JP6141364B2 - プライスプロバイダとカスタマとの取引を支援するためのシステム及び取引支援方法 - Google Patents

プライスプロバイダとカスタマとの取引を支援するためのシステム及び取引支援方法 Download PDF

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Description

本発明は、複数のプライスプロバイダから提示された価格に基づいて、顧客に価格を提示し、顧客と取引を行なうためのプライスプロバイダとカスタマとの取引を支援するためのシステム及び取引支援方法に関する。
今日、証券会社などマーケットメーカ(Market Maker)が買い気配と売り気配を提示し、市場の流動性を需要する金融機関等の投資家は最も都合の良い価格条件を提示しているマーケットメーカに発注するクォートドリブン方式(マーケットメイク方式とも呼ぶ)が行なわれている。この場合、マーケットメーカは、取引可能な銘柄について値決めを行ない、顧客であるマーケットテイカ(Market Taker)に対して、取引提示(クォート)を配信する。マーケットテイカは取引提示を参照して取引を要求(Request)し、マーケットメーカはその結果を返信する。この取引提示には、取引可能な価格((買値(Bid)、マーケットテイカが売る際の価格/売値(Ask)、マーケットテイカが買う際の価格))及び数量(bid Size/ask Size)に関する情報が含まれる。
例えば、マーケットメーカから、以下の取引提示(Quote(USDJPY))が行なわれた場合を想定する。
bid:117.804、ask:117.814、bid Size:5,000,000、ask Size:5,000,000
そして、この取引提示を受けたマーケットテイカは、例えば、以下の注文要求(Order Request)を行なうことができる。
Side:buy、request Price:117.814、request Size:1,000,000、order Type:limit
この条件に基づいて、取引を行なう場合、マーケットメーカはマーケットテイカに対して以下の応答(Order Report)を行なう。
Side:buy、contract Price:117.814、contract Size:1,000,000、result:fill
外国為替のオンライントレードにおいて、有利な取引所取引を提供し、かつ注文者(投資者)の操作の利便性を図るための技術が検討されている(例えば、特許文献1参照)。この文献に記載された技術においては、外国為替証拠金取引についての取引所が保有する中央サーバと、注文者(投資者)が操作し、中央サーバに登録された取引業者を介して外国為替取引を行なうための注文者端末とを用いる。そして、複数のマーケットメーカが提供する買値(Bid)と売値(Ask)を自動で入力し、投資者に最も有利な価格になるように抽出し、抽出値を注文者端末に送信する。
特開2007−11814号公報
複数のプライスプロバイダ(マーケットメーカ)から取引提示を取得した金融機関が、顧客であるマーケットテイカに対して取引提示を行なう場合もある。このような相対取引の場合、金融機関は、顧客に対して、顧客にとって有利な取引提示を行なうことが望ましい。この場合、顧客が取引を希望するときに、機会逸失することなく安定して取引の機会を提供することが望ましい。一方、複数のマーケットメーカから提供される価格は時間によって変動する。また、金融機関においても、マーケットテイカとの取引の結果、ポジションが傾き、市場リスクが大きくなった場合、リスクヘッジを行なう必要がある。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、複数のプライスプロバイダから提示された価格に基づいて、顧客との間で的確な取引を行なうための取引支援システム及び取引支援方法を提供することにある。
(1)上記課題を解決するためのプライスプロバイダとカスタマとの取引を支援するためのシステムは、複数のプライスプロバイダから第1の提示情報を取得し、前記第1の提示情報に基づいて、配信価格、配信サイズを含む第2の提示情報を生成し、カスタマシステムに提供する取引管理システムと接続された制御部を備える。そして、前記制御部が、前記取引管理システムから、配信価格、配信サイズを含む前記第2の提示情報を取得し、前記第2の提示情報に基づいて算出された中間価格に対して、予め定められたシフト項と、プライスプロバイダの動向に基づいて算出されるカバープライススプレッド項と、前記カスタマシステム及び前記複数のプライスプロバイダとの取引量に応じた自己のネットポジションに基づいて算出されるポジションバイアス項を加算した配信価格を算出し、前記取引管理システムに対して、前記配信価格及び、現在保有する現状ポジションと、予め設定された最大ポジションに基づいて算出した配信サイズを設定した第3の提示情報を送信し、前記取引管理システムは、前記プライスプロバイダシステムから取得した第1の提示情報と、前記第3の提示情報とを用いて新たな第2の提示情報を生成し、前記カスタマシステムに提供する。これにより、カスタマとの間で的確な取引を行なうための提示情報を行なうことができる。更に、カスタマが取引を希望するときに、機会逸失することなく安定して取引の機会を提供することができる。
(2)上記取引支援システムにおいては、前記カバープライススプレッド項は、前記第2の提示情報に基づいて算出することが好ましい。これにより、第2の提示情報は、第1の提示情報に基づいて生成されるため、プライスプロバイダの動向を反映させることができる。
(3)上記取引支援システムにおいては、前記ポジションバイアス項は、判定時点のネットポジションと、予め設定された最大ポジションに基づいて算出することが好ましい。これにより、ポジションを考慮して、カスタマとの取引を誘導することができる。
(4)上記取引支援システムにおいては、前記第2の提示情報の中間価格が、その時点のネットポジションに対して不利な側に動いた不利状態を検知した場合に、ワイドニング項を加算した前記配信価格を算出することが好ましい。これにより、ポジションに対して、市場の動向が不利になった場合に取引を回避することができる。
(5)上記取引支援システムにおいては、前記不利状態の解消を検知してから予め定められた期間は、前記ワイドニング項を加算した前記配信価格を算出することが好ましい。これにより、ポジションに対して、市場の動向が不利な状況が継続している場合に取引を回避することができる。
(6)上記取引支援システムにおいては、前記第3の提示情報のサイズは、現在保有する現状ポジションと、予め設定された最大ポジションに基づいて算出することが好ましい。これにより、ポジションを考慮して取引サイズを決定することができる。
(7)上記取引支援システムにおいては、前記取引管理システムから、前記制御部が、カスタマシステム及びプライスプロバイダとの取引量を取得し、前記取引量の合算値に基づいてネットポジションを算出し、前記ネットポジションがカバー取引閾値を超えた場合には、前記プライスプロバイダとの間で、前記第2の提示情報を用いてカバー取引を、前記取引管理システムに対して指示することが好ましい。これにより、ポジションの傾きを解消することができる。
(8)上記取引支援システムにおいては、前記制御部が、前記カバー取引閾値を、前記第2の提示情報、取引実績情報を用いて算出することが好ましい。これにより、第2の提示情報、取引実績情報を用いて算出される未実現損益(含み損益)を考慮して、動的にカバー取引のタイミングを決定することができる。
本発明によれば、複数のプライスプロバイダから提示された価格に基づいて、顧客との間で的確な取引を行なうことができる。
本実施形態の取引支援システムの説明図。 本実施形態の記憶部に記録されたデータの説明図であって、(a)は第1提示情報記憶部、(b)は第2提示情報記憶部、(c)は取引情報記憶部に記録されたデータの説明図。 本実施形態の処理手順の説明図。 本実施形態の処理手順の説明図。 本実施形態の配信価格の説明図。 本実施形態のプライス配信及びカバー取引指示の説明図。 本実施形態の処理手順の説明図。 本実施形態の処理手順の説明図であって、(a)はカバー取引指示処理、(b)は調整トリガー値の算出処理の説明図。
以下、本発明を具体化した取引支援システムの一実施形態を図1〜図8に従って説明する。本実施形態では、プライスプロバイダとカスタマとの取引を支援する場合を想定する。
図1に示すように、本実施形態では、プライスプロバイダシステム10、取引管理システム20、取引支援システム30、カスタマシステム40を用いる。
プライスプロバイダシステム10は、取引可能な銘柄について値決めを行ない、取引提示(クォート)を配信するマーケットメーカのコンピュータ(サーバや端末)である。プライスプロバイダシステム10は、取引提示として、第1の提示情報を配信する。また、必要に応じて、取引管理システム20との間で、カバー取引を行なう。
カスタマシステム40は、取引管理システム20から取得した提示情報に基づいて、取引を行なう顧客のコンピュータ(サーバや端末)である。顧客は、このカスタマシステム40を用いて、取引管理システム20との間で取引を行なう。
取引管理システム20は、プライスプロバイダシステム10から取得した提示情報に基づいて、カスタマシステム40との取引を行なう金融機関のコンピュータシステムである。この取引管理システム20は、制御部21、第1提示情報記憶部22、第2提示情報記憶部23、取引情報記憶部24を備えている。
制御部21は、制御手段(CPU、RAM、ROM等)を備え、後述する処理(対顧取引段階、情報提供段階、情報統合段階、カバー取引段階の各処理)を行なう。そのための取引支援プログラムを実行することにより、制御部21は、対顧取引機能部211、情報提供機能部212、情報統合機能部213、カバー取引機能部214として機能する。
対顧取引機能部211は、プライスプロバイダシステム10から第1の提示情報を取得し、この第1の提示情報から第2の提示情報を生成し、後述するカスタマシステム40に配信する処理を実行する。更に、対顧取引機能部211は、カスタマシステム40からの要求に応じて取引を行なう処理を実行する。
情報提供機能部212は、取引支援システム30に各種情報を提供する処理を実行する。本実施形態では、第2の提示情報、所定期間(評価対象期間)の対顧取引実績及びカバー取引実績を、取引支援システム30に提供する。
情報統合機能部213は、取引支援システム30から第3の提示情報を取得し、後述するカスタマシステム40に配信する処理を実行する。この情報統合機能部213は、取引支援システム30から第3の提示情報(配信プライス及び配信サイズ)を取得し、カスタマシステム40に他の第2の提示情報と同様に配信する機能により実現される。
カバー取引機能部214は、取引支援システム30からの指示に基づいて、プライスプロバイダシステム10との間でカバー取引処理を実行する。
図2(a)に示すように、第1提示情報記憶部22には、第1提示情報管理レコード220が記録される。この第1提示情報管理レコード220は、プライスプロバイダシステム10から第1の提示情報を取得した場合に記録される。第1提示情報管理レコード220は、タイムスタンプ、金融機関コード、サイド、配信価格、配信サイズに関するデータを含んで構成される。
タイムスタンプデータ領域には、第1の提示情報を受信した年月日及び時刻に関するデータが記録される。
金融機関コードデータ領域には、この第1の提示情報を配信したプライスプロバイダシステム10を特定するための識別子に関するデータが記録される。
サイドデータ領域には、第1の提示情報において、売買(Bid又はAsk)を特定するための識別子に関するデータが記録される。
配信価格データ領域には、第1の提示情報における買値(Bid)又は売値(Ask)に関するデータが記録される。
配信サイズデータ領域には、第1の提示情報における数量(bid Size/ask Size)に関するデータが記録される。
図2(b)に示すように、第2提示情報記憶部23には、第2提示情報管理レコード230が記録される。この第2提示情報管理レコード230は、第2の提示情報を配信した場合に記録される。第2提示情報管理レコード230は、タイムスタンプ、サイド、配信価格、配信サイズに関するデータを含んで構成される。
タイムスタンプデータ領域には、第2の提示情報の配信を行なった年月日及び時刻に関するデータが記録される。
サイドデータ領域には、第2の提示情報において、売買(Bid又はAsk)を特定するための識別子に関するデータが記録される。
配信価格データ領域には、第2の提示情報における買値(Bid)又は売値(Ask)に関するデータが記録される。
配信サイズデータ領域には、第2の提示情報における数量(bid Size/ask Size)に関するデータが記録される。
図2(c)に示すように、取引情報記憶部24には、プライスプロバイダシステム10、カスタマシステム40との間で行なわれた取引(対顧取引、カバー取引)の取引実績に関する取引管理レコード240が記録される。この取引管理レコード240は、プライスプロバイダシステム10、カスタマシステム40との間での取引が約定された場合に記録される。
取引管理レコード240は、約定日時、取引先コード、サイド、約定価格、約定サイズに関するデータを含んで構成される。
約定日時データ領域には、約定した年月日及び時刻に関するデータが記録される。
取引先コードデータ領域には、約定したプライスプロバイダシステム10、カスタマシステム40を特定するための識別子に関するデータが記録される。
サイドデータ領域には、約定取引において、売買(Bid又はAsk)を特定するための識別子に関するデータが記録される。
約定価格データ領域には、この取引先との間での取引における約定価格に関するデータが記録される。
約定サイズデータ領域には、この取引先との間での取引における約定数量を特定するための識別子に関するデータが記録される。
取引支援システム30は、取引管理システム20から取得した第2の提示情報及び取引実績情報に基づいて、第3の提示情報(配信プライス及び配信サイズ)を生成するコンピュータシステムである。この取引支援システム30は、制御部31、メモリ32を備えている。
制御部31は、制御手段(CPU、RAM、ROM等)を備え、後述する処理(対顧取引支援段階、カバー取引支援段階の各処理)を行なう。そのための取引支援プログラムを実行することにより、制御部31は、対顧取引支援部311、カバー取引支援部312として機能する。
対顧取引支援部311は、第2の提示情報及び取引実績情報に基づいて、第3の提示情報(価格、サイズ)の生成処理を実行する。本実施形態では、カスタマシステム40向けの提示情報の配信を目的とした第3の提示情報を生成する。
カバー取引支援部312は、カバー取引のサイズや、カバー取引を実施すべきタイミングを決定する処理を実行する。
メモリ32には、取引管理システム20から取得した第2の提示情報が記録される。この情報は、取引管理システム20から取得した場合に記録される。
更に、このメモリ32には、対顧取引情報、カバー取引情報が記録される。これらの情報は、取引管理システム20から取得した場合に記録される。
更に、メモリ32には、配信プライスを決定するための各種項目値が記録される。
次に、本システムにおける動作を、図3〜図8を用いて説明する。
(対顧取引処理)
まず、図3を用いて、対顧取引処理を説明する。
ここでは、取引管理システム20の制御部21は、第1の提示情報の取得処理を実行する(ステップS1−1)。具体的には、制御部21の対顧取引機能部211は、プライスプロバイダシステム10から第1の提示情報を取得する。更に、対顧取引機能部211は、取引支援システム30から対顧取引情報を取得する。そして、対顧取引機能部211は、取得した第1の提示情報及び対顧取引情報を、第1提示情報記憶部22及び取引情報記憶部24に記録する。なお、後述するように、対顧取引機能部211は、取引支援システム30から、配信プライス及び配信サイズ(第3の提示情報)を受けた場合にも、第1の提示情報と同様に、第1提示情報記憶部22に記録する。
次に、取引管理システム20の制御部21は、第2の提示情報の生成処理を実行する(ステップS1−2)。具体的には、制御部21の対顧取引機能部211は、第1提示情報記憶部22に記録された提示情報に基づいて、第2の提示情報を生成する。ここでは、第1提示情報記憶部22に記録された提示情報の中で、顧客にとって最も有利な提示情報を用いて、第2の提示情報を生成する。例えば、顧客に提示する買値を生成する場合には、配信価格が最も高い提示情報、顧客に提示する売値を生成する場合には、配信価格が最も低い提示情報を用いて、利鞘を加味して、第2の提示情報を生成する。
次に、取引管理システム20の制御部21は、第2の提示情報、取引実績情報の送信処理を実行する(ステップS1−3)。具体的には、制御部21の対顧取引機能部211は、生成した第2の提示情報をカスタマシステム40に配信する。更に、情報提供機能部212は、対顧取引機能部211が生成した第2の提示情報を取得するとともに、取引情報記憶部24から、評価対象期間の取引実績情報(対顧取引実績、カバー取引実績)を取得する。そして、情報提供機能部212は、第2の提示情報及び取引実績情報を、取引支援システム30に対して配信する。
この場合、取引支援システム30の制御部31は、第2の提示情報及び取引実績情報の取得処理を実行する(ステップS2−1)。具体的には、制御部31の対顧取引支援部311は、取引管理システム20から、第2の提示情報及び取引実績情報を取得する。そして、対顧取引支援部311は、取得した第2の提示情報、取引実績情報をメモリ32に記録する。
次に、取引支援システム30の制御部31は、配信プライス及び配信サイズの算出処理を実行する(ステップS2−2)。具体的には、制御部31の対顧取引支援部311は、取引管理システム20から取得した第2の提示情報及び取引実績情報を用いて配信プライス及び配信サイズを算出する。配信プライス及び配信サイズの算出方法については、後述する。
次に、取引支援システム30の制御部31は、プライス配信処理を実行する(ステップS2−3)。具体的には、制御部31の対顧取引支援部311は、算出した指値及びサイズ(第3の提示情報)を、取引管理システム20に配信する。
(カバー取引処理)
次に、図4を用いて、カバー取引処理について説明する。
ここでは、取引管理システム20の制御部21は、対顧客取引処理を実行する(ステップS3−1)。具体的には、カスタマは、取引管理システム20から取得した第2の提示情報に基づいて、取引を検討する。そして、取引を希望するカスタマは、カスタマシステム40を用いて、取引管理システム20に対して取引要求を送信する。この取引要求には、サイド(売買)、要求価格、要求サイズに関するデータを含める。取引要求を取得した取引管理システム20の対顧取引機能部211は、取引要求を確認して、約定可否を判定する。そして、対顧取引機能部211は、判定結果に応じた注文レポートをカスタマシステム40に返信する。この注文レポートには、サイド(売買)、約定価格、約定サイズ、約定結果に関するデータが含まれる。約定を行なう場合には、対顧取引機能部211は、取引管理レコード240を生成し、取引情報記憶部24に記録する。
また、取引支援システム30の制御部31は、取引実績情報の取得処理を実行する(ステップS4−1)。具体的には、取引管理システム20の情報提供機能部212は、取引情報記憶部24に記録された取引実績情報(評価対象期間の対顧取引実績、カバー取引実績)を、取引支援システム30に提供する。この場合、制御部31の対顧取引支援部311は、取得した取引実績情報をメモリ32に記録する。なお、ステップS2−1において、第2の提示情報とともに取得した取引実績情報を用いることも可能である。
次に、取引支援システム30の制御部31は、リスクヘッジが必要かどうかについての判定処理を実行する(ステップS4−2)。具体的には、制御部31のカバー取引支援部312は、取得した取引実績情報に基づいて、取引量の合計値を算出する。そして、カバー取引支援部312は、算出した取引量の合算値(ネットポジション)を算出し、ネットポジションが調整トリガー値を超えている場合には、リスクヘッジが必要と判定する。
リスクヘッジが必要と判定した場合(ステップS4−2において「YES」の場合)、取引支援システム30の制御部31は、カバー取引指示処理を実行する(ステップS4−3)。具体的には、制御部31のカバー取引支援部312は、取引管理システム20に対して、カバー取引指示を送信する。このカバー取引指示には、売買の識別情報、プライス、サイズに関する情報を含める。
一方、リスクヘッジが必要でないと判定した場合(ステップS4−2において「NO」の場合)、取引支援システム30の制御部31は、カバー取引指示処理(ステップS4−3)をスキップして、取引実績情報の取得処理(ステップS4−1)に戻る。
カバー取引指示を受信した取引管理システム20の制御部21は、カバー取引処理を実行する(ステップS3−2)。具体的には、制御部21のカバー取引機能部214は、カバー取引指示に応じて、プライスプロバイダシステム10との間でカバー取引を行なう。この場合、カバープライスとして、第1の提示情報における配信価格を利用する。そして、カバー取引機能部214は、カバー取引に関する取引管理レコード240を生成し、取引情報記憶部24に記録する。
(第3の提示情報の算出処理)
次に、図5〜図7を用いて、第3の提示情報の算出処理を説明する。
まず、図5を用いて、取引支援システム30において、第3の提示情報の算出に使用する項目値を説明する。ここでは、一定値シフト項、カバープライススプレッド項、ポジションバイアス項、ワイドニング項を用いる。
一定値シフト項(price_shift_base)は、第2の提示情報に基づいて算出された中間価格に対して、最低限の利益を確保するための利鞘に関する項目である。
カバープライススプレッド項は、市場(プライスプロバイダ)の動向を反映させることを目的として、第1の提示情報の状況に応じて、配信価格の一部の要素を決定する項目であり、第2の提示情報のスプレッドに対して相対的なスプレッド変化幅を決定する項目である。他のマーケットメーカのスプレッドや、スプレッドの統計値を計算し、このスプレッドや統計値が大きい(小さい)状況では、カバープライススプレッド項を大きく(小さく)する。
ポジションバイアス項は、取引管理システム20を管理する金融機関のポジションを考慮して、取引を誘導するための項目である。具体的には、自らのロングポジションとショートポジションを相殺して残った実質的なポジションであるネットポジションを算出し、ネットロング(ネットショート)の場合には、配信ask(bid)を顧客にとって良いプライス、配信bid(ask)を顧客にとって悪いプライスに傾ける。
ワイドニング項は、取引管理システム20を管理する金融機関のポジションに対して、市場の動向が不利になった場合に取引を回避するための項目である。このワイドニング項により、防衛的売値や買値が算出される。第2の提示情報に基づいて算出された中間価格が、金融機関のポジションに対して、設定した上限値以上にアゲインストに動いた場合のみ加算する。
次に、図6を用いて、プライス配信及びカバー取引指示について説明する。
一定値シフト項は、最低限の利鞘を考慮して配信プライスを設定するための、所与の定数である。
時点tのカバープライススプレッド項は、取引管理システム20から取得した第2の提示情報に基づいて算出される。具体的には、以下の算出式を用いる。
カバープライススプレッド項=Trunc(k1*(〔CV(t).spread〕/2)、丸め処理桁数)
なお、〔CV(t)spread〕は〔CV(t).Ask〕-〔CV(t).Bid〕である。
ここで、〔CV(t).Ask〕及び〔CV(t).Bid〕は、時点tのカバープライス(第2の提示情報の価格)である。
また、k1(=〔price_shift_spread_coefficient〕)は、カバープライススプレッド項に時点tにおけるカバープライスのスプレッドを加味する程度を設定するための、所与の定数である。
なお、ここでのTrunc関数は、丸め処理桁数で指定した桁で小数部を偶数丸めした値を返す関数である。
時点tのポジションバイアス項は、カスタマシステム40及びプライスプロバイダシステム10と取引管理システム20との間での取引量に基づいて算出される。具体的には、以下の算出式を用いる。
ポジションバイアス項=-Trunc(k2*(〔position(t)〕/〔max_position〕)、丸め処理桁数)
ここで、k2(=〔price_shift_position_bias_coefficient〕)は、ポジションバイアス項に時点tにおけるポジションを加味する程度を設定するための、所与の定数である。
〔position(t)〕は、時点tの金融機関のポジション、〔max_position〕は予め定められた保持可能な最大ポジションである。
なお、ここでのTrunc関数も、丸め処理桁数で指定した桁で小数部を偶数丸めした値を返す関数である。
そして、ワイドニング項を用いない状態における時点tの配信価格は、一定値シフト項、カバープライススプレッド項、ポジションバイアス項に基づいて算出される。以下に、配信価格(売り)(〔HR(t).Ask〕)、配信価格(買い)(〔HR(t).Bid〕)の算出式を説明する。
〔HR(t).Ask〕=〔CV(t).Mid〕+max(〔一定値シフト項〕+〔カバープライススプレッド項〕+〔ポジションバイアス項〕,〔minimum_hask_mid〕)
〔HR(t).Bid〕=〔CV(t).Mid〕+min(-〔一定値シフト項〕-〔カバープライススプレッド項〕+〔ポジションバイアス項〕,〔minimum_hbid_mid〕)
ここで、〔CV(t).Mid〕は、時点tのカバープライスの中間値である。
〔minimum_hask_mid〕は、(〔配信価格(売り)〕-〔カバープライスmid〕)の最小値を設定するための所与の定数である。ここで、「0」にすると、〔HR(t).Ask〕が〔CV(t).Mid〕より小さくならないことを保証できる。「0」より小さくすると、〔CV(t).Mid〕より小さなその値まで価格を配信しうる。
〔maximum_hbid_mid〕は、(〔配信価格(買い)〕-〔カバープライスMid〕)の最大値を設定するための所与の定数である。「0」にすると、〔HR(t).Bid〕が〔CV(t).Mid〕より大きくならないことを保証できる。「0」より大きくすると、〔CV(t).Mid〕より大きなその値まで価格を配信しうる。
また、カスタマシステム40及びプライスプロバイダシステム10との間での取引量(時点tのポジション)に基づいて、時点tの配信サイズ〔askSize(t)〕、〔bidSize(t)〕を算出する。具体的には、以下の算出式を用いる。
・Position(t)≧0の場合
〔askSize(t)〕=Min(〔max_position〕,最大配信可能サイズ)
〔bidSize(t)〕=Min(〔max_position〕-〔Position(t)〕,最大配信可能サイズ)
・Position(t)<0の場合
〔askSize(t)〕=Min(〔max_position〕+〔Position(t)〕,最大配信可能サイズ)
〔bidSize(t)〕=Min(〔max_position〕,最大配信可能サイズ)
ただし、いずれの場合においても、算出された〔askSize(t)〕、〔bidSize(t)〕が最小配信可能サイズよりも小さい場合には、配信サイズを「0」とする。
ここで、最大配信可能サイズ、最小配信可能サイズは、取引管理システム20等の仕様や制限によって決定される配信サイズの最大値、最小値であり、所与の定数である。
そして、配信価格及び配信サイズに基づいて、第3の提示情報が生成される。
なお、ワイドニング項は、後述するように、第2の提示情報、取引量を用いて算出する。
また、カバー取引を行なうタイミング(カバータイミング)の決定には、ポジショントリガー値を用いる。このポジショントリガー値は、取引管理システム20から取得した第2の提示情報、取引実績情報(評価対象期間の対顧取引実績、カバー取引実績)の取引量に基づいて算出される。そして、ポジショントリガー値を用いて決定されたカバータイミングで、カバー取引指示を行なう。
(ワイドニング対応処理)
次に、図7を用いて、時点tのワイドニング対応処理を説明する。上述したように、取引管理システム20を管理する金融機関のポジションに対し、市場の動向が不利になった場合に取引を回避するために、所定期間(価格調整残り時間により定められる期間)において、ワイドニング項を用いたプライス配信を行なう。価格調整残り時間については、プライス配信がx秒毎とすると、x秒を一単位として扱う。
ここでは、まず、取引支援システム30の制御部31は、条件1に該当かどうかについての判定処理を実行する(ステップS5−1)。具体的には、制御部31の対顧取引支援部311は、以下の条件1に該当するかどうかを判定する。
条件1:〔mid_diff(t)〕>〔mid_diff_threshold(t)〕かつ〔position(t)〕<0
ここで、〔mid_diff(t)〕=〔CV(t).Mid〕-〔CV(t-1).Mid〕である。時点t-1は1つ前のプライス配信時点を表す。
〔mid_diff_threshold(t)〕は、価格調整残り時間の計算にカバープライススプレッドを加味する程度を設定するための所与の定数を、時点tのカバープライススプレッドに対して乗算した値である。
ここで、条件1に該当すると判定した場合(ステップS5−1において「YES」の場合)、取引支援システム30の制御部31は、価格調整残り時間の加算処理を実行する(ステップS5−2)。具体的には、制御部31の対顧取引支援部311は、価格調整残り時間を〔価格調整残り時間初期値+「1」〕を用いて更新して、メモリ32に記録する。
一方、条件1に該当しないと判定した場合(ステップS5−1において「NO」の場合)、取引支援システム30の制御部31は、条件2に該当かどうかについての判定処理を実行する(ステップS5−3)。具体的には、制御部31の対顧取引支援部311は、以下の条件2に該当するかどうかを判定する。
条件2:〔mid_diff(t)〕<〔-mid_diff_threshold(t)〕かつ〔position(t)〕>0
ここで、条件2に該当すると判定した場合(ステップS5−3において「YES」の場合)、取引支援システム30の制御部31は、価格調整残り時間の加算処理を実行する(ステップS5−2)。
価格調整残り時間の加算処理(ステップS5−2)を実行後、又は条件1及び条件2のいずれにも該当しないと判定した場合(ステップS5−3において「NO」の場合)、取引支援システム30の制御部31は、価格調整残り時間が残っているかどうかについての判定処理を実行する(ステップS5−4)。具体的には、制御部31の対顧取引支援部311は、メモリ32に記録された価格調整残り時間が「0」になっていない場合には、価格調整残り時間が残っていると判定する。
価格調整残り時間が残っていると判定した場合(ステップS5−4において「YES」の場合)、取引支援システム30の制御部31は、ワイドニング項の反映処理を実行する(ステップS5−5)。具体的には、制御部31の対顧取引支援部311は、一定値シフト項(price_shift_base)に対して、追加的に拡大すべきスプレッド幅を定めた所与の定数(additional_price_shift_base)を加算して更新し、メモリ32に記憶する。
一方、価格調整残り時間が残っていないと判定した場合(ステップS5−4において「NO」の場合)、取引支援システム30の制御部31は、ワイドニング項の反映処理(ステップS5−5)をスキップする。
次に、取引支援システム30の制御部31は、配信価格の決定処理を実行する(ステップS5−6)。具体的には、制御部31の対顧取引支援部311は、図6で示した各変数を用いて、配信価格を決定する。
次に、取引支援システム30の制御部31は、ステップS5−4と同様に、価格調整残り時間が残っているかどうかについての判定処理を実行する(ステップS5−7)。
価格調整残り時間が残っていると判定した場合(ステップS5−7において「YES」の場合)、取引支援システム30の制御部31は、ワイドニング項を反映させた一定値シフト項を元に戻す処理を実行する(ステップS5−8)。具体的には、制御部31の対顧取引支援部311は、メモリ32に記憶している一定値シフト項を元の値に戻す。
一方、価格調整残り時間が残っていないと判定した場合(ステップS5−7において「NO」の場合)、取引支援システム30の制御部31は、ワイドニング項を反映させた一定値シフト項を元に戻す処理(ステップS5−8)をスキップする。
そして、取引支援システム30の制御部31は、価格調整残り時間の減算処理を実行する(ステップS5−9)。具体的には、制御部31の対顧取引支援部311は、メモリ32に記録された〔価格調整残り時間〕を、〔価格調整残り時間−「1」〕を用いて更新する。
(カバー取引指示処理)
図8(a)を用いて、カバー取引指示処理を説明する。
まず、取引支援システム30の制御部31は、ネットポジションの算出処理を実行する(ステップS6−1)。具体的には、制御部31のカバー取引支援部312は、メモリ32から、取引実績情報(評価対象期間の対顧取引実績、カバー取引実績)についての取引量を取得する。そして、カバー取引支援部312は、この取引量の合算値に基づいてネットポジションを算出する。
次に、取引支援システム30の制御部31は、カバータイミングかどうかについての判定処理を実行する(ステップS6−2)。具体的には、制御部31のカバー取引支援部312は、ポジショントリガー値(カバー取引閾値)を算出する。この算出については、後述する。
そして、ネットポジションの絶対値とポジショントリガー値とを比較する。そして、カバー取引支援部312は、ネットポジションの絶対値が、ポジショントリガー値以上となっている場合には、カバータイミングと判定する。
カバータイミングと判定した場合(ステップS6−2において「YES」の場合)、取引支援システム30の制御部31は、カバー取引指示の送信処理を実行する(ステップS6−3)。具体的には、制御部31のカバー取引支援部312は、取引管理システム20に対して、カバー取引の指示を行なう。
一方、カバータイミングでないと判定した場合(ステップS6−2において「NO」の場合)、取引支援システム30の制御部31は、ネットポジションの算出処理(ステップS6−1)に戻る。
(調整トリガー値の算出処理)
図8(b)を用いて、市場の状況に応じてカバータイミングを決定する調整トリガー値の算出処理を説明する。
まず、取引支援システム30の制御部31は、カバープライススプレッドの重み付け平均値(CoverPriceSpreadMean:CPSM)の算出処理を実行する(ステップS7−1)。具体的には、制御部31のカバー取引支援部312は、時点tのカバープライススプレッドの重み付け平均値〔CPSM(t)〕を、以下の式を用いて算出する。
〔CPSM(t)〕=k3*〔CPSM(t-1)〕+(1-k3)*(〔CV(t).Ask〕-〔CV(t).Bid〕)
なお、時点t-1は、1つ前のプライス配信時点を表す。また、〔CPSM(t)〕の初期値は、その時点でのカバープライススプレッドそのものとする。
なお、k3は「〔CPSM(t)〕の計算に用いる重み(CoverPriceSpreadMeanWeight)」であり、所与の定数である。
次に、取引支援システム30の制御部31は、調整実施判定用の含み損閾値、含み益閾値の算出処理を実行する(ステップS7−2)。具体的には、制御部31のカバー取引支援部312は、以下の式を用いて、それぞれ時点tの調整実施判定用含み損閾値〔UnitLossThreshold(t)〕、調整実施判定用含み益閾値〔UnitProfitThreshold(t)〕を算出する。
〔UnitLossThreshold(t)〕=k4*〔CPSM(t)〕
〔UnitProfitThreshold(t)〕=k5*〔CPSM(t)〕
なお、k4(=〔LatentLossThresholdCoefficient〕)は「含み損によるポジショントリガー値調整判定閾値係数」、k5(=〔LatentProfitThresholdCoefficient〕)は「含み益によるポジショントリガー値調整判定閾値係数」であり、いずれも所与の定数である。
次に、取引支援システム30の制御部31は、条件成立かどうかについての判定処理を実行する(ステップS7−3)。具体的には、制御部31のカバー取引支援部312は、以下の3つの不等式うち少なくとも1つが成立する場合、条件成立と判定する。
〔UnitLossThreshold(t)〕≦0
〔UnitProfitThreshold(t)〕≦0
〔UnitProfitThreshold(t)〕≦〔UnitPL(t)〕≦〔UnitProfitThreshold(t)〕
ここで、単位通貨あたりの含み損益〔UnitPL(t)〕は、ポジション=0の場合は「0」、ポジション>0の場合は〔CV(t).Bid〕-〔VWAP(t)〕、ポジション<0の場合は〔VWAP(t)〕-〔CV(t).Ask〕を用いる。なお、〔VWAP(t)〕は、時点tの売買高加重平均価格である。
条件が成立する場合(ステップS7−3において「YES」の場合)、取引支援システム30の制御部31は、ポジショントリガー値の維持処理を実行する(ステップS7−4)。具体的には、制御部31のカバー取引支援部312は、調整トリガー値として、〔PositionTrigger〕の値に変更を加えずに、同じ値を用いる。
一方、条件が成立しない場合(ステップS7−3において「NO」の場合)、取引支援システム30の制御部31は、ポジショントリガー値の変更処理を実行する(ステップS7−5)。具体的には、制御部31のカバー取引支援部312は、時点tの調整トリガー値を、以下の式を用いて算出する。
〔調整トリガー値〕=〔Trunc(〔PositionTrigger〕*exp(k6*abs(UnitPL(t))))〕
なお、k6(=〔LatentProfitLossAdjustCoefficient〕)は「含み損益によるポジショントリガー値調整係数」であり、所与の定数である。
なお、ここでのTrunc関数は、小数部を切り捨てた値を返す関数である。
以上、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、取引支援システム30の制御部31は、第2の提示情報及び取引実績情報の取得処理を実行する(ステップS2−1)。これにより、取引支援システム30は、取引管理システム20が生成した第2の提示情報及び取引実績情報を用いて、カスタマシステム40に提供する第3の提示情報を生成することができる。そして、取引管理システム20は、顧客が取引を希望するときに、機会逸失することなく安定して取引の機会を提供することができる。
(2)本実施形態では、取引支援システム30の制御部31は、配信プライス及び配信サイズの算出処理を実行する(ステップS2−2)。ここでは、一定値シフト項、カバープライススプレッド項、ポジションバイアス項、ワイドニング項を用いる。一定値シフト項により、最低限の期待利益を設定することができる。カバープライススプレッド項によりマーケット状況を考慮して、適切な価格を設定することができる。ポジションバイアス項により、自らのポジションを考慮して、金融機関にとって有利な取引を誘導する価格を設定することができる。ワイドニング項により、自らの保有ポジションに対し、市場の動きが不利になった場合、その程度に応じて顧客取引を回避することができる。
(3)本実施形態では、取引支援システム30の制御部31は、取引量の取得処理(ステップS4−1)、リスクヘッジが必要かどうかについての判定処理(ステップS4−2)を実行する。リスクヘッジが必要と判定した場合(ステップS4−2において「YES」の場合)、取引支援システム30の制御部31は、カバー取引指示の送信処理を実行する(ステップS4−3)。これにより、カバー取引を実施し、マーケットリスクを抑制することができる。
(4)本実施形態では、取引支援システム30の制御部31は、調整トリガー値の算出処理を実行する。これにより、市場の状況に応じて、より適切なタイミングでリスクヘッジを行なうことができる。
なお、上記実施形態は、以下の態様に変更してもよい。
・上記実施形態では、取引管理システム20と取引支援システム30とを用いて、提示情報を生成したが、ハードウェア構成はこれに限定されるものではない。例えば、取引管理システム20内に取引支援システム30を設けるようにしてもよい。
・上記実施形態では、取引支援システム30の制御部31は、配信プライス及び配信サイズの算出(ステップS2−2)、プライス配信処理(ステップS2−3)を実行する。ここで、取引支援システム30から取引管理システム20に対する第3の提示情報(配信プライス及び配信サイズ)の提供方法は、これに限定されるものではない。例えば、取引支援システム30が、プライスプロバイダシステム10として、第3の提示情報を第1の提示情報として提供するようにしてもよい。
・上記実施形態では、取引支援システム30の制御部31は、第2の提示情報の取得処理を実行する(ステップS2−1)。これに代えて、取引支援システム30が、取引管理システム20が取得した第1の提示情報を取得するようにしてもよい。この場合には、取引支援システム30は、第1の提示情報を用いて、第2の提示情報を生成し、第3の提示情報を算出する。
・上記実施形態では、カバープライスとして、第1の提示情報における配信価格を利用する。カバープライスは、これに限定されるものではない。
10…プライスプロバイダシステム、20…取引管理システム、21…制御部、211…対顧取引機能部、212…情報提供機能部、213…情報統合機能部、214…カバー取引機能部、22…第1提示情報記憶部、23…第2提示情報記憶部、24…取引情報記憶部、30…取引支援システム、31…制御部、311…対顧取引支援部、312…カバー取引支援部、32…メモリ、40…カスタマシステム。

Claims (8)

  1. 複数のプライスプロバイダシステムから第1の提示情報を取得し、前記第1の提示情報に基づいて、配信価格、配信サイズを含む第2の提示情報を生成し、カスタマシステムに提供する取引管理システムと接続された制御部を備えた取引支援システムを用いて、プライスプロバイダとカスタマとの取引を支援するためのシステムであって、
    前記制御部が、
    前記取引管理システムから、配信価格、配信サイズを含む前記第2の提示情報を取得し、
    前記第2の提示情報に基づいて算出された中間価格に対して、予め定められたシフト項と、前記プライスプロバイダシステムの動向に基づいて算出されるカバープライススプレッド項と、前記カスタマシステム及び前記複数のプライスプロバイダシステムとの取引量に応じた自己のネットポジションに基づいて算出されるポジションバイアス項を加算した配信価格を算出し、
    前記取引管理システムに対して、前記配信価格及び、現在保有する現状ポジションと、予め設定された最大ポジションに基づいて算出した配信サイズを設定した第3の提示情報を送信し、
    前記取引管理システムは、前記プライスプロバイダシステムから取得した第1の提示情報と、前記第3の提示情報とを用いて新たな第2の提示情報を生成し、前記カスタマシステムに提供することを特徴とするプライスプロバイダとカスタマとの取引を支援するためのシステム。
  2. 前記カバープライススプレッド項、前記第2の提示情報に基づいて算出することを特徴とする請求項1に記載のプライスプロバイダとカスタマとの取引を支援するためのシステム。
  3. 前記ポジションバイアス項、判定時点のネットポジションと、予め設定された最大ポ
    ジションに基づいて算出することを特徴とする請求項1又は2に記載のプライスプロバイダとカスタマとの取引を支援するためのシステム。
  4. 前記第2の提示情報の中間価格が、その時点のネットポジションに対して不利な側に動いた不利状態を検知した場合に、ワイドニング項を加算した前記配信価格を算出することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のプライスプロバイダとカスタマとの取引を支援するためのシステム。
  5. 前記不利状態の解消を検知してから予め定められた期間は、前記ワイドニング項を加算した前記配信価格を算出することを特徴とする請求項4に記載のプライスプロバイダとカスタマとの取引を支援するためのシステム。
  6. 前記制御部が、前記取引管理システムから、カスタマシステム及びプライスプロバイダシステムとの取引量を取得し、前記取引量の合算値に基づいてネットポジションを算出し、前記ネットポジションがカバー取引閾値を超えた場合には、前記プライスプロバイダシステムとの間で、前記第2の提示情報を用いてカバー取引を、前記取引管理システムに対して指示することを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載のプライスプロバイダとカスタマとの取引を支援するためのシステム。
  7. 前記制御部が、前記カバー取引閾値を、前記第2の提示情報、取引実績情報を用いて算出することを特徴とする請求項に記載のプライスプロバイダとカスタマとの取引を支援するためのシステム。
  8. 複数のプライスプロバイダシステムから第1の提示情報を取得し、前記第1の提示情報に基づいて、配信価格、配信サイズを含む第2の提示情報を生成し、カスタマシステムに提供する取引管理システムと接続された制御部を備えた取引支援システムを用いて、取引支援を行なう方法であって、
    前記制御部が、
    前記取引管理システムから、配信価格、配信サイズを含む前記第2の提示情報を取得し、
    前記第2の提示情報に基づいて算出された中間価格に対して、予め定められたシフト項と、前記プライスプロバイダシステムの動向に基づいて算出されるカバープライススプレッド項と、前記カスタマシステム及び前記複数のプライスプロバイダシステムとの取引量に応じた自己のネットポジションに基づいて算出されるポジションバイアス項を加算した配信価格を算出し、
    前記取引管理システムに対して、前記配信価格及び、現在保有する現状ポジションと、予め設定された最大ポジションに基づいて算出した配信サイズを設定した第3の提示情報を送信し、
    前記取引管理システムは、前記プライスプロバイダシステムから取得した第1の提示情報と、前記第3の提示情報とを用いて新たな第2の提示情報を生成し、前記カスタマシステムに提供することを特徴とするプライスプロバイダとカスタマとの取引を支援するための取引支援方法。
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