JP5584319B2 - 有機電界発光素子、照明装置及び照明システム - Google Patents
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Description
本発明の実施形態は、有機電界発光素子、照明装置及び照明システムに関する。
光透過性の第1電極と、第2電極と、第1電極と第2電極との間に設けられた有機発光層と、を含む有機電界発光素子がある。有機電界発光素子を光源として用いた照明装置がある。複数の有機電界発光素子と、これら複数の有機電界発光素子の点灯及び消灯を制御する制御部と、を含む照明システムがある。有機電界発光素子では、複数の開口が設けられた細線状の第2電極や、光透過性の第2電極を用いることにより、光透過性を持たせることが行われている。こうした有機電界発光素子において、透過像の視認性の向上が望まれる。
本発明の実施形態は、透過像の視認性の高い有機電界発光素子、照明装置及び照明システムを提供する。
本発明の実施形態によれば、第1電極と、有機発光層と、第2電極と、を備えた有機電界発光素子が提供される。前記第1電極は、上面を有し、光透過性である。前記有機発光層は、前記上面の上に設けられる。前記第2電極は、前記有機発光層の上に設けられ、光反射性である。前記第2電極は、複数の第1延在部と、複数の第2延在部と、を含む。前記複数の第1延在部は、前記上面に対して平行な第1方向に延び、前記上面に対して平行で前記第1方向に対して交差する第2方向に並ぶ。前記複数の第2電極は、前記第2方向に延び、前記第1方向に並び、前記複数の第1延在部のそれぞれと交差する。前記複数の第1延在部のそれぞれの前記第2方向の長さをW1(マイクロメートル)とする。前記複数の第1延在部のそれぞれのピッチをP1(マイクロメートル)とする。前記複数の第2延在部のそれぞれの前記第1方向の長さをW2(マイクロメートル)とする。前記複数の第2延在部のそれぞれのピッチをP2(マイクロメートル)とする。前記W1と前記P1とは、W1≦−750(1−W1/P1)(1−W2/P2)+675の関係を満たす。前記W2と前記P2とは、W2≦−750(1−W1/P1)(1−W2/P2)+675の関係を満たす。(1−W1/P1)(1−W2/P2)は、0.55以上0.80以下である。前記W1及び前記W2は、75μm以上225μm以下である。
以下に、各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
(第1の実施の形態)
図1(a)及び図1(b)は、第1の実施形態に係る有機電界発光素子を表す模式図である。
図1(a)は、模式的断面図であり、図1(b)は、模式的平面図である。
図1(a)は、図1(b)のA1−A2線断面図である。これらの図は、本実施形態に係る有機電界発光素子の一部を拡大して例示している。
図1(a)及び図1(b)に表したように、有機電界発光素子110は、積層体SBを含む。積層体SBは、第1電極10と、第2電極20と、有機発光層30と、を含む。
図1(a)及び図1(b)は、第1の実施形態に係る有機電界発光素子を表す模式図である。
図1(a)は、模式的断面図であり、図1(b)は、模式的平面図である。
図1(a)は、図1(b)のA1−A2線断面図である。これらの図は、本実施形態に係る有機電界発光素子の一部を拡大して例示している。
図1(a)及び図1(b)に表したように、有機電界発光素子110は、積層体SBを含む。積層体SBは、第1電極10と、第2電極20と、有機発光層30と、を含む。
第1電極10は、上面10aを有する。第1電極10は、光透過性を有する。第1電極10は、例えば、透明電極である。
ここで、上面10aに対して垂直な方向をZ軸方向とする。上面10aに対して平行な1つの方向をX軸方向とする。X軸方向及びZ軸方向に対して垂直な方向をY軸方向とする。X軸方向及びY軸方向は、Z軸方向に対して垂直な方向である。Z軸方向は、第1電極10の厚さ方向に相当する。
有機発光層30は、第1電極10の上面10aの上に設けられる。有機発光層30は、例えば、光透過性を有する。有機発光層30は、例えば、透明である。
第2電極20は、有機発光層30の上に設けられる。第2電極20は、複数の第1延在部21と、複数の第2延在部22と、を含む。複数の第1延在部21のそれぞれは、上面10aに対して平行な第1方向に延び、上面10aに対して平行で第1方向に対して交差する第2方向に並ぶ。複数の第2延在部22のそれぞれは、第2方向に延び、第1方向に並び、複数の第1延在部21のそれぞれと交差する。すなわち、第2電極20を上面10aに対して平行な平面(X−Y平面)に投影した形状は、実質的に格子状である。
この例では、複数の第1延在部21のそれぞれが、Y軸方向に延び、X軸方向に並ぶ。複数の第2延在部22のそれぞれが、X軸方向に延び、Y軸方向に並ぶ。この例では、Y軸方向が、第1方向であり、X軸方向が、第2方向である。この例では、第2方向が、第1方向に対して実質的に垂直である。第2方向は、第1方向に対して交差する任意の方向でよい。以下では、Y軸方向を第1方向とし、X軸方向を第2方向として説明を行う。
第2電極20は、例えば、実質的に均一な厚さの薄膜である。すなわち、第1延在部21と第2延在部22との重なる部分の第2電極20の厚さ(Z軸方向の長さ)は、第1延在部21と第2延在部22との重ならない部分の第2電極20の厚さ(第1延在部21の厚さ、または、第2延在部22の厚さ)と実質的に同じである。第1延在部21と第2延在部22との重なる部分の第2電極20の厚さは、第1延在部21と第2延在部22との重ならない部分の第2電極20の厚さと異なってもよい。例えば、各第1延在部21をストライプ状に形成した後に、各第1延在部21の上に、各第2延在部22をストライプ状に形成する。これにより、例えば、第1延在部21と第2延在部22との重なる部分の第2電極20の厚さが、第1延在部21と第2延在部22との重ならない部分の第2電極20の厚さよりも厚くなってもよい。
第2電極20は、例えば、複数の開口部20aを有する。複数の開口部20aのそれぞれは、X軸方向に並ぶとともに、Y軸方向に並ぶ。すなわち、複数の開口部20aのそれぞれは、X軸方向及びY軸方向に二次元マトリクス状に並べられる。各開口部20aは、例えば、各第1延在部21の間、及び、各第2延在部22の間に配置される。各開口部20aは、例えば、X−Y平面に投影したときに、各第1延在部21及び各第2延在部22によって囲まれる。すなわち、各開口部20aは、第2電極20において、各第1延在部21及び各第2延在部22の存在していない部分である。開口部20aは、有機発光層30の一部を露呈させる。複数の開口部20aのそれぞれによって、有機発光層30の複数の部分が露呈される。
第2電極20(第1延在部21及び第2延在部22)は、例えば、光反射性を有する。第2電極20の光反射率は、第1電極10の光反射率よりも高い。本願明細書においては、第1電極10の光反射率よりも高い光反射率を有している状態を光反射性という。
有機発光層30は、例えば、第1電極10に接する。これにより、有機発光層30が、第1電極10と電気的に接続される。有機発光層30は、第2電極20と電気的に接続される。有機発光層30は、例えば、複数の第1延在部21及び複数の第2延在部22のそれぞれに接する。これにより、有機発光層30が、第2電極20と電気的に接続される。なお、本願明細書において、「電気的に接続」には、直接接触する場合のほか、間に他の導電部材などが介在する場合も含む。
第1電極10と第2電極20とを用いて有機発光層30に電流を流す。これにより、有機発光層30が発光する。有機発光層30は、例えば、電流が流れた場合に、電子と正孔とを再結合させ、励起子を生成する。有機発光層30は、例えば、励起子が放射失活する際の光の放出を利用して発光する。
有機電界発光素子110では、有機発光層30のうちの第1電極10と第1延在部21との間の部分、及び、第1電極10と第2延在部22との間の部分が、発光領域EAとなる。発光領域EAから発せられた発光ELは、第1電極10を介して、有機電界発光素子110の外部に出射する。発光ELの一部は、第2電極20で反射し、有機発光層30及び第1電極10を介して外部に出射する。すなわち、有機電界発光素子110は、片面発光型である。
また、有機電界発光素子110では、外部から入射する外光OLが、第2電極20の複数の開口部20aを介して、第1電極10及び有機発光層30を透過する。このように、有機電界発光素子110は、発光ELを出射させつつ、外部から有機電界発光素子110に入射する外光OLを透過させる。このように、有機電界発光素子110は、光透過性を有する。これにより、有機電界発光素子110では、有機電界発光素子110を介して、背景の像を視認できる。すなわち、有機電界発光素子110は、シースルー可能な薄膜状または板状の光源である。
このように、実施形態の有機電界発光素子110によれば、光透過性の有機電界発光素子を提供できる。この有機電界発光素子110を照明装置に応用した場合、照明機能の他に、背景像を透過させる機能により、種々の新たな応用が可能になる。
第1延在部21の幅をW1とする。第2延在部22の幅をW2とする。各第1延在部21のピッチをP1とする。各第2延在部22のピッチをP2とする。幅W1は、第1延在部21のX軸方向の長さである。幅W2は、第2延在部22のY軸方向の長さである。ピッチP1は、隣り合う2つの第1延在部21のX軸方向の中心間の距離である。ピッチP2は、隣り合う2つの第2延在部22のY軸方向の中心間の距離である。
本実施形態に係る有機電界発光素子110は、各第1延在部21の幅W1、ピッチP1、及び、各第2延在部22の幅W2、ピッチP2が、各第1延在部21の幅W1及びピッチP1が、W1≦−750(1−W1/P1)(1−W2/P2)+675の関係を満たし、かつ、各第2延在部22の幅W2及びピッチP2が、W2≦−750(1−W1/P1)(1−W2/P2)+675の関係を満たす。あるいは、幅W1と幅W2が異なる場合においては、max(W1,W2)≦−750×(1−max(W1/P1,W2/P2))2+675の関係を満たす。これにより、透過像の視認性を高めることができる。
光透過性の有機電界発光素子では、第2電極20を見え難くすることが求められている。例えば、光透過性の有機電界発光素子において、第2電極20をストライプ状のパターン形状とする構成がある。すなわち、第2電極20において、各第1延在部21または各第2延在部22の一方のみを含む構成がある。ストライプ状のパターン形状の第2電極20において、第2電極20を見え難くするためには、各延在部の幅を狭くする。しかしながら、各延在部の幅を狭くすると、発光領域の面積が縮小される。例えば、発光輝度が低下してしまう。このため、第2電極20をストライプ状のパターン形状とした場合に、第2電極20を見え難くしつつ、適切な発光輝度を得るためには、延在部の幅を狭くしつつ、各延在部のピッチを狭くする必要がある。しかしながら、ピッチを狭くすると、透過像の視認性が低下してしまう。例えば、透過像が、ぼやけてしまう。これは、例えば、光の回折に起因しているものと考えられる。
そこで、本願発明者らは、第2電極20のパターン形状と、透過像の視認性の低下と、の関係性について実験を行った。具体的には、第2電極20のパターン形状を格子状とした場合の、第2電極20のパターン形状と、透過像の視認性の低下との関係性についての実験を行った。
本願発明者らは、まず、第2電極の20の各第1延在部21の幅W1、ピッチP1、及び、各第2延在部22の幅W2、ピッチP2のそれぞれを変化させた複数の試料を作成し、各試料について第2電極20が視認できるか否かを実験した。試料では、ガラス基板上に格子状の金属薄膜をパターニングした(以下、金属パターンと称す)。これにより、第2電極20をX−Y平面に投影したときの形状を模擬的に形成した。また、試料では、便宜的に、幅W1と幅W2とを実質的に同じとした。ピッチP1とピッチP2とを実質的に同じとした。すなわち、試料では、実質的に正方形状の複数の開口部20aを二次元マトリクス状に並べて配置した。
金属パターンに含まれる1つの金属線の幅をWsとする。幅Wsは、第1延在部21の幅W1及び第2延在部22の幅W2に相当する。各金属線のピッチをPsとする。ピッチPsは、各第1延在部21のピッチP1及び各第2延在部22のピッチP2に相当する。実験では、幅Wsの異なる複数の試料を用意した。そして、1つの幅Wsについて、ピッチPsの異なる複数の試料を用意した。すなわち、開口率AR=(1−Ws/Ps)2の異なる複数の試料を用意した。具体的には、幅Wsは、50μm、100μm、150μm、200μmとした。そして、それぞれの幅Wsについて、開口率ARを、0.55、0.60、0.65、0.70、0.75、0.80、0.85、0.90とした。すなわち、実験では、幅Wsについて4種類、開口率ARについて8種類の、計32種類の試料を用意した。
実験では、各試料のそれぞれについて、試料と被験者との間の距離L1を本実施形態に係る有機電界発光素子110の利用状況から想定される最短距離の1mとして評価を行った。すなわち、照明装置は一般的に試料から1m以上離れた位置に設けられて用いられる。実験において、被験者は、一人である。被験者の視力は、1.5である。被験者は、試料の金属パターンの設けられた面に対して、ほぼ正対させた。実験において、背景は、均一な白色とした。
図2(a)〜図2(d)は、実験結果の一例を示す表である。
図2(a)は、金属線の幅Wsを50μmとした各試料の評価結果を表す。図2(b)は、金属線の幅Wsを100μmとした各試料の評価結果を表す。図2(c)は、金属線の幅Wsを150μmとした各試料の評価結果を表す。図2(d)は、金属線の幅Wsを200μmとした各試料の評価結果を表す。図2(a)〜図2(d)では、金属線が視認できなかった試料に「○」を付し、視認できた試料に「×」を付している。
図2(a)は、金属線の幅Wsを50μmとした各試料の評価結果を表す。図2(b)は、金属線の幅Wsを100μmとした各試料の評価結果を表す。図2(c)は、金属線の幅Wsを150μmとした各試料の評価結果を表す。図2(d)は、金属線の幅Wsを200μmとした各試料の評価結果を表す。図2(a)〜図2(d)では、金属線が視認できなかった試料に「○」を付し、視認できた試料に「×」を付している。
ここで、金属線(第1延在部21及び第2延在部22)が「視認できない」とは、人間の視覚によって完全に認識できないもののほか、例えば、隣り合う線の像と重なって1本の線として認識できない場合なども含む。すなわち、本願明細書において、「視認できない」とは、各金属線(第1延在部21及び第2延在部22)のパターン形状を実質的に認識できない状態である。
図3は、実験結果の一例を示すグラフ図である。
図3では、図2(a)〜図2(d)の各表の結果をまとめてプロットしている。なお、被験者の視力は1.5であるが、標準的な視力は1.0である。人間の視覚特性より配線の視認性は視角により定まるものであることから、図3のプロットでは標準的な視力1.0を想定して、金属線幅Wsは図2(a)〜図2(d)の値の1.5倍としている。開口率は比Ws/Psによるものなので不変である。
図3では、図2(a)〜図2(d)の各表の結果をまとめてプロットしている。なお、被験者の視力は1.5であるが、標準的な視力は1.0である。人間の視覚特性より配線の視認性は視角により定まるものであることから、図3のプロットでは標準的な視力1.0を想定して、金属線幅Wsは図2(a)〜図2(d)の値の1.5倍としている。開口率は比Ws/Psによるものなので不変である。
金属線(第1延在部21及び第2延在部22)の視認性は、金属線の幅Ws、または、金属線の間隔(Ps−Ws)だけでは決まらず、図3に表したように金属線の幅Wsと陰極開口率AR=(1−Ws/Ps)2の両方に依存する。図より、例えば、開口率AR=0.95では、金属線が視認できなくなる条件が得られないことがわかる。
図3に表したように、金属線の幅Wsと開口率AR=(1−Ws/Ps)2との関係は、一次関数DF1で表すことができる。一次関数DF1は、具体的には、Ws=−750AR+675である。図3において、一次関数DF1よりも左側の領域が、金属線の視認できない領域である。そして、一次関数DF1よりも右側の領域が、金属線の視認できる領域である。すなわち、幅Ws及びピッチPsが、Ws≦−750AR+675の関係を満たすようにする。これにより、金属線を視認できなくすることができる。
第2電極20において、各第1延在部21の幅W1及びピッチP1が、W1≦−750AR+675の関係を満たすようにする。より具体的には、W1≦−750(1−W1/P1)(1−W2/P2)+675の関係を満たすようにする。そして、第2電極20において、各第2延在部22の幅W2及びピッチP2が、W2≦−750AR+675の関係を満たすようにする。より具体的には、W2≦−750(1−W1/P1)(1−W2/P2)+675の関係を満たすようにする。これにより、第2電極20において、各第1延在部21及び各第2延在部22を視認できなくすることができる。
なお、実験結果を被験者の視力である1.5のままとした場合、一次関数DF1は、Ws=−500AR+450である。この場合、各第1延在部21の幅W1及びピッチP1が、W1≦−500(1−W1/P1)(1−W2/P2)+450の関係を満たすようにする。各第2延在部22の幅W2及びピッチP2が、W2≦−500(1−W1/P1)(1−W2/P2)+450の関係を満たすようにする。これにより、第2電極20において、各第1延在部21及び各第2延在部22を視認できなくすることができる。
あるいは、各第1延在部21の幅W1および各第2延在部21の幅W2が異なる場合において、幅W1または幅W2を、max(W1,W2)≦−750×(1−max(W1/P1,W2/P2))2+675を満たすようにする。ここで、max(A,B)はAとBのうち大きい方を指す。図2(a)〜図2(d)に示すように、金属線の幅Wsが小さい場合には、幅Ws大きい場合にくらべて金属線が視認されにくいためである。このような式を満たす場合においても、各第1延在部21及び各第2延在部22を視認できなくすることができる。
このように、金属パターン(第2電極20)の視認性は、金属線の幅Wsまたは金属線の間隔(Ps−Ws)だけでは決まらず、金属線の幅Wsと開口率ARとの両者に依存することを、実験結果より見出した。例えば、開口率ARを小さくすることで、金属線が見え難くなることを見出した。金属線が見えるか否かの閾値の境界は、開口率ARと金属線の幅Wsとがなす平面において、おおよそ一次関数で表すことができる。
但し、上記の各関係式において、Ws、Ps、W1、P1、W2、及び、P2の単位は、それぞれマイクロメートルである。なお、本実施形態において、各第1延在部21の幅W1が異なる場合(例えば設計誤差など)においては、隣り合う複数の第1延在部21の幅W1の平均を上記の各関係式のW1とする。各第1延在部21のピッチP1が異なる場合においては、隣り合う複数の第1延在部21のピッチP1の平均を上記の各関係式のP1とする。各第2延在部22の幅W2が異なる場合においては、隣り合う複数の第2延在部22の幅W2の平均を上記の各関係式のW2とする。各第2延在部22のピッチP2が異なる場合においては、隣り合う複数の第1延在部22のピッチP2の平均を上記の各関係式のP2とする。
次に、本願発明者らは、上記の実験と同じ複数の試料を用い、各試料について透過像がぼけるか否かを実験した。実験では、観察対象物と被験者との間に試料を配置した。観察対象物と試料と被験者とは、ほぼ直線状に並べた。被験者は、試料の金属パターンの設けられた面に対して、ほぼ正対させた。観察対象物には、文字“ABC”を用いた。試料と被験者との間の距離L1は、1mとした。実験では、各試料のそれぞれについて、観察対象物と試料との間の距離L2を変化させ、複数の距離L2で評価を行った。具体的には、距離L2を、0.6m、1.2m、10mに変化させて評価を行った。実験において、被験者は、一人である。被験者の視力は、1.5である。透過像のぼけは視力に関係しないので、金属線の視認性の実験とは異なり、以下では、視力による補正を行っていない。
図4(a)〜図4(d)は、実験結果の一例を示す表である。
図4(a)は、金属線の幅Wsを50μmとした各試料の評価結果を表す。図4(b)は、金属線の幅Wsを100μmとした各試料の評価結果を表す。図4(c)は、金属線の幅Wsを150μmとした各試料の評価結果を表す。図4(d)は、金属線の幅Wsを200μmとした各試料の評価結果を表す。
図4(a)は、金属線の幅Wsを50μmとした各試料の評価結果を表す。図4(b)は、金属線の幅Wsを100μmとした各試料の評価結果を表す。図4(c)は、金属線の幅Wsを150μmとした各試料の評価結果を表す。図4(d)は、金属線の幅Wsを200μmとした各試料の評価結果を表す。
図4(a)〜図4(d)では、透過像のぼけ(透過像のムラ)が気にならなかった(ぼけが認識されなかった)試料に「◎」を付し、透過像のぼけが許容できる程度に認識された試料に「○」を付し、透過像のぼけが許容できない試料に「×」を付している。
図5(a)〜図5(c)は、実験結果の一例を示すグラフ図である。
図5(a)は、距離L2=0.6mの実験結果をまとめたグラフ図である。
図5(b)は、距離L2=1.2mの実験結果をまとめたグラフ図である。
図5(c)は、距離L2=10mの実験結果をまとめたグラフ図である。
図5(a)〜図5(c)に表したように、本願発明者らは、金属パターンを格子状のパターン形状とした場合には、許容できないほどの透過像のぼけが生じないことを実験により見出した。すなわち、第2電極20を格子状にすることにより、透過像のぼけを抑制できることを、実験により見出した。
図5(a)は、距離L2=0.6mの実験結果をまとめたグラフ図である。
図5(b)は、距離L2=1.2mの実験結果をまとめたグラフ図である。
図5(c)は、距離L2=10mの実験結果をまとめたグラフ図である。
図5(a)〜図5(c)に表したように、本願発明者らは、金属パターンを格子状のパターン形状とした場合には、許容できないほどの透過像のぼけが生じないことを実験により見出した。すなわち、第2電極20を格子状にすることにより、透過像のぼけを抑制できることを、実験により見出した。
本実施形態に係る有機電界発光素子110では、格子状の第2電極20において、各第1延在部21の幅W1及びピッチP1が、W1≦−750(1−W1/P1)(1−W2/P2)+675の関係を満たす。そして、各第2延在部22の幅W2及びピッチP2が、W2≦−750(1−W1/P1)(1−W2/P2)+675の関係を満たす。あるいは、幅W1と幅W2が異なる場合においては、max(W1,W2)≦−750×(1−max(W1/P1,W2/P2))2+675の関係を満たす。これにより、第2電極20において、各第1延在部21及び各第2延在部22を視認できなくすることができる。透過像のぼけを抑制できる。従って、透過像の視認性を高めることができる。
なお、各第1延在部21の幅W1、及び、各第1延在部21のピッチP1は、各第1延在部21のそれぞれについて、必ずしも同じでなくてもよい。各第1延在部21の幅W1及びピッチP1は、上記の関係を満足する範囲において、異なっていてもよい。各第2延在部22の幅W2、及び、各第2延在部22のピッチP2は、各第2延在部22のそれぞれについて、必ずしも同じでなくてもよい。各第2延在部22の幅W2及びピッチP2は、上記の関係を満足する範囲において、異なっていてもよい。
図6(a)及び図6(b)は、第2電極の一例を表す模式的平面図である。
図6(a)表したように、ストライプ状のパターン形状の第2電極20では、延在部の一部に断線が生じた際に、断線箇所よりも先の部分が、非発光の領域となってしまう。
図6(a)表したように、ストライプ状のパターン形状の第2電極20では、延在部の一部に断線が生じた際に、断線箇所よりも先の部分が、非発光の領域となってしまう。
一方、図6(b)に表したように、格子状のパターン形状の第2電極20では、第1延在部21の一部または第2延在部22の一部に断線が生じた際にも、隣り合う第1延在部21または第2延在部22から断線箇所の先の部分にも電流を流すことができる。すなわち、断線箇所の先の部分も発光領域とすることができる。
このように、格子状の第2電極20では、ストライプ状の第2電極20に比べて、断線にともなう非発光領域の発生を抑えることもできる。例えば、有機電界発光素子110の信頼性を高めることができる。
図7は、第1の実施形態に係る有機電界発光素子の一部を表す模式的断面図である。
図7に表したように、有機発光層30は、第1層31を含む。有機発光層30は、必要に応じて、第2層32及び第3層33の少なくともいずれかをさらに含むことができる。第1層31は、可視光の波長を含む光を放出する。第2層32は、第1層31と第1電極10との間に設けられる。第3層33は、第1層31と第2電極20との間に設けられる。
図7に表したように、有機発光層30は、第1層31を含む。有機発光層30は、必要に応じて、第2層32及び第3層33の少なくともいずれかをさらに含むことができる。第1層31は、可視光の波長を含む光を放出する。第2層32は、第1層31と第1電極10との間に設けられる。第3層33は、第1層31と第2電極20との間に設けられる。
第1層31には、例えば、Alq3(トリス(8−ヒドロキシキノリノラト)アルミニウム)、F8BT(ポリ(9,9-ジオクチルフルオレン-co-ベンゾチアジアゾール)及びPPV(ポリパラフェニレンビニレン)などの材料を用いることができる。第1層31には、ホスト材料と、ホスト材料に添加されるドーパントと、の混合材料を用いることができる。ホスト材料としては、例えばCBP(4,4'−N,N'-ビスジカルバゾリルール−ビフェニル)、BCP(2,9−ジメチル-4,7 ジフェニル−1,10−フェナントロリン)、TPD(4,4'−ビス−N−3メチルフェニル−N−フェニルアミノビフェニル)、PVK(ポリビニルカルバゾール)及びPPT(ポリ(3−フェニルチオフェン))などを用いることができる。ドーパント材料としては、例えば、Flrpic(イリジウム(III)ビス(4,6-ジ-フルオロフェニル)-ピリジネート-N,C2'-ピコリネート)、Ir(ppy)3(トリス (2−フェニルピリジン)イリジウム)及びFlr6(ビス(2,4−ジフルオロフェニルピリジナト)−テトラキス(1−ピラゾリル)ボラート−イリジウム(III))などを用いることができる。なお、第1層31は、上記の材料に限定されない。なお、第1層は、これらの材料に限定されない。
第2層32は、例えば、正孔注入層として機能する。正孔注入層は、例えば、PEDPOT:PPS(ポリ(3,4- エチレンジオキシチオフェン)-ポリ(スチレンスルホン酸))、CuPc(銅フタロシアニン)、及び、MoO3(三酸化モリブデン)などの少なくともいずれかを含む。第2層32は、例えば正孔輸送層として機能する。正孔輸送層は、例えば、α−NPD(4,4'−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル)、TAPC(1,1-ビス[4-[N,N-ジ(p-トリル)アミノ]フェニル]シクロヘキサン)、m−MTDATA(4,4',4''-トリス[フェニル(m-トリル)アミノ]トリフェニルアミン)、TPD(ビス(3-メチルフェニル)-N,N'-ジフェニルベンジジン)、及び、TCTA(4,4',4"−トリ(N− カルバゾリル)トリフェニルアミン)などの少なくともいずれかを含む。第2層32は、例えば、正孔注入層として機能する層と、正孔輸送層として機能する層と、の積層構造を有しても良い。第2層32は、正孔注入層として機能する層及び正孔輸送層として機能する層とは別の層を含んでも良い。なお、第2層は、これらの材料に限定されない。
第3層33は、例えば電子注入層として機能する層を含むことができる。電子注入層は、例えば、フッ化リチウム、フッ化セシウム、及び、リチウムキノリン錯体などの少なくともいずれかを含む。第3層33は、例えば、電子輸送層として機能する層を含むことができる。電子輸送層は、例えば、Alq3(トリス(8キノリノラト)アルミニウム(III))、BAlq(ビス(2−メチル−8− キノリラト)(p−フェニルフェノラート)アルミニウム)、Bphen(バソフェナントロリン)、及び、3TPYMB(トリス[3−(3−ピリジル)−メシチル]ボラン)などの少なくともいずれかを含む。第3層33は、例えば、電子注入層として機能する層と、電子輸送層として機能する層と、の積層構造を有しても良い。第3層33は、電子注入層として機能する層及び電子輸送層として機能する層とは別の層を含んでも良い。なお、第3層33は、これらの材料に限定されない。
例えば、有機発光層30から放出される光は、実質的に白色光である。すなわち、有機電界発光素子110から出射する光は白色光である。ここで、「白色光」は、実質的に白色であり、例えば、赤色系、黄色系、緑色系、青色系及び紫色系などの白色の光も含む。
第1電極10は、例えば、In、Sn、Zn及びTiよりなる群から選択された少なくともいずれかの元素を含む酸化物を含む。第1電極10には、例えば、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化錫、インジウム錫酸化物(ITO:Indium Tin Oxide)膜、フッ素ドープ酸化錫(FTO)、インジウム亜鉛酸化物を含む導電性ガラスを用いて作製された膜(例えばNESAなど)、金、白金、銀、及び、銅などを用いることができる。第1電極10は、例えば、陽極として機能する。なお、第1電極10は、これらの材料に限定されない。
第2電極20は、例えば、アルミニウム及び銀の少なくともいずれかを含む。例えば、第2電極20には、アルミニウム膜が用いられる。さらに、第2電極20として、銀とマグネシウムとの合金を用いても良い。この合金にカルシウムを添加しても良い。第2電極20は、例えば、陰極として機能する。なお、第2電極20は、これらの材料に限定されない。
または、第1電極10を光反射性の電極と光透過性の電極(例えば透明電極)との積層構造とし、格子状にパターニングし、第2電極20を光透過性の電極(例えば透明電極)としてもよい。これにより、トップエミッション型の有機電界発光素子110とすることが可能となる。
なお、第1電極10を陰極とし、第2電極20を陽極とし、第2層32を電子注入層または電子輸送層として機能させ、第3層33を正孔注入層または正孔輸送層として機能させてもよい。
第1電極10の厚さ(Z軸方向の長さ)は、例えば、10nm以上500nm以下である。より好ましくは、50nm以上200nm以下である。有機発光層30の厚さは、例えば、50nm以上500nm以下である。第2電極20(第1延在部21及び第2延在部22)の厚さは、例えば、10nm以上300nm以下である。第1延在部21の幅W1(X軸方向の長さ)は、例えば、1μm以上500μm以下である。各第1延在部21のピッチP1は、例えば、2μm以上2000μm以下である。より好ましくは、2μm以上200μm以下である。第2延在部22の幅W2(Y軸方向の長さ)は、例えば、1μm以上500μm以下である。各第2延在部22のピッチP2は、例えば、2μm以上2000μm以下である。より好ましくは、2μm以上200μm以下である。
上記の数値範囲において、各第1延在部21の幅W1及びピッチP1が、W1≦−750(1−W1/P1)(1−W2/P2)+675の関係を満たし、かつ、各第2延在部22の幅W2及びピッチP2が、W2≦−750(1−W1/P1)(1−W2/P2)+675の関係を満たすようにする。あるいは、幅W1と幅W2が異なる場合においては、max(W1,W2)≦−750×(1−max(W1/P1,W2/P2))2+675の関係を満たす。これにより、透過像の高い視認性を得ることができる。
図8(a)及び図8(b)は、第1の実施形態に係る別の有機電界発光素子の一部を表す模式的平面図である。
図8(a)に表したように、第2電極20の開口部20aのX−Y平面に投影した形状は、頂点部分の丸められた矩形状でもよい。
図8(b)に表したように、開口部20aのX−Y平面に投影した形状は、円形でもよい。
図8(a)に表したように、第2電極20の開口部20aのX−Y平面に投影した形状は、頂点部分の丸められた矩形状でもよい。
図8(b)に表したように、開口部20aのX−Y平面に投影した形状は、円形でもよい。
このように、開口部20aの形状は、矩形状に限ることなく、例えば、円形、楕円形または他の多角形状でもよい。多角形において、頂点部分の丸められた形状でもよい。本願明細書において、「格子状」には、開口部が矩形状であるものの他、開口部が任意の形状であるものも含む。例えば、ハニカム状の形状なども、「格子状」に含むものとする。すなわち、第2電極20のパターン形状は、ハニカム状などでもよい。第2電極20は、Y軸方向に延びX軸方向に並ぶ複数の部分と、X軸方向に延びY軸方向に並ぶ複数の部分と、を含んでいればよい。第1延在部21及び第2延在部22は、直線状に限ることなく、湾曲またはジグザグ状に屈曲していてもよい。すなわち、第1延在部21は、Y軸方向に延びる成分を有していればよい。第2延在部22は、X軸方向に延びる成分を有していればよい。
図9は、第1の実施形態に係る別の有機電界発光素子を表す模式的断面図である。
図9に表したように、有機電界発光素子111では、有機発光層30が、複数の開口部30aを含む。複数の開口部30aのそれぞれは、例えば、X−Y平面に投影したときに、第2電極20の複数の開口部20aのそれぞれと重なる位置に配置される。開口部30aは、例えば、第1電極10の一部を露呈させる。すなわち、有機電界発光素子111では、有機発光層30が、第2電極20と同じ格子状のパターン形状にパターニングされている。このように、有機発光層30は、第1電極10の全体の上に設けられていなくてもよい。有機発光層30は、第1電極10と第2電極20との間に設けられた部分を少なくとも含んでいればよい。すなわち、有機発光層30は、発光領域EAとなる部分を少なくとも含んでいればよい。
図9に表したように、有機電界発光素子111では、有機発光層30が、複数の開口部30aを含む。複数の開口部30aのそれぞれは、例えば、X−Y平面に投影したときに、第2電極20の複数の開口部20aのそれぞれと重なる位置に配置される。開口部30aは、例えば、第1電極10の一部を露呈させる。すなわち、有機電界発光素子111では、有機発光層30が、第2電極20と同じ格子状のパターン形状にパターニングされている。このように、有機発光層30は、第1電極10の全体の上に設けられていなくてもよい。有機発光層30は、第1電極10と第2電極20との間に設けられた部分を少なくとも含んでいればよい。すなわち、有機発光層30は、発光領域EAとなる部分を少なくとも含んでいればよい。
図10(a)〜図10(c)は、第1の実施形態に係る別の有機電界発光素子を表す模式図である。
図10(a)は、有機電界発光素子112の模式的断面図であり、図10(b)は、有機電界発光素子112の模式的平面図である。図10(a)は、図10(b)のB1−B2線断面を模式的に表す。図10(c)は、有機電界発光素子112の一部をX−Y平面に投影したときの投影像PIM1を表す。
図10(a)〜図10(c)に表したように、有機電界発光素子112の積層体SBは、配線層50を、さらに含む。
図10(a)は、有機電界発光素子112の模式的断面図であり、図10(b)は、有機電界発光素子112の模式的平面図である。図10(a)は、図10(b)のB1−B2線断面を模式的に表す。図10(c)は、有機電界発光素子112の一部をX−Y平面に投影したときの投影像PIM1を表す。
図10(a)〜図10(c)に表したように、有機電界発光素子112の積層体SBは、配線層50を、さらに含む。
配線層50は、上面10aに対して平行な平面に沿って延在する。すなわち、配線層50は、X−Y平面内に延在する。この例において、配線層50は、第1電極10の上面10aの上に設けられる。配線層50は、例えば、第1電極10と有機発光層30との間に設けられる。配線層50は、第1電極10の上面10aと反対側の面に設けてもよい。
配線層50は、複数の第1配線部51と、複数の第2配線部52と、を含む。複数の第1配線部51のそれぞれは、Y軸方向に延び、X軸方向に並ぶ。複数の第2配線部52のそれぞれは、X軸方向に延び、Y軸方向に並び、複数の第1配線部51のそれぞれと交差する。
各第1配線部51は、例えば、X−Y平面に投影したときに、各第1延在部21と重ならない位置に配置される。各第1配線部51は、X−Y平面に投影したときに、各第1延在部21と重なる位置に配置してもよい。各第1配線部51のピッチは、例えば、各第1延在部21のピッチと異なる。この例では、各第1配線部51のそれぞれの間に、3つの第1延在部21が設けられている。各第1配線部51のピッチは、各第1延在部21のピッチと実質的に同じでもよい。各第1配線部51のピッチは、任意でよい。
各第2配線部52は、例えば、X−Y平面に投影したときに、各第2延在部22と重ならない位置に配置される。各第2配線部52は、X−Y平面に投影したときに、各第2延在部22と重なる位置に配置してもよい。各第2配線部52のピッチは、例えば、各第2延在部22のピッチと異なる。この例では、各第2配線部52のそれぞれの間に、3つの第2延在部22が設けられている。各第2配線部52のピッチは、各第2延在部22のピッチと実質的に同じでもよい。各第2配線部52のピッチは、任意でよい。
配線層50は、第1電極10と電気的に接続される。配線層50は、例えば、第1電極10に接する。配線層50の導電率は、第1電極10の導電率よりも高い。配線層50は、光反射性を有する。配線層50の光反射率は、第1電極10の光反射率よりも高い。配線層50は、例えば、金属配線である。配線層50は、例えば、第1電極10に流れる電流を伝達する補助電極として機能する。これにより、有機電界発光素子112では、例えば、第1電極10の上面10aと垂直な方向に流れる電流量を、有機電界発光素子110に比べて均一にできる。例えば、面内の発光輝度をより均一にできる。
図10(c)に表したように、有機電界発光素子112において、第2電極20及び配線層50をX−Y平面に投影したときの投影像PIM1は、複数の第1延在部21のそれぞれの複数の投影像21pと、複数の第2延在部22のそれぞれの複数の投影像22pと、複数の第1配線部51のそれぞれの複数の投影像51pと、複数の第2配線部52のそれぞれの複数の投影像52pと、を含む。投影像PIM1は、すなわち、有機電界発光素子112の光反射性の部分の形状である。
この例では、幅W1が、各第1配線部51の幅を含む。すなわち、この例において、幅W1は、複数の第1延在部21のそれぞれのX軸方向の長さ、及び、複数の第1配線部51のそれぞれのX軸方向の長さである。
この例では、幅W2が、各第2配線部52の幅を含む。すなわち、この例において、幅W2は、複数の第2延在部22のそれぞれのY軸方向の長さ、及び、複数の第2配線部52のそれぞれのY軸方向の長さである。
この例において、ピッチP1は、複数の第1延在部21のそれぞれの投影像21p及び複数の第1配線部51のそれぞれの投影像51pのそれぞれのピッチである。ピッチP1は、例えば、第1延在部21の投影像21pのX軸方向の中心と、第1配線部51の投影像51pのX軸方向の中心と、の間のX軸方向の最小の距離としてもよい。すなわち、ピッチP1は、例えば、投影像21pと、これに最近接する投影像51pと、のX軸方向の中心間の距離としてもよい。
この例において、ピッチP2は、複数の第2延在部22のそれぞれの投影像22p及び複数の第2配線部52のそれぞれの投影像52pのそれぞれのピッチである。ピッチP2は、例えば、第2延在部22の投影像22pのY軸方向の中心と、第2配線部52の投影像52pのX軸方向の中心と、の間のX軸方向の最小の距離としてもよい。すなわち、ピッチP2は、例えば、投影像22pと、これに最近接する投影像52pと、のY軸方向の中心間の距離としてもよい。
この例では、複数の第1延在部21のそれぞれ及び複数の第1配線部51のそれぞれが、W1≦−750(1−W1/P1)(1−W2/P2)+675の関係を満たす。そして、複数の第2延在部22のそれぞれ及び複数の第2配線部52のそれぞれが、W2≦−750(1−W1/P1)(1−W2/P2)+675の関係を満たす。すなわち、有機電界発光素子112の光反射性の部分が、有機電界発光素子110で説明した幅及びピッチの関係性を満たす。あるいは、幅W1と幅W2が異なる場合においては、max(W1,W2)≦−750×(1−max(W1/P1,W2/P2))2+675の関係を満たす。
これにより、有機電界発光素子112においても、透過像の高い視認性を得ることができる。但し、上記の関係式においても、W1、W2、P1及びP2のそれぞれの単位は、マイクロメートルである。
配線層50は、例えば、Mo、Ta、Nb、Al、Ni及びTiよりなる群から選択された、少なくともいずれかの元素を含む。配線層50は、例えば、この群から選択された元素を含む混合膜とすることができる。配線層50は、それらの元素を含む積層膜とすることができる。配線層50には、例えばNb/Mo/Al/Mo/Nbの積層膜を用いることができる。配線層50は、例えば、第1電極10の電位降下を抑制する補助電極として機能する。配線層50は、電流供給のためのリード電極として機能することができる。なお、配線層50は、これらの材料に限定されない。
図11(a)及び図11(b)は、第1の実施形態に係る別の有機電界発光素子を表す模式図である。
図11(a)は、有機電界発光素子121の模式的断面図であり、図11(b)は、有機電界発光素子121の模式的平面図である。図11(a)は、図11(b)のC1−C2線断面である。
図11(a)及び図11(b)に表したように、有機電界発光素子121では、第2電極20が、有機発光層30の上に設けられる。例えば、第2電極20が、有機発光層30の全体の上に設けられる。この例において、第2電極20は、光透過性を有する。第2電極20は、例えば、透明である。
図11(a)は、有機電界発光素子121の模式的断面図であり、図11(b)は、有機電界発光素子121の模式的平面図である。図11(a)は、図11(b)のC1−C2線断面である。
図11(a)及び図11(b)に表したように、有機電界発光素子121では、第2電極20が、有機発光層30の上に設けられる。例えば、第2電極20が、有機発光層30の全体の上に設けられる。この例において、第2電極20は、光透過性を有する。第2電極20は、例えば、透明である。
これにより、有機電界発光素子121では、第1電極10と第2電極20とを用いて有機発光層30に電流を流すと、発光領域EAから発せられた発光ELが、第1電極10を介して有機電界発光素子121の外部に出射するとともに、第2電極20を介して有機電界発光素子121の外部に出射する。すなわち、有機電界発光素子121は、両面発光型である。
有機電界発光素子121において、積層体SBは、絶縁層40と、第1配線層60と、をさらに含む。
絶縁層40は、光透過性である。絶縁層40は、例えば、透明である。絶縁層40は、例えば、第1電極10と有機発光層30との間に設けられる。絶縁層40は、例えば、絶縁部40aと、複数の開口部40bと、を含む。複数の開口部40bのそれぞれは、X軸方向及びY軸方向に二次元マトリクス状に並べて配置されている。この例において、絶縁層40のパターン形状は、格子状である。絶縁層40の厚さは、例えば1μm以上100μm以下である。
複数の開口部40bのそれぞれは、第1電極10の一部を露呈させる。有機発光層30は、第1電極10のうちの各開口部40bのそれぞれに露呈された部分と電気的に接続される。すなわち、この例では、有機発光層30のうちの第1電極10の開口部40bに露呈された部分と第2電極20との間の部分が、発光領域EAとなる。
第1配線層60は、第1電極10と絶縁層40との間に設けられる。第1配線層60は、複数の第1配線部61と、複数の第2配線部62と、を含む。複数の第1配線部61のそれぞれは、Y軸方向に延び、X軸方向に並ぶ。複数の第2配線部62のそれぞれは、X軸方向に延び、Y軸方向に並び、複数の第1配線部61のそれぞれと交差する。
第1配線層60は、第1電極10と電気的に接続される。第1配線層60の導電率は、第1電極10の導電率よりも高い。第1配線層60は、有機電界発光素子112に関して説明した配線層50と同様に、第1電極10に流れる電流を伝達する補助電極として機能する。
この例では、複数の第1配線部61のそれぞれのX軸方向の長さをW1(マイクロメートル)とする。複数の第1配線部61のそれぞれのピッチをP1(マイクロメートル)とする。複数の第2配線部62のそれぞれのY軸方向の長さをW2(マイクロメートル)とする。複数の第2配線部62のそれぞれのピッチをP2(マイクロメートル)とする。
有機電界発光素子121では、幅W1とピッチP1とが、W1≦−750(1−W1/P1)(1−W2/P2)+675の関係を満たす。そして、幅W2とピッチP2とが、W2≦−750(1−W1/P1)(1−W2/P2)+675の関係を満たす。あるいは、幅W1と幅W2が異なる場合においては、max(W1,W2)≦−750×(1−max(W1/P1,W2/P2))2+675の関係を満たす。
これにより、有機電界発光素子121においても、透過像の高い視認性を得ることができる。
光透過性の第2電極20には、例えば、第1電極10に関して説明した材料を用いることができる。また、光透過性の第2電極20は、例えば、MgAgなどの金属材料でもよい。金属材料において、例えば、第2電極20の厚さを5nm以上20nm以下とする。これにより、適切な光透過性を得ることができる。なお、光透過性の第2電極20は、これらの材料に限定されない。
絶縁層40には、例えば、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂などの絶縁性の樹脂材料や、シリコン酸化膜(例えばSiO2)、シリコン窒化膜(例えばSiN)、または、シリコン酸窒化膜などの絶縁性の無機材料が用いられる。なお、絶縁層40は、これらの材料に限定されない。
図12(a)〜図12(c)は、第1の実施形態に係る別の有機電界発光素子を表す模式図である。
図12(a)は、有機電界発光素子122の模式的断面図である。図12(b)は、有機電界発光素子122の模式的平面図である。図12(a)は、図12(b)のD1−D2線断面である。
図12(c)は、有機電界発光素子122の一部をX−Y平面に投影したときの投影像PIM2を表す。
図12(a)〜図12(c)に表したように、有機電界発光素子122の積層体SBは、第2配線層70を、さらに含む。
図12(a)は、有機電界発光素子122の模式的断面図である。図12(b)は、有機電界発光素子122の模式的平面図である。図12(a)は、図12(b)のD1−D2線断面である。
図12(c)は、有機電界発光素子122の一部をX−Y平面に投影したときの投影像PIM2を表す。
図12(a)〜図12(c)に表したように、有機電界発光素子122の積層体SBは、第2配線層70を、さらに含む。
第2配線層70は、第2電極20の上に設けられる。第2配線層70は、複数の第3配線部73と、複数の第4配線部74と、を含む。複数の第3配線部73のそれぞれは、Y軸方向に延び、X軸方向に並ぶ。複数の第4配線部74のそれぞれは、X軸方向に延び、Y軸方向に並び、複数の第3配線部73のそれぞれと交差する。この例において、第2配線層70のパターン形状は、格子状である。
この例において、複数の第3配線部73のそれぞれは、X−Y平面に投影したときに、複数の第1配線部61のそれぞれと重ならない位置に配置される。複数の第3配線部73のそれぞれは、例えば、X−Y平面に投影したときに、複数の第1配線部61のそれぞれと重なる位置に配置してもよい。
この例において、複数の第4配線部74のそれぞれは、X−Y平面に投影したときに、複数の第2配線部62のそれぞれと重ならない位置に配置される。複数の第4配線部74のそれぞれは、例えば、X−Y平面に投影したときに、複数の第2配線部62のそれぞれと重なる位置に配置してもよい。
第2配線層70は、第2電極20と電気的に接続される。第2配線層70は、例えば、第2電極20に接する。第2配線層70の導電率は、第2電極20の導電率よりも高い。第2配線層70は、光反射性を有する。第2配線層70の光反射率は、第2電極20の光反射率よりも高い。第2配線層70は、例えば、金属配線である。第2配線層70は、例えば、第2電極20に流れる電流を伝達する補助電極として機能する。これにより、有機電界発光素子122では、例えば、第2電極20のZ軸方向に流れる電流量をより均一にできる。例えば、面内の発光輝度をより均一にできる。
図12(c)に表したように、有機電界発光素子122において、第1配線層60及び第2配線層70をX−Y平面に投影したときの投影像PIM2は、複数の投影像61pと、複数の投影像62pと、複数の投影像73pと、複数の投影像74pと、を含む。各投影像61pは、各第1配線部61の投影像である。各投影像62pは、各第2配線部62の投影像である。各投影像73pは、各第3配線部73の投影像である。各投影像74pは、各第4配線部74の投影像である。
この例では、複数の第1配線部61のそれぞれのX軸方向の長さ、及び、複数の第3配線部73のそれぞれのX軸方向の長さを、幅W1(マイクロメートル)とする。複数の第2配線部62のそれぞれのY軸方向の長さ、及び、複数の第4配線部74のそれぞれのY軸方向の長さを、幅W2(マイクロメートル)とする。複数の投影像61p及び複数の投影像73pのそれぞれのピッチを、ピッチP1(マイクロメートル)とする。複数の投影像62p及び複数の投影像74pのそれぞれのピッチを、ピッチP2(マイクロメートル)とする。
ピッチP1は、例えば、第1配線部61の投影像61pのX軸方向の中心と、第3配線部73の投影像73pのX軸方向の中心と、の間のX軸方向の最小の距離としてもよい。すなわち、ピッチP1は、例えば、投影像61pと、これに最近接する投影像73pと、のX軸方向の中心間の距離としてもよい。
ピッチP2は、例えば、第2配線部62の投影像62pのY軸方向の中心と、第4配線部74の投影像74pのY軸方向の中心と、の間のY軸方向の最小の距離としてもよい。すなわち、ピッチP2は、例えば、投影像62pと、これに最近接する投影像74pと、のY軸方向の中心間の距離としてもよい。
有機電界発光素子122では、複数の第1配線部61のそれぞれ及び複数の第3配線部73のそれぞれが、W1≦−750(1−W1/P1)(1−W2/P2)+675の関係を満たす。そして、複数の第2配線部62のそれぞれ及び複数の第4配線部74のそれぞれが、W2≦−750(1−W1/P1)(1−W2/P2)+675の関係を満たす。あるいは、幅W1と幅W2が異なる場合においては、max(W1,W2)≦−750×(1−max(W1/P1,W2/P2))2+675の関係を満たす。
これにより、有機電界発光素子122においても、透過像の高い視認性を得ることができる。なお、第1配線層60及び第2配線層70には、例えば、配線層50に関して説明した材料と実質的に同じ材料を用いることができる。
図13(a)及び図13(b)は、第1の実施形態に係る別の有機電界発光素子を表す模式図である。
図13(a)は、有機電界発光素子123の模式的断面図であり、図13(b)は、有機電界発光素子123の模式的平面図である。図13(a)は、図13(b)のE1−E2線断面である。
図13(a)及び図13(b)に表したように、有機電界発光素子123では、積層体SBが、配線層80をさらに含む。配線層80は、第2電極20の上に設けられる。配線層80は、複数の第1配線部81と、複数の第2配線部82と、を含む。複数の第1配線部81のそれぞれは、Y軸方向に延び、X軸方向に並ぶ。複数の第2配線部82のそれぞれは、X軸方向に延び、Y軸方向に並び、複数の第1配線部81のそれぞれと交差する。この例において、配線層80のパターン形状は、格子状である。
図13(a)は、有機電界発光素子123の模式的断面図であり、図13(b)は、有機電界発光素子123の模式的平面図である。図13(a)は、図13(b)のE1−E2線断面である。
図13(a)及び図13(b)に表したように、有機電界発光素子123では、積層体SBが、配線層80をさらに含む。配線層80は、第2電極20の上に設けられる。配線層80は、複数の第1配線部81と、複数の第2配線部82と、を含む。複数の第1配線部81のそれぞれは、Y軸方向に延び、X軸方向に並ぶ。複数の第2配線部82のそれぞれは、X軸方向に延び、Y軸方向に並び、複数の第1配線部81のそれぞれと交差する。この例において、配線層80のパターン形状は、格子状である。
配線層80は、第2電極20と電気的に接続される。配線層80の導電率は、第2電極20の導電率よりも高い。配線層80は、有機電界発光素子122に関して説明した第2配線層70と同様に、第2電極20に流れる電流を伝達する補助電極として機能する。
この例では、複数の第1配線部81のそれぞれのX軸方向の長さをW1(マイクロメートル)とする。複数の第1配線部81のそれぞれのピッチをP1(マイクロメートル)とする。複数の第2配線部82のそれぞれのY軸方向の長さをW2(マイクロメートル)とする。複数の第2配線部82のそれぞれのピッチをP2(マイクロメートル)とする。
有機電界発光素子123では、幅W1とピッチP1とが、W1≦−750(1−W1/P1)(1−W2/P2)+675の関係を満たす。そして、幅W2とピッチP2とが、W2≦−750(1−W1/P1)(1−W2/P2)+675の関係を満たす。あるいは、幅W1と幅W2が異なる場合においては、max(W1,W2)≦−750×(1−max(W1/P1,W2/P2))2+675の関係を満たす。
これにより、有機電界発光素子123においても、透過像の高い視認性を得ることができる。なお、配線層80には、例えば、配線層50に関して説明した材料と実質的に同じ材料を用いることができる。
図14は、第1の実施形態に係る別の有機電界発光素子を表す模式的断面図である。
図14に表しように、有機電界発光素子130は、第1基板91と、第2基板92と、シール部95と、をさらに含む。
第1電極10は、第1基板91の上に設けられる。積層体SBは、第1基板91の上に設けられる。第1基板91は、光透過性を有する。第2基板92は、積層体SBの上に設けられ、第1基板91と対向する。第2基板92は、光透過性を有する。この例において、積層体SBの構成は、有機電界発光素子110に関して説明した構成と同じである。積層体SBの構成は、有機電界発光素子111〜112、121〜123に関して説明した構成でもよい。
図14に表しように、有機電界発光素子130は、第1基板91と、第2基板92と、シール部95と、をさらに含む。
第1電極10は、第1基板91の上に設けられる。積層体SBは、第1基板91の上に設けられる。第1基板91は、光透過性を有する。第2基板92は、積層体SBの上に設けられ、第1基板91と対向する。第2基板92は、光透過性を有する。この例において、積層体SBの構成は、有機電界発光素子110に関して説明した構成と同じである。積層体SBの構成は、有機電界発光素子111〜112、121〜123に関して説明した構成でもよい。
シール部95は、例えば、第1基板91及び第2基板92の外縁に沿って環状に設けられ、第1基板91と第2基板92とを接着する。これにより、第1基板91と第2基板92とによって、積層体SBが封止される。有機電界発光素子130では、第1基板91と第2基板92との間のZ軸方向の距離をシール部95によって規定している。この構成は、例えば、シール部95に粒状のスペーサ(図示は省略)を含めることによって実現できる。例えば、シール部95に粒状の複数のスペーサを分散させ、複数のスペーサの径によって、第1基板91と第2基板92との間の距離が規定される。
有機電界発光素子130において、シール部95の厚さ(Z軸方向に沿う長さ)は、例えば、1μm以上100μm以下である。より好ましくは、例えば、5μm以上20μm以下である。これにより、例えば、水分の浸入などを抑えることができる。シール部95の厚さは、例えば、シール部95に分散させるスペーサの径と実質的に同じである。
有機電界発光素子において、第2基板92に積層体SBを収容する凹部を設ける構成がある。この構成では、第2基板92の形成が難しくなる。例えば、有機電界発光素子のコストアップを招く。
これに対して、本実施形態に係る有機電界発光素子130では、第1基板91と第2基板92との間の距離をシール部95で規定している。これにより、例えば、平板状の第2基板92を用いることができる。例えば、第2基板92の形成を容易にできる。有機電界発光素子130のコストアップを抑えることができる。
積層体SBと第2基板92との間の空間には、例えば、不活性ガスなどが充填される。積層体SBと第2基板92との間に、乾燥剤などを設けてもよい。積層体SBと第2基板92との間の空間は、例えば、空気層でもよい。積層体SBと第2基板92との間の空間の真空度を高めてもよい。積層体SBと第2基板92との間の空間には、例えば、液状のアクリル系樹脂やエポキシ系樹脂などを充填してもよい。アクリル系樹脂やエポキシ系樹脂には乾燥材として酸化カルシウムや酸化バリウムなどを添加させてもよい。
第1基板91及び第2基板92には、例えば、ガラス基板、または、樹脂基板などが用いられる。シール部95には、例えば、紫外線硬化樹脂などが用いられる。なお、積層体SBは第2電極20を第1基板91の上に設け、有機発光層30を第2電極20を介して第1基板91と対向させるような構成としても良い。
(第2の実施形態)
図15は、第2の実施形態に係る照明装置を表す模式図である。
図15に表したように、本実施形態に係る照明装置210は、第1の実施形態に係る有機電界発光素子(例えば有機電界発光素子130)と、電源部201と、を備える。
図15は、第2の実施形態に係る照明装置を表す模式図である。
図15に表したように、本実施形態に係る照明装置210は、第1の実施形態に係る有機電界発光素子(例えば有機電界発光素子130)と、電源部201と、を備える。
電源部201は、第1電極10と第2電極20とに電気的に接続される。電源部201は、第1電極10及び第2電極20を介して有機発光層30に電流を供給する。
本実施形態に係る照明装置210によれば、透過像の視認性の高い照明装置を提供できる。
本実施形態に係る照明装置210によれば、透過像の視認性の高い照明装置を提供できる。
(第3の実施形態)
図16(a)及び図16(b)は、第3の実施形態に係る照明システムを表す模式図である。
図16(a)に表したように、本実施形態に係る照明システム311は、第1の実施形態に係る複数の有機電界発光素子(例えば有機電界発光素子130)と、制御部301と、を備える。
図16(a)及び図16(b)は、第3の実施形態に係る照明システムを表す模式図である。
図16(a)に表したように、本実施形態に係る照明システム311は、第1の実施形態に係る複数の有機電界発光素子(例えば有機電界発光素子130)と、制御部301と、を備える。
制御部301は、複数の有機電界発光素子130のそれぞれと電気的に接続され、複数の有機電界発光素子130のそれぞれの点灯・消灯を制御する。制御部301は、例えば、複数の有機電界発光素子130のそれぞれの第1電極10及び第2電極20と電気的に接続される。これにより、制御部301は、複数の有機電界発光素子130のそれぞれの点灯・消灯を個別に制御する。
図16(b)に表したように、照明システム312では、複数の有機電界発光素子130のそれぞれが、直列に接続されている。制御部301は、複数の有機電界発光素子130のうちの1つの有機電界発光素子130の第1電極10と電気的に接続される。そして、制御部301は、複数の有機電界発光素子130のうちの別の1つの有機電界発光素子130の第2電極20と電気的に接続される。これにより、制御部301は、複数の有機電界発光素子130のそれぞれの点灯・消灯をまとめて制御する。このように、制御部301は、複数の有機電界発光素子130のそれぞれの点灯・消灯を個別に制御してもよいし、まとめて制御してもよい。
本実施形態に係る照明システム311、312によれば、透過像の視認性の高い照明システムを提供できる。
本実施形態に係る照明システム311、312によれば、透過像の視認性の高い照明システムを提供できる。
実施形態によれば、透過像の視認性の高い有機電界発光素子、照明装置及び照明システムが提供される。
なお、本願明細書において、「垂直」及び「平行」は、厳密な垂直及び厳密な平行だけではなく、例えば製造工程におけるばらつきなどを含むものであり、実質的に垂直及び実質的に平行であれは良い。
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明の実施形態は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、有機電界発光素子に含まれる、第1電極、第2電極、有機発光層、配線層、第1配線層、第2配線層、並びに、照明装置に含まれる電源部、照明システムに含まれる制御部などの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
その他、本発明の実施の形態として上述した有機電界発光素子、照明装置及び照明システムを基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての有機電界発光素子、照明装置及び照明システムも、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10…第1電極、 10a…上面、 20…第2電極、 20a…開口部、 21…第1延在部、 22…第2延在部、 30…有機発光層、 40…絶縁層、 40a…絶縁部、 40b…開口部、 50…配線層、 51…第1配線部、 52…第2配線部、 60…第1配線層、 61…第1延在部、 62…第2延在部、 70…第2配線層、 73…第3配線部、 74…第4配線部、 80…配線層、 81…第1配線部、 82…第2配線部、 91…第1基板、 92…第2基板、 95…シール部、 110〜112、121〜123、130…有機電界発光素子、 201…電源部、 210…照明装置、 301…制御部、 311、312…照明システム、 SB…積層体
Claims (10)
- 上面を有する光透過性の第1電極と、
前記上面の上に設けられた有機発光層と、
前記有機発光層の上に設けられた光反射性の第2電極であって、
前記上面に対して平行な第1方向に延び、前記上面に対して平行で前記第1方向に対して交差する第2方向に並ぶ複数の第1延在部と、
前記第2方向に延び、前記第1方向に並び、前記複数の第1延在部のそれぞれと交差する複数の第2延在部と、
を含む第2電極と、
を備え、
前記複数の第1延在部のそれぞれの前記第2方向の長さをW1(マイクロメートル)とし、
前記複数の第1延在部のそれぞれのピッチをP1(マイクロメートル)とし、
前記複数の第2延在部のそれぞれの前記第1方向の長さをW2(マイクロメートル)とし、
前記複数の第2延在部のそれぞれのピッチをP2(マイクロメートル)とするとき、
前記W1と前記P1とが、W1≦−750(1−W1/P1)(1−W2/P2)+675の関係を満たし、
前記W2と前記P2とが、W2≦−750(1−W1/P1)(1−W2/P2)+675の関係を満たし、
(1−W1/P1)(1−W2/P2)は、0.55以上0.80以下であり、
前記W1及び前記W2は、75μm以上225μm以下である有機電界発光素子。 - 前記第1電極と前記有機発光層との間に設けられた光反射性の配線層であって、
前記第1方向に延び前記第2方向に並ぶ複数の第1配線部と、
前記第2方向に延び前記第1方向に並び前記複数の第1配線部のそれぞれと交差する複数の第2配線部と、
を含む配線層をさらに備え、
前記W1は、前記複数の第1延在部のそれぞれの前記第2方向の長さ、及び、前記複数の第1配線部のそれぞれの前記第2方向の長さであり、
前記W2は、前記複数の第2延在部のそれぞれの前記第1方向の長さ、及び、前記複数の第2配線部のそれぞれの前記第1方向の長さであり、
前記P1は、前記上面に対して平行な平面に投影したときの前記複数の第1延在部のそれぞれの投影像及び前記複数の第1配線部のそれぞれの投影像のそれぞれのピッチであり、
前記P2は、前記平面に投影したときの前記複数の第2延在部のそれぞれの投影像及び前記複数の第2配線部のそれぞれの投影像のそれぞれのピッチであり、
前記複数の第1延在部のそれぞれ及び前記複数の第1配線部のそれぞれが、W1≦−750(1−W1/P1)(1−W2/P2)+675の関係を満たし、
前記複数の第2延在部のそれぞれ及び前記複数の第2配線部のそれぞれが、W2≦−750(1−W1/P1)(1−W2/P2)+675の関係を満たす請求項1記載の有機電界発光素子。 - 上面を有する光透過性の第1電極と、
前記第1電極の上に設けられた有機発光層と、
前記有機発光層の上に設けられた光透過性の第2電極と、
前記第1電極と前記有機発光層との間に設けられた光反射性の第1配線層であって、
前記第1方向に延び前記第2方向に並ぶ複数の第1配線部と、
前記第2方向に延び前記第1方向に並び前記複数の第1配線部のそれぞれと交差する複数の第2配線部と、
を含む第1配線層と、
を備え、
前記複数の第1配線部のそれぞれの前記第2方向の長さをW1(マイクロメートル)とし、
前記複数の第1配線部のそれぞれのピッチをP1(マイクロメートル)とし、
前記複数の第2配線部のそれぞれの前記第1方向の長さをW2(マイクロメートル)とし、
前記複数の第2配線部のそれぞれのピッチをP2(マイクロメートル)とするとき、
前記W1と前記P1とが、W1≦−750(1−W1/P1)(1−W2/P2)+675の関係を満たし、
前記W2と前記P2とが、W2≦−750(1−W1/P1)(1−W2/P2)+675の関係を満たし、
(1−W1/P1)(1−W2/P2)は、0.55以上0.80以下であり、
前記W1及び前記W2は、75μm以上225μm以下である有機電界発光素子。 - 前記第2電極の上に設けられた光反射性の第2配線層であって、
前記第1方向に延び前記第2方向に並ぶ複数の第3配線部と、
前記第2方向に延び前記第1方向に並び前記複数の第3配線部のそれぞれと交差する複数の第4配線部と、
を含む第2配線層をさらに備え、
前記W1は、前記複数の第1配線部のそれぞれの前記第2方向の長さ、及び、前記複数の第3配線部のそれぞれの前記第2方向の長さであり、
前記W2は、前記複数の第2配線部のそれぞれの前記第1方向の長さ、及び、前記複数の第4配線部のそれぞれの前記第1方向の長さであり、
前記P1は、前記上面に対して平行な平面に投影したときの前記複数の第1配線部のそれぞれの投影像及び前記複数の第3配線部のそれぞれの投影像のそれぞれのピッチであり、
前記P2は、前記平面に投影したときの前記複数の第2配線部のそれぞれの投影像及び前記複数の第4配線部のそれぞれの投影像のそれぞれのピッチであり、
前記複数の第1配線部のそれぞれ及び前記複数の第3配線部のそれぞれが、W1≦−750(1−W1/P1)(1−W2/P2)+675の関係を満たし、
前記複数の第2配線部のそれぞれ及び前記複数の第4配線部のそれぞれが、W2≦−750(1−W1/P1)(1−W2/P2)+675の関係を満たす請求項3記載の有機電界発光素子。 - 上面を有する光透過性の第1電極と、
前記第1電極の上に設けられた有機発光層と、
前記有機発光層の上に設けられた光透過性の第2電極と、
前記第2電極の上に設けられた光反射性の配線層であって、
前記第1方向に延び前記第2方向に並ぶ複数の第1配線部と、
前記第2方向に延び前記第1方向に並び前記複数の第1配線部のそれぞれと交差する複数の第2配線部と、
を含む第1配線層と、
を備え、
前記複数の第1配線部のそれぞれの前記第2方向の長さをW1(マイクロメートル)とし、
前記複数の第1配線部のそれぞれのピッチをP1(マイクロメートル)とし、
前記複数の第2配線部のそれぞれの前記第1方向の長さをW2(マイクロメートル)とし、
前記複数の第2配線部のそれぞれのピッチをP2(マイクロメートル)とするとき、
前記W1と前記P1とが、W1≦−750(1−W1/P1)(1−W2/P2)+675の関係を満たし、
前記W2と前記P2とが、W2≦−750(1−W1/P1)(1−W2/P2)+675の関係を満たし、
(1−W1/P1)(1−W2/P2)は、0.55以上0.80以下であり、
前記W1及び前記W2は、75μm以上225μm以下である有機電界発光素子。 - 上面を有する光透過性の第1電極と、
前記上面の上に設けられた有機発光層と、
前記有機発光層の上に設けられた光反射性の第2電極であって、
前記上面に対して平行な第1方向に延び、前記上面に対して平行で前記第1方向に対して交差する第2方向に並ぶ複数の第1延在部と、
前記第2方向に延び、前記第1方向に並び、前記複数の第1延在部のそれぞれと交差する複数の第2延在部と、
を含む第2電極と、
を備え、
前記複数の第1延在部のそれぞれの前記第2方向の長さをW1(マイクロメートル)とし、
前記複数の第1延在部のそれぞれのピッチをP1(マイクロメートル)とし、
前記複数の第2延在部のそれぞれの前記第1方向の長さをW2(マイクロメートル)とし、
前記複数の第2延在部のそれぞれのピッチをP2(マイクロメートル)とし、
前記W1と前記W2とが異なる値のとき、
前記W1、前記W2、前記P1および前記P2が、max(W1,W2)≦−750×(1−max(W1/P1,W2/P2))2+675の関係を満たし、
(1−max(W1/P1,W2/P2))2は、0.55以上0.80以下であり、
前記W1及び前記W2は、75μm以上225μm以下である有機電界発光素子。 - 上面を有する光透過性の第1電極と、
前記第1電極の上に設けられた有機発光層と、
前記有機発光層の上に設けられた光透過性の第2電極と、
前記第1電極と前記有機発光層との間に設けられた光反射性の第1配線層であって、
前記第1方向に延び前記第2方向に並ぶ複数の第1配線部と、
前記第2方向に延び前記第1方向に並び前記複数の第1配線部のそれぞれと交差する複数の第2配線部と、
を含む第1配線層と、
を備え、
前記複数の第1配線部のそれぞれの前記第2方向の長さをW1(マイクロメートル)とし、
前記複数の第1配線部のそれぞれのピッチをP1(マイクロメートル)とし、
前記複数の第2配線部のそれぞれの前記第1方向の長さをW2(マイクロメートル)とし、
前記複数の第2配線部のそれぞれのピッチをP2(マイクロメートル)とし、
前記W1と前記W2とが異なる値のとき、
前記W1、前記W2、前記P1および前記P2が、max(W1,W2)≦−750×(1−max(W1/P1,W2/P2))2+675の関係を満たし、
(1−max(W1/P1,W2/P2))2は、0.55以上0.80以下であり、
前記W1及び前記W2は、75μm以上225μm以下である有機電界発光素子。 - 上面を有する光透過性の第1電極と、
前記第1電極の上に設けられた有機発光層と、
前記有機発光層の上に設けられた光透過性の第2電極と、
前記第2電極の上に設けられた光反射性の配線層であって、
前記第1方向に延び前記第2方向に並ぶ複数の第1配線部と、
前記第2方向に延び前記第1方向に並び前記複数の第1配線部のそれぞれと交差する複数の第2配線部と、
を含む第1配線層と、
を備え、
前記複数の第1配線部のそれぞれの前記第2方向の長さをW1(マイクロメートル)とし、
前記複数の第1配線部のそれぞれのピッチをP1(マイクロメートル)とし、
前記複数の第2配線部のそれぞれの前記第1方向の長さをW2(マイクロメートル)とし、
前記複数の第2配線部のそれぞれのピッチをP2(マイクロメートル)とし、
前記W1と前記W2が異なる値のとき、
前記W1、前記W2、前記P1および前記P2が、max(W1,W2)≦−750×(1−max(W1/P1,W2/P2))2+675の関係を満たし、
(1−max(W1/P1,W2/P2))2は、0.55以上0.80以下であり、
前記W1及び前記W2は、75μm以上225μm以下である有機電界発光素子。 - 請求項1〜8のいずれか1つに記載の有機電界発光素子と、
前記第1電極と前記第2電極とに電気的に接続され、前記第1電極及び前記第2電極を介して前記有機発光層に電流を供給する電源部と、
を備えた照明装置。 - 請求項1〜8のいずれか1つに記載の複数の有機電界発光素子と、
前記複数の有機電界発光素子のそれぞれと電気的に接続され、前記複数の有機電界発光素子のそれぞれの点灯・消灯を制御する制御部と、
を備えた照明システム。
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