JP5579107B2 - 導光板および面状照明装置 - Google Patents
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Description
しかしながら、直下型のバックライトユニットでは、光量分布を均一にするために、液晶表示パネルに対して垂直方向の厚みが30mm程度必要であり、これ以上の薄型化が困難である。
このような、導光板を用いたバックライトユニットとしては、透明樹脂に光を散乱させるための散乱粒子を混入させた、側面から光を入射し、表面から光を出射する板状の導光板を用いる方式のバックライトユニットが提案されている。
また、特許文献2には、光散乱導光体と、光散乱導光体の光取出面側に配置されたプリズムシートと、光散乱導光体の裏面側に配置された反射体とを備えた面光源装置が記載されている。また、特許文献3には、プリズム列状の繰り返し起伏を有する光入射面と、光拡散性を与えられた光出射面とを備えた板状の光学材料からなる光出射方向修正素子を備えた液晶ディスプレイが記載され、特許文献4には、内部に散乱能を与えられた光散乱導光体と、前記光散乱導光体の端面部から光供給を行う光供給手段とを備えた光源装置が記載されている。
また、特許文献11には、2層からなる導光板であり、第1層と第2層との境界面が端部から導光板の中央に向かうに従って、光出射面に近づく方向に傾斜した傾斜面である導光板(断面形状が二等辺三角形)が開示されている。
また、光入射面とは反対側の端部に反射部材を配置し、入射した光を多重反射させて光出射面から出射させる方法もあるが、大型化するためには導光板を厚くする必要があり、重くなり、コストも高くなる。また、光源の写りこみが生じ、輝度むら及び/または照度むらとなるという問題もある。
特許文献10に記載の面状照明装置では、確かに導光板の光出射面を凹面としているが、導光板全体に散乱粒子が均一に混合されており、光学特性上、さらに薄型化することは困難であった。また、光入射面が小さいことから導光板の重量を増加させずに光利用効率(入射効率)を向上させることができなかった。
一方、光入射面近傍の領域で散乱粒子の粒子濃度が高いと、光入射面から入射した光が、光入射面近傍の領域で反射されて、光入射面から戻り光として出射したり、筺体に覆われていて利用されない光入射面付近の領域からの出射光が増加するおそれがある。
また、本発明の別の目的は、入射した光が光入射面から出射される戻り光や、筺体に覆われていて利用されない光入射面付近の領域からの出射光を低減し、光出射面の有効な領域から出射する光の利用効率を向上させることができる導光板を提供することにある。
また、本発明の別の目的は、入射した光を、光入射面近傍で十分に拡散し、光入射面近傍から出射される出射光に、光源の配置間隔等に起因する輝線(暗線、ムラ)が視認されることを防止することができる導光板を提供することにある。
また、本発明の別の目的は、光出射面の局所領域ごとに出射光の光量分布を制御して、光出射面の局所領域ごとに出射光の光量分布を最適化することができ、光利用効率を向上することができる導光板を提供することにある。
また、前記2つ以上の層は、前記粒子濃度がNpoである前記光出射面側の第1層と、前記粒子濃度がNprである前記背面側の第2層との2つの層からなり、前記第2層の厚さは、前記光出射面の中心を通り前記光出射面に垂直な全ての断面において、前記光入射面から離間するに従って、一旦、厚くなり、薄くなった後に、再び、厚くなるように連続的に変化していることが好ましい。
さらに、前記第1光入射面に対向する面に設けられ、前記光出射面に略平行な方向に進行する光を入射する第3光入射面を有し、前記第1光入射面に垂直な方向において、2つの光入射面それぞれの側に、前記第1極大値を有するのが好ましい。
さらに、前記第2光入射面に対向する面に設けられ、前記光出射面に略平行な方向に進行する光を入射する第4光入射面を有し、前記第2光入射面に垂直な方向において、2つの光入射面それぞれの側に、前記第1極大値を有するのが好ましい。
また、前記Npoと前記Nprの範囲が、Npo=0wt%、0.01wt%<Npr<1.1wt%を満たすのが好ましい。
あるいは、前記Npoと前記Nprの範囲が、0wt%<Npo<0.15wt%、かつ、Npo<Npr<1.1wt%を満たすのが好ましい。
また、前記背面が、前記光出射面に平行な平面であるのが好ましい。
また、本発明によれば、光入射面近傍の散乱粒子の濃度を低くするので、光入射面から出射される戻り光や、筺体に覆われていて利用されない光入射面付近の領域からの出射光を少なくすることができ、光出射面の有効な領域から出射する光の利用効率を向上させることができる。
また、本発明によれば、光入射面近傍に、合成粒子濃度の第1極大値を有するので、光入射面から入射した光を十分に拡散することができ、光入射面近傍で、光源の配置間隔等に起因する輝線(暗線、ムラ)が発生することを防止することができる。
また、本発明によれば、第1光入射面と、第1光入射面に直交する第2光入射面とを有し、2方向から光を入射するので、光出射面の局所領域ごとに出射光の光量分布を制御して、光出射面の局所領域ごとに出射光の光量分布を最適化することができ、光利用効率を向上することができる。
図1は、本発明に係る導光板を用いる面状照明装置を備える液晶表示装置の概略を示す斜視図であり、図2は、図1に示した液晶表示装置のII−II線断面図である。
また、図3(A)は、図2に示した面状照明装置(以下「バックライトユニット」ともいう。)のIII−III線矢視図であり、図3(B)は、(A)のB−B線断面図であり、図3(C)は、(A)のC−C線断面図である。
駆動ユニット14は、液晶表示パネル12内の透明電極に電圧をかけ、液晶分子の向きを変えて液晶表示パネル12を透過する光の透過率を制御する。
以下、バックライトユニット20を構成する各構成部品について説明する。
図4(A)は、図1および図2に示すバックライトユニット20の光源28の概略構成を示す概略斜視図であり、図4(B)は、図4(A)に示す光源28の1つのLEDチップのみを拡大して示す概略斜視図である。
図4(A)に示すように、光源28は、複数の発光ダイオードのチップ(以下「LEDチップ」という)50と、光源支持部52とを有する。
つまり、LEDチップ50の発光ダイオードの表面から出射された青色光が蛍光物質を透過すると、蛍光物質が蛍光する。これにより、LEDチップ50からは、発光ダイオードが出射した青色光と、蛍光物質が蛍光して出射された光とにより白色光が生成され、出射される。
ここで、LEDチップ50としては、GaN系発光ダイオード、InGaN系発光ダイオード等の表面にYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)系蛍光物質を塗布したチップが例示される。
光源支持部52は、導光板30の光入射面(30c、30d、30f、30g)に対向する面となる側面に、複数のLEDチップ50を、互いに所定間隔離間した状態で支持している。具体的には、光源28を構成する複数のLEDチップ50は、後述する導光板30の第1光入射面30c、第3光入射面30d、第2光入射面30fまたは第4光入射面30gの長手方向に沿って、アレイ状に配列され、光源支持部52上に固定されている。
光源支持部52は、銅やアルミニウム等の熱伝導性の良い金属で形成されており、LEDチップ50から発生する熱を吸収し、外部に放散させるヒートシンクとしての機能も有する。なお、光源支持部52には、表面積を広くし、かつ、放熱効果を高くすることができるフィンを設けても、熱を放熱部材に伝熱するヒートパイプを設けてもよい。
LEDチップ50を長方形形状とすることにより、大光量の出力を維持しつつ、薄型な光源とすることができる。光源28を薄型化することにより、バックライトユニットを薄型にすることができる。また、LEDチップの配置個数を少なくすることができる。
導光板30は、図2および図3に示すように、長方形形状の光出射面30aと、この光出射面30aの長辺側の両端面に、光出射面30aに対してほぼ垂直に形成された第1光入射面30cと第3光入射面30dと、光出射面30aの短辺側の両端面に、光出射面30aに対してほぼ垂直に形成された第2光入射面30fと第4光入射面30gと、光出射面30aの反対側、つまり、導光板30の背面側に位置し平面である背面30bとを有している。
なお、以下の説明において、第1光入射面30c、第3光入射面30d、第2光入射面30fおよび第4光入射面30gを区別する必要がない場合は、まとめて光入射面というものとする。
ここで、図3(B)および(D)に示すように、断面の位置に応じて、すなわち、第2光入射面30fの長手方向に垂直な断面で見た際の第2層の厚さに応じて、全体の厚さが変化している。
さらに、第2光入射面30fの長手方向に垂直な断面で見た際にも、光出射面30aの中央部から、第2光入射面30fおよび第4光入射面30gに向かって第2層が薄くなるように連続的に変化し、さらに、第2光入射面30fおよび第4光入射面30g付近で、一旦、厚くなった後、再び薄くなるように連続的に変化している。
また、図示は省略するが、上記と同様に、断面の位置に応じて、全体の厚さが変化している。
また、第2光入射面30fの長手方向に垂直な断面で見た際には、導光板30の中央部の、光出射面30aに向かって凸の曲線と、この凸の曲線に滑らかに接続された凹の曲線と、この凹の曲線と接続され、第2光入射面30fおよび第4光入射面30gの背面30b側の端部に接続する凹の曲線とからなる。
また、光入射面上では、第2層62の厚さが0となる。
すなわち、第2層62の厚さは、光出射面の中央部から光出射面の端辺側に向かうにしたがって、薄くなり、端辺付近で、一旦、厚くなった後、再び、薄くなる形状である。
また、合成粒子濃度の第1極大値となる位置よりも光入射面側の領域を、第1極大値よりも低い合成粒子濃度とすることによって、入射した光が光入射面から出射される戻り光や、筺体に覆われていて利用されない光入射面付近の領域(ミキシングゾーンM)からの出射光を低減し、光出射面の有効な領域(有効画面エリアE)から出射する光の利用効率を向上させることができる。
また、境界面zの形状を調整することで、輝度分布(散乱粒子の濃度分布)も任意に設定することができ、効率を最大限に向上できる。
また、光出射面側の層(第1層)の粒子濃度を低くするので、全体での散乱粒子の量を少なくすることができ、コストダウンにもつながる。
このような導光板30は、押出成形法や射出成形法を用いて製造することができる。
導光板30の第1層60と第2層62とが上記関係を満たすことで、導光板30は、粒子濃度が低い第1層60では、入射した光をあまり散乱せずに導光板30の奥(中央)まで導光することができ、導光板の中央に近づくにつれて、粒子濃度が高い第2層により光を散乱して、光出射面30aから出射する光の量を増やすことができる。つまり、より光の利用効率を高めつつ、好適な割合で照度分布を中高にすることができる。
ここで、粒子濃度[wt%]とは、母材の重量に対する散乱粒子の重量の割合である。
導光板30の第1層60と第2層62とが上記関係を満たすことでも、より光の利用効率を高めつつ、好適な割合で照度分布を中高にすることができる。
導光板を厚さ1mm以下のフィルム状の導光シートとした場合でも、2層の導光板とすることで、より光の利用効率を高めつつ、好適な割合で照度分布を中高にすることができる。
なお、図5(A)〜(E)に示す導光板100、110、120、130および140は、図3に示す導光板30において、ミキシングゾーンMにおける第1層および第2層の厚さ、すなわち、光入射面から第1極大値の位置までの境界面zの形状を変更した以外は、同じ構成を有するので、同じ部位には、同じ符号を付し、以下の説明は異なる部位を主に行なう。
導光板100のミキシングゾーンMにおける、第1層102と第2層104との境界面zは、第1極大値の位置に接続され、光出射面30aに向かって凸の曲面であり、光入射面30c、30dの背面30b側の端部に接続される形状である。
導光板110のミキシングゾーンMにおける、第1層112と第2層114との境界面zは、第1極大値の位置と光入射面30c、30dの背面30b側の端部に接続される平面である。
導光板120のミキシングゾーンMにおける、第1層122と第2層124との境界面zは、第1極大値の位置に接続され、光出射面30aに向かって凸の曲面であり、ミキシングゾーンMの略中央で背面30bに接続される形状である。
導光板130のミキシングゾーンMにおける、第1層132と第2層134との境界面zは、第1極大値の位置に接続され、光出射面30aに向かって凹の曲面であり、ミキシングゾーンMの略中央で背面30bに接続される形状である。
導光板140のミキシングゾーンMにおいては、導光板140は、第1層142のみで構成される。すなわち、境界面zは、第1極大値の位置を通り光入射面30c、30dに平行な平面を有する形状である。
なお、図6に示す導光板150は、図3に示す導光板30において、境界面zの形状を変更した以外は、同じ構成を有するので、同じ部位には、同じ符号を付し、以下の説明は異なる部位を主に行なう。
具体的には、導光板150の境界面zは、第1光入射面30cの長手方向に垂直な断面で見た際に、導光板30の中央部の、光出射面30aに向かって凸の曲線と、この凸の曲線に滑らかに接続された凹の曲線とからなる。
すなわち、導光板150の境界面zは、光入射面の長手方向に垂直な断面において、中央部の第2極大値と、光入射面上の第1極大値とを有する形状である。
また、光入射面上に、合成粒子濃度の第1極大値を配置することによって、光入射面から入射した光を、光入射面近傍で十分に拡散し、光入射面近傍から出射される出射光に、光源の配置間隔等に起因する輝線(暗線、ムラ)が視認されることを防止することができる。
導光板の背面を凸面とすることによって、導光板が熱や湿気によって伸縮した際に、導光板が光出射面側に反ることを防止することができ、導光板が液晶表示装置12に接触することを防止できる。
光学部材ユニット32は、導光板30の光出射面30aから出射された照明光をより輝度むら及び照度むらのない光にして、照明装置本体24の光出射面24aから出射するためのもので、図2に示すように、導光板30の光出射面30aから出射する照明光を拡散して輝度むら及び照度むらを低減する拡散シート32aと、光入射面30c,30dと光出射面30aとの接線と平行なマイクロプリズム列が形成されたプリズムシート32bと、プリズムシート32bから出射する照明光を拡散して輝度むら及び照度むらを低減する拡散シート32cとを有する。
例えば、光学部材として、上述の拡散シート及びプリズムシートに、加えてまたは代えて、拡散反射体からなる多数の透過率調整体を輝度むら及び照度むらに応じて配置した透過率調整部材も用いることもできる。また、光学部材ユニットを、プリズムシートおよび拡散シートを各1枚ずつ用いるか、あるいは、拡散シートのみを2枚用いて、2層構成としてもよい。
反射板34は、導光板30の背面30bから漏洩する光を反射して、再び導光板30に入射させるために設けられており、光の利用効率を向上させることができる。反射板34は、導光板30の背面30bに対応した形状で、背面30bを覆うように形成される。本実施形態では、図2に示すように、導光板30の背面30bが平面、つまり断面が直線形状に形成されているので、反射板34もこれに補形する形状に形成されている。
このように、上部誘導反射板36を配置することで、光源28から出射された光が導光板30に入射することなく、光出射面30a側に漏れ出すことを防止できる。
これにより、光源28から出射された光を効率よく導光板30の第1光入射面30c、第3光入射面30d、第2光入射面30fおよび第4光入射面に入射させることができ、光利用効率を向上させることができる。
ここで、上部誘導反射板36および下部誘導反射板38としては、上述した反射板34に用いる各種材料を用いることができる。
下部誘導反射板38を設けることで、光源28から出射された光が導光板30に入射することなく、導光板30の背面30b側に漏れ出すことを防止できる。
これにより、光源28から出射された光を効率よく導光板30の第1光入射面30c、第3光入射面30d、第2光入射面30fおよび第4光入射面30gに入射させることができ、光利用効率を向上させることができる。
なお、本実施形態では、反射板34と下部誘導反射板38とを連結させたが、これに限定されず、それぞれを別々の部材としてもよい。
また、本実施形態では、上部誘導反射板36を導光板30と拡散シート32aとの間に配置したが、上部誘導反射板36の配置位置はこれに限定されず、光学部材ユニット32を構成するシート状部材の間に配置してもよく、光学部材ユニット32と上部筐体44との間に配置してもよい。
図2に示すように、筐体26は、照明装置本体24を収納して支持し、かつその光出射面24a側と導光板30の背面30b側とから挟み込み、固定するものであり、下部筐体42と上部筐体44と折返部材46と支持部材48とを有する。
上部筐体44は、図2に示すように、照明装置本体24及び下部筐体42の上方(光出射面側)から、照明装置本体24およびこれが収納された下部筐体42をその4方の側面部も覆うように被せられて配置されている。
折返部材46は、図2に示すように、下部筐体42の側面と上部筐体44の側面との間に嵌挿され、U字形状の一方の平行部の外側面が下部筐体42の側面部と連結され、他方の平行部の外側面が上部筐体44の側面と連結されている。
ここで、下部筐体42と折返部材46との接合方法、折返部材46と上部筐体44との接合方法としては、ボルトおよびナット等を用いる方法、接着剤を用いる方法等種々の公知の方法を用いることができる。
なお、筐体の上部筐体、下部筐体及び折返部材には、金属、樹脂等の種々の材料を用いることができる。なお、材料としては、軽量で高強度の材料を用いることが好ましい。
また、本実施形態では、折返部材を別部材としたが、上部筐体または下部筐体と一体にして形成してもよい。また、折返部材を設けない構成としてもよい。
支持部材48は、図2に示すように、反射板34と下部筐体42との間、より具体的には、導光板30の背面30bの第1光入射面30c側の端部および第3光入射面30d側の端部に対応する位置の反射板34と下部筐体42との間に配置され、導光板30及び反射板34を下部筐体42に固定し、支持する。
支持部材48により反射板34を支持することで、導光板30と反射板34とを密着させることができる。さらに、導光板30及び反射板34を、下部筐体42の所定位置に固定することができる。
また、配置位置も特に限定されず、反射板と下部筐体との間の任意の位置に配置することができるが、導光板を安定して保持するために、導光板の端部側、つまり、本実施形態では、第1光入射面30c近傍、第2光入射面30d近傍に配置することが好ましい。
また、支持部材を反射板と下部筐体とで形成される空間の全域を埋める形状とし、つまり、反射板側の面を反射板に沿った形状とし、下部筐体側の面を下部筐体に沿った形状としてもよい。このように、支持部材により反射板の全面を支持する場合は、導光板と反射板とが離れることを確実に防止することができ、反射板を反射した光により輝度むら及び照度むらが生じることを防止することができる。
バックライトユニット20は、導光板30の4つの端面にそれぞれ配置された光源28から出射された光が導光板30の光入射面に入射する。それぞれの面から入射した光は、導光板30の内部に含まれる散乱体によって散乱されつつ、導光板30内部を通過し、直接、または背面30bで反射した後、光出射面30aから出射する。このとき、背面から漏出した一部の光は、反射板34によって反射され再び導光板30の内部に入射する。
このようにして、導光板30の光出射面30aから出射された光は、光学部材32を透過し、照明装置本体24の光出射面24aから出射され、液晶表示パネル12を照明する。
液晶表示パネル12は、駆動ユニット14により、位置に応じて光の透過率を制御することで、液晶表示パネル12の表面上に文字、図形、画像などを表示する。
このように、対向する2つの面のうち、一方にのみ光源を配置する構成とする場合には、境界面zの形状が非対称な導光板としてもよい。
また、導光板162は、光出射面30a側の第1層164と背面30b側の第2層166とにより形成されている。第1層164と第2層166との境界面zは、第1光入射面30cの長手方向に垂直な断面で見た際に、光出射面30aの中央部から、第1光入射面30cおよび第3光入射面30dに向かって第2層166が薄くなるように連続的に変化し、さらに、第1光入射面30cおよび第3光入射面30d付近で、一旦、厚くなった後、再び薄くなるように連続的に変化している。また、境界面zは、第2光入射面30fの長手方向に垂直な断面で見た際には、第2光入射面30fから側面162gに向かって、第2層166が厚くなるように変化し、一旦、第2層166が薄くなるように変化した後、再び第2層166が厚くなるように変化し、側面162g側で薄くなるように、連続的に変化している。
すなわち、第2光入射面30fの長手方向に垂直な断面で見た際に、散乱粒子の合成粒子濃度(第2層の厚さ)を、第2光入射面30f近傍の第1極大値と、導光板中央部よりも側面162g側で、第1極大値よりも大きい第2極大値を有するように変化させている。
また、導光板172は、光出射面30a側の第1層174と背面30b側の第2層176とにより形成されている。第1層174と第2層176との境界面zは、第1光入射面30cの長手方向に垂直な断面で見た際に、第1光入射面30cから側面172dに向かって、第2層176が厚くなるように変化し、一旦、第2層176が薄くなるように変化した後、再び第2層176が厚くなるように変化し、側面172d側で薄くなるように、連続的に変化している。また、境界面zは、第2光入射面30fの長手方向に垂直な断面で見た際には、第2光入射面30fから側面172gに向かって、第2層176が厚くなるように変化し、一旦、第2層176が薄くなるように変化した後、再び第2層176が厚くなるように変化し、側面172g側で薄くなるように、連続的に変化している。
同様に、第2光入射面30fの長手方向に垂直な断面で見た際には、境界面zは、側面172g側の、光出射面30aに向かって凸の曲面と、この凸の曲面に滑らかに接続された凹の曲面と、この凹の曲面と接続され、第2光入射面30fの背面30b側の端部に接続する凹の曲面とからなる。
また、第1光入射面30cおよび第2光入射面30f上では、第2層176の厚さが0となる。
すなわち、第1光入射面30cの長手方向に垂直な断面で見た際に、散乱粒子の合成粒子濃度(第2層の厚さ)を、第1光入射面30c近傍の第1極大値と、導光板中央部よりも側面172d側で、第1極大値よりも大きい第2極大値を有するように変化させ、かつ、第2光入射面30fの長手方向に垂直な断面で見た際に、散乱粒子の合成粒子濃度(第2層の厚さ)を、第2光入射面30f近傍の第1極大値と、導光板中央部よりも側面172g側で、第1極大値よりも大きい第2極大値を有するように変化させている。
また、光入射面近傍に、合成粒子濃度の第1極大値を配置することによって、光入射面から入射した光を、光入射面近傍で十分に拡散し、光入射面近傍から出射される出射光に、光源の配置間隔等に起因する輝線(暗線、ムラ)が視認されることを防止することができる。
また、合成粒子濃度の第1極大値となる位置よりも光入射面側の領域を、第1極大値よりも低い合成粒子濃度とすることによって、入射した光が光入射面から出射される戻り光や、筺体に覆われていて利用されない光入射面付近の領域(ミキシングゾーンM)からの出射光を低減し、光出射面の有効な領域(有効画面エリアE)から出射する光の利用効率を向上させることができる。
また、第1光入射面と、第1光入射面に直交する第2光入射面とを有し、2方向から光を入射するので、光出射面の局所領域ごとに出射光の光量分布を制御して、光出射面の局所領域ごとに出射光の光量分布を最適化することができ、光利用効率を向上することができる。
また、図6に示す導光板と同様に、第1極大値の位置を光入射面上に配置する構成としてもよい。
また、光出射面のみならず背面側から光を出射してもよい。
実施例1として、図6に示すような境界面zを有する導光板を用いて、計算機シミュレーションにより、光の出射面から出射される出射光の照度分布および輝度分布を求めた。
また、シミュレーションにおいて、導光板の透明樹脂の材料はPMMA、散乱粒子の材料はシリコーンとしてモデル化した。この点については、以下の実施例についても全て同様である。
具体的には、第1光入射面30cから第3光入射面30dまでの長さを539mmとし、第2光入射面30fから第4光入射面30gまでの長さを922mmとし、厚みを1.5mmとした。
また、導光板に混練分散させる散乱粒子の中心粒径は4.5μmとした。
具体的には、第2光入射面30fと第4光入射面30gとの間の中央部での、第1光入射面30cの長手方向に垂直な断面において、第2極大値の位置での第2層152の厚さを0.8mmとし、第1極大値の位置(光入射面上)での第2層152の厚さを0.15mmとし、第2層152の厚さが最も薄い位置での第2層152の厚さを0.146mmとし、導光板の中央部から厚さが最も薄い位置までの距離を246.5mmとした。
また、第1光入射面30cと第3光入射面30dとの間の導光板中央部での、第2光入射面30fの長手方向に垂直な断面において、第1極大値の位置(光入射面上)での第2層152の厚さを0.15mmとし、第2層152の厚さが最も薄い位置での第2層152の厚さを0.14mmとし、導光板の中央部から厚さが最も薄い位置までの距離を431mmとした。
また、第1層の粒子濃度Npoを0.0217wt%とし、第2層の粒子濃度Nprを0.499wt%とした。
上記の形状の導光板を用いて、照度分布を測定した。
境界面zの形状以外は、実施例1と同様の導光板を用いて、照度分布を測定した。
具体的には、第2光入射面30fと第4光入射面30gとの間の中央部での、第1光入射面30cの長手方向に垂直な断面において、第2極大値の位置での第2層152の厚さを0.8mmとし、第1極大値の位置(光入射面上)での第2層152の厚さを0.15mmとし、第2層152の厚さが最も薄い位置での第2層152の厚さを0.14 mmとし、導光板の中央部から厚さが最も薄い位置までの距離を246.5mmとした。
また、第1光入射面30cと第3光入射面30dとの間の導光板中央部での、第2光入射面30fの長手方向に垂直な断面において、第1極大値の位置(光入射面上)での第2層152の厚さを0.15mmとし、第2層152の厚さが最も薄い位置での第2層152の厚さを0.146mmとし、導光板の中央部から厚さが最も薄い位置までの距離を431mmとした。
また、第1層の粒子濃度Npoを0.0217wt%とし、第2層の粒子濃度Nprを0.555wt%とした。
比較例1として、図14に示すバックライトユニット200を用いた。
図14に示すバックライトユニット200は、導光板の対向する2つの面に光源を配置し、他方の対向する2つの面には光源を配置しない構成としたものである。
バックライトユニット200の導光板202は、出射面側の第1層204と背面側の第2層206とにより形成されている。第1層204と第2層206との境界面zは、光源が配置された側の面(光入射面)の長手方向に垂直な断面で見た際に、光出射面の中央部から、2つの光入射面それぞれに向かうに従って、第2層166が薄くなるように連続的に変化し、さらに、光入射面付近で厚くなるように連続的に変化している。また、境界面zは、光源が配置されない側の面の長手方向に垂直な断面で見た際には、光出射面に平行に形成されている。
また、第1層の粒子濃度Npoを0.0217wt%とし、第2層の粒子濃度Nprを0.562wt%とした。
なお、比較例1において、2つの光源から出射される全光量は、実施例1および2において4つの光源28から出射される全光量と同じとした。
また、図13(A)および(B)に示すように、対面する2辺にのみ光源を配置する比較例1は、光入射面に垂直な方向(y方向)においては、中央部での照度が高くなるが、光入射面に平行な方向(x方向)においては、均一な照度分布となってしまう。
これに対して、実施例1および2は、x方向およびy方向のいずれにおいても、中央部での照度を高くすることができる。
12 液晶表示パネル
14 駆動ユニット
20、160、170、200 バックライトユニット(面状照明装置)
24 照明装置本体
24a、30a 光出射面
26 筐体
28 光源
30、100、110、120、130、140、150、162、172、202 導光板
30b 背面
30c 第1光入射面
30d 第3光入射面
30f 第2光入射面
30g 第4光入射面
32 光学部材ユニット
32a、32c 拡散シート
32b プリズムシート
34 反射板
36 上部誘導反射板
38 下部誘導反射板
42 下部筐体
44 上部筐体
44a 開口部
46 折返部材
48 支持部材
49 電源収納部
50 LEDチップ
52 光源支持部
58 発光面
60、102、112、122、132、142、152、164、174、204 第1層
62、104、114、124、134、144、154、166、176、206 第2層
α 2等分線
z 境界面
Claims (11)
- 矩形状の光出射面と、前記光出射面の端辺側に設けられ、前記光出射面に略平行な方向に進行する光を入射する第1光入射面と、前記光出射面とは反対側の背面と、内部に分散される散乱粒子とを有する導光板であって、
前記光出射面の、前記第1光入射面が設けられた端辺と直交する端辺側に設けられ、前記光出射面に略平行な方向に進行する光を入射する第2光入射面と、
前記導光板は、前記光出射面に略垂直な方向に重なった、前記散乱粒子の粒子濃度が異なる2つ以上の層とを有し、
前記第1光入射面に略垂直な方向において、前記2つ以上の層の厚さをそれぞれ変化させることで、前記導光板の合成粒子濃度を、前記第1光入射面に垂直な方向において、前記第1光入射面側の第1極大値と、前記第1極大値よりも前記第1光入射面から遠い位置にあり、前記第1極大値よりも大きな第2極大値とを有するように変化させ、
かつ、前記第2光入射面に略垂直な方向において、前記2つ以上の層の厚さをそれぞれ変化させることで、前記導光板の合成粒子濃度を、前記第2光入射面に垂直な方向において、前記第2光入射面側の第1極大値と、前記第1極大値よりも前記第2光入射面から遠い位置にあり、前記第1極大値よりも大きな第2極大値とを有するように変化させることを特徴とする導光板。 - 前記2つ以上の層は、前記粒子濃度がNpoである前記光出射面側の第1層と、前記粒子濃度がNprである前記背面側の第2層との2つの層からなり、前記第1光入射面に垂直な方向において、前記第2層の厚さが、前記第1光入射面から離間するに従って、一旦、厚くなり、薄くなった後に、再び、厚くなるように連続的に変化し、
かつ、前記第2光入射面に垂直な方向において、前記第2層の厚さが、前記第2光入射面から離間するに従って、一旦、厚くなり、薄くなった後に、再び、厚くなるように連続的に変化している請求項1に記載の導光板。 - 前記2つ以上の層は、前記粒子濃度がNpoである前記光出射面側の第1層と、前記粒子濃度がNprである前記背面側の第2層との2つの層からなり、前記第2層の厚さは、前記光出射面の中心を通り前記光出射面に垂直な全ての断面において、前記光入射面から離間するに従って、一旦、厚くなり、薄くなった後に、再び、厚くなるように連続的に変化している請求項1または2に記載の導光板。
- 前記第1極大値が、前記光入射面上に配置される請求項1〜3のいずれかに記載の導光板。
- さらに、前記第1光入射面に対向する面に設けられ、前記光出射面に略平行な方向に進行する光を入射する第3光入射面を有し、前記第1光入射面に垂直な方向において、2つの光入射面それぞれの側に、前記第1極大値を有する請求項1〜4のいずれかに記載の導光板。
- さらに、前記第2光入射面に対向する面に設けられ、前記光出射面に略平行な方向に進行する光を入射する第4光入射面を有し、前記第2光入射面に垂直な方向において、2つの光入射面それぞれの側に、前記第1極大値を有する請求項1〜5のいずれかに記載の導光板。
- 前記第2層の厚さが前記光出射面の中央部で最も厚い請求項5または6に記載の導光板。
- 前記Npoと前記Nprの範囲が、Npo=0wt%、0.01wt%<Npr<1.1wt%を満たす請求項2〜7のいずれかに記載の導光板。
- 前記Npoと前記Nprの範囲が、0wt%<Npo<0.15wt%、かつ、Npo<Npr<1.1wt%を満たす請求項2〜8のいずれかに記載の導光板。
- 前記背面が、前記光出射面に平行な平面である請求項1〜9のいずれかに記載の導光板。
- 請求項1〜10のいずれかに記載の導光板と、
前記導光板の前記光入射面に対面して配列される複数の点光源、および、前記点光源を支持する支持部材を有する光源ユニットと、
前記導光板および前記光源を収納し、前記導光板の前記光出射面側に、前記光出射面よりも小さい開口部を有する筐体とを有し、
前記合成粒子濃度の第1極大値は、前記筺体の前記開口部の境界近傍に対応する位置に配置されることを特徴とする面状照明装置。
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