JP5581081B2 - 写真測量装置及び写真測量方法 - Google Patents
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異なる2点の撮影位置から、前記測定対象物の表面上に設けられた複数の基準点と、前記測定対象物の計測範囲とを含む画像をそれぞれ撮影する写真撮影部と、
異なる2点の撮影位置からの写真測量によって、前記測定対象物の表面上の前記複数の基準点を含む複数の測定点のそれぞれの3次元座標を得る写真計測部と、
3次元空間上において、前記測定点をつなぐ三角網で構成される測量表面を生成する測量平面生成部と、
前記三角網で構成される前記測量表面について、前記測定対象物の表面の摩耗が生じる摩耗発生方向に平行な断面との交点を結ぶ折れ線からなる断面線を生成する断面線生成部と、
前記交点を結ぶ折れ線からなる断面線について、前記交点の座標に基づく多項式近似を行って得られた近似多項式からなる曲線状の基準線を得る多項式近似部と、
前記三角網で構成される測量表面について、異なる複数の断面線について得られた近似多項式からなる複数の曲線状の基準線に基づいて、前記交点に対応する前記曲線状の基準線の3次元点を結ぶ三角網で構成される基準面を生成する基準面生成部と、
を含む。
異なる2点の撮影位置から、前記測定対象物の表面上に設けた複数の基準点と、前記測定対象物の計測範囲とを含む画像をそれぞれ撮影するステップと、
異なる2点の撮影位置からの写真測量によって、前記測定対象物の表面上の前記複数の基準点を含む各測定点のそれぞれの3次元座標を得るステップと、
3次元空間上において、前記測定点をつなぐ三角網で構成される測量表面を生成するステップと、
前記三角網で構成される測量表面について、前記測定対象物の表面の摩耗が生じる摩耗発生方向に平行な断面との交点を結ぶ折れ線からなる断面線を生成するステップと、
前記交点を結ぶ折れ線からなる断面線について、前記交点の座標に基づく多項式近似を行って得られた近似多項式からなる曲線状の基準線を得るステップと、
前記三角網で構成される測量表面について、異なる複数の断面線について得られた近似多項式からなる複数の曲線状の基準線に基づいて、前記交点に対応する前記曲線状の基準線の3次元点を結ぶ三角網で構成される基準面を生成するステップと、
を含む。
図1は、本発明の実施の形態1に係る測定対象物(被写体)の表面を写真測量に基づいて計測し、前記測定対象物の基準面を推定する写真測量装置10の構成を示すブロック図である。この写真測量装置10は、基準点投影部1と、パターン投影部2と、写真撮影部3と、写真計測部4と、測量表面生成部5と、断面線生成部6と、多項式近似部7と、基準面生成部8と、を含む。基準点投影部1は、測定対象物の表面上に、複数の基準点を表すマークを投影する。パターン投影部2は、各部分が特徴部分を有する固有パターンを測定対象物の表面上に投影する。写真撮影部3は、異なる2点の撮影位置から、測定対象物の表面上に設けられた複数の基準点と、測定対象物の計測範囲とを含む画像をそれぞれ撮影する(図3、図8(b))。写真計測部4は、異なる2点から撮影した上記画像に基づいて、測定対象物の表面上に設けられた複数の基準点および複数の測定点の3次元座標を得る。測量表面生成部5は、3次元空間上において、測定点をつなぐ三角網で構成される測量表面を生成する。断面線生成部6は、三角網で構成される測量表面について、前記測定対象物の表面の摩耗が生じる摩耗発生方向に平行な断面との交点を結ぶ折れ線からなる断面線を生成する。多項式近似部7は、交点を結ぶ折れ線からなる断面線について、交点の座標に基づく多項式近似を行って得られた近似多項式からなる曲線状の基準線を得る。基準面生成部8は、平行に並ぶ複数の基準線上の三次元点を結んで三角網からなる基準面を生成する。
なお、「カメラ」とは、測定対象物を被写体として光学撮影可能であり、かつ当該撮影された画像を電子情報として作成可能な装置であればよい。例えば、デジタルカメラなどを例示できるが、銀塩カメラと銀塩カメラにより撮影された写真を画像情報として変換可能なスキャナとを備えるユニットで構成されていてもよい。
[1]基準点の設定及び固有パターンの投影
図4は、基準点の設定及び固有パターンの投影のフローチャートである。
(a)被写体を表面処理する(S01)。
被測定物である被写体が金属光沢を有する物体の場合には鏡面反射を生じるので、表面処理を行って表面を拡散面にしておくことが好ましい。表面処理としては、例えば、現像液等を表面に薄く塗布する方法がある。これによって、表面を拡散面とすることができる。
(b)計測部分にマーカを貼る(S02)。
被写体の表面の計測部分に基準点となる複数の箇所にマーカを貼る。マーカとしては、例えば、白丸(下地として黒地)又は黒丸(下地として白地)を用いることができるが、これに限られず、他の形状であってもよい。また、マーカは紙又は樹脂等からなるものを用いることができる。さらに、インク等を塗布してマーカを形成してもよい。例えば、インクジェット法によって、測定対象物の表面にインクを吹き付けてマーカを形成してもよい。
プロジェクタを用いて、被写体の表面に対して各部分に特徴部分を有する固有パターンを投影する。このような各部分に特徴部分を有する固有パターンとしては、例えば、大理石模様又はランダムパターンを用いることがきる。なお、上記パターンに限られず、投影箇所のうち同一箇所を対応付けることができるような固有パターンであればよい。このパターンによって、後述する写真計測の後、マッチング処理において2枚以上の画像間で固有パターンの共通する特徴部分によって同一箇所を対応付けることができる。
(d)投影された固有パターンとマーカとの重複部分から、投影される固有パターンを抜く(S04)。
投影されたパターンとマーカが重なる部分は、マーカの部分に固有パターンが投影されないように固有パターンを抜く。固有パターンを抜くには、例えば、パソコン上でマーカの形状に合わせて固有パターンを白く塗りつぶす。この場合、予め白い丸を画面上に用意しておき、投影された固有パターンを見ながらマーカに重ならないように白い丸を移動して調節すればよい。白い丸の形状はマーカより少し大きめにする必要がある。このようにパターンとマーカとの重複部分から固有パターンを抜くことによって、マーカの中心の認識におけるノイズを減らすことができる。
(a)被写体にマーカと固有パターンとを含む複合パターンを投影する(S11)。
この複合パターンは、基準点となるマーカ部分と、固有パターンとを含む。この場合、あらかじめマーカ部分から固有パターンを抜いた複合パターンを用意しておくことができる。例えば、図6は、ペルトン水車の表面に基準点となるマーカ部分と、固有パターンとを含む複合パターンを投影した一例を示す図である。マーカを貼付せずに固有パターンと同様に投影することによってマーカ部分の厚みの増加を避けることができ、より精度の高い測定ができる。
図7は、三次元形状計測のフローチャートである。
(a)複数の基準点が設けられ、固有パターンが投影されている被写体の表面を異なる2箇所以上の位置から撮影する(S05)。
撮影では、被写体の表面の計測箇所とマーカ(基準点)とが一つの画像内に含まれるようにそれぞれの撮影位置で撮影する必要がある。なお、2箇所からの撮影は同時に行う必要はなく、別々に撮影してもよい。例えば、一組の撮影装置を用いて撮影位置を最初の撮影位置から別の撮影位置に移動させて2箇所から撮影を行ってもよい。
また、計測範囲に含まれる測定点は、例えば、図8(a)及び(b)に示すように、測定対象物の表面において摩耗のない基準面に含まれる正常点(+)と、摩耗が生じている摩耗部分(網線部分)の摩耗点の両方を含むように選択される。さらに、測定点は、摩耗点を正常点が囲むように選択されることが好ましい。このように計測範囲を設定することで、摩耗前の正常点に基づく基準面を推定しやすくなる。
異なる2箇所の撮影位置からの画像に基づいて、各マーカを対応付ける。
次いで、マーカ以外の測定点について、固有パターンの共通する特徴部分に基づいて同一箇所を対応付ける。
従来、形状や表面に特徴部分が少ないシンプルな形状や表面の場合には、2枚以上の画像において、同一箇所を対応付けることは非常に困難であった。
この実施の形態1に係る方法では、上述のように各部分に特徴部分を有する固有パターンを測定対象物の表面に投影する(図6)。固有パターンとしては、例えば、大理石模様又はランダムパターンである。これによって、形状や表面に特徴部分が少ないシンプルな形状や表面の場合であっても、固有パターンの共通する特徴部分に基づいて測定対象物の表面における同一箇所を対応付けることができる。
2枚以上の画像に基づく写真計測によって、同一箇所の対応付けが行われた各測定点の三次元座標を求める。
なお、同一箇所を対応付けた後、2枚以上の画像に基づいて各測定点の三次元座標を求める方法は、例えば、特許第4153322号、特許第4153323号、特許第4159373号等に記載されている。
図9は、測定対象物(被写体)の摩耗前の基準面の作成のフローチャートである。
(a)写真測量によって基準点及び測定点を計測し、三角網で構成される測定表面を生成する(S08)。
上記三次元形状計測によって得られた基準点及び測定点の3次元座標に基づいて、各測定点を結ぶ三角網で構成される測定表面を生成する(図10)。
(b)三角網で構成される測量表面について、測定対象物の表面の摩耗が生じる摩耗発生方向に平行な断面との交点を結ぶ折れ線からなる断面線を生成する(S09)。
上記測定対象物の表面の摩耗が生じる摩耗発生方向は、例えば、z軸方向である。そこで、図11に示すように、互いに平行な複数の断面についての三角網との交点を結ぶ複数の断面線を生成する。それぞれの断面線は、例えば、図12に示すような折れ線となる。
なお、被写体の面が曲面をなしている場合には、摩耗発生方向がz方向から別の方向に変化する場合がある。その場合には、変化した摩耗発生方向に垂直な断面による断面線を生成すればよい。
交点を結ぶ折れ線からなる断面線(図12)について、交点の座標に基づく多項式近似を行って得られた近似多項式からなる曲線状の基準線を得る(図13)。この場合、近似多項式としては、例えば、下記のn次の線形多項式(1)を用いてもよい。
Z=aYn+bYn−1+cYn−2+・・・+z (1)
なお、次数nの決定は、得られた近似多項式による曲線状の基準線と交点との対比によって決定してもよい。
各断面線についての近似多項式で表される曲線状の各基準線を3次元化する(図14)。
(e)平行に並ぶ基準線上の三次元点を結んで三角網からなる基準面を生成する(S12、図15)。
以上によって、曲面状の基準面に対応する基準面を得ることができる。これによって、従来、図16に示すように複雑な形状に対して一つの平面状の基準面しか得られなかったのに対して、図17の(a)及び(b)に示すように、曲線状の基準面が得られる。
3a、3b カメラA、カメラB
4 写真計測部
5 測量表面生成部
6 断面線生成部
7 多項式近似部
8 基準面生成部
9 コンピュータ
10 写真測量装置
11 記憶部
12 制御部
13 表示部
14 インタフェース部
15 入力部
20 測定対象物(被写体)
21a、21b カメラA及びカメラBから被写体への光軸
22 基準点
24 カメラAによる画像
26 カメラBによる画像
Claims (19)
- 測定対象物の表面を写真測量に基づいて計測し、前記測定対象物の基準面を推定する写真測量装置であって、
異なる2点の撮影位置から、前記測定対象物の表面上に設けられた複数の基準点と、前記測定対象物の計測範囲とを含む画像をそれぞれ撮影する写真撮影部と、
異なる2点の撮影位置から撮影した前記画像に基づいて、前記測定対象物の表面上の前記複数の基準点を含む複数の測定点のそれぞれの3次元座標を得る写真計測部と、
3次元空間上において、前記測定点をつなぐ三角網で構成される測量表面を生成する測量表面生成部と、
前記三角網で構成される前記測量表面について、前記測定対象物の表面の摩耗が生じる摩耗発生方向に平行な断面との交点を結ぶ折れ線からなる断面線を生成する断面線生成部と、
前記交点を結ぶ折れ線からなる断面線について、前記交点の座標に基づく多項式近似を行って得られた近似多項式からなる曲線状の断面線を得る多項式近似部と、
前記三角網で構成される測量表面について、異なる複数の断面線について得られた近似多項式からなる複数の曲線状の基準線に基づいて、前記曲線状の基準線上の前記交点に対応する対応点を結ぶ三角網で構成される基準面を生成する基準面生成部と、
を含む、摩耗後の測定対象物の表面を写真測量に基づいて計測し、前記測定対象物の摩耗前の基準面を推定する写真測量装置。 - 前記測定対象物の表面上に、複数の基準点を表すマークを投影する基準点投影部をさらに含む、請求項1に記載の装置。
- 前記測定対象物の表面上に、各部分に特徴部分を有する固有パターンを投影するパターン投影部をさらに含む、請求項1又は2に記載の装置。
- 前記測定対象物の表面上に、各部分に特徴部分を有する固有パターンを投影するパターン投影部をさらに含むと共に、前記固有パターンと前記マークとが重なる部分は、前記固有パターンを抜いて投影する、請求項2に記載の装置。
- 前記測定対象物の表面上に投影する前記固有パターンは、ランダムパターン又は大理石模様を含む、請求項3又は4のいずれか一項に記載の装置。
- 前記計測範囲に含まれる前記測定点は、前記測定対象物の表面において摩耗のない基準面に含まれる正常点と、摩耗が生じている摩耗点の両方を含むように選択される、請求項1から5のいずれか一項に記載の装置。
- 前記多項式近似部は、前記正常点に基づく交点について、前記摩耗点に基づく交点よりも重み付けを増して多項式近似を行う、請求項6に記載の装置。
- 前記計測範囲に含まれる前記測定点は、前記摩耗発生方向に対して垂直な平面上で前記摩耗点を含む範囲を前記正常点が囲むように選択される、請求項6又は7に記載の装置。
- 前記多項式近似部は、前記交点に対応する前記曲線状の基準線の前記3次元点における前記摩耗発生方向についての摩耗量が設定された閾値を超えた場合、前記3次元点を前記多項式近似の計算から除外して、再度、多項式近似を行う、請求項1から8のいずれか一項に記載の装置。
- 測定対象物の表面を写真測量に基づいて計測し、前記測定対象物の基準面を推定する写真測量方法であって、
異なる2点の撮影位置から、前記測定対象物の表面上に設けた複数の基準点と、前記測定対象物の計測範囲とを含む画像をそれぞれ撮影するステップと、
異なる2点の撮影位置からの写真測量によって、前記測定対象物の表面上の前記複数の基準点を含む各測定点のそれぞれの3次元座標を得るステップと、
3次元空間上において、前記測定点をつなぐ三角網で構成される測量表面を生成するステップと、
前記三角網で構成される測量表面について、前記測定対象物の表面の摩耗が生じる摩耗発生方向に平行な断面との交点を結ぶ折れ線からなる断面線を生成するステップと、
前記交点を結ぶ折れ線からなる断面線について、前記交点の座標に基づく多項式近似を行って得られた近似多項式からなる曲線状の断面線を得るステップと、
前記三角網で構成される測量表面について、異なる複数の断面線について得られた近似多項式からなる複数の曲線状の基準線に基づいて、前記曲線状の基準線上の三次元点を結ぶ三角網で構成される基準面を生成するステップと、
を含む、摩耗後の測定対象物の表面を写真測量に基づいて計測し、前記測定対象物の摩耗前の基準面を推定する方法。 - 前記複数の基準点は、前記測定対象物の表面上に、複数の基準点を表すマークを投影して設ける、請求項10に記載の方法。
- 前記測定対象物の表面上に、各部分に特徴部分を有する固有パターンを投影するステップをさらに含む、請求項10又は11に記載の方法。
- 前記測定対象物の表面上に、各部分に特徴部分を有する固有パターンを投影するステップをさらに含み、前記固有パターンと前記マークとが重なる部分は、前記固有パターンを抜いて投影する、請求項11に記載の方法。
- 前記測定対象物の表面上に、各部分に特徴部分を有する固有パターンを投影するステップをさらに含む、請求項10又は11に記載の方法。
- 前記測定対象物の表面上に投影する前記固有パターンは、ランダムパターン又は大理石模様を含む、請求項12又は13のいずれか一項に記載の方法。
- 前記計測範囲に含まれる前記測定点には、前記測定対象物の表面において摩耗のない基準面に含まれる正常点と、摩耗が生じている摩耗点の両方を含むように選択される、請求項10から14のいずれか一項に記載の方法。
- 前記交点の座標に基づく多項式近似を行って得られた近似多項式からなる曲線状の基準線を得るステップでは、前記正常点に基づく交点について、前記摩耗点に基づく交点よりも重み付けを増して多項式近似を行う、請求項15に記載の方法。
- 前記測定点は、前記摩耗発生方向に対して垂直な平面上で前記摩耗点を前記正常点が囲むように選択される、請求項15又は16に記載の方法。
- 前記交点の座標に基づく多項式近似を行って得られた近似多項式からなる曲線状の断面線を得るステップでは、前記交点に対応する前記曲線状の基準線の前記3次元点における前記摩耗発生方向についての摩耗量が設定された閾値を超えて負となる場合、前記交点を前記多項式近似の計算から除外して、再度、多項式近似を行う、請求項10から17のいずれか一項に記載の方法。
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