JP5583363B2 - ワイヤグリッド偏光板及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ワイヤグリッド偏光板に皮膜層を有することで耐久性を向上させ、かつ、樹脂基材のカールが少ないワイヤグリッド偏光板及びその製造方法に関する。
近年のフォトリソグラフィー技術の発達により、光の波長レベルのピッチを有する微細構造パターンを形成することができるようになってきた。この様に非常に小さいピッチのパターンを有する部材や製品は、半導体分野だけでなく、光学分野において利用範囲が広く有用である。
例えば、金属などで構成された導電体線が特定のピッチで格子状に配列してなるワイヤグリッドは、そのピッチが入射光に比べてかなり小さいピッチ(例えば、2分の1以下)であれば、導電体線に対して平行に振動する電場ベクトル成分の光をほとんど反射し、導電体線に対して垂直な電場ベクトル成分の光をほとんど透過させるため、単一偏光を作り出す偏光板として使用できる。ワイヤグリッド偏光板は、透過しない光を反射し再利用することができるので、光の有効利用の観点からも望ましいものである。
ところが、ワイヤグリッド偏光板はその構造から、金属表面と空気中の水分との反応による酸化劣化を引き起こしやすいという問題がある。この酸化劣化による性能低下を防ぐ為に金属ワイヤグリッド面をアミノホスホネートで被覆する方法が知られている(特許文献1)。
特表2006−507517号公報
しかしながら、特許文献1に開示された方法を樹脂基材の偏光板に用いた場合、高温の水中に長時間浸漬する為に、吸水してカールしてしまうという問題があった。また、同じ理由から、アミノホスホネートの被覆前後で透過率、偏光度の低下が生じていた。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、長期間に亘って透過率、偏光度の低下を抑制できる耐久性に優れたワイヤグリッド偏光板及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らが鋭意検討した結果、金属ワイヤグリッド面にリン原子、酸素原子、炭素原子、及び水素原子を含む皮膜層を形成することによって、耐久性に優れ、かつ、基材が樹脂の場合でも、基材特有の屈曲性を有したまま、基材のカールが少ないワイヤグリッド偏光板を作製することに成功した。すなわち、本発明は、以下に示すものである。
本発明のワイヤグリッド偏光板は、樹脂基材と、前記樹脂基材上に形成された金属ワイヤと、前記金属ワイヤを被覆する皮膜層と、を具備するワイヤグリッド偏光板であって、前記皮膜層が2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸、及びヒドロキシエチリデン二リン酸からなる群から選択される少なくとも1つのリン酸化合物を含み、前記皮膜層のリンの相対元素濃度は、X線光電子分光法により0〜1100eVの間で検出されたすべての元素(P、C、O、Al、Si、N、Na)に対して0.3%以上3.5%以下であることを特徴とする。
また本発明のワイヤグリッド偏光板は、樹脂基材と、前記樹脂基材上に形成された金属ワイヤと、前記金属ワイヤを被覆する皮膜層と、を具備するワイヤグリッド偏光板であって、前記皮膜層が2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸、及びヒドロキシエチリデン二リン酸からなる群から選択される少なくとも1つのリン酸化合物を含み、前記金属ワイヤの主成分がアルミニウムであり、前記金属ワイヤと前記皮膜層との間の界面層のアルミニウムとリンとの比率[(P/Al)×100%]が5%以上30%以下であることを特徴とする。このとき、前記皮膜層のリンの相対元素濃度は、X線光電子分光法により0〜1100eVの間で検出されたすべての元素(P、C、O、Al、Si、N、Na)に対して0.3%以上3.5%以下であることが好ましい。
本発明のワイヤグリッド偏光板においては、前記皮膜層と前記金属ワイヤの間に、Al−O−Pの結合基を有することが好ましい。
本発明のワイヤグリッド偏光板においては、前記皮膜層が、前記リン酸化合物の水酸基と、前記金属ワイヤ表面に存在する水酸基と、が脱水縮合した結合を有することが好ましい。
本発明のワイヤグリッド偏光板においては、前記金属ワイヤのピッチ幅が150nm以下であることが好ましい。
本発明のワイヤグリッド偏光板においては、前記皮膜層の厚みが50nm以下であることが好ましい。
本発明のワイヤグリッド偏光板の製造方法は、(a)金属ワイヤ表面の酸化皮膜層を酸やアルカリなどの処理液を用いて除去し、その後水洗する工程、(b)2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸、及びヒドロキシエチリデン二リン酸からなる群から選択される少なくとも1つのリン酸化合物を溶媒に溶解したリン酸化合物溶液にワイヤグリッド偏光板を浸漬し、リン酸化合物溶液から取り出す工程、(c)金属ワイヤ表面に付着した余分なリン酸化合物溶液を除去するため、化合物に応じて適宜選択される溶媒に浸漬して除去する工程、を含み、前記皮膜層のリンの相対元素濃度を、X線光電子分光法により0〜1100eVの間で検出されたすべての元素(P、C、O、Al、Si、N、Na)に対して0.3%以上3.5%以下とすることを特徴とする。
また本発明のワイヤグリッド偏光板の製造方法は、(a)金属ワイヤ表面の酸化皮膜層を酸やアルカリなどの処理液を用いて除去し、その後水洗する工程、(b)2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸、及びヒドロキシエチリデン二リン酸からなる群から選択される少なくとも1つのリン酸化合物を溶媒に溶解したリン酸化合物溶液にワイヤグリッド偏光板を浸漬し、リン酸化合物溶液から取り出す工程、(c)金属ワイヤ表面に付着した余分なリン酸化合物溶液を除去するため、化合物に応じて適宜選択される溶媒に浸漬して除去する工程、を含み、前記金属ワイヤの主成分はアルミニウムであり、前記金属ワイヤと前記皮膜層との間の界面層のアルミニウムとリンとの比率[(P/Al)×100%]を5%以上30%以下とすることを特徴とする。このとき、前記皮膜層のリンの相対元素濃度を、X線光電子分光法により0〜1100eVの間で検出されたすべての元素(P、C、O、Al、Si、N、Na)に対して0.3%以上3.5%以下とすることが好ましい。
本発明では、前記(a)工程後、水が乾かないうちに前記(b)工程に移ることが好ましい
本発明のワイヤグリッド偏光板は、樹脂基材と、樹脂基材上に形成された金属ワイヤと、金属ワイヤを被覆する皮膜層と、を具備するワイヤグリッド偏光板であって、前記皮膜層がリン原子、酸素原子、炭素原子、及び水素原子とを含むので、長期間に亘って透過率、偏光度の低下を抑止できる耐久性に優れたワイヤグリッド偏光板を提供することができる。
本発明の実施の形態に係る2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸(PBTC)処理したワイヤグリッド偏光板とPBTC試薬のXPSスペクトルを示す図である。
以下、本発明のワイヤグリッド偏光板の各構成部位について説明する。
(1)樹脂基材
樹脂基板は、目的とする波長領域において実質的に透明であればよく、トリアセチルセルロース(TAC)樹脂を用いることもできるが、後述のリン酸化合物溶液に浸漬した際に、溶解や膨潤のしにくい樹脂基材を選択することが好ましい。このような樹脂基材としては、例えば、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、シクロオレフィン樹脂(COP)、架橋ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂などの非晶性熱可塑性樹脂や、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂などの結晶性熱可塑性樹脂や、アクリル系、エポキシ系、ウレタン系などの紫外線(UV)硬化性樹脂や熱硬化性樹脂などが挙げられる。また、紫外線硬化性樹脂や熱硬化性樹脂と、ガラスなどの無機基板、上記熱可塑性樹脂、トリアセテート樹脂とを組み合わせたり、単独で用いて基板を構成させることも出来る。
(2)金属ワイヤ
金属ワイヤは、樹脂基材上に略平行に延在するよう形成されるが、例えば、格子状凹凸形状を有する樹脂基材の凸部の少なくとも一方の側面に接した構成を有する。金属ワイヤに用いる金属としては、アルミニウム、銀、銅、白金、金またはこれらの各金属を主成分とする合金を使用することができるが、可視域での吸収損失が小さいことから、アルミニウムもしくは銀が好ましい。ワイヤを構成する金属の主成分は、ワイヤ成分のうち90質量%以上であることが好ましく、ワイヤ成分の不純物は、ワイヤ内およびワイヤ表面の自由電子の動きを妨げないために、不純物成分は金属あるいは半導体であることが好ましい。
(3)基板断面形状
金属ワイヤ層の延在方向に垂直な面内における基板の断面形状に制限はないが、透過偏光性能の観点から断面形状は特定方向に延在する格子状凹凸形状であることが好ましい。格子状凹凸形状としては、例えば、台形、矩形、方形、プリズム状や、半円状などの正弦波状などが挙げられる。ここで、正弦波状とは凹部と凸部の繰り返しからなる曲線部をもつことを意味する。なお、曲線部は湾曲した曲線であればよく、例えば、凸部にくびれがある形状も正弦波状に含める。透過率の観点から基板断面形状は矩形もしくは正弦波状であることが好ましい。
格子状凹凸形状を有する基板を用いる場合、その製造方法は特に限定されない。例えば、本出願人の出願の特許第4147247号公報に記載の方法を挙げることができる。特許第4147247号公報によれば、干渉露光法を用いて作製したピッチ230nmから250nmの格子状凸部がつくる凹凸格子を有する金属スタンパを用いて、凹凸格子を熱可塑性樹脂に熱転写し、凹凸格子を付与した熱可塑性樹脂を格子の長手方向と平行な方向に、延伸倍率が4倍から6倍の自由端一軸延伸加工を施す。その結果、前記熱可塑性樹脂に転写された凹凸格子のピッチが縮小され、ピッチが120nm以下の微細凹凸格子を有する樹脂基材(延伸済み)が得られる。続いて、得られた微細凹凸格子を有する樹脂基材(延伸済み)から、電解メッキ法などを用いて微細凹凸格子を有する金属スタンパを作製する。この金属スタンパを用いて、樹脂基材の表面にその微細凹凸格子を転写、形成することで、ピッチが120nm以下の格子状凸部を有する樹脂基材を得ることが可能となる。
(4)ピッチ幅
一般にワイヤグリッド偏光板は、金属ワイヤのピッチ幅が小さくなるほど幅広い帯域で偏光特性を示すことが出来るが、近赤外〜赤外領域のみの偏光特性を考慮する場合は、ピッチは300nm程度以下であればよく、400nm近傍以下の可視域短波長領域の偏光特性を重視しない場合は、ピッチは約150nm以下でよい。可視光領域全体に渡って十分な偏光特性を得る場合には、ピッチはおおよそ120nm以下であることが好ましく、より好ましくは80nm〜120nm程度である。
(5)金属ワイヤ形成方法
金属ワイヤの製造方法においては特に制限は無い。電子線リソグラフィ法或いは干渉露光法によるマスクパターンニングとドライエッチングを用いて作製する方法や、真空下での斜め蒸着法(真空蒸着法)による作製などが挙げられるが、格子状凹凸形状を有する樹脂基材の凸部の側面に効率的に形成するという観点から斜め真空蒸着法が好ましい。また、光学特性の観点から、不要な金属はエッチングにより除去することが好ましい。エッチング方法は、基板や誘電体層に悪影響を及ぼさず、金属部分が選択的に除去できる方法であれば特に限定は無いが、生産性の観点から酸・アルカリ性の水溶液に浸漬させる方法が好ましい。特に水酸化ナトリウム水溶液は基板や誘電体層への影響が少なく、かつ、アルミニウムの選択的除去に適しており、好ましい。
(6)皮膜層
金属ワイヤ上にリン酸化合物の皮膜層が形成される。皮膜層中のリンの相対元素濃度は0〜1100eVの間で検出されたすべての元素(P、C、O、Al、Si、N、Na)に占めるリンの相対元素濃度により算出するが、皮膜層のリンの相対元素濃度が、0.3%以上3.5%以下であれば、高い耐久性を示すため好ましく、1.0%以上3.0%以下であればさらに高い耐久性を示すため好ましい。皮膜層の中の金属ワイヤの表面付近(金属ワイヤと皮膜層の間)には、リン原子と、酸素原子と、炭素原子と、水素原子と、を含む界面層が存在しており、この界面層を有することで、ワイヤグリッド偏光板は、特に高い耐久性を有する。この界面層のAlとリンの比率(P/Al×100%)は、1%以上、より好ましくは5%以上30%以下であることが好ましい。なお、このAlとリンの比率はXPSもしくはSIMSなどにより測定が可能である。中でもこの界面層は、Al−O−Pの結合基を有することが、ワイヤグリッド偏光板の耐久性の面から好ましい。
また、Al−O−Pの結合基を有する皮膜層を形成するために、皮膜層にリン酸化合物を含有することが好ましい。さらに、リン酸化合物を含有する皮膜層は、前記リン酸化合物の水酸基と、前記金属ワイヤ層表面に存在する水酸基と、が脱水縮合した結合を有することがより好ましい。リン酸化合物を用いることで、金属ワイヤ層の表面がより活性化され、表面に露出する水酸基が増加することにより、より低温、短時間で強固な保護膜を形成することが可能となる。リン酸化合物としては、具体的には、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸、及びヒドロキシエチリデン二リン酸からなる群から選択される少なくとも1つのリン酸化合物であることが特に好ましい。
皮膜層の形成前後での透過率差を1%以下に抑えるために、皮膜層の厚みは20nm以下が好ましく、より好ましくは10nm以下である。さらに5nm以下であれば、光学特性にほぼ影響を与えなくなるため、より好ましい。また、1nm以上であれば、ワイヤグリッド偏光板に、熱水耐性、耐湿熱性を付与することができるため、好ましい。
具体的には、ピッチ150nm以下の微細構造においても20nm以下の極めて薄い厚みで均一に被覆できる、また、アルミニウムを主成分とする金属に被覆した際の偏光度と透過率の低下が極めて少なく、また、熱水耐性、耐湿熱性を示す理由から、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸、及びヒドロキシエチリデン二リン酸からなる群から選択される少なくとも1つのリン酸化合物であることが好ましい。
(7)皮膜層形成方法
皮膜層の形成方法に限定は無いが、簡易な工程で形成する方法としては、次の(a)〜(d)の工程を順に用いることで皮膜層を形成することができる。次の(a)〜(d)の工程は、(a)〜(c)の工程までで完了させることもできるが、(d)の工程を経ることが、耐久性の面から好ましい。
(a)金属ワイヤ表面の酸化皮膜層を酸やアルカリなどの処理液を用いて除去し、その後水洗する工程(以下、「活性化工程」とする。)、(b)リン酸化合物を溶媒に溶解したリン酸化合物溶液にワイヤグリッド偏光板を浸漬し、リン酸化合物溶液から取り出す工程(以下、「皮膜層形成工程」とする。)、(c)金属ワイヤ表面に付着した余分なリン酸化合物溶液を除去するため、化合物に応じて適宜選択される溶媒に浸漬して除去する工程(以下、「除去工程」とする。)、(d)リン酸化合物の皮膜が形成されたワイヤグリッド偏光板を高温の水中に浸漬することで、金属表面とリン酸化合物の結合をより強固なものとする工程(以下、「固定化工程」とする。)。
以下、(a)〜(d)の工程について具体的に説明する。
(a)活性化工程
ワイヤグリッド偏光板をリン酸化合物溶液に浸漬する前に、金属ワイヤ表面の酸化皮膜層を酸やアルカリなどの処理液を用いて除去し、その後水洗する。ここで、活性化後の金属表面に酸化皮膜が再形成されるのを抑えるために、活性化後はワイヤグリッド偏光板表面の処理液または水が乾かないうちに次の工程である、皮膜層形成工程に移ることが好ましい。具体的には、水洗からリン酸化合物溶液への浸漬までの時間は、180秒以内、より好ましくは60秒分以内である。60秒以内であれば、いかなる時間(たとえば5秒、10秒、30秒など)でも金属ワイヤ上にリン酸化合物の皮膜が形成され、保護効果は発揮される。この活性化の工程は上記金属ワイヤのエッチング工程に引き続きまたは並行して行うことが工程数削減の観点から好ましい。
また、活性化工程から次の皮膜層形成工程までのワイヤグリッド偏光板周辺の雰囲気温度は、ワイヤグリッド偏光板表面の処理液が金属、特にアルミニウムを腐食しないことから60℃以下であることが好ましい。
(b)皮膜層形成工程
リン酸化合物を溶媒に溶解したリン酸化合物溶液にワイヤグリッド偏光板を浸漬し、リン酸化合物溶液から取り出すにあたり、用いるリン酸化合物溶液は環境負荷やコストの面から水溶性のものが好ましく、同様の理由から溶媒も水であることが好ましい。処理液の温度はアルミニウムを侵食しないこと、および樹脂基材への水の浸透を避ける観点から、60℃以下であることが好ましい。また、アルミニウム表面とリン酸化合物の化学結合の反応促進を促進するためには処理液の温度は15℃以上、より好ましくは20℃以上であることが好ましい。20℃以上であれば、10秒といった短時間でも耐腐食性に優れた皮膜層を形成することができる。また、リン酸化合物の濃度は、皮膜層を形成するために0.01体積%以上、より好ましくは0.1体積%以上であることが好ましい。また、処理液のpHは、任意の酸、アルカリにより調整することができる。
(c)除去工程
金属ワイヤ表面に付着した余分なリン酸化合物溶液を除去するため、化合物に応じて適宜選択される溶媒に浸漬して除去するが、皮膜層形成後は水などによるリンスで、余剰なリン酸化合物やpH調整に用いた酸、アルカリを洗い流すことができる。この際のリンス液のpHは10以下であることが好ましい。また、水洗時間は1秒〜10秒の間であることが好ましい。pHが10を超えるとアルミニウム表面に形成された皮膜が部分的に剥がれてしまう。
(d)固定化工程
リン酸化合物の皮膜が形成されたワイヤグリッド偏光板を高温の水中に浸漬することで、金属表面とリン酸化合物の結合をより強固なものとすることができる。具体的には60℃以上、より好ましくは80℃以上で1分以上60分以下、より好ましくは0.5分以上10分以下の条件で固定化すると好適な皮膜層が得られる。
(8)誘電体層
樹脂基板を構成する材料と金属ワイヤとの密着性向上の為に、両者の間に両者と密着性の高い誘電体材料を好適に用いることができる。例えば、珪素(Si)の酸化物、窒化物、ハロゲン化物、炭化物の単体又はその複合物(誘電体単体に他の元素、単体又は化合物が混じった誘電体)や、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、イットリウム(Y)、ジルコニア(Zr)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、バリウム(Ba)、インジウム(In)、錫(Sn)、亜鉛(Zn)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、セリウム(Ce)、銅(Cu)などの金属の酸化物、窒化物、ハロゲン化物、炭化物の単体又はそれらの複合物を用いることができる。誘電体材料は、透過偏光性能を得ようとする波長領域において実質的に透明であることが好ましい。誘電体材料の積層方法には特に限定は無く、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの物理的蒸着法を好適に用いることができる。
(9)ワイヤグリッドの光学性能
ワイヤグリッド偏光板の透過性能を損なわない為には、金属ワイヤ表面への皮膜層形成後の透過率の低下は1.0%以下であることが好ましい。人間の視認による光学特性の識別が実質的に不可能であることから透過率の低下は0.5%以下であるとこがより好ましい。
また、ワイヤグリッド偏光板の偏光性能を損なわない為に、金属ワイヤ表面への皮膜層形成後の偏光度の低下は0.2%以下であることが好ましい。人間の視認による光学特性の識別が実質的に不可能であることから偏光度の低下は0.1%以下であることがより好ましい。
以下本発明の効果を明確にするために行った実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。まず、測定に用いた分析法について説明する。
(透過率、偏光度の評価)
偏光度と光線透過率の測定には偏光フィルム評価装置(日本分光社製、V7000)を用い、23℃、65%RHの条件で行った。また、偏光度、光線透過率は下記式より算出した。Imaxは直線偏光に対する平行ニコル、Iminは直行ニコル状態での透過光強度である。尚、光線透過率T(θ)は、入射光角度θの光線透過率を示す。
偏光度(%)=[(Imax−Imin)/(Imax+Imin)]×100%
光線透過率(T(θ))(%)=[(Imax+Imin)/2]×100%
(皮膜層と金属ワイヤ間の化学結合状態の解析)
リン酸化合物と金属表面との結合状態を解析するために、XPSによる表面解析を実施した。解析装置としては、サーモフィッシャーサイエンティフィック社製のESCALAB250を用いた。
(金属ワイヤの組成解析)
皮膜層が形成されていない金属ワイヤの組成分析を誘導結合プラズマ分光法によりおこなった。具体的には、ワイヤグリッド偏光板のアルミニウム細線を0.1wt%の水酸化ナトリウム水溶液で完全に溶解し、測定に用いた。また、水酸化ナトリウム水溶液中のみでも組成分析を実施し、アルミニウム溶解前のバックグラウンドとして使用した。
(実施例1)
(ワイヤグリッド偏光板の作成)
・紫外線硬化樹脂を用いた格子状凹凸形状転写フィルムの作製
格子状凹凸形状転写フィルムの作製には、金属スタンパとしてNi製金型(以下金型A)を用いた。金型Aはピッチ幅130nmの格子状凹凸形状を有し、格子の延在する方向に垂直な断面における凹凸形状が略正弦波状であった。厚み100μmのCOPフィルム(JSR社製 ARTON−G)にアクリル系紫外線硬化樹脂(屈折率1.52)を約3μm塗布し、塗布面を下にし、金型AとCOPフィルム間に空気が入らないように乗せた。COPフィルム側から中心波長365nmの紫外線ランプを用いて紫外線を1000mJ/cm照射し、金型Aの格子状凹凸形状を転写した。COPフィルムを金型から剥離し、縦300mm、横200mmの格子状凹凸形状を転写したフィルムを作製した。(以下、これを転写フィルムAという)。
・スパッタリング法を用いた誘電体層の形成
次に転写フィルムAの格子状凹凸形状転写表面に、スパッタリング法により誘電体層として窒化珪素を成膜した。スパッタリング装置条件は、Arガス圧力0.2Pa、スパッタリングパワー770W/cm、被覆速度0.1nm/sとし、転写フィルム上の誘電体厚みが平膜換算で3nmとなるように成膜した。
・真空蒸着法を用いた金属の蒸着
次に誘電体層を成膜した転写フィルムAの格子状凹凸形状転写表面に、真空蒸着によりアルミニウム(Al)を成膜した。Alの蒸着条件は、常温下、真空度2.0×10−3Pa、蒸着速度4nm/sとした。Alは純度99.99%以上のものを用いた。Alの厚みを測定するため表面が平滑なガラス基板を転写フィルムと同時に装置に挿入し、平滑ガラス基板上のAl厚みをAl平均厚みとした。格子の長手方向と垂直に交わる平面内において基材面の法線と蒸着源のなす角度を蒸着角θと定義し、今回全ての転写フィルムで蒸着角θを20°、Al平均厚み120nmとして蒸着させた。ここでいう平均厚みとは、平滑ガラス基板上にガラス面に垂直方向から物質を蒸着させたと仮定した時の蒸着物の厚みのことを指し、蒸着量の目安として使用している。
・エッチングと金属表面の活性化
次に不要Alの除去と、リン酸化合物との親和性を高める表面の活性化を目的として、Alを蒸着した転写フィルムAをアルカリ水溶液に浸漬し、Alのエッチングをした。Alのエッチングとしては、Al蒸着した各転写フィルムを室温下で、0.1質量%水酸化ナトリウム水溶液に60秒間浸漬し、その後すぐに水洗した。ここで得られたフィルムを、以後、未処理ワイヤグリッド偏光フィルムと呼ぶ。
・リン酸化合物皮膜層の形成、および余分な皮膜層の除去
水洗後、ワイヤグリッド偏光板表面のアルミニウムが水で濡れた状態を維持し、10秒後に濃度0.2vol%、液温20℃の、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸(PBTC)の水溶液に1分間浸漬し、ついで5秒間水洗後、エアブローにより乾燥した。このPBTC水溶液のpHは2.2であった。ここで得られたフィルムを以後、固定化前高耐久ワイヤグリッド偏光フィルムと呼ぶ。
(実施例2)
・皮膜層の固定化
実施例1で得られた固定化前高耐久ワイヤグリッド偏光フィルムを乾燥後、アルミニウム表面にPBTCを固定化させるため、このワイヤグリッド偏光フィルムを90℃の純水に1分間入れた。(ここで得られたフィルムを固定化後高耐久ワイヤグリッド偏光フィルムAとよぶ。)リン酸化合物皮膜の厚みを観察する目的で、FE−SEMの観察を実施した。その結果、皮膜層の厚みは1nm〜5nmであり、大部分は2nm〜3nmのほぼ均一な膜であった。
(実施例3)
樹脂基材をトリアセチルセルロース(TAC)フィルム(富士フイルム社製TD80−UL)とした以外は、実施例1、実施例2と同様の手順でアルミニウム表面にPBTCが被覆された固定化後高耐久変更ワイヤグリッド偏光フィルムBを作成した。
(比較例1)
未処理ワイヤグリッド偏光フィルムを比較例1とした。
(比較例2)
エッチングの後の水洗工程のあと、ワイヤグリッド偏光フィルム表面の水分をエアブローにて吹き飛ばした。その後、22℃、45%RHの室温に10分間放置したのち、リン酸化合物皮膜層の形成と固定化を行ったサンプルを比較例2とする。
(比較例3)
・酸化ケイ素(SiOx)による皮膜層の形成
未処理ワイヤグリッド偏光フィルムと同様の方法で製造したワイヤグリッド偏光フィルムに対しスパッタリング法を用いて酸化ケイ素を被覆した。スパッタリングは、放電ガスにアルゴンを使用し、ガス流量10sccm、スパッタ時真空度0.5Pa、スパッタリングパワー770Wの条件で、酸化ケイ素厚みが平膜換算で30nmとなるまで行った。この酸化ケイ素被覆後のワイヤグリッド偏光フィルムを比較例3とした。
(熱水浸漬試験前、及び恒温恒湿試験前の光学特性の評価)
実施例1〜実施例3および比較例1〜比較例3で作成したワイヤグリッド偏光フィルムの透過率と偏光度を測定した。その結果を表1に示す。実施例1〜実施例3および比較例1、比較例2の光学特性は実質的に同じとみなせ、皮膜層形成の工程や固定化の工程を行っても、ワイヤグリッド偏光フィルムの光学特性がほとんど低下しないことが解った。一方、比較例3においては、実施例1〜実施例3および比較例1、比較例2に比較して皮膜形成時に透過率および偏光度が低下した。これは保護膜の厚みが30nmと厚いためであると考えられる。
(耐久性の評価1:熱水浸漬による熱水耐性の評価(熱水浸漬試験後の評価))
実施例1〜実施例3および比較例1〜比較例3のワイヤグリッド偏光フィルムを80℃の純水に10分間浸漬し、透過率と偏光度を測定した。その結果を表1に示す。また、熱水浸漬試験前と試験後の変化率も合わせて示した。比較例1、比較例2は透明化してしまい、評価できなかった。
(耐久性の評価2:恒温恒湿試験による耐湿熱性の評価(恒温恒湿試験後の評価))
実施例1〜実施例3および比較例1〜比較例3のワイヤグリッド偏光フィルムを85℃、85%RHの恒温恒湿試験機(楠本化成社製 FX406C)に投入し1000時間経過後の透過率と偏光度を測定し、表1に示した。
(化学結合状態の解析)
実施例1〜実施例3および比較例1、比較例2のワイヤグリッド偏光フィルムの皮膜層と、PBTC水溶液を真空乾燥し固体状態としたものの化学結合状態をX線光電子分光法(XPS)により解析した。装置はサーモフィッシャーサイエンティフィック社製のESCALAB250を用い、励起源には出力15kV×10mAのアルミニウムのKα線を用いた。皮膜の量は0〜1100eVの間で検出されたすべての元素(P、C、O、Al、Si、N、Na)に占めるリンの相対元素濃度から、また、化学結合状態はリンの2p軌道の化学シフトから、それぞれ評価した。その結果を図1及び表2に示す。
図1及び表2から分かるとおり、熱水耐性や耐湿熱性が高いものほどリンの相対元素濃度が高い。また、アルミニウム表面のPBTCのリンの2p軌道のピークは133.2eVにあり、固形PBTCのピーク(132.8eV)と異なり、リンの化学結合状態が変わっている(イオン結合から共有結合にシフトしている)ことがわかった。このことより、Al−O−Pの結合が形成されているといえる。なお、図1において、WGF(ワイヤグリッド偏光板:PBTC処理)のバックグラウンドがうねっているのは、Alの影響による。
また、図1の点線に示す固形PBTC試薬のリンの2p軌道のピーク(半値幅2eV)よりも図1の実線に示すWGFの皮膜層のリンの2p軌道のピーク(半値幅2.5eV〜2.7eV)はブロードで、アルミニウム表面のPBTCのリンはAl−O−Pの結合以外にも、様々な結合形態をもつことが示唆された。例えば、リン酸基の水酸基のうち、ひとつがアルミニウム表面と結合しているものと、ふたつが結合しているものなどが混在していると考えられる。
(金属ワイヤの組成分析)
ICPにより比較例1のアルミニウム細線の組成分析を行ったところ、アルミニウム以外の元素は検出限界の0.01atomic%以下であった。
(カールの評価)
実施例1〜実施例3及び比較例1〜比較例3で得たワイヤグリッド偏光フィルムを縦100mm、横100mmで切り出し、カール度合いを測定した。カール度合いは、20℃、55%相対湿度の環境下で平滑で水平な台の上に24時間静置した後の頂点と底面の高さの差をもって評価した。実施例1、2、および比較例1〜3においては樹脂基材の吸水性が低いため、大きなカールは無く、高さの差は1mm以下であり、皮膜層形成後で基のカールが極めて小さかった。一方、実施例3においては樹脂基材の吸水性が高いため、若干の吸水膨張による変形が確認され、高さの差は約5mmであった。ここで、樹脂基材自体そのもののカールは0mmであった。
Figure 0005583363
Figure 0005583363
本発明のワイヤグリッド偏光板は、光学機器用途、医療機器用途、車載用途など、光学機器として、好適に利用できる。

Claims (11)

  1. 樹脂基材と、前記樹脂基材上に形成された金属ワイヤと、前記金属ワイヤを被覆する皮膜層と、を具備するワイヤグリッド偏光板であって、前記皮膜層が2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸、及びヒドロキシエチリデン二リン酸からなる群から選択される少なくとも1つのリン酸化合物を含み、
    前記皮膜層のリンの相対元素濃度は、X線光電子分光法により0〜1100eVの間で検出されたすべての元素(P、C、O、Al、Si、N、Na)に対して0.3%以上3.5%以下であることを特徴とするワイヤグリッド偏光板。
  2. 樹脂基材と、前記樹脂基材上に形成された金属ワイヤと、前記金属ワイヤを被覆する皮膜層と、を具備するワイヤグリッド偏光板であって、前記皮膜層が2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸、及びヒドロキシエチリデン二リン酸からなる群から選択される少なくとも1つのリン酸化合物を含み、
    前記金属ワイヤの主成分がアルミニウムであり、
    前記金属ワイヤと前記皮膜層との間の界面層のアルミニウムとリンとの比率[(P/Al)×100%]が5%以上30%以下であることを特徴とするイヤグリッド偏光板。
  3. 前記皮膜層のリンの相対元素濃度は、X線光電子分光法により0〜1100eVの間で検出されたすべての元素(P、C、O、Al、Si、N、Na)に対して0.3%以上3.5%以下であることを特徴とする請求項記載のワイヤグリッド偏光板。
  4. 前記皮膜層と前記金属ワイヤとの間に、Al−O−Pの結合基を有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のワイヤグリッド偏光板。
  5. 前記皮膜層が、前記リン酸化合物の水酸基と、前記金属ワイヤ表面に存在する水酸基と、が脱水縮合した結合を有することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のワイヤグリッド偏光板。
  6. 前記金属ワイヤのピッチ幅が150nm以下であることを特徴とする請求項1から請求項のいずれかに記載のワイヤグリッド偏光板。
  7. 前記皮膜層の厚みが50nm以下であることを特徴とする請求項1から請求項のいずれかに記載のワイヤグリッド偏光板。
  8. (a)金属ワイヤ表面の酸化皮膜層を酸やアルカリなどの処理液を用いて除去し、その後水洗する工程、(b)2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸、及びヒドロキシエチリデン二リン酸からなる群から選択される少なくとも1つのリン酸化合物を溶媒に溶解したリン酸化合物溶液にワイヤグリッド偏光板を浸漬し、リン酸化合物溶液から取り出す工程、(c)金属ワイヤ表面に付着した余分なリン酸化合物溶液を除去するため、化合物に応じて適宜選択される溶媒に浸漬して除去する工程、を含み、
    前記皮膜層のリンの相対元素濃度を、X線光電子分光法により0〜1100eVの間で検出されたすべての元素(P、C、O、Al、Si、N、Na)に対して0.3%以上3.5%以下とすることを特徴とするワイヤグリッド偏光板の製造方法。
  9. (a)金属ワイヤ表面の酸化皮膜層を酸やアルカリなどの処理液を用いて除去し、その後水洗する工程、(b)2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸、及びヒドロキシエチリデン二リン酸からなる群から選択される少なくとも1つのリン酸化合物を溶媒に溶解したリン酸化合物溶液にワイヤグリッド偏光板を浸漬し、リン酸化合物溶液から取り出す工程、(c)金属ワイヤ表面に付着した余分なリン酸化合物溶液を除去するため、化合物に応じて適宜選択される溶媒に浸漬して除去する工程、を含み、
    前記金属ワイヤの主成分はアルミニウムであり、前記金属ワイヤと前記皮膜層との間の界面層のアルミニウムとリンとの比率[(P/Al)×100%]を5%以上30%以下とすることを特徴とするイヤグリッド偏光板の製造方法。
  10. 前記皮膜層のリンの相対元素濃度を、X線光電子分光法により0〜1100eVの間で検出されたすべての元素(P、C、O、Al、Si、N、Na)に対して0.3%以上3.5%以下とすることを特徴とする請求項9載のワイヤグリッド偏光板の製造方法。
  11. 前記(a)工程後、水が乾かないうちに前記(b)工程に移ることを特徴とする請求項8から請求項10のいずれかに記載のワイヤグリッド偏光板の製造方法。
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