JP5574078B2 - X線撮影装置 - Google Patents
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Description
そして、取得された複数のX線画像は互いにつなぎ合わされ、被検者の長尺X線画像が生成される(例えば、特許文献1、2参照)。
しかしながら、長尺撮影の際には、X線管およびX線検出器を一定の範囲内において移動させながらX線撮影を行うので、X線管およびX線検出器の移動時間に比例して撮影時間が増大する。また、長尺X線画像は、一連のX線画像をつなぎ合わせたものからなり、よって、個々のX線画像の間に不整合が生じると正確な長尺画像を取得することができないので、通常、被検者は、長尺撮影の間にできるだけ体を動かさないように指示され、これは被検者にとって大きな負担となっている。
さらに、前記X線管および前記X線検出器が、前記移動範囲内において前記両端の撮影位置を含む3つ以上の撮影位置をとる場合、前記制御部は、前記X線管および前記X線検出器が前記両端の撮影位置を除く撮影位置をとるとき、前記X線検出器の前記X線画像取得エリアを前記検出面の中央に位置させる制御信号を前記X線検出器移動機構に送信することが好ましい。
本発明のこの効果は、特に、長尺撮影の間にX線管を首振り運動させる構成の場合に顕著である。これに対し、長尺撮影の間にX線管がX線検出器とともに被検体の体軸方向に平行移動する構成では、本発明のこの効果は、X線検出器移動機構の駆動モータの出力が、X線管移動機構の駆動モータの出力に比べて小さい場合に有意義なものとなる。
図1を参照して、X線撮影装置は、X線透過材料から形成され、被検者Mが臥位に支持される天板1と、天板1の上方に配置され、被検者MにX線を照射するX線管2と、天板1の下側に配置され、被検者Mからの透過X線を検出するX線検出器3を備えている。
この実施例では、臥位をとる被検者Mを長尺撮影するので、天板1が備えられるが、立位をとる被検者Mを長尺撮影する場合には、天板1は不要であり、その代わりに被検者Mの後側にX線透過材料から形成された衝立が設けられる。
X線管2には高圧電源装置5が接続され、また、X線管2は、X線管移動機構6によって支持され、初期位置まで垂直方向および天板1の長手方向に移動可能に、かつ長尺撮影の間に、初期位置においてX線管2の焦点のまわりに被検者Mの体軸に沿って首振り運動可能になっている。X線管移動機構6には、X線管2の床面からの高さ、天板長手方向の位置、および首振りの角度(X線管2から照射されるX線の中心が垂線に対してなす角度)を検出する位置検出器13が備えられる。
図2(A)を参照して、長尺撮影に際し、まず、天板1の位置が設定される。このとき、制御部8は、位置検出器15の検出信号を受け、天板1の床面からの高さを記録する。そして、被検者Mが天板1上に寝かされ、X線管2が操作者の手動によって撮影距離設定位置P(長尺撮影範囲内の任意の点を通る垂線上にある)まで動かされ、X線管2の(図示しない)撮影距離設定ボタンが操作者によって押される。このとき、制御部8は、位置検出器13の検出信号を受け、X線管2の床面からの高さおよび天板長手方向の位置x2を記録し、さらに、床面からの高さと、既に記録された天板1の床面からの高さと、予め設定されたX線検出器3から天板1までの距離dとに基づいて撮影距離D(X線管2の焦点および検出器3の検出面間の距離)を算出し、記録する。
x1=x2−(D−d)×tanθ
x4=x2−D×tanθ
に従って、長尺撮影範囲の一方の端Aの位置x1、並びに、長尺撮影画像の長手方向の一方の端Eの位置x4を算出し、それらを記録する。
EF≦N×s−(N−1)×f
を満たすNの最小値を求め、それを撮影枚数Nとし、記録する。なお、図2の実施例では、撮影枚数N=3である。
そして、例えば、EFをN等分する場合には、1撮影当たりに取得されるX線画像の長さLは、
L=[EF+(N−1)×f]/N
となる。
x7=x4+L
であり、そして、X線照射範囲は線分EJとなり、X線の入射線上の位置を点I(x6)とすれば、
x6=x4+a
である。また、角の二等分線の性質より、
a:b=√[D2+(x2−x4)2]:√[D2+(x2−x7)2]
が成立する。さらに、距離の比例等分より、
a=L×a/(a+b)
=L×√[D2+(x2−x4)2]/[√(D2+(x2−x4)2)+√(D2+(x2−x7)2)]
=L×√[D2+(x2−x4)2]/[√(D2+(x2−x4)2)+√(D2+(x2−x4−L)2)]
となるので、
x6=x4+L×√[D2+(x2−x4)2]/[√(D2+(x2−x4)2)+√(D2+(x2−x4−L)2)]
が得られる。したがって、X線照射範囲EJに対応するX線管2の首振り角度α(撮影位置)は、
α=tan−1[(x2−x6)/D]
となる。
再び図4を参照して、制御部8には、X線検出器3の中心Wから検出面16の両端縁16a、16bまでの距離uが予め記録されており、よって、制御部8によってX線検出器13の位置W(x)が決定されると、その位置での検出面16の端縁16a、16bの位置W(x)±uも同時に決定される。
撮影位置(I):V(x)=x4+L/2
撮影位置(II):V(x)=x4+L/2+(L−f)
撮影位置(III):V(x)=x4+L/2+(L−f)×2
そして、制御部8は、X線検出器3に対して制御信号を送り、X線検出器3が移動範囲の両端の撮影位置(I)および(III)をとるとき、X線検出器3の検出面16における当該移動範囲の端側に位置する端縁が、X線画像取得エリア17における当該移動範囲の端側に位置する端縁に一致するよう、X線検出器3を移動させる。
このため、撮影位置(I)および(III)では、X線画像取得エリア17の中心Vに対しX線検出器3の中心Wをずらす必要がある。この場合、X線検出器3の検出面16のx軸方向の長さとX線画像取得エリア17のx軸方向の長さとの差分は、2×u−Lであるから、その半分の長さをずらせばよい。
したがって、各撮影位置(I)、(II)、(III)におけるX線検出器3の中心の位置W(x)は、次のように決定される。
撮影位置(I):W(x)=V(x)+(2×u−L)/2=x4+u
撮影位置(II):W(x)=V(x)=x4+L+(L/2−f)
撮影位置(III):W(x)=V(x)−(2×u−L)/2=x4+2×(L−f)+(L−u)
そして、X線画像取得エリアの一端17aおよび他端17bの位置は、撮影位置毎に、当該撮影位置におけるX線検出器の中心Wを座標原点とすると、次のように決定される。
撮影位置(I):一端17aの位置=−u、他端17bの位置=L−u
撮影位置(II):一端17aの位置=−L/2、他端17bの位置=L/2
撮影位置(III):一端17aの位置=u−L、他端17bの位置=u
こうして、制御部8は、撮影毎に、X線検出器3の位置およびそれに対応するX線管2の位置を制御し、さらに、X線画像取得エリア17の両端17a、17bの位置を切り替える。
V(x)=x4+L/2+(L−f)×(n−1)
となり、また、X線検出器3の中心の位置W(x)は、次のように決定される。
(1)X線検出器3の移動範囲の一方の端の撮影位置(n=1)において、
W(x)=V(x)+(2×u−L)/2
(2)X線検出器3の移動範囲の中間の各撮影位置(n≠1,N)において、
W(x)=V(x)+(2×u−L)/2−(2×u−L)×(n−1)/(N−1)
(3)X線検出器3の移動範囲の他方の端の撮影位置(n=N)において、
W(x)=V(x)−(2×u−L)/2
したがって、X線画像取得エリア17の一端17aおよび他端17bの位置は、撮影位置毎に、当該撮影位置におけるX線検出器の中心Wを座標原点とすると次のように決定される。
(1)X線検出器3の移動範囲の一方の端の撮影位置(n=1)において、
一端17aの位置=−u、他端17bの位置=L−u
(2)X線検出器3の移動範囲の中間の各撮影位置(n≠1,N)において、
一端17aの位置=−u+(2×u−L)×(n−1)/(N−1)、他端17bの位置=L−u+(2×u−L)×(n−1)/(N−1)
(3)X線検出器3の移動範囲の他方の端の撮影位置(n=N)において、
一端17aの位置=u−L、他端17bの位置=u
こうして、本発明によれば、大型のX線検出器および高出力トルクのモータを使用することなく、よって、余計なコストをかけず、またエネルギー消費量も増大させることなく、長尺撮影に要する時間を短縮できる。また、本発明によれば、X線検出器の移動距離が従来よりも短くてすむので、X線撮影装置のサイズを小さくすることができ、同時に、装置の作動時に生じる騒音も低減することができる。
また、上述の実施例では、天板によって臥位に支持された被検者を長尺撮影する構成としたが、立位をとる被検者を長尺撮影する構成とすることもできる。被検者が立位をとる構成の場合には、天板は不要であり、その代わりに、被検者の後側にX線透過材料から形成された衝立を設ける。
2 X線管
2a 絞り
3 X線検出器
4 天板移動機構
5 高圧電源装置
6 X線管移動機構
7 X線検出器移動機構
8 制御部
9 操作部
10 画像処理部
11 画像メモリ
12 モニタ
13〜15 位置検出器
16 検出面
16a、16b 端縁
17 X線画像取得エリア
17a、17b 端縁
M 被検者
Claims (3)
- X線管およびX線検出器を、被検者を挟んで対向配置し、前記X線管を前記被検者の体軸に沿って首振り運動または平行移動させるとともに、前記X線検出器を前記X線管に追従させて前記被検者の体軸に沿って平行移動させ、前記X線管および前記X線検出器を、所定の長尺撮影範囲に対応する移動範囲の一端から他端に向けて動かし、その間に、前記移動範囲の両端を含む複数の撮影位置において、前記X線管から前記被検者に対してX線を照射し、前記被検者からの透過X線を前記X線検出器によって検出することにより、連続した複数のX線画像を取得し、それらのX線画像をつなぎ合わせることによって前記被検者の長尺X線画像を生成するX線撮影装置において、
前記X線管を支持するとともに、前記被検者の体軸に沿って首振り運動または平行移動させるX線管移動機構と、
前記X線検出器を支持するとともに、前記被検者の体軸に沿って平行移動させるX線検出器移動機構と、
前記X線管、前記X線管移動機構および前記X線検出器移動機構を制御する制御部と、を有し、
前記X線管および前記X線検出器の前記複数の撮影位置がそれぞれ前記移動範囲を等分配する位置にあって、前記撮影位置毎に前記X線管によるX線照射範囲は一定であり、前記X線検出器の検出面上のX線画像取得エリアにおいて前記X線画像が取得されるとともに、前記X線検出器の移動方向において前記X線画像取得エリアは前記検出面よりも短くなっており、前記制御部は、前記撮影位置毎に、前記検出面上の前記X線画像取得エリアの位置を、前記X線検出器の位置に対して前記X線検出器の移動方向に変更する制御信号を前記X線検出器移動機構に送信することを特徴とするX線撮影装置。 - 前記制御部は、前記X線管および前記X線検出器が前記移動範囲の両端の撮影位置をそれぞれとるとき、前記X線検出器の前記検出面における前記移動範囲の端側に位置する端縁を、前記X線画像取得エリアにおける前記移動範囲の端側に位置する端縁に一致させる制御信号を前記X線検出器移動機構に送信することを特徴とする請求項1に記載のX線撮影装置。
- 前記X線管および前記X線検出器が、前記移動範囲内において前記両端の撮影位置を含む3つ以上の撮影位置をとる場合、前記制御部は、前記X線管および前記X線検出器が前記両端の撮影位置を除く撮影位置をとるとき、前記X線検出器の前記X線画像取得エリアを前記検出面の中央に位置させる制御信号を前記X線検出器移動機構に送信することを特徴とする請求項2に記載のX線撮影装置。
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