JP5575051B2 - 書籍カバー - Google Patents

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Description

本発明は、書籍カバーに関し、特に、書籍に付けたインデックスタブを保護する機能が大きい書籍カバーに関する。
書籍カバーは、紙、皮革またはプラスティック製のシートであり、本やノート等の書籍に装着されて、書籍を保護し、書籍の破損と汚れを防止する。書籍カバーは、一般に、表表紙カバー部と背表紙カバー部と裏表紙カバー部からなり、それぞれ書籍の表表紙と背表紙と裏表紙を覆う構造を有する。また、書籍に装着した後、書籍から不用意に剥がれないようにするため、書籍の表紙を挿入する内ポケット構造を設ける等の工夫が施されている態様が多い。
図3は、書籍を購入するときに、書店でしばしば見かける書籍カバーの装着方法を示す説明図である。まず、図3(a)に示すように、書籍カバー30の上縁部30aと下縁部30bを、書籍31の縦方向の長さTに合わせて内側に折り曲げる。図3(b)は、書籍カバー30の上縁部30aと下縁部30bとを、内側に折り曲げた後、書籍カバー30上に書籍31を再度配置した図である。つぎに、書籍31を開け、図3(c)に示すように、裏表紙31aの横方向の長さYに合わせて、書籍カバー30の左側縁部30cを内側に折り曲げる。
その後、上縁部30aと下縁部30bと左側縁部30cにより形成される内ポケット部32に、裏表紙31aを挿入する。同様にして、図3(d)に示すように、書籍カバー30の右側縁部30dを内側に折り曲げて、上縁部30aと下縁部30bと右側縁部30dにより形成される内ポケット部33に、表表紙31bを挿入する。かかる方法により、図3(e)に示すように、書籍カバーを書籍に装着し、書籍カバーにより書籍を保護することができる。
図4は、従来の書籍カバーの他の態様を示す平面図である(特許文献1参照)。図4に示すように、書籍カバー40は、書籍41の裏表紙41aから背表紙を経て表表紙41bまでを被う。書籍カバー40は、裏表紙41aを挿入する内ポケット部42を有する。また、書籍カバー40は、書籍41の表表紙41bを挿通する帯部43を有し、帯部43側に余剰部44を有する。書籍カバー40を書籍41に装着するときは、裏表紙41aを内ポケット部42に挿入し、表表紙41bを帯部43に挿通し、表表紙41bの幅を越える余剰部44は、内側に折り曲げて、表表紙41bと帯部43の間に差し込むように構成されている。
図5は、従来の書籍カバーの他の態様を示す平面図である(特許文献2参照)。図5に示すように、書籍カバー50は、書籍51の裏表紙51aと背表紙51cと表表紙51bを被う。書籍カバー50は、裏表紙51aを挿入する内ポケット部52と、表表紙51bを挿入する内ポケット部53と、余剰部54を備える。裏表紙51aを内ポケット部52に挿入し、表表紙51bを内ポケット部53に挿入することにより、書籍カバー50を書籍51に装着する。装着後、書籍51のページ間に余剰部を挿入し、しおりとして利用することができる。
特開2003−72261号公報 特開2009−196100号公報
書籍のうち、法文集、辞書、手帳、取扱説明書、論文集等においては、参照したいページを素早く参照できるようにするために、参照したいページにインデックスタブを付けることが多い。インデックスタブには、ページの索引の利便性を高めるために、当該ページの概要をメモとして明示することが多く、メモを明示するためのスペースを確保する観点から、インデックスタブは、通常、耳状の出っ張り形状である。また、インデックスタブが多数に上る場合や、複数のインデックスタブを分類したいような場合には、書籍の側面のほか、天面または地面にもインデックスタブを配置することがある。
しかし、従来の書籍カバーでは、構造上、インデックスタブが書籍カバーの外方に突き出るため、書籍の保管、書棚への収納および持ち運びに際して、インデックスタブが破損することが多く、汚れが付きやすいという欠点がある。この場合、書籍カバーに単に張り出し部を設けるのみでは、書籍の自重により書籍カバーが坐屈し、インデックスタブを十分に保護することができない。一方、書籍カバーを剛直な材質とし、または厚くするのみでは、ハンディーで、お洒落で、使い勝手の良い書籍カバーを得ることができない。
本発明の課題は、書籍にインデックスタブを付けても、書籍の保管、書棚への収納および持ち運びに際して、インデックスタブを保護することができる書籍カバーを提供することにある。また、取り扱いやすく、ローコストな書籍カバーを提供することを解決すべき課題とする。
本発明の書籍カバーは、表表紙カバー部と背表紙カバー部と裏表紙カバー部とが一連に配置し、平面視、矩形状の硬質シートからなる。表表紙カバー部の自由端から背表紙カバー部までの長さaが、裏表紙カバー部の自由端から背表紙カバー部までの長さaと等しい。表表紙カバー部には、書籍の表表紙を挿入して書籍を保持するための表表紙用の内ポケット部を接合し、接合部分の幅がdであり、表表紙カバー部は、表表紙用の内ポケット部から表表紙カバー部の自由端に向けて長さb延長する張り出し部を有する。一方、裏表紙カバー部には、書籍の裏表紙を挿入して書籍を保持するための裏表紙用の内ポケット部を接合し、接合部分の幅がdであり、裏表紙カバー部は、裏表紙用の内ポケット部から裏表紙カバー部の自由端に向けて長さb延長する張り出し部を有する。また、硬質シートの厚さをtとし、書籍カバーの天地方向の長さをhとするとき、ht3/(a+b+d)2が、3.7×10-4mm2〜2.4×10-2mm2である。
硬質シートは、JIS K7161-1994による引張弾性率が、1500MPa〜2400MPaであるシートを好ましく使用することができる。硬質シートの厚さtは、0.45mm〜1.2mmが好ましく、b+dは、10mm〜30mmが好ましい。また、書籍カバーは、天側と地側とに各々、内ポケット部から外方へ長さc延長する張り出し部を備え、c+dが10mm〜30mmである態様が好適である。さらに、書籍カバーがケース部を備え、ケース部が、表表紙カバー部と裏表紙カバー部とを折り重ねた書籍カバーを挿入することにより書籍カバーを収容する態様が好ましい。
本発明の書籍カバーは、書籍に付けたインデックスタブを保護する機能が大きく、軽装でハンディーな書籍カバーを提供することができる。
本発明の書籍カバーの説明図である。 ケース部を備える本発明の書籍カバーの斜視図である。 書籍を購入するときに、書店でしばしば見かける書籍カバーの装着方法を示す説明図である。 従来の書籍カバーの他の態様を示す平面図である。 従来の書籍カバーの他の態様を示す平面図である。 書籍カバーの座屈を確認するための試験装置の断面図である。
図1は、本発明の書籍カバーの説明図であり、図1(a)は、書籍カバー10の平面図であり、図1(b)は、書籍1に書籍カバー10を装着したときの斜視図である。本発明の書籍カバー10は、図1(a)に示すように、表表紙カバー部10aと、背表紙カバー部10bと、裏表紙カバー部10cとが一連に配置し、平面視、矩形状の硬質シートからなる。矩形とは、長方形または正方形を意味する。また、表表紙カバー部10aの自由端10a1から背表紙カバー部10bまでの長さaと、裏表紙カバー部10cの自由端10c1から背表紙カバー部10bまでの長さaとが等しい。
図1に示すように、表表紙カバー部10aには、書籍1の表表紙1aを挿入して書籍を保持するための表表紙用の内ポケット部2を接合し、接合部分の幅がdである。また、表表紙カバー部10aは、表表紙用の内ポケット部2から、表表紙カバー部10aの自由端10a1に向けて長さb延長する張り出し部4を有する。同様に、裏表紙カバー部10cには、書籍の裏表紙を挿入して書籍を保持するための裏表紙用の内ポケット部3を接合し、接合部分の幅がdである。また、裏表紙カバー部10cは、裏表紙用の内ポケット部3から裏表紙カバー部10cの自由端10c1に向けて長さb延長する張り出し部5を有する。
書籍カバー10は、表表紙用の内ポケット部2と裏表紙用の内ポケット部3とを有するため、各々表表紙1aと裏表紙とを挿入することにより、書籍を確実に保持することができる。また、書籍カバー10が、かかる張り出し部4,5を有するため、図1(b)に示すように、耳状の出っ張り形状であるインデックスタブ8を付けた書籍1においても、インデックスタブ8が書籍カバー10の外方に突き出さない。したがって、書籍1の保管、書棚への収納および鞄等に入れて持ち運ぶ際に、書籍カバー10によりインデックスタブ8を保護することができる。インデックスタブのサイズにより異なるが、インデックスタブを書籍カバーにより保護する点で、b+dは、10mm以上が好ましく、15mm以上がより好ましい。
図1(a)に示すように、書籍カバー10に使用する硬質シートの高さ、すなわち書籍カバー10の天地方向の長さをhとし、厚さをtとする。また、図1(b)に示すように、書籍1に書籍カバー10を装着し、書籍1を閉じた後、表表紙カバー部の自由端10a1と裏表紙カバー部の自由端10c1を下向きに配置し、背表紙カバー部10bが上向きになるように配置する。この状態の表表紙カバー部10aと裏表紙カバー部10cの断面二次モーメントIは、
Figure 0005575051
である。
また、座屈加重W,端末係数n、材料の引張弾性率E、荷重点から下端までの長さLとの間には、オイラーの式により、
Figure 0005575051
の関係がある。
上記の配置では、書籍の荷重は、書籍の重心から下向きにかかるため、
Figure 0005575051
である。
(式1)と(式3)を、(式2)に代入すると、
Figure 0005575051
である。したがって、座屈荷重Wは、ht3/(a+b+d)2により変動する。
図1に示すように、書籍1に付けたインデックスタブ8を保護するために、書籍カバー10に張り出し部4,5を設けた場合、書籍カバーのサイズを適切に設計しないと、保管し、書棚に収納し、または鞄等に入れて持ち運ぶ際に、書籍の自重により書籍カバーが坐屈し、インデックスタブを保護することが難しい。(式4)に示すとおり、座屈荷重Wは、硬質シートの厚さtの3乗に比例し、(a+b+d)の2乗に反比例する。
書籍カバーを装着する書籍の重量により座屈荷重Wの想定値が変化し、これに応じて書籍カバーの設計値が異なる。しかし、B5,B6,A6,A5,A4程度のサイズの通常の書籍に装着する書籍カバーの場合、一般的な目安として、座屈荷重Wを大きくする点で、硬質シートの厚さtは0.45mm以上が好ましく、0.6mm以上がより好ましい。また、座屈荷重Wを大きくする点と、材料の無駄を省き、コストを低減する点で、b+dは、30mm以下が好ましく、25mm以下がより好ましい。かかる書籍カバーを設計することにより、書籍の表紙が柔らかく、薄い場合でも、座屈を抑制し、インデックスタブの破損と汚れを防止することができる。
インデックスタブが多数に上る場合や、複数のインデックスタブを分類したい等の場合には、書籍の側面のほか、天面または地面にもインデックスタブを配置することがある。図1(b)には、書籍1の天面と地面の双方にインデックスタブ9を付けた例を示す。かかる態様においても、書籍の保管、書棚への収納および持ち運びに際して、インデックスタブを破損から保護し、汚れを防止する点で、図1(a)に示すように、天側と地側とに各々、内ポケット部から外方へ長さc延長する張り出し部6,7を備える書籍カバーを装着するのが好ましい。c+dは、インデックスタブを十分に保護する点と、h値を大きくすることにより、式(4)に示す座屈荷重Wを大きくする点で、10mm以上が好ましく、15mm以上がより好ましい。
一方、使い勝手がよく、ハンディーな書籍カバーを提供する点と、材料の無駄を省き、コストを低減する観点から、硬質シートの厚さtは、1.2mm以下が好ましく、1.0mm以下がより好ましい。同様の観点から、c+dは、30mm以下が好ましく、25mm以下がより好ましい。
書籍の平面視サイズが、B6,B5,A6,A5,A4であって、d=4mm、b+d=25mm、c=0mmであり、硬質シートの厚さt=0.45mmの場合と、厚さt=1.2mmの場合について、ht3/(a+b+d)2の値を表1に示す。
Figure 0005575051
表1に示すとおり、d=4mm、b+d=25mm、c=0mmの場合において、ht3/(a+b+d)2の最小値4.111×10-4mm2は、A4サイズでt=0.45mmのときであり、最大値1.122×10-2mm2は、A6サイズでt=1.2mmのときである。したがって、b値とc値とd値により異なるが、一般的には、書籍の表紙が柔らかく、薄い場合においても、書籍カバーの座屈を抑制する観点から、ht3/(a+b+d)2は、4.1×10-4mm2以上がより好ましい。一方、軽装で、ハンディーな書籍カバーを提供するとともに、張り出し部の長さbを確保し、インデックスタブを十分に保護する点で、ht3/(a+b+d)2は1.2×10-2mm2以下がより好ましい。
また、書籍の平面視サイズが、B6,B5,A6,A5,A4である場合、b値とc値とd値が一定であるときは、ht3/(a+b+d)2が最小となるのは、A4サイズ、t=0.45mmのときである。そして、A4サイズ、t=0.45mmであり、d=3mm、b+d=30mm、c=0mm、c+d=3mmのときに、ht3/(a+b+d)2が最小値3.79×10-4mm2となる。したがって、書籍の表紙が柔らかく、薄い場合においても、書籍カバーの座屈を抑制する点で、ht3/(a+b+d)2は、3.7×10-4mm2以上が好ましい。
一方、書籍の平面視サイズが、B6,B5,A6,A5,A4である場合、b値とc値とd値が一定であるときは、ht3/(a+b+d)2が最大となるのは、A6サイズ、t=1.2mmのときである。そして、A6サイズ、t=1.2mmであり、b+d=10mm、c+d=30mmのときに、ht3/(a+b+d)2が最大値2.30×10-2mm2となる。したがって、張り出し部の長さbを確保し、インデックスタブを十分に保護する点で、ht3/(a+b+d)2は、2.4×10-2mm2以下が好ましい。
書籍カバーに使用する硬質シートの材質は、書籍の自重による書籍カバーの坐屈を抑制し、インデックスタブを保護する点で、JIS K7161-1994による引張弾性率(ヤング率)Eは、1500MPa以上が好ましく、1600MPa以上がより好ましい。一方、硬質シートの割れを防止し、耐衝撃性等の強度を維持する点で、JIS K7161-1994による引張弾性率Eは、2400MPa以下が好ましく、2200MPa以下がより好ましい。本明細書において、硬質シートとは、剛性の高いシートを意味する。
a値、b値、E値等を好ましい範囲内で適切に設定することにより、書籍カバーの自由端を下向きに、背表紙を上向きに配置した状態でも、書籍カバーの座屈を抑制することができる。たとえば、B6サイズでは、好ましくは0.13kg〜7.5kg、より好ましくは0.38kg〜3.4kgの書籍を保持することができる。B5サイズでは、好ましくは0.11kg〜5.3kg、より好ましくは0.30kg〜2.5kgの書籍を保持することができる。A6サイズでは、好ましくは0.14kg〜9.1kg、より好ましくは0.42kg〜3.9kgの書籍を保持することができる。A5サイズでは、好ましくは0.12kg〜6.5kg、より好ましくは0.35kg〜3.0kgの書籍を保持することができる。A4サイズでは、好ましくは0.098kg〜4.6kg、より好ましくは0.30kg〜2.2kgの書籍を保持することができる。
図2は、ケース部を備える本発明の書籍カバーの斜視図である。図2(a)に示すように、表表紙カバー部20aと裏表紙カバー部20cとを折り重ねた後、書籍カバー20を矢印の方向にケース部21へ挿入する。その結果、図2(b)に示すように、書籍カバー20をケース部21に収容することができる。書籍カバー20が、ケース部21を備えると、ケース部に収容後、書籍カバーの表表紙カバー部20aと裏表紙カバー部20bとがケース部21により、外方から内方に押さえられるため、書籍カバーの座屈および曲げをより一層抑制できる点で好ましい。
ケース部は、書籍カバーをスムーズに挿入し、取り出すことができるように、書籍カバーに比べて、サイズ上、多少大き目に形成する態様が好ましい。図2では、説明のために、ケース部が透明なシートにより形成した例を示すが、不透明なシートにより形成することもできる。ケース部は、書籍カバーを形成する硬質シートと同一のシートにより形成すると、容易に製造できる点で好ましい。
書籍カバーを形成する硬質シートは、機械的強度が大きく、化学的に安定である点で、ポリエステル、ポリアミド、ポリアラミド、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリスチレン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリカーボネート、ポリアセタール、フッ素樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール等の有機系高分子樹脂、紙、皮革等からなるシートが好ましい。この中でも、ポリプロピレンは、表表紙カバー部と背表紙カバー部間、および裏表紙カバー部と背表紙カバー部間における折り曲げ反復性が強い点で好ましい。
図1(a)に示すように、表表紙用の内ポケット部2と裏表紙用の内ポケット部3は、表表紙カバー部10aと裏表紙カバー部10cと同一のシートにより形成すると、手軽に製造することができる点で好ましい。また、内ポケット部を、剛性の高いシートで形成すると、表表紙カバー部10aと裏表紙カバー部10cの剛性を補強することができる点で好ましい。一方、内ポケット部は、書籍の表表紙等を挿入することにより、書籍を保持する機能を発揮する部位である。したがって、軽装でハンディーな書籍カバーを提供するときは、内ポケット部には、厚さ0.1mm〜0.3mm程度の薄層シートを好ましく使用することができる。書籍の表表紙等の内側に印刷部分があるときは、内ポケット部は透明なシートにより形成する態様が好ましい。
表表紙用の内ポケット部と表表紙カバー部との接合、および裏表紙用の内ポケット部と裏表紙カバー部との接合は、これらを形成するシートの材質、保持する書籍の重量等に応じて任意の方法を選択することができる。また、接合した部分の幅dは、3mm〜5mmとする態様が好ましい。たとえば、接着剤により接合するときは、アクリル接着剤、塩化ビニル接着剤等の溶剤系接着剤、エポキシ接着剤等の溶液型接着剤、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリアクリル酸メチル等のホットメルト接着剤等を使用することができる。
有機系高分子樹脂シートを使用する場合は、内ポケット部とカバー部との接合を熱溶着または超音波溶着により行うことができる。熱溶着によるときは、2枚のシートを直接、接合することができるが、シートの熱溶着する側に熱溶着樹脂層を形成する態様が好ましい。また、シートと熱溶着樹脂層との接合強度を高める点で、シートと熱溶着樹脂層との間にドライラミネート接着剤層を設ける態様がより好ましい。熱溶着樹脂層は、加熱により溶融し、隣接する2層を相互に溶着する。熱溶着樹脂層には、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、ポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィンを好ましく使用することができる。
また、熱溶着樹脂層には、ポリ酢酸ビニル、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体、熱溶着性のポリエチレンテレフタレート等からなる樹脂を好ましく使用することができる。熱溶着樹脂層の厚さは、3μm〜40μmが好ましく、5μm〜30μmがより好ましい。ドライラミネート接着剤層は、2液硬化型接着剤が好適であり、ポリエステルウレタンポリオール/芳香族ポリイソシアネート系、ポリエーテルポリウレタン/エポキシ系、ポリエーテルウレタンポリオール/脂肪族ポリイソシアネート系、ポリエステル/脂肪族イソシアネート系、ポリエステル/芳香族イソシアネート系が好ましい。ドライラミネート接着剤層は、2g/m2〜20g/m2が好ましい。
熱可塑性樹脂シート同士を接合するときは、超音波溶着を利用することができる。超音波溶着は、シート同士を超音波振動と加圧により瞬時に溶融し、接合する。超音波溶着機は、電気エネルギーを機械的振動エネルギーに変換し、同時に加圧することにより、2枚の熱可塑性樹脂シートの接合面に摩擦熱を発生させ、樹脂を溶融して接合する。まず、50/60Hz、AC200Vの電気信号を発振器に送り、たとえば、20kHz、1000V程度に増幅する。つぎに、発振器から電気信号を振動子へ伝達し、ピエゾ圧電素子により、電気信号を機械的振動エネルギーに変換し、振動エネルギーによりシートの境界面で強力な摩擦熱が発生し、樹脂の溶融温度まで瞬時に上昇し、1秒程度で溶着が完了する。
図1(a)に示すように、表表紙用の内ポケット部2と裏表紙用の内ポケット部3は、入口を斜めにカットする態様、または入口の端部に切り欠き部を設ける態様にすると、書籍の表紙を挿入しやすくなる点で好ましい。一方、内ポケット部の入口を斜めにカットせず、入口を背表紙カバー部に平行にカットする態様、または内ポケット部の面積を広くする態様は、表紙カバー部に対する補強効果を高めることができる点で好ましい。
実施例1
本実施例においては、図1(a)に示すように、表表紙カバー部10aと背表紙カバー部10bと裏表紙カバー部10cとが一連に配置し、平面視、矩形状の硬質シートからなる書籍カバーを作成した。表表紙カバー部には、書籍の表表紙を挿入して書籍を保持するための表表紙用の内ポケット部2を接合し、裏表紙カバー部には、書籍の裏表紙を挿入して書籍を保持するための裏表紙用の内ポケット部3を接合した。
硬質シートは、JIS K7161-1994による引張弾性率E=2000MPa=200kg/mm2、厚さt=0.75mmであるポリプロピレンシートを使用し、B6サイズ(128mm×182mm)の書籍に装着するための書籍カバーを作成した。まず、図1(a)に示すように、b=25mm、c=25mm、表表紙カバー部と表表紙用の内ポケット部との接合部分の幅d=3mm、裏表紙カバー部と裏表紙用の内ポケット部との接合部分の幅d=3mmとなるように、内ポケット部を接合した。内ポケット部は、上述の硬質シートにより作成した。
a=128+3+25=156mm、a+b+d=156+25+3=184mm、h=25×2+3×2+182=238mmであった。自由端−固定端の場合の端末係数n=0.25を用いると、ht3/(a+b+d)2=2.966×10-3mm2となり、表表紙カバー部と裏表紙カバー部の2枚のシートがあるため、(式4)により理論上、W=975gとなる。B6サイズ(128mm×182mm)の薄手の上質紙(坪量52.3g/m2)は、1.218g/枚であるから、W=975gは、800枚(×2=1600ページ)に相当する。したがって、B6サイズの上質紙(坪量52.3g/m2)780枚(;1560ページ)からなる書籍を作成し、上記の書籍カバーに装着した。なお、インデックスタブは取り付けなかった。
図6は、書籍カバーの座屈を確認するための試験装置の断面図である。図6(a)に示す試験装置は、箱体61の底部に仕切り板64,65,66を固定することにより、幅3mm程度の溝を形成している。図6(a)に示すように、書籍1を装着した書籍カバー10を箱体61内に配置するとき、書籍カバー10の表表紙カバー部10aと裏表紙カバー部10bの自由端を溝に挿入する。カバー部の自由端は、溝内で自由に動くことができる。また、箱体61の上部には、配置した書籍カバー10が倒れないようにするために、支え板62,63を設けた。書籍カバー10は、支え板62,63の間を自由に動くことができる。図6(a)に示すように、箱体61内に書籍カバー10を配置した後、書籍カバーが坐屈すると、図6(b)に示すような態様となるので、書籍カバーの座屈の有無を確認することができる。なお、書籍の表紙を挿入する内ポケット部は図示していない。
本実施例において作成したB6サイズの上質紙(坪量52.3g/m2)780枚(;1560ページ)からなる書籍を装着した書籍カバーは、図6に示す装置で試験した結果、座屈しないことが確認できた。
実施例2
本実施例では、A6サイズ(105mm×148mm)の書籍について評価した以外は、実施例1と同様にして座屈の有無を確認した。a=105+3+25=133mm、a+b+d=133+25+3=161mm、h=148+25×2+3×2=204mmであった。したがって、ht3/(a+b+d)2=3.320×10-3mm2となり、表表紙カバー部と裏表紙カバー部の2枚のシートがあるため、(式4)により設計上、W=1091gとなる。
A6サイズ(105mm×148mm)の上質紙(坪量73.3g/m2)は、1.139g/枚であるから、W=1091gは、958枚(×2=1916ページ)に相当する。したがって、A6サイズの上質紙(坪量73.3g/m2)940枚(;1880ページ)からなる書籍を作成し、上記の書籍カバーに装着した。なお、インデックスタブは取り付けなかった。
本実施例において作成したA6サイズの上質紙(坪量73.3g/m2)940枚(;1880ページ)からなる書籍を装着した書籍カバーは、図6に示す装置で試験した結果、座屈しないことが確認できた。
実施例3
実施例1において、A4サイズ(210mm×297mm)の書籍とし、引張弾性率E=1500MPa=150kg/mm2、厚さt=0.45mm、b+d=30mm、c+d=10mmに変更した以外は、実施例1と同様にして座屈の有無を確認した。a=210+30=240mm、a+b+d=240+30=270mm、h=10×2+297=317mmであった。ht3/(a+b+d)2=3.963×10-4mm2となり、表表紙カバー部と裏表紙カバー部の2枚のシートがあるため、(式4)により理論上では、W=97.7gとなる。
A4サイズ(210mm×297mm)の薄手の上質紙(坪量52.3g/m2)は、3.262g/枚であるから、W=97.7gは、30枚(×2=60ページ)に相当する。したがって、A4サイズの上質紙(坪量52.3g/m2)25枚(;50ページ)からなる書籍を作成し、上記の書籍カバーに装着した。なお、インデックスタブは取り付けなかった。
本実施例において作成したA4サイズの上質紙(坪量52.3g/m2)25枚(;50ページ)からなる書籍を装着した書籍カバーは、図6に示す装置で試験した結果、座屈しないことが確認できた。
書籍に取り付けたインデックスタブを保護する機能が大きく、軽装でハンディーな書籍カバーを提供することができる。
1 書籍
2 表表紙用の内ポケット部
3 裏表紙用の内ポケット部
4,5,6,7 張り出し部
8,9 インデックスタブ
10 書籍カバー
10a,20a 表表紙カバー部
10b 背表紙カバー部
10c,20c 裏表紙カバー部
21 ケース部
61 箱体
62,63 支え板
64,65,66 仕切り板

Claims (6)

  1. 表表紙カバー部と背表紙カバー部と裏表紙カバー部とが一連に配置し、平面視、矩形状の硬質シートからなる書籍カバーであって、
    表表紙カバー部の自由端から背表紙カバー部までの長さaと、裏表紙カバー部の自由端から背表紙カバー部までの長さaとが等しく、
    表表紙カバー部には、書籍の表表紙を挿入して書籍を保持するための表表紙用の内ポケット部を接合し、接合部分の幅がdであり、表表紙カバー部は、表表紙用の内ポケット部から表表紙カバー部の自由端に向けて長さb延長する張り出し部を有し、
    裏表紙カバー部には、書籍の裏表紙を挿入して書籍を保持するための裏表紙用の内ポケット部を接合し、接合部分の幅がdであり、裏表紙カバー部は、裏表紙用の内ポケット部から裏表紙カバー部の自由端に向けて長さb延長する張り出し部を有し、
    硬質シートの厚さをtとし、書籍カバーの天地方向の長さをhとするとき、ht3/(a+b+d)2が、3.7×10-4mm2〜2.4×10-2mm2である書籍カバー。
  2. 前記硬質シートは、JIS K7161-1994による引張弾性率が、1500MPa〜2400MPaである請求項1に記載の書籍カバー。
  3. 前記硬質シートは、厚さtが0.45mm〜1.2mmである請求項1または2に記載の書籍カバー。
  4. b+dが10mm〜30mmである請求項1〜3のいずれかに記載の書籍カバー。
  5. 前記書籍カバーは、天側と地側とに各々、内ポケット部から外方へ長さc延長する張り出し部を備え、c+dが10mm〜30mmである請求項1〜4のいずれかに記載の書籍カバー。
  6. 前記書籍カバーは、さらにケース部を備え、該ケース部は、前記表表紙カバー部と前記裏表紙カバー部とを折り重ねた書籍カバーを挿入することにより書籍カバーを収容する請求項1〜5のいずれかに記載の書籍カバー。
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