JP5582929B2 - 切断機 - Google Patents

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本発明は、丸鋸刃を回転させることで被切断物を切断するように構成された切断機に関し、特には、被切断物に沿わせる定盤下方からの丸鋸刃の突出量が調整可能に構成された切断機に関する。
従来から、木材や石膏ボード等の被切断物を切断する切断機として種々のものが提供されており、その一つとして、丸鋸刃で被切断物を切断する丸鋸が周知である。
丸鋸で切断可能な被切断物は、種々のものがあるが、工場や建築現場等で使用される材料(被切断物)には、規格で定められた使用頻度の高いものがある。このため、使用頻度の高い被切断物に対応した丸鋸刃の突出量(切込み深さ)に容易に調整できる切込み深さ調整機構が提案されている(例えば、特許文献1参照)
特開2009−248326号公報
上記特許文献1においては、定盤(特許文献1においてはベース体)と本体の相対回転により丸鋸刃の突出量(切込み深さ)の調整を行うが、定盤に取り付けられたガイドリンク(特許文献1においては延出体)に凹部を設け、本体にストッパー設け、定盤と本体の相対回転において、凹部にストッパーが当接する位置が所定の切込み深さ、すなわち、使用頻度の高い被切断物に対応した切込み深さになるように凹部とストッパーの位置関係を設定している。
ところが、工場や建築現場等においては、種々の被切断物を切断するため、種々の切込み深さに調整する必要がある。上述の構成においては、所定の切込み深さ以外の切込み深さに調整する場合、凹部にストッパーが当接しないように、操作者は、ストッパーの退避位置への切り替え操作を行う必要があり作業効率が低下していた。
本発明は、上述した課題の存在に鑑みてなされたものであって、その目的は、作業性良く種々の切込み深さに調整できる切断機を提供することである。
本発明に係る切断機は、丸鋸刃を備えた本体と、前記本体を支持する定盤と、前記本体を前記定盤に対して回動させることで前記丸鋸刃の前記定盤の下方からの突出量を調整する切込深さ調整機構部と、を備えた切断機において、前記切込深さ調整機構部は、前記定盤に取り付けられ、前記本体に隣接するガイドリンクと、前記ガイドリンクと前記本体とを固定する固定手段と、前記ガイドリンクに設けられた被係止部と、前記本体に設けられ、前記本体が前記定盤に対して所定の回動位置になったときに前記被係止部へクリック感を伴って係止状態となり、前記本体を前記定盤に対して回動させるべく所定以上の回動力が作用した場合に前記被係止部への係止状態を解除可能とする係止機構と、を備えており、さらに、前記係止機構は、前記本体への設置位置を調整可能としたことを備えることを特徴とする。
また、本発明に係る切断機において、前記係止機構は、前記被係止部へ係止する係止部材と、前記係止部材を前記被係止部へ付勢する弾性部材と、前記弾性部材の弾性力に抗して、前記係止部材を前記被係止部に係止しない解除位置に保持する解除機構と、を備えることとすることができる。
本発明によれば、作業性良く種々の切込み深さに調整できる切断機を提供することができる。
本実施形態に係る切断機の上面図である。 本実施形態に係る切断機の右側面図である。 本実施形態に係る切断機の左側面図であり、切込み深さを少なくした状態を表している。 図3における断面A−Aを表す部分断面図であり、係止部材が被係止部に係止した状態を表している。 図4の部分拡大図である。 図3における断面A−Aを表す部分断面図であり、係止部材が被係止部に係止しない解除位置に保持された状態を表している。 別の実施形態に係る切断機の部分断面図である。
以下、本発明を実施するための好適な実施形態について、図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態は、各請求項に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
まず、図1乃至図3を用いて、本実施形態に係る切断機の概略構造について説明する。本実施形態に係る切断機10は、丸鋸刃21及び図示しない駆動部を備えた本体20と、本体20の下方に配置され、被切断物に載置される基準面32を有する定盤31とを備えている。また、本体20は、丸鋸刃21及び図示しない駆動部等を覆うハウジング23を備えている。
本体20と定盤31とは、その一端側において、丸鋸刃21の回転軸と平行な枢軸22により回動可能に連結されている。したがって、操作者は、本体20を定盤31に対して回動させ、丸鋸刃21の基準面32からの突出量を調整することで切込み深さの調整することができるようになっている。
次に、本体20を定盤31に対して回動させて丸鋸刃21の基準面32からの突出量を調整した後、本体20を定盤31に対して固定するための固定手段について説明する。
定盤31の他端側には、ガイドリンク41が丸鋸刃21の回転軸と平行な支軸24により回動可能に設置されている。このガイドリンク41は、定盤31の上面側から本体20の回動方向に沿うように延びて形成される部材であり、本体20のハウジング23に隣接して設けられている。ガイドリンク41の胴体の略中央には、案内孔41aが円弧状に形成されている。この案内孔41aは、段差の付いた開口孔として形成されるものであり、この案内孔41aの段差部分に係合ナット42が回動不能に嵌め込まれている。
一方、ハウジング23には、案内孔41aに対応する位置に孔23aが設けられており、この孔23aには、係合ナット42に螺合するねじ軸を備えたレバー43が回動自在に設けられている。したがって、このレバー43を回動させることにより係合ナット42とレバー43により、ガイドリンク41とハウジング23を挟持することで、本体20を定盤31に対して枢軸22を回動中心とした任意の回動位置で固定できるようになっている。
次に、本発明に係る実施形態の要部について、図3乃至図5を参酌して説明する。図に示すように、ガイドリンク41には、ハウジング23側の面に断面略V字形状の係止溝41bが形成されている。また、ハウジング23には、本体20の回動方向に所定量伸びた長孔形状の取付孔23bが形成されている。取付孔23bには、雄ネジ51aが形成された外周部を有する保持部材51が挿入されている。保持部材51の一端側には鍔部51bが形成され、雄ネジ51aに螺合するナット50の締め込みにより、取付孔23bの所望の位置に固定されるようになっている。
保持部材51の内部には長手方向に貫通する孔52が形成されており、孔52は、鍔部51b側の大径孔52a、反鍔部51b側の小径孔52b、および大径孔52aと小径孔52bの接続部に形成される座面52cから構成されている。保持部材51の鍔部51bの反対側には、小径孔52bの直径以上の幅で軸中心を通る溝53が端面から所定の深さを持って形成されている。また、この溝53の両側に形成された二股形状部の端面には、溝53中心と略直角方向に共通する中心線を持つ略V字形状の解除溝54、54が形成されている。この解除溝54、54の端面からの深さは、溝53の端面からの深さより浅く設定されている。
保持部材51の内部に形成された孔52には、係止部材55が摺動および回動可能に挿入されている。係止部材55は、大径孔52aに嵌合する大径部55a、小径孔52bに嵌合する軸部55b、および大径部55aと軸部55bの接続部に形成される段付面55eから構成されている。また、大径部55aの先端は球面形状に形成されている。さらに、軸部55bの軸端近傍には、孔55cが形成されており、孔55cには、ピン55dが固定されている。
保持部材51に係止部材55が挿入された状態で、保持部材51の座面52cと、係止部材55の段付面55eとの間には、コイルバネ56が軸部55bに案内されて設置されている。このコイルバネ56の弾性力により、大径部55aの先端がガイドリンク41のハウジング23に摺接する面に当接している。
なお、図4及び図5は、定盤31に対する本体20回動により、大径部55aの先端とガイドリンク41の係止溝41bの位置が一致した状態を示しており、コイルバネ56の弾性力により大径部55aの先端が係止溝41bに係止している。
また、大径部55aの先端が係止溝41bに係止した状態の丸鋸刃21の基準面32からの突出量(切込み深さ)は、使用頻度の高い被切断物に対応した切込み深さになるように、係止部材55と係止溝41bの位置関係が設定されている。なお、係止溝41bを複数設けることで、使用頻度の高い複数の被切断物に対応した切込み深さで 大径部55aの先端が係止溝41bに係止することも可能である。
次に、操作者が切込み深さを調整する作業について説明する。
まず、使用頻度の高い被切断物に対応した切込み深さに調整する場合、操作者は、レバー43を回動させ、ガイドリンク41とハウジング23の挟持状態を解除する。次に、本体20を定盤31に対して回動するが、上述の切込み深さとなったところで、大径部55aの先端が係止溝41bに係止し、さらにクリック感が得られることで、操作者は、上述の切込み深さとなったことを知得することができる。この状態で、レバー43を回動させ、ガイドリンク41とハウジング23を挟持させ、本体20と定盤31を固定することで、作業性良く使用頻度の高い被切断物に対応した切込み深さに調整することができる。
次に、使用頻度の高い被切断物に対応した切込み深さ以外の所望の切込み深さに調整する場合、操作者は、レバー43を回動させ、ガイドリンク41とハウジング23の挟持状態を解除する。次に、本体20を定盤31に対して回動するが、回動途中において大径部55aの先端が係止溝41bに係止する場合が発生する。この場合、操作者は、所定以上の回動力を加えることだけで、係止溝41bに係止した係止部材55が、コイルバネ56の弾性力に抗してコイルバネ56を圧縮する方向に移動するので、大径部55aの先端と係止溝41bの係止状態が解除されることとなる。この状態で、さらに本体20を定盤31に対して回動させ、所望の切込み深さとなったところでレバー43を回動させガイドリンク41とハウジング23を挟持させ、本体20と定盤31を固定することで作業性良く使用頻度の高い被切断物に対応した切込み深さ以外の所望の切込み深さに調整することができる。
このように本実施形態に係る切断機においては、使用頻度の高い被切断物に対応した突切込み深さに作業性良く調整できる構成を実現しながら、使用頻度の高い被切断物に対応した切込み深さ以外の所望の切込み深さに調整する場合において、操作者の付加的な操作を排除できる構成としたことで、作業性良く種々の切込み深さに調整することが可能となる。
また、本実施形態に係る切断機においては、ハウジング23に設けられた取付孔23bが本体20の回動方向に所定量伸びた長孔形状とし、保持部材51の固定位置を調整可能としたことにより、丸鋸刃21の刃先直径が変化した場合でも、使用頻度の高い被切断物に対応した突切込み深さとなるように調整することができる。
さらに、本実施形態に係る切断機においては、図5に示すように、コイルバネ56の弾性力に抗して係止部材55を操作し、保持部材51の解除溝54、54に孔55cに固定されたピン56を係止することで、大径部55aの先端が係止溝41bに係止しない状態にすることができる。これにより、大径部55aの先端がガイドリンク41に摺接することがなくなり、大径部55aの先端およびガイドリンク41が摺接により磨耗することが防げる。
また、大径部55aの先端が係止溝41bに係止する状態での切込み深さよりわずかに大きい(または小さい)切込み深さに調整する場合、大径部55aの先端がコイルバネ56の弾性力により係止溝41bに係止してしまい作業性が悪くなることを回避することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態の技術的範囲に限定さない。上記実施形態には、多様な変更又は改良を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態においては、保持部材51のハウジング23への固定は、ナット50の締め込みによりなされるようになっているが、上記実施形態は、本発明が取り得る一形態を示したに過ぎない。そこで本発明が取り得る別の実施形態について図7を用いて説明する。なお、上記実施形態と同じ内容については、説明を省略する。
図7で示されるように、ハウジング23には、取付孔23b周辺のガイドリンク41側の面に、複数の凹部25が形成されており、取付孔23bの挿入される保持部材51の鍔部51bには、凹部25に係合する凸部57、57が形成されている。保持部材51の外周部58には、止め輪溝58aが形成されており、止め輪溝58aのは止め輪59が取り付けられている。また、止め輪59とハウジング23の間には、保持部材51の外周部58に案内されてコイルバネ61が設けられている、このコイルバネ61の弾性力のより凹部25と凸部57、57の係合状態が維持されるようになっている。
上記構成においては、操作者は、コイルバネ61の弾性力に抗して保持部材51を押圧して凹部25と凸部57、57の係合状態を解除し、保持部材51を上下方向に移動して、別の凹部25に凸部57、57を係合することで、係止部材55の大径部55aの先端が係止溝41bに係止した時の、丸鋸刃21の基準面32からの突出量(切込み深さ)の調整を工具レスで行うことができるので作業性が良い。
上記のような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
10 切断機、20 本体、21 丸鋸刃、22 枢軸、23 ハウジング、23a 孔、23b 取付孔、24 支軸、25 凹部、31 定盤、32 基準面、41 ガイドリンク、41a 案内孔、41b 係止溝、42 係合ナット、43 レバー、50 ナット、51 保持部材、51a 雄ネジ、51b 鍔部、52 孔、52a 大径孔、52b 小径孔、52c 座面、53 溝、54 解除溝、55 係止部材、55a 大径部、55b 軸部、55c 孔、55d ピン、55e 段付面、56 コイルバネ、57 凸部、58 外周部、58a 止め輪溝、59 止め輪、61 コイルバネ

Claims (2)

  1. 丸鋸刃を備えた本体と、
    前記本体を支持する定盤と、
    前記本体を前記定盤に対して回動させることで前記丸鋸刃の前記定盤の下方からの突出量を調整する切込深さ調整機構部と、
    を備えた切断機において、
    前記切込深さ調整機構部は、
    前記定盤に取り付けられ、前記本体に隣接するガイドリンクと、
    前記ガイドリンクと前記本体とを固定する固定手段と、
    前記ガイドリンクに設けられた被係止部と、
    前記本体に設けられ、前記本体が前記定盤に対して所定の回動位置になったときに前記被係止部へクリック感を伴って係止状態となり、前記本体を前記定盤に対して回動させるべく所定以上の回動力が作用した場合に前記被係止部への係止状態を解除可能とする係止機構と、を備えており、
    さらに、前記係止機構は、前記本体への設置位置を調整可能としたことを特徴とする切断機。
  2. 前記係止機構は、
    前記被係止部へ係止する係止部材と、
    前記係止部材を前記被係止部へ付勢する弾性部材と、
    前記弾性部材の弾性力に抗して、前記係止部材を前記被係止部に係止しない解除位置に保持する解除機構と
    を備えることを特徴とする請求項1記載の切断機。
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