JP5573689B2 - 空気流量測定装置 - Google Patents

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本発明は、半導体基板の一端に形成されたメンブレン(薄肉部)に空気流量の検出部が形成されてなるセンサチップと、主流路を流れる被測定空気流の一部をセンサチップの検出部へ導く副流路とを備える空気流量測定装置に関する。
半導体基板の一端に形成されたメンブレン(薄肉部)に空気流量の検出部が形成されてなるセンサチップと、主流路を流れる被測定空気流の一部をセンサチップの検出部へ導く副流路とを備える空気流量測定装置が、例えば、特開2002−139360号公報(特許文献1)に開示されている。
図5は、特許文献1に開示された感熱式流量センサ(空気流量測定装置)を示す図で、図5(a)は、支持体16に装着された流量検出素子14の斜視図であり、図5(b)は、被計測流体の主通路21内への配置状態を模式的に示した断面図である。尚、図中に示した白抜きの矢印は、被計測流体の流れ方向を表している。
図5(a)に示す流量検出素子(センサチップ)14においては、シリコンよりなる平板状基材(半導体基板)11の裏面側に空洞部13が形成されて、流量検出用のダイアフラム(メンブレン)12が形成されている。また、ダイアフラム12上には、白金等の感熱抵抗膜よりなる発熱体(ヒータ)と測温抵抗体が形成されて、被計測流体の流量の検出部RKが構成されている。
図5(a)に示す支持体16は、流量検出素子14を支持すると共に、流量検出素子14の周囲において流体の流れを安定化するための整流板として機能し、流量検出素子14を収納する凹状の収納部18を有している。検出部RKを構成するダイアフラム12上の発熱体や測温抵抗体は、支持体16に連結するベース部材15上に配置されたターミナル17を介して、図5(b)に示す検出回路基板19と電気的な接続がなされる。
図5(b)に示すように、被計測流体の主通路(主流路)21内には、検出管路(副流路)20が設置され、この検出管路20内に、図5(a)に示す支持体16に装着された流量検出素子14が、検出部RKを露出するようにして配置される。
特開2002−139360号公報
上記のような従来の感熱式流量センサの構造では、流量検出素子14を支持体16の収納部18に装着する場合、小流量域では被計測流体は流量検出素子14の表面だけを流通するが、大流量域では流量検出素子14と支持体16の収納部18の隙間に被計測流体が流れ込み、流量検出精度の低下を招くという問題があった。
図6は、上記問題をより詳細に説明する図で、図6(a)は、空気の流量に対するセンサチップ14の出力特性を示した図であり、図6(b)〜(d)は、センサチップ14の周りの断面図で、異なる空気流量での流れ状態の違いを模式的に示した図である。尚、図6(b)〜(d)は、図5(b)に示す一点鎖線A−Aでの断面を図示している。また、図6(b)に示すセンサチップ周りの断面図において、図5(a)に示した流量検出素子(センサチップ)14の各部と同様の部分については、同じ符号を付した。
半導体基板11のメンブレン12に空気流量の検出部RKが形成されてなる従来のセンサチップ14においては、図6(a)に示すように、被測定空気流が大流量域にある時、センサチップ14の出力が流量の増加と共に点線のように増大せず、実線で示したようにばらつきも大きくなって、出力特性が不安定となる。
この不安定域が生じてしまう原因は、メンブレン構造を作るため半導体基板11の裏面側に空洞部13が形成されていることと、実装による悪影響を防ぐためにセンサチップ14を根元付近だけで接着する、所謂片持ち実装方式が採用されていることにある。すなわち、図6(b)に示すように、メンブレン12の周囲は、検出部RKが形成されている上面側だけでなく、空洞部13が形成されている裏面側も開放状態となっている。
被測定空気流が小流量域にある時は、図6(b)に示すように、空気流が、センサチップ14と支持体16の収納部18の隙間にほとんど流れ込まず、上記裏面側が開放状態となっている影響はでない。また、被測定空気流が中流量域にある時は、図6(c)に示すように、センサチップ14と支持体16の収納部18の隙間に流れ込んだ空気流が、半導体基板11の空洞部13の内壁に沿って流れる。この場合には、検出部RKを構成しているメンブレン12の中心にあるヒータの熱が下流側に移り、ヒータの上流と下流にある測温抵抗体に温度差が出来て、流速を正しく測定することができるようになっている。
ところが、被測定空気流が大流量域にある時は、図6(d)に示すように、メンブレン12の下に高速の空気流が流れ込み、空洞部13の内壁に沿って流れるだけでなく、メンブレン12の下で渦が発生する。このように渦が発生すると、一旦下流側へ移ったヒータの熱が渦により上流側へ戻されてしまう。このため、図6(a)に示したセンサチップ14の出力が流量の増加と共に増大せず、逆に、流量の増加に伴って出力が低下する現象が現れる。また、上記渦の流れは安定していないため、出力のばらつきも大きくなって、出力特性が不安定となる。
上記問題を解決するために、従来から、空気流をセンサチップ14と支持体16の収納部18の隙間に流れ込まないようにする方法や、隙間に流れ込む空気流を整流して渦を発生させないようにする方法が、幾つか提案されてきている。例えば、特許文献1に開示された感熱式流量センサでは、支持体16の収納部18の底面に、流量検出素子14の裏面の空洞部を塞ぐように、隆起した突出面を設けるものである。
しかしながら、隙間に流れ込む空気流を整流する方法では、渦の発生を十分に防止することが困難であり、大流量域における出力特性の不安定域を完全に抑制することはできない。一方、特許文献1のように、空気流がセンサチップと支持体の隙間や空洞部に流れ込まないようにする方法では、メンブレンの内外で空気流に圧力差が発生するため、メンブレンに不要な応力が加わり、測手精度が低下すると共に、メンブレンの耐久性も劣化する。
そこで本発明は、メンブレンに空気流量の検出部が形成されてなるセンサチップと、主流路を流れる被測定空気流の一部をセンサチップの検出部へ導く副流路とを備える空気流量測定装置であって、センサチップのメンブレンの耐久性が劣化することなく、主流路を流れる空気流が大流量域にある時も高精度で流量測定が可能な空気流量測定装置を提供することを目的としている。
請求項1に記載の発明は、半導体基板の一端にメンブレンが形成され、該メンブレンに空気流量を検出するための検出部が構成されてなるセンサチップと、主流路を流れる被測定空気流の一部を、内部に露出するように配置された前記センサチップの検出部へ導く管状の副流路とを備える空気流量測定装置であって、前記センサチップからの検出信号を入力して、前記空気流の流量を計算するための流量演算器と、前記副流路の開口度を変化させる弁体とを有してなり、前記弁体が、バネ力により、前記空気流の流量に応じて前記開口度を自動的に変化させるように構成されると共に、前記開口度を検出するための開口度センサ(42,42a,42b)が、前記弁体に隣接して配置され、前記流量演算器において、前記センサチップからの検出信号と、前記開口度センサからの検出信号とを合わせて計算し、前記空気流の流量を測定することを特徴としている。
上記空気流量測定装置は、空気流量を検出するための検出部が形成されたセンサチップと、主流路を流れる被測定空気流の一部を前記センサチップの検出部へ導く副流路とを備える空気流量測定装置である。
上記空気流量測定装置のセンサチップにおいては、例えばシリコン等からなる半導体基板の一端の裏面側に空洞部が形成されて、メンブレン(薄肉部)が形成されている。また、該メンブレンには、例えば白金等の感熱抵抗膜よりなる発熱体(ヒータ)と測温抵抗体が形成されて、空気流量を検出するための検出部が構成されている。
上記センサチップは、従来と同様に、メンブレンと反対側の根元付近で、支持体に片持ち実装することができる。また、検出部が構成されているセンサチップのメンブレンの周りが支持体の凹状の収納部に所定の隙間を持って収容されて、支持体がセンサチップの周囲において流体の流れを安定化するための整流板として機能するように実装することができる。そして、このように支持体に実装されたセンサチップを、検出部が内部に露出するように管状の副流路へ配置して、主流路を流れる被測定空気流の一部がセンサチップの検出部へ導かれるようにする。
上記センサチップの支持体への実装方法によれば、検出部が構成されているメンブレンの上面側だけでなく、空洞部が形成されているメンブレンの裏面側も開放状態となっている。従って、メンブレンの内外で空気流に圧力差が発生しないため、メンブレンに不要な応力が加わることがなく、メンブレンの耐久性が劣化することもない。
一方、上記実装方法では、例えば前述したように被測定空気流が大流量域にある時、メンブレンの下に高速の空気流が流れ込み、メンブレンの下で渦が発生して出力特性が不安定となる可能性がある。しかしながら、上記空気流量測定装置は、副流路の開口度を変化させる弁体を有しており、該弁体で副流路の開口度を適宜制御し、副流路を流れる空気流の流速を、例えばメンブレンの下で渦が発生しないような所定の範囲に制御することができる。そして、センサチップからの検出信号を入力して空気流の流量を計算するための流量演算器において、上記範囲に制御されたセンサチップからの検出信号と開口度センサからの検出信号とを合わせて計算することで、空気流の流量を高精度に測定することができる。
以上のようにして、上記空気流量測定装置は、メンブレンに空気流量の検出部が形成されてなるセンサチップと、主流路を流れる被測定空気流の一部をセンサチップの検出部へ導く副流路とを備える空気流量測定装置であって、センサチップのメンブレンの耐久性が劣化することなく、主流路を流れる空気流が大流量域にある時も高精度で流量測定が可能な空気流量測定装置とすることができる。
また、この場合には、例えば請求項2に記載のように、前記副流路の端部において、前記弁体が副流路に沿った方向に移動すると共に、前記バネ力が副流路に沿った方向に印加されるように構成されてなり、前記開口度センサが、前記弁体の副流路に沿った方向の位置を検出する構成とすることができる。
さらに、この場合には、例えば請求項3に記載のように、前記弁体が、前記副流路の端面を塞ぐように構成されてなり、前記副流路の端面近くに、前記空気流のバイパス穴が設けられてなる構成とすることができる。
また、弁体を副流路に沿った方向に移動させる代わりに、請求項4に記載のように、前記副流路の端部において、前記弁体が副流路の断面方向に開閉すると共に、前記バネ力が副流路の断面方向に印加されるように構成されてなり、前記開口度センサが、前記弁体の副流路の断面方向における位置を検出する構成とすることもできる。
上述したように、特に大流量域において高精度で安定した出力特性を得るため、上記空気流量測定装置は、請求項5に記載のように、前記弁体が、所定の基準空気流量より小さい場合に、前記副流路の開口度を一定とし、前記基準空気流量より大きい場合に、副流路の開口度を変化させるように設定されてなる構成とすることが好ましい。
上記空気流量測定装置は、請求項6に記載のように、前記弁体が、前記副流路に露出する前記センサチップの検出部の下流側に配置されてなる構成とすることが好ましい。これによれば、主流路から副流路のセンサチップの検出部へ導かれる空気流の弁体による乱れを、弁体を上流側に配置する場合に較べて抑制することができ、より正確な流量測定が可能となる。
従って、上記空気流量測定装置は、過酷な条件下で使用され、高い耐久性が要求されると共に、小流量域から大流量域まで広範囲において高精度の空気流量測定が必要な車載用の空気流量測定装置として好適である。
本発明に係る空気流量測定装置の一例を示す図で、(a)は、空気流量測定装置100の構成を模式的に示した断面図であり、(b)は、(a)に示す空気流量測定装置100の出力特性の一例を示した図である。 図1(a)に示す空気流量測定装置100において、弁体40の周りのより具体的な構成例を模式的に示した断面図である。 (a),(b)は、図1(a)に示した空気流量測定装置100の変形例で、それぞれ、空気流量測定装置101,102の構成を模式的に示した断面図である。 別の空気流量測定装置の例を示す図で、(a)は、空気流量測定装置103の構成を模式的に示した断面図であり、(b)は、(a)に示す空気流量測定装置103の出力特性を示した図である。 特許文献1に開示された感熱式流量センサ(空気流量測定装置)を示す図で、(a)は、支持体16に装着された流量検出素子14の斜視図であり、(b)は、被計測流体の主通路21内への配置状態を模式的に示した断面図である。 (a)は、空気の流量に対するセンサチップ14の出力特性を示した図であり、(b)〜(d)は、センサチップ14の周りの断面図で、異なる空気流量での流れ状態の違いを模式的に示した図である。
以下、本発明を実施するための形態を、図に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る空気流量測定装置の一例を示す図で、図1(a)は、空気流量測定装置100の構成を模式的に示した断面図であり、図1(b)は、図1(a)に示す空気流量測定装置100の出力特性の一例を示した図である。尚、図1(a)に示す空気流量測定装置100において、図5に示した空気流量測定装置と同様の部分については、同じ符号を付した。
図1(a)に示す空気流量測定装置100は、センサチップ14と管状の副流路20とを備えている。空気流量測定装置100のセンサチップ14は、図5に示した空気流量測定装置の流量検出素子14と同様で、半導体基板11の一端にメンブレン(薄肉部)12が形成され、該メンブレン12に空気流量を検出するための検出部RKが構成されている。すなわち、センサチップ14においては、シリコンよりなる平板状の半導体基板11の裏面側に空洞部13が形成されて、流量検出用のメンブレン12が形成されており、該メンブレン12上には、白金等の感熱抵抗膜よりなる発熱体(ヒータ)が中央に、測温抵抗体が上流側と下流側に形成されて、被計測流体の流量の検出部RKが構成されている。
図1(a)に示す空気流量測定装置100の支持体16は、センサチップ14を支持すると共に、センサチップ14の周囲において流体の流れを安定化するための整流板として機能し、センサチップ14を収納する凹状の収納部18を有している。すなわち、センサチップ14は、従来と同様に、メンブレン12と反対側の根元付近で、支持体16に片持ち実装されている。そして、検出部RKが構成されているセンサチップ14のメンブレン12の周りが支持体16の凹状の収納部18に所定の隙間を持って収容されて、支持体16がセンサチップ14の周囲において流体の流れを安定化するための整流板として機能するように実装されている。
上記センサチップ14の支持体16への実装方法によれば、検出部RKが構成されているメンブレン12の上面側だけでなく、空洞部13が形成されているメンブレン12の裏面側も開放状態となっている。従って、メンブレン12の内外で空気流に圧力差が発生しないため、メンブレン12に不要な応力が加わることがなく、メンブレン12の耐久性が劣化することもない。
また、空気流量測定装置100の副流路20は、主流路21を流れる被測定空気流の一部を、図中に太線矢印で示したように、内部に露出するように配置されたセンサチップ14の検出部RKへ導く。検出部RKを構成するメンブレン12上の発熱体や測温抵抗体は、支持体16に連結するベース部材上に配置されたターミナルを介して、流量演算器30の中にある検出回路基板と電気的な接続がなされる。流量演算器30は、センサチップ14からの検出信号を入力して、空気流の流量を計算する。
一方、図1(a)に示す空気流量測定装置100は、図5に示した空気流量測定装置と異なり、副流路20の開口度を変化させる弁体40を有している。副流路20に露出するセンサチップ14の検出部RKの下流側に配置された弁体40は、後で詳述するように、特に被測定空気流が大流量域にある時に高精度で安定した出力特性を得るため、所定の基準空気流量より小さい場合に、副流路20の開口度を一定とし、前記基準空気流量より大きい場合に、副流路20の開口度を変化させるように設定されている。
図2は、図1(a)に示す空気流量測定装置100において、弁体40の周りのより具体的な構成例を模式的に示した断面図である。
図2に示すように、空気流量測定装置100における弁体40は、バネ41によるバネ力により、空気流の流量に応じて副流路20の開口度を自動的に変化させるように構成されている。すなわち、副流路20の下流側の端部において、弁体40が図中に白抜きの両端矢印で示したように副流路20に沿った方向に移動可能に配置されると共に、バネ41によるバネ力が、副流路20に沿った方向に印加されるように構成されている。弁体40は、副流路20の下流側の端面を塞ぐように配置されており、副流路20の端面近くには、空気流のバイパス穴20aが設けられている。バイパス穴20aは、副流路20の下流側の端面が弁体40により蓋された状態にあっても、副流路20を流れる空気流を外部に排出できるようにしている。そして、空気流が大流量域にある時に、副流路20の下流側開口部を塞いでいる弁体40の端面が図中に太線矢印で示した空気流により押されて、図中に点線で示したように弁体40がバネ41によるバネ力と釣り合う位置まで変位し、空気流の流量に応じて副流路20の開口度を自動的に変化させるようになっている。
また、空気流量測定装置100においては、副流路20の開口度を検出するための開口度センサ42が、弁体40に隣接して配置されている。開口度センサ42は、図中の間隔Lを検出して、弁体40の副流路20に沿った方向の位置を検出する。この位置から、副流路20の開口度が算出される。
図1(a)に示すように、空気流量測定装置100の流量演算器30は、センサチップ14からの検出信号と、弁体40による副流路20の開口度の情報が含まれる開口度センサ42からの検出信号とを入力してこれらを合わせて計算し、空気流の流量を以下のように測定する。
図1(b)に示すように、主流路21を流れる空気流が小・中流量域にある時は、副流路20に流れ込む空気流の流量(流速)も小さく、弁体40は副流路20の下流側の端面を塞いだ状態にあり、開口度センサ42からの検出信号は0である。この時、流量演算器30は、センサチップ14からの検出信号だけで空気流量を演算し、一点鎖線で示したように、これを測定値とする。
一方、主流路21を流れる空気流が大流量域にある時は、副流路20に流れ込む空気流の流量も大きくなり、弁体40が押されて副流路20の下流側の開口度が上がるため、開口度センサ42からの検出信号は次第に大きくなる。この時、センサチップ14からの検出信号は、副流路20の下流側の開口度が上がることによって、例えば検出部RKを流れる空気流の流速が一定、もしくは図6(d)に示した渦が発生する流速より低い流速に低下する。このため、図1(a)に示す空気流量測定装置100では、主流路21を流れる空気流が大流量域にある時も渦の発生がなく、図6(a)に示したようなセンサチップ14の不安定な出力は現れず、センサチップ14から図1(b)に示すような一定の検出信号、もしくはより低い安定した検出信号が出力されることになる。そして、流量演算器30において、予め設定した換算式を用い、センサチップ14からの検出信号と開口度センサ42からの検出信号を合わせて空気流量を演算し、一点鎖線で示した演算出力を測定値とする。
図5に示した空気流量測定装置では、前述したように、被測定空気流が大流量域にある時、図6(d)に示したようにメンブレン12の下に高速の空気流が流れ込み、メンブレン12の下で渦が発生して出力特性が不安定となっていた。一方、上記したように、図1(a)に示す空気流量測定装置100は、図5に示した空気流量測定装置と異なり、副流路20の開口度を変化させる弁体40を有しており、該弁体40で副流路20の開口度を適宜制御し、副流路20を流れる空気流の流速を、例えばメンブレン12の下で渦が発生しないような所定の範囲に制御することができる。そして、センサチップ14からの検出信号を入力して空気流の流量を計算するための流量演算器30において、上記範囲に制御されたセンサチップ14からの検出信号と弁体40による副流路20の開口度の情報とを合わせて計算することで、空気流の流量を高精度に測定することができる。
以上のようにして、上記空気流量測定装置100は、メンブレン12に空気流量の検出部RKが形成されてなるセンサチップ14と、主流路21を流れる被測定空気流の一部をセンサチップ14の検出部RKへ導く副流路20とを備える空気流量測定装置であって、センサチップ14のメンブレン12の耐久性が劣化することなく、主流路21を流れる空気流が大流量域にある時も高精度で流量測定が可能な空気流量測定装置となっている。
図3(a),(b)は、図1(a)に示した空気流量測定装置100の変形例で、それぞれ、空気流量測定装置101,102の構成を模式的に示した断面図である。尚、図3(a),(b)に示す空気流量測定装置101,102において、図1(a)に示した空気流量測定装置100と同様の部分については、同じ符号を付した。
図1(a)に示した空気流量測定装置100の弁体40は、副流路20に沿った方向に移動可能に配置され、開口度センサ42が、弁体40の副流路20に沿った方向の位置を検出するようにしていた。
これに対して、図3(a),(b)に示す空気流量測定装置101,102においては、いずれも、副流路20の端部において、弁体40a,40bが、図中に白抜きの両端矢印でしめしたように副流路20の断面方向に開閉すると共に、バネ(図示省略)によるバネ力が同方向に印加されるように構成されている。そして、開口度センサ42a,42bが、弁体40a,40bの副流路20の断面方向における位置を検出する構成となっている。尚、図3(a)に示す空気流量測定装置101においては、弁体40aが副流路20に露出するセンサチップ14の検出部RKの下流側に配置されており、図3(b)に示す空気流量測定装置102においては、弁体40bが副流路20に露出するセンサチップ14の検出部RKの上流側に配置されている。
図3(a),(b)に示す空気流量測定装置101,102についても、図1(a)に示した空気流量測定装置100と同様に、副流路20の開口度を変化させる弁体40a,40bを有しており、流量演算器30においてセンサチップ14からの検出信号と弁体40a,40bによる副流路20の開口度の情報とを合わせて計算することで、空気流の流量を正確に測定できることは言うまでもない。
図1(a)に示した空気流量測定装置100や図3(a)に示す空気流量測定装置101のように、弁体40,40aを副流路20に露出するセンサチップ14(検出部RK)の下流側に配置する場合には、主流路21から副流路20のセンサチップ14(検出部RK)へ導かれる空気流の弁体40,40aによる乱れを上流側に配置する場合に較べて抑制することができ、より正確な流量測定が可能となる。尚、弁体40,40aを副流路20に露出するセンサチップ14(検出部RK)の下流側に配置する場合には、空気流が大流量域にある時、検出部RKでの流速を落とすため、副流路20の開口度を大きくするように、弁体40,40aを開ける。
逆に、図3(b)に示す空気流量測定装置102のように、弁体40bを副流路20に露出するセンサチップ14(検出部RK)の上流側に配置する場合には、下流側に配置する場合に較べて流量測定の精度は劣るものの、空気流に乗って飛散してくる微粒子やダストのセンサチップ14(検出部RK)への衝突を抑制することができる。尚、弁体40bを副流路20に露出するセンサチップ14(検出部RK)の上流側に配置する場合には、空気流が大流量域にある時、検出部RKでの流速を落とすため、副流路20の開口度を小さくするように、弁体40bを閉じる。
図4は、別の空気流量測定装置の例を示す図で、図4(a)は、空気流量測定装置103の構成を模式的に示した断面図であり、図4(b)は、図4(a)に示す空気流量測定装置103の出力特性を示した図である。
図1〜図3に示した空気流量測定装置100〜102では、いずれも、副流路20の開口度を検出するための開口度センサ42,42a,42bを有しており、流量演算器30において該開口度センサ42,42a,42bからの検出信号とセンサチップ14からの検出信号とを合わせて計算し、空気流の流量を測定していた。
これに対して、図4(a)に示す空気流量測定装置103は、弁体40cが、流量演算器31からの弁体駆動信号により、ソレノイド等からなる弁駆動体43で駆動され、副流路20の開口度を変化させるようにしている。従って、空気流量測定装置103では、弁体40cが図中に一点鎖線で示した2つの位置P1,P2をとり、副流路20の開口度を2値で変化させる構成となっている。
流量演算器31からの弁体駆動信号は、例えば図4(b)に示すように、弁体40cが位置P1にある状態において、センサチップ14の検出信号が図中の基準値K1より大きくなった場合に弁体40cを位置P2に移動する信号「1」とし、弁体40cが位置P2にある状態において、センサチップ14の検出信号が図中の基準値K2より小さくなった場合に弁体40cを位置P1に移動する信号「0」とする。従って、図4(a)に示す空気流量測定装置103のセンサチップ14は、大流量域にある時も、図4(b)に両端矢印で示したK1−K2間の直線的な範囲で使用される。そして、流量演算器31において、センサチップ14からの検出信号と、弁体40cによる副流路20の開口度の情報をもたらす弁体駆動信号とを合わせて計算して、空気流の流量を測定する構成としている。
図4に示す空気流量測定装置103についても、図1(a)に示した空気流量測定装置100と同様に、副流路20の開口度を変化させる弁体40cを有しており、流量演算器31においてセンサチップ14からの検出信号と弁体40cによる副流路20の開口度の情報とを合わせて計算することで、空気流の流量を正確に測定できる。
また、図4に示す空気流量測定装置103においては、弁体40cによる副流路20の開口度の状態が、位置P1での小開口状態と位置P2での大開口状態の2つに単純化できると共に、副流路20の開口度の情報も2値となるため、流量演算器31におけるセンサチップからの検出信号との合算も単純化することができる。尚、図1〜図3に示した空気流量測定装置100〜102においても、弁体40,40a,40bによる副流路20の開口度の状態を小開口状態と大開口状態の2つに単純化して、副流路20の開口度の情報も2値となるように構成してもよい。
以上のようにして、図1〜図4に例示した空気流量測定装置100〜103は、いずれも、メンブレン12に空気流量の検出部RKが形成されてなるセンサチップ14と、主流路21を流れる被測定空気流の一部をセンサチップ14の検出部RKへ導く副流路20とを備える空気流量測定装置であって、センサチップ14のメンブレン12の耐久性が劣化することなく、主流路21を流れる空気流が大流量域にある時も高精度で流量測定が可能な空気流量測定装置となっている。
従って、上記空気流量測定装置100〜103は、過酷な条件下で使用され、高い耐久性が要求されると共に、小流量域から大流量域まで広範囲において高精度の空気流量測定が必要な車載用の空気流量測定装置として好適である。
100〜103 空気流量測定装置
11 半導体基板
12 メンブレン(薄肉部)
RK 検出部
14 センサチップ
20 副流路
21 主流路
30,31 流量演算器
40,40a〜40c 弁体
42,42a,42b 開口度センサ
43 弁駆動体

Claims (7)

  1. 半導体基板(11)の一端にメンブレン(12)が形成され、該メンブレンに空気流量を検出するための検出部(RK)が構成されてなるセンサチップ(14)と、
    主流路(21)を流れる被測定空気流の一部を、内部に露出するように配置された前記センサチップの検出部へ導く管状の副流路(20)とを備える空気流量測定装置(100〜103)であって、
    前記センサチップからの検出信号を入力して、前記空気流の流量を計算するための流量演算器(30,31)と、
    前記副流路の開口度を変化させる弁体(40,40a〜40c)とを有してなり、
    前記弁体が、バネ力により、前記空気流の流量に応じて前記開口度を自動的に変化させるように構成されると共に、
    前記開口度を検出するための開口度センサ(42,42a,42b)が、前記弁体に隣接して配置され、
    前記流量演算器において、前記センサチップからの検出信号と、前記開口度センサからの検出信号とを合わせて計算し、前記空気流の流量を測定することを特徴とする空気流量測定装置。
  2. 前記副流路の端部において、前記弁体が副流路に沿った方向に移動すると共に、前記バネ力が副流路に沿った方向に印加されるように構成されてなり、
    前記開口度センサが、前記弁体の副流路に沿った方向の位置を検出することを特徴とする請求項1に記載の空気流量測定装置。
  3. 前記弁体が、前記副流路の端面を塞ぐように構成されてなり、
    前記副流路の端面近くに、前記空気流のバイパス穴(20a)が設けられてなることを特徴とする請求項2に記載の空気流量測定装置。
  4. 前記副流路の端部において、前記弁体が副流路の断面方向に開閉すると共に、前記バネ力が副流路の断面方向に印加されるように構成されてなり、
    前記開口度センサが、前記弁体の副流路の断面方向における位置を検出することを特徴とする請求項1に記載の空気流量測定装置。
  5. 前記弁体が、
    所定の基準空気流量より小さい場合に、前記副流路の開口度を一定とし、前記基準空気流量より大きい場合に、副流路の開口度を変化させるように設定されてなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の空気流量測定装置。
  6. 前記弁体が、前記副流路に露出する前記センサチップの検出部の下流側に配置されてなることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の空気流量測定装置。
  7. 前記空気流量測定装置が、車載用であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の空気流量測定装置。
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