JP3910844B2 - 新旧写真画像を用いた標定方法及び修正図化方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は精度の高い基準点を有しない新空中写真画像データと、精度の高い外部標定要素を有する旧空中写真画像データとを用いて標定し、精度の高い地図を得るための新旧写真画像を用いた標定方法及び修正図化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に空中写真測量では、二次元の既存図面の修正を行うときは、その既存図面のエリアを新たに航空機などで写真撮影した後に、その図面に合わせて標定作業を行う。一般に標定作業では基準点(3次元座標の既知点)や水準点(標高の既知点)が必要となるが、その際には一般に写真内で判読可能な地点を地図内で検索し、その地点の座標を地図上で読み取る、いわゆる「図面標定」を行うことが多い(図10を参照)。
【0003】
また、修正図化を行う際、まず修正必要箇所を決定するために、紙上に印刷・印画された地図と航空写真を見比べて、変更箇所をチェックする作業(予察作業)を行い、その後修正すべき場所を含むステレオ画像を図化機にかけ、該当地区の図化を行っていた(図10を参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
一般に修正図化のための航空写真撮影においては、対空標識の設置と測量を行わずに地図を作成するのが殆どである。
【0005】
なぜなら、新空中写真撮影時においては、コスト削減のため基準点をせず、図面標定を行うことが多いからである。
【0006】
この図面標定とは、古い地図上において基準点を定め、この基準点に対して地図の道路、建物、等高線の座標から基準点に対して3次元座標を与え、これの基準点を用いて空中写真を標定する方法である。
【0007】
しかしながら、基準点の座標の付与は、古い地図に基づいて生成した等高線、建物に与えた座標に基づいて付与しているので、この座標に誤差がある場合は、新しく写真を撮って定義した基準点自体に誤差があることになる。
【0008】
すなわち、実際に現地で測定した基準点を用いないで、古い写真に基づく図面を用いて新しい写真の図面を得るための図面標定を行うと、図面作成時の標定誤差や描画位置誤差が、読み取る基準点にも伝搬する。
【0009】
このため、古い写真に基づく図面を用いて新しい写真から図面を得るための図面標定は精度的に問題を生じるという課題があった。
【0010】
一方、近年はデジタルマッピングやデジタル写真測量図化機が普及しており、デジタルで記録された地図データをデジタル画像上で加工できるようになってきている。
【0011】
そこで、新旧のデジタル写真を用いて、簡単に新写真画像の標定が精度良くでき、かつこの標定後の結果を用いて、地物の変化箇所を自動的に検出して図面に反映させる方法を得ることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の新旧写真画像を用いた標定方法は、旧地図を作成するのに使用した旧空中写真画像及び該旧空中写真画像を取得したときより時間が経過したときの、前記旧空中写真画像と同じ区域又は旧地図の修正対象の区域を撮影した新空中写真画像を、画面に表示し、これらの両方の写真画像に、共通点、対応点を指定させて標定する標定方法である。
【0013】
前記旧空中写真画像及び該旧空中写真画像の内部標定要素と焦点距離と外部標定要素とを含む第1の付属データを内部に取り込む第1の段階と、前記新空中写真画像及び該新空中写真画像の内部標定要素と焦点距離とを含む第2の付属データを内部に取り込む第2の段階と前記画面の前記旧空中写真画像及び前記新空中写真画像上に指定された共通点、対応点の前記画面上の座標を読み、前記第1及び第2の付属データを用いて、前記取り込んだ前記旧空中写真画像の外部標定要素を基準として標定して新空中写真画像の外部標定要素を得るの段階と、前記第の段階の標定結果を保存する第の段階とを行うことを要旨とする。
【0014】
すなわち、新しく撮影された航空写真を、従来行われてきた精度劣化を招く図面標定によらずに、旧航空写真のバンドル標定モデルに組み込んで、纏めてバンドル標定することで、容易に精度の高い新写真の各画像座標の標定結果を得る。
【0015】
また、修正図化方法は、旧地図を作成するのに使用した旧空中写真画像及び該旧空中写真画像を取得したときより時間が経過したときの、前記旧空中写真画像と同じ区域又は旧地図の修正対象の区域を撮影した新空中写真画像を、画面に表示し、これらの両方の写真画像に、共通点、対応点を指定させて標定して得た前記新空中写真画像の外部標定要素を用いて前記旧地図を修正図化する方法である。
【0016】
前記新空中写真画像を前記旧地図に投影して、前記新空中写真画像の外部標定要素を用いて調整する第1の段階と、前記新空中写真画像の部分画像が投影されるべき位置をエピポーラ幾何によって求め、該位置の地物に対して不定形窓を付与して、変化箇所を検索する第2の段階と、前記変化箇所が検出されたときは、前記旧地図をその変化箇所の座標情報に従って図化する第3の段階とを行うことを要旨とする。
【0017】
また、前記新空中写真画像及び前記旧空中写真画像の各点の地図要素に基づいてTINを形成し、該TINで分割される部分画像をエピポーラ幾何を用いて正射投影して比較し、その差分又は相関によって同一性を判断する第4の段階と、
前記同一性が得られない場合は、その変化箇所の座標を検出し、前記旧地図を、その変化箇所の座標情報に従って図化する第5の段階とを行うことを要旨とする。
【0018】
すなわち、例えば、高さ方向が変化したと見なせない領域、例えば高さは変化していないが、面積や幅など境界となる地図要素の位置が変化した領域又は面的な領域の拡縮がある場合は、それを検出可能となっている。このため、旧写真に対して何らかの変化があれば確実に地図に反映できる。
【0019】
【発明の実施の形態】
<実施の形態1>
本実施の形態は、バンドル標定された旧空中写真画像データとこのときのカメラの観測データと、新空中写真画像データとを用いて標定する方法である。図1は本発明の実施の形態1の概略構成図である。
【0020】
図1に示すように、データベース1には旧図面の作成に用いた航空写真画像(旧写真画像データ)が保存されている。また、データベース2には、旧写真画像データの観測データが保存されている。この観測データは、内部標定要素(写真画像の指標の真位置・レンズ歪係数)と、焦点距離と、外部標定要素(位置及び姿勢)と、指標の画像座標(ない場合もある)等を保存している。
【0021】
また、データベース3には、修正図化を行う対象区域を撮影した航空写真画像(新写真画像データ)を保存している。さらに、データベース4には、新写真画像データの内部標定要素(写真画像の指標の真位置・レンズ歪係数)と、焦点距離等を保存している。
【0022】
さらに、本実施の形態は、表示コントローラ5と、読込部6と、座標読込部7と、バンドル標定計算部8と、誤差判定部9と、再観測指示部10と、新写真標定結果用のデータベース11等を備え、画面に旧写真と新写真とを画面12に表示させ、これらの写真画像上の対応点(タイポイント、パスポイント)等を画面上で指定させて、この指定された旧写真画像の座標と新写真画像の座標を用いて旧写真と新写真とを一緒にバンドル標定して、バンドル標定モデルの旧写真の評定モデルに対する新写真の各点の位置を求めて修正図化する。
【0023】
前述の読込部6は、旧写真画像のファイル名が入力されると、データベース1からそのファイル名に対応する旧写真画像を内部に取込み画面に表示させる。
また、旧写真画像の付属データのファイル名が入力されると、データベース2からそのファイル名に対応する付属データを内部に取込み、これをバンドル標定計算部8に渡す。
【0024】
前述の旧画像の付属データは、内部標定要素(写真画像の指標の真位置・レンズ歪係数)と、焦点距離と、外部評定要素(位置及び姿勢)と、指標の画像座標(ない場合もある)等からなる。
【0025】
また、読込部6は、新写真画像のファイル名(標定図を用いる)が入力されると、このファイル名に対応する新写真画像をデータベース3から内部に取り込んで画面12に表示させる。
【0026】
さらに、新写真付属データのファイル名が入力されると、データベース4からそのファイル名に対応する新写真の付属データを内部に取込み、バンドル標定計算部8に渡す。
【0027】
新写真付属データは、内部標定要素(写真画像の指標の真位置・レンズ歪係数)と、焦点距離等からなる。
【0028】
座標計測部7は、読込部6によって内部に取り込まれた新写真画像を引き当て、画面12に指定されたパスポイント(各ステレオモデルで6点以上の対応点)と、タイポイント(異なるコースのステレオモデル間の対応点)と、新旧写真画像のタイポイント(新・旧写真のステレオモデル間の共通点)の画像の二次元座標を求め、この画像座標をバンドル標定計算部8に渡す。
【0029】
但し、タイポイントは、新写真画像と旧写真画像がモデルを形成するように配置されている場合は、パスポイント状に隣接2モデルで共有になるように地物を定めるのが良い。
【0030】
前述の新旧写真画像のタイポイントは、新写真のステレオペア及び旧写真のステレオペアで計測されていることを意味し、少なくとも新写真で2画像以上、旧写真で2画像以上の合計4画像以上で画像座標を測定する。
【0031】
バンドル標定計算部8は、座標計測部7によって定められたタイポイントの座標を取得してブロック調整(バンドル標定)を行う。つまり、新・旧写真を纏めてバンドル標定を行い、各画像の外部標定要素(位置と姿勢)を計算し、残誤差を送出する。但し、旧写真画像の位置と姿勢は旧写真の付属データのものを既知(基準)とする。
【0032】
誤差判定部9は、バンドル標定による標定誤差が予め定められている基準値以内かどうかを判定し、誤差が基準値以内に収まった場合は、新写真画像標定結果データベース11にその標定結果を保存して、旧図面を修正に利用させる。
【0033】
再計測指示部10は、誤差が基準値以内に収まっていない場合は、画面12に誤差があることを知らせて、オペレータに対して再度の入力を促し、この再入力値を用いて再度、バンドル標定を行わせる。
【0034】
すなわち、本実施の形態1は、図2に示すように、図化に用いた標定済みの旧写真画像(1回目の航空写真)と同じ航空写真を撮影し、新写真画像データを取得する。この新写真画像と旧写真画像の各対応点の画像座標(2次元)をバンドル標定モデルに組み込んで、基準座標に対して旧写真の画像座標と新写真の画像座標とを一緒にバンドル標定を行い、誤差が基準値以内かどうかを判定する。
【0035】
つまり、本実施の形態1の構成要件によれば、データベース1から旧写真画像データと新写真画像データとを読み込んで、画面に表示させて対応点を入力させ、これらの対応点の画像座標と、新旧の付属データ(内部標定要素、焦点距離、旧写真画像の外部標定要素)を用いてバンドル標定を行って、新写真画像の外部標定要素、残差情報を求め、この残差が予め定められている基準値以内に収まるようにしている。
【0036】
従って、旧地図と新写真の標定要素で作成する地図間の座標系統合誤差の内で、地図の作成時の標定要素に起因する部分が取り除かれた精度の高い地図を得ることが可能となる。
【0037】
なお、上記図1においては、画面11の左側に旧写真、右側に新写真としたが、新旧写真のどちらかを何枚表示してもよい。
【0038】
例えば、新写真のパスポイントを入力するときは、新写真のステレオペア若しくは連続する3枚の画像(トリプレット)を表示するのが良い。
【0039】
さらに、新旧のタイポイントを入力するときは、新写真のステレオペアと旧写真のステレオペアを同時に4枚表示してもよい。
【0040】
また、指標を入力するだけであれば、それぞれの写真を1枚ずつ表示して入力させてもよい。
【0041】
<実施の形態2>
実施の形態2は作成した新写真画像標定結果を用いた地図の修正個所の抽出方法である。図3に示すように一般に地図データは2次元であるが、写真測量で得られる地図データは本来は3次元データである。
【0042】
また、3次元データとして地図を保存しておけば、新しく撮影されたステレオ写真画像の標定要素を用いて、地図内の要素が新規に撮影された場合に写る地点を推定することができる。
【0043】
さらに、その標定要素がそのまま存在し、位置も変わらなければ新しく撮影されたステレオ写真画像内でも同じ位置と標高に計測されるはずである。すなわち、図4に示すように、旧写真画像の地図要素(3次元)を保存しておくことによって、例えば建物の滅失、新築、増築を見つけることが可能となる。
【0044】
このことを利用し、図5に示すように、最初に取得された3次元の地図要素が写し込まれた位置をエポピラー幾何を使って効率良く検索し、画像マッチングエラーあるいは最適マッチング位置の高さ変化に基づき変化箇所を検出して修正する。
【0045】
このような変化箇所抽出・修正図化処理を図6を用いて説明する。一般に旧地図データが標高のない2次元データとしてデータベース16に保存されている場合は、3次元変換部18は、データベース2の旧写真画像ステレオモデルを読み込んで、2次元の地図に高さを付与して3次元変換して、データベース17に保存しておく。
【0046】
例えば、2次元の地図データ内の等高線及び標高単点(標高が与えられている点)からTIN等を利用して地表モデルを生成する。次に地図上の各要素若しくは点の位置に対応する標高の地表モデルを求め、その標高の各要素を各要素若しくは点の標高値とする。
【0047】
この標高の付与は例えば、建物等、地表面から突出している地物に対しては、図7に示すように、航空機等で得た2つの写真画像を二次元座標に投影するための関数を決定し、この関数によって関係づけられた拡張ステレオモデル(輝度画像I1、輝度画像I2)と、標高を求めたい任意の地物BU(既知)を基準不定形窓P1(ポリゴン)とし、これが任意の標高を持つように定める。
【0048】
そして、不定形窓P1の高さを変化させながら輝度画像I1、I2に前述の関数を用いて両方の画像の位置を求め、この位置における不定形窓P1を投影したときの画像I1、I2の輝度値を比較し、評価関数に最も近似したときの不定形窓P1の高さを、その輝度画像の高さと決定する。このような不定形窓を用いたステレオマッチングを利用して標高を決定する(図5参照)。このとき、使用する航空写真画像は、旧地図を作成したときのものを使うことが重要である。
【0049】
次に、コンピュータ20のデータ読込部21は、データベース11から新写真画像標定結果と、データベース3の新写真画像(ステレオペアと、データベース17の高さが付与された旧地図データ(3次元)を読み込む。
【0050】
次に、投影部22は、地図データの各要素及びそれを構成する点は、3次元座標を持つことを前提として、データ読込部21で読み込んだ新写真画像標定結果と地図データとを用いて、全ての地図データの各要素及び構成点が新写真画像内に存在すると仮定したときの画像上の各地物の位置を求める。
【0051】
地図モデル間調整部23は、以下の処理を行う。
【0052】
地図を投影した場合、地図がステレオ画像に対して一定方向に一定距離ずれるといった系統誤差が見られる場合がある。これは標定結果に起因する系統誤差を取り除いたとしても、例えば以下のようなものが残っている場合がある。
【0053】
(1)図化機にフィルムセットしたときに生じる誤差
(2)地図編集段階で座標を何らかの利用で調整したときの誤差
(3)旧地図データがアナログ図面からマップデジタイズした場合に生じる誤差等がある。
【0054】
このような誤差が図化時に問題となる大きなずれがある場合は、地図と写真モデルのずれを計測し、その誤差を調整する必要がある。
【0055】
このため、地図モデル間調整部23は、図8のフローチャートに示すように、地図上で明確に分かる点(xi、yi、zi)を利用して、ステレオ写真画像上で、写真測量の原理に基づき数点計測(共通点)を行い、計測座標(xmi、ymi、zmi)を求める(S1)。これは、最低3点でよいが、精度良く求めるにはモデル内で10点〜20点以上計測するのが良い。
【0056】
次に、これらの地図上の座標から計測座標に変換する3次元ヘルマート系数(3次元回転、スケール変換、3次元スケール移動の7自由度)を最小二乗法によって求める(S2)。
【0057】
そして、全ての地図内の要素及び点の座標について3次元ヘルマート変換を施して地図を標定結果に合わせる(S3)。
【0058】
また、修正個所決定部24は、修正個所をデジタル画像とデジタル地図とを用いて決定する。
【0059】
例えば、モニタ上に写真画像を表示し、さらに前の仮定で計算した座標に基づいて地図データの各要素をオーバレイ表示することにより、地図データがその背景となる画像上の地物と重なっているかどうか、矛盾がないかどうかをオペレータが判断し、矛盾がある場合(背景に地物と重なるものがない、若しくは変化している)場合は、修正個所と判断する(視認による修正個所決定24a)。
【0060】
また、修正個所は自動決定することも可能である。以下は、修正箇所の自動決定(24b)について図9のフローチャートを用いて説明する。
【0061】
3次元地図オブジェクトを3次元空間に位置(3次元座標を有する)するランダムな点、任意の仮想格子線の交点、折れ線を含む線分、任意の傾きを有する面、或いはそれらから生成できるTINで表される三角形分割された面群と設定する。
【0062】
そして、2回目以降に撮影したステレオ写真上(新写真)でそのオブジェクトが投影されるべき位置の部分画像をエピポーラ幾何に従って探索する(S5)。
【0063】
次に、探索した地物に対して不定形窓若しくはエリアマッチングによって標高を算出する(図7を参照)。この標高と元の標高の差がしきい値を超えているかどうかを判断する(S6)。しきい値を超えているときは高さが変化していると判断する(S11)。つまり、エリアステレオ画像マッチング若しくは不定形窓法によって異なる標高で最適マッチング結果となったオブジェクトは地物が変化したと推定できる
また、しきい値を超えていないと判断したときは、新旧画像の正射投影画像を生成する(S7)。
【0064】
そして、これらの正射投影画像同士の輝度データを比較して(S8)、変化があるかどうかを判定し(S9)、変化がある場合はステップS11に進んで変化ありと判定する。また、変化がない場合は変化なしと判定する(S10)。
【0065】
つまり、道路などで、標高には変化がないが拡幅等による形状変化がある場合もある。このようなときは、道路領域及びその周辺の領域について旧画像データと新画像データから切り出し、道路縁及びその周辺にある3次元の地図要素データ(折れ線を含む線分等)から発生させる地表面モデルを用いて、それぞれの画像を正射投影変換した部分オルソ画像を生成する。
【0066】
こうして得られた新旧部分オルソ画像について差分若しくは画像相関などによって同一性を比較する。比較の結果、同一でないとみなされた場合に地物が変化したと推定できる。
【0067】
次に、修正図化部25は、修正個所が決定したら、デジタル写真測量図化機の原理によって、旧地図を修正する。
【0068】
従って、ステレオ写真測量図化機を用いた修正図化に関する標定作業の精度が向上すると共に、旧来出力図面上で行っていた予察作業をコンピュータで自動処理などで行うことにより、修正図化作業を効率化することができる。
【0069】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、新しく撮影された空中写真を、従来行われてきた精度劣化を招く図面標定によらずに、与えられた旧空中写真の外部標定要素を基準として、旧空中写真と新空中写真とを纏めて標定することで、容易に新写真の標定結果を得るという効果が得られている。
【0070】
また、求めた標定結果の誤差が予め定められている基準値を満たしていないときは、新たな共通点、対応点を与えて標定を再度実施させるので、容易に精度の高い標定結果を得るという効果が得られている。
【0071】
さらに、これらの標定結果を用いて、修正個所を算出して、地図に反映させるようにしたので、図化機のセット誤差、座標誤差、マッピング誤差があっても容易に精度の高い地図を得ることができるという効果が得られている。
【0072】
さらに、高さ方向が変化したと見なせない領域、例えば高さは変化していないが、面積や幅など境界となる地図要素の位置が変化した領域或いは面的な領域の拡縮がある場合は、それを検出可能となっている。このため、旧写真に対して何らかの変化があれば確実に地図に反映できるという効果が得られている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態1の標定方法の概略構成図である。
【図2】本実施の形態1の標定方法を説明する説明図である。
【図3】図化直後の地図要素データを説明する説明図である。
【図4】3次元地図とステレオモデル(ステレオペア)を用いた変化箇所抽出の原理を説明する説明図である。
【図5】ステレオマッチングによる変化箇所推定を説明する説明図である。
【図6】実施の形態2の概略構成図である。
【図7】不定形窓を用いたステレオマッチングの説明図である。
【図8】モデル・地図調整フローチャートである。
【図9】修正個所自動決定フローチャートである。
【図10】従来の修正図化時の標定を説明する説明図である。
【符号の説明】
6 読込部
7 座標計測部
8 バンドル標定計算部
9 誤差判定部
10 再観計測指示部

Claims (5)

  1. 旧地図を作成するのに使用した旧空中写真画像及び該旧空中写真画像を取得したときより時間が経過したときの、前記旧空中写真画像と同じ区域又は旧地図の修正対象の区域を撮影した新空中写真画像を、画面に表示し、これらの両方の写真画像に、共通点、対応点を指定させて標定する標定方法であって、
    前記旧空中写真画像及び該旧空中写真画像の内部標定要素と焦点距離と外部標定要素とを含む第1の付属データを内部に取り込む第1の段階と、
    前記新空中写真画像及び該新空中写真画像の内部標定要素と焦点距離とを含む第2の付属データを内部に取り込む第2の段階と
    前記画面の前記旧空中写真画像及び前記新空中写真画像上に指定された共通点、対応点の前記画面上の座標を読み、前記第1及び第2の付属データを用いて、前記取り込んだ前記旧空中写真画像の外部標定要素を基準として標定して新空中写真画像の外部標定要素を得るの段階と、
    前記第の段階の標定結果を保存する第の段階
    とを行うことを特徴とする新旧写真画像を用いた標定方法。
  2. 前記第の段階で求めた新空中写真画像の標定結果が基準値を超えたときは、再度、前記共通点、対応点を指定させて、前記第の段階の標定を行わせる第の段階と
    行うことを特徴とする請求項1記載の新旧写真画像を用いた標定方法。
  3. 前記標定はバンドル標定を用いていることを特徴とする請求項1又は2記載の新旧写真画像を用いた標定方法。
  4. 旧地図を作成するのに使用した旧空中写真画像及び該旧空中写真画像を取得したときより時間が経過したときの、前記旧空中写真画像と同じ区域又は旧地図の修正対象の区域を撮影した新空中写真画像を、画面に表示し、これらの両方の写真画像に、共通点、対応点を指定させて標定して得た前記新空中写真画像の外部標定要素を用いて前記旧地図を修正図化する方法であって、
    前記新空中写真画像を前記旧地図に投影して、前記新空中写真画像の外部標定要素を用いて調整する第1の段階と、
    前記新空中写真画像の部分画像が投影されるべき位置をエピポーラ幾何によって求め、該位置の地物に対して不定形窓を付与して、変化箇所を検索する第2の段階と、
    前記変化箇所が検出されたときは、前記旧地図をその変化箇所の座標情報に従って図化する第3の段階と
    行うことを特徴とする修正図化方法。
  5. 前記新空中写真画像及び前記旧空中写真画像の各点の地図要素に基づいてTINを形成し、該TINで分割される部分画像をエピポーラ幾何を用いて正射投影して比較し、その差分又は相関によって同一性を判断する第4の段階と、
    前記同一性が得られない場合は、その変化箇所の座標を検出し、前記旧地図を、その変化箇所の座標情報に従って図化する第5の段階と
    行うことを特徴とする請求項4記載の修正図化方法。
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