JP5126600B2 - 高圧ポンプ - Google Patents

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Description

本発明は、加圧室に吸入した燃料をプランジャの往復移動により加圧する高圧ポンプに関する。
従来、加圧室に吸入した燃料をプランジャの往復移動により加圧し吐出する高圧ポンプが公知である。例えば、特許文献1に開示されている高圧ポンプの場合、加圧室に接続する燃料通路の途中に、加圧室へ供給する燃料の流量を調整する弁部材が設けられている。弁部材は、電磁駆動部によって駆動される。電磁駆動部は、ニードルを経由して弁部材を弁座に着座または弁座から離座する方向へ往復移動させる。弁部材の弁座から離座する方向への移動量は、ストッパによって規制される。ストッパは、弁部材に対する加圧室側において、燃料通路を形成する部材の内壁に固定されている。
このように構成された高圧ポンプでは、加圧室に燃料を吸入する吸入行程の後、弁部材が弁座から離座した状態でプランジャが加圧室方向への移動を開始し加圧室の燃料の一部を燃料通路へ押し戻す調量行程を経てから、弁部材が弁座に着座して燃料通路を閉塞する状態でプランジャがさらに加圧室方向へ移動し加圧室の燃料を圧縮する加圧行程、および、圧縮された燃料を外部へ吐出する吐出行程が行われる。
ところで、特許文献1の高圧ポンプでは、ニードルの外周に、燃料が流通する通路が形成されている。つまり、ニードルの外周壁とニードルが挿通される部材の内周壁との間には、当該通路分の隙間が形成されている。そのため、電磁駆動部がニードルを経由して弁部材を往復移動させるとき、ニードルの軸の径方向の位置が不安定になるおそれがある。これにより、電磁駆動部の作動中、ニードルと弁部材との当接箇所がずれ、弁座への弁部材の不安定な着座を招くこととなる。その結果、加圧室に供給される燃料、あるいは高圧ポンプから吐出される燃料の流量に変動が生じるおそれがある。
また、特許文献1の高圧ポンプにおいて、燃料通路は、ニードルの外周に形成される通路、弁部材の外壁と弁部材が収容される部材の内壁とで形成される通路、およびストッパに孔状又は溝状に形成される通路を含んで構成される。これらの各通路は、各部材の壁面の形状に沿ってニードルの軸と平行に延び、かつ、ニードルの軸よりも大きな径を有して径方向に突出している弁部材やストッパに区画され、互いに連通することにより凹凸を有する通路形状となる。このような燃料通路では、ニードルの軸方向に延びる通路の内部と凹凸を形成する壁面の近傍とで燃料の流れが変化するため、調量行程で加圧室から燃料通路へ排出される燃料の軸方向の流れに剥離が発生しやすくなる。その結果、燃料の流れが安定しなくなり、高圧ポンプの作動応答性の悪化を招くことが懸念される。
また、燃料通路を構成する通路間で燃料の流れに剥離が起こりやすい箇所を減らすために、ストッパに形成される通路を弁部材の外周に形成される通路に対して直列に配置し、これらの通路間における燃料の流れの変化を緩和することも考えられるが、この場合、通路をストッパの外周壁近傍に孔状に形成すると、外周壁と通路の内周壁との間で肉厚が薄くなり、ストッパの強度が小さくなってしまう。また、当該通路を孔状とせずにストッパの外周壁を切り欠いて溝状に形成する場合も、通路に切欠かれた分だけ外周壁の表面積が小さくなり、ストッパの外周壁とストッパを固定する部材との結合の強度が損なわれるという欠点がある。これでは、高圧ポンプの使用中に、ストッパが破損または脱落しやすくなるおそれがある。
以上のような問題点により、従来の高圧ポンプでは、燃料の流れの剥離を防止することと構造上の強度を確保することとの両立が困難であった。
特表2002−521616号公報
そこで、本発明の目的は、弁部材の弁座への良好な着座を維持するとともに燃料の流れを円滑にし、作動応答性および吐出量が安定する高圧ポンプを提供することにある。
請求項1記載の発明は、往復移動可能なプランジャと、プランジャによって燃料が加圧される加圧室、および加圧室に燃料を導く燃料通路を有するハウジングと、燃料通路に設けられ、自身の加圧室側壁面に弁座を形成し中央に挿通孔を有する底部、および加圧室方向へ延びる筒部からなる、有底筒状の弁ボディと、挿通孔に挿通される軸部、および軸部の加圧室側端部に接続する傘部を有し、傘部が弁座に着座または弁座から離座することにより燃料通路を流通する燃料の流れを断続する弁部材と、弁部材の加圧室側に弁ボディと同軸に設けられ、筒部の内周壁に接する外周壁を形成し、弁部材の開弁方向への移動を規制するストッパと、を備えている。
弁部材を駆動する機構としては、ストッパと弁部材との間に設けられ、弁部材を閉弁方向に付勢する第1付勢部材、一方の端部が軸部の反加圧室側端部に当接可能であり、弁部材の開弁または閉弁時の移動方向と同一の方向へ移動可能に設けられるニードル、ニードルを弁部材の開弁方向に付勢する第2付勢部材、および、ニードルを弁部材の閉弁方向または開弁方向のいずれか一方に吸引可能なコイル部を有する電磁駆動部を備えている。
燃料通路は、弁ボディの弁座の反加圧室側において挿通孔の外周側に弁ボディの軸に対し周方向に複数形成される第1通路、弁部材が弁座から離座したとき弁部材と弁座との間に環状に形成される第2通路、およびストッパにおいてストッパの軸に対し周方向に複数形成される第3通路を含んで構成される。第1通路および第3通路の少なくとも一方は、中心軸がストッパの軸に対して傾斜し加圧室側から反加圧室側へ向かうに従いストッパの軸から離れるように形成されている。
ここで、本発明の特徴の一つは、燃料通路のうち、弁ボディの弁座に対し反加圧室側に形成される第1通路を、同じく弁ボディの反加圧室側に形成される挿通孔とは別に複数設けたことである。挿通孔とは別途に燃料が流通する第1通路を設けたことにより、挿通孔を形成する弁ボディの内壁を弁部材の軸部の外径に沿う形状とし、弁部材の軸部を摺動させて案内するように構成できる。この構成により、電磁駆動部がニードルを経由して弁部材を往復移動させるとき、弁部材の軸部は、挿通孔において弁ボディに外壁を支持され、径方向の位置が安定する。したがって、電磁駆動部に駆動されるニードルを介して、コイル部の電磁吸引力、第1付勢部材の付勢力、および第2付勢部材の付勢力のバランスにより弁部材を閉弁方向または開弁方向に移動させる際に、径方向の位置を定められた弁部材の軸部に対してニードルの当接箇所がずれにくく、ニードルによる弁部材の制御がより安定する。一方、当該軸部の反ニードル側の端部に支持される傘部も、がたつきを発生させることなく安定して弁座に着座または弁座から離座するようになる。
加えて、本発明の高圧ポンプでは、燃料通路を構成する第1通路および第3通路の両方、または、第3通路のみ、加圧室側から反加圧室側へ向かうに従いストッパの軸から遠ざかる中心軸を有し、吸入行程における燃料の流れの上流側で径外方向へ開く向きで配置されるように形成したことを特徴としている。
第1通路が反加圧室側で径外方向へ向けて傾斜した中心軸を有するように構成されている場合、挿通孔を形成する弁ボディの壁面に弁部材の軸部を摺動させて案内可能とする上記の構成を、より容易に成立させることができる。すなわち、弁座近傍ではともに弁部材の傘部に対向する形状の空間として弁ボディに設けられる挿通孔および第1通路を、弁座よりニードル側では弁ボディの底部を構成する部材で隔てることによって、弁部材の軸部を案内する空間と燃料を流通させる空間とに分けて十分に離れた位置で形成することが可能となる。このようにすれば、単に第1通路が挿通孔と平行に形成されている場合に比べて、挿通孔を第1通路と分けて形成している弁ボディ底部の部材壁を、挿通孔周りにおける径方向の厚みが大きくなるように設計することができる。
また、弁部材の往復移動を効果的に案内するための好ましい構成としては、弁ボディの底部を挿通孔周りで弁部材の軸部に沿ってニードルの方向へ筒状に突出させることによりガイド部を形成し、軸部の挿通孔内周壁に対する摺動長さを大きく設定することが例示される。ここで、第1通路が挿通孔と平行である場合には、挿通孔と第1通路との距離が近いため、上述したガイド部を形成するのに必要な挿通孔の軸に対する径方向のスペースは、わずかな広さでしか確保されない。その結果、当該ガイド部を強度が小さい薄肉の筒状でしか形成できないおそれがある。この点、上記のように第1通路の中心軸が傾斜し弁座よりもニードル側で挿通孔から離れていれば、上述したガイド部が形成されるスペースを十分に確保できるため、当該ガイド部を肉厚に形成することが可能となる。このため、弁部材の往復移動を軸方向に案内して弁座への良好な着座を維持することで燃料の吐出量の変動を抑制可能な高圧ポンプを、耐久性に優れた構成で提供することができる。
一方、ストッパに形成され加圧室に連通する第3通路が、反加圧室側で径外方向へ向けて傾斜した中心軸を有するように構成されている場合、ストッパの軸方向における加圧室側でストッパの外周壁と第3通路を形成する内周壁との間に大きなスペースを確保することが可能となる。したがって、第3通路を、ストッパの外周壁を切欠いて表面積を縮小させることなく、また、ストッパの強度を低下させるような薄肉の箇所をなるべく作らずに形成することができる。この結果、ストッパの外周壁の表面積が大きくなり、例えば、当該ストッパの外周壁を弁ボディの筒部の内壁に溶接するためのスペースが確保されるので、高圧ポンプの弁構造の耐久性を向上させることができる。
さらに、この場合の調量行程においては、加圧室から燃料通路へ押し戻される排出燃料の流れを、下流側へ向かうに従いストッパの軸から離れるように第3通路の内壁に沿わせ、ストッパの外周壁との間でニードルの軸方向に空間を形成している弁部材の筒部の内壁面に沿わせるように、円滑に第2通路まで案内することが可能となる。このように、第3通路を燃料が壁面に沿って放射状に流通可能な通路とすれば、たとえ通路形状に凹凸や燃料の流れ方向の変化があっても、調量行程の排出燃料の流れに剥離が発生することを防止できる。したがって、開弁および閉弁の作動応答性を向上させることができ、燃料の吐出量が安定する。
以上により、請求項1記載の発明によると、弁部材の弁座への良好な着座を維持するとともに燃料の流れを円滑にし、作動応答性および吐出量が安定する高圧ポンプを提供することが可能である。
請求項2記載の発明では、第3通路は、大径通路、および大径通路よりも径が小さく大径通路の反加圧室側に接続して大径通路との間に段差を形成する小径通路からなる。加圧室から弁座近傍の空間にかけて配置される第3通路が、このように反加圧室側で通路径を縮小させる形状で形成されると、調量行程において加圧室から第3通路へ排出される燃料の流速が加圧室側よりも弁座側で大きくなる。このように排出燃料の流速が大きくなると、燃料の流通が円滑になるだけでなく、流速が増大する箇所となる第3通路の弁座側では、通路内部における燃料の圧力を低下させることが可能となる。このため、調量行程において、加圧室内部の燃料の圧力を弁部材の傘部が直接受けて閉弁方向へ付勢されることにより誤閉弁が発生するという問題を防ぐことができ、高圧ポンプの作動応答性を向上させて燃料の吐出量を安定に保つことができる。
請求項3記載の発明では、第3通路は、加圧室側から反加圧室側へ向かうに従い径が小さくなるテーパ状に形成されている。この場合にも上記同様の効果が得られ、調量行程で誤閉弁の発生を防ぐことが可能となり、燃料の吐出量が安定する。
請求項4記載の発明では、第1通路は、反加圧室側から加圧室側へ向かうに従い径が小さくなるテーパ状に形成されている。つまり、吸入行程における燃料の流れの上流側よりも、弁部材の位置に近い加圧室側で第1通路の内部が狭められるため、吸入燃料は弁部材近傍へ向かうに従い流速が大きくなる。このため、吸入行程において、例えば後述する請求項5または6記載の構成等により、弁部材の傘部が開弁方向へ付勢されるように燃料の流れが弁部材の反加圧室側から衝突する際、吸入燃料の流速が増大するため、当該開弁方向へ弁部材を付勢する力が強められ、開弁時の作動応答性を向上させることができる。したがって、吸入行程での燃料の流れが円滑になるとともに、特に、請求項5または6記載の構成と併せたときには、弁部材の作動応答性および燃料の吐出量が安定する。
請求項5記載の発明では、第1通路の中心軸と傘部の弁座側の壁面とのなす角をθとすると、傘部の弁座側の壁面は、45°≦θ≦135°となるように形成されている。このように構成すると、吸入された燃料は、第1通路の方向に沿い加圧室側へ向かって流通するので、弁部材の傘部の弁座に対向している端面に吸入燃料の流れが衝突し、吸入行程で開弁する傘部に対して開弁方向の補助力を与えることができる。ここで、当該第1通路の中心軸が、傘部の弁座側の壁面に対する法線に近い角度で当該傘部の壁面に向けられて配置されている場合ほど、第1通路内の燃料の流れによって傘部が受ける開弁方向の力がより大きくなる。したがって、吸入燃料の流れを利用して開弁時の作動応答性を向上させることが可能であり、簡易な構成で燃料の吐出量を安定とすることができる。
請求項6記載の発明では、傘部の弁座側の壁面は、θ=90°となるように形成されているため、上述した効果がさらに良好に奏される。すなわち、吸入行程で弁部材の傘部に加わる燃料の流れによる開弁方向の補助力は、θ=90°の場合に最大となるため、吸入燃料の流れを効率よく利用して弁部材の作動応答性および燃料の吐出量を安定とすることができる。
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、複数の実施形態において、実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による高圧ポンプを図1および図2に示す。高圧ポンプ10は、例えばディーゼルエンジンやガソリンエンジンのインジェクタに燃料を供給する燃料ポンプである。
図2に示すように、高圧ポンプ10は、ハウジング本体11、カバー12、プランジャ13、弁ボディ30、弁部材40、ストッパ50、スプリング21、ニードル60、スプリング22および電磁駆動部70などを備えている。
ハウジング本体11およびカバー12は、特許請求の範囲の「ハウジング」を構成している。ハウジング本体11は、例えばマルテンサイト系のステンレスなどで形成されている。ハウジング本体11は、円筒状のシリンダ14を形成している。ハウジング本体11のシリンダ14には、プランジャ13が軸方向へ往復移動可能に支持されている。
ハウジング本体11は、導入通路111、吸入通路112、加圧室113および吐出通路114などを形成している。ハウジング本体11は、筒部15を有している。筒部15は、内部に導入通路111と吸入通路112とを連通する通路151を形成している。筒部15は、シリンダ14の中心軸と概ね垂直に形成されており、内径が途中で変化している。ハウジング本体11は、筒部15において内径が変化する部分に段差面152を形成している。筒部15に形成されている通路151には、弁ボディ30が設けられている。
ハウジング本体11とカバー12との間には、燃料室16が形成されている。ハウジング本体11には、燃料室16に連通する図示しない燃料入口が形成されている。燃料室16には、当該燃料入口を通じて、図示しない低圧燃料ポンプによって燃料タンクから燃料が供給される。導入通路111は、燃料室16と筒部15の内周側に形成されている通路151とを連通している。吸入通路112は、一方の端部が加圧室113に連通している。吸入通路112の他方の端部は、段差面152の内周側に開口している。導入通路111と吸入通路112とは、図1に示すように、有底筒状の弁ボディ30が内側に形成している空間を経由して接続している。加圧室113は、図2に示すように吸入通路112とは反対側において吐出通路114と連通している。ここで、導入通路111、通路151および吸入通路112は、特許請求の範囲の「燃料通路」を構成している。本実施形態では、当該「燃料通路」を燃料通路100で示している。
プランジャ13は、ハウジング本体11のシリンダ14に軸方向へ往復移動可能に支持されている。加圧室113は、プランジャ13の往復移動方向の一端側に形成されている。プランジャ13の他端側に設けられたヘッド17は、スプリング座18と結合している。スプリング座18とハウジング本体11との間には、スプリング19が設けられている。スプリング座18は、スプリング19の付勢力により、図示しないカムの方向へ付勢されている。プランジャ13は、図示しないタペットを介してカムと接することにより、往復駆動される。
スプリング19は、一方の端部がハウジング本体11に接し、他方の端部がスプリング座18に接している。スプリング19は、軸方向へ伸びる力を有している。これにより、スプリング19は、スプリング座18を経由して図示しないタペットをカム側へ付勢する。プランジャ13のヘッド17側の外周面と、プランジャ13を収容するシリンダ14を形成しているハウジング本体11の内周面との間は、オイルシール23により液密にシールされている。オイルシール23は、エンジン内から加圧室113へのオイルの浸入を防止するとともに、加圧室113からエンジンへの燃料の流出を防止する。
燃料出口91を形成する吐出弁部90は、ハウジング本体11の吐出通路114側に設けられている。吐出弁部90は、加圧室113において加圧された燃料の排出を断続する。吐出弁部90は、逆止弁92、規制部材93およびスプリング94を有している。逆止弁92は、底部921、および底部921から反加圧室113側へ筒状に延びる筒部922からなる有底筒状に形成され、吐出通路114において往復移動可能に設けられている。規制部材93は、筒状に形成され、吐出通路114を形成するハウジング本体11に固定されている。スプリング94は、一方の端部が規制部材93に接し、他方の端部が逆止弁92の筒部922に接している。逆止弁92は、スプリング94の付勢力により、ハウジング本体11が形成する弁座95側へ付勢されている。逆止弁92は、底部921側の端部が弁座95に着座することにより吐出通路114を閉鎖し、弁座95から離座することにより吐出通路114を開放する。逆止弁92は、弁座95とは反対側へ移動したとき、筒部922の反底部921側端部が規制部材93と接することにより移動が規制される。
加圧室113の燃料の圧力が上昇すると、加圧室113側の燃料から逆止弁92が受ける力は増大する。そして、加圧室113側の燃料から逆止弁92が受ける力が、スプリング94の付勢力と弁座95の下流側における図示しないデリバリパイプ内の燃料から受ける力との和よりも大きくなると、逆止弁92は弁座95から離座する。これにより、加圧室113内の燃料は、吐出通路114、すなわち逆止弁92の筒部922に形成された通孔923、および筒部922の内側を経由し、燃料出口91から高圧ポンプ10の外部へ吐出される。
一方、加圧室113の燃料の圧力が低下すると、加圧室113側の燃料から逆止弁92が受ける力は減少する。そして、加圧室113側の燃料から逆止弁92が受ける力がスプリング94の付勢力と弁座95の下流側の燃料から受ける力との和よりも小さくなると、逆止弁92は弁座95に着座する。これにより、図示しないデリバリパイプ内の燃料は、吐出通路114を経由して加圧室113へ流入することが防止される。
弁ボディ30は、図1に示すようにハウジング本体11に固定されている。弁ボディ30は、例えば圧入、および係止部材20などによりハウジング本体11の通路151の内側に固定されている。すなわち、弁ボディ30は、燃料通路100を構成する通路151の途中に設けられている。弁ボディ30は、底部31、および底部31から加圧室113側へ筒状に延びる筒部32からなる有底筒状に形成されている。
弁ボディ30は、底部31の加圧室113側に、反加圧室113側へ凹む凹部33を有している。底部31の加圧室113側の壁面は、凹部33の外縁に弁座34を形成している。すなわち、弁ボディ30は、加圧室113側壁面に弁座34を有している。弁座34は、弁ボディ30の軸に対し所定の角度をなすテーパ状に形成されている。
弁ボディ30は、底部31の中央部にガイド部35を有している。ガイド部35は、底部31の中央部から反凹部33側へ筒状に突出するように形成されている。弁ボディ30は、ガイド部35の凹部33を形成する壁面と反凹部33側の壁面とを接続する挿通孔351を有している。また、底部31の挿通孔351の外周側には、凹部33を形成する壁面と反凹部33側の壁面とを接続する第1通路121が形成されている。第1通路121は、弁ボディ30の軸に対し周方向に複数形成されている。それぞれの第1通路121の中心軸は、弁ボディ30の軸に対して傾斜した向きで配置されている。すなわち、弁ボディ30と同軸で設けられた後述するストッパ50との関係でいえば、第1通路121は、中心軸がストッパ50の軸に対して傾斜し加圧室113側から反加圧室113側へ向かうに従いストッパ50の軸から離れるように形成されている。
弁部材40は、ガイド部35の挿通孔351に挿通される略円柱状の軸部41、および軸部41の加圧室113側端部に接続する略円盤状の傘部42とからなる。弁部材40は、傘部42の外縁から反軸部41側へ筒状に突出する突出部43を有している。弁部材40の軸部41の径は、ガイド部35の挿通孔351の径とほぼ同一、または軸部41の径よりもわずかに小さく形成されている。また、弁部材40は、軸部41の外壁が、挿通孔351を形成するガイド部35の壁面に摺動しながら、弁ボディ30が内側に形成している空間の内部を軸部41の軸方向へ往復移動可能であるように設けられている。そのため、弁部材40は、往復移動するとき、ガイド部35によって、その往復移動が案内される。傘部42の弁座34側の壁面は、弁座34の形状に対応し、軸部41の軸に対し所定の角度をなすテーパ状に形成されている。弁部材40は、往復移動することにより傘部42が弁座34に着座または弁座34から離座して燃料通路100を流通する燃料の流れを断続する。また、弁部材40は、傘部42が弁座34から離座しているとき、弁座34との間に環状の第2通路122を形成する。
ストッパ50は、弁部材40の加圧室113側に設けられている。ストッパ50は、筒部51、筒部51の反弁部材40側の端部を塞ぐ底部52、および底部52の径外側に形成される環状の拡張部53からなる。ストッパ50は、弁ボディ30の筒部32の内周壁に拡張部53の外周壁が溶接されて弁ボディ30に固定されている。ストッパ50の筒部51の弁部材40側端部は、弁部材40の突出部43のストッパ50側端部を当接させることにより、弁部材40の開弁方向への移動を規制可能である。また、ストッパ50の拡張部53には、拡張部53の加圧室113側の壁面と反加圧室113側の壁面とを接続する第3通路123が形成されている。第3通路123は、ストッパ50の軸に対し周方向に複数形成されている。それぞれの第3通路123は、中心軸がストッパ50の軸に対して傾斜し加圧室113側から反加圧室113側へ向かうに従いストッパ50の軸から離れるように形成されている。なお、第2通路122と第3通路123との間には、弁ボディ30の筒部32の内周壁とストッパ50の筒部51の外周壁とに囲まれた略環状の中間通路124が形成される。
上述した第1通路121、第2通路122、第3通路123および中間通路124は、それぞれハウジング本体11に形成された通路151に含まれている。すなわち、燃料通路100は、第1通路121、第2通路122、第3通路123および中間通路124を含んでいる。これにより、燃料が燃料室16側から加圧室113側へ向かうとき、燃料は、第1通路121、第2通路122、中間通路124および第3通路123を、この順で流通する。一方、燃料が加圧室113側から燃料室16側へ向かうとき、燃料は、第3通路123、中間通路124、第2通路122および第1通路121を、この順で流通する。
ストッパ50と弁部材40との間に、第1付勢部材としてのスプリング21が設けられている。スプリング21は、弁部材40がストッパ50に当接した状態で弁部材40と筒部51の内壁と底部52とによって形成される容積室54の内側において、一方の端部が底部52に接し、他方の端部が弁部材40の傘部42に接している。スプリング21は、軸方向に伸びる力を有し、弁部材40を、反ストッパ50側すなわち閉弁方向へ付勢している。また、弁部材40の突出部43がストッパ50の筒部51に当接しているとき、ストッパ50は、突出部43の加圧室113側の開口を塞いでいる。これにより、加圧室113側から弁部材40側へ向かう燃料の弁部材40への衝突が緩和される。ストッパ50の筒部51には、容積室54と中間通路124とを連通する管路55が形成されている。
図2に示すように、電磁駆動部70は、コイル71、固定コア72、可動コア73、フランジ75などを有している。コイル71は、樹脂製のスプール78に巻かれており、通電することにより磁界を発生する。固定コア72は、磁性材料から形成されている。固定コア72は、コイル71の内周側に収容されている。可動コア73は、磁性材料から形成されている。可動コア73は、固定コア72と対向して配置されている。可動コア73は、非磁性材料から形成されている筒部材79およびフランジ75の内周側に軸方向へ往復移動可能に収容されている。筒部材79は、固定コア72とフランジ75との間の磁気的な短絡を防止する。フランジ75は、磁性材料から形成されている。図1に示すように、フランジ75は、ハウジング本体11の筒部15に取り付けられている。これにより、フランジ75は、電磁駆動部70をハウジング本体11に保持するとともに、筒部15の端部を塞いでいる。フランジ75は、中央部に、フランジ75の弁ボディ30側と反弁ボディ30側とを連通する筒状のガイド部材76を有している。
ニードル60は、略円柱状に形成され、フランジ75のガイド部材76の筒内に挿通されている。ニードル60は、外壁がガイド部材76の内壁面に摺動可能であるような径で形成され、ガイド部材76の軸方向へ往復移動可能に設けられている。そのため、ニードル60は、往復移動するとき、ガイド部材76によって、その往復移動が案内される。また、ニードル60は、一方の端部が可動コア73に圧入または溶接されることで可動コア73と一体に組み付けられている。ニードル60は、他方の端部に形成された端面63が、弁部材40の軸部41の反傘部42側端部に形成された端面45と当接可能である。なお、ニードル60は、弁部材40の開弁または閉弁時の移動方向と同一の方向へ移動可能である。
固定コア72と可動コア73との間に、第2付勢部材としてのスプリング22が設けられている。スプリング22は、可動コア73を弁部材40側へ付勢している。スプリング22が可動コア73を付勢する力は、スプリング21が弁部材40を付勢する力よりも大きい。すなわち、スプリング22は、可動コア73およびニードル60をスプリング21の付勢力に抗して弁部材40側、すなわち弁部材40の開弁方向へ付勢している。これにより、コイル71に通電していないとき、固定コア72と可動コア73とは互いに離れている。そのため、コイル71に通電していないとき、可動コア73と一体のニードル60はスプリング22の付勢力により弁部材40側へ移動するとともに、弁部材40は弁ボディ30の弁座34から離座している。電磁駆動部70のコイル71、固定コア72、可動コア73、フランジ75、スプール78および筒部材79は、特許請求の範囲の「コイル部」を構成している。
次に、上記構成の高圧ポンプ10の作動について説明する。
(1)吸入行程
プランジャ13が図2の下方へ移動するとき、コイル71への通電は停止されている。そのため、弁部材40は、電磁駆動部70のスプリング22から力を受けている可動コア73と一体のニードル60により加圧室113側へ付勢されている。その結果、弁部材40は、弁ボディ30の弁座34から離座している。また、プランジャ13が図2の下方へ移動するとき、加圧室113の圧力は低下する。そのため、弁部材40が凹部33側の燃料から受ける力は、加圧室113側の燃料から受ける力よりも大きくなる。これにより、弁部材40には弁座34から離座する方向へ力が加わり、弁部材40は弁座34から離座する。弁部材40は、突出部43がストッパ50の筒部51に当接するまで移動する。弁部材40が弁座34から離座、すなわち開弁することにより、燃料室16は、導入通路111、通路151および吸入通路112を経由して加圧室113に連通する。したがって、燃料室16の燃料は、第1通路121、第2通路122、中間通路124および第3通路123をこの順で経由して加圧室113に吸入される。また、このとき、弁部材40は、ストッパ50と当接することにより、突出部43の加圧室113側の開口がストッパ50で塞がれている。
(2)調量行程
プランジャ13が下死点から上死点に向かって上昇するとき、加圧室113から弁部材40側すなわち燃料室16側へ排出される燃料の流れにより、弁部材40には加圧室113側の燃料から弁座34に着座する方向へ力が加わる。しかし、コイル71に通電していないとき、ニードル60は、スプリング22の付勢力により弁部材40側へ付勢されている。そのため、弁部材40は、ニードル60によって弁座34側への移動が規制される。また、弁部材40は、突出部43の加圧室113側の開口がストッパ50によって塞がれている。これにより、加圧室113から燃料室16側へ排出される燃料の流れが、弁部材40に直接衝突することはない。そのため、燃料の流れにより弁部材40に加わる閉弁方向への力が緩和される。その結果、コイル71への通電が停止されている間、弁部材40は弁座34から離間した状態を維持する。これにより、プランジャ13の上昇によって加圧室113から排出される燃料は、燃料室16から加圧室113へ吸入される場合と逆に、第3通路123、中間通路124、第2通路122および第1通路121をこの順で経由して燃料室16へ戻される。
調量行程の途中にコイル71へ通電すると、コイル71に発生した磁界により、固定コア72、フランジ75および可動コア73に磁気回路が形成される。これにより、互いに離間している固定コア72と可動コア73との間には磁気吸引力が発生する。固定コア72と可動コア73との間に発生する磁気吸引力がスプリング22の付勢力よりも大きくなると、可動コア73は固定コア72側へ移動する。そのため、可動コア73と一体のニードル60も、固定コア72側へ移動する。ニードル60が固定コア72側へ移動すると、弁部材40とニードル60とは離間し、弁部材40はニードル60から力を受けない。その結果、弁部材40は、スプリング21の付勢力、および、加圧室113から燃料室16側へ排出される燃料の流れにより弁部材40に加わる閉弁方向の力によって弁座34側へ移動する。
弁部材40が弁座34側へ移動し、弁部材40が弁座34に着座、すなわち閉弁することにより、第2通路122が閉鎖され、燃料通路100を流通する燃料の流れが遮断される。これにより、加圧室113から燃料室16へ燃料を排出する調量行程は終了する。プランジャ13が上昇するとき、第2通路122、すなわち加圧室113と燃料室16との間を閉鎖することにより、加圧室113から燃料室16へ戻される燃料の量が調整される。その結果、加圧室113で加圧される燃料の量が決定される。
(3)加圧行程
加圧室113と燃料室16との間が閉鎖された状態でプランジャ13がさらに上死点に向けて上昇すると、加圧室113の燃料の圧力は上昇する。加圧室113の燃料の圧力が所定の圧力以上になると、吐出弁部90のスプリング94の付勢力と弁座95の下流側の燃料から逆止弁92が受ける力とに抗して、逆止弁92は弁座95から離座する。これにより、吐出弁部90が開弁し、加圧室113で加圧された燃料は吐出通路114を通り高圧ポンプ10から吐出される。高圧ポンプ10から吐出された燃料は、図示しないデリバリパイプに供給されて蓄圧され、インジェクタに供給される。
プランジャ13が上死点まで移動すると、コイル71への通電が停止され、弁部材40は再び弁座34から離座する。このとき、プランジャ13は再び図2の下方へ移動し、加圧室113の燃料の圧力は低下する。これにより、加圧室113には燃料室16から燃料が吸入される。
なお、弁部材40が閉弁し、加圧室113の燃料の圧力が所定値まで上昇したとき、コイル71への通電は停止してもよい。加圧室113の燃料の圧力が上昇すると、弁部材40が弁座34から離座する方向へ受ける力よりも、加圧室113側の燃料によって弁座34へ着座する方向へ受ける力が大きくなる。そのため、コイル71への通電を停止しても、弁部材40は加圧室113側の燃料から受ける力によって弁座34への着座状態を維持する。このように、所定の時期にコイル71への通電を停止することにより、電磁駆動部70の消費電力を低減することができる。
上記の(1)から(3)の行程を繰り返すことにより、高圧ポンプ10は吸入した燃料を加圧して吐出する。燃料の吐出量は、電磁駆動部70のコイル71への通電タイミングを制御することにより調節される。
本実施形態では、図1に示すように、第1通路121が反加圧室113側で径外方向へ向けて傾斜した中心軸を有するように構成されているため、弁座34近傍ではともに弁部材40の傘部42に対向する形状の空間として弁ボディ30に設けられる挿通孔351および第1通路121が、弁部材40の軸部41を案内する空間と燃料を流通させる空間とに区別されて互いに十分離れた位置に配置される。このため、弁ボディ30の反加圧室113側において軸部41の周囲で径方向に十分なスペースが確保され、ガイド部35を設けることが可能となっている。ここで、仮に第1通路121が挿通孔351と平行に設けられていた場合には、ガイド部35を設けるためのスペースは狭くなるため、ガイド部35の肉厚が薄くなってしまう。この点、本実施形態では第1通路121の反加圧室113側の開口が挿通孔351の反加圧室113側の開口と離れているため、肉厚が大きく安定な形状のガイド部35を形成することが可能となる。そして、本実施形態では弁ボディ30がガイド部35を有しているため、弁部材40の軸部41の、挿通孔351を形成する弁ボディ30の壁面に対する摺動長さが大きくなっている。したがって、弁部材40が往復移動するとき、ガイド部35によって軸部41を軸方向に案内可能に摺動させ、弁座34への良好な着座を維持することで燃料の吐出量を安定させることができる。
また、本実施形態では、ストッパ50に形成された第3通路123が、反加圧室113側で径外方向へ向けて傾斜した中心軸を有するように構成されているため、ストッパ50の軸方向における加圧室113側でストッパ50の外周壁と第3通路123を形成する内周壁との間に大きなスペースが確保されている。したがって、ストッパ50は、第3通路123が形成されていても、拡張部53に薄肉の箇所を極力作らずに、かつ、ストッパ50の内部にスプリング21を収容可能な容積室54を配置するスペースを確保できるように構成される。また、このように構成された第3通路123は、加圧室113側ではストッパ50の拡張部53の外周壁から離れ、ストッパ50の軸に近づくように径内方向に傾斜した形状で吸入通路112を介して加圧室113に連通しているため、ストッパ50は、拡張部53の外周壁全体が弁ボディ30の筒部32の内壁に接触可能となっている。ここで、仮に第3通路123を拡張部53の外周壁を切り欠くような溝としてストッパ50の軸と平行に形成した場合、ストッパ50自体の強度を確保することはできても、弁ボディ30の筒部32の内壁に固定可能となる拡張部53の外周壁面の表面積が小さくなってしまう。この場合、ストッパ50と弁ボディ30とを溶接して固定したにもかかわらず、溶接箇所の強度が十分に得られなくなり、長期間の使用によって当該箇所の破損を招くおそれがある。これに対し、本実施形態のような形状で第3通路123が形成されていれば、ストッパ50の拡張部53が弁ボディ30に溶接される外周壁の表面積を大きく確保できるため、ストッパ50の強度もストッパ50が弁ボディ30に固定される構造の強度も向上し、ストッパ50の破損や脱落を防止することができる。したがって、安定した構造により弁部材40の開弁および閉弁の作動が行われ、良好な作動応答性を維持できる。
さらに、第1通路121および第3通路123が上述したようにストッパ50の軸に対し傾斜した中心軸を有して配置されているため、本実施形態による調量工程では、プランジャ13に押されて加圧室113から燃料室16へ向かうようにストッパ50の軸方向の圧力を受けて排出される燃料が、第3通路123を形成するストッパ50の壁面に沿って、中間通路124を形成する弁ボディ30の筒部32の内壁面に向かって流れるようになる。ストッパ50の軸に対し傾斜した中心軸を有する第3通路123内を流れる燃料は、当該筒部32の内壁面に対して緩やかな角度で向かうため、第3通路123および中間通路124の内部で流れの剥離による乱流を生じることなく、円滑に第2通路122へ移動するようになる。さらに、第2通路122を通過した燃料が凹部33から通路151の導入通路111側へ向かう際にも、第1通路121を形成する弁ボディ30の壁面に沿って流れるため、第1通路121の内部においても、燃料の流れに剥離が生じることが防止できる。したがって、第1通路121および第3通路123がストッパ50の軸と平行である場合に流れの剥離が生じやすいような、弁ボディ30やストッパ50および弁部材40により凹凸に入り組んで形成された燃料通路100において、本実施形態による第1通路121および第3通路123の構成では、流れの抵抗が低減され、円滑に燃料を流通させることが可能となる。これにより、燃料の流れが弁部材40の作動に抵抗を及ぼすことを防ぎ、開弁および閉弁の作動応答性を向上させることができる。また、加圧室113に供給される燃料の流量の変動を抑制することが可能となるため、燃料の吐出量が安定する。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態による高圧ポンプの要部を図3に示す。第2実施形態では、第3通路130が、大径通路131とその反加圧室113側に接続する小径通路132とから構成されている。小径通路132の径は、大径通路131の径よりも小さく形成されているため、大径通路131と小径通路132との間には段差が形成される。つまり、加圧室113からストッパ50の筒部51の外周に形成された中間通路124にかけて配置されている第3通路130は、中間通路124側すなわち燃料室16へ向かう方向で径が縮小するように形成されている点で、通路形状が第1実施形態と異なる。この構成により、調量行程において加圧室113から第3通路130へ排出される燃料の流速は、加圧室113側の大径通路131よりも弁座近傍に配置された小径通路132で増大する。このため、調量工程における燃料の流れを、第1実施形態の場合よりもさらに円滑にすることができる。また、第3通路130が、調量行程における下流側で排出燃料の流速が大きくなるように大径通路131および小径通路132が配置された形状であることにより、下流側の小径通路132内部では、流速の増大に伴って、加圧室113から排出された燃料の圧力が低下するようになる。ここで、仮に第3通路130の内部で燃料の流速がある程度以下となる場合、調量行程において、加圧室113内部の燃料がプランジャ13に押し出される際の圧力を保ったまま中間通路124に流れ込み、弁部材40の傘部42を閉弁方向へ付勢して誤閉弁を生じさせるおそれがある。これに対し、本実施形態によれば、第3通路130内部の燃料は加圧室113側よりも中間通路124側で圧力が低下するため、調量時に弁部材40の傘部42に閉弁方向の大きな力を加えることがなくなる。これにより、誤閉弁の発生を防ぐことが可能となる。したがって、高圧ポンプの調量時の開弁状態を維持し、燃料の流量を適切に調整することで、吐出量を安定に保つことができる。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態による高圧ポンプの要部を図4に示す。第3実施形態では、第2実施形態と同様、第3通路133の通路径が、加圧室113側よりも中間通路124側すなわち燃料室16へ向かう方向で縮小されるように形成されている。第2実施形態との違いは、第3通路133が加圧室113側から反加圧室113側へ向かうに従い径が小さくなるテーパ状に形成されている点である。この構成によっても、調量行程における下流側で排出燃料の流速が大きくなり、弁部材40の傘部42近傍に向かうにつれて圧力が低下するため、第2実施形態と同様の効果が奏される。
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態による高圧ポンプの要部を図5に示す。第4実施形態では、傘部42の弁座34側の壁面である端面421は、第1通路121の中心軸と傘部42の端面421とのなす角が90°となるように形成されている。つまり、図5を用いて説明すると、仮想線として示される第1通路121の中心軸Lは、仮想平面として(但し、断面図である図5においては仮想線として)示される傘部42の端面421の接平面Sに対して垂直に配置されている。このため、燃料は燃料室16から通路151へ吸入された後、中心軸Lを有して形成された第1通路121の方向に沿い加圧室113側へ流入し、弁部材40の傘部42の弁座34に対向している端面421には、吸入された燃料の流れが衝突する。このように、吸入燃料を中心軸Lの方向で端面421に衝突させることにより、吸入行程で開弁する弁部材40の傘部42に対して開弁方向に移動させるための補助力を与えることができる。このように第1通路121と傘部42とを形成すれば、吸入燃料の流れを利用して開弁時の作動応答性を向上させることが可能となるため、簡易な構成で燃料の吐出量を安定とすることができる。
(第5実施形態)
本発明の第5実施形態による高圧ポンプの要部を図6に示す。第5実施形態では、第4実施形態と同様、傘部42の弁座34側の壁面である端面421が、第1通路141の中心軸と傘部の端面421とのなす角が90°となるように形成されている。すなわち、図6を用いて説明すると、図5同様、仮想線として示される第1通路141の中心軸Lは、仮想平面として(但し、断面図である図6においては仮想線として)示される傘部42の端面421の接平面Sに対して垂直に配置されている。本実施形態の第4実施形態との違いは、第1通路141が反加圧室113側から加圧室113側へ向かうに従い径が小さくなるテーパ状に形成されている点である。この構成によっても、吸入燃料を中心軸Lの方向で端面421に衝突させることにより、吸入行程で開弁する弁部材40の傘部42に対して開弁方向に移動させるための補助力を与えることができる。また、第1通路141をテーパ状に形成したことにより、吸入行程において第1通路141の方向に沿い加圧室113側へ流入する燃料は、第1通路141の上流側、すなわち燃料室16から続く通路151側よりも、第1通路141の下流側、すなわち弁部材40の傘部42近傍へ向かうに従い流速が増大する。このため、弁部材40の傘部42に開弁方向の補助力が加わるように燃料の流れが傘部42の端面421に衝突する際、流速の増大により弁部材40を付勢する力が強められ、開弁時の作動応答性を向上させることができる。したがって、吸入行程での燃料の流れが円滑になるとともに、弁部材40の作動応答性および燃料の吐出量がより安定する。
(他の実施形態)
上述の第4実施形態では、第1通路の中心軸と傘部の弁座側の壁面とのなす角をθとしたとき、傘部の弁座側の壁面が、θ=90°となるように形成されている例を示した。ここで、図5を用いて説明すると、第1通路121の中心軸L方向に流れる燃料が傘部42の端面421に衝突し、衝突によって開弁方向にある程度の力を加えるような構成とすれば、上述した第4実施形態の効果は奏される。このため、本発明の他の実施形態として、中心軸Lが端面421の接平面Sに対しある範囲内の角度、例えば90°±45°の範囲内の角度をなすような構成を採用してもよい。すなわち、『第1通路の中心軸と傘部の弁座側の壁面とのなす角をθとすると、傘部の弁座側の壁面は、45°≦θ≦135°となるように形成されていること』によっても、同様の効果が奏される。但し、特に、第1通路121の中心軸Lが傘部42の端面421の接平面Sに対する法線に近い角度で配置されている場合ほど、第1通路121内の燃料の流れによって傘部42が受ける開弁方向の力がより大きくなる。したがって、第4実施形態のように、端面421の接平面Sに対する第1通路121の中心軸Lの角度が90°であることが最も好ましい。
上述の複数の実施形態では、ストッパが、弁ボディの筒部の内周壁に外周壁を溶接されて弁ボディに固定されている例を示した。ここで、第3通路が加圧室側から反加圧室側へ向かうに従いストッパの軸から離れるように形成されていれば、ストッパの加圧室側端部における外周壁が周方向の全体にわたって弁ボディの内周壁に接触可能となるよう構成される。これにより、ストッパと弁ボディとが溶接されることなく、ストッパが弁ボディに圧入固定される構造であっても、ある程度の強度が確保されるため、ストッパの脱落を防ぐことが可能となる。すなわち、本発明の他の実施形態では、ストッパが弁ボディの筒部の内周壁に圧入されて弁ボディに固定されていてもよい。なお、この構成によれば、ストッパと弁ボディとの組付けにおける溶接工程を省略し、高圧ポンプの製造工程を簡略化することができる。
上述の複数の実施形態では、第1通路および第3通路の両方が、中心軸がストッパの軸に対して傾斜し加圧室側から反加圧室側へ向かうに従いストッパの軸から離れるように形成されている例を示した。これに対し、本発明の他の実施形態では、少なくとも第3通路が、加圧室側から反加圧室側へ向かうに従いストッパの軸から離れるように傾斜した中心軸を有するように形成されていればよい。第3通路を上述の形状で構成すれば、少なくとも第3通路においては、燃料の流れに剥離が発生することを防止可能となる。このため、たとえ第1通路がストッパの軸と平行に形成されている場合であっても、燃料通路全体としては調量行程で加圧室から排出される燃料の流れが円滑になり、吐出量がある程度安定する。但し、第1通路と第3通路との両方を、上述の複数の実施形態のうちいずれか一実施形態のように構成することにより、本発明の効果はより良好に奏される。
上述の複数の実施形態では、電磁駆動部のコイル部に通電していないとき弁部材は開弁しており、コイル部に通電したとき弁部材が閉弁する、所謂ノーマリーオープン(常開)型の弁構造を示した。これに対し、本発明の他の実施形態では、コイル部に通電したとき弁部材が開弁する、所謂ノーマリークローズ(常閉)型の弁構造としてもよい。
このように、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の実施形態に適用可能である。
本発明の第1実施形態による高圧ポンプの部分断面図。 本発明の第1実施形態による高圧ポンプの断面図。 本発明の第2実施形態による高圧ポンプの要部の断面図。 本発明の第3実施形態による高圧ポンプの要部の断面図。 本発明の第4実施形態による高圧ポンプの要部の断面図。 本発明の第5実施形態による高圧ポンプの要部の断面図。
符号の説明
10:高圧ポンプ、11:ハウジング本体(ハウジング)、12:カバー(ハウジング)、13:プランジャ、21:スプリング(第1付勢部材)、22:スプリング(第2付勢部材)、30:弁ボディ、31:底部、32:筒部、34:弁座、35:ガイド部、40:弁部材、41:軸部、42:傘部、50:ストッパ、60:ニードル、70:電磁駆動部、71:コイル(コイル部)、72:固定コア(コイル部)、73:可動コア(コイル部)、75:フランジ(コイル部)、78:スプール(コイル部)、79:筒部材(コイル部)、100:燃料通路、113:加圧室、121:第1通路、122:第2通路、123:第3通路、351:挿通孔

Claims (11)

  1. 往復移動可能なプランジャと、
    前記プランジャによって燃料が加圧される加圧室、および前記加圧室に燃料を導く燃料通路を有するハウジングと、
    前記燃料通路に設けられ、前記加圧室側壁面に弁座を形成し中央に挿通孔を有する底部、および前記加圧室方向へ延びる筒部からなる、有底筒状の弁ボディと、
    前記挿通孔に挿通される軸部、および前記軸部の前記加圧室側端部に接続する傘部を有し、前記傘部が前記弁座に着座または前記弁座から離座することにより前記燃料通路を流通する燃料の流れを断続する弁部材と、
    前記弁部材の前記加圧室側に前記弁ボディと同軸に設けられ、前記筒部の内周壁に接する外周壁を形成し、前記弁部材の開弁方向への移動を規制するストッパと、
    前記ストッパと前記弁部材との間に設けられ、前記弁部材を閉弁方向に付勢する第1付勢部材と、
    一方の端部が前記軸部の反加圧室側端部に当接可能であり、前記弁部材の開弁または閉弁時の移動方向と同一の方向へ移動可能に設けられるニードルと、
    前記ニードルを前記弁部材の開弁方向に付勢する第2付勢部材と、
    前記ニードルを前記弁部材の閉弁方向または開弁方向のいずれか一方に吸引可能なコイル部を有する電磁駆動部と、を備え、
    前記燃料通路は、前記弁ボディの前記弁座の反加圧室側において前記挿通孔の外周側に前記弁ボディの軸に対し周方向に複数形成される第1通路、前記弁部材が前記弁座から離座したとき前記弁部材と前記弁座との間に環状に形成される第2通路、および前記ストッパにおいて前記ストッパの軸に対し周方向に複数形成される第3通路を含み、
    記第3通路は、中心軸が前記ストッパの軸に対して傾斜し前記加圧室側から反加圧室側へ向かうに従い前記ストッパの軸から離れるように形成されていることを特徴とする高圧ポンプ。
  2. 前記第3通路は、大径通路、および前記大径通路よりも径が小さく前記大径通路の反加圧室側に接続して前記大径通路との間に段差を形成する小径通路からなることを特徴とする請求項1に記載の高圧ポンプ。
  3. 前記第3通路は、前記加圧室側から反加圧室側へ向かうに従い径が小さくなるテーパ状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の高圧ポンプ。
  4. 前記第1通路は、反加圧室側から前記加圧室側へ向かうに従い径が小さくなるテーパ状に形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の高圧ポンプ。
  5. 前記第1通路の中心軸と前記傘部の前記弁座側の壁面とのなす角をθとすると、
    前記傘部の前記弁座側の壁面は、45°≦θ≦135°となるように形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の高圧ポンプ。
  6. 前記傘部の前記弁座側の壁面は、θ=90°となるように形成されていることを特徴とする請求項5に記載の高圧ポンプ。
  7. 往復移動可能なプランジャと、
    前記プランジャによって燃料が加圧される加圧室、および前記加圧室に燃料を導く燃料通路を有するハウジングと、
    前記燃料通路に設けられ、前記加圧室側壁面に弁座を形成し中央に挿通孔を有する底部、および前記加圧室方向へ延びる筒部からなる、有底筒状の弁ボディと、
    前記挿通孔に挿通される軸部、および前記軸部の前記加圧室側端部に接続する傘部を有し、前記傘部が前記弁座に着座または前記弁座から離座することにより前記燃料通路を流通する燃料の流れを断続する弁部材と、
    前記弁部材の前記加圧室側に前記弁ボディと同軸に設けられ、前記筒部の内周壁に接する外周壁を形成し、前記弁部材の開弁方向への移動を規制するストッパと、
    前記ストッパと前記弁部材との間に設けられ、前記弁部材を閉弁方向に付勢する第1付勢部材と、
    一方の端部が前記軸部の反加圧室側端部に当接可能であり、前記弁部材の開弁または閉弁時の移動方向と同一の方向へ移動可能に設けられるニードルと、
    前記ニードルを前記弁部材の開弁方向に付勢する第2付勢部材と、
    前記ニードルを前記弁部材の閉弁方向または開弁方向のいずれか一方に吸引可能なコイル部を有する電磁駆動部と、を備え、
    前記燃料通路は、前記弁ボディの前記弁座の反加圧室側において前記挿通孔の外周側に前記弁ボディの軸に対し周方向に複数形成される第1通路、前記弁部材が前記弁座から離座したとき前記弁部材と前記弁座との間に環状に形成される第2通路、および前記ストッパにおいて前記ストッパの軸に対し周方向に複数形成される第3通路を含み、
    前記第1通路および前記第3通路の少なくとも一方は、中心軸が前記ストッパの軸に対して傾斜し前記加圧室側から反加圧室側へ向かうに従い前記ストッパの軸から離れるように形成されており、
    前記第3通路は、大径通路、および前記大径通路よりも径が小さく前記大径通路の反加圧室側に接続して前記大径通路との間に段差を形成する小径通路からなることを特徴とする高圧ポンプ。
  8. 往復移動可能なプランジャと、
    前記プランジャによって燃料が加圧される加圧室、および前記加圧室に燃料を導く燃料通路を有するハウジングと、
    前記燃料通路に設けられ、前記加圧室側壁面に弁座を形成し中央に挿通孔を有する底部、および前記加圧室方向へ延びる筒部からなる、有底筒状の弁ボディと、
    前記挿通孔に挿通される軸部、および前記軸部の前記加圧室側端部に接続する傘部を有し、前記傘部が前記弁座に着座または前記弁座から離座することにより前記燃料通路を流通する燃料の流れを断続する弁部材と、
    前記弁部材の前記加圧室側に前記弁ボディと同軸に設けられ、前記筒部の内周壁に接する外周壁を形成し、前記弁部材の開弁方向への移動を規制するストッパと、
    前記ストッパと前記弁部材との間に設けられ、前記弁部材を閉弁方向に付勢する第1付勢部材と、
    一方の端部が前記軸部の反加圧室側端部に当接可能であり、前記弁部材の開弁または閉弁時の移動方向と同一の方向へ移動可能に設けられるニードルと、
    前記ニードルを前記弁部材の開弁方向に付勢する第2付勢部材と、
    前記ニードルを前記弁部材の閉弁方向または開弁方向のいずれか一方に吸引可能なコイル部を有する電磁駆動部と、を備え、
    前記燃料通路は、前記弁ボディの前記弁座の反加圧室側において前記挿通孔の外周側に前記弁ボディの軸に対し周方向に複数形成される第1通路、前記弁部材が前記弁座から離座したとき前記弁部材と前記弁座との間に環状に形成される第2通路、および前記ストッパにおいて前記ストッパの軸に対し周方向に複数形成される第3通路を含み、
    前記第1通路および前記第3通路の少なくとも一方は、中心軸が前記ストッパの軸に対して傾斜し前記加圧室側から反加圧室側へ向かうに従い前記ストッパの軸から離れるように形成されており、
    前記第3通路は、前記加圧室側から反加圧室側へ向かうに従い径が小さくなるテーパ状に形成されていることを特徴とする高圧ポンプ。
  9. 往復移動可能なプランジャと、
    前記プランジャによって燃料が加圧される加圧室、および前記加圧室に燃料を導く燃料通路を有するハウジングと、
    前記燃料通路に設けられ、前記加圧室側壁面に弁座を形成し中央に挿通孔を有する底部、および前記加圧室方向へ延びる筒部からなる、有底筒状の弁ボディと、
    前記挿通孔に挿通される軸部、および前記軸部の前記加圧室側端部に接続する傘部を有し、前記傘部が前記弁座に着座または前記弁座から離座することにより前記燃料通路を流通する燃料の流れを断続する弁部材と、
    前記弁部材の前記加圧室側に前記弁ボディと同軸に設けられ、前記筒部の内周壁に接する外周壁を形成し、前記弁部材の開弁方向への移動を規制するストッパと、
    前記ストッパと前記弁部材との間に設けられ、前記弁部材を閉弁方向に付勢する第1付勢部材と、
    一方の端部が前記軸部の反加圧室側端部に当接可能であり、前記弁部材の開弁または閉弁時の移動方向と同一の方向へ移動可能に設けられるニードルと、
    前記ニードルを前記弁部材の開弁方向に付勢する第2付勢部材と、
    前記ニードルを前記弁部材の閉弁方向または開弁方向のいずれか一方に吸引可能なコイル部を有する電磁駆動部と、を備え、
    前記燃料通路は、前記弁ボディの前記弁座の反加圧室側において前記挿通孔の外周側に前記弁ボディの軸に対し周方向に複数形成される第1通路、前記弁部材が前記弁座から離座したとき前記弁部材と前記弁座との間に環状に形成される第2通路、および前記ストッパにおいて前記ストッパの軸に対し周方向に複数形成される第3通路を含み、
    前記第1通路および前記第3通路の少なくとも一方は、中心軸が前記ストッパの軸に対して傾斜し前記加圧室側から反加圧室側へ向かうに従い前記ストッパの軸から離れるように形成されており、
    前記第1通路は、反加圧室側から前記加圧室側へ向かうに従い径が小さくなるテーパ状に形成されていることを特徴とする高圧ポンプ。
  10. 往復移動可能なプランジャと、
    前記プランジャによって燃料が加圧される加圧室、および前記加圧室に燃料を導く燃料通路を有するハウジングと、
    前記燃料通路に設けられ、前記加圧室側壁面に弁座を形成し中央に挿通孔を有する底部、および前記加圧室方向へ延びる筒部からなる、有底筒状の弁ボディと、
    前記挿通孔に挿通される軸部、および前記軸部の前記加圧室側端部に接続する傘部を有し、前記傘部が前記弁座に着座または前記弁座から離座することにより前記燃料通路を流通する燃料の流れを断続する弁部材と、
    前記弁部材の前記加圧室側に前記弁ボディと同軸に設けられ、前記筒部の内周壁に接する外周壁を形成し、前記弁部材の開弁方向への移動を規制するストッパと、
    前記ストッパと前記弁部材との間に設けられ、前記弁部材を閉弁方向に付勢する第1付勢部材と、
    一方の端部が前記軸部の反加圧室側端部に当接可能であり、前記弁部材の開弁または閉弁時の移動方向と同一の方向へ移動可能に設けられるニードルと、
    前記ニードルを前記弁部材の開弁方向に付勢する第2付勢部材と、
    前記ニードルを前記弁部材の閉弁方向または開弁方向のいずれか一方に吸引可能なコイル部を有する電磁駆動部と、を備え、
    前記燃料通路は、前記弁ボディの前記弁座の反加圧室側において前記挿通孔の外周側に前記弁ボディの軸に対し周方向に複数形成される第1通路、前記弁部材が前記弁座から離座したとき前記弁部材と前記弁座との間に環状に形成される第2通路、および前記ストッパにおいて前記ストッパの軸に対し周方向に複数形成される第3通路を含み、
    前記第1通路および前記第3通路の少なくとも一方は、中心軸が前記ストッパの軸に対して傾斜し前記加圧室側から反加圧室側へ向かうに従い前記ストッパの軸から離れるように形成されており、
    前記第1通路の中心軸と前記傘部の前記弁座側の壁面とのなす角をθとすると、
    前記傘部の前記弁座側の壁面は、45°≦θ≦135°となるように形成されていることを特徴とする高圧ポンプ。
  11. 前記傘部の前記弁座側の壁面は、θ=90°となるように形成されていることを特徴とする請求項10に記載の高圧ポンプ。
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