以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態について説明する。尚、以下の説明で用いられる「上」、「下」、「左」や「右」などの方向を表す用語は、単に、説明の明瞭化を目的とするものであり、何ら本発明を限定するものではない。
(衣類処理装置の構成)
図1は、本発明の一実施形態に係る洗濯乾燥機の斜視図である。図2は、図1に示される洗濯乾燥機の正面図である。以下の説明において、洗濯乾燥機が、衣類処理装置として例示されるが、衣類処理装置は、乾燥機能を備えない洗濯機や洗濯機能を備えない乾燥機であってもよい。
洗濯乾燥機100は、筐体200と、扉体300とを備える。筐体200は、略直方体形状に形成される。筐体200は、上下方向に立設された正面壁210、正面壁210と反対側の背面壁220、正面壁210と背面壁220との間に配設されるとともに上下方向に立設される左側壁230及び右側壁240、筐体200の上面を形成する天壁250並びに筐体200の下面を形成する底壁260を含む。
正面壁210は、下方に配設される下部壁211と、下部壁211の上方に配設される主壁212と、主壁212の上方に配設される上部壁213とを含む。主壁212及び上部壁213は、上方に向かうにつれて背面壁220へ近づくように湾曲しつつ傾斜する。本実施形態において、主壁212の外面は、第1面を例示する。また、背面壁220の外面は、第2面を例示する。
主壁212は、略円板状の扉体300と略相補的な形状をなす凹領域を形成する環状の凹面214を含む。凹面214は、主壁212の略中央を貫通する開口部215を取り囲む。開口部215は、筐体200の内部に収容された洗濯乾燥槽(後述される)に連通する。使用者は、開口部215を通じて、筐体200の内外に衣類(衣服やこれに類する物)を出し入れすることができる。本実施形態において、洗濯乾燥槽は、処理槽を例示する。衣類処理装置が、乾燥機能を備えない洗濯機である場合には、洗濯、すすぎ及び/又は脱水といった処理を行う洗濯槽が処理槽として用いられてもよい。衣類処理装置が、洗濯機能を備えない乾燥機である場合には、衣類を攪拌し、乾燥を促す乾燥槽が処理槽として用いられてもよい。
洗濯乾燥機100は、扉体300を筐体200に回動可能に接続する蝶番構造400を備える。蝶番構造400によって、扉体300は、開口部215を閉塞する閉塞位置と、開口部215を開放する開放位置との間で回動することができる。閉塞位置に回動された扉体300は、凹面214に取り囲まれる凹領域に収容される。尚、図1及び図2に示される扉体300は開放位置に存する。
図3は、閉塞位置に存する扉体300を有する洗濯乾燥機100の概略的な断面図である。図1及び図2に加えて、図3を参照しつつ、洗濯乾燥機100の全体構造が更に説明される。尚、図3において示される筐体200内部の構造以外の構造が、衣類処理装置に適用されてもよい。
図3に示される如く、筐体200の内部には、洗濯乾燥槽110が配設される。洗濯乾燥槽110は、筐体200の内部で揺動自在に支持される一端有底円筒状の水槽111と、水槽111内で回転自在に支持される一端有底円筒状の回転ドラム112とを含む。筐体200の内部には、回転ドラム112を回転させるモータ113が更に配設される。モータ113は、水槽111の底部外面に取り付けられる。水槽111の開口部は、閉塞位置に存する扉体300に向けて突出する略円筒形状の筒口部114によって形成される。筒口部114に略円筒形状のシール部材115が嵌合される。
図1及び図2に示される如く、扉体300は、略一端有底台形円錐形状の透明な窓部310と、窓部310を支持する略円板形状の支持枠320とを含む。図3に示される如く、扉体300が閉塞位置に配設されると、窓部310は、筐体200に形成された開口部215内に挿入され、水槽111に取り付けられたシール部材115に圧接される。かくして、水槽111と窓部310との間で、水密シール構造が形成される。扉体300が閉塞位置に存する間、使用者は、透明な窓部310を通じて、洗濯乾燥槽110内の衣類を視認することができる。尚、扉体300が閉塞位置に存するときに開口部215及び/又は凹面214に対向する扉体300の面は、内面313と称される。
図3に示される如く、水槽111には、洗濯液を排出するための排出口116と、洗濯液が流入する流入口117が形成される。洗濯に用いられる洗濯液は、排出口116及び流入口117との間で循環して使用される。
筐体200の内部には更に、水槽111内へ給水する給水システム120、水槽111内の洗濯液を排水或いは循環させる排水システム130及び洗濯物を乾燥させるための温風を洗濯乾燥槽110に送り込む乾燥システム140を収容する。尚、衣類処理装置が乾燥機能を備えない洗濯機である場合には、乾燥システム140は必要とされない。また、衣類処理装置が洗濯機能を備えない乾燥機である場合には、給水システム120や排水システム130が用いられなくともよい。
乾燥システム140は、水槽111の排気口141と接続する一端部と、水槽111の底部から乾燥用空気を送り込むための通気口とを備える循環管路142と、循環管路142の内部に配設されるとともに循環管路142内で空気を流動させる送風機143とを含む。乾燥システム140は、必要に応じて、糸屑類を捕集するとともに除塵するフィルタ、除塵後の導入空気を除湿する除湿部、除塵後の空気を加熱するとともに乾燥した高温空気を作り出す加熱部とを含んでもよい。
図1及び図2に示されるように、洗濯乾燥機100は、上部壁213に配設される操作パネル500を備える。操作パネル500は、使用者が洗濯乾燥機100の運転コースのモードや各種機能を選択することを可能にする。図3に示される如く、操作パネル500は、制御回路部510を含む。制御回路部510は、使用者が入力した情報を操作パネル500が備える表示部に表示する。また、操作パネル500を通じて、洗濯乾燥機100の運転開始が設定されると、例えば、水槽111内の液位を検知する液位センサ、洗濯液の濁度を検知する濁度センサとして用いられる光センサ131や洗濯液の導電度を検知する導電センサとして用いられる電極センサ132から検知信号を受信し、これら検知信号に基づき、給水システム120に含まれる電磁弁や排水システム130に含まれる排水弁133などに対する制御を実行する。モータ113、給水システム120、排水システム130及び乾燥システム140は、制御回路部510によって、モード設定や制御プログラムに従い、自動制御され、洗い工程、すすぎ工程、脱水工程及び乾燥工程を実行することができる。
図1及び図2に概略的に示されるように、洗濯乾燥機100は、扉体300を閉塞位置でロックするロック機構600を備える。制御回路部510は、ロック機構600と協働して扉体を閉塞位置にロックするロック制御ユニット(後述される)を制御する制御要素として用いられる。
図3に示される如く、給水システム120は、水槽111に接続される給水管路121と、洗剤を収容する洗剤収容部122とを含む。図1に示される如く、筐体200の天壁250には、洗剤収容部122を閉塞するカバー251が取り付けられる。
図3に示される給水システム120は、電磁弁の開閉動作により、給水管路121を介して水槽111に適時に給水することができる(図3中、実線矢印を参照)。また、洗濯乾燥機100は、給水システム120の給水を利用して、給水管路121を部分的に横切って配設される洗剤収容部122内の洗剤を水槽111内に適時に投入することができる。
排水システム130は、水槽111の排出口116に接続される一端部を備える第1管路134と、第1管路134の他端部に接続されるとともに水槽111からの洗濯液を受ける排水制御ユニット135と、排水制御ユニット135が備える循環ポンプ136と水槽111との間で延びる第2管路137とを含む。循環ポンプ136は、筐体200内に配設された台板138に固定されている。第2管路137の一端部は、循環ポンプ136の吐出口と接続され、第2管路137の他端部は、水槽111の流入口117に接続される。水槽111、第1管路134、排水制御ユニット135及び第2管路137は、洗濯液の循環路を形成する。循環ポンプ136は、循環路内で洗濯液を排出口116から流入口117に向けて流動・循環させる。
排水制御ユニット135は、循環ポンプ136に加えて、洗濯液の濁度を検知する濁度センサとして用いられる光センサ131、洗濯液の導電度を検知する導電センサとして用いられる電極センサ132、洗濯液を外部に排水するための排水管路139、排水管路139の途中部に配設されるとともに排水管路139を開閉させる排水弁133及び第1管路134から流入する洗濯液に含まれるリント(糸くずなど)を捕集するフィルタ部191を含む。
排水弁133は、洗い工程終了時やすすぎ工程終了時など必要に応じて開く。この結果、第1管路134から排水制御ユニット135に流入した洗濯水は、フィルタ部191を通じてリントの除去処理を施された後、外部に排出される。
排水弁133を閉じ、循環ポンプ136を作動させることにより、水槽111内に存する洗濯液は、第1管路134を通じて、排水制御ユニット135に流入する。その後、洗濯液は、排水制御ユニット135内に配設されるフィルタ部191を通過し、汚れ成分の除去がなされる。フィルタ部191を通過した後、循環ポンプ136の吸引口と接続される吸引管路192を通じて、洗濯液は、循環ポンプ136内に流入し、循環ポンプ136の吐出口と接続される第2管路137を通じて、水槽111内に戻される。洗い工程やすすぎ工程を実行している間、必要に応じて、このような洗濯液の循環を繰り返し行なうことで、洗い工程やすすぎ工程の機能向上を図ることが可能となる。
循環ポンプ136の回転数は可変とすることができる。循環ポンプ136の回転数が高く設定される(例えば、3500rpm)と、水槽111の流入口117に流入した洗濯液は、回転ドラム112内に向かう軌跡を描いて移動する(図3中、矢印Fi参照)。一方で、循環ポンプ136の回転数が低く設定される(例えば、1000rpm)と、水槽111の流入口117に流入した洗濯液は、回転ドラム112と水槽111との間に形成される空間内に向かう(図3中、矢印Fo参照)。
循環ポンプ136は、例えば、洗い工程とすすぎ工程のうち少なくとも1つの工程の開始時において、低速回転される。これにより、洗濯終了時の溶け残った洗剤或いは柔軟剤投入直後の高濃度の柔軟剤が、回転ドラム112内の洗濯物に降り注がれることが防がれる。
回転ドラム112と水槽111との間の空間に流入した洗濯液は、排出口116から排水システム130に排出され、再度、水槽111の流入口117に戻る(水槽内循環工程)。水槽内循環工程を繰り返すことにより、洗剤は完全に溶解され、柔軟剤の濃度は均一化されることになる。この結果、溶け残った洗剤や高濃度の柔軟剤に起因する洗濯物のしみなどの問題を回避することが可能となる。
水槽内循環工程は、例えば、洗い工程及び/又はすすぎ工程の給水工程の約10秒後に設定されることが好ましい。或いは、例えば、水槽111の下端から40mm程度の液位を検知したときに水槽内循環工程が開始されることが好ましい。これにより、循環ポンプ136内に洗濯液が十分に満たされていない状態での循環ポンプ136の作動を避けることが可能となる。これにより、循環ポンプ136の泡がみ音などの異音、不十分な洗濯液量に起因する循環ポンプ136の異常温度並びに異常温度下での循環ポンプ136の作動を回避することができる。
洗濯乾燥機100は、更に、風呂水を水槽111へ供給するためのポンプを備えてもよい。この場合には、風呂水供給用のポンプにより、水槽に風呂水を供給した後に、水槽内循環工程がなされることが好ましい。これにより、風呂水供給用のポンプと循環ポンプ136とが同時に動作せず、使用者を不快にさせる大きな騒音の発生を防止することが可能となる。
洗濯乾燥機100は、操作パネル500の操作により、予約運転を設定することが可能である。洗濯乾燥機100が予約運転されるとき、水槽内循環工程は、例えば、通常時の2倍の長さの期間、行なわれることが好ましい。これにより、予約待機中(予約設定してから実際に洗濯乾燥機100が動作を開始するまでの期間)に固化した洗剤を十分に溶解することが可能となる。この結果、予約運転の間、十分な洗浄力が得られるとともに、洗剤残りの問題も回避可能となる。
洗濯乾燥機100は、必要に応じて、温度センサを備えることができる。温度センサを用いて測定された洗濯水の温度に応じて、水槽内循環工程の長さを変化させてもよい。例えば、温度センサが5℃の洗濯水の温度を検知したときには、例えば、20℃の洗濯水の温度を検知したときの倍の長さの水槽内循環工程を実行することができる。これにより、低い水温下においても、十分に洗剤を溶解することが可能となる。
図1及び図2に示される如く、洗濯乾燥機100は、ロック機構600に隣接して、扉体300の支持枠320に取り付けられる取手部700を備える。使用者は、支持枠320から突出した取手部700を握持し、扉体300を閉塞位置と開放位置との間で回動させることができる。
(扉体の構造)
図4は、扉体300の概略的な断面図である。図5は、扉体300の概略的な展開斜視図である。図4及び図5に加えて、図1を必要に応じて参照しつつ、扉体300が説明される。
扉体300は、上述の如く、窓部310及び支持枠320を備える。窓部310は、ガラス製で略台形円錐状に形成され、扉体300が閉塞位置に回動されるとき開口部215(図1参照)に先に挿入される先頭壁311は、支持枠320に接続される略円形の縁部312で囲まれる円形空間よりも径小に形成される。略円形の先頭壁311から縁部312へ延びる略環状の傾斜壁314には、上述の如く、シール部材115が当接する(図4参照)。
支持枠320は、略環状の取付リング321、取付リング321を外方から覆う略円板状のカバーディスク322及びカバーディスク322の外周と嵌合する略環状のエッジリング323を含む。カバーディスク322の表面は、湾曲した主壁212と略同一の湾曲面を有しており、主壁212に沿って湾曲しているので清掃性に優れる。取付リング321には、窓部310に加えて、取手部700、ロック機構600及び蝶番構造400が取り付けられる。蝶番構造400及びロック機構600は、扉体300の直径に沿う水平線上に略沿う位置に配設される。図1に示される如く、蝶番構造400及びロック機構600は、扉体300の直径の略両端にそれぞれ配設される。取手部700は、ロック機構600に隣接し、ロック機構600の上方に配設される。
図4及び図5に示される如く、支持枠320は更に、略環状の押さえリング324を備える。押さえリング324は、窓部310の縁部312を、取付リング321と協働して挟持する。取付リング321及び押さえリング324は、取手部700、ロック機構600及び蝶番構造400を支持する支持部として用いられる。
図5に示される如く、押さえリング324は、略L字形状の断面を有する。扉体300が閉塞位置に存するときに筐体200の内方に向く押さえリング324の平坦面325及び窓部310の先頭壁311の面は、扉体300の内面313を形成する。押さえリング324の平坦面325から取付リング321に向けて傾斜して延びる傾斜面326は、扉体300の周縁の一部を形成する。
図4に示される如く、筐体200の凹面214は、扉体300が閉塞位置に存するときに押さえリング324の平坦面325と対向する接続面216と、扉体300が閉塞位置に存するときに押さえリング324の傾斜面326と対向する対向面217とを含む。図1及び図4に示されるように、対向面217は扉体300の外周縁に対向する。図5に示される如く、蝶番構造400は、第1接続部材410と第2接続部材420とを備える。図1に示される如く、第1接続部材410は、接続面216に接続される。第2接続部材420は、押さえリング324に対向する取付リング321の面327に接続される(図5参照)。
(蝶番機構の構造)
図6は、内面313側からの扉体300の斜視図である。尚、図6に示される扉体300から押さえリング324及び取手部700は除去されている。図7及び図8は、蝶番構造400、ロック機構600及び取手部700が取り付けられた取付リング321の斜視図である。図7及び図8の取付リング321は、互いに異なる角度から描かれている。図5乃至図8を参照しつつ、蝶番構造400の構造が説明される。
蝶番構造400は、接続面216に取り付けられた略三日月形状の亜鉛合金からなる剛性の高い第1接続部材410から第2接続部材420に向けて突出する一対のアーム片430と、一対のアーム片430によって支持される両端部を有する支軸部440と、一対のアーム片430の間で支軸部440を取り巻く捻りコイルバネ450とを含む。捻りコイルバネ450は、支軸部440により貫通され第1接続部材410および第2接続部材420を介して扉体300を開放位置に向けて付勢する付勢部材を例示する。なお、扉体300の開き角度が閉塞位置を0度とした場合、開き角度が30度以上の場合に扉体300を開放位置に向けて付勢するようにしており、開き角度が0度から30度までの範囲では、扉体300が閉塞方向になるように設定しており、開き角度が30度以下の場合に使用者が扉体300から手を離すと、扉体300は少しずつ閉じ、閉塞位置近傍で停止するようにし、使用者が扉体300から手を離したときに扉体300が開いてしまうことを防止している。一対のアーム片430は、接続面216に取り付けられた第1接続部材410から離間した位置で支軸部440を支持する。第2接続部材420は、亜鉛メッキ鋼板を折り曲げおよびしぼり加工で成型しており剛性が高く、支軸部440の端部と嵌合する開口部421が形成された接続片422を含む。ステンレス製の支軸部440は、接続片422の開口部421に回動可能に嵌合される。かくして、支軸部440は、扉体300と接続する第2接続部材420を回動可能に支持するので、扉体300は、蝶番構造400を介して、筐体200に回動可能に取り付けられることとなる。なお、アーム片430は、金属製であることが好適であり、アーム片430が鋼性の高い金属であるため、蝶番構造400を小型化しても扉体300を確実に保持できる。本実施の形態ではアーム片430を亜鉛合金の鋳造により形成しているが、他の金属で形成してもよい。また、第2接続部材は金属鋼板を曲げ加工して形成しており、アーム片430と相俟って、ガラス製の窓部310を有する重量が大きい扉体300を確実に保持している。
押さえリング324には、アーム片430が挿通される略矩形状の切り欠き部328が形成される。かくして、扉体300の内部に配設された第2接続部材420と扉体300の外部に配設された第1接続部材410とが好適に連結される。
(取手部の構造)
図5及び図6に示される如く、押さえリング324に対向する取付リング321の面327の外縁領域は、取手部700が収容されるように凹設された凹領域を形成する略平坦な制限面329及び凹側面331を含む。扉体300が閉塞位置に存するとき、制限面329は筐体200の接続面216(図1参照)に対向する。
図9は、取手部700の周囲における洗濯乾燥機100の概略的な断面図である。尚、図9に示される扉体300は、閉塞位置に存する。図5乃至図9と併せて、図1を必要に応じて参照しつつ、取手部700が説明される。
取手部700は、取付リング321、カバーディスク322及びエッジリング323とを含む外装体と凹面214を形成する接続面216との間に配設される第1片710と、凹面214を形成する対向面217から離間する方向へ湾曲する第2片720とを含む。第1片710は、扉体300が閉塞位置に存する間、制限面329と筐体200との間に位置する。第2片720は、扉体300が閉塞位置に存するときに筐体200の外面に現れる露出片721と、露出片721と第1片710とを接続する接続片722とを含む。図6に示されるように、押さえリング324の周縁には、切り欠き部332が形成される。切り欠き部332は、扉体300の中心に向けて凹設される。扉体300の周縁に沿う接続片722は、切り欠き部332を通じて、筐体200の外方に突出する。扉体300が閉塞位置にあるときに、露出片721と筐体200との間に20mm程度の間隙を設け、使用者の指が容易にこの間隙に入るようになっている。また、露出片721は、扉体300の外周近傍から20mm程度延伸しており、小さな力で取手部700および後述する挿入片190を回動することができる。また、露出片721は正面より目視しやすく操作しやすいうえ、第1片は扉体300の裏面側に位置し、扉体300およびエッジリング323を隠すことがないので、デザイン性も高い。
図5に示されるように、第1片710の両側縁から一対の支軸部711が突出する。支軸部711は、凹側面331に回動可能に支持される。かくして、第1片710は取付リング321に回動可能に支持される。尚、取付リング321と押さえリング324との間に配設される第1片710は、押さえリング324によって回動可能に支持されてもよい。
図9に示されるように、取付リング321の外周縁近傍における第1片710の対向する取付リング321の面333及び第1片710の対向する取付リング321の外周縁の縁面334は、略面一となり、上述の制限面329を形成する。
使用者は、第2片720の露出片721を摘み或いは握持し、扉体300を閉塞位置から開放位置に回動させることができる。このとき、取付リング321に回動可能に支持された第1片710は、制限面329に接近するように回動する。その後、第1片710は制限面329に当接し、第1片710の回動が制限される。尚、支軸部711に、例えば、捻りコイルバネが取り付けられ、第1片710が制限面329から離間する方向へ取手部700が付勢されてもよい。
(ロック機構)
図10及び図11は、ロック機構600周囲における扉体300の拡大斜視図である。図10及び図11において、扉体300は互いに異なる角度から描かれている。図7及び図8と併せて、図5、図10及び図11を必要に応じて参照しつつ、ロック機構600が説明される。
ロック機構600は、ロックアーム610を備える。ロックアーム610は、ロックアーム610に併設される検知アーム810とともに挿入片190を形成する。ロックアーム610と一体的に形成される検知アーム810は、扉体300の位置を検知するために用いられる。洗濯乾燥機100は、検知アーム810を用いて、扉体300が開放位置に存すること或いは扉体300が閉塞位置に存することを検知することができる。
図5に示される如く、押さえリング324には、略矩形状の開口部335が形成される。図10及び図11に示される如く、ロックアーム610及び検知アーム810は、押さえリング324に形成された開口部335を介して、支持枠320から突出する。
図5に示される如く、ロック機構600は、挿入片190を回動可能に支持するためのシャフト620と、シャフト620に巻回された捻りコイルバネ630を備える。取付リング321は、押さえリング324に向けて突出する一対のリブ336を備える。一対のリブ336それぞれには、切り欠き部337が形成される。シャフト620の両端部は、切り欠き部337に挿入され、シャフト620は、取付リング321に回動可能に接続される。挿入片190は、捻りコイルバネ630を介して、シャフト620に回動可能に接続される。図10及び図11に示される如く、挿入片190は、シャフト620周りに係合位置と解除位置との間で回動する。挿入片190が扉体300の外縁に向けて回動するとき、挿入片190の先端は扉体300がロックされる係合位置へ向かう。挿入片190が扉体300の中心に向けて回動するとき、挿入片190の先端は扉体300のロックが解除される解除位置へ向かう。捻りコイルバネ630は、挿入片190を係合位置に向けて付勢する。
図12は、取手部700と挿入片190との間の位置関係を概略的に示す図である。図7及び図8と併せて、図1、図3、図5、図10乃至図12を必要に応じて参照しつつ、ロック機構600が更に説明される。
挿入片190は、略矩形板状の基端板611を含む。基端板611は、ロックアーム610及び検知アーム810の共通の基端部として用いられ、ロックアーム610及び検知アーム810は、基端板611から突出する。シャフト620は、基端板611を貫通する。ロックアーム610の先端部612は鉤状に形成され、扉体300の外周縁方向に突出する。基端板611の幅は、開口部335の幅よりも大きくしており、万が一ロック機構600が扉体300の内方で外れてしまっても、ロック機構600は扉体300内にとどまり、扉体300が開放位置にあるのに、ロック機構600がロック穴218に残ってしまうといったことを防止する。
図12に示される如く、基端板611の角隅部(挿入片190の回動中心軸C1(シャフト620に相当)よりも扉体300の中心に近い角隅部)は、取付リング321と、取手部700の第1片710との間に配設される。図10及び図11に示される如く、扉体300が閉塞位置から開放位置に回動されるとき、第1片710が取付リング321に形成された制限面329に接近するように取手部700は回動される。この結果、シャフト620よりも扉体300の内方において、基端板611の角隅部は、第1片710によって押圧され、ロックアーム610の先端部612は解除位置(即ち、扉体300の内方)に向けて移動する。
図1に示される如く、筐体200の接続面216には、略矩形状のロック穴218及び検知穴219が形成される。筐体200内部には、ロック制御ユニット640が配設される(図5参照)。ロック制御ユニット640は、筐体200の内面に固定される。筐体200に組み込まれたロック制御ユニット640は、ロック穴218及び検知穴219を形成する。尚、ロック穴218及び検知穴219は1つの開口部として形成されてもよいし、筐体200の壁部によって互いに区画されてもよい。ロック制御ユニット640は、制御回路部510によって制御される。
図13は、ロック制御ユニット640の概略的な断面図である。図13(a)乃至図13(c)は、ロック制御ユニット640の動作を連続的に示す。図13(a)乃至図13(c)の右図は、ロック制御ユニット640に挿入されたロックアーム610を示す。図13(a)乃至図13(c)の左図は、ロック制御ユニット640に挿入された検知アーム810を示す。図13と併せて、図1、図3、図10及び図11を必要に応じて参照しつつ、ロック制御ユニット640が説明される。
上述の如く、筐体200の内面に取り付けられたロック制御ユニット640は、筐体200上にロック穴218を形成する。ロック穴218に、ロックアーム610の先端部612が挿入される。ロック制御ユニット640は、筐体200上に検知穴219を形成する。扉体300が閉塞位置に存するとき、検知穴219に検知アーム810の先端部が挿入される。
ロック制御ユニット640は、ロック制御ユニット640の動作を達成するための回路や部品を収容する筐体641と、筐体641の内部に配設されたロック箱642とを含む。ロック箱642は、筐体641内において、ロックアーム610の先端部612及び検知アーム810の先端部を収容する共通の内部空間を形成する。
図13(a)に示されるロック箱642の位置は、許可位置と称される。ロック箱642が許可位置に存するとき、ロックアーム610及び検知アーム810は、扉体300が閉塞位置から開放位置に回動されることにより、ロック穴218及び検知穴219それぞれから脱出することが可能である。図13(c)に示されるロック箱642の位置は、不許可位置と称される。ロック箱642が不許可位置に存するとき、ロックアーム610の先端部612が、ロック制御ユニット640の筐体641及び/又は洗濯乾燥機100の筐体200に係合するため、使用者は扉体300を閉塞位置から開放位置に回動させることができない。図13(b)に示されるロック箱642の位置は中間位置と称される。ロック箱642が中間位置に存するとき、ロック箱642の内部空間は、ロック穴218及び検知穴219に部分的に連通する。扉体300が開放位置から閉塞位置へ回動されるとき、ロックアーム610の先端部612及び検知アーム810の先端部は、ロック穴218及び検知穴219を通じて、ロック箱642の内部空間に進入することができる。このとき、ロック箱642は、ロックアーム610の先端部612と接触することにより、図13(a)に示される許可位置に瞬間的に移動する。ロックアーム610の先端部612の緩やかな湾曲形状は、ロックアーム610のロック箱642内への進入及び許可位置への瞬間的なロック箱642の移動を促す。その後、ロックアーム610に対する係合位置への付勢力(図10及び図11参照)により、ロック箱642は中間位置に戻る。ロック箱642が中間位置に存するとき、ロックアーム610の先端部612は、ロック制御ユニット640の筐体641及び/又は洗濯乾燥機100の筐体200に軽く係合する。
筐体641は、ロック箱642を移動させるための駆動源(図示せず:例えば、ソレノイドスイッチやバネなど)を収容する。制御回路部510は、例えば、ソレノイドスイッチを制御し、筐体641内のロック箱642を中間位置と不許可位置との間で移動させる。例えば、使用者が操作パネル500(図1参照)を操作し、洗濯乾燥槽110を回転させようとするとき(例えば、洗濯処理、すすぎ処理や乾燥処理のために)、制御回路部510は、ロック箱642を不許可位置へ移動させる。洗濯処理、すすぎ処理や乾燥処理が完了し、洗濯乾燥槽110の回転が停止されたとき、制御回路部510はロック箱642を中間位置へ移動させる。
ロック箱642が中間位置から不許可位置へ移動すると、ロックアーム610の先端部612はロック箱642の内面に押される。この結果、ロックアーム610はシャフト620周りに回動する。このとき、基端板611を介してロックアーム610と一体的に形成された検知アーム810は、ロックアーム610とともに挿入片190を貫通するシャフト620周りに回動する。ロック箱642が不許可位置へ到達すると、ロックアーム610の先端部612の鉤状の突出部分は、ロック制御ユニット640の筐体641及び/又は洗濯乾燥機100の筐体200に完全に係合する。このとき、使用者が取手部700の第2片720を握持し、第1片710が制限面329に接近するように取手部700を回動させようとしても、ロック制御ユニット640はロック箱642の不許可位置を保つ。したがって、使用者は、扉体300を開放位置へ回動させることはできない。かくして、ロック穴218は、ロックアーム610と協働して、扉体300を閉塞位置でロックすることとなる。
制御回路部510の制御下で、ロック箱642が中間位置へ移動された後、使用者が取手部700の第2片720を握持し、第1片710が制限面329に接近するように取手部700を回動させると、ロックアーム610の先端部612は解除位置へ向かう。このとき、ロックアーム610の先端部612はロック箱642の内面に当接し、ロック箱642は許可位置へ移動する。その後、扉体300を開放位置へ回動させると、ロックアーム610及び検知アーム810は、ロック穴218及び検知穴219それぞれから脱出する。かくして、ロック機構600のロックアーム610は、制限面329に接近する第1片710の回動と連動して、閉塞位置における扉体300に対するロックを解除することができる。
(検知部)
図14は、扉体300の位置を検知するための検知部の概略的なブロック図である。図14と併せて、図1、図3及び図13を参照しつつ、検知部が説明される。
検知部800は、ロック箱642(即ち、検知穴219)内の検知アーム810の存否を検知する第1検知素子820を備える。第1検知素子820は、ロック箱642に取り付けられた透過型光センサ、押しボタン式のスイッチ素子やロック箱642内の検知アーム810の存否を検知することが可能な任意の素子であってもよい。第1検知素子820として透過型光センサが用いられる場合には、ロック制御ユニット640内に挿入された検知アーム810によって光センサの光路が遮られることにより、ロック箱642内に挿入された検知アーム810が検知される。第1検知素子820として押しボタン式のスイッチ素子が用いられる場合には、ロック制御ユニット640内に挿入された検知アーム810がスイッチ素子を押圧することにより、ロック箱642内に挿入された検知アーム810が検知される。
検知部800は、ロック箱642(即ち、ロック穴218)内のロックアーム610の存否を検知する第2検知素子830を備える。第2検知素子830は、ロック箱642に取り付けられた透過型光センサ、押しボタン式のスイッチ素子やロック箱642内のロックアーム610の存否を検知することが可能な任意の素子であってもよい。第2検知素子830として透過型光センサが用いられる場合には、ロック制御ユニット640内に挿入されたロックアーム610によって光センサの光路が遮られることにより、ロック箱642内に挿入されたロックアーム610が検知される。第2検知素子830として押しボタン式のスイッチ素子が用いられる場合には、ロック制御ユニット640内に挿入されたロックアーム610がスイッチ素子を押圧することにより、ロック箱642内に挿入されたロックアーム610が検知される。
図3に示される制御回路部510は、検知部800の一部として用いられてもよい。制御回路部510は、判定部511及び制御部512を備える。判定部511には、第1検知素子820及び第2検知素子830からの検知信号が入力される。また、判定部511に操作パネル500に入力された操作情報が出力されてもよい。判定部511は、第1検知素子820及び第2検知素子830からの検知信号に基づき、扉体300の状態を判定するとともに、判定結果を制御部512に出力する。
検知部800は、扉体300に異常(例えば、ロック機構600の破損)が存することを使用者に知らせるための警告部840を備えてもよい。警告部840として、例えば、扉体300の異常を音で知らせるブザーや扉体300の異常を光で知らせるランプが用いられてもよい。制御部512は、判定部511が扉体300に異常があることを判定すると、制御部512は扉体300の異常に関する情報を含む信号を警告部840に出力する。その後、警告部840は、扉体300の異常を使用者に知らせる。判定部511は更に、扉体300の位置(閉塞位置又は開放位置)に関する判定結果を制御部512に出力する。制御部512は、扉体300が閉塞位置に存するとき、使用者による操作パネル500(図1参照)に従って、洗濯乾燥槽110を回転させるモータ113に作動信号を出力し、モータ113を回転させる。一方、制御部512は、扉体300が開放位置に存するとき、使用者による操作パネル500(図1参照)に拘わらず、洗濯乾燥槽110を回転させるモータ113に作動信号を出力しない。かくして、扉体300が開放位置に存する間の洗濯乾燥槽110の回転が制止される。加えて、扉体300が開放位置に存するときにおいて、使用者が洗濯乾燥槽110を回転させるための操作を操作パネル500に行ったときには、警告部840に扉体300が開放位置にあることを表す信号を出力してもよい。この結果、警告部840は使用者に扉体300が開放位置に存することを通知するための音や光を出力する。
図15は、検知部800の動作を概略的に例示するフローチャートである。図13乃至図15を参照しつつ、検知部800の動作が説明される。
使用者は、操作パネル500を通じて、洗濯乾燥機100に所望の動作をさせるための操作情報を入力する(S100)。判定部511は、第1検知素子820からの検知信号に基づき、扉体300の位置を判定する(S110)。第1検知素子820からの検知信号が、検知アーム810がロック箱642内に存することを表す情報を含むとき、判定部511は、扉体300が閉塞位置に存すると判定する。第1検知素子820からの検知信号が、検知アーム810がロック箱642内に存在しないことを表す情報を含むとき、判定部511は、扉体300が開放位置に存すると判定する。
扉体300が閉塞位置に存すると判定した後、判定部511は、操作パネル500に入力された操作情報が洗濯乾燥槽110の回転を要求する情報を含むか否かを判定する(S120)。判定部511が操作パネル500に入力された操作情報が洗濯乾燥槽110の回転を要求する情報を含むと判定すると、制御部512は、当該判定結果に基づき、モータ113を作動させ、操作情報に従って、洗濯乾燥槽110を回転させる(S130)。判定部511が操作パネル500に入力された操作情報が洗濯乾燥槽110の回転を要求する情報を含んでいないと判定すると、制御部512は、操作情報に従って、洗濯乾燥槽110の回転以外の動作を洗濯乾燥機100に実行させるための制御を行う(S140)。
扉体300が開放位置に存すると判定した後、判定部511は、第2検知素子830からの検知信号が、ロックアーム610がロック箱642内に存することを表す情報を含むか否かを判定する(S150)。第2検知素子830からの検知信号が、ロックアーム610がロック箱642内に存在していないことを表すとき、判定部511は、操作パネル500に入力された操作情報が洗濯乾燥槽110の回転を要求する情報を含むか否かを判定する(S160)。判定部511が操作パネル500に入力された操作情報が洗濯乾燥槽110の回転を要求する情報を含んでいないと判定すると、制御部512は、操作情報に従って、洗濯乾燥槽110の回転以外の動作を洗濯乾燥機100に実行させるための制御を行う(S140)。判定部511が操作パネル500に入力された操作情報が洗濯乾燥槽110の回転を要求する情報を含むと判定すると、制御部512は、洗濯乾燥槽110を回転させる代わりに、扉体300が開放位置に存することを表す情報を含む信号を警告部840に出力する。その後、警告部840は、扉体300が開放位置に存することを使用者に通知し、使用者が扉体300を閉塞位置に回動することを促す(S170)。判定部511は、再度、扉体300の位置を判定する(S110)。
第2検知素子830からの検知信号が、ロックアーム610がロック箱642内に存在していることを表すとの判定結果を判定部511が出力すると、制御部512は、ロック機構600が破損したことを表す情報を含む信号を警告部840に出力する。その後、警告部840は、ロック機構600の破損を使用者に通知する(S180)。この結果、ロック機構600の交換が促される。
(扉体と筐体との間の接続構造)
図16及び図17は、扉体300と筐体200との間の接続部の概略的な拡大図である。図16に示される扉体300は閉塞位置に存する。図17に示される扉体300は開放位置に存する。図16及び図17を参照しつつ、扉体300と筐体200との間の接続構造が説明される。
上述の如く、扉体300は、蝶番構造400を介して、筐体200に接続される。蝶番構造400の第1接続部材410は亜鉛合金製であり、筐体200の接続面216に接続される。第2接続部材420は亜鉛メッキ鋼板を折り曲げおよびしぼり加工で成型しており剛性が高く、取付リング321に接続される。第1接続部材410から第2接続部材420に向けて突出するアーム片430は、第1接続部材410及び/又は接続面216から離間した位置で支軸部440を支持する。ステンレス製の支持軸440は、凹面214によって形成される凹領域から突出した位置で保持される。カバーディスク322の外縁及びエッジリング323は、支軸部440を部分的に取り囲むように形成された湾曲縁部338を形成する。
第2接続部材420の外縁423は扉体300の回動により回動し、外縁423はアーム片430の受け縁433に当接することにより扉体300の回動を制限する。また、アーム430の外縁は、扉体300の回動に伴い先端部339が入り込めるよう湾曲縁431を有する。湾曲縁431は、図16に示される如く、閉塞位置に存する扉体300の中心方向に向けて湾曲する(即ち、対向面217から離間する方向へ湾曲する)。扉体300が開放位置へ回動されると、湾曲縁部338の先端部339は、湾曲縁431に入り込む。尚、本実施形態において、湾曲縁部338の先端部339は樹脂製であり、エッジリング323の縁部に相当する。かくして、外縁423はアーム片430の受け縁433に当接することにより閉塞位置から回動された扉体300の回動を制限し、開放位置を所定の位置に規定する。
図16に示される如く、扉体300が閉塞位置に存するとき、湾曲縁部338の先端部339は、主壁212の左右側縁における隆起した土手部221を形成する対向面217とアーム片430との間に位置する。湾曲縁部338の先端部339と対向面217との間の距離(最短距離)は、5mm以下であることが好ましい。したがって、アーム片430と対向面217との間の空隙幅は、湾曲縁部338の先端部339によって狭められることとなる。また、湾曲縁部338の先端部339は、凹面214によって形成される凹領域に入り込み、支軸部440よりも、接続面216に沿う仮想平面Pに対して近接した位置に存する。
図16及び図17に示される如く、アーム片430の湾曲縁431は、対向面217との間で、湾曲縁部338の先端部339が移動するための空間Rを形成する。扉体300が閉塞位置と開放位置との間で回動するとき、湾曲縁部338の先端部339は、空間R内で移動する。開放位置から閉塞位置へ扉体300が回動されるとき、湾曲縁部338の先端部339は、湾曲縁431に向けて円弧軌跡を描きながら移動する。扉体300が開放位置に到達したとき、湾曲縁部338の先端部339は、湾曲縁431に当接しない。これにより、扉体300が開放位置に到達したとき、樹脂製の先端部339が金属性の湾曲縁431に当接して破損するおそれがない。本実施形態において、湾曲縁部338の先端部339は、扉体300が閉塞位置から90°回動した後でも(例えば、閉塞位置から105°回転したときに)、湾曲縁431に当接せず、第2接続部材420の外縁423がアーム片430の受け縁433に当接することにより扉体300の回動を制限する。
図2及び図5を再度参照しつつ、扉体300と筐体200との間の接続が更に説明される。
図2には、鉛直線Vと、鉛直線Vから角度θだけ傾斜した傾斜線Lが示されている。また、図2には更に、筐体200に形成された開口部215の中心を通過する鉛直線V0が示されている。傾斜線Lは、筐体200に取り付けられた蝶番構造400の支軸部440の中心軸を通過する仮想線である。
図5に示される如く、支軸部440は、第1端部441と第1端部441に対して反対側の第2端部442とを含む。図2に示される傾斜線L上において、第1端部441は第2端部442よりも上方に位置する。また、図2に示される傾斜線L上において、第2端部442は、鉛直線V0に対して、第1端部441よりも近接した位置に配設される。かくして、開放位置に存する扉体300は、重力作用によって、開放位置を維持し続けようとする。
図2に示される如く、蝶番構造400の第1接続部材410は、例えば、ビス411(或いは、第1接続部材410を接続面216に取り付けるために適切な他の固定具)を用いて接続面216に固定される。したがって、接続面216には、接続面216に対して略直角方向に延びる取付穴が形成される。当該取付穴の位置は、閉塞位置から90°回動された扉体300の押さえリング324から突出する窓部310が取付穴の中心軸線(接続面216に対して略直角方向に延びる仮想線)上に位置しないように定められることが好ましい。かくして、窓部310に邪魔されることなく、扉体300は適切に筐体200に接続されることとなる。
図18は、左開き用の扉体の概略的な展開斜視図である。尚、図1乃至図17に関連して説明された洗濯乾燥機100は、右開き用の扉体300を備えている。図18と図5とを比較しつつ、左開き用の扉体が説明される。
アーム片430並びにアーム片430に支持される支軸部440は、第1接続部材410が描く円弧の略中心位置に形成されることが好ましい。かくして、左開き用の扉体300Aは、取付リング321Aを除く部品を右開き用の扉体300と共通化することが可能となる。