JP5575841B2 - Otc−fx業務用のレート生成システムおよびレート生成方法、並びにプログラム - Google Patents

Otc−fx業務用のレート生成システムおよびレート生成方法、並びにプログラム Download PDF

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Description

本発明は、投資家と相対でFX取引を行うFX業者が投資家に提示する投資家提示レートを生成する処理を実行するコンピュータにより構成されたOTC−FX業務用のレート生成システムおよびレート生成方法、並びにプログラムに係り、特に、スプレッド付加レートを上下にずらすスキュー処理を行う場合に利用できる。
一般に、FX業者(FXとは、外国為替証拠金取引をいう。)が営むOTC−FX業務(OTC:Over The Counterとは、市場を介さない相対の取引をいう。)では、投資家より受注した注文は、FX業者が相対取引で応じ、自己玉を保有することで投資家に建玉を持たせる。そして、自己玉を保有したFX業者は、カバー先であるマーケットメーカ(例えば銀行や証券会社等の金融機関)に、自己玉のカバー注文(投資家との相対取引でFX業者に発生したポジションと反対の売買取引であるカバー取引を行うための注文)を発注し、マーケットリスク(相場変動に伴う保有リスク)を相殺している。
上記のように、FX業者は、マーケットメーカとのカバー取引によりリスク回避を行うので、FX業者が投資家に提示する投資家提示レートは、カバー先である複数のマーケットメーカから取得したマーケットメーカ提示レート(各マーケットメーカがFX業者に提示するレート)を用いて生成される。
通常の手順は、次のようになる。先ず、各マーケットメーカからのマーケットメーカ提示レートを取得する。次に、取得した複数のマーケットメーカ提示レートの中からFX業者にとって最も有利なレートを抽出し、コアレートを生成する。さらに、コアレートに、FX業者の利益であるスプレッドを付加する。そして、スプレッド付加レートに対し、任意の大きさのスキュー値を増減(スキュー値に符号を持たせれば、加算ということになる。)するスキュー処理を行い、投資家提示レートを生成する。例えば、米ドル/円(USD/JPY)のスプレッド付加レートが、1米ドル当たり79.00円(ask)〜79.05円(bit)のときに、スキュー値=−3pips(1pipsは1銭であるから、−0.03円)を加算し、78.97円〜79.02円にする。
このようなスキューは、一般的には、次のような2つの理由で行われる。第1に、FX業者は、マーケットリスクを回避するために、マーケットメーカとの間でカバー取引を行うが、カバー注文を多く出せば、それだけ手数料が上がり、コスト負担が大きくなるので、なるべくカバー注文を出さないようにしたいという理由による。第2に、FX業者は、なるべく自分に有利なレートを投資家に提示し、利益を上げたいという理由による。
なお、FXのレート生成を行うシステムとしては、為替証拠金取引について取引所に登録された取引業者を通じ、為替取引レートの値付けをするマーケットメーカからのビッド/オファー情報に基づく取引所為替証拠金取引を注文者に提供する取引所サーバにおいて、マーケットメーカから提供されるビッド/オファー情報を受信し、注文者に提供するための為替取引レートを生成する取引所為替証拠金取引システムが知られている(特許文献1参照)。
特開2010−49416号公報
前述したように、マーケットメーカ提示レートから投資家提示レートを生成する際には、最後の手順としてスキューが行われるが、従来は、FX業者のディーラが、投資家の注文状況やFX業者の自己玉の状況を確認し、手動でスキューを行っており、ディーラの勘や経験に頼る部分が多かった。
しかし、本来、ディーラは、カバーディーリングに業務の重きを置き、収益を上げる立場にあるべきだが、スキュー業務に追われた場合には、収益機会を逃してしまうおそれがある。
一方、スキューを行わなかった場合には、投資家建玉同士の相殺ができなかったり、自己玉のディーリングで損益が出てしまうことがあるため、スキューは行うべきである。
本発明の目的は、ディーラの業務負担を軽減し、収益機会を逃さないようにすることができるOTC−FX業務用のレート生成システムおよびレート生成方法、並びにプログラムを提供するところにある。
本発明は、投資家と相対でFX取引を行うFX業者が投資家に提示する投資家提示レートを生成する処理を実行するコンピュータにより構成されたOTC−FX業務用のレート生成システムであって、投資家の注文データおよび投資家提示レートを用いて約定処理を行って作成されて店内板記憶手段に記憶された未約定注文の状況を示す店内板の情報、約定処理を行って作成されて自己玉記憶手段に記憶されたFX業者の自己玉の情報、投資家の注文データを用いて作成されて成行状況記憶手段に記憶された成行状況を示す情報のうちの少なくとも1つの情報を用いて、それぞれ異なる判定アルゴリズムまたは異なる判定条件に従って異なる処理で、レートを上下にずらすためのスキュー値として複数の候補スキュー値を算出する処理を実行するスキュー値算出処理手段と、このスキュー値算出処理手段により算出した複数の候補スキュー値の中から、採用するスキュー値を選択決定する処理を実行するスキュー値決定処理手段と、このスキュー値決定処理手段により決定したスキュー値を、FX業者のカバー取引先のマーケットメーカシステムから通信回線を介して取得したマーケットメーカ提示レートにより生成されたコアレートに予め定められたスプレッドを付加して生成されたスプレッド付加レートに加算することにより、投資家提示レートを生成する処理を実行するスキュー実行処理手段とを備え、スキュー値決定処理手段は、複数の候補スキュー値のうち、ゼロ以外の候補スキュー値が1つの場合には、当該候補スキュー値をスキュー値として採用し、複数の候補スキュー値のうち、ゼロ以外の候補スキュー値が2以上の場合には、最低の候補スキュー値と最高の候補スキュー値との乖離が、予め定められた規定値以内または未満であるという乖離条件を満たすか否かを判断し、この乖離条件を満たす場合には、予め定められた優先順位テーブルに従って優先順位の高い判定アルゴリズムまたは判定条件で算出された候補スキュー値を選択採用し、乖離条件を満たさない場合には、いずれの候補スキュー値も採用せずに、スキュー値をゼロとする処理を実行する構成とされていることを特徴とするものである。
このような本発明のOTC−FX業務用のレート生成システムにおいては、スキュー処理が自動的に行われるので、従来のようにディーラが手動でスキュー業務を行う必要がなくなる。このため、ディーラの業務負担が軽減され、他の業務を行うことが可能となり、収益機会が増大する。
また、昨今のFXシステムは、データ更新のスピードが上がっており、手動によるスキュー業務を行っても、的確なタイミングで行えない可能性があるが、自動化してシステムで行うことにより、タイミングを逃さないスキュー処理が可能となる。
さらに、従来より、ディーラは、投資家の注文状況(板上の指値注文・逆指値注文の状況)、自己玉の評価損益(自己ポジション)、直近の時間帯の成行注文の状況等を参照しながら、勘や経験に頼ってスキュー業務を行っている。この際、個々のディーラ毎に、経験等により得た何らかの判断基準のようなものがあり、それに従って、スキュー業務を行っていると思われるが、このような判断基準は、個々に異なるものであり、かつ、時間とともに変化するものでもある。しかし、個々のディーラの経験の差異、さらにはその日の体調等により、スキュー業務の内容が変わってくるのは、FX業者の損益に大きな影響を与えることとなり、不都合なことである。また、たとえ、そのように個々のディーラが各人の何らかの判断基準に従ってスキュー業務を行っていたとしても、一度に多くの状況の変化があれば、どれを優先するのか迷ったり、慌てて判断を誤る可能性もあり、適切なスキューを、的確なタイミングで行うことができないおそれがある。このため、本発明のように判断ロジックを自動化することにより、FX注文に関する情報が錯綜し、状況が複雑化しても、適切なスキューを、的確なタイミングで行うことが可能となり、これらにより前記目的が達成される。
なお、本発明は、従来、ディーラが手動で行っていた業務を、単にシステムで行うようにして自動化を図っただけのものではない。上述したように、判断基準は、確立されたものではなく、個々のディーラ毎に異なるものであり、さらには、FX取引の状況変化は、多様でスピードが速いので、一度に多くの状況の変化があったときには、ディーラが、全ての情報を瞬時に把握し、適切なスキューを、的確なタイミングで行うことは、ほぼ不可能に近く、本発明は、このような問題を解消するものだからである。
また、前述したOTC−FX業務用のレート生成システムにおいて、スキュー値算出処理手段は、投資家の注文同士を相殺するための第1の候補スキュー値を算出する処理を実行する第1の候補スキュー値算出処理手段と、自己玉と投資家の注文とを相殺するための第2の候補スキュー値を算出する処理を実行する第2の候補スキュー値算出処理手段と、投資家の未約定の指値注文について売り注文または買い注文のうちいずれの注文が多いかの指値注文動向に応じ、売り注文が多い場合には、レートを下げるための負の符号を有する第3の候補スキュー値を算出し、買い注文が多い場合には、レートを上げるための正の符号を有する第3の候補スキュー値を算出する処理を実行する第3の候補スキュー値算出処理手段と、投資家の直近の集計時間内の成行注文について売り注文または買い注文のうちいずれの注文が多いかの成行注文動向に応じ、売り注文が多い場合には、レートを下げるための負の符号を有する第4の候補スキュー値を算出し、買い注文が多い場合には、レートを上げるための正の符号を有する第4の候補スキュー値を算出する処理を実行する第4の候補スキュー値算出処理手段とのうち、2以上の候補スキュー値算出処理手段を含んで構成されていることが望ましい。
このように第1〜第4の候補スキュー値算出処理手段のうち、2以上の候補スキュー値算出処理手段を含む構成とした場合には、(1)投資家の注文同士を相殺することが可能な状況、(2)自己玉と投資家の注文とを相殺することが可能な状況、(3)投資家の未約定の指値注文が売り注文または買い注文のうちいずれかの注文に偏っている状況、(4)投資家の直近の集計時間内の成行注文が売り注文または買い注文のうちいずれかの注文に偏っている状況のうち、2以上の状況が生じた場合に対応することが可能となり、さらには、それらの状況が同時に生じた場合にも対応することが可能となり、適切なスキューを、的確なタイミングで行うことができる確率が高まる。
さらに、前述したように第1〜第4の候補スキュー値算出処理手段のうち、2以上の候補スキュー値算出処理手段を含む構成とした場合において、スキュー値算出処理手段は、第1の候補スキュー値算出処理手段を含んで構成され、第1の候補スキュー値算出処理手段は、店内板記憶手段に記憶された店内板の情報を用いて、スプレッド付加レートのaskレートよりも上側のレートからbitレートよりも下側のレートまでの予め定められた相殺注文監視範囲で、各レートについて投資家の指値による売り注文と逆指値による買い注文とを比較して相殺することができる相殺可能注文数または投資家の指値による買い注文と逆指値による売り注文とを比較して相殺することができる相殺可能注文数を算出し、相殺可能注文数とスキュー値との対応関係を予め定めた相殺可能注文数・スキュー値テーブルを用いて、算出した相殺可能注文数に対応する第1の候補スキュー値を求める処理を実行する構成とすることができる。
このように第1の候補スキュー値算出処理手段を含む構成とした場合には、投資家の注文同士の相殺を促進するレート操作を実現することができ、カバー注文の発注回数を削減することが可能となる。
そして、上記のように第1の候補スキュー値算出処理手段を含む構成とした場合において、第1の候補スキュー値算出処理手段は、相殺注文監視範囲で、投資家の指値による売り注文と逆指値による買い注文とを相殺可能なレートまたは投資家の指値による買い注文と逆指値による売り注文とを相殺可能なレートがあっても、相殺不可注文数と相殺可能注文数との比の値が、予め定められた閾値以上または超過の場合には、当該レートの存在によるスキューは行わない構成とされていることが望ましい。
このように相殺不可注文数と相殺可能注文数との比の値を考慮する構成とした場合には、相殺できたとしても、相殺不可注文数と相殺可能注文数との比の値が大きいときは、相殺した後に残るいずれか一方の側の注文が多いため、結局、偏った状況を回避することができないので、そのような相殺を目指すスキューを行わないようにすることが可能となる。
また、前述したように第1の候補スキュー値算出処理手段を含む構成とした場合において、第1の候補スキュー値算出処理手段は、相殺可能なレートが2以上存在する場合には、スプレッド付加レートのaskレートまたはbitレートに近いレートの相殺可能注文数に対応するスキュー値を優先的に用いて第1の候補スキュー値を求めるとともに、askレートよりも上側のレートとbitレートよりも下側のレートとで相殺可能であり、かつ、これらのレートからaskレートまたはbitレートまでの距離が同じで、さらにこれらのレートの相殺可能注文数に対応するスキュー値も同じ場合には、スキューは行わない構成とされていることが望ましい。
このように相殺可能なレートが2以上存在するときの判定アルゴリズムを定めた場合には、投資家の注文同士の相殺を促進するレート操作を、より実効あるものとすることが可能となる。
さらに、前述したように第1〜第4の候補スキュー値算出処理手段のうち、2以上の候補スキュー値算出処理手段を含む構成とした場合において、スキュー値算出処理手段は、第2の候補スキュー値算出処理手段を含んで構成され、第2の候補スキュー値算出処理手段は、自己玉記憶手段に記憶されたFX業者の自己玉の情報のうち、投資家の売り注文に対して買い向かって形成された売りの自己玉と、投資家の買い注文に対して売り向かって形成された買いの自己玉との差分を算出し、売りの自己玉から買いの自己玉を差し引いた差分とレートを下げるためのスキュー値との対応関係および買いの自己玉から売りの自己玉を差し引いた差分とレートを上げるためのスキュー値との対応関係を予め定めた自己玉・スキュー値テーブルを用いて、売りの自己玉が多い場合には、売りの自己玉から買いの自己玉を差し引いた差分に対応する負の符号を有する第2の候補スキュー値を求め、買いの自己玉が多い場合には、買いの自己玉から売りの自己玉を差し引いた差分に対応する正の符号を有する第2の候補スキュー値を求める処理を実行する構成とすることができる。
このように第2の候補スキュー値算出処理手段を含む構成とした場合には、投資家に約定を付けたことにより発生した自己玉と投資家の注文との相殺を促進するレート操作を実現することができ、カバー注文の発注回数を削減することが可能となる。
そして、前述したように第1〜第4の候補スキュー値算出処理手段のうち、2以上の候補スキュー値算出処理手段を含む構成とした場合において、スキュー値算出処理手段は、第3の候補スキュー値算出処理手段を含んで構成され、第3の候補スキュー値算出処理手段は、店内板記憶手段に記憶された未約定注文の状況を示す店内板の情報のうち、スプレッド付加レートのaskレートよりも上側の売り指値となっている投資家の注文数量の合計と、スプレッド付加レートのbitレートよりも下側の買い指値となっている投資家の注文数量の合計との差分を算出し、売り指値の注文数量の合計から買い指値の注文数量の合計を差し引いた差分とレートを下げるためのスキュー値との対応関係および買い指値の注文数量の合計から売り指値の注文数量の合計を差し引いた差分とレートを上げるためのスキュー値との対応関係を予め定めた指値乖離数量・スキュー値テーブルを用いて、売り指値の注文数量の合計が多い場合には、売り指値の注文数量の合計から買い指値の注文数量の合計を差し引いた差分に対応する負の符号を有する第3の候補スキュー値を求め、買い指値の注文数量の合計が多い場合には、買い指値の注文数量の合計から売り指値の注文数量の合計を差し引いた差分に対応する正の符号を有する第3の候補スキュー値を求める処理を実行する構成とすることができる。
このように第3の候補スキュー値算出処理手段を含む構成とした場合には、投資家の指値注文の需要を確認したうえでレート操作を行うことが可能となり、投資家の注文に対し、FX業者にとって有利なレートを提示し、ディーリングで利益を上げることが可能となる。
また、前述したように第1〜第4の候補スキュー値算出処理手段のうち、2以上の候補スキュー値算出処理手段を含む構成とした場合において、スキュー値算出処理手段は、第4の候補スキュー値算出処理手段を含んで構成され、第4の候補スキュー値算出処理手段は、成行状況記憶手段に記憶された成行状況を示す情報のうち、直近の予め定められた集計時間内の売りの成行の投資家の注文数量の合計と、同時間内の買いの成行の投資家の注文数量の合計との差分を算出し、売りの成行の注文数量の合計から買いの成行の注文数量の合計を差し引いた差分とレートを下げるためのスキュー値との対応関係および買いの成行の注文数量の合計から売りの成行の注文数量の合計を差し引いた差分とレートを上げるためのスキュー値との対応関係を予め定めた成行傾き数量・スキュー値テーブルを用いて、売りの成行の注文数量の合計が多い場合には、売りの成行の注文数量の合計から買いの成行の注文数量の合計を差し引いた差分に対応する負の符号を有する第4の候補スキュー値を求め、買いの成行の注文数量の合計が多い場合には、買いの成行の注文数量の合計から売りの成行の注文数量の合計を差し引いた差分に対応する正の符号を有する第4の候補スキュー値を求める処理を実行する構成とすることができる。
このように第4の候補スキュー値算出処理手段を含む構成とした場合には、投資家の成行注文の需要を確認したうえでレート操作を行うことが可能となり、投資家の注文に対し、FX業者にとって有利なレートを提示し、ディーリングで利益を上げることが可能となる。
また、前述したOTC−FX業務用のレート生成システムにおいて、スキュー値算出処理手段は、第1〜第4の候補スキュー値算出処理手段の全てを含んで構成され、第1の候補スキュー値算出処理手段は、店内板記憶手段に記憶された店内板の情報を用いて、スプレッド付加レートのaskレートよりも上側のレートからbitレートよりも下側のレートまでの予め定められた相殺注文監視範囲で、各レートについて投資家の指値による売り注文と逆指値による買い注文とを比較して相殺することができる相殺可能注文数または投資家の指値による買い注文と逆指値による売り注文とを比較して相殺することができる相殺可能注文数を算出し、相殺可能注文数とスキュー値との対応関係を予め定めた相殺可能注文数・スキュー値テーブルを用いて、算出した相殺可能注文数に対応する第1の候補スキュー値を求める処理を実行する構成とされ、第2の候補スキュー値算出処理手段は、自己玉記憶手段に記憶されたFX業者の自己玉の情報のうち、投資家の売り注文に対して買い向かって形成された売りの自己玉と、投資家の買い注文に対して売り向かって形成された買いの自己玉との差分を算出し、売りの自己玉から買いの自己玉を差し引いた差分とレートを下げるためのスキュー値との対応関係および買いの自己玉から売りの自己玉を差し引いた差分とレートを上げるためのスキュー値との対応関係を予め定めた自己玉・スキュー値テーブルを用いて、売りの自己玉が多い場合には、売りの自己玉から買いの自己玉を差し引いた差分に対応する負の符号を有する第2の候補スキュー値を求め、買いの自己玉が多い場合には、買いの自己玉から売りの自己玉を差し引いた差分に対応する正の符号を有する第2の候補スキュー値を求める処理を実行する構成とされ、第3の候補スキュー値算出処理手段は、店内板記憶手段に記憶された未約定注文の状況を示す店内板の情報のうち、スプレッド付加レートのaskレートよりも上側の売り指値となっている投資家の注文数量の合計と、スプレッド付加レートのbitレートよりも下側の買い指値となっている投資家の注文数量の合計との差分を算出し、売り指値の注文数量の合計から買い指値の注文数量の合計を差し引いた差分とレートを下げるためのスキュー値との対応関係および買い指値の注文数量の合計から売り指値の注文数量の合計を差し引いた差分とレートを上げるためのスキュー値との対応関係を予め定めた指値乖離数量・スキュー値テーブルを用いて、売り指値の注文数量の合計が多い場合には、売り指値の注文数量の合計から買い指値の注文数量の合計を差し引いた差分に対応する負の符号を有する第3の候補スキュー値を求め、買い指値の注文数量の合計が多い場合には、買い指値の注文数量の合計から売り指値の注文数量の合計を差し引いた差分に対応する正の符号を有する第3の候補スキュー値を求める処理を実行する構成とされ、第4の候補スキュー値算出処理手段は、成行状況記憶手段に記憶された成行状況を示す情報のうち、直近の予め定められた集計時間内の売りの成行の投資家の注文数量の合計と、同時間内の買いの成行の投資家の注文数量の合計との差分を算出し、売りの成行の注文数量の合計から買いの成行の注文数量の合計を差し引いた差分とレートを下げるためのスキュー値との対応関係および買いの成行の注文数量の合計から売りの成行の注文数量の合計を差し引いた差分とレートを上げるためのスキュー値との対応関係を予め定めた成行傾き数量・スキュー値テーブルを用いて、売りの成行の注文数量の合計が多い場合には、売りの成行の注文数量の合計から買いの成行の注文数量の合計を差し引いた差分に対応する負の符号を有する第4の候補スキュー値を求め、買いの成行の注文数量の合計が多い場合には、買いの成行の注文数量の合計から売りの成行の注文数量の合計を差し引いた差分に対応する正の符号を有する第4の候補スキュー値を求める処理を実行する構成とすることが望ましい。
このように第1〜第4の候補スキュー値算出処理手段の全てを含む構成とした場合には、マーケットメーカに発注するカバー注文をできる限り減らすことを目的とするスキュー用として第1および第2の2種類の候補スキュー値算出処理手段を備え、投資家の注文に対し、FX業者にとって有利なレートを提示し、ディーリングで利益を上げることを目的とするスキュー用として第3および第4の2種類の候補スキュー値算出処理手段を備えているので、FX取引で生じる多くの状況に対応することが可能となり、さらには、それらの状況が同時に生じた場合にも対応することが可能となり、適切なスキューを、的確なタイミングで行うことができる確率が、より一層高まる。
さらに、上記のように第1〜第4の候補スキュー値算出処理手段の全てを含む構成とした場合において、第1の候補スキュー値の算出用の設定値として、スプレッド付加レートのaskレートから相殺注文監視範囲の上限のレートまでの上方差分値およびbitレートから相殺注文監視範囲の下限のレートまでの下方差分値、並びに相殺可能注文数・スキュー値テーブルを記憶し、第2の候補スキュー値の算出用の設定値として、自己玉・スキュー値テーブルを記憶し、第3の候補スキュー値の算出用の設定値として、指値乖離数量・スキュー値テーブルを記憶し、第4の候補スキュー値の算出用の設定値として、成行傾き数量・スキュー値テーブルおよび集計時間を記憶する設定値記憶手段と、FX業者端末装置から通信回線を介して送信されてくる各設定値の入力を受け付けて設定値記憶手段に記憶させる処理を実行する設定処理手段とを備えた構成とすることが望ましい。
このように設定値記憶手段および設定処理手段を備えた構成とした場合には、FX業者端末装置から設定値を自在に設定・変更することが可能となり、レート操作が、より一層適切で、かつ、柔軟なものとなる。
また、以上に述べた本発明のOTC−FX業務用のレート生成システムにより実現されるOTC−FX業務用のレート生成方法として、以下のような本発明のOTC−FX業務用のレート生成方法が挙げられる。
すなわち、本発明は、投資家と相対でFX取引を行うFX業者が投資家に提示する投資家提示レートを生成する処理を実行するコンピュータにより構成されたOTC−FX業務用のレート生成システムで実行されるOTC−FX業務用のレート生成方法であって、スキュー値算出処理手段が、投資家の注文データおよび投資家提示レートを用いて約定処理を行って作成されて店内板記憶手段に記憶された未約定注文の状況を示す店内板の情報、約定処理を行って作成されて自己玉記憶手段に記憶されたFX業者の自己玉の情報、投資家の注文データを用いて作成されて成行状況記憶手段に記憶された成行状況を示す情報のうちの少なくとも1つの情報を用いて、それぞれ異なる判定アルゴリズムまたは異なる判定条件に従って異なる処理で、レートを上下にずらすためのスキュー値として複数の候補スキュー値を算出する処理を実行し、スキュー値決定処理手段が、スキュー値算出処理手段により算出した複数の候補スキュー値の中から、採用するスキュー値を選択決定する処理として、複数の候補スキュー値のうち、ゼロ以外の候補スキュー値が1つの場合には、当該候補スキュー値をスキュー値として採用し、複数の候補スキュー値のうち、ゼロ以外の候補スキュー値が2以上の場合には、最低の候補スキュー値と最高の候補スキュー値との乖離が、予め定められた規定値以内または未満であるという乖離条件を満たすか否かを判断し、この乖離条件を満たす場合には、予め定められた優先順位テーブルに従って優先順位の高い判定アルゴリズムまたは判定条件で算出された候補スキュー値を選択採用し、乖離条件を満たさない場合には、いずれの候補スキュー値も採用せずに、スキュー値をゼロとする処理を実行し、スキュー実行処理手段が、スキュー値決定処理手段により決定したスキュー値を、FX業者のカバー取引先のマーケットメーカシステムから通信回線を介して取得したマーケットメーカ提示レートにより生成されたコアレートに予め定められたスプレッドを付加して生成されたスプレッド付加レートに加算することにより、投資家提示レートを生成する処理を実行することを特徴とするものである。
このような本発明のOTC−FX業務用のレート生成方法においては、前述した本発明のOTC−FX業務用のレート生成システムで得られる作用・効果がそのまま得られ、これにより前記目的が達成される。
さらに、本発明のプログラムは、前述したOTC−FX業務用のレート生成システムとして、コンピュータを機能させるためのものである。
なお、上記のプログラムまたはその一部は、例えば、光磁気ディスク(MO)、コンパクトディスク(CD)を利用した読出し専用メモリ(CD−ROM)、CDレコーダブル(CD−R)、CDリライタブル(CD−RW)、デジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)を利用した読出し専用メモリ(DVD−ROM)、DVDを利用したランダム・アクセス・メモリ(DVD−RAM)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ、ハードディスク、読出し専用メモリ(ROM)、電気的消去および書換可能な読出し専用メモリ(EEPROM)、フラッシュ・メモリ、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)等の記録媒体に記録して保存や流通等させることが可能であるとともに、例えば、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、メトロポリタン・エリア・ネットワーク(MAN)、ワイド・エリア・ネットワーク(WAN)、インターネット、イントラネット、エクストラネット等の有線ネットワーク、あるいは無線通信ネットワーク、さらにはこれらの組合せ等の伝送媒体を用いて伝送することが可能であり、また、搬送波に載せて搬送することも可能である。さらに、上記のプログラムは、他のプログラムの一部分であってもよく、あるいは別個のプログラムと共に記録媒体に記録されていてもよい。
以上に述べたように本発明によれば、スキュー処理を自動的に行うことができるので、ディーラの業務負担を軽減することができ、収益機会を増大させることができるうえ、データ更新のスピードが上がっている昨今のFXシステムにおいても、さらには、多くの状況の変化が同時に生じる場合であっても、適切なスキューを、的確なタイミングで行うことができるという効果がある。
本発明のOTC−FX業務用のレート生成システムを含むOTC−FXシステムの一実施形態の全体構成図。 前記実施形態の第1の候補スキュー値の算出処理の説明(その1)の図。 前記実施形態の第1の候補スキュー値の算出処理の説明(その2)の図。 前記実施形態の第1の候補スキュー値の算出処理の説明(その3)の図。 前記実施形態の第1の候補スキュー値の算出処理の説明(その4)の図。 前記実施形態の第1の候補スキュー値の算出処理の説明(その5)の図。 前記実施形態の第1の候補スキュー値の算出処理の説明(その6)の図。 前記実施形態の第1の候補スキュー値の算出処理の説明(その7)の図。 前記実施形態の第2の候補スキュー値の算出処理の説明図。 前記実施形態の第3の候補スキュー値の算出処理の説明図。 前記実施形態の第4の候補スキュー値の算出処理の説明図。 前記実施形態の注文データベースの構成図。 前記実施形態のスキュー処理の流れを示すフローチャートの図。
以下に本発明のOTC−FX業務用のレート生成システムを含むOTC−FXシステムの一実施形態について図面を参照して説明する。図1には、本実施形態のOTC−FXシステム10の全体構成が示されている。図2〜図8は、第1の候補スキュー値算出処理手段25Eによる処理の説明図であり、図9は、第2の候補スキュー値算出処理手段25Fによる処理の説明図であり、図10は、第3の候補スキュー値算出処理手段25Gによる処理の説明図であり、図11は、第4の候補スキュー値算出処理手段25Hによる処理の説明図である。さらに、図12には、注文データベース30の構成が示され、図13には、スキュー処理手段25Cによる処理の流れがフローチャートで示されている。
図1において、OTC−FXシステム10は、投資家(顧客)と相対でFX取引を行うFX業者が運用・管理するFX業者システム20と、このFX業者システム20と通信回線1で接続された投資家(顧客)の操作する投資家端末装置40と、FX業者システム20と通信回線2で接続されてFX業者とカバー取引を行う複数のマーケットメーカが運用・管理する複数のマーケットメーカシステム50とを備えて構成されている。また、FX業者システム20には、FX業者の担当者(ディーラやシステム担当者等)が操作するFX業者端末装置60が通信回線3を介して接続されている。
ここで、FX業者システム20と投資家端末装置40とを接続する通信回線1は、例えば、インターネット、イントラネット、社内LAN、公衆無線LAN、あるいはこれらの組合せ等により形成されるネットワークである。また、FX業者システム20とマーケットメーカシステム50とを接続する通信回線2は、専用線でもよく、ネットワークでもよい。さらに、FX業者システム20とFX業者端末装置60とを接続する通信回線3は、例えばイントラネットや社内LAN等の内部ネットワーク、あるいは直結の回線や内部回線に限らず、インターネット等の外部ネットワークが含まれていてもよい。
FX業者システム20は、1台または複数台のコンピュータにより構成され、注文受付処理手段21と、店内板処理手段22と、約定通知処理手段23と、マーケットメーカ提示レート取得処理手段24と、投資家提示レート生成処理手段25と、設定処理手段26と、カバー発注処理手段27と、注文データベース30と、レート記憶手段31と、店内板記憶手段32と、成行状況記憶手段33と、自己玉記憶手段34と、設定値記憶手段35とを含んで構成されている。
注文受付処理手段21は、投資家端末装置40から通信回線1を介して送信されてくる投資家(顧客)によるFXの売買取引の注文データ(顧客ID(投資家ID)、通貨ペア、売買区分、値段(注文レート)、指値・逆指値の別(売りの場合は以上・以下、買いの場合は以下・以上)、取引数量、建て・埋めの別等)を受信し、受信した注文データの注文に対し、注文IDを自動付与し、受信した注文データを、注文IDと関連付けて注文データベース30(図12参照)に記憶させる処理を実行するものである。
また、注文受付処理手段21は、投資家端末装置40からの投資家(顧客)によるレート表示要求に応じ、レート記憶手段31に記憶されている各通貨ペアの投資家提示レート(askレートおよびbitレート)の表示用データを、通信回線1を介して投資家端末装置40へ送信する処理も実行する。
店内板処理手段22は、注文データベース30(図12参照)に記憶された未約定の注文データと、レート記憶手段31に記憶された各通貨ペアの投資家提示レート(FX業者から投資家への提示レート)を構成するask(例えば、通貨ペアが米ドル/円の場合には、FX業者による米ドル売・円買の投資家への提示レート)およびbit(例えば、通貨ペアが米ドル/円の場合には、FX業者による円売・米ドル買の投資家への提示レート)とを用いて、図2〜図10に示すようなFX店内板の構成データ(以下、「店内板」という。)を通貨ペア毎に算出計算し、同一の通貨ペアについて、投資家(顧客)による未約定の買い(例えば米ドル買い)の注文データと、FX業者による売値(例えば米ドル売りのask)とを比較するとともに、投資家(顧客)による未約定の売り(例えば米ドル売り)の注文データと、FX業者による買値(例えば米ドル買いのbit)とを比較することにより、投資家(顧客)によるFX注文を約定させ、約定させたFX注文に関する情報(成行注文の約定分も含む。)を、約定データ(注文ID、顧客ID、通貨ペア、売買区分、値段(約定レート)、約定数量、建て・埋めの別等)として約定通知処理手段23に送り、さらに、約定させた注文データについて注文データベース30(図12参照)に記憶されているステータスを、「未約定」から「約定」に更新するとともに、更新後の店内板を店内板記憶手段32(図2〜図10参照)に記憶させる処理を実行するものである。
また、店内板処理手段22は、設定値記憶手段35(図11参照)に設定値として記憶されている直近の時間帯である集計時間35E(例えば、直近5秒間)を取得し、注文データベース30(図12参照)に記憶されている成行の注文データを用いて、注文受付時刻が直近の集計時間35E(例えば、直近5秒間)内となっている売りの注文数量(例えば、投資家による米ドル売の枚数)の合計および買いの注文数量(例えば、投資家による米ドル買の枚数)の合計を算出し、算出した合計数量を、成行状況記憶手段33(図11参照)に記憶させる処理を実行する。なお、本実施形態では、集計時間35Eは、設定値記憶手段35(図11参照)から取得しているが、プログラム内に記述しておいてもよい。また、集計間隔も任意であり、例えば、1秒間隔で、直近5秒間に受け付けた成行注文の売りと買いのそれぞれの合計数量を算出すること等ができる。
約定通知処理手段23は、店内板処理手段22から受け取った約定データを、通信回線1を介して投資家端末装置40へ送信するとともに、自己玉記憶手段34(図9参照)に記憶されている自己玉を更新する処理を実行するものである。
ここで、自己玉は、FX業者が保有するポジションであり、FX業者は投資家(顧客)との相対取引を行って投資家(顧客)とは逆の売買区分のポジションを保有することになるので、顧客による買い建て注文の約定に対しては、FX業者の売りポジションが増加し、顧客による売り建て注文の約定に対しては、FX業者の買いポジションが増加し、顧客による買い埋め注文の約定に対しては、FX業者の買いポジションが減少し、顧客による売り埋め注文の約定に対しては、FX業者の売りポジションが減少することになるが、本実施形態における自己玉の売買表記は、図9に示すように、投資家(顧客)の売買区分と同じものとする。つまり、図9に記載された「売」は、投資家(顧客)の売りを示すので、FX業者の買いポジションを意味し、図9に記載された「買」は、投資家(顧客)の買いを示すので、FX業者の売りポジションを意味する。
マーケットメーカ提示レート取得処理手段24は、複数のマーケットメーカ(図1の例では、マーケットメーカA,B,C,D)がそれぞれ提示するマーケットメーカ提示レート(売値および買値)を、それぞれのマーケットメーカシステム50(50A,50B,50C,50D)から通信回線2を介して取得する処理を実行するものである。
投資家提示レート生成処理手段25は、複数のマーケットメーカA,B,C,Dによる提示レートから投資家への提示レートを生成する処理を実行するものであり、コアレート生成処理手段25Aと、スプレッド付加レート生成処理手段25Bと、スキュー処理手段25Cとにより構成されている。
また、投資家提示レート生成処理手段25は、複数のマーケットメーカA,B,C,Dによる各マーケットメーカ提示レートを、マーケットメーカ識別情報と関連付けてレート記憶手段31に記憶させるとともに、生成したコアレート、スプレッド付加レート、および投資家提示レートも、レート記憶手段31に記憶させる処理を実行する。なお、レート記憶手段31には、最新のレートを記憶させるだけではなく、過去のレートも記憶させておく。
コアレート生成処理手段25Aは、マーケットメーカ提示レート取得処理手段24により取得した複数のマーケットメーカ提示レートから、FX業者にとって最も有利なレートを抽出することにより、コアレートを生成する処理を実行するものである。この際、各マーケットメーカからのマーケットメーカ提示レートは、いずれのマーケットメーカについても、間隔(例えば、0.05秒〜0.1秒等の短い時間間隔)を置いて繰り返し送信されてくるので(繰り返し送信されてくるレートには、それぞれレートIDが付されている。)、コアレート生成処理手段25Aは、いずれかのマーケットメーカから新たなマーケットメーカ提示レートが送信されてきた時点で、全てのマーケットメーカの全てのレートIDのマーケットメーカ提示レートを参照してコアレートを見直すとともに、各マーケットメーカからのマーケットメーカ提示レートには、有効期限(例えば、2秒間等)があるので、有効期限内のマーケットメーカ提示レートを用いてコアレートを生成する処理を行う。
例えば、通貨ペアを米ドル/円(USD/JPY)とした場合に、投資家提示レートのbit(投資家に提示するFX業者による米ドルの買値)を生成するためのレート側を<bit>と記載し、投資家提示レートのask(投資家に提示するFX業者による米ドルの売値)を生成するためのレート側を<ask>と記載するものとする。すなわち、<bit>では、投資家によるFX業者に対する米ドルの売値、投資家に提示するFX業者による米ドルの買値、FX業者によるマーケットメーカに対する米ドルの売値、FX業者に提示するマーケットメーカによる米ドルの買値を取り扱う。一方、<ask>では、投資家によるFX業者に対する米ドルの買値、投資家に提示するFX業者による米ドルの売値、FX業者によるマーケットメーカに対する米ドルの買値、FX業者に提示するマーケットメーカによる米ドルの売値を取り扱う。
そして、マーケットメーカAによるFX業者への提示レートについては、<bit>米ドルの買値(FX業者による米ドルの売値)が78.90円であり、<ask>米ドルの売値(FX業者による米ドルの買値)が78.93円であり、マーケットメーカBによるFX業者への提示レートについては、<bit>米ドルの買値(FX業者による米ドルの売値)が78.91円であり、<ask>米ドルの売値(FX業者による米ドルの買値)が78.94円であり、マーケットメーカCによるFX業者への提示レートについては、<bit>米ドルの買値(FX業者による米ドルの売値)が78.92円であり、<ask>米ドルの売値(FX業者による米ドルの買値)が78.95円であるとする。なお、マーケットメーカDからのレートの提示は、システムトラブル等により無いものとする。
この場合、<bit>では、FX業者にとって最も有利なレートは、FX業者が最も高く米ドルを売ることができるレート、すなわち最も高く米ドルを買ってくれるマーケットメーカの提示レートであるから、マーケットメーカCの提示レート=78.92円である。一方、<ask>では、FX業者にとって最も有利なレートは、FX業者が最も安く米ドルを買うことができるレート、すなわち最も安く米ドルを売ってくれるマーケットメーカの提示レートであるから、マーケットメーカAの提示レート=78.93円である。従って、コアレートは、<bit>78.92円、<ask>78.93円となる。
スプレッド付加レート生成処理手段25Bは、コアレート生成処理手段25Aにより生成したコアレートに、FX業者の利益分となるスプレッドを付加することにより、スプレッド付加レートを生成する処理を実行するものである。この際、スプレッドは、設定値として設定値記憶手段35に記憶させておいてもよく、あるいはプログラム内に記述しておいてもよい。
例えば、上下1銭のスプレッドを付加するものとすると、上記の例については、<bit>では、コアレート=78.92円に対し、下方に1銭のスプレッドを付加することにより(つまり、コアレート=78.92円から1銭を減じることにより)、スプレッド付加レート=78.91円となる。よって、FX業者が、投資家(顧客)のFX注文について、1対1でマーケットメーカに対してカバー注文を発注するものと仮定し、かつ、投資家が1米ドル単位でFX注文可能と仮定すると、投資家が、1米ドルを78.91円で売り、FX業者が、その1米ドルを78.91円で買い、その後、FX業者が、マーケットメーカCに対し、その1米ドルを78.92円で売り、マーケットメーカCが、その1米ドルを78.92円で買うという計算が成立し、FX業者に1銭の利益が残ることになる。
一方、<ask>では、コアレート=78.93円に対し、上方に1銭のスプレッドを付加することにより(つまり、コアレート=78.93円に1銭を加えることにより)、スプレッド付加レート=78.94円となる。よって、FX業者が、投資家(顧客)のFX注文について、1対1でマーケットメーカに対してカバー注文を発注するものと仮定し、かつ、投資家が1米ドル単位でFX注文可能と仮定すると、投資家が、1米ドルを78.94円で買い、FX業者が、その1米ドルを78.94円で売り、その後、FX業者が、マーケットメーカAから、1米ドルを78.93円で買い、マーケットメーカAが、その1米ドルを78.93円で売るという計算が成立し、FX業者に1銭の利益が残ることになる。
スキュー処理手段25Cは、スプレッド付加レート生成処理手段25Bにより生成したスプレッド付加レートを、bitとaskとの値幅を保ちながら、上下にずらすこと(スキュー)により、投資家提示レートを生成する処理を実行するものであり、それぞれ異なる判定アルゴリズムまたは異なる判定条件に従って異なる処理で複数(本実施形態では、一例として、第1〜第4の4種類)の候補スキュー値を算出する処理を実行するスキュー値算出処理手段25Dと、このスキュー値算出処理手段25Dにより算出した複数(4種類)の候補スキュー値の中から、採用するスキュー値を選択決定する処理を実行するスキュー値決定処理手段25Jと、このスキュー値決定処理手段25Jにより決定したスキュー値を、スプレッド付加レートに加算することにより投資家提示レートを生成する処理を実行するスキュー実行処理手段25Kとを備えて構成されている。
このスキュー処理手段25Cは、スキューの量や方向を自動的に算出決定するが、スキュー値がゼロとなり、スキューを行わない場合(レートを動かさないステイの場合)は、スプレッド付加レートが、そのまま投資家提示レートとなる。
より具体的には、スキュー値算出処理手段25Dは、投資家の注文同士を相殺するための第1の候補スキュー値を算出する処理を実行する第1の候補スキュー値算出処理手段25Eと、自己玉と投資家の注文とを相殺するための第2の候補スキュー値を算出する処理を実行する第2の候補スキュー値算出処理手段25Fと、投資家の未約定の指値注文について売り注文または買い注文のうちいずれの注文が多いかの指値注文動向に応じ、売り注文が多い場合には、レートを下げるための負の符号を有する第3の候補スキュー値を算出し、買い注文が多い場合には、レートを上げるための正の符号を有する第3の候補スキュー値を算出する処理を実行する第3の候補スキュー値算出処理手段25Gと、投資家の直近の集計時間35E(図11参照)内の成行注文について売り注文または買い注文のうちいずれの注文が多いかの成行注文動向に応じ、売り注文が多い場合には、レートを下げるための負の符号を有する第4の候補スキュー値を算出し、買い注文が多い場合には、レートを上げるための正の符号を有する第4の候補スキュー値を算出する処理を実行する第4の候補スキュー値算出処理手段25Hとを備えて構成されている。
第1の候補スキュー値算出処理手段25Eは、設定値記憶手段35(図2参照)から相殺注文監視範囲35Aおよび相殺可能注文数・スキュー値テーブル35Bを取得し、店内板記憶手段32(図2〜図8参照)に記憶された店内板の情報を用いて、スプレッド付加レートのaskレートよりも上側のレートからbitレートよりも下側のレートまでの予め定められた相殺注文監視範囲35A(図2参照)で、各レートについて投資家の指値による売り注文と逆指値による買い注文とを比較して相殺することができる相殺可能注文数または投資家の指値による買い注文と逆指値による売り注文とを比較して相殺することができる相殺可能注文数を算出し、相殺可能注文数とスキュー値との対応関係を予め定めた相殺可能注文数・スキュー値テーブル35B(図2参照)を用いて、算出した相殺可能注文数に対応する第1の候補スキュー値を求める処理を実行するものである。
なお、本実施形態では、相殺注文監視範囲35Aや相殺可能注文数・スキュー値テーブル35Bは、設定値記憶手段35(図2参照)に記憶されているが、プログラム内に記述しておいてもよい。
例えば、図2に示すように、askレートが78.94円であり、bitレートが78.91円であるときに、相殺注文監視範囲35Aが、askレートから2銭上、bitレートから2銭下と設定されていれば、相殺注文監視範囲35Aの<ask>側は、78.96円となり、<bit>側は、78.89円となる。そして、1米ドル当たり78.96円のレートでは、投資家の指値による売り注文の合計数量が20枚であり、逆指値による買い注文の合計数量が20枚であるから、78.96円以上で売りたい投資家と、78.96円以上になったら買いたい投資家とがいるため、これらを相殺することができる。この例の場合には、相殺可能注文数は20枚であるから、相殺可能注文数・スキュー値テーブル35B(図2参照)では、16〜25枚のところに該当するので、第1の候補スキュー値は、0.01円となる。但し、78.96円のレートで相殺することができるといっても、スキューを行うことにより実際に相殺されるわけではなく、投資家の指値による売り注文は、bitレートが78.96円まで上がってこなければ約定させることはできず、投資家の逆指値による買い注文は、askレートが78.96円まで上がってこなければ約定させることはできないので、相殺される方向に持っていくために、レートを上に寄せているだけである。
一方、1米ドル当たり78.95円のレートでは、投資家の指値による売り注文の合計数量が15枚であり、逆指値による買い注文の合計数量が15枚であるから、78.95円以上で売りたい投資家と、78.95円以上になったら買いたい投資家とがいるため、これらを相殺することができる。しかし、このレートの相殺可能注文数は15枚であるから、相殺可能注文数・スキュー値テーブル35B(図2参照)では、0〜15枚のところに該当するので、第1の候補スキュー値は、ゼロ円となる。
このようなレート毎の判断を、相殺注文監視範囲35A内で、例えば、下側のレートから順番に行う等して、各レートについて相殺可能注文数を求め、相殺可能注文数・スキュー値テーブル35B(図2参照)を用いて、求めた相殺可能注文数に対応するスキュー値を取得し、それを第1の候補スキュー値とする。
この際、第1の候補スキュー値算出処理手段25Eは、相殺注文監視範囲35A(図2参照)で、投資家の指値による売り注文と逆指値による買い注文とを相殺可能なレートまたは投資家の指値による買い注文と逆指値による売り注文とを相殺可能なレートがあっても、相殺不可注文数と相殺可能注文数との比の値が、予め定められた閾値S以上または超過の場合には、当該レートの存在によるスキューは行わない構成とされている。なお、相殺不可注文数と相殺可能注文数との比の値についての閾値Sは、設定値記憶手段35(図2参照)に記憶しておいてもよく、プログラム内に記述しておいてもよい。
例えば、図3に示すように、1米ドル当たり78.96円のレートでは、投資家の指値による売り注文の合計数量が100枚であり、逆指値による買い注文の合計数量が20枚であるから、20枚を相殺することができるものの、相殺することができない注文が80枚残ってしまうことになる。この例の場合には、相殺不可注文数と相殺可能注文数との比の値は、80/20=400%であり、適切な値と考えられる閾値Sよりも大きいので、そのような相殺を目指すスキューは行わない。適切な値と考えられる閾値Sとは、投資家の指値による売り注文の合計数量と逆指値による買い注文の合計数量とがほぼバランスしているレートであるか、または投資家の指値による買い注文の合計数量と逆指値による売り注文の合計数量とがほぼバランスしているレートである場合にのみ、そのレートの存在を理由としてスキューが行われるようにする閾値である。
また、第1の候補スキュー値算出処理手段25Eは、相殺可能なレートが2以上存在する場合には、スプレッド付加レートのaskレートまたはbitレートに近いレートの相殺可能注文数に対応するスキュー値を優先的に用いて第1の候補スキュー値を求めるとともに、askレートよりも上側のレートとbitレートよりも下側のレートとで相殺可能であり、かつ、これらのレートからaskレートまたはbitレートまでの距離が同じで、さらにこれらのレートの相殺可能注文数に対応するスキュー値も同じ場合には、スキューは行わない構成とされている。
例えば、図4に示す場合は、1米ドル当たり78.96円のレートでは、相殺可能注文数は40枚であり、この40枚に対応するスキュー値は、相殺可能注文数・スキュー値テーブル35B(図2参照)から0.02円である。一方、78.95円のレートでは、相殺可能注文数は20枚であり、この20枚に対応するスキュー値は、相殺可能注文数・スキュー値テーブル35B(図2参照)から0.01円である。従って、78.96円のレートのほうが、スキュー値が大きいものの、78.95円のレートのほうがaskレートに近いので、78.95円のレートのほうの0.01円を、第1の候補スキュー値とする。なお、askレートまたはbitレートに近いほうのレートではなく、スキュー値が大きいほうのレートを選ぶようにしてもよい。
また、相殺することができるレートが、<ask>側および<bit>側の双方に存在する場合には、<ask>側と<bit>側とを区別することなく捉え、askレートまたはbitレートに近いほうのレートでのスキュー値を選んでもよく、あるいは、<ask>側と<bit>側とを別々に捉え、<ask>側だけで定めたスキュー値と、<bit>側だけで定めたスキュー値とを相殺させて第1の候補スキュー値を算出してもよい。
例えば、図5に示す場合は、1米ドル当たり78.96円のレートでは、相殺可能注文数は20枚であり、この20枚に対応するスキュー値は、相殺可能注文数・スキュー値テーブル35B(図2参照)から0.01円である。また、1米ドル当たり78.89円のレートでは、相殺可能注文数は20枚であり、この20枚に対応するスキュー値は、相殺可能注文数・スキュー値テーブル35B(図2参照)から0.01円である。従って、<ask>側と<bit>側とを区別することなく捉えた場合には、78.96円のレートと78.89円のレートとは、askレートまたはbitレートまでの距離が同じであり、スキュー値も0.01円で同じであるから、スキューは行わない(ステイとする)。一方、<ask>側と<bit>側とを別々に捉えた場合でも、<ask>側のスキュー値が+0.01円であり、<bit>側のスキュー値が−0.01円であるから、相殺するとゼロ円となるため、スキューは行わない(ステイとする)。
また、例えば、図6に示す場合は、1米ドル当たり78.95円のレートでは、相殺可能注文数は20枚であり、この20枚に対応するスキュー値は、相殺可能注文数・スキュー値テーブル35B(図2参照)から0.01円である。また、1米ドル当たり78.89円のレートでは、相殺可能注文数は20枚であり、この20枚に対応するスキュー値は、相殺可能注文数・スキュー値テーブル35B(図2参照)から0.01円である。従って、<ask>側と<bit>側とを区別することなく捉えた場合には、78.95円のレートのほうが、askレートまたはbitレートに近く、78.89円のレートのほうが、askレートまたはbitレートまで遠いので、78.95円のレートのほうの0.01円を、第1の候補スキュー値とする。一方、<ask>側と<bit>側とを別々に捉えた場合には、<ask>側のスキュー値が+0.01円であり、<bit>側のスキュー値が−0.01円であるから、相殺するとゼロ円となるため、スキューは行わない(ステイとする)。このように判定結果が違ってくる。
さらに、例えば、図7に示す場合は、1米ドル当たり78.96円のレートでは、相殺可能注文数は43枚であり、この43枚に対応するスキュー値は、相殺可能注文数・スキュー値テーブル35B(図2参照)から0.02円である。また、1米ドル当たり78.90円のレートでは、相殺可能注文数は20枚であり、この20枚に対応するスキュー値は、相殺可能注文数・スキュー値テーブル35B(図2参照)から0.01円である。従って、<ask>側と<bit>側とを区別することなく捉えた場合には、78.96円のレートのほうが、askレートまたはbitレートまで遠く、78.90円のレートのほうが、askレートまたはbitレートに近いので、78.96円のレートのほうがスキュー値が大きいものの、78.90円のレートのほうの−0.01円を、第1の候補スキュー値とする。一方、<ask>側と<bit>側とを別々に捉えた場合には、<ask>側のスキュー値が+0.02円であり、<bit>側のスキュー値が−0.01円であるから、相殺すると+0.02円−0.01円=+0.01円となるため、これを第1の候補スキュー値とする。このように判定結果が違ってくる。
そして、例えば、図8に示す場合は、1米ドル当たり78.96円のレートでは、相殺可能注文数は43枚であり、この43枚に対応するスキュー値は、相殺可能注文数・スキュー値テーブル35B(図2参照)から0.02円である。また、1米ドル当たり78.90円のレートでは、相殺可能注文数は20枚であり、この20枚に対応するスキュー値は、相殺可能注文数・スキュー値テーブル35B(図2参照)から0.01円である。さらに、1米ドル当たり78.89円のレートでは、相殺可能注文数は48枚であり、この48枚に対応するスキュー値は、相殺可能注文数・スキュー値テーブル35B(図2参照)から0.02円である。従って、<ask>側と<bit>側とを区別することなく捉えた場合には、78.90円のレートが、askレートまたはbitレートに最も近く、78.96円のレートや78.89円のレートは、askレートまたはbitレートまで遠いので、78.90円のレートのスキュー値が最も小さいものの、78.90円のレートの−0.01円を、第1の候補スキュー値とする。一方、<ask>側と<bit>側とを別々に捉えた場合には、<ask>側のスキュー値が+0.02円であり、<bit>側のスキュー値が−0.01円であるから、相殺すると+0.02円−0.01円=+0.01円となるため、これを第1の候補スキュー値とする。なお、後者のように<ask>側と<bit>側とを別々に捉える場合において、<bit>側のスキュー値として、askレートまたはbitレートに近いほうのレートのスキュー値を選択するのではなく、大きいほうのスキュー値を選択して−0.02円としてもよく、この場合には、<ask>側のスキュー値が+0.02円であり、<bit>側のスキュー値が−0.02円であるから、相殺するとゼロ円となるため、スキューは行わない(ステイとする)。このように判定結果が違ってくる。
第2の候補スキュー値算出処理手段25Fは、設定値記憶手段35(図9参照)から自己玉・スキュー値テーブル35Cを取得し、自己玉記憶手段34(図9参照)に記憶されたFX業者の自己玉の情報のうち、投資家の売り注文に対して買い向かって形成された売りの自己玉(FX業者の買いポジションであるが、本実施形態では、投資家の売買区分の表記と合わせている。)と、投資家の買い注文に対して売り向かって形成された買いの自己玉(FX業者の売りポジションであるが、本実施形態では、投資家の売買区分の表記と合わせている。)との差分を算出し、売りの自己玉から買いの自己玉を差し引いた差分とレートを下げるためのスキュー値との対応関係および買いの自己玉から売りの自己玉を差し引いた差分とレートを上げるためのスキュー値との対応関係を予め定めた自己玉・スキュー値テーブル35C(図9参照)を用いて、売りの自己玉が多い場合には、売りの自己玉から買いの自己玉を差し引いた差分に対応する負の符号を有する第2の候補スキュー値を求め、買いの自己玉が多い場合には、買いの自己玉から売りの自己玉を差し引いた差分に対応する正の符号を有する第2の候補スキュー値を求める処理を実行するものである。
なお、本実施形態では、自己玉・スキュー値テーブル35Cは、設定値記憶手段35(図9参照)に記憶されているが、プログラム内に記述しておいてもよい。
例えば、図9に示す場合は、買いの自己玉が120枚(1枚は1万通貨なので、米ドルであれば120万ドル)であり、売りの自己玉が100枚(100万ドル)であるため、買いの自己玉が20枚超過している(本実施形態の自己玉の売買表記では、投資家による買いの超過を意味する)。FX業者は、売りの自己玉と買いの自己玉とが同数であればマーケットリスクを抱えないので、投資家による売り注文を約定させることにより、売りの自己玉を20枚増やすか、あるいは買いの自己玉を20枚減らしたい。従って、店内板記憶手段32(図9参照)に記憶された店内板の情報を参照し、約定させることができる売り注文がある状況であれば、レートを上げることにより、売り注文を約定しやすくし、自己玉の買玉超過分と相殺させたい。自己玉・スキュー値テーブル35C(図9参照)では、買いの自己玉が20枚超過という状態は、11〜99枚に該当するので、対応するスキュー値は0.02円であるから、第2の候補スキュー値は、0.02円とする。この際、店内板の情報を用いて、レートを上げれば、売り注文が約定しやすくなる状況であるか否かを判断する際には、例えば、所定のレート範囲(またはaskレートよりも上側の所定のレート範囲)内における指値による売り注文の合計数量が、所定の数量以上または超過であるか否かを判断してもよく、あるいは、askレートよりも上側の所定のレート範囲内における指値による売り注文の合計数量から逆指値による買い注文の合計数量を差し引いた数量が、所定の数量以上または超過であるか否かを判断してもよい。
一方、売りの自己玉が超過している(本実施形態の自己玉の売買表記では、投資家による売りの超過を意味する)場合には、投資家による買い注文を約定させることにより、買いの自己玉を増やすか、あるいは売りの自己玉を減らしたい。従って、店内板記憶手段32(図9参照)に記憶された店内板の情報を参照し、約定させることができる買い注文がある状況であれば、レートを下げることにより、買い注文を約定しやすくし、自己玉の売玉超過分と相殺させたい。この際、店内板の情報を用いて、レートを下げれば、買い注文が約定しやすくなる状況であるか否かを判断する際には、例えば、所定のレート範囲(またはbitレートよりも下側の所定のレート範囲)内における指値による買い注文の合計数量が、所定の数量以上または超過であるか否かを判断してもよく、あるいは、bitレートよりも下側の所定のレート範囲内における指値による買い注文の合計数量から逆指値による売り注文の合計数量を差し引いた数量が、所定の数量以上または超過であるか否かを判断してもよい。
第3の候補スキュー値算出処理手段25Gは、設定値記憶手段35(図10参照)から指値乖離数量・スキュー値テーブル35Dを取得し、店内板記憶手段32(図10参照)に記憶された未約定注文の状況を示す店内板の情報のうち、スプレッド付加レートのaskレートよりも上側の売り指値となっている投資家の注文数量の合計と、スプレッド付加レートのbitレートよりも下側の買い指値となっている投資家の注文数量の合計との差分を算出し、売り指値の注文数量の合計から買い指値の注文数量の合計を差し引いた差分とレートを下げるためのスキュー値との対応関係および買い指値の注文数量の合計から売り指値の注文数量の合計を差し引いた差分とレートを上げるためのスキュー値との対応関係を予め定めた指値乖離数量・スキュー値テーブル35D(図10参照)を用いて、売り指値の注文数量の合計が多い場合には、売り指値の注文数量の合計から買い指値の注文数量の合計を差し引いた差分に対応する負の符号を有する第3の候補スキュー値を求め、買い指値の注文数量の合計が多い場合には、買い指値の注文数量の合計から売り指値の注文数量の合計を差し引いた差分に対応する正の符号を有する第3の候補スキュー値を求める処理を実行するものである。
なお、本実施形態では、指値乖離数量・スキュー値テーブル35Dは、設定値記憶手段35(図10参照)に記憶されているが、プログラム内に記述しておいてもよい。
例えば、図10に示す場合は、売り指値の注文数量の合計が60枚であり、買い指値の注文数量の合計が13枚であるから、売りが47枚超過(乖離)している状態である。この例の場合には、売り注文が買い注文よりも多いため、投資家は売り意欲が強い。従って、レートを下げ、安いレートで投資家と相対する。指値乖離数量・スキュー値テーブル35D(図10参照)では、売りが47枚超過(乖離)している状態は、21〜99枚に該当するので、対応するスキュー値は−0.02円であるから、第3の候補スキュー値は、−0.02円とする。一方、買いが超過している状態であれば、買い注文が売り注文よりも多いため、投資家は買い意欲が強い。従って、レートを上げ、高いレートで投資家と相対する。この際、店内板の情報を用いて、売りか買いのいずれの超過なのかを判断する際には、例えば、askレートよりも上側の所定のレート範囲(図10の例では、1つ上から3つ上までのレート範囲)、およびbitレートよりも下側の所定のレート範囲(図10の例では、1つ下から3つ下までのレート範囲)を集計対象とすること等ができる。
第4の候補スキュー値算出処理手段25Hは、設定値記憶手段35(図11参照)から集計時間35Eや成行傾き数量・スキュー値テーブル35Fを取得し、成行状況記憶手段33(図11参照)に記憶された成行状況を示す情報のうち、直近の予め定められた集計時間35E(図11参照)内の売りの成行の投資家の注文数量の合計と、同時間内の買いの成行の投資家の注文数量の合計との差分を算出し、売りの成行の注文数量の合計から買いの成行の注文数量の合計を差し引いた差分とレートを下げるためのスキュー値との対応関係および買いの成行の注文数量の合計から売りの成行の注文数量の合計を差し引いた差分とレートを上げるためのスキュー値との対応関係を予め定めた成行傾き数量・スキュー値テーブル35F(図11参照)を用いて、売りの成行の注文数量の合計が多い場合には、売りの成行の注文数量の合計から買いの成行の注文数量の合計を差し引いた差分に対応する負の符号を有する第4の候補スキュー値を求め、買いの成行の注文数量の合計が多い場合には、買いの成行の注文数量の合計から売りの成行の注文数量の合計を差し引いた差分に対応する正の符号を有する第4の候補スキュー値を求める処理を実行するものである。
なお、本実施形態では、集計時間35Eや成行傾き数量・スキュー値テーブル35Fは、設定値記憶手段35(図11参照)に記憶されているが、プログラム内に記述しておいてもよい。
例えば、図11に示す場合は、成行状況記憶手段33(図11参照)に記憶された成行状況は、売りの成行注文が40枚であり、買いの成行注文が3枚であるから、売りが37枚超過している状態である。この例の場合には、売り注文が買い注文よりも多いため、投資家は売り意欲が強い。従って、レートを下げ、安いレートで投資家と相対する。成行傾き数量・スキュー値テーブル35F(図11参照)では、売りが37枚超過している状態は、11〜99枚に該当するので、対応するスキュー値は−0.03円であるから、第4の候補スキュー値は、−0.03円とする。一方、買いが超過している状態であれば、買い注文が売り注文よりも多いため、投資家は買い意欲が強い。従って、レートを上げ、高いレートで投資家と相対する。
なお、前述したように、店内板処理手段22は、例えば、1秒間隔で、直近5秒間に受け付けた成行注文の売りと買いのそれぞれの合計数量を算出するという処理を行うので、数量の極めて大きい売りか買いの成行注文があったとすると、この注文の影響が、暫くの間(例えば5秒間)続くことになる。しかし、一旦スキューを行ったら、スキュー後のレートからスキューするわけではなく、毎回、スプレッド付加レートからのスキューとなるので、数量の極めて大きい注文の影響が暫く続いたとしても、複数回の大きなスキュー値によるスキューが積み重なるということはなく、その注文の影響が続く期間中に、大きなスキュー値によるスキューが続くだけである。
スキュー値決定処理手段25Jは、複数(本実施形態では、一例として、第1〜第4の4種類)の候補スキュー値のうち、ゼロ以外の候補スキュー値が1つの場合には、当該候補スキュー値をスキュー値として採用し、複数(4種類)の候補スキュー値のうち、ゼロ以外の候補スキュー値が2以上の場合には、最低の候補スキュー値と最高の候補スキュー値との乖離が、予め定められた規定値35G(図13参照)以内または未満であるという乖離条件を満たすか否かを判断し、この乖離条件を満たす場合には、予め定められた優先順位テーブル35H(図13参照)に従って優先順位の高い判定アルゴリズムまたは判定条件で算出された候補スキュー値を選択採用し、乖離条件を満たさない場合には、いずれの候補スキュー値も採用せずに、スキュー値をゼロとする処理を実行するものである。
ここで、優先順位テーブル35H(図13参照)は、本実施形態では、第1〜第4の候補スキュー値に優先順位を付けるものであり、例えば、マーケットメーカに発注するカバー注文をできる限り減らすことを目的とする第1および第2の候補スキュー値の優先順位を低くし、一方、投資家の注文に対し、FX業者にとって有利なレートを提示し、ディーリングで利益を上げることを目的とする第3および第4の候補スキュー値の優先順位を高くすること等ができる。
なお、本実施形態では、乖離条件合否判定用の規定値35Gや優先順位テーブル35Hは、設定値記憶手段35(図13参照)に記憶されているが、プログラム内に記述しておいてもよい。
スキュー実行処理手段25Kは、例えば、スプレッド付加レートが、<bit>78.91円、<ask>78.94円であるときに、スキュー値決定処理手段25Jにより決定したスキュー値が0.01円であれば、スキューを行って、<bit>78.92円、<ask>78.95円という投資家提示レートを生成する処理を実行する。この例の場合には、askとbitとの値幅は、0.03円で保たれている。
設定処理手段26は、FX業者端末装置60から通信回線3を介して送信されてくるディーラやシステム担当者による各設定値の入力(変更入力を含む。)を受け付けて設定値記憶手段35(図2、図9〜図11、図13参照)に記憶させる処理を実行するものである。
カバー発注処理手段27は、自己玉記憶手段34(図9参照)に記憶されたFX業者の自己玉の情報、注文データベース30(図12参照)に記憶された注文データ、およびレート記憶手段31に記憶された各マーケットメーカA,B,C,Dからのマーケットメーカ提示レート等を用いて、カバー注文の発注用データ(FX業者ID、通貨ペア、売買区分、値段(注文レートやレートID)、取引数量等を含む。)を作成し、通常はFX業者にとって最も有利なレートを提示しているマーケットメーカをカバー先として選定し、選定したマーケットメーカの運用・管理するマーケットメーカシステム50へ通信回線2を介してカバー注文の発注用データを送信する処理を実行するものである。
この際、FX業者にとって最も有利なレートを提示しているマーケットメーカとは、マーケットメーカに対して買いのカバー注文を発注する場合は、FX業者が最も安く買うことができる、すなわち最も安く売ってくれるマーケットメーカであり、マーケットメーカに対して売りのカバー注文を発注する場合は、FX業者が最も高く売ることができる、すなわち最も高く買ってくれるマーケットメーカであるが、注文数量的に分割発注が必要な場合等は、2番目以降に有利なレートを提示しているマーケットメーカでもよい。
また、カバー発注処理手段27は、カバー先とするマーケットメーカ、およびカバー注文を発注するタイミングや取引数量については、自己玉記憶手段34(図9参照)に記憶されている自己玉の状況や、注文データベース30(図12参照)に記憶されている投資家(顧客)の注文状況等を用いて、システムにより自動的に決定される構成としてもよく、あるいはFX業者端末装置60からの通信回線3を介してのディーラによる指示に基づき決定される構成としてもよく、双方を併用する構成としてもよい。
さらに、カバー発注処理手段27は、マーケットメーカシステム50から通信回線2を介して送信されてくるカバー注文の約定データ(FX業者ID、通貨ペア、売買区分、約定値段(約定レート)、約定数量等を含む。)を受信し、受信したカバー注文の約定データやその集計結果を、図示されないカバー情報記憶手段に記憶させる処理を実行する。
注文データベース30は、図12に示すように、注文ID、顧客ID(投資家ID)、通貨ペア、売買区分、値段(注文レート;成行のときは、例えば0円等とする。)、指値・逆指値の別(売りの場合は以上・以下、買いの場合は以下・以上)、取引数量、建て・埋めの別、注文受付時刻、約定・未約定の別を含むステータス等を対応付けて記憶するものである。
レート記憶手段31は、複数のマーケットメーカA,B,C,Dによる各マーケットメーカ提示レートを、マーケットメーカ識別情報と関連付けて通貨ペア毎に記憶するとともに、コアレート、スプレッド付加レート、および投資家提示レート(FX業者から投資家への提示レート)を、通貨ペア毎に記憶するものである。なお、レート記憶手段31は、最新のレートだけではなく、過去のレートも蓄積記憶している。また、各マーケットメーカ提示レート、コアレート、スプレッド付加レート、および投資家提示レートについては、それぞれaskレートおよびbitレートを記憶している。
店内板記憶手段32は、図2〜図10に示すように、注文データベース30(図12参照)に記憶された未約定の注文データと、レート記憶手段31に記憶された各通貨ペアの投資家提示レートを構成するask(例えば、通貨ペアが米ドル/円の場合には、FX業者による米ドル売・円買の投資家への提示レート)およびbit(例えば、通貨ペアが米ドル/円の場合には、FX業者による円売・米ドル買の投資家への提示レート)とを用いて、算出計算されて作成されたFX店内板の構成データを、通貨ペア毎に記憶するものである。
成行状況記憶手段33は、図11に示すように、成行注文のうち注文受付時刻が直近の集計時間35E(例えば、直近5秒間)内となっている売りの注文数量(例えば、投資家による米ドル売の枚数)の合計数量、および買いの注文数量(例えば、投資家による米ドル買の枚数)の合計数量を記憶するものである。
自己玉記憶手段34は、図9に示すように、投資家(顧客)との相対取引でFX業者に生じた自己玉、すなわちFX業者が保有するポジションを、通貨ペア毎に記憶するものである。但し、本実施形態における自己玉の売買表記は、投資家(顧客)の売買区分と同じものとしている。
設定値記憶手段35は、図2、図9〜図11、図13に示すように、第1の候補スキュー値の算出用の設定値として、相殺注文監視範囲35A(スプレッド付加レートのaskレートから相殺注文監視範囲の上限のレートまでの上方差分値およびbitレートから相殺注文監視範囲の下限のレートまでの下方差分値)、および相殺可能注文数・スキュー値テーブル35Bを記憶し、第2の候補スキュー値の算出用の設定値として、自己玉・スキュー値テーブル35Cを記憶し、第3の候補スキュー値の算出用の設定値として、指値乖離数量・スキュー値テーブル35Dを記憶し、第4の候補スキュー値の算出用の設定値として、直近の時間帯の長さを示す集計時間35Eおよび成行傾き数量・スキュー値テーブル35Fを記憶するものである。また、設定値記憶手段35は、その他に、乖離条件合否判定用の規定値35Gおよび優先順位テーブル35H、さらには、スプレッド付加レート生成用のスプレッドや、相殺不可注文数と相殺可能注文数との比の値についての閾値S(図3参照)等の各種の設定値を記憶するものとしてもよい。なお、設定値記憶手段35に記憶された各設定値は、FX業者端末装置60からの通信回線3を介してのディーラやシステム担当者の入力により、自在に設定・変更することができるようになっている。
以上において、FX業者システム20の各処理手段21〜27は、FX業者システム20を構成するコンピュータ本体の内部に設けられた中央演算処理装置(CPU)、およびこのCPUの動作手順を規定する1つまたは複数のプログラムにより実現される。
また、FX業者システム20の注文データベース30および各記憶手段31〜35は、例えばハードディスク等により好適に実現されるが、記憶容量やアクセス速度等に問題が生じない範囲であれば、ROM、EEPROM、フラッシュ・メモリ、RAM、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、FD、磁気テープ、あるいはこれらの組合せ等を採用してもよい。
さらに、FX業者システム20は、1台のコンピュータあるいは1つのCPUにより実現されるものに限定されず、複数のコンピュータあるいは複数のCPUで分散処理を行うことにより実現されるものであってもよい。
投資家端末装置40は、コンピュータにより構成され、例えばマウスやキーボード等の入力手段と、液晶ディスプレイ等の表示手段とを備えている。この投資家端末装置40は、例えば携帯情報端末(PDA)や携帯電話機等の携帯機器であってもよい。
マーケットメーカシステム50(50A,50B,50C,50D)は、カバー先となるマーケットメーカ(例えば銀行や証券会社等の金融機関)が運用・管理するシステムであり、それぞれ1台または複数台のコンピュータにより構成されている。
FX業者端末装置60は、コンピュータにより構成され、例えばマウスやキーボード等の入力手段と、液晶ディスプレイ等の表示手段とを備えている。このFX業者端末装置60は、例えば携帯情報端末(PDA)や携帯電話機等の携帯機器であってもよい。
このような本実施形態においては、以下のようにしてOTC−FXシステム10を構成するFX業者システム20により、スキュー処理が行われる。
先ず、図13におけるスキュー処理を行う前に、ディーラやシステム担当者は、FX業者端末装置60を操作し、スキュー処理に必要な各設定値を入力(変更入力を含む。)し、入力した各設定値を、FX業者端末装置60から通信回線3を介してFX業者システム20へ送信する。
より具体的には、第1の候補スキュー値の算出用の設定値として、相殺注文監視範囲35Aおよび相殺可能注文数・スキュー値テーブル35B(図2参照)を入力し、第2の候補スキュー値の算出用の設定値として、自己玉・スキュー値テーブル35C(図9参照)を入力し、第3の候補スキュー値の算出用の設定値として、指値乖離数量・スキュー値テーブル35D(図10参照)を入力し、第4の候補スキュー値の算出用の設定値として、集計時間35Eおよび成行傾き数量・スキュー値テーブル35F(図11参照)を入力し、さらには、乖離条件合否判定用の規定値35Gおよび優先順位テーブル35H(図13参照)を入力し、スプレッド付加レート生成用のスプレッドや、相殺不可注文数と相殺可能注文数との比の値についての閾値S(図3参照)等も入力し、これらをFX業者システム20へ送信する。
FX業者システム20では、設定処理手段26により、FX業者端末装置60から通信回線3を介して送信されてくる各設定値を受信し、設定値記憶手段35(図2、図9〜図11、図13参照)に記憶させる。
そして、図13において、FX業者システム20で、スキュー処理手段25Cにより、投資家提示レート生成処理手段25による投資家提示レートの生成処理のうちのスキュー処理を開始する(ステップS1)。
最初に、スキュー値算出処理手段25D(第1〜第4の候補スキュー値算出処理手段25E,25F,25G,25H)により、設定値記憶手段35(図2、図9〜図11、図13参照)から各設定値を取得し、店内板記憶手段32(図2〜図10参照)に記憶された店内板の情報、自己玉記憶手段34(図9参照)に記憶されたFX業者の自己玉の情報、および成行状況記憶手段33(図11参照)に記憶された成行状況を示す情報を用いて、第1〜第4の候補スキュー値を算出する(ステップS2)。
次に、スキュー値決定処理手段25Jにより、第1〜第4の候補スキュー値のうち、ゼロ以外の候補スキュー値が複数あるか否かを判断する(ステップS3)。ここで、ゼロ以外の候補スキュー値が複数ある場合には、スキュー値決定処理手段25Jにより、最低の候補スキュー値(正負の符号あり)と最高の候補スキュー値(正負の符号あり)との乖離(正負の符号を考慮した乖離)が、予め定められた規定値35G(図13参照)以内または未満であるという乖離条件を満たすか否かを判断する(ステップS4)。
ステップS4で、乖離条件を満たすと判断した場合には、スキュー値決定処理手段25Jにより、予め定められた優先順位テーブル35H(図13参照)に従って優先順位の高い判定アルゴリズムまたは判定条件で算出された候補スキュー値を選択採用する(ステップS5)。
一方、ステップS4で、乖離条件を満たさないと判断した場合には、スキュー値決定処理手段25Jにより、いずれの候補スキュー値も採用せずに、スキュー値をゼロとしてスキューは行わない(ステップS6)。
また、前述したステップS3で、ゼロ以外の候補スキュー値が1つの場合には、スキュー値決定処理手段25Jにより、当該候補スキュー値をスキュー値として採用する(ステップS7)。なお、ゼロ以外の候補スキュー値が全く無い場合には、スキューは行わない。
その後、スキュー実行処理手段25Kにより、スキュー値決定処理手段25Jにより決定したスキュー値(正負の符号あり)を、スプレッド付加レートに加算することにより、投資家提示レートを算出生成し(ステップS8)、一連のスキュー処理を終了する(ステップS9)。
このような本実施形態によれば、次のような効果がある。すなわち、OTC−FXシステム10は、スキュー処理手段25Cを備えているので、スキュー処理を自動的に行うことができる。このため、従来のようにディーラが手動でスキュー業務を行う必要がなくなるので、ディーラの業務負担を軽減することができ、収益機会の増大に繋げることができる。
また、昨今のFXシステムは、データ更新のスピードが上がっており、手動によるスキュー業務を行っても、的確なタイミングで行えない可能性があるが、スキュー処理手段25Cによる自動化により、タイミングを逃さないスキュー処理を実現することができる。
さらに、スキュー処理手段25Cによりスキュー処理が自動化されているので、FX注文に関する情報が錯綜し、状況が複雑化しても、適切なスキューを、的確なタイミングで行うことができる。すなわち、従来より、ディーラは、勘や経験に頼ってスキュー業務を行ってきたが、この際、個々のディーラ毎に、経験等により得た何らかの判断基準のようなものがあり、それに従って、スキュー業務を行ってきたと思われる。ところが、このような判断基準は、個々に異なるものであり、かつ、時間とともに変化するものでもあるので、個々のディーラの経験の差異、さらにはその日の体調等により、スキュー業務の内容が変わってくることになり、不都合である。また、たとえ、そのように個々のディーラが各人の何らかの判断基準に従ってスキュー業務を行っていたとしても、一度に多くの状況の変化があれば、どれを優先するのか迷ったり、慌てて判断を誤る可能性もあり、適切なスキューを、的確なタイミングで行うことができないおそれがあった。しかし、スキュー処理手段25Cによる自動化により、これらの不都合を解消することができる。
そして、スキュー処理手段25Cは、第1〜第4の候補スキュー値算出処理手段25E,25F,25G,25Hを含んで構成されているので、(1)投資家の注文同士を相殺することが可能な状況と、(2)自己玉と投資家の注文とを相殺することが可能な状況と、(3)投資家の未約定の指値注文が売り注文または買い注文のうちいずれかの注文に偏っている状況と、(4)投資家の直近の集計時間内の成行注文が売り注文または買い注文のうちいずれかの注文に偏っている状況との4つの状況の全てに対応することができ、さらには、それらの状況が同時に生じた場合にも対応することができ、適切なスキューを、的確なタイミングで行うことができる確率を高めることができる。
また、スキュー処理手段25Cは、第1の候補スキュー値算出処理手段25Eを含んで構成されているので、投資家の注文同士の相殺を促進するレート操作を実現することができ、カバー注文の発注回数を削減することができる。
さらに、第1の候補スキュー値算出処理手段25Eは、相殺不可注文数と相殺可能注文数との比の値を考慮してそのレートで相殺可能か否かを判断する構成とされているので、相殺不可注文数と相殺可能注文数との比の値が大きいレートについては、そのレートでの相殺を目指すスキューは行わないようにすることができ、相殺後に残った注文が、売りか買いのいずれかに大きく偏るといった不都合の発生を回避することができる。
そして、第1の候補スキュー値算出処理手段25Eは、相殺可能なレートが2以上存在するときの判定アルゴリズムを定めているので、投資家の注文同士の相殺を促進するレート操作を、より実効あるものとすることができる。
また、スキュー処理手段25Cは、第2の候補スキュー値算出処理手段25Fを含んで構成されているので、投資家に約定を付けたことにより発生した自己玉と投資家の注文との相殺を促進するレート操作を実現することができ、カバー注文の発注回数を削減することができる。
さらに、スキュー処理手段25Cは、第3の候補スキュー値算出処理手段25Gを含んで構成されているので、投資家の指値注文の需要を確認したうえでレート操作を行うことができ、投資家の注文に対し、FX業者にとって有利なレートを提示し、ディーリングで利益を上げることができる。
そして、スキュー処理手段25Cは、第4の候補スキュー値算出処理手段25Hを含んで構成されているので、投資家の成行注文の需要を確認したうえでレート操作を行うことができ、投資家の注文に対し、FX業者にとって有利なレートを提示し、ディーリングで利益を上げることができる。
また、OTC−FXシステム10は、設定値記憶手段35および設定処理手段26を備えているので、FX業者端末装置60から各設定値を自在に設定・変更することができ、レート操作を、より一層適切で、かつ、柔軟なものとすることができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲内での変形等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記実施形態では、スキュー処理手段25Cは、第1〜第4の候補スキュー値算出処理手段25E,25F,25G,25Hを含んで構成されていたが、必ずしもこれらの4つの全てを含む必要はなく、また、これらの4つ以外の候補スキュー値算出処理手段を含む構成としてもよい。但し、これらの4つの全てを含む構成とすることが好ましく、そうすることで様々な状況に対応することができ、適切なスキューを、的確なタイミングで行うことができる確率を高めることができる。
以上のように、本発明のOTC−FX業務用のレート生成システムおよびレート生成方法、並びにプログラムは、スプレッド付加レートを上下にずらすスキュー処理を行う場合に用いるのに適している。
25D スキュー値算出処理手段
25E 第1の候補スキュー値算出処理手段
25F 第2の候補スキュー値算出処理手段
25G 第3の候補スキュー値算出処理手段
25H 第4の候補スキュー値算出処理手段
25J スキュー値決定処理手段
25K スキュー実行処理手段
26 設定処理手段
32 店内板記憶手段
33 成行状況記憶手段
34 自己玉記憶手段
35 設定値記憶手段

Claims (12)

  1. 投資家と相対でFX取引を行うFX業者が前記投資家に提示する投資家提示レートを生成する処理を実行するコンピュータにより構成されたOTC−FX業務用のレート生成システムであって、
    前記投資家の注文データおよび前記投資家提示レートを用いて約定処理を行って作成されて店内板記憶手段に記憶された未約定注文の状況を示す店内板の情報、前記約定処理を行って作成されて自己玉記憶手段に記憶された前記FX業者の自己玉の情報、前記投資家の注文データを用いて作成されて成行状況記憶手段に記憶された成行状況を示す情報のうちの少なくとも1つの情報を用いて、それぞれ異なる判定アルゴリズムまたは異なる判定条件に従って異なる処理で、レートを上下にずらすためのスキュー値として複数の候補スキュー値を算出する処理を実行するスキュー値算出処理手段と、
    このスキュー値算出処理手段により算出した前記複数の候補スキュー値の中から、採用するスキュー値を選択決定する処理を実行するスキュー値決定処理手段と、
    このスキュー値決定処理手段により決定した前記スキュー値を、前記FX業者のカバー取引先のマーケットメーカシステムから通信回線を介して取得したマーケットメーカ提示レートにより生成されたコアレートに予め定められたスプレッドを付加して生成されたスプレッド付加レートに加算することにより、前記投資家提示レートを生成する処理を実行するスキュー実行処理手段とを備え、
    前記スキュー値決定処理手段は、
    前記複数の候補スキュー値のうち、ゼロ以外の候補スキュー値が1つの場合には、当該候補スキュー値をスキュー値として採用し、
    前記複数の候補スキュー値のうち、ゼロ以外の候補スキュー値が2以上の場合には、最低の候補スキュー値と最高の候補スキュー値との乖離が、予め定められた規定値以内または未満であるという乖離条件を満たすか否かを判断し、この乖離条件を満たす場合には、予め定められた優先順位テーブルに従って優先順位の高い前記判定アルゴリズムまたは前記判定条件で算出された前記候補スキュー値を選択採用し、前記乖離条件を満たさない場合には、いずれの前記候補スキュー値も採用せずに、スキュー値をゼロとする処理を実行する構成とされている
    ことを特徴とするOTC−FX業務用のレート生成システム。
  2. 前記スキュー値算出処理手段は、
    前記投資家の注文同士を相殺するための第1の候補スキュー値を算出する処理を実行する第1の候補スキュー値算出処理手段と、
    前記自己玉と前記投資家の注文とを相殺するための第2の候補スキュー値を算出する処理を実行する第2の候補スキュー値算出処理手段と、
    前記投資家の未約定の指値注文について売り注文または買い注文のうちいずれの注文が多いかの指値注文動向に応じ、前記売り注文が多い場合には、レートを下げるための負の符号を有する第3の候補スキュー値を算出し、前記買い注文が多い場合には、レートを上げるための正の符号を有する第3の候補スキュー値を算出する処理を実行する第3の候補スキュー値算出処理手段と、
    前記投資家の直近の集計時間内の成行注文について売り注文または買い注文のうちいずれの注文が多いかの成行注文動向に応じ、前記売り注文が多い場合には、レートを下げるための負の符号を有する第4の候補スキュー値を算出し、前記買い注文が多い場合には、レートを上げるための正の符号を有する第4の候補スキュー値を算出する処理を実行する第4の候補スキュー値算出処理手段とのうち、
    2以上の候補スキュー値算出処理手段を含んで構成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のOTC−FX業務用のレート生成システム。
  3. 前記スキュー値算出処理手段は、
    前記第1の候補スキュー値算出処理手段を含んで構成され、
    前記第1の候補スキュー値算出処理手段は、
    前記店内板記憶手段に記憶された前記店内板の情報を用いて、前記スプレッド付加レートのaskレートよりも上側のレートからbitレートよりも下側のレートまでの予め定められた相殺注文監視範囲で、各レートについて前記投資家の指値による売り注文と逆指値による買い注文とを比較して相殺することができる相殺可能注文数または前記投資家の指値による買い注文と逆指値による売り注文とを比較して相殺することができる相殺可能注文数を算出し、相殺可能注文数とスキュー値との対応関係を予め定めた相殺可能注文数・スキュー値テーブルを用いて、算出した相殺可能注文数に対応する前記第1の候補スキュー値を求める処理を実行する構成とされている
    ことを特徴とする請求項2に記載のOTC−FX業務用のレート生成システム。
  4. 前記第1の候補スキュー値算出処理手段は、
    前記相殺注文監視範囲で、前記投資家の指値による売り注文と逆指値による買い注文とを相殺可能なレートまたは前記投資家の指値による買い注文と逆指値による売り注文とを相殺可能なレートがあっても、相殺不可注文数と相殺可能注文数との比の値が、予め定められた閾値以上または超過の場合には、当該レートの存在によるスキューは行わない構成とされている
    ことを特徴とする請求項3に記載のOTC−FX業務用のレート生成システム。
  5. 前記第1の候補スキュー値算出処理手段は、
    相殺可能なレートが2以上存在する場合には、前記スプレッド付加レートのaskレートまたはbitレートに近いレートの相殺可能注文数に対応するスキュー値を優先的に用いて前記第1の候補スキュー値を求めるとともに、
    askレートよりも上側のレートとbitレートよりも下側のレートとで相殺可能であり、かつ、これらのレートからaskレートまたはbitレートまでの距離が同じで、さらにこれらのレートの相殺可能注文数に対応するスキュー値も同じ場合には、スキューは行わない構成とされている
    ことを特徴とする請求項3または4に記載のOTC−FX業務用のレート生成システム。
  6. 前記スキュー値算出処理手段は、
    前記第2の候補スキュー値算出処理手段を含んで構成され、
    前記第2の候補スキュー値算出処理手段は、
    前記自己玉記憶手段に記憶された前記FX業者の自己玉の情報のうち、前記投資家の売り注文に対して買い向かって形成された売りの自己玉と、前記投資家の買い注文に対して売り向かって形成された買いの自己玉との差分を算出し、前記売りの自己玉から前記買いの自己玉を差し引いた差分とレートを下げるためのスキュー値との対応関係および前記買いの自己玉から前記売りの自己玉を差し引いた差分とレートを上げるためのスキュー値との対応関係を予め定めた自己玉・スキュー値テーブルを用いて、前記売りの自己玉が多い場合には、前記売りの自己玉から前記買いの自己玉を差し引いた差分に対応する負の符号を有する第2の候補スキュー値を求め、前記買いの自己玉が多い場合には、前記買いの自己玉から前記売りの自己玉を差し引いた差分に対応する正の符号を有する第2の候補スキュー値を求める処理を実行する構成とされている
    ことを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載のOTC−FX業務用のレート生成システム。
  7. 前記スキュー値算出処理手段は、
    前記第3の候補スキュー値算出処理手段を含んで構成され、
    前記第3の候補スキュー値算出処理手段は、
    前記店内板記憶手段に記憶された未約定注文の状況を示す店内板の情報のうち、前記スプレッド付加レートのaskレートよりも上側の売り指値となっている前記投資家の注文数量の合計と、前記スプレッド付加レートのbitレートよりも下側の買い指値となっている前記投資家の注文数量の合計との差分を算出し、前記売り指値の注文数量の合計から前記買い指値の注文数量の合計を差し引いた差分とレートを下げるためのスキュー値との対応関係および前記買い指値の注文数量の合計から前記売り指値の注文数量の合計を差し引いた差分とレートを上げるためのスキュー値との対応関係を予め定めた指値乖離数量・スキュー値テーブルを用いて、前記売り指値の注文数量の合計が多い場合には、前記売り指値の注文数量の合計から前記買い指値の注文数量の合計を差し引いた差分に対応する負の符号を有する第3の候補スキュー値を求め、前記買い指値の注文数量の合計が多い場合には、前記買い指値の注文数量の合計から前記売り指値の注文数量の合計を差し引いた差分に対応する正の符号を有する第3の候補スキュー値を求める処理を実行する構成とされている
    ことを特徴とする請求項2〜6のいずれかに記載のOTC−FX業務用のレート生成システム。
  8. 前記スキュー値算出処理手段は、
    前記第4の候補スキュー値算出処理手段を含んで構成され、
    前記第4の候補スキュー値算出処理手段は、
    前記成行状況記憶手段に記憶された成行状況を示す情報のうち、直近の予め定められた集計時間内の売りの成行の前記投資家の注文数量の合計と、同時間内の買いの成行の前記投資家の注文数量の合計との差分を算出し、前記売りの成行の注文数量の合計から前記買いの成行の注文数量の合計を差し引いた差分とレートを下げるためのスキュー値との対応関係および前記買いの成行の注文数量の合計から前記売りの成行の注文数量の合計を差し引いた差分とレートを上げるためのスキュー値との対応関係を予め定めた成行傾き数量・スキュー値テーブルを用いて、前記売りの成行の注文数量の合計が多い場合には、前記売りの成行の注文数量の合計から前記買いの成行の注文数量の合計を差し引いた差分に対応する負の符号を有する第4の候補スキュー値を求め、前記買いの成行の注文数量の合計が多い場合には、前記買いの成行の注文数量の合計から前記売りの成行の注文数量の合計を差し引いた差分に対応する正の符号を有する第4の候補スキュー値を求める処理を実行する構成とされている
    ことを特徴とする請求項2〜7のいずれかに記載のOTC−FX業務用のレート生成システム。
  9. 前記スキュー値算出処理手段は、
    前記第1〜前記第4の候補スキュー値算出処理手段の全てを含んで構成され、
    前記第1の候補スキュー値算出処理手段は、
    前記店内板記憶手段に記憶された前記店内板の情報を用いて、前記スプレッド付加レートのaskレートよりも上側のレートからbitレートよりも下側のレートまでの予め定められた相殺注文監視範囲で、各レートについて前記投資家の指値による売り注文と逆指値による買い注文とを比較して相殺することができる相殺可能注文数または前記投資家の指値による買い注文と逆指値による売り注文とを比較して相殺することができる相殺可能注文数を算出し、相殺可能注文数とスキュー値との対応関係を予め定めた相殺可能注文数・スキュー値テーブルを用いて、算出した相殺可能注文数に対応する前記第1の候補スキュー値を求める処理を実行する構成とされ、
    前記第2の候補スキュー値算出処理手段は、
    前記自己玉記憶手段に記憶された前記FX業者の自己玉の情報のうち、前記投資家の売り注文に対して買い向かって形成された売りの自己玉と、前記投資家の買い注文に対して売り向かって形成された買いの自己玉との差分を算出し、前記売りの自己玉から前記買いの自己玉を差し引いた差分とレートを下げるためのスキュー値との対応関係および前記買いの自己玉から前記売りの自己玉を差し引いた差分とレートを上げるためのスキュー値との対応関係を予め定めた自己玉・スキュー値テーブルを用いて、前記売りの自己玉が多い場合には、前記売りの自己玉から前記買いの自己玉を差し引いた差分に対応する負の符号を有する第2の候補スキュー値を求め、前記買いの自己玉が多い場合には、前記買いの自己玉から前記売りの自己玉を差し引いた差分に対応する正の符号を有する第2の候補スキュー値を求める処理を実行する構成とされ、
    前記第3の候補スキュー値算出処理手段は、
    前記店内板記憶手段に記憶された未約定注文の状況を示す店内板の情報のうち、前記スプレッド付加レートのaskレートよりも上側の売り指値となっている前記投資家の注文数量の合計と、前記スプレッド付加レートのbitレートよりも下側の買い指値となっている前記投資家の注文数量の合計との差分を算出し、前記売り指値の注文数量の合計から前記買い指値の注文数量の合計を差し引いた差分とレートを下げるためのスキュー値との対応関係および前記買い指値の注文数量の合計から前記売り指値の注文数量の合計を差し引いた差分とレートを上げるためのスキュー値との対応関係を予め定めた指値乖離数量・スキュー値テーブルを用いて、前記売り指値の注文数量の合計が多い場合には、前記売り指値の注文数量の合計から前記買い指値の注文数量の合計を差し引いた差分に対応する負の符号を有する第3の候補スキュー値を求め、前記買い指値の注文数量の合計が多い場合には、前記買い指値の注文数量の合計から前記売り指値の注文数量の合計を差し引いた差分に対応する正の符号を有する第3の候補スキュー値を求める処理を実行する構成とされ、
    前記第4の候補スキュー値算出処理手段は、
    前記成行状況記憶手段に記憶された成行状況を示す情報のうち、直近の予め定められた集計時間内の売りの成行の前記投資家の注文数量の合計と、同時間内の買いの成行の前記投資家の注文数量の合計との差分を算出し、前記売りの成行の注文数量の合計から前記買いの成行の注文数量の合計を差し引いた差分とレートを下げるためのスキュー値との対応関係および前記買いの成行の注文数量の合計から前記売りの成行の注文数量の合計を差し引いた差分とレートを上げるためのスキュー値との対応関係を予め定めた成行傾き数量・スキュー値テーブルを用いて、前記売りの成行の注文数量の合計が多い場合には、前記売りの成行の注文数量の合計から前記買いの成行の注文数量の合計を差し引いた差分に対応する負の符号を有する第4の候補スキュー値を求め、前記買いの成行の注文数量の合計が多い場合には、前記買いの成行の注文数量の合計から前記売りの成行の注文数量の合計を差し引いた差分に対応する正の符号を有する第4の候補スキュー値を求める処理を実行する構成とされている
    ことを特徴とする請求項2〜8のいずれかに記載のOTC−FX業務用のレート生成システム。
  10. 前記第1の候補スキュー値の算出用の設定値として、前記スプレッド付加レートのaskレートから前記相殺注文監視範囲の上限のレートまでの上方差分値およびbitレートから前記相殺注文監視範囲の下限のレートまでの下方差分値、並びに前記相殺可能注文数・スキュー値テーブルを記憶し、
    前記第2の候補スキュー値の算出用の設定値として、前記自己玉・スキュー値テーブルを記憶し、
    前記第3の候補スキュー値の算出用の設定値として、前記指値乖離数量・スキュー値テーブルを記憶し、
    前記第4の候補スキュー値の算出用の設定値として、前記成行傾き数量・スキュー値テーブルおよび前記集計時間を記憶する設定値記憶手段と、
    FX業者端末装置から通信回線を介して送信されてくる前記各設定値の入力を受け付けて前記設定値記憶手段に記憶させる処理を実行する設定処理手段と
    を備えたことを特徴とする請求項9に記載のOTC−FX業務用のレート生成システム。
  11. 投資家と相対でFX取引を行うFX業者が前記投資家に提示する投資家提示レートを生成する処理を実行するコンピュータにより構成されたOTC−FX業務用のレート生成システムで実行されるOTC−FX業務用のレート生成方法であって、
    スキュー値算出処理手段が、前記投資家の注文データおよび前記投資家提示レートを用いて約定処理を行って作成されて店内板記憶手段に記憶された未約定注文の状況を示す店内板の情報、前記約定処理を行って作成されて自己玉記憶手段に記憶された前記FX業者の自己玉の情報、前記投資家の注文データを用いて作成されて成行状況記憶手段に記憶された成行状況を示す情報のうちの少なくとも1つの情報を用いて、それぞれ異なる判定アルゴリズムまたは異なる判定条件に従って異なる処理で、レートを上下にずらすためのスキュー値として複数の候補スキュー値を算出する処理を実行し、
    スキュー値決定処理手段が、前記スキュー値算出処理手段により算出した前記複数の候補スキュー値の中から、採用するスキュー値を選択決定する処理として、
    前記複数の候補スキュー値のうち、ゼロ以外の候補スキュー値が1つの場合には、当該候補スキュー値をスキュー値として採用し、
    前記複数の候補スキュー値のうち、ゼロ以外の候補スキュー値が2以上の場合には、最低の候補スキュー値と最高の候補スキュー値との乖離が、予め定められた規定値以内または未満であるという乖離条件を満たすか否かを判断し、この乖離条件を満たす場合には、予め定められた優先順位テーブルに従って優先順位の高い前記判定アルゴリズムまたは前記判定条件で算出された前記候補スキュー値を選択採用し、前記乖離条件を満たさない場合には、いずれの前記候補スキュー値も採用せずに、スキュー値をゼロとする処理を実行し、
    スキュー実行処理手段が、前記スキュー値決定処理手段により決定した前記スキュー値を、前記FX業者のカバー取引先のマーケットメーカシステムから通信回線を介して取得したマーケットメーカ提示レートにより生成されたコアレートに予め定められたスプレッドを付加して生成されたスプレッド付加レートに加算することにより、前記投資家提示レートを生成する処理を実行する
    ことを特徴とするOTC−FX業務用のレート生成方法。
  12. 請求項1〜10のいずれかに記載のOTC−FX業務用のレート生成システムとして、コンピュータを機能させるためのプログラム。
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