JP5574826B2 - 列車制御装置 - Google Patents
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Description
ここで、vは速度、nは使用しているノッチ指令値、単位は全て[km/h/s]とする。上記したように加減速力(v,n)は、平坦走行路で各ノッチnを適用した場合の列車加減速度を示し、ノッチ特性モデル20に格納された値である。空気抵抗(v)は各走行速度vに対応する空気抵抗R[km/h/s]を示し、次式(3)で示される。
予測速度が追従バンド内にない場合(ST103のNo)、ノッチ指令決定部18はノッチ指令候補を決定する(ST104)。つまりノッチ指令決定部18は、速度予測結果が追従バンド上限以上の速度であった場合、現在より1ランク低下したノッチ指令値を速度予測部17に提供し、速度予測結果が追従バンド下限以下であった場合、現在より1ランク上昇したノッチ指令値を速度予測部17に提供する。
速度予測部17は、ST101で求められた加減速度と、加減速力(現在のノッチ指令値に対応する値)及び空気抵抗を式(2)に適用し、勾配抵抗を計算する(ST105)。又速度予測部17は、ノッチ指令決定部18から受信されたノッチ指令候補に対応する加減速力を特性評価部16により判断する(ST106)。更に速度予測部17は、該加減速力と空気抵抗とステップST105で求めた勾配抵抗を使用して、式(2)から、加減速度(=勾配抵抗+加減速力+空気抵抗)を求める(ST107)。又速度予測部17は、求めた加減速度から所定時間後の列車速度を予測し、ノッチ指令決定部18に提供する。
次に、速度制御における速度追従バンドについて説明する。
勾配変化点は多数存在するが、制御上考慮が必要となるような急勾配は少ないため、制御上問題となる(急激なノッチ変化が必要となる)ような急勾配の手前に必要最小限のトランスポンダを設置することにより、制御上考慮が必要な勾配を認識して、バンドを制限する範囲を決定しても良い。この場合、トランスポンダは、勾配量に応じて前もって速度制御を行うことが可能なだけ、勾配区間から距離を持たせて配置する。
速度の高い区間においては、空気抵抗が大幅に大きくなるため勾配とのバランスノッチが存在しないケースが存在する。つまり、空気抵抗によって加速力が相殺され、最も強い力行ノッチを用いてもある上り勾配以上の区間では速度が落ち続けてしまうような区間が存在する。
異なる電気方式や電力会社間の接続点に設けられ、架線に給電されていない区間・地点を一般にセクションと呼び、この区間を走行中は給電がストップするため惰行状態となる。このようなセクションでは強制的に一定時間ノッチオフとなるため、その前にバンドの上下限近辺に速度が推移していると、ノッチオフとなって加減速の制御ができない間に要求されるバンドの範囲を逸脱する可能性がある。
セクションの手前(前もって速度制御を行うことが可能なだけの距離を持たせるものとする)に必要最小限のトランスポンダを設置することにより、セクションを認識してバンドを制限する範囲を決定する。その際、バンドを制限する範囲は、列車速度から求めた空気抵抗とセクション区間の勾配抵抗から、「セクション通過中に変動する速度」を演算し、その変動速度を基に決定する。
セクションの有無をDB上の軌道回路情報に持たせる。DB上では、一般に路線上の各位置がどの軌道回路(ID)に対応するか、勾配及び最高速情報が記録されている。本実施例では、各軌道回路にセクションの有無情報を記録し、セクションの有無に応じて速度制御する。軌道回路は、在来線では例えば100m単位、新幹線などでは1km単位に設けられており、列車がどの軌道回路上を走行中であるかが駅の運行管理システムにて把握され、基本的に1軌道回路内に1列車のみが許容される。DB上の軌道回路情報にセクションの有無情報を持たせることにより、地上から受信した軌道回路の識別IDと軌道回路並び(順番)から、これからセクションが設けられた軌道回路に進入するか否かを、DBを参照して認識することができる。
上記第2実施例では、速度追従バンド幅を制限することで列車速度をある範囲に入れることを目的としていた。バンド内に収めるように制御を行うメリットとしては、所定時間後の速度がバンド内であれば、極力ノッチを変化させない「バンド内に収める制御」を行うことによって、乗り心地の向上・機器への負担低減を実現することである。しかし、勾配変化やセクションなどにより、速度がある方向に変動することが予め想定される区間においては、バンド内に収める制御から、「目標速度を狙う制御」に切り替える。この目標速度を狙う制御とは、バンド幅を極力狭めた速度制御のことをいう。例えば前方路線区間が上り勾配となっている場合、目標速度を追従バンド幅上限値より僅かに低い値に設定して、予測速度が規定範囲内であっても、目標速度以下であればノッチ指令値を変化し、より正確な列車速度制御を行う。勾配区間を走行中は、再度前述の制限されたバンド内に収める制御に切り替える。これにより、勾配区間を走行中に列車速度を確実に追従バンド内に収めることができる。
ではなく、様々な変形例を容易に実施することができるものである。
以下、本出願当初の特許請求の範囲の記載を付記する。
[1]
現在の列車速度をサンプリングして、加減速度を求める手段と、
前記加減速度及びノッチ特性に基づいて、走行路の勾配抵抗を求め、前記勾配抵抗及びノッチ特性を用いて所定時間後の列車速度を演算する演算手段と、
所定時間後の列車速度が速度追従バンド内に収まるよう、列車速度を制御する制御手段と、
を具備することを特徴とする列車制御装置。
[2]
路線の勾配及び位置情報を含む路線情報DB(data base)と、
前記勾配抵抗から勾配値を求め、前記路線情報DBを検索し、前記勾配値から現在位置を判断する手段を更に具備することを特徴とする[1]記載の列車制御装置。
[3]
前記制御手段は、前方走行区間の勾配に応じて、前記速度追従バンドを狭いバンドに変更することを特徴とする[1]又は[2]記載の列車制御装置。
[4]
勾配及び位置情報を含む路線情報DB(data base)と、
列車速度が速度追従バンド内に収まるよう列車速度を制御する制御手段と、
列車の現在位置を判断する判断手段と、
前記路線情報DBにおける前記現在位置の検出に基づいて、前方路線区間が勾配を有しているか確認する確認手段と、
前記前方路線区間が勾配を有している場合、前記追従バンドを前記勾配に応じて狭いバンドに変更する変更手段とを具備し、
前記制御手段は、前記変更された追従バンドに収まるよう列車速度を制御することを特徴とする列車制御装置。
[5]
前記変更手段は、高速域での空気抵抗増大及び上り勾配による走行抵抗増大を予測して、前記追従バンドを変更することを特徴とする[4]記載の列車制御装置。
[6]
前記確認手段は、前方路線区間にセクションが配置されているか前記DBにて確認し、前記変更手段は、前記セクション通過における速度低下を予測して、前記追従バンドを変更することを特徴とする[4]記載の列車制御装置。
Claims (6)
- 現在の列車速度をサンプリングして、加減速度を求める手段と、
前記加減速度及びノッチ特性に基づいて走行路の勾配抵抗を求め、前記勾配抵抗及びノッチ特性を用いて所定時間後の列車速度を演算する演算手段と、
所定時間後の列車速度が速度追従バンド内に収まるよう、列車速度を制御する制御手段と、を具備し、
前記制御手段は、前方の走行区間の勾配に応じて前記速度追従バンドを狭くすることを特徴とする列車制御装置。 - 前記制御手段は、前方の走行区間が下り勾配のときは速度追従バンドの上限値を下げ、上り勾配のときは速度追従バンドの下限値を上げることで前記速度追従バンドを狭くすることを特徴とする請求項1に記載の列車制御装置。
- 前記制御手段は、所定時間後の列車速度が速度追従バンド内に収まるノッチを選択することを特徴とする請求項1又は2に記載の列車制御装置。
- 勾配及び位置情報を含む路線情報DB(data base)と、
列車速度が速度追従バンド内に収まるよう列車速度を制御する制御手段と、
列車の現在位置を判断する判断手段と、
前記路線情報DBにおける前記現在位置の検出に基づいて、前方路線区間が勾配を有しているか確認する確認手段と、
前記前方路線区間が勾配を有している場合、前記追従バンドを前記勾配に応じて狭いバンドに変更する変更手段とを具備し、
前記制御手段は、前記変更された追従バンドに収まるよう列車速度を制御することを特徴とする列車制御装置。 - 前記変更手段は、高速域での空気抵抗増大及び上り勾配による走行抵抗増大を予測して、前記追従バンドを変更することを特徴とする請求項4記載の列車制御装置。
- 前記確認手段は、前方路線区間にセクションが配置されているか前記DBにて確認し、前記変更手段は、前記セクション通過における速度低下を予測して、前記追従バンドを変更することを特徴とする請求項4記載の列車制御装置。
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