの流量が、前記酸化反応ステップにおけるキャリヤガスの流量よりも増加するように制御することにより、前記1測定周期を所定の応答時間内に完了させることを特徴とする請求項1に記載の全有機体炭素測定装置。
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