JP5574001B2 - 光導波路 - Google Patents
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しかし、このような手法によっても十分な柔軟性を得ることは困難であった。
(1)第1クラッド層と、光が伝搬する第1コア部と該第1コア部よりも屈折率の低い第1クラッド部とを有する第1コア層と、第2クラッド層とがこの順に積層されてなる可撓性を有する第1光導波路用部材と、
第3クラッド層と、光が伝搬する第2コア部と該第2コア部よりも屈折率の低い第2クラッド部とを有する第2コア層と、第4クラッド層とがこの順に積層されてなる可撓性を有する第2光導波路用部材と、
前記第2クラッド層と前記第3クラッド層とが隣接するように前記第1光導波路用部材と前記第2光導波路用部材とを部分的に接合する接合部と、を有し、平面視で矩形をなす光導波路であって、
当該光導波路を湾曲させた際に、前記第2クラッド層と前記第3クラッド層の接合されていない部分が互いに摺動可能に積層されており、
前記接合部は、前記延在方向の両端部またはその近傍に設けられており、かつ、その形状が、当該光導波路の前記接合部以外の部分が平面視で平行四辺形となるような形状をなしていることを特徴とする光導波路。
(2)前記接合部は、その形状が平面視で台形をなしている上記(1)に記載の光導波路。
(3)曲率半径が0.5〜20mmとなるように前記延在方向に湾曲させた状態で用いられるものである上記(1)または(2)に記載の光導波路。
(4)前記接合部は、接着剤で構成されているものである上記1ないし(3)のいずれかに記載の光導波路。
(5)前記接着剤の厚さは、0.1〜50μmである上記(4)に記載の光導波路。
(6)前記第1コア層の厚さが30μm以下であり、かつ前記第1クラッド層および前記第2クラッド層の厚さがそれぞれ10μm以下である上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の光導波路。
(7)前記第2コア層の厚さが30μm以下であり、かつ前記第3クラッド層および前記第4クラッド層の厚さがそれぞれ10μm以下である上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の光導波路。
(8)前記第1コア部および前記第2コア部に、同一の光源から発せられた光が入射されるように用いられるものである上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の光導波路。
また、本発明によれば上述したような光導波路を用いた性能の優れる光配線、光電気混載基板および電子機器を得ることができる。
本発明の光導波路は、第1クラッド層と、光が伝搬する第1コア部と該第1コア部よりも屈折率の低い第1クラッド部とを有する第1コア層と、第2クラッド層とがこの順に積層されてなる可撓性を有する第1光導波路用部材と、第3クラッド層と、光が伝搬する第2コア部と該第2コア部よりも屈折率の低い第2クラッド部とを有する第2コア層と、第4クラッド層とがこの順に積層されてなる可撓性を有する第2光導波路用部材とを有し、前記第1光導波路用部材と前記第2光導波路用部材とが、前記第2クラッド層および前記第3クラッド層が隣接するように部分的に接合されている接合部を有することを特徴とする。
また、本発明の光配線は、上記に記載の光導波路を備えたことを特徴とする。
また、本発明の光電気混載基板は、電気配線と、上記に記載の光配線とを、有することを特徴とする。
また、本発明の電子機器は、上記に記載の光導波路を備えたことを特徴とする。
まず、光導波路の第1実施形態について、好適な図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の光導波路の一例を示す断面図である。
光導波路100は、第1光導波路用部材1と、第2光導波路用部材2とを、有し、かつ第1光導波路用部材1と、第2光導波路用部材2とは、接着剤で部分的に接合される接合部3を有している。このように、本発明の光導波路100は、第1光導波路用部材1と、第2光導波路用部材2とを部分的に接合する接合部3を有していることを特徴とする。このように、第1光導波路用部材1と第2光導波路用部材2とを全面的に接合するのでは無く、部分的に接合することにより第1光導波路用部材1と第2光導波路用部材2との間に間隙4を付与したものである。この間隙4の存在により、光導波路100が屈曲された際に、第1光導波路用部材1と第2光導波路用部材2とが間隙4で摺動可能となる。それによって、第1光導波路用部材1と第2光導波路用部材2の全面が接合されているのに対して、部分的に接合されている場合には圧縮応力、引っ張り応力等の応力が残留しにくくなっている。
第1光導波路用部材1は、第1クラッド層11と、光が伝搬する第1コア部121と第1コア部121よりも屈折率の低い第1クラッド部122とを有する第1コア層12と、第2クラッド層13とがこの順に積層されている。
また、第1コア層12との密着性を考慮すると、第1クラッド層11を構成する材料は、第1コア層12を構成する材料と同じ種類の材料であることが好ましい。例えば第1コア層12を構成する材料がアクリル系樹脂の場合、第1クラッド層11を構成する材料も構造の異なるアクリル系樹脂が好ましい。また、第1コア層12を構成する材料が環状オレフィン系樹脂(特には、ノルボルネン系樹脂)の場合には、第1クラッド層11を構成する材料も構造の異なる環状オレフィン系樹脂(特には、ノルボルネン系樹脂)が好ましい。
第1コア部121は、側面を第1クラッド部122で囲まれており、第1コア層12の長手方向(図2中の矢印A方向)に延在している。
このような第1コア層12を得る方法としては、予め第1コア部121を形成した後に、その周囲を第1クラッド部122で囲む方法、第1コア層12を形成するためのフィルムに紫外線等の活性エネルギ線を照射することにより、フィルム中に構造変調を生じさせ第1コア部121と、第1クラッド部122とを形成する方法等が挙げられる。
また、第1コア層12を形成するためのフィルムに紫外線等の活性エネルギ線を照射することにより、フィルム中に構造変調を生じさせ第1コア部121と、第1クラッド部122とを形成する方法の場合、フィルムを構成する材料として、活性エネルギ線の照射により、照射部の構造が変化するものを選択する必要がある。このように活性エネルギ線の照射により構造が変化するものとしては、照射により分子の一部が脱離するようなもの、照射により重合反応が開始するもの等が挙げられる。具体的には、ポリシラン等のように光開裂反応を起こし得る材料、光反応開始剤(例えば、光酸発生剤、光塩基発生剤、光ラジカル発生剤およびそれらと組み合わせて使用する増感剤)の各種添加剤を含むレジスト材料等に用いられるものが挙げられる。また、構造が変化するものとしては、側鎖に反応性官能基を有する環状脂肪族ポリマー等も好適に用いられる。例えば側鎖に反応性官能基を有するポリノルボルネンやその共重合体などが挙げられる。反応性官能基としては例えば活性光線の照射により構造改変や脱離、架橋反応を起こすもの等が挙げられる。
第2クラッド層13は、第1コア部121よりも屈折率が低くなっている。このような第2クラッド層13を構成する材料としては、第1コア部121よりも屈折率が低いものを用いれば良く、特に限定されない。具体的には低屈折率のアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、環状・非環状炭化水素系樹脂のような有機系材料の他、シリコン等の無機系材料、あるいは有機・無機ハイブリッド型の材料等が挙げられる。
また、第1コア層12との密着性を考慮すると、第2クラッド層13を構成する材料は、第1コア層12を構成する材料と同じ種類の材料であることが好ましい。例えば第1コア層12を構成する材料がアクリル系樹脂の場合、第2クラッド層13を構成する材料も構造の異なるアクリル系樹脂が好ましい。また、第1コア層12を構成する材料が環状オレフィン系樹脂(特には、ノルボルネン系樹脂)の場合には、第2クラッド層13を構成する材料も構造の異なる環状オレフィン系樹脂(特には、ノルボルネン系樹脂)が好ましい。
第2コア部221は、側面を第2クラッド部222で囲まれており、第2コア層22の長手方向(図2中の矢印A方向)に延在している。
このような第2コア層22を得る方法としては、上述した第1コア層12を得るのと同様の方法で得ることができる。
また、コア部が延在している方向の両端部近傍が接合されている場合でも良い。
また、光導波路100の上下面にカバーフィルムを有していても良い。
また、第1実施形態では、第1光導波路用部材と第2光導波路用部材とが積層された場合について説明したが、第3光導波路用部材、第4光導波路用部材等が、さらに積層されても良い。
次に、図5を用いて第2実施形態について説明するが、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明する。
第2実施形態における光導波路100では、接合部3が平面視で四角形(コア部の延在方向を長辺とする長方形、特に帯状)の光導波路100の4つの各角部5a、5b、5cおよび5dに接合部が設けられている。これにより、コア部の延在方向のみならず、コア部の延在方向と直交する方向に対しても屈曲性を向上させることができる。
なお、第2実施形態では、4つの角部(5a〜5d)の全部に接合部3が設けられているものについて例示したがこれに限定されず。2つの角部(例えば、5aと5c)、3つの角部に接合部3が設けられる形態であっても構わない。
また、この第2実施形態に示す光導波路100も図4に示すような形態で湾曲された際に、前述したA≧π(R+r)の条件を満たすことが好ましい。
次に、図6を用いて第3実施形態について説明するが、前述した第2実施形態との相違点を中心に説明する。
第3実施形態における光導波路100では、接合部3が平面視で四角形(コア部の延在方向を長辺とする長方形、特に帯状)の光導波路100の4つの各角部(5a、5b、5cおよび5d)と、コア部が延在する方向の角部の中間部(5aと5dの中間部および5bと5cの中間部)と、に接合部が設けられている。これにより、コア部の延在方向のみならず、コア部の延在方向と直交する方向に対しても屈曲性を向上させることができることに加えて、第1光導波路用部材1と第2光導波路用部材2とが捩れることを防止することができる。また、第1光導波路用部材1と第2光導波路用部材2同士の摺動摩擦による光導波路用部材の破損を防止することもできる。
なお、第3実施形態では、接合部3が各角部(5a〜5d)に加えて、各角部の両方の中間部(5aと5dの中間部および5bと5cの中間部)に設けられているものについて説明したが、これに限定されず、いずれか一方のみの中間部に接合部3が設けられるものでも良い。
また、第2実施形態および第3実施形態では、接合部3が各角部(5a〜5d)と、長辺側の各角部の両方の中間部(5aと5dの中間部および5bと5cの中間部)に接合部3が設けられるものについて説明したが、これに限定されず、接合部3が各角部(5a〜5d)の短辺側の中間部(例えば、5aと5bの中間部、5cと5dの中間部)に設けられても良い。
次に、図7を用いて第4実施形態について説明するが、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明する。
第4実施形態における光導波路100では、接合部31がコア部の延在方向の一端部に設けられている。
接合部31の一端部311は、光導波路100の短辺方向の幅全域に渡って設けられている。接合部31の他端部312は、接合部3の幅(コア部の延在方向の長さ)が徐々に変化している。すなわち、接合部31の上側(図7中の上側)の長さL1と、下側(図7中の下側)の長さL2の関係が、L1<L2となっている。これにより、光導波路100を下側に捻って湾曲させる場合の耐屈曲性に優れる。
接合部31と同様に、光導波路100では他端部にも接合部32が設けられている。接合部32の一端部321は、光導波路100の短辺方向の幅全域に渡って設けられている。接合部32の他端部322は、接合部32の幅(コア部の延在方向の長さ)が、接合部31と反対側の方向で徐々に変化している。すなわち、接合部32の上側(図7中の上側)の長さL3と、下側(図7中の下側)の長さL4の関係が、L3>L4となっている。
また、L1とL4の長さがほぼ等しくなっており、L3とL4の長さがほぼ等しくなっている。これにより、接合部31以外の部分が平行四辺形の形状をなし、所定方向に光導波路100を捻って湾曲させやすくなっている。
なお、第4実施形態では、接合部31と接合部32の両方ともが一端側の幅が徐々に変化する場合について説明したが、これに限定されず、片方だけであっても良い。
図8に示す光導波路100は、一方の端部(図8中の右側)から、同一の光源6から発生された光が、第1コア部121および第2コア部221に、それぞれ入射されるようになっている。このように、同一の光源6から第1コア部121および第2コア部221の両方に光を入射するためには、それぞれのコア部およびクラッド部が薄くなっていることが好ましい。このように、厚さ方向に同一の光源6から第1コア部121および第2コア部221の両方に光を入射することによって、入射端部では通常の1本のコア部で構成する場合と比較しても本願発明のコア部は2本に分かれてはいるが、その断面積を同じものとすることができ、信号の伝達量は通常の1本のコア部を有する光導波路と、本願発明の光導波路とで同等にできる。さらに、本願発明の光導波路は、屈曲動作に関与する部分の厚さを薄くすることができるので、通常の1本のコア部を有する光導波路と同等の信号伝達能力を保持したまま、光導波路の屈曲性を向上することができる。
従来の光導波路では、図8に示すような光導波路が個々の部材に分けられること無く一体となって構成されているものであった。これに対して、図8に示す本発明の光導波路は、第1光導波路用部材1および第2光導波路用部材2を、部分的に接合し、かつそれぞれの厚さを薄くしている。これにより、同一の光源6からの光を伝達できるようになり、それによって従来の光導波路と同等の機能を保持しながら耐屈曲性を向上することができるものである。なお、厚さ方向には上述したような同一の光源からの信号を第1コア部121および第2コア部221に入射されるようにしているが、幅方向にも同様の条件で上下のコア部に入射する単一の光源が備えられていても良い。この場合、幅方向においては、伝達する信号が異なっていても構わない。また、幅方向の複数のコア部を単一の光源で信号を伝達する場合であっても構わない。
また、この光配線は、既存の電気配線とともに基板上に混載されることにより、いわゆる「光電気混載基板」を構成することができる。かかる光電気混載基板では、例えば、光配線(光導波路のコア部)で伝送された光信号を、光デバイスにおいて電気信号に変換し、電気配線に伝達する。これにより、光配線の部分で、従来の電気配線よりも高速かつ大容量の情報伝送が可能になる。したがって、例えばCPUやLSI等の演算装置とRAM等の記憶装置との間をつなぐバス等に、この光電気混載基板を適用することにより、システム全体の性能を高めるとともに、電磁ノイズの発生を抑制することができる。
なお、かかる光電気混載基板は、例えば、携帯電話、ゲーム機、パソコン、テレビ、ホーム・サーバー等、大容量のデータを高速に伝送する電子機器類に搭載することが考えられる。
11 第1クラッド層
12 第1コア層
121 第1コア部
122 第1クラッド部
13 第2クラッド層
2 第2光導波路用部材
21 第3クラッド層
22 第2コア層
221 第2コア部
222 第2クラッド部
23 第4クラッド層
3 接合部
31 接合部
311 一端部
312 他端部
32 接合部
321 一端部
322 他端部
4 間隙
5a、5b、5c、5d 角部
6 光源
100 光導波路
Claims (8)
- 第1クラッド層と、光が伝搬する第1コア部と該第1コア部よりも屈折率の低い第1クラッド部とを有する第1コア層と、第2クラッド層とがこの順に積層されてなる可撓性を有する第1光導波路用部材と、
第3クラッド層と、光が伝搬する第2コア部と該第2コア部よりも屈折率の低い第2クラッド部とを有する第2コア層と、第4クラッド層とがこの順に積層されてなる可撓性を有する第2光導波路用部材と、
前記第2クラッド層と前記第3クラッド層とが隣接するように前記第1光導波路用部材と前記第2光導波路用部材とを部分的に接合する接合部と、を有し、平面視で矩形をなす光導波路であって、
当該光導波路を湾曲させた際に、前記第2クラッド層と前記第3クラッド層の接合されていない部分が互いに摺動可能に積層されており、
前記接合部は、前記延在方向の両端部またはその近傍に設けられており、かつ、その形状が、当該光導波路の前記接合部以外の部分が平面視で平行四辺形となるような形状をなしていることを特徴とする光導波路。 - 前記接合部は、その形状が平面視で台形をなしている請求項1に記載の光導波路。
- 曲率半径が0.5〜20mmとなるように前記延在方向に湾曲させた状態で用いられるものである請求項1または2に記載の光導波路。
- 前記接合部は、接着剤で構成されているものである請求項1ないし3のいずれか1項に記載の光導波路。
- 前記接着剤の厚さは、0.1〜50μmである請求項4に記載の光導波路。
- 前記第1コア層の厚さが30μm以下であり、かつ前記第1クラッド層および前記第2クラッド層の厚さがそれぞれ10μm以下である請求項1ないし5のいずれか1項に記載の光導波路。
- 前記第2コア層の厚さが30μm以下であり、かつ前記第3クラッド層および前記第4クラッド層の厚さがそれぞれ10μm以下である請求項1ないし6のいずれか1項に記載の光導波路。
- 前記第1コア部および前記第2コア部に、同一の光源から発せられた光が入射されるように用いられるものである請求項1ないし7のいずれか1項に記載の光導波路。
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