JP6141364B2 - プライスプロバイダとカスタマとの取引を支援するためのシステム及び取引支援方法 - Google Patents
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(3)上記取引支援システムにおいては、前記ポジションバイアス項は、判定時点のネットポジションと、予め設定された最大ポジションに基づいて算出することが好ましい。これにより、ポジションを考慮して、カスタマとの取引を誘導することができる。
(6)上記取引支援システムにおいては、前記第3の提示情報のサイズは、現在保有する現状ポジションと、予め設定された最大ポジションに基づいて算出することが好ましい。これにより、ポジションを考慮して取引サイズを決定することができる。
(8)上記取引支援システムにおいては、前記制御部が、前記カバー取引閾値を、前記第2の提示情報、取引実績情報を用いて算出することが好ましい。これにより、第2の提示情報、取引実績情報を用いて算出される未実現損益(含み損益)を考慮して、動的にカバー取引のタイミングを決定することができる。
プライスプロバイダシステム10は、取引可能な銘柄について値決めを行ない、取引提示(クォート)を配信するマーケットメーカのコンピュータ(サーバや端末)である。プライスプロバイダシステム10は、取引提示として、第1の提示情報を配信する。また、必要に応じて、取引管理システム20との間で、カバー取引を行なう。
カバー取引機能部214は、取引支援システム30からの指示に基づいて、プライスプロバイダシステム10との間でカバー取引処理を実行する。
金融機関コードデータ領域には、この第1の提示情報を配信したプライスプロバイダシステム10を特定するための識別子に関するデータが記録される。
配信価格データ領域には、第1の提示情報における買値(Bid)又は売値(Ask)に関するデータが記録される。
配信サイズデータ領域には、第1の提示情報における数量(bid Size/ask Size)に関するデータが記録される。
サイドデータ領域には、第2の提示情報において、売買(Bid又はAsk)を特定するための識別子に関するデータが記録される。
配信サイズデータ領域には、第2の提示情報における数量(bid Size/ask Size)に関するデータが記録される。
約定日時データ領域には、約定した年月日及び時刻に関するデータが記録される。
取引先コードデータ領域には、約定したプライスプロバイダシステム10、カスタマシステム40を特定するための識別子に関するデータが記録される。
サイドデータ領域には、約定取引において、売買(Bid又はAsk)を特定するための識別子に関するデータが記録される。
約定サイズデータ領域には、この取引先との間での取引における約定数量を特定するための識別子に関するデータが記録される。
カバー取引支援部312は、カバー取引のサイズや、カバー取引を実施すべきタイミングを決定する処理を実行する。
更に、このメモリ32には、対顧取引情報、カバー取引情報が記録される。これらの情報は、取引管理システム20から取得した場合に記録される。
更に、メモリ32には、配信プライスを決定するための各種項目値が記録される。
(対顧取引処理)
まず、図3を用いて、対顧取引処理を説明する。
ここでは、取引管理システム20の制御部21は、第1の提示情報の取得処理を実行する(ステップS1−1)。具体的には、制御部21の対顧取引機能部211は、プライスプロバイダシステム10から第1の提示情報を取得する。更に、対顧取引機能部211は、取引支援システム30から対顧取引情報を取得する。そして、対顧取引機能部211は、取得した第1の提示情報及び対顧取引情報を、第1提示情報記憶部22及び取引情報記憶部24に記録する。なお、後述するように、対顧取引機能部211は、取引支援システム30から、配信プライス及び配信サイズ(第3の提示情報)を受けた場合にも、第1の提示情報と同様に、第1提示情報記憶部22に記録する。
次に、図4を用いて、カバー取引処理について説明する。
ここでは、取引管理システム20の制御部21は、対顧客取引処理を実行する(ステップS3−1)。具体的には、カスタマは、取引管理システム20から取得した第2の提示情報に基づいて、取引を検討する。そして、取引を希望するカスタマは、カスタマシステム40を用いて、取引管理システム20に対して取引要求を送信する。この取引要求には、サイド(売買)、要求価格、要求サイズに関するデータを含める。取引要求を取得した取引管理システム20の対顧取引機能部211は、取引要求を確認して、約定可否を判定する。そして、対顧取引機能部211は、判定結果に応じた注文レポートをカスタマシステム40に返信する。この注文レポートには、サイド(売買)、約定価格、約定サイズ、約定結果に関するデータが含まれる。約定を行なう場合には、対顧取引機能部211は、取引管理レコード240を生成し、取引情報記憶部24に記録する。
次に、図5〜図7を用いて、第3の提示情報の算出処理を説明する。
まず、図5を用いて、取引支援システム30において、第3の提示情報の算出に使用する項目値を説明する。ここでは、一定値シフト項、カバープライススプレッド項、ポジションバイアス項、ワイドニング項を用いる。
カバープライススプレッド項は、市場(プライスプロバイダ)の動向を反映させることを目的として、第1の提示情報の状況に応じて、配信価格の一部の要素を決定する項目であり、第2の提示情報のスプレッドに対して相対的なスプレッド変化幅を決定する項目である。他のマーケットメーカのスプレッドや、スプレッドの統計値を計算し、このスプレッドや統計値が大きい(小さい)状況では、カバープライススプレッド項を大きく(小さく)する。
一定値シフト項は、最低限の利鞘を考慮して配信プライスを設定するための、所与の定数である。
なお、〔CV(t)spread〕は〔CV(t).Ask〕-〔CV(t).Bid〕である。
ここで、〔CV(t).Ask〕及び〔CV(t).Bid〕は、時点tのカバープライス(第2の提示情報の価格)である。
なお、ここでのTrunc関数は、丸め処理桁数で指定した桁で小数部を偶数丸めした値を返す関数である。
ここで、k2(=〔price_shift_position_bias_coefficient〕)は、ポジションバイアス項に時点tにおけるポジションを加味する程度を設定するための、所与の定数である。
〔position(t)〕は、時点tの金融機関のポジション、〔max_position〕は予め定められた保持可能な最大ポジションである。
なお、ここでのTrunc関数も、丸め処理桁数で指定した桁で小数部を偶数丸めした値を返す関数である。
ここで、〔CV(t).Mid〕は、時点tのカバープライスの中間値である。
〔askSize(t)〕=Min(〔max_position〕,最大配信可能サイズ)
〔bidSize(t)〕=Min(〔max_position〕-〔Position(t)〕,最大配信可能サイズ)
・Position(t)<0の場合
〔askSize(t)〕=Min(〔max_position〕+〔Position(t)〕,最大配信可能サイズ)
〔bidSize(t)〕=Min(〔max_position〕,最大配信可能サイズ)
ただし、いずれの場合においても、算出された〔askSize(t)〕、〔bidSize(t)〕が最小配信可能サイズよりも小さい場合には、配信サイズを「0」とする。
ここで、最大配信可能サイズ、最小配信可能サイズは、取引管理システム20等の仕様や制限によって決定される配信サイズの最大値、最小値であり、所与の定数である。
なお、ワイドニング項は、後述するように、第2の提示情報、取引量を用いて算出する。
次に、図7を用いて、時点tのワイドニング対応処理を説明する。上述したように、取引管理システム20を管理する金融機関のポジションに対し、市場の動向が不利になった場合に取引を回避するために、所定期間(価格調整残り時間により定められる期間)において、ワイドニング項を用いたプライス配信を行なう。価格調整残り時間については、プライス配信がx秒毎とすると、x秒を一単位として扱う。
ここで、〔mid_diff(t)〕=〔CV(t).Mid〕-〔CV(t-1).Mid〕である。時点t-1は1つ前のプライス配信時点を表す。
〔mid_diff_threshold(t)〕は、価格調整残り時間の計算にカバープライススプレッドを加味する程度を設定するための所与の定数を、時点tのカバープライススプレッドに対して乗算した値である。
条件2:〔mid_diff(t)〕<〔-mid_diff_threshold(t)〕かつ〔position(t)〕>0
価格調整残り時間が残っていると判定した場合(ステップS5−7において「YES」の場合)、取引支援システム30の制御部31は、ワイドニング項を反映させた一定値シフト項を元に戻す処理を実行する(ステップS5−8)。具体的には、制御部31の対顧取引支援部311は、メモリ32に記憶している一定値シフト項を元の値に戻す。
図8(a)を用いて、カバー取引指示処理を説明する。
まず、取引支援システム30の制御部31は、ネットポジションの算出処理を実行する(ステップS6−1)。具体的には、制御部31のカバー取引支援部312は、メモリ32から、取引実績情報(評価対象期間の対顧取引実績、カバー取引実績)についての取引量を取得する。そして、カバー取引支援部312は、この取引量の合算値に基づいてネットポジションを算出する。
図8(b)を用いて、市場の状況に応じてカバータイミングを決定する調整トリガー値の算出処理を説明する。
なお、時点t-1は、1つ前のプライス配信時点を表す。また、〔CPSM(t)〕の初期値は、その時点でのカバープライススプレッドそのものとする。
なお、k3は「〔CPSM(t)〕の計算に用いる重み(CoverPriceSpreadMeanWeight)」であり、所与の定数である。
〔UnitProfitThreshold(t)〕=k5*〔CPSM(t)〕
〔UnitProfitThreshold(t)〕≦0
〔UnitProfitThreshold(t)〕≦〔UnitPL(t)〕≦〔UnitProfitThreshold(t)〕
ここで、単位通貨あたりの含み損益〔UnitPL(t)〕は、ポジション=0の場合は「0」、ポジション>0の場合は〔CV(t).Bid〕-〔VWAP(t)〕、ポジション<0の場合は〔VWAP(t)〕-〔CV(t).Ask〕を用いる。なお、〔VWAP(t)〕は、時点tの売買高加重平均価格である。
なお、k6(=〔LatentProfitLossAdjustCoefficient〕)は「含み損益によるポジショントリガー値調整係数」であり、所与の定数である。
なお、ここでのTrunc関数は、小数部を切り捨てた値を返す関数である。
(1)本実施形態では、取引支援システム30の制御部31は、第2の提示情報及び取引実績情報の取得処理を実行する(ステップS2−1)。これにより、取引支援システム30は、取引管理システム20が生成した第2の提示情報及び取引実績情報を用いて、カスタマシステム40に提供する第3の提示情報を生成することができる。そして、取引管理システム20は、顧客が取引を希望するときに、機会逸失することなく安定して取引の機会を提供することができる。
(4)本実施形態では、取引支援システム30の制御部31は、調整トリガー値の算出処理を実行する。これにより、市場の状況に応じて、より適切なタイミングでリスクヘッジを行なうことができる。
・上記実施形態では、取引管理システム20と取引支援システム30とを用いて、提示情報を生成したが、ハードウェア構成はこれに限定されるものではない。例えば、取引管理システム20内に取引支援システム30を設けるようにしてもよい。
Claims (8)
- 複数のプライスプロバイダシステムから第1の提示情報を取得し、前記第1の提示情報に基づいて、配信価格、配信サイズを含む第2の提示情報を生成し、カスタマシステムに提供する取引管理システムと接続された制御部を備えた取引支援システムを用いて、プライスプロバイダとカスタマとの取引を支援するためのシステムであって、
前記制御部が、
前記取引管理システムから、配信価格、配信サイズを含む前記第2の提示情報を取得し、
前記第2の提示情報に基づいて算出された中間価格に対して、予め定められたシフト項と、前記プライスプロバイダシステムの動向に基づいて算出されるカバープライススプレッド項と、前記カスタマシステム及び前記複数のプライスプロバイダシステムとの取引量に応じた自己のネットポジションに基づいて算出されるポジションバイアス項を加算した配信価格を算出し、
前記取引管理システムに対して、前記配信価格及び、現在保有する現状ポジションと、予め設定された最大ポジションに基づいて算出した配信サイズを設定した第3の提示情報を送信し、
前記取引管理システムは、前記プライスプロバイダシステムから取得した第1の提示情報と、前記第3の提示情報とを用いて新たな第2の提示情報を生成し、前記カスタマシステムに提供することを特徴とするプライスプロバイダとカスタマとの取引を支援するためのシステム。 - 前記カバープライススプレッド項を、前記第2の提示情報に基づいて算出することを特徴とする請求項1に記載のプライスプロバイダとカスタマとの取引を支援するためのシステム。
- 前記ポジションバイアス項を、判定時点のネットポジションと、予め設定された最大ポ
ジションに基づいて算出することを特徴とする請求項1又は2に記載のプライスプロバイダとカスタマとの取引を支援するためのシステム。 - 前記第2の提示情報の中間価格が、その時点のネットポジションに対して不利な側に動いた不利状態を検知した場合に、ワイドニング項を加算した前記配信価格を算出することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のプライスプロバイダとカスタマとの取引を支援するためのシステム。
- 前記不利状態の解消を検知してから予め定められた期間は、前記ワイドニング項を加算した前記配信価格を算出することを特徴とする請求項4に記載のプライスプロバイダとカスタマとの取引を支援するためのシステム。
- 前記制御部が、前記取引管理システムから、カスタマシステム及びプライスプロバイダシステムとの取引量を取得し、前記取引量の合算値に基づいてネットポジションを算出し、前記ネットポジションがカバー取引閾値を超えた場合には、前記プライスプロバイダシステムとの間で、前記第2の提示情報を用いてカバー取引を、前記取引管理システムに対して指示することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のプライスプロバイダとカスタマとの取引を支援するためのシステム。
- 前記制御部が、前記カバー取引閾値を、前記第2の提示情報、取引実績情報を用いて算出することを特徴とする請求項6に記載のプライスプロバイダとカスタマとの取引を支援するためのシステム。
- 複数のプライスプロバイダシステムから第1の提示情報を取得し、前記第1の提示情報に基づいて、配信価格、配信サイズを含む第2の提示情報を生成し、カスタマシステムに提供する取引管理システムと接続された制御部を備えた取引支援システムを用いて、取引支援を行なう方法であって、
前記制御部が、
前記取引管理システムから、配信価格、配信サイズを含む前記第2の提示情報を取得し、
前記第2の提示情報に基づいて算出された中間価格に対して、予め定められたシフト項と、前記プライスプロバイダシステムの動向に基づいて算出されるカバープライススプレッド項と、前記カスタマシステム及び前記複数のプライスプロバイダシステムとの取引量に応じた自己のネットポジションに基づいて算出されるポジションバイアス項を加算した配信価格を算出し、
前記取引管理システムに対して、前記配信価格及び、現在保有する現状ポジションと、予め設定された最大ポジションに基づいて算出した配信サイズを設定した第3の提示情報を送信し、
前記取引管理システムは、前記プライスプロバイダシステムから取得した第1の提示情報と、前記第3の提示情報とを用いて新たな第2の提示情報を生成し、前記カスタマシステムに提供することを特徴とするプライスプロバイダとカスタマとの取引を支援するための取引支援方法。
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