JP5580142B2 - 免疫測定法による尿中抗原の検出方法 - Google Patents
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また、本発明は、尿を被検体としたイムノクロマトグラフ法における非特異反応を抑制するために鳥由来のIgYを含有してなる非特異反応抑制剤の存在下に免疫反応を行わせることができる、クロマトグラフ媒体、及びそのための展開液に関する。
不溶性担体、放射性物質、酵素、螢光物質等を抗体に結合した標識抗体を用いるこれらの免疫測定法では、標識抗体は、一般に、抗体を固相に結合した固相化抗体と組み合わせて固相法に使用される。固相法には「固相化抗体−抗原−標識抗体」複合物を作らせ測定するサンドイッチ法や、固相化抗原と検体中の遊離抗原が反応系内に添加された一定量の標識抗体に対して競合的に反応することを原理とする競合法等がある。固相には、ポリスチレンマイクロプレート、ポリスチレンビーズ、磁性粒子、ガラスビーズ等を用いることができるが、ニトロセルロース膜、セルロース濾紙等の多孔性物質を固相に用いたイムノクロマトグラフ法も知られている。
このような非特異因子は、被検出物質と特異的に反応する抗体のみならず、被検出物質と反応しない抗体とも結合する物質である。具体的な非特異因子としては、試料がヒトから採取されたものであり、被検出物質に対する標識抗体又は固相化抗体がマウスで作製された場合には、ヒト抗マウスIgG抗体、ヒト抗マウスIgM抗体等が挙げられる。非特異因子の例としては、異好性抗体(異種動物の抗原と反応する抗体)、リウマトイド因子(抗IgG抗体)等が知られているが、成分が明らかとなっていない非特異因子も多く存在する。
例えば、特許文献1には、マウスモノクローナル抗体を用いた免疫測定法において、非特異反応吸収剤としてマウス血清、マウス腹水等を用いる方法が記載されている。特許文献2では、免疫測定法に使用される標識抗体と同一の抗体を、抗体本来の特異的な結合活性を失活させて非特異反応吸収剤として用いる方法が記載されている。特許文献3では、例えばウサギ由来の抗体を用いた免疫測定法における非特異因子(例えば、ヒト抗ウサギIgG抗体)の吸収剤として、ウサギで作製した非特異因子に対する抗体を用いる方法が記載されている。特許文献4では、免疫測定法に用いる抗体の産生動物種とは異なるウシ科動物種の血液成分を非特異反応抑制剤として用いることが記載されており、特許文献5では、γ−グロブリンを折衝させる方法が記載されている。
さらに、特許文献10では、ウサギに由来し被検出物質に特異的に結合しない免疫グロブリンを含んでなる、免疫測定法における非特異反応を抑制する方法が開示されている。
これらの従来技術での非特異抑制技術では、ペプチドなどを導入することにより感作粒子上の表面電荷を変化させることにより粒子の分散性を高め非特異反応を抑制することを目的としているものであり、また、塩化ナトリウムやエチレンジアミン四酢酸、ホスホリルコリン基を有する重合体を抗体抗原反応中に存在する方法も感作粒子の分散性を高め非特異反応を抑制するが抜本的に非特異反応を抑制する問題を解決するものではないと考えられる。
しかしながら、尿検体を用いるイムノクロマト法などの免疫測定においても非特異反応が起こる場合があり、尿中における微量の夾雑物が非特異反応を生起させ、検出の信頼性を著しく損なう結果となることがある。また、尿は粘性が低く検体の調製が容易であることから、イムノクロマト法などの免疫測定における検体として優れた特性を有しているが、微量成分の夾雑による非特異反応が有り、必ずしも信頼性の高い方法ではなかった。そこで、尿を被検体とする免疫測定に伴う非特異反応を簡便かつ効果的に抑制し、尿中の微量成分の正確な検出ならびに定量を実現するための、非特異反応抑制剤の開発が望まれていた。
また、本発明は、尿を被検体とした肺炎球菌の断片を高感度でかつ高信頼性で検出できる免疫測定法及びそのための免疫測定媒体を提供するものである。
また、本発明は、尿を被検体とした免疫測定法における非特異反応を抑制するために、鳥由来のIgYを含有してなる非特異反応抑制剤の存在下に免疫反応を行わせることを特徴とする尿を被検体とした免疫測定法に関する。
さらに、本発明は、尿を被検体としたイムノクロマトグラフ法における非特異反応を抑制するために鳥由来のIgYを含有してなる非特異反応抑制剤の存在下に免疫反応を行わせることができる、クロマトグラフ媒体に関する。
また、本発明は、尿を被検体とした免疫測定法における非特異反応抑制剤として鳥由来のIgYを含有してなる、尿を被検体とするイムノクロマトグラフ法における展開液を提供するものである。
さらに、本発明は、尿中に排泄される病原体抗原、例えば、肺炎球菌由来の夾膜(ポリサッカライド)を高感度でかつ高信頼性で検出するための免疫測定法及びそのための免疫測定媒体、例えばクロマトグラフ媒体に関する。
(1)鳥由来のIgYを含有してなる、尿を被検体とした免疫測定法における非特異反応抑制剤。
(2)鳥由来のIgYの濃度が、0.01〜1μg/μLである前記(1)に記載の非特異反応抑制剤。
(3)免疫測定法が、尿中の抗原を検出するための方法である前記(1)又は(2)に記載の非特異反応抑制剤。
(4)抗原が、尿中の病原体抗原である前記(3)に記載の非特異反応抑制剤。
(5)免疫測定法が、イムノクロマトグラフ法である前記(1)から(4)のいずれかに記載の非特異反応抑制剤。
(6)尿を被検体とし尿中の被検出物質を特異的に検出するための免疫測定法において、非特異反応を抑制するために鳥由来のIgYを含有してなる非特異反応抑制剤の存在下に免疫反応を行わせることを特徴とする尿を被検体とした免疫測定法。
(7)免疫測定法が、尿中の被検出物質と特異的に結合する第一試薬、並びに尿中の被検出物質と特異的に結合する第二試薬及び標識物質からなる標識試薬を用いて尿中の被検出物質を特異的に検出する免疫測定法である前記(6)に記載の免疫測定法。
(8)免疫測定法が、イムノクロマトグラフ法である前記(6)又は(7)に記載の免疫測定法。
(9)非特異反応抑制剤が、イムノクロマトグラフ法における展開液として供給される前記(8)に記載の免疫測定法。
(10)非特異反応抑制剤が、クロマトグラフ媒体に固定されている前記(8)に記載の免疫測定法。
(11)免疫反応が、さらに界面活性剤の存在下で行われる前記(6)〜(10)のいずれかに記載の免疫測定法。
(12)尿中の被検出物質が、尿中の抗原である前記(6)〜(11)のいずれかに記載の免疫測定法。
(13)抗原が、尿中の病原体抗原である前記(12)に記載の免疫測定法。
(14)前記(1)〜(5)のいずれかに記載の非特異反応抑制剤を含有してなる、尿を被検体とするイムノクロマトグラフ法における展開液。
(15)尿中の被検出物質と特異的に結合する第一試薬が固定化された判定部位を有する尿を被検体としたクロマトグラフ媒体において、移動相を構成する液体が非特異反応抑制剤として鳥由来のIgYを含有できる構成となっていることを特徴とする、尿を被検体としたイムノクロマトグラフ法のためのクロマトグラフ媒体。
(16)鳥由来のIgYを含有してなる非特異反応抑制剤が、クロマトグラフ媒体に固定されている前記(15)に記載のクロマトグラフ媒体。
(17)鳥由来のIgYを含有してなる非特異反応抑制剤が、イムノクロマトグラフ法における展開液として供給される前記(15)に記載のクロマトグラフ媒体。
(18)鳥由来のIgYの含有量が、1ストリップ当たり2〜200μgである、前記(15)〜(17)のいずれかに記載のクロマトグラフ媒体。
(19)移動相を構成する液体が、さらに界面活性剤を含有する前記(15)〜(18)のいずれかに記載のクロマトグラフ媒体。
(20)被検出物質と特異的に結合する第一試薬が、被検出物質の抗体である前記(15)〜(19)のいずれかに記載のクロマトグラフ媒体。
(21)被検出物質が、尿中の病原体抗原である前記(15)〜(20)のいずれかに記載のクロマトグラフ媒体。
(22)病原体抗原が、肺炎球菌由来の病原体抗原である前記(21)に記載のクロマトグラフ媒体。
このようなことから、非特異的反応を顕著に抑制させることができる尿を被検体とした新規な免疫測定法を提供することができる本発明は、尿中の病原体抗原の検出を簡便で高感度で、高信頼性で行うことを可能とするものであり、尿中の病原体抗原を検出する優れた方法を提供するものである。
ニワトリのIgYは、公知の方法(例えば、特許第3597784号公報等)に従って調製することができる。例えば、抗原で免疫したニワトリから卵を採取し、この卵から卵黄を分離して粉末化した卵黄粉末を、エタノール等の溶媒を用いて脱脂して脱脂卵黄粉末とし、この脱脂卵黄粉末に緩衝液(例えば、リン酸緩衝液、トリス−塩酸緩衝液等)を加えて撹拌・抽出して上清を回収し、この上清を適宜脱塩、濃縮、粉末化することにより各抗原蛋白質に対するニワトリIgYを調製することができる。
本発明の非特異反応抑制剤を溶液として使用する場合には、鳥由来のIgYを0.01〜1μg/μL好ましくは0.02〜0.5μg/μL、さらに好ましくは0.02〜0.0.2μg/μLの濃度とするのが好ましい。また、多孔性物質に含有させるには、1検体の測定(1ストリップ)当たり、2〜200μg、好ましくは3〜200μg、より好ましくは3〜100μg、さらに好ましくは3〜50μgである。この場合の1検体の量としては、全尿で10〜300μL、好ましくは30〜200μL、さらに好ましくは40〜200μLが挙げられる。
本発明における免疫測定法としては、抗原抗体反応を利用する免疫測定法であれば、公知のいずれの免疫測定法でもよく、例えば、凝集法、放射免疫測定法、酵素免疫測定法、螢光免疫測定法等を挙げることができる。これらの測定法においては、固相に結合した固相化抗体又は固相化抗原を用いて、被検出物質及び標識抗体の分離が行われる。固相には、一般に、ポリスチレンマイクロプレート、ポリスチレンビーズ、磁性粒子、ガラスビーズ、ニトロセルロース膜、セルロース濾紙等を用いることができる。マイクロプレートを固相に用いた場合には個々のウェル内に反応溶液が満たされ、また、ビーズ、粒子等を固相に用いた場合には試験管、チューブ等の容器内に満たされた反応溶液中にそれらが分散されるので、免疫反応は比較的多量の溶液中で進行する。一方、ニトロセルロース膜、セルロース濾紙等の多孔性物質を固相に用いたイムノクロマトグラフ法では、わずかな展開液が多孔性物質中を移動していく環境下で免疫反応が進行するので、非特異因子と固相化抗体がより密に接触し、非特異反応が促進する可能性が考えられるが、本発明の非特異反応抑制剤は、このような免疫測定法においても優れた免疫抑制効果を奏するものである。
本発明において、免疫測定法に用いる抗体が由来する動物種とは、抗体が被検出物質を動物に投与することにより作製されたものである場合には、被検出物質を投与され抗体を産生した動物の種をいう。抗体が、抗体を産生する動物から細胞を採取し、当該細胞により産生されたものである場合には、当該細胞が由来する動物種をいう。複数の細胞を融合した融合細胞により抗体を産生する場合には、融合前の各々の細胞が由来するそれぞれの動物種をいう。さらに、抗体を、分子生物学的手法により、異種の動物の免疫グロブリン遺伝子断片をつなげてキメラ抗体として作製する場合には、抗体が由来する動物種とは、免疫グロブリン遺伝子断片を取得したそれぞれの動物種をいう。
免疫測定法に用いる抗体が由来する動物種の具体例としては、マウス、ラット、モルモット、イヌ、ヤギ、ヒツジ、ブタ、ウマ、ウシ及びヒト等を挙げることができるが、これらに限定されない。本発明における好ましい動物種としては抗原の種類によるが、抗原が病原体抗原である場合には、マウスやウサギが挙げられる。
具体的な被検出物質としては、例えば、尿中に存在し得る病原体抗原(例えば、病原体の夾膜多糖体抗原や内毒素抗原(lipopolysaccharide)など)を挙げることができるが、これに限定されるものではない。
クロマトグラフ媒体
本発明のイムノクロマトグラフ法において用いるクロマトグラフ媒体は、毛管現象を示す微細多孔性物質からなる不活性のものであって、使用される検出試薬、固定化試薬、被検出物質などと反応しないものであり、短時間での判定で十分な感度が得られる展開速度を有していれば、特にその素材が限定されるものではない。
本発明において、クロマトグラフ媒体としては、シリカ、チタニア、ジルコニア、セリア、アルミナ等のセラミック微粒子又は有機高分子の微粒子、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ナイロン、ニトロセルロース又は酢酸セルロース等のセルロース誘導体等で構成される繊維状又は不織繊維状マトリクス、膜、濾紙、ガラス繊維濾紙、布、綿等が挙げられる。微粒子はそれ自体が多孔性でなくとも、充填された状態では微粒子間に空隙が生じクロマトグラフ媒体として機能する。好ましくはセルロース誘導体やナイロンの膜、濾紙、ガラス繊維濾紙等であり、より好ましくはニトロセルロース膜、混合ニトロセルロースエステル(ニトロセルロースと酢酸セルロースの混合物)膜、ナイロン膜、濾紙である。
本発明において用いるクロマトグラフ媒体上には、尿中の被検出物質と特異的に結合する第一試薬、例えば抗体が任意の位置に固定化された判定部位が形成される。抗体などの第一試薬をクロマトグラフ媒体に固定化する方法としては、第一試薬をクロマトグラフ媒体に物理的又は化学的手段により直接固定化する方法と、第一試薬をラテックス粒子などの微粒子に物理的又は化学的に結合し、この微粒子をクロマトグラフ媒体に捕捉して固定化する間接固定化方法がある。
直接的に固定化する方法としては、物理吸着を利用しても良いし、共有結合によってもよい。一般にクロマトグラフ媒体がニトロセルロース膜又は混合ニトロセルロースエステル膜の場合、物理吸着を行うことができる。共有結合ではクロマトグラフ媒体の活性化には一般的に臭化シアン、グルタルアルデヒド、カルボジイミド等が用いられるが、いずれの方法も用いることができる。間接的に固定化する方法としては、不溶性微粒子に第一試薬を結合した後に、クロマトグラフ媒体に固定化する方法がある。不溶性微粒子の粒径はクロマトグラフ媒体に捕捉されるが移動することのできないサイズのものを選択することができ、好ましくは平均粒径10μm程度以下の微粒子である。これらの粒子としては抗原抗体反応に使用されるものが種々知られており、例えば、ポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、ポリグリシジルメタクリレート、アクロレイン−エチレングリコールジメタクリレート共重合体などの乳化重合法によって得られる有機高分子ラテックス粒子などの有機高分子物質の微粒子、ゼラチン、ベントナイト、アガロース、架橋デキストランなどの微粒子、シリカ、シリカ−アルミナ、アルミナなどの無機酸化物や無機酸化物にシランカップリング処理などで官能基を導入した無機粒子等が挙げられる。
本発明においては、感度調整の容易さ等から直接固定化の方が好ましい。また、クロマトグラフ媒体への第一試薬の固定化には、いろいろな方法が使用できる。例えば、マイクロシリンジ、調節ポンプ付きペン、インキ噴射印刷等、種々の技術が使用可能である。判定部位の形態としては特に限定されないが、円形のスポット、クロマトグラフ媒体の展開方向に垂直にのびるライン、数字、文字や+、−などの記号等として固定化することもできる。
その他、クロマトグラフ媒体には、必要に応じて、被検出物質を含む尿を添加するための尿添加部位(サンプルパッド等)、尿中の不溶物質を除去する部位、展開液を添加するための展開液添加部位、判定部位に捕獲されなかった被検出物質や展開液を吸い取る吸収部位(吸収パッド等)、測定が正常に行われたことを示す対照部位等を組み入れてもよい。これらの部位の部材は、毛管現象により試料液や展開液が移動できれば特に限定されず、一般的には、ニトロセルロース膜、濾紙、ガラス繊維濾紙等の複数の多孔性物質からその目的に応じたものを選択して用い、第一試薬が固定化されたクロマトグラフ媒体と毛管で繋がるように配置することができる。
本発明における標識試薬は、尿中の被検出物質と特異的に結合する第二試薬及び標識物質からなっており、一般的には第二試薬が吸着や化学結合などにより標識物質に結合している。
標識物質
本発明で用いられる検出試薬は、尿中の被検出物質と特異的に結合する第二試薬、例えば抗体であり、標識物質により標識化される。イムノクロマトグラフ法における検出試薬の標識には、一般に酵素等も使用されるが、尿中の被検出物質の存在を目視で判定するのに適していることから、本発明の標識物質としては不溶性担体を用いるのが好ましい。本発明においては、第二試薬を不溶性担体に感作することにより標識化した第二試薬を標識試薬として調製する。
本発明で用いられる標識物質としての不溶性担体としては、金、銀、白金のようなコロイド状金属粒子、酸化鉄のようなコロイド状金属酸化物粒子、硫黄などのコロイド状非金属粒子及び合成高分子よりなるラテックス粒子、その他を用いることができる。
これらの不溶性担体に関しては、ラテックス粒子又はコロイド状金属粒子のいずれにおいても、その表面が負に荷電していることが知られている(例えば、特開平5−133956号公報参照)。例えば、コロイド状金属粒子では、その製造過程で添加される還元剤由来のアニオンがその表面に吸着しており、相互の凝集が妨げられて分散した状態を保っている。そして、この状態のコロイド状金属粒子に、表面電荷を中和しない程度の低濃度の界面活性剤を添加すると、粒子が鎖状に数個程度凝集することが知られている(特開2006−58781号公報)。このように、本発明のイムノクロマトグラフ法においても、移動相を構成する展開液に界面活性剤を添加すると、クロマトグラフ媒体上の判定部位に捕捉された不溶性担体が数個程度凝集することにより、反応部位で観察される陽性シグナルの増幅が見られると推測される。特に、コロイド状金属粒子においては、凝集によって反応部位に蓄積する粒子の数が増加することにより、目視判定されるシグナル量が増加するのみならず、粒子の光吸収スペクトル特性が変化することにより、判定部位においてより明瞭な陽性シグナルを得ることが可能となると推測される。このような利点を有することから、コロイド状貴金属粒子、特にコロイド状金粒子は、本発明の標識物質として好ましいものである。
コロイド状金属粒子として、例えばコロイド状金粒子を用いる場合には、市販のものを用いてもよい。あるいは、常法、例えば塩化金酸をクエン酸ナトリウムで還元する方法によりコロイド状金粒子を調製することができる。
第一試薬及び第二試薬は同じであっても、異なっていてもよいが、同じ有る方が簡便で好ましい。これらの第一試薬及び第二試薬としては、尿中の被検出物質と特異的に結合することができる試薬であれば特に制限はされないが、被検出物質が抗原である場合には、それに特異的に結合することができる抗体が好ましい。抗体はモノクローナル抗体であってもポリクローナル抗体であってもよいが、特別な場合を除きポリクローナル抗体が簡便性の点からも好ましい。このような抗体は、被検出物質である抗原で動物を感作することによる公知の方法で製造することができる。
尿中の被検出物質として、尿中の病原体抗原、特に病原体の夾膜多糖体抗原とする場合には、ウサギ由来のポリクローナル抗体が好ましい。
本発明で用いられる展開液は、イムノクロマトグラフ法において移動相を構成する液体であり、固定相であるクロマトグラフ媒体上を、尿中の被検出物質を含む尿及び標識試薬と共に移動する。
本発明で用いられる展開液は、通常、水を溶媒とし、上記の酸素原子含有極性基を有するビニル系水溶性ポリマー及び非イオン性界面活性剤に加え、緩衝剤を含有することが好ましい。緩衝剤の好ましい例としては、リン酸塩、トリスヒドロキシメチルアミノメタン、グッドの緩衝剤等を挙げることができる。また、さらに他の成分として、ウシ血清アルブミン(BSA)等のタンパク質成分(含有量は通常0.01重量%〜10重量%)を任意で含んでいてもよい。
また、本発明は被検体として粘性の低い尿を使用することから、被検体の尿を展開液として使用することもできる。
本発明の方法においては、界面活性剤を添加することが好ましい。界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤が好ましく、特にHLB値が10〜18、好ましくはHLB値が13〜18のポリオキシエチレン系界面活性剤がより好ましい。ポリオキシエチレン系界面活性剤の好ましい例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(商品名「Tween」シリーズ)、ポリオキシエチレンp−t−オクチルフェニルエーテル(商品名「Triton」シリーズ)、ポリオキシエチレン脂肪族エーテル(商品名「Brij」シリーズ)、ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレン−アルキルエーテル(商品名「ノニオンMN」)等を挙げることができ、より具体的には、「Tween」シリーズでは、特にTween20(商品名)、Tween40(商品名)、Tween60(商品名)、Tween80(商品名);「Triton」シリーズでは、特にTriton X−100(商品名)、Nonidet P−40(商品名)、TritonX−114(商品名)、NP−40(商品名);「Brij」シリーズでは、Brij58(商品名)、Brij35(商品名);「ノニオンMN」では、アルキル基の炭素数=14、オキシプロピレンのモル比/オキシエチレンのモル比=1.1のMN−811等を挙げることができる。これらのなかでは、Brij35、Brij58、MN−811、Tween80などが好ましい。
界面活性剤は、単独でも2種以上を混合して用いることもできる。上記した界面活性剤の含有量は、特に限定されないが、組成物全体の質量に対し0.01〜10質量%の範囲であり、好ましくは0.05〜5質量%、より好ましくは0.1〜2質量%の範囲が挙げられる。
(1)判定部位の作製
ニトロセルロースからなる膜の判定ライン領域に、抗体塗布機(BioDot社)を用いて抗肺炎球菌ウサギポリクローナル抗体(Polyclonal Rabbit anti Streptcoccus pneumoniae antibody)を塗布した。抗体は、予め10mM炭酸ナトリウム水溶液(pH7.5)に希釈し、4mg/mLとした。本試験では、4mg/mLの抗体溶液95μL、20%シュクロース溶液75μL、イソプロパノール(Wako)15μL、10mM炭酸ナトリウム水溶液(pH7.5)115μLをそれぞれ混合し、合計300μLの抗体溶液を作製した。作製した抗体溶液中の抗体濃度はおよそ1.3mg/mLとし、これを1cmあたりおよそ1.116μLの割合で塗布し、42℃で1時間乾燥した。
なお、コントロール用ライン領域にはマウスIgGに対するヤギ由来の抗血清を用いた。抗体は、予め10mM炭酸ナトリウム水溶液(pH7.5)に希釈し、2.25mg/mLとした。2.25mg/mLの抗体溶液60μL、イソプロパノール(Wako)15μL、10mM炭酸ナトリウム水溶液(pH7.5)225μLをそれぞれ混合し、合計300μLの抗体溶液を作製した。作製した抗体濃度は0.45mg/mLとし、これを1cmあたり0.744μLの割合で塗布した。
コンジュゲートパッドは、以下のように作製した。およそ60ppmの金コロイド溶液500μLに対して、50mM HEPES(pH9.0)100μLを加えた後、混和し、5mM HEPESで15mg/mLに調製しておいた前記(1)に記載した判定部位の作製に用いられる抗体と同じ抗体(抗肺炎球菌ウサギポリクローナル)の溶液100μLを添加し、すぐに混和した。室温で10分間放置した後、CE510(JSR社)を100μL、及び50mM KH2PO4(pH7.5)に溶解した1%(w/v)PEG(分子量20,000)溶液を100μLずつそれぞれ添加し、混和した。室温で10分間放置したのち、遠心分離機(クボタ)を用いて8,000×g、4℃の条件で10分間遠心分離した。上澄み液を除去し、1%(w/v)ウシ血清アルブミン(BSA)、0.05%(w/v)PEG(分子量20,000)、0.1%(w/v)NaN3、150mM NaCl、20mM Tris−HCl、pH8.2からなる金コロイド保存液を加えた。超音波破砕機を用いて金コロイド粒子をよく分散させた後、8,000×g、4℃の条件で10分間遠心分離した。上澄み液を除去し、金コロイド保存液を加えて超音波破砕機にてよく分散させた。UV測定器(島津)を用いて溶液のOD値を測定し、OD値がほぼ9になるように調製した。これを抗体感作金コロイド溶液(標識試薬溶液)とした。この抗体感作金コロイド溶液321μLに対して純水あるいは超純水を426μL、及び25%(w/v)トレハロース溶液を106.6μLそれぞれ加えて、よく混和した。本試験では、この溶液853.6μLを、縦16mm、横10cmのガラス繊維パッド(ミリポア社)に添加し、均一に馴染ませた。真空乾燥機を用いて十分に乾燥させ、コンジュゲートパッドを得た。
サンプルパッドは、以下のように作成した。1M Tris−HCl150μL、10%Brij35 150μL、0.5M EDTA 10μL、及び純水あるいは超純水690μLをそれぞれ加えて、よく混和した。この溶液1000μLを、縦20mm、横10cmのガラス繊維パッド(ミリポア社)に添加し、均一に馴染ませた。真空乾燥機を用いて十分に乾燥させ、サンプルパッドを得た。
(4)クロマトグラフ媒体の作製
前記(1)で作製した判定部位及びコントロール用ライン領域を有するクロマトグラフ媒体上に、前記(2)及び(3)で作製したコンジュゲートパッド及びサンプルパッドを設置し、展開された水溶液を吸収する吸収パッドをコントロールライン下流に設置して、本発明のクロマトグラフ媒体を製造した。
尿を被検体として鳥由来のIgYの導入濃度を変化させ非特異抑制効果を評価した。
(1)イムノクロマトグラフ法のためのクロマトグラフ媒体の作製
抗体として、抗肺炎球菌ウサギポリクローナル抗体(Polyclonal Rabbit anti Streptcoccus pneumoniae antibody)を用い、鳥由来のIgYを0、2、3、7、10、及び20μg/1ストリップ(strip)それぞれ導入して、真空乾燥機を用いて十分に乾燥させて、実施例1と同様にしてサンプルパッドを得た。
得られたサンプルパッドを用いて、実施例1と同様にして、鳥由来のIgYを0、2、3、7、10、及び20μg/1ストリップ(strip)それぞれ有する本発明のクロマトグラフ媒体を製造した。
被検体として、尿のみ、及び尿に肺炎球菌(Streptcoccus pneumoniae)の夾膜抗原を精製したものを11.5ng/mLの濃度になるように添加した尿サンプルを用いた。被検体量は150μLとして、これを前記(1)で製造した本発明のクロマトグラフ媒体のサンプルパッドの上に滴下した。被検体150μLを導入後、15分後に判定部位における発色強度をイムノクロマトリーダー(浜松ホトニクス社)で測定した。
結果を図1のグラフに示す。図1の縦軸は判定部位における発色強度を示し、横軸は鳥由来のIgYの添加量(μg/ストリップ)を示す。各棒グラフの左側は、被検体として尿のみを使用した場合を示し、右側は、尿に肺炎球菌夾膜抗原を添加した尿サンプルの場合を示す。
この結果、鳥由来のIgYを存在させることにより非特異的反応が顕著に抑制されることがわかった。即ち、抗原を含有していない尿のみのサンプル(陰性のサンプル)であっても、鳥由来のIgYが存在していない場合には、250程度の発色強度が観察され、これは目視でも十分に確認できる発色強度(発色強度が10以上)であり、強い非特異反応があることがわかる。しかし、鳥由来のIgYの2μg/ストリップの添加により、発色強度は100以下に顕著に減少し、3μg/ストリップの添加により、10程度に極端な減少を示した。3μg/ストリップの添加では、目視可能ラインのギリギリであったが、7μg/ストリップの添加では、完全に目視できない程度にすることができた。
これらの結果、鳥由来のIgYは本イムノクロマト試薬において1ストリップあたりに3μg、好ましくは7μg以上を抗体抗原反応中に導入することにより非特異反応を目視できない程度に抑制することができることがわかった。
また、尿に肺炎球菌夾膜抗原を添加した尿サンプル(陽性のサンプル)においても同様の傾向が見られるが、鳥由来のIgYが3μg/ストリップ以上添加された場合には、発色強度は殆ど変化せず、安定した発色強度が保たれた。そして、発色強度の絶対値は鳥由来のIgYの添加により減少するが、SN比は大幅に改善され、例えば、鳥由来のIgY無添加の場合には、約1.4(340/250)であったものが、鳥由来のIgYが3μg/ストリップの場合には約10(100/10)と大幅な改善が見られることがわかった。このように、鳥由来のIgYの添加により、被検体としての尿における特異性を高め検出感度を飛躍的に向上させる効果が得られることがわかった。
尿を被検体として各種のタンパク質を添加した場合の非特異的反応の抑制効果を判定部位とコントロール用ライン領域を有するクロマトグラフ媒体に吸収パッドのみを設置したクロマトグラフ媒体(以下「ハーフストリップ」という)で評価した。
被検体として界面活性剤Brij35を0.5%の濃度で添加した尿を用いた。
被検体40μLに対して、抗肺炎球菌ウサギポリクローナル抗体(Polyclonal Rabit anti Streptcoccus pneumoniae antibody)を感作させた金コロイド(標識試薬)を5μL導入し、これにさらに、鳥類由来のタンパク質であるIgY(これをIgY1という)、比較対象としてマウス由来のタンパク質であるIgG、兎由来のタンパク質であるIgG、牛血清アルブミン(BSA)、及び抗原認識部位の違う鳥由来のIgY(これをIgY2という)を、それぞれ2μg添加して試料を作製した。対照としてこれらのタンパク質を添加しない尿のみのものを使用した。
これらの試料に、判定ラインに前記の感作抗体と同じ抗体を塗布したハーフストリップの先端を浸漬させ、15分後に判定ラインの発色強度をイムノクロマトリーダー(浜松ホトニクス社)で測定した。
この結果、IgY以外のマウスIgG、ウサギIgG、及びBSAなどのタンパク質では、尿における非特異的反応を抑制することができないことがわかった。さらに、驚くべきことに、鳥由来のIgYはその他のタンパク質と比較して特異的に非特異的反応を抑制できるだけでなく、その抗原認識部位が異なっていてもIgYであれば、同様な非特異的反応の抑制効果が有ることがわかった。
尿を被検体として各種のタンパク質を添加した場合の非特異的反応の抑制効果をハーフストリップで評価した。
被検体として界面活性剤Brij35を0.5%の濃度で添加した尿を用いた。
被検体40μLに対して、抗ブタTタンパクウサギモノクローナル抗体(Polyclonal Rabit anti Pig Troponin antibody)を感作させた金コロイド(標識試薬)を5μL導入し、これにさらに、鳥類由来のタンパク質であるIgY(これをIgY1という)、比較対象としてマウス由来のタンパク質であるIgG、兎由来のタンパク質であるIgG、牛血清アルブミン(BSA)、及び抗原認識部位の違う鳥由来のIgY(これをIgY2という)を、それぞれ2μg添加して試料を作製した。対照としてこれらのタンパク質を添加しない尿のみのものを使用した。
これらの試料に、判定ラインに前記の感作抗体と同じ抗体を塗布したハーフストリップの先端を浸漬させ、15分後に判定ラインの発色強度をイムノクロマトリーダー(浜松ホトニクス社)で測定した。
この結果、検出用の抗体が異なっても、前記の実施例3と同様な結果が得られることがわかった。即ち、本発明の鳥由来のIgYの添加により、被検体が尿であれば、非特異的反応を特異的に抑制できる効果が得られることがわかった。
尿を被検体として各種タンパク質を導入し、非特異的反応の抑制効果をハーフストリップにおけるSN比で評価した。
被検体として、界面活性剤Brij35を0.5%の濃度で、かつ肺炎球菌(Streptcoccus pneumoniae)の夾膜抗原を精製したものを115ng/mLの濃度となるように添加した尿を用いた。
被検体40μLに対して、抗肺炎球菌ウサギポリクローナル抗体(Polyclonal Rabit anti Streptcoccus pneumoniae antibody)を感作させた金コロイド(標識試薬)を5μL導入し、これにさらに、鳥類由来のタンパク質であるIgY(これをIgY1という)、比較対象としてマウス由来のタンパク質であるIgG、兎由来のタンパク質であるIgG、牛血清アルブミン(BSA)、及び抗原認識部位の違う鳥由来のIgY(これをIgY2という)を、それぞれ2μg添加して試料を作製した。対照としてこれらのタンパク質を添加しない尿のみのものを使用した。
これらの試料に、判定ラインに前記の感作抗体と同じ抗体を塗布したハーフストリップの先端を浸漬させ、15分後に判定ラインの発色強度をイムノクロマトリーダー(浜松ホトニクス社)で測定し、測定値から以下の計算式でS/N(SN比)を算出した。
S/N=抗原入り被検体での測定値/抗原無し被検体での測定値
この結果、IgY以外のマウスIgG、ウサギIgG、及びBSAなどのタンパク質では、尿における非特異的反応を抑制することができず、SN比は極めて低いことがわかった。さらに、驚くべきことに、鳥由来のIgYはその他のタンパク質と比較して特異的に非特異的反応を抑制でき、SN比を20倍〜50倍まで増加させることができるという顕著な効果があることが示されただけでなく、その抗原認識部位が異なっていてもIgYであれば、同様な非特異的反応の抑制効果が有り、SN比が大幅に改善できることがわかった。
Claims (22)
- 鳥由来のIgYを含有してなる、尿を被検体とした免疫測定法における非特異反応抑制剤。
- 鳥由来のIgYの濃度が、0.01〜1μg/μLである請求項1に記載の非特異反応抑制剤。
- 免疫測定法が、尿中の抗原を検出するための方法である請求項1又は2に記載の非特異反応抑制剤。
- 抗原が、尿中の病原体抗原である請求項3に記載の非特異反応抑制剤。
- 免疫測定法が、イムノクロマトグラフ法である請求項1〜4のいずれかに記載の非特異反応抑制剤。
- 尿を被検体とし尿中の被検出物質を特異的に検出するための免疫測定法において、非特異反応を抑制するために鳥由来のIgYを含有してなる非特異反応抑制剤の存在下に免疫反応を行わせることを特徴とする尿を被検体とした免疫測定法。
- 免疫測定法が、尿中の被検出物質と特異的に結合する第一試薬、並びに尿中の被検出物質と特異的に結合する第二試薬及び標識物質からなる標識試薬を用いて尿中の被検出物質を特異的に検出する免疫測定法である請求項6に記載の免疫測定法。
- 免疫測定法が、イムノクロマトグラフ法である請求項6又は7に記載の免疫測定法。
- 非特異反応抑制剤が、イムノクロマトグラフ法における展開液として供給される請求項8に記載の免疫測定法。
- 非特異反応抑制剤が、クロマトグラフ媒体に固定されている請求項8に記載の免疫測定法。
- 免疫反応が、さらに界面活性剤の存在下で行われる請求項6〜10のいずれかに記載の免疫測定法。
- 尿中の被検出物質が、尿中の抗原である請求項6〜11のいずれかに記載の免疫測定法。
- 抗原が、尿中の病原体抗原である請求項12に記載の免疫測定法。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の非特異反応抑制剤を含有してなる、尿を被検体とするイムノクロマトグラフ法における展開液。
- 尿中の被検出物質と特異的に結合する第一試薬が固定化された判定部位を有する尿を被検体としたクロマトグラフ媒体において、移動相を構成する液体が非特異反応抑制剤として鳥由来のIgYを含有する構成となっていることを特徴とする、尿を被検体としたイムノクロマトグラフ法のためのクロマトグラフ媒体。
- 鳥由来のIgYを含有してなる非特異反応抑制剤が、クロマトグラフ媒体に固定されている請求項15に記載のクロマトグラフ媒体。
- 鳥由来のIgYを含有してなる非特異反応抑制剤が、イムノクロマトグラフ法における展開液として供給される請求項15に記載のクロマトグラフ媒体。
- 鳥由来のIgYの含有量が、1ストリップ当たり2〜200μgである、請求項15〜17のいずれかに記載のクロマトグラフ媒体。
- 移動相を構成する液体が、さらに界面活性剤を含有する請求項15〜18のいずれかに記載のクロマトグラフ媒体。
- 被検出物質と特異的に結合する第一試薬が、被検出物質の抗体である請求項15〜19のいずれかに記載のクロマトグラフ媒体。
- 被検出物質が、尿中の病原体抗原である請求項15〜20のいずれかに記載のクロマトグラフ媒体。
- 病原体抗原が、肺炎球菌由来の病原体抗原である請求項21に記載のクロマトグラフ媒体。
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