JP5577269B2 - 高圧ポンプ - Google Patents
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Description
高圧ポンプの加圧室に燃料を供給する供給通路を吸入弁が開閉する。吸入弁はプランジャが下死点から上死点に移動する途中まで供給通路を開放する。これにより、加圧室に吸入された燃料の一部が供給通路に排出される。また、吸入弁はプランジャが下死点から上死点に移動する途中で供給通路を閉塞する。これにより、高圧ポンプから内燃機関に適切な量の燃料が加圧圧送される。
特許文献2では、吸入弁(特許文献2では「吸入弁5」)の電磁駆動部側に凹部が設けられ、この凹部に電磁駆動部側から延びるニードル(特許文献2では「係合部材201」)が係合している。これにより、吸入弁の径方向の移動が制限されている(特許文献2の図13参照)。
また、吸入弁の外径を大きく形成することで、吸入弁の径方向の外壁と弁ボディの径方向の内壁との間に形成される流路の断面積が小さくなる。このため、供給通路を流れる燃料の圧力損失が大きくなり、加圧室への燃料の吸入効率が低下する。したがって、高圧ポンプのポンプ効率が悪化するおそれがある。
特許文献2では、吸入弁に凹部を設けることで、吸入弁の肉厚が薄くなり、吸入弁の強度が低下するおそれがある。吸入弁に一定の強度を得るため、吸入弁の肉厚を厚くすれば、吸入弁の重量が増加することが懸念される。
ポンプボディは、プランジャの往復移動により燃料が加圧される加圧室、および加圧室に燃料を導く供給通路を有する。供給通路内に形成される弁座に着座することで供給通路を閉塞し、弁座から離座することで供給通路を開放する。吸入弁の加圧室側にストッパが設けられる。電磁駆動部は、吸入弁をストッパ側または弁座側に押圧し、または吸入弁に与える押圧力を制御可能である。ストッパの吸入弁側に設けられた収容室に付勢手段が収容され、吸入弁を弁座側に付勢する。
外側ガイド部は、吸入弁の軸方向ストッパ側端面の外周側に環状に設けられ、縦断面視においてストッパ側が細いテーパ状に形成される。摺接部は、ストッパの吸入弁側の端面に環状に設けられ、外側ガイド部のテーパ状の箇所に沿って摺接可能な斜面状である。
外側ガイド部と摺接部とが摺接することで、吸入弁を径方向に位置決めすることが可能になる。したがって、吸入弁は供給通路を確実に閉塞することができる。
これにより、弁座と吸入弁とが当接するときの面圧が高くなり、燃料に含まれる異物を噛み切ることが可能になる。このため、吸入弁は、弁座に確実に着座し、供給通路を閉塞することができる。
これにより、弁座と吸入弁とが当接するときに流体抵抗が作用するので、衝突音が低減される。したがって、吸入弁が弁座に当接するときの異物の噛み切り効果と、音の低減を両立することができる。
これにより、弁座と吸入弁とが当接するとき、燃料に含まれる異物を噛み切ることが可能になる。
これにより、吸入弁が弁座に当接するときの異物の噛み切り効果と、音の低減を両立することができる。
これにより、高圧ポンプの調量行程において、加圧室から供給通路に排出される燃料の動圧が吸入弁に作用することを抑制することができる。このため、吸入弁が自閉する力を低減し、吸入弁の自閉限界を高めることができる。したがって、ニードルが吸入弁をストッパ側に押圧する力を軽減することが可能になるので、電磁駆動部の体格を小型化し、作動音を低減することができる。
また、吸入弁の径方向外側に形成される流路の断面積を大きくすることが可能になる。このため、供給通路を流れる燃料の圧力損失が低減され、加圧室への燃料の吸入効率を向上することができる。
案内溝を吸入弁の軸方向ニードル側の端面に設け、案内溝により吸入弁の径方向の移動を制限することで、吸入弁の外径を小さくし、かつ、軸方向の肉厚を薄くすることが可能になる。
また、吸入弁の外径を小さく形成することで、吸入弁の径方向外側に形成される流路の断面積を大きくすることが可能になる。このため、供給通路を流れる燃料の圧力損失が低減され、加圧室への燃料の吸入効率を向上することができる。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による高圧ポンプを図1〜図3に示す。本実施形態の高圧ポンプ10は、内燃機関に燃料を供給する燃料供給系統に設けられる。燃料タンクから汲み上げられた燃料は、高圧ポンプ10により加圧され、デリバリパイプに蓄圧される。そしてデリバリパイプに接続するインジェクタから内燃機関の各気筒に噴射供給される。
ポンプボディ11とプランジャ13について説明する。
ポンプボディ11には、円筒状のシリンダ14が設けられている。シリンダ14には、プランジャ13が軸方向に往復移動可能に収容されている。プランジャ13は、シリンダ14の深部に形成された加圧室121に臨むように設けられている。プランジャ13の加圧室121と反対側の端部17は、スプリング座18と結合している。スプリング座18とオイルシールホルダ25との間には、スプリング19が設けられている。このスプリング19の弾性力により、スプリング座18は図示しないエンジンのカムシャフトの方向へ付勢される。これにより、プランジャ13は、図示しないタペットを介してカムシャフトのカムと接することで軸方向に往復移動する。プランジャ13の往復移動により、加圧室121の容積が変化することで燃料が吸入、加圧される。
ポンプボディ11には、シリンダ14の反対側に突出する筒状の筒部205が設けられている。筒部205に有底筒状のカバー200が被さることで、ダンパ室201が形成される。
ダンパ室201には、パルセーションダンパ210、第1支持部材211、第2支持部材212及び波ばね213が収容されている。
パルセーションダンパ210は、2枚の金属ダイアフラムから構成され、内部に所定圧の気体が密封されている。パルセーションダンパ210は、2枚の金属ダイアフラムがダンパ室201の圧力変化に応じて弾性変形することで、ダンパ室201の燃圧脈動を低減する。
波ばね213は、第2支持部材212とカバー200との間に設けられている。波ばね213は、第2支持部材212を溝部110側に押圧している。これにより、第2支持部材212、パルセーションダンパ210及び第1支持部材211がダンパ室201内に固定される。
第1支持部材211は、径方向に燃料を通す孔を有している。これにより、第1支持部材211の内側と外側とを燃料が流れる。
ポンプボディ11には、シリンダ14の中心軸と略垂直に凹部15が設けられている。凹部15の開口をガイド部材75と接続部材76とが覆うことで、ダンパ室201から加圧室121までの供給通路100が区画される。その区画された供給通路100に、吸入弁部30を構成する弁ボディ31、吸入弁40、ストッパ50、ニードル60および付勢手段としての第1スプリング21などが設けられている。
ストッパ50は、吸入弁40側に開口する収容室52を有している。また、ストッパ50は、収容室52から径方向に延び、収容室52と外流路102とを連通する連通路53を有している。
収容室52には、第1スプリング21が収容されている。第1スプリング21は、吸入弁40を弁座34側(閉弁方向)へ付勢している。
吸入弁40は、ストッパ50側の端面から収容室52側に延びる円柱状のガイド部41を備えている。ガイド部41は、吸入弁40と一体で形成されている。ガイド部41は、その外径が第1スプリング21の内径より僅かに小さく形成されている。第1スプリング21は、ガイド部41に係止されている。
ガイド部41は、吸入弁40の全閉時と全開時との移動距離Aと、ガイド部41の軸方向の長さBとの関係が、A<B となるように形成されている。これにより、ガイド部41は、吸入弁40の開弁状態及び閉弁状態において、収容室52の径方向内側に位置する。このため、ガイド部41は、吸入弁40の径方向の移動を制限するとともに、吸入弁40が弁座34から脱落することを防ぐ。
ストッパ50は、吸入弁40側の端面に、外側ガイド部42に摺接可能な摺接部54を備えている。摺接部54は、外側ガイド部42の径方向外側に設けられている。ストッパ50と摺接部54とは一体で形成されている。吸入弁40が開弁方向へ移動するとき、吸入弁40の外側ガイド部42とストッパ50の摺接部54とが摺接することで、吸入弁40の径方向の移動が制限されると共に、吸入弁40が弁座34の中心に位置決めされる。
電磁駆動部70は、第1ヨーク71、第2ヨーク72、接続部材76、コイル73、固定コア80、可動コア81および第2スプリング22などを有している。
接続部材76は、ガイド部材75を挟んでポンプボディ11の凹部15に取り付けられている。接続部材76の径方向内側に筒状の可動コア室74が設けられている。
この可動コア室74に可動コア81は軸方向に往復移動可能に収容されている。可動コア81は、軸方向に通じる複数の呼吸孔82を有している。呼吸孔82を通じ、可動コア81の軸方向の一方と他方を燃料が流通する。
ボビン78の径内側に可動コア81と向き合って固定コア80が設けられている。固定コア80は、軸方向の一端が非磁性材料から形成された筒部材85によって、接続部材76に取り付けられている。また、固定コア80は、軸方向の他端が第2ヨーク72に固定されている。固定コア80と可動コア81との磁気ギャップが筒部材85の径方向内側に形成される。
コイル73に通電されると、固定コア80、可動コア81、第1ヨーク71、第2ヨーク72及び接続部材76によって形成される磁気回路に磁束が流れ、可動コア81が第2スプリング22の弾性力に抗し、固定コア80側に磁気吸引される。これにより、ニードル60は、吸入弁40に対する押圧力を解除する。
プランジャ13は、小径部131及び大径部133を有している。小径部131と大径部133との接続部分に段差面132が形成される。段差面132に向き合うように、略円環状のプランジャストッパ23が設けられている。
プランジャストッパ23は、加圧室121側の端面がポンプボディ11に当接している。プランジャ13は、プランジャストッパ23の中央部に設けられた孔233に挿通している。プランジャストッパ23は、径方向に放射状に延びる複数の溝路232を有している。
プランジャ13の段差面132、小径部131の外壁、シリンダ14の内壁、プランジャストッパ23およびシール部材24に囲まれる略円環状の空間により可変容積室122が形成される。
吐出弁部90は、吐出弁92、規制部材93、スプリング94などから構成されている。
ポンプボディ11には、シリンダ14の中心軸と略垂直に吐出通路114が形成されている。吐出通路114は加圧室121と燃料出口91とを連通している。
吐出弁92は、有底筒状に形成され、吐出通路114に往復移動可能に収容されている。吐出弁92は、弁座95に着座することで吐出通路114を閉塞し、弁座95から離座することで吐出通路114を開放する。
吐出弁92の燃料出口91側に設けられた筒状の規制部材93は、吐出通路114の内壁に固定されている。規制部材93は、吐出弁92の燃料出口91側への移動を規制する。
スプリング94は、一端が規制部材93に当接し、他端が吐出弁92に当接している。スプリング94は、吐出通路114の内壁に形成される弁座95側へ吐出弁92を付勢している。規制部材93の設置位置によって、スプリング94のばね荷重を変化させることで吐出弁92の開弁圧を調整することができる。
一方、加圧室121の燃料の圧力が低下し、加圧室121側の燃料から吐出弁92が受ける力がスプリング94のばね力と弁座95の下流側の燃料から受ける力との和よりも小さくなると、吐出弁92は弁座95に着座する。これにより、弁座95の下流側の燃料が加圧室121へ逆流することが防止される。
(1)吸入行程
カムシャフトの回転により、プランジャ13が上死点から下死点に向かって下降すると、加圧室121の容積が増加し、燃料が減圧される。吐出弁92は弁座95に着座し、吐出通路114を閉塞する。
一方、吸入弁40は、加圧室121と供給通路100との差圧により、第1スプリング21の付勢力に抗して加圧室121側へ移動し、開弁状態となる。このとき、コイル73への通電は停止されているので、可動コア81と一体のニードル60は第2スプリング22の付勢力により加圧室121側へ移動する。したがって、ニードル60と吸入弁40とが当接し、吸入弁40は開弁状態を維持する。これにより、ダンパ室201から弁ボディ31の内側の内流路33、ストッパ50の径外側の外流路102などを経由し、加圧室121に燃料が吸入される。
吸入弁40が開弁状態となるとき、吸入弁40の外側ガイド部42とストッパ50の摺接部54とが摺接することで、吸入弁40は弁座34の中心に位置決めされる。
ここで、大径部133と可変容積室122の断面積比は概ね1:0.6である。したがって、加圧室121の容積の増加分と可変容積室122の容積の減少分の比も1:0.6となる。よって、加圧室121が吸入する燃料の約60%が可変容積室122から供給され、残りの約40%が燃料入口から吸入される。これにより、加圧室121への燃料の吸入効率が向上する。
カムシャフトの回転により、プランジャ13が下死点から上死点に向かって上昇すると、加圧室121の容積が減少する。このとき、所定の時期まではコイル73への通電が停止されているので、第2スプリング22の付勢力によりニードル60と吸入弁40は開弁位置にある。これにより、供給通路100は開放された状態が維持される。このため、一度加圧室121に吸入された低圧燃料が、ストッパ50の外側の外流路102、弁ボディ31の内側の流路などを経由し、ダンパ室201へ戻される。したがって、加圧室121の圧力は上昇しない。
このとき、加圧室121がダンパ室201側へ排出する低圧燃料の容積の約60%が、ダンパ室201から可変容積室122に吸入される。これにより、燃圧脈動の約60%が低減される。
プランジャ13が下死点から上死点に向かって上昇する途中の所定の時刻に、コイル73へ通電される。するとコイル73に発生する磁界により、固定コア80と可動コア81との間に磁気吸引力が発生する。この磁気吸引力が第2スプリング22の弾性力と第1スプリング21の弾性力との差よりも大きくなると、可動コア81とニードル60は固定コア80側(図1の左方向)へ移動する。これにより、吸入弁40に対するニードル60の押圧力が解除される。吸入弁40は、第1スプリング21の弾性力、及び加圧室121からダンパ室201側へ排出される低圧燃料の流れによって生ずる力により、弁座34側へ移動する。したがって、吸入弁40は弁座34に着座し、供給通路100が閉塞される。
このとき、吸入弁40の開弁状態において、ガイド部41は、収容室52の径方向内側に位置している。このため、吸入弁40の径方向の移動が制限され、吸入弁40が弁座34から脱落することが防がれる。
なお、加圧行程の途中でコイル73への通電が停止される。加圧室121の燃料圧力が吸入弁40に作用する力は、第2スプリング22の付勢力より大きいので、吸入弁40は閉弁状態を維持する。
コイル73へ通電するタイミングを早くすれば、調量行程の時間が短くなると共に、加圧行程の時間が長くなる。これにより、加圧室121から供給通路100へ戻される燃料が少なくなり、吐出通路114から吐出される燃料が多くなる。
一方、コイル73へ通電するタイミングを遅くすれば、調量行程の時間が長くなると共に、吐出行程の時間が短くなる。これにより、加圧室121から供給通路100へ戻される燃料が多くなり、吐出通路114から吐出される燃料が少なくなる。
このように、コイル73へ通電するタイミングを制御することで、高圧ポンプ10から吐出される燃料の量を内燃機関が必要とする量に制御することができる。
本実施形態では、吸入弁40の軸方向ストッパ50側の端面にガイド部41を備えている。ガイド部41により、吸入弁40の径方向の移動が制限されると共に、吸入弁40が弁座34から脱落することが抑制される。このため、吸入弁40の外径を小さくし、かつ、軸方向の肉厚を薄くすることが可能になる。したがって、吸入弁40を軽量化することができる。この結果、吸入弁40が弁座34またはストッパ50に当接するときの音が小さくなるので、高圧ポンプの作動音を小さくすることができる。
本実施形態では、吸入弁40の外径を小さく形成することで、吸入弁40の径方向外側に形成される流路の断面積を大きくすることが可能になる。このため、供給通路100を流れる燃料の圧力損失が低減され、加圧室121への燃料の吸入効率が向上する。したがって、高圧ポンプのポンプ効率を向上することができる。
本発明の第2実施形態による高圧ポンプの要部断面図を図4及び図5に示す。以下、複数の実施形態において、上述した第1実施形態と実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態では、ストッパ50の摺接部541が、吸入弁40の外側ガイド部42の径方向内側に位置している。本実施形態においても、吸入弁40が開弁方向へ移動するとき、外側ガイド部42と摺接部541とが摺接することで、吸入弁40の径方向の移動が制限されると共に、吸入弁40が弁座34の中心に位置決めされる。したがって、吸入弁40は弁座34に確実に着座し、供給通路100を確実に閉塞することができる。
本発明の第3実施形態による高圧ポンプの要部断面図を図6に示す。本実施形態では、ストッパ50の摺接部542が、吸入弁40の外側ガイド部421の径方向外側に位置している。
外側ガイド部421は、吸入弁40の全閉時と全開時との移動距離Aと、外側ガイド部421の軸方向の長さCとの関係が、A<C となるように形成されている。また、摺接部542は、その軸方向の長さが、吸入弁40の全閉時と全開時との移動距離Aより長い。これにより、外側ガイド部421は、吸入弁40の開弁状態及び閉弁状態において、摺接部542の径方向内側に位置する。このため、外側ガイド部421は、吸入弁40の径方向の移動を制限するとともに、吸入弁40が弁座34から脱落することを防ぐことができる。
また、吸入弁40が開弁方向へ移動するとき、外側ガイド部421と摺接部542とが摺接することで、吸入弁40が弁座34の中心に位置決めされる。したがって、吸入弁40は供給通路100を確実に閉塞することができる。
本発明の第4実施形態による高圧ポンプの要部断面図を図7に示す。本実施形態では、ストッパ50の摺接部543が、吸入弁40の外側ガイド部421の径方向内側に位置している。
本実施形態においても、外側ガイド部421は、吸入弁40の全閉時と全開時との移動距離Aと、外側ガイド部421の軸方向の長さCとの関係が、A<C となるように形成されている。また、摺接部543は、その軸方向の長さが、吸入弁40の全閉時と全開時との移動距離Aより長い。これにより、外側ガイド部421は、吸入弁40の開弁状態及び閉弁状態において、摺接部543の径方向外側に位置する。このため、外側ガイド部421は、吸入弁40の径方向の移動を制限するとともに、吸入弁40が弁座34から脱落することを防ぐことができる。
また、吸入弁40が開弁方向へ移動するとき、外側ガイド部421と摺接部543とが摺接することで、吸入弁40が弁座34の中心に位置決めされる。したがって、吸入弁40は供給通路100を確実に閉塞することができる。
本発明の第5実施形態による高圧ポンプを図8及び図9に示す。本実施形態では、吸入弁40は、軸方向のニードル60側の端面に、縦断面視においてニードル60側の内径が大きい逆テーパ状の案内溝62を有している。なお、案内溝62は、縦断面視において曲面状であってもよい。案内溝62の開口端の内径は、ニードル60の外径よりも大きい。このため、吸入弁40とニードル60とが当接するとき、ニードル60が吸入弁40の案内溝62に嵌合することで、吸入弁40の径方向の移動が制限される。
弁ボディ31の弁座34は、縦断面視において吸入弁40側が細いテーパ状に形成されている。そのテーパの角度θ1は、吸入弁40が弁座34に着座するときにスクイズ力が作用する程度に大きく形成されている。
さらに、弁ボディ31の弁座34は、テーパの角度θ1が大きく形成されることで、弁座34と吸入弁40とが当接するときに燃料の流体抵抗(スクイズ力)が作用するので、衝突音が低減される。したがって、吸入弁40が弁座34に当接するときの異物の噛み切り効果と、衝突音の低減とを両立することができる。
なお、弁ボディ31の弁座34は、縦断面視において吸入弁40側が細い曲面状に形成してもよい。この場合、その曲率半径は、吸入弁40が弁座34に着座するときにスクイズ力が作用する程度に大きく形成される。
本発明の第6実施形態による高圧ポンプを図10に示す。図10は、吸入弁40と弁座34とが近接した状態を示している。本実施形態では、吸入弁40の弁座34側の端面に弁座34に当接可能な弁シート43が設けられている。この弁シート43は、縦断面視において弁座34側が細いテーパ状に形成されている。そのテーパの角度θ2は、吸入弁40が弁座34に着座するときにスクイズ力が作用する程度に大きく形成されている。
さらに、吸入弁40の弁シート43は、テーパの角度θ2が大きく形成されることで、弁座34と吸入弁40とが当接するときに燃料の流体抵抗(スクイズ力)が作用するので、衝突音が低減される。したがって、吸入弁40が弁座34に当接するときの異物の噛み切り効果と、衝突音の低減とを両立することができる。
なお、吸入弁40の弁シート43は、縦断面視において弁座34側が細い曲面状に形成してもよい。この場合、その曲率半径は、吸入弁40が弁座34に着座するときにスクイズ力が作用する程度に大きく形成される。
本発明の第7実施形態による高圧ポンプを図11に示す。本実施形態では、吸入弁40は、ストッパ50側の端面から収容室52側に延びるガイド部を備えていない。その代り、吸入弁40は、ストッパ50側の端面に弁座34側に凹む凹部43を有している。凹部43の内径は、第1スプリング21の外径より僅かに大きく形成されている。このため、第1スプリング21は凹部43に係止される。
吸入弁40は、ストッパ50側の端面の外周側に環状の外側ガイド部422を備えている。外側ガイド部422の加圧室121側の端面がストッパ50に当接することで、吸入弁40の開弁方向の移動が制限される。
外側ガイド部422は、吸入弁40の全閉時と全開時との移動距離Aと、外側ガイド部422の軸方向の長さDとの関係が、A<D となるように形成されている。このため、外側ガイド部422は、吸入弁40の径方向の移動を制限するとともに、吸入弁40が弁座34から脱落することを防ぐことができる。
ストッパ50は、弁座34側の端面の径外方向の外壁に、外側ガイド部422の径内方向の内壁と摺接可能な摺接部544を備えている。吸入弁40が開弁方向へ移動するとき、吸入弁40の外側ガイド部422とストッパ50の摺接部544とが摺接することで、吸入弁40の径方向の移動が制限されると共に、吸入弁40が弁座34の中心に位置決めされる。
本発明の第8実施形態による高圧ポンプを図12に示す。本実施形態は第7実施形態の変形例である。本実施形態では、ストッパの50弁座34側の端面が、吸入弁40の外側ガイド部422よりも径方向内側の端面に当接することで、吸入弁40の開弁方向の移動が制限される。
上述した実施形態では、コイル73に通電していないとき、可動コア81が吸入弁40を開弁するノーマリーオープン弁について説明した。これに対し、本発明は、コイルに通電していないとき、可動コアが吸入弁を閉弁するノーマリークローズ弁に適用してもよい。
上述した実施形態では、供給通路100内に弁ボディ31を設け、この弁ボディ31に弁座34を形成した。これに対し、本発明は、ポンプボディと弁ボディとを一体に構成してもよい。また、供給通路の内壁に弁座を直接形成してもよい。
上述した実施形態では、吸入弁40とニードル60とを別体で構成した。これに対し、本発明は、吸入弁とニードルとを一体で構成してもよい。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の形態で実施することができる。
11 ・・・ポンプボディ
13 ・・・プランジャ
21 ・・・第1スプリング(付勢手段)
31 ・・・弁ボディ
34,341 ・・・弁座
40 ・・・吸入弁
41 ・・・ガイド部
42,421 ・・・外側ガイド部
43 ・・・弁シート
50 ・・・ストッパ
52 ・・・収容室
54,541,543・・・摺接部
60 ・・・ニードル
62 ・・・案内溝
70 ・・・電磁駆動部
121 ・・・加圧室
100 ・・・供給通路
Claims (7)
- 往復移動可能なプランジャと、
前記プランジャにより燃料が加圧される加圧室、およびこの加圧室に燃料を導く供給通路を有するポンプボディと、
前記供給通路内に形成される弁座に着座することで前記供給通路を閉塞し、前記弁座から離座することで前記供給通路を開放する吸入弁と、
前記吸入弁の前記加圧室側に設けられるストッパと、
前記吸入弁を前記ストッパ側または弁座側に押圧し、または前記吸入弁に与える押圧力を制御可能な電磁駆動部と、
前記ストッパの前記吸入弁側に設けられた収容室に収容され、前記吸入弁を前記弁座側に付勢する付勢手段と、
前記吸入弁の前記ストッパ側端面の外周側に設けられ、縦断面視において前記ストッパ側が細いテーパ状の外側ガイド部と、
前記ストッパの前記吸入弁側の端面に設けられ、前記外側ガイド部のテーパ状の箇所に沿って摺接可能な斜面状の摺接部と、を備えることを特徴とする高圧ポンプ。 - 前記弁座は、縦断面視において前記吸入弁側が細いテーパ状または曲面状であることを特徴とする請求項1に記載の高圧ポンプ。
- 前記弁座は、縦断面視におけるテーパの角度または縦断面視における曲率半径が、前記吸入弁が前記弁座に着座するときにスクイズ力が作用する程度に大きいことを特徴とする請求項2に記載の高圧ポンプ。
- 前記吸入弁の前記弁座側の端面に設けられ、前記弁座に当接可能な弁シートは、縦断面視において前記弁座側が細いテーパ状または曲面状であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の高圧ポンプ。
- 前記吸入弁の前記弁シートは、縦断面視におけるテーパの角度または縦断面視における曲率半径が、前記吸入弁が前記弁座に着座するときにスクイズ力が作用する程度に大きいことを特徴とする請求項4に記載の高圧ポンプ。
- 前記吸入弁の外径は、前記ストッパの外径よりも小さいことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の高圧ポンプ。
- 前記電磁駆動部と前記吸入弁との間に設けられ、前記電磁駆動部の押圧力を前記吸入弁に伝達するニードルを備え、
前記吸入弁は、軸方向前記ニードル側の端面に、縦断面視において前記ニードル側の内径が大きい逆テーパ状または曲面状の案内溝を有し、
前記吸入弁と前記ニードルとが当接するとき、前記ニードルが前記吸入弁の前記案内溝に嵌合することで、前記吸入弁の径方向の移動が制限されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の高圧ポンプ。
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