JP5582550B2 - 溶解装置の運転方法 - Google Patents
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Description
また、吸入部に循環させる溶解液中に微小気泡が存在することによって、溶解ポンプの効率が低下し、特に、溶質が澱粉や高吸水性ポリマ(例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC))のように吸水してゲル化するような難溶解の物質の場合には、ミクロゲルのような半溶解状態の物質が残存し、溶解液の品質が低下するという問題があった。
この溶解装置の運転方法は、溶解ポンプの吸入部から溶質及び溶媒を一次原料として導入室に吸入して一次溶解を行った後、溶解ポンプの吸入部から一次溶解を行った溶解液を二次原料として導入室に吸入して二次溶解を行うことにより、溶解ポンプによる二次溶解において、気体の吸引をなくすことができる。
この分離手段は、比重の大きい完全に溶解していない溶解液成分を循環流路に、比重の小さい溶解が完了した溶解液成分を排出流路に、それぞれ分離して供給することができる。
この溶解装置は、溶質及び溶媒からなる一次原料を吸入しながら行う一次溶解と、閉止手段によって一次原料の吸入を閉止した状態の溶解ポンプに、貯留手段に貯留された一次溶解を行った溶解液を二次原料として吸入しながら行う二次溶解を、1台の溶解ポンプで、それぞれバッチ式で行うことができる。
また、吸入部に循環させる溶解液中に残存している微小気泡を消滅させることができることによって、溶解ポンプの効率を一層向上することができ、溶質が難溶解物質の場合でも、半溶解状態の物質を完全に溶解させることができる。
これにより、溶解液中に微小気泡や半溶解状態の物質が残存しない高品質の溶解液を得ることができる。
この溶解装置Aは、回転翼13Aを回転させて、吸入部11から溶質及び溶媒を一次原料として導入室15に吸入して、絞り流路Sを通過させ、回転翼13Aによって攪拌して、吐出部12から溶解液を吐出させるとともに、吐出部12から吐出された溶解液の一部を吸入部11に循環させる循環流路26及び排出流路25を有する一次溶解を行う第1の溶解ポンプ1Aと、回転翼13Aを回転させて、吸入部11から第1の溶解ポンプ1Aの排出流路25から排出された溶解液を二次原料として導入室15に吸入して、絞り流路Sを通過させ、回転翼13Aによって攪拌して、吐出部12から溶解液を吐出させるとともに、吐出部12から吐出された溶解液の一部を吸入部11に循環させる循環流路26及び排出流路25を有する二次溶解を行う第2の溶解ポンプ1Bとから構成するようにしている。
これにより、この溶解装置Aは、溶質及び溶媒からなる一次原料を吸入しながら行う一次溶解と、閉止手段6によって一次原料の吸入を閉止した状態の溶解ポンプ1に、貯留手段7に貯留された一次溶解を行った溶解液を二次原料として吸入しながら行う二次溶解を、1台の溶解ポンプ1で、それぞれバッチ式で行うことができるようにしている。
そして、この溶質供給機構3は、溶質排出口32から作用する吸引力によって、溶質供給口31よりも低圧に維持される膨張室33が形成されるとともに、計量回転体34の回転に伴って、各溶質収容室34aの状態が正圧状態と負圧状態とに変化するように構成されている。
また、溶質収容室34aは、計量回転体34の外周面及び中心部において開口するように構成し、計量回転体34の外周面側の開口は、溶質供給口31と連通する溶質供給口開放状態及び膨張室33と連通する膨張室開放状態以外ではケーシング30によって閉鎖されるとともに、計量回転体34の中心部側の開口は、密閉状態(溶質供給口31及び膨張室33と連通しない状態)及び溶質供給口開放状態において閉鎖されるように計量回転体34の中心部に開口閉鎖部材35を偏在させてケーシング10に固定して配設するようにしている。
また、溶質収容室34aが計量回転体34の外周面及び中心部において開口するように、計量回転体34を、駆動機構M’の駆動軸に配設した円盤部材34cに、この円盤部材34cの中心部を除いて放射状に複数枚(本実施例においては、8枚。)の板状の隔壁34bを等間隔に取り付けることによって、周方向に等間隔に溶質収容室34aを区画、形成するようにしている。
なお、溶質としての粉体の供給量は、計量回転体34を回転駆動する駆動機構M’による計量回転体34の回転数を変化させることによって調節することができる。
そして、この溶質供給機構3は、溶質収容室34a等に粉体が付着、堆積することがなく、粉体の流量を安定させて、粉体を所定量ずつ連続して供給することができる。
前面ケーシング10Bには、回転翼13Aと導入室15との間に位置するように円筒状のステータ14Aを配設し、絞り流路Sを、このステータ14Aに形成した透孔Sa、Sbによって構成するようにしている。
なお、絞り流路Sは、透孔のほか、スリットやノズルによって構成することもできる。
これにより、溶解液に対して、透孔を通過する際に、回転翼によって剪断力を作用させることができ、溶解を促進させることができる。
この仕切板16は、吸入部11の一方の吸入部11Aから、ミキシングノズル5において初期混合を行った溶質及び溶媒からなる一次原料を吸入する溶質及び溶媒が導入される導入室15A(この導入室15Aには、二次溶解の際には、貯留手段7に貯留された一次溶解を行った溶解液が二次原料として導入される。)と、吐出部12から吐出された溶解液の一部が、他方の吸入部11Bを介して循環し、導入される導入室15Bとを区画するもので、この仕切板16とケーシング10との摺動部は、階段状のラビリンス構造となっており、導入室15Aへの一次原料の吸入を円滑に行うことができるようにしている。
ここで、透孔Sa、Sbの形状は、一次原料及び二次原料並びに循環する溶解液の性状等に応じて任意に設定することができ、例えば、後述の参考例のように、一次溶解を行う第1の溶解ポンプ1Aと二次溶解を行う第2の溶解ポンプ1Bを個別の溶解ポンプで構成するような場合には、第1の溶解ポンプ1Aと第2の溶解ポンプ1Bとで、ステータ14Aに形成する透孔Sa、Sbの形状を異なるようにすることもできる。
この分離手段2は、本実施例においては、溶解ポンプ1の吐出部12に連なる導入パイプ21を円筒状容器20の底面から内部に突出して配設し、円筒状容器20の上部に排出流路25と連なる排出口22を備えるとともに、下部に循環流路26と連なる循環口23を備え、導入パイプ21の吐出端に、導入パイプ21から吐出される溶解液の流れを旋回させる捻り板24を配設して構成している。
なお、捻り板24に代えて、又は捻り板24と共に、導入パイプ21の吐出端の上部に、導入パイプ21から吐出される溶解液を攪拌する攪拌羽根を配設することもできる。
この分離手段2を設けることによって、比重の大きい完全に溶解していない溶解液成分を循環流路26に、比重の小さい溶解が完了した溶解液成分を排出流路25に、それぞれ分離して供給することができ、完全に溶解していない溶解液成分が排出流路25から排出されることを防止するとともに、装置の運転効率を向上することができる。
そして、本実施例においては、一次原料の吸入を閉止した状態において、貯留手段7に貯留された一次溶解を行った溶解液を二次原料として、溶媒の供給路である供給路40に供給するように構成するようにしている。
これにより、溶解ポンプ1に二次原料の供給部を別途設ける必要がなく、溶解ポンプ1の構造を簡略化することができる。
そして、本実施例において、貯留手段7には、タンク70を使用し、タンク70の上部に形成した導入口71に排出流路25を接続するとともに、下部に形成した排出口72に二次原料流路44を接続し、二次原料流路44を溶媒の供給部である供給路40に開閉弁42を介して接続するようにしている。
また、タンク70には、駆動機構74によって回転駆動される攪拌翼73を配設し、内部に貯留した溶解液の攪拌を行うことができるようにしている。
また、タンク70には、必要に応じて、大気開放弁(図示省略)を配設し、溶解液中に含まれる気泡の脱気を行うようにすることができる。
溶質及び溶媒は、ミキシングノズル5において、初期混合を行った後、溶解ポンプ1の吸入部11Aから導入室15Aに導入される。
そして、回転翼13Aの内側と外側とに配設されたステータ14Aに形成した透孔Sa及びステータ14Bに形成した透孔を通過することによって、剪断作用を受けながら攪拌、溶解され、吐出部12から吐出される。
また、吸入部11Bに循環させる溶解液中に残存している微小気泡を消滅させることができることによって、溶解ポンプ1の効率を一層向上することができ、溶質が難溶解物質の場合でも、半溶解状態の物質を完全に溶解させることができるものとなる。
これにより、溶解液中に微小気泡や半溶解状態の物質が残存しない高品質の溶解液を得ることができる。
この溶解装置Bは、第1の溶解ポンプ1Aと第2の溶解ポンプ1Bを個別に構成し、第1の溶解ポンプ1Aの排出流路25と第2の溶解ポンプ1Bの吸入部11とを接続流路27を介して接続するようにしている。
これにより、この溶解装置Bは、溶質及び溶媒からなる一次原料を吸入しながら行う一次溶解と、一次溶解を行った溶解液を二次原料として吸入しながら行う二次溶解を、連続して行うことができるようにしている。
ここで、第1の溶解ポンプ1A及び第2の溶解ポンプ1Bの構成は、上記実施例の溶解装置Aの溶解ポンプ1と、一次原料の吸入を閉止する閉止手段6等を必ずしも必要としない点を除き、基本的に同様である。
貯留手段8は、溶解液を一時貯留するためのもので、タンク、ホッパ等の任意の形式の貯留手段を用いることができる。
貯留手段8は、貯留した溶解液の量を計測するレベル計81を備え、レベル計81からのレベル信号によって開閉弁82を開閉操作して、第2の溶解ポンプ1Ba、1Bbに、二次原料としての溶解液を供給するようにしている。
また、貯留手段8には、必要に応じて、大気開放弁(図示省略)を配設し、溶解液中に含まれる気泡の脱気を行うようにすることができる。
また、吸入部11Bに循環させる溶解液中に残存している微小気泡を消滅させることができることによって、溶解ポンプ1の効率を一層向上することができ、溶質が難溶解物質の場合でも、半溶解状態の物質を完全に溶解させることができるものとなる。
1A 第1の溶解ポンプ
1B 第2の溶解ポンプ
1Ba 第2の溶解ポンプ
1Bb 第2の溶解ポンプ
10 ケーシング
11 吸入部
12 吐出部
13 ロータ
13A 回転翼
14A ステータ
14B ステータ
15 導入室
2 分離手段
25 排出流路
26 循環流路
27 接続流路
3 溶質供給機構
4 溶媒供給機構
40 供給路
44 二次原料流路
6 閉止手段
7 貯留手段
A 溶解装置
B 溶解装置
S 絞り流路
Sa 透孔
Sb 透孔
Claims (4)
- 回転翼を回転させて、吸入部から溶質及び溶媒を一次原料として導入室に吸入して、絞り流路を通過させ、回転翼によって攪拌して、吐出部から溶解液を吐出させるとともに、吐出部から吐出された溶解液の一部を前記吸入部に循環させる循環流路及び排出流路を有する溶解ポンプと、該溶解ポンプの吸入部に溶質及び溶媒からなる一次原料の吸入を閉止する閉止手段と、溶解ポンプによって一次溶解を行った溶解液を貯留し、該溶解液中に含まれる気泡の脱気を行うことができるようにした貯留手段とを備えた溶解装置の運転方法であって、前記溶質及び溶媒を一次原料として、前記溶解ポンプを用いて一次溶解を行った後、貯留手段に貯留された一次溶解を行った後、前記貯留手段において溶解液中に含まれる気泡の脱気を行った溶解液を二次原料として、前記閉止手段によって一次原料の吸入を閉止した状態の溶解ポンプの導入室に吸入するようにすることによって二次溶解を行うことを特徴とする溶解装置の運転方法。
- 溶解装置の絞り流路を、回転翼と導入室の間に配設したステータに形成した透孔によって構成したことを特徴とする請求項1記載の溶解装置の運転方法。
- 溶解装置の溶解ポンプの吐出部に、比重によって溶解液を循環流路と排出流路とに分離して供給する分離手段を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の溶解装置の運転方法。
- 一次原料の吸入を閉止した状態において、貯留手段に貯留された一次溶解を行った溶解液を二次原料として、前記吸入部における前記溶媒の供給部に供給するように構成するようにしたことを特徴とする請求項1、2又は3記載の溶解装置の運転方法。
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