JP4168417B2 - 流体検出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばガスバーナに供給する燃料ガスの流量計測を行うに好適な流体検出装置に関する。
【0002】
【関連する背景技術】
近時、全予混合燃焼などの低NOx高効率燃焼が推進されており、例えばガスバーナやガスエンジンへの燃料ガス及び空気(以下、ガスという)の供給を高精度に制御することが要求されている。このような制御を実現するにはガスバーナ等へ供給するガスの流量を高精度に検出することが重要である。
【0003】
ところでガス(流体)の流量を検出する流れ検出器として、ガスの通流方向にヒータを挟んで設けた一対の温度センサを主流路内壁に露出させて設けることにより、ガスの流速によって変化する温度分布を温度差として検出し、これによってガスの質量流量を測定する熱式流量計がある(例えば特許文献1を参照)。またガスの通流路にオリフィス(絞り)を設け、オリフィスを介して検出される圧力(差圧)からガス流量を検出するオリフィス型流量計も知られている(例えば特許文献2を参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平4−230808号公報
【特許文献2】
特開平10−307047号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上述した熱式流量計は、ヒーター及び温度センサが主流路を流れるガスに直接接触するので、例えば300℃程度の高温ガスの流量計測には耐熱性の点で適さない。また、流れの増加に対して検出出力が曲線状の変化を呈するため、流れと検出出力とが比例関係にあると見なせる領域が狭い。従って比較的広い領域で流れを検出しようとすると、流れに対する曲線状の検出出力を直線状に補正する演算が必要である。またオリフィス型流量計においては、主流路に流れる流体の一部を分岐流路に分流する構造を採るため、比較的高温のガスであっても分岐流路中で冷却されて検出可能であるが、その反面、オリフィスによるガス流路の絞り比を0.1〜0.8程度に設定することが必要であり、圧力損失を伴うことが否めない。更には分岐流路の流入側の開口端部をオリフィスの上流側に、流出側の開口端部を下流側に振り分けて設ける必要があるので、流入側開口端部と流出側開口端部との位置がある程度離れている。これ故、燃焼等に起因して主流路中のガスに振動が生じる現象をオリフィス型流量計で検出しようとすると、流入側開口端部と流出側開口端部との距離に対応する特定の周波数の振動を検出できないことがある。これは流入側開口端部と流出側開口端部との気圧が等しくなると分岐流路に流れが生じなくなるからである。
【0006】
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、その目的は、主流路に流れる流体が高温であったとしてもその流れを検出できるように構成することが可能であり、圧力損失が極めて小さくなるように構成することが可能であり、燃料ガス等の流体の流れを高精度に測定することのできる流体検出装置を提供することにある。
【0007】
またその目的は、流れと検出出力とが比例関係にあるとみなせる領域が比較的広い流体検出装置を提供することにある。また同時に分岐流路の流入側の開口端部と流出側の開口端部との位置を近接させて設けることを可能とし、ガスの振動を正確に検出することのできる流体検出装置を提供することを目的としている。本発明はこれらの目的の少なくとも一つを達成するためになされている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するべく本発明は、燃料ガスなどを流す配管がなす流路断面の各部における流速が、その配管の曲がり形状や配管壁面からの距離によって異なるが、配管の壁面での流れがその流路に絞りがない場合にはクエット流であると見なすことができること、そして配管の内壁面近傍での流速が配管内の平均流量に近似的に比例した関係にあることに着目してなされている。
【0009】
そこで本発明に係る流体検出装置は、流体を通流する主流路の内壁面近傍に、該主流路の上流側または下流側に向けた開口端部を有し、この開口端部を介して前記主流路の内壁面近傍を流れる前記流体の一部を分岐して通流させる1つまたは複数の分岐流路を設け、この分岐流路を通流する流体の流量を熱式流れセンサを用いて検出するようにしたことを特徴としている。
【0010】
このように構成することで、主流路に絞りを実質的に設けることなく分岐流路に流体を分流させることができる。それ故、主流路に大きな圧力損失を生じさせることがない。主流路に流れるガスが高温であっても、そのうちの少量が分岐流路へ分流されて分岐流路内壁へ熱を放出し温度が低下するので、熱式流れセンサの耐熱限界内での検出が可能である。主流路を流れる流体の内壁面近傍を流れる層流境界層または層流底層の一部が分岐されて分岐流路に流れるものと考えられ、それを検出するので、流れと検出出力とが比例関係にあるとみなせる領域が広い。また主流路を流れる流体に発生する乱れの影響を受け難いものと考えられ、誤差の少ない検出が可能である。
【0011】
好ましくは前記開口端部を上流側に向けた複数の分岐流路の各開口端部、または前記開口端部を下流側に向けた複数の分岐流路の各開口端部を、前記主流路の軸心を中心としてその流路断面に沿って等角度間隔に設け、これらの各分岐流路を流れる流体の流量をそれぞれ検出することを特徴とする。
このように複数の分岐流路の各開口端部を、その流路断面に沿って等角度間隔に設けておけば、例えばその上流側の流路の曲りに起因して主流路を流れる流体の流れに偏りが生じていても、複数の分岐流路においてそれぞれ検出される流量の違いからその偏りを検出することができる。更には、例えば各分岐流路においてそれぞれ検出される流量を相加平均などで平均化することで、主流路を流れる流体の平均流量を計測することが可能となる。
【0012】
また或いは前記開口端部を上流側に向けた複数の分岐流路、または前記開口端部を下流側に向けた複数の分岐流路を互いに並列に接続し、これらの並列接続された複数の分岐流路にそれぞれ流れる流体の総流量を、前記熱式流量計にて一括して検出するようにしても良い。
このような構成とすれば、複数の分岐流路にそれぞれ流れる流体の総流量を簡易に検出することができるので、例えば主流路を流れる流体の流れに偏りが生じていても、各分岐流路にそれぞれ流れ込む流体の流量を平均化して流量計測を行うことが可能となる。従って主流路を流れる流体の偏りの影響を受けることなしに、簡易に高精度な流量計測を行うことが可能となる。
【0013】
尚、前述した分岐流路の他端側を開放しておき、主流路から分岐流路に分岐した流体を外部に流出させるようにしたり、逆に外部から分岐流路を介して流入した流体を主流路に流し込むようにしても良い。このような構成とするれば、主流路を流れる流体の一部が外部に流出し、或いは外部から流入した流体が主流路内に導入されることになるが、例えばその流体が空気であれば殊更な問題が生じることはなく、その構成の簡易化を図ることが可能となる。
【0014】
しかし前記開口端部を上流側に向けた分岐流路の開口端部を、前記開口端部を下流側に向けた分岐流路の開口端部よりも上流側に位置付けておき、上記各分岐流路の他端部を互いに連通して、分岐流路に分岐した流体の一部を主流路に戻すように構成することも可能である。この場合には分岐流路の他端側を周囲環境に向けて開放した場合のような不具合を招来することがなく、その流れ自体を安定化して流量検出を行うことが可能となる。
【0015】
更に複数の分流路のそれぞれの流路抵抗を連通部の流路抵抗よりも大きくすることで、いずれかの開口端部の流れが局所的に変化した場合でも連通部の相加平均としての流れへの影響を比較的小さくすることができ、主流路内の流れの分布の偏りの影響を受け難くすることができる。尚、本明細書における「流路抵抗」とは、ある流路を流れる流体の流量とその流路の両端の差圧との近似的な比例定数をいう。差圧が一定の場合、流路抵抗を大きくすると流量は小さくなる関係にある。一般的に流路の径を小さくするほど、また流路の長さを長くするほど、流路抵抗は大きくなる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態に係る流体検出装置について詳しく説明する。
本発明に係る流体検出装置は、流路断面が円形をなす配管内を通流する流体の流れは上記流路断面の各部において一様ではなく、図1(a)(b)に示すように或る分布を持つ。具体的には流体が持つ粘性により、一般的には流路断面の中央部での流れが速く、配管の内壁面近傍での流れは遅い。特に図1(b)に示すように上流側の管路が曲がっているような場合、その流れが流路の曲がりによって歪められるので、流れの分布に偏りが生じる。
【0017】
ちなみに配管の壁面近傍における流速は、ナビエ・ストークスの式と連続方程式とにより示される層流境界層の方程式により表すことができる。ここで配管の内壁面近傍での流速が[0]であるとすると、その流路に絞りがない場合には、壁面から距離d(d≠0)の位置での流れΔuはクエット流であると見なすことができる。そして壁面(y=0)における流速が[u=0]、クエット流の境界条件(y=R)における流速が[u=U(平均流速)]であるとすると、その流速uは[u=U/R・y]として近似することができる。
【0018】
ところで図1(b)に示すように流体の流れに偏りがある場合における内壁面近傍(d≒0)での平均流速uaveは、流路断面を規定する内壁面に沿った周方向各部における内壁面近傍での流速ufの相加平均として求めることができ、
uave ≒ Σuf/n = UΣd/Rf/n
なる関係が成立する。但し、上記Σは添字fを(f=1,〜,n)としたときの総和演算を示す。これ故、平均流速Uは、
U = (Σuf/n)/(Σd/Rf)
として表すことができる。従って内壁面から平均流速Uの流れる位置までの距離Rfは一定であり、流速の測定位置dを上記距離Rfの範囲内の一定位置とすれば、上記測定位置dにおいて計測される流速と平均流速Uとは比例関係を有することになる。
【0019】
以上の考察結果から、配管の内壁面近傍dにおける流速は配管内の流量に比例しており、またその流れに偏りがある場合でも、流路断面に沿ってn等分した複数箇所において内壁面近傍での流速をそれぞれ計測すれば、これらの計測値を相加平均することで平均流速計測を、kを定数として
U = kΣuf/n
として安定に行い得ること、つまり流れの偏りに拘わることなく平均流速を計測し得ることがわかる。このことは、主流に乱流が発生している場合であっても同様である。本発明は上述した知見に基づいてなされたもので、基本的には流路断面が円形をなす主流路の内壁面近傍における流体の流速を計測するように構成される。
【0020】
図2は、本発明の実施形態に係る流体検出装置を要部概略構成を示す断面図であり、1は流路断面が円形をなす主流路(円形配管)を示している。少なくとも図示されている範囲において、主流路の径は一定である。流体検出装置は、上記主流路1を形成する管内壁面1aの近傍に開口端部2(2a,2b)を有し、前記主流路1の内壁面近傍を流れる流体の一部を分岐して通流させる少なくとも1つの分岐流路3を備える。少なくとも図示されている範囲において、分岐流路3の径は一定である。ちなみに上記分岐流路3は、その開口端部2aを主流路1の上流側に向けた分岐流路3a、または開口端部2bを主流路1の下流側に向けた分岐流路3bからなる。尚、流体検出装置は、開口端部2aを上流側に向けた分岐流路3aおよび開口端部2bを下流側に向けた分岐流路3bの双方を備えたものであっても良いが、その一方だけを備えたものであっても良い。
【0021】
また上記分岐流路3の開口端部2は、管内壁面1aの近傍の前述したクエット流だけを分岐して分岐流路3に流すべく、その開口位置(測定位置d)がクエット流の境界Rfよりも管内壁面に近くなるように、例えば管内壁面1aから0.3〜1.0mm程度の高さに設定されている(便宜上、管内壁面を基準に管の中心方向へ向けた距離を「高さ」と称する)。さらに具体的に例示すれば、開口端部2は0.8mmの口径を有し、口径の中心は管内壁面1aから0.5mmの高さに位置する。このような高さ位置に設けられた開口端部2により、主流路1を通流する流体の、いわゆる層流境界層または層流底層の流れの一部が分岐流路3に分岐される。
【0022】
そしてこの分岐流路3(3a,3b)を流れる流体の流速(流量)は、該分岐流路3に組み込まれた熱式流量計4(4a,4b)により検出され、その検出信号はマイクロプロセッサ等からなる信号処理部5に与えられることで、前記主流路1を流れる流体の平均流速(流量)Uが計測されるようになっている。尚、このような熱式流量計4は、例えば上述の特許文献1により公知である。
【0023】
尚、分岐流路3の他端が流路外部の周囲環境(例えば大気)に向けて開放されている場合には、主流路1から開口端部2aを介して分岐された流れの一部は、分岐流路3aを介して外部に流出し、また外部から分岐流路3bに流入した流体はその開口端部2bから主流路1内に導入されることになる。いずれの場合にしろ開口端部2が設けられた管内壁面1aの近傍における流れは、その流路方向に一定の速さで流れる層流境界層または層流底層である。そして分岐流路3a,3bを通流する流体の流れは上記層流境界層または層流底層の流れに依存する。
【0024】
従って分岐流路3a,3bは、主流路1における層流境界層または層流底層の流れの一部を取り出して通流するか、或いは層流境界層または層流底層の流れの一部として外部から加える流体を流すかの違いを有するだけであり、実質的に層流境界層または層流底層の一部を分岐して通流すると見なすことができる。これ故、分岐流路3(3a,3b)を流れる流体の流速を検出することで上記層流境界層または層流底層の流速を正確に検出することができる。尚、開口端部2近傍の主流路1の断面積は常に一定であるから、この断面積と上記流速との積が流量に相当(比例)する。この理由により、本明細書においては「流速」なる表記と「流量」なる表記とを互いに置換可能なものとして使用することがある。また、これらを総称して「流れ」と表記することがある。
【0025】
ところで上述した分岐流路3(3a,3b)を、主流路1が形成する流路断面においてその管内壁面1aの周方向に沿って複数設けるようにしても良い。この場合には、図3に主流路1の横断面を模式的に示すように複数の分岐流路3の各開口端部2を主流路1の軸心を中心に等角度間隔に配置するようにすれば良い。具体的には4本の分岐流路3を設ける場合には、主流路1の円環をなす管内壁面1aを90°間隔で等分し、これらの等分割された各位置に前記各分岐流路3の開口端部2をそれぞれ配置するようにすれば良い。各分岐流路3の径は全て等しいものであることが望ましい(例えば0.8mm)。そしてこれらの各分岐流路3にそれぞれ分岐された流体の流速をそれぞれ検出するようにすれば、例えば前述した図1(b)に示すように主流路1を通流する流体の流れに偏りがあっても、その偏りに応じた管内壁面1aの各部における流速をそれぞれ検出することが可能となる。
【0026】
従って複数の分岐流路3を介してそれぞれ検出される管内壁面1aの各部における流速を総合判定し、例えば各部における流速の差を求めれば主流路1を通流する流体の流れの偏りを評価することが可能となる。またこれらの分岐流路3を介してそれぞれ検出される管内壁面1aの各部における流速を相加平均すれば、上述した流れの偏りに拘わることなく、その平均流量を簡易に求めることが可能となる。換言すれば流量計測部位の上流側に曲り管路が存在し、これによって主流路1を通流する流体の流れに歪み(流速分布の偏り)がある場合であっても、その平均流速を簡易にしかも精度良く計測することが可能となる。
【0027】
尚、この場合においても主流路1の軸心を中心に等角度間隔に配置する複数の開口端部2については、前述した主流路1の上流側に向けた開口端部2aであっても良く、或いは主流路1の下流側に向けた開口端部2bであっても良い。またこれらの各開口端部2についても、前述したようにその開口位置(測定位置d)がクエット流の境界Rfよりも低くなるように、例えば管内壁面1aから0.3〜1.0mm程度の一定の高さに揃えておけば良い。
【0028】
また上述した複数の分岐流路3を、例えば図4に示すように連結流路6を介して並列に接続し、上記分岐流路3をそれぞれ通流する流体を合流させて通流する連結流路6に熱式流量計4を設けることも可能である。即ち、主流路1の周方向を等分する位置に開口端部2をそれぞれ設けた複数の分岐流路3の他端部を、前記主流路1の外周に沿って円環状に設けた連結流路6にそれぞれ連通させる。そしてこの連結流路6の一部から外部に導出された合流流路6aに熱式流量計4を組み込むようにしても良い。この場合、連結流路6及び合流流路6aが連通部に相当する。望ましい実施の形態としては、分岐流路3及び連結流路6の少なくとも一方の流路抵抗を大きく設定し、合流流路6aの流路抵抗を小さく設定すべきである。そのためには、例えば、各分岐流路3の流路断面積を0.5mm2とし、連結流路6の断面積を、4つの分岐流路3の流路断面積の合計2.0mm2よりも大きい4.0mm2とし、合流流路6aの断面積をさらに大きい6.0mm2とすれば、分岐流路3から連結流路6、合流流路6aの順に流路抵抗を小さくすることができる。但し、合流流路6aの断面積を大きく設定しすぎると、流速が小さくなりすぎて熱式流量計4の検出範囲から外れるので注意すべきである。
【0029】
このように流体検出装置を構成すれば、複数の開口端部2にて主流路1の壁面近傍からそれぞれ分岐された流体の流れの一部が分岐流路3を介して連結流路6に流れ込み、合流流路6aにて1つの流れにまとめられて通流する。従って熱式流量計4は、前記各分岐流路3にそれぞれ分岐された流れの総和に相当する総流量を検出することになる。また熱式流量計4にて検出される総流量を上記分岐流路3の数nにて除算すれば各分岐流路3の1本あたりの流量、つまり平均流量を算出することが可能となり、これによって主流路1の内壁面近傍を通流する流体(層流境界層または層流底層)の平均流速、ひいてはこの平均流速に所定の定数を乗ずることで主流路1を通流する流体の平均流速を簡易に計測することが可能となる。
【0030】
特にこのような構成を採用した場合、複数の分岐流路3のそれぞれに熱式流量計4を組み込む必要がなくなり、1個の熱式流量計4を用いるだけで良いので、例えば複数の分岐流路3を並列接続するための連結流路6を必要とするといえども、その信号処理系を含む全体的な構成の簡素化を図ることが可能となる。この場合においても並列接続する複数の分岐流路3については、前述した開口端部2aを主流路1の上流側に向けた複数の分岐流路3aであっても良く、或いは開口部2bを主流路1の下流側に向けた複数の分岐流路3bであっても良い。
【0031】
ところで主流路1に、開口端部2aを主流路1の上流側に向けた分岐流路3aと、開口端部2bを主流路1の下流側に向けた分岐流路3bとを設ける場合、図5に示すようにこれらの分岐流路3a,3bの他端部を互いに連通させ、主流路1から分岐流路3aに導かれた流体の一部を分岐流路3bを介して主流路1に戻すように構成することも可能である。この場合には上記各分岐流路3a,3bの開口端部2a,2bが互いに背中合わせとなるように配置し、上記分岐流路3aに分岐された流体が分岐流路3bを介して開口端部2aの上流側に戻されることがないようにする方が良い。即ち、上記分岐流路3a,3bに分岐されて流れる流体が、その分岐点と同じかそれよりも下流側に戻されるようにしておけば良い。しかし、上記分岐流路3aに分岐された流体が分岐流路3bを介して開口端部2aの上流側に戻されることを否定するものではない。
【0032】
尚、開口端部2aを主流路1の上流側に向けた分岐流路3aと、開口端部2bを主流路1の下流側に向けた分岐流路3bとが複数対設けられる場合には、これらの分岐流路3a,3bの他端部を個別に連通させれば良い。しかし前述したように複数の分岐流路3aおよび複数の分岐流路3bのそれぞれを並列接続して設ける場合には、これらの並列接続した分岐流路3a,3bの他端部(連結流路6の他端部)を互いに連通させるようにすれば良い。
【0033】
このようにして開口端部2aを主流路1の上流側に向けた分岐流路3aと、開口端部2bを主流路1の下流側に向けた分岐流路3bの各他端部を互いに連通させた構造とすれば、主流路1から分岐流路3aに分岐された流体の一部が分岐流路3bを介して上記主流路1に戻されることになるので、その流れを安定なものとすることができる。しかも主流路1を通流する流体がその外部に放出されることがなく、また外部から導入された流体が主流路1を通流する流体に混入することがないので、該主流路1を通流する流体自体に何等の変化も及ぼさない。従って主流路路1を通流する流体に影響を及ぼすことなくその流速(流量)を検出することが可能となり、更には流体検出装置としての動作信頼性を十分に高めることが可能となる。
【0034】
ところで上述した如く構成される流体検出装置は、例えば図6(a)(b)に示すような薄型の装置として具現化することができる。尚、図6(a)は流体検出装置の縦断面を示し、図6(b)は図6(a)において破断線X-Xによって示す上記流体検出装置の横断面を示している。ここでは紙面右側が上流側、左側が下流側として描かれている。
【0035】
この装置は、燃料ガス等を通流する円形のガス配管のフランジ結合部に介挿して用いるように構成したもので、所定の厚み(例えば9mm)をなすリング状の第1部材10と、この第1部材10の外周に嵌め込まれるリング状の第2部材20とからなる。これらの第1および第2部材10,20は、それぞれ金属製の部材からなるが、高耐熱性を有するプラスチック製のものであっても良い。
【0036】
所定の厚みを有するリング状の第1部材10の円環状の内壁面11が流体の主流路1を形成している。特にこの内壁面11は、その内径Dを第1部材10の厚み方向(流体の通流方向)に滑らかに変化させて、中央部分での内径Dが最小となるような断面半円弧状、或いは断面半楕円形をなす滑らかな流線型状をなす曲面として形成されている。尚、この内壁面11の最大内径Dはガス配管の内径(例えば21mm)を考慮して、その両端部において21mmに設定されており、また内壁面中央部での内側への突出高hは、例えば0.5〜1.0mm程度に設定されている。即ち、内壁面11の最小内径D−2hは19〜18mm程度に設定されており、上記の滑らかな表面形状と相俟って、主流路を流れる流体に与える圧力損失は極めて小さい。
【0037】
この第1部材10には、上述した形状をなす内壁面11に開口端部2を設けた分岐流路3をなす複数の貫通孔12が、該第1部材10の内壁面11から外周面14aに掛けて設けられている。特に上記開口端部2は、断面半円弧状、或いは断面半楕円形をなす前記内壁面11の中央部から両辺部に掛けて、それぞれ該第1部材10の厚み方向に漏斗状に開口する楕円形状の凹部として設けられている。特に上述した凹部形状をなす開口端部2については、その開口方向を主流路1の軸心に対して、例えば略60°の傾きを付けて設けられている。図6(a)においては図の見易さを優先するために開口端部2aと開口端部2bとの位置をやや左右に離して描いてあるが、実際の流体検出装置の設計にあたっては、上記の角度を最適に設定することで、この断面方向から見て開口端部2aと開口端部2bとが完全に重なるように配置することも可能である。
【0038】
これらの内壁面11の中央部から両辺部に掛けてそれぞれ設けられた開口端部2の一方は、流体通流方向の上流側に向けて開口する開口端部2aとして、また他方は流体通流方向の下流側に向けて開口する開口端部2bとして機能するようになっている。そしてこれらの流体通流方向の上流側および下流側にそれぞれ向けて設けられる複数の開口端部2(2a,2b)は、前述したように内壁面11を周方向に等分する位置にそれぞれ設けられており、第1部材10の内壁面11近傍を通流する層流境界層または層流底層の流れの一部を分岐して貫通孔12(分岐流路3)に導くようになっている。このような構成を採ることで、分岐流路の流入側の開口端部2aと流出側の開口端部2bとの位置を極めて近接させて設け、流体の特定の振動周波数(波長)に対して感度が低下するという問題を実質的に解消している。
【0039】
また前記第1部材10の外周面14bには、周方向に2条の溝13a,13bが平行に設けられている。これらの溝13a,13bは、その底部(即ち、外周面14a)に前述した複数の貫通孔12の他端部をそれぞれ連通したもので、第1部材10の外周面に嵌め込まれる第2部材20の内周面23によってその上面が閉塞されて前述した環状の連通流路6をそれぞれ形成する。
【0040】
一方、前記第2部材20は、上述したように第1部材10の外周面に嵌め込まれて溝13a,13bの上面を閉塞する内周面23と、この内周面23の一部に穿たれて前記溝13a,13b間を連通させる凹状の空間部21とを備える。またこの空間部21の底面には所定形状の流量計取付孔が穿たれており、この流量計取付孔に第2部材20の外周面側から所定形状のパッケージに実装された熱式流量計4が組み込まれるようになっている。
【0041】
そして上述した第1部材10と第2部材20は、溝13a,13bの上面を閉塞して組み合わせた状態で、つまり第2部材20の内周面23に第1部材10を嵌め込んだ状態で、これらの間を気密に溶接する等して接合一体化される。これによって前述した貫通孔12がなす分岐流路3と、溝13a,13bがなす連結流路6とが空間部21を介して連通されることになる。分岐流路の断面積は、開口端部2の最狭部が最も小さくなるように形成されており、溝13、空間部21の順に大きくなるように形成されている。それで、その順番に流体抵抗が小さくなっている。
【0042】
尚、簡略化のため図示していないが、図6(a)において、溝13aと溝13bとの間の、第1部材10の外周と第2部材20の内周との接触面に円環状の溝を形成し、この溝にOリング等のパッキンを設けても良い。そのようにすれば、工作精度の不足に起因して溝13aからこの接触面の隙間を通って溝13bへ至る流体の漏れを防止することができ、流体が必ず空間部21を通って流れるので検出誤差の防止に役立つ。
【0043】
尚、第2部材20および気密を保つためのパッキン30,30には、前述した空間部21を設けた位置を避けて図5(b)に示すように複数の丸穴22が等角度間隔で設けられている。これらの丸穴22は、ガス配管のフランジ結合部に組み付けられて、相対向する一対のフランジ部間を結合するボルト(図示せず)を挿通するためのものである。尚、パッキン30に代えて、第2部材20において、配管フランジに対向する面に円環状の溝を設け、その中にOリング状のパッキンを配置しても良い。これらのパッキンの材質は、使用する温度に応じてゴムや軟銅など周知のものから適宜選択すれば良い。またパッキン30,30に熱伝導率の低い材質(例えば耐熱繊維を成形したもの)を用い、第2部材20に熱伝導率の高い材質(例えばアルミニウム)を用いれば、分流された燃焼ガスを効率よく冷却することができる。燃焼ガスの冷却をさらに促進するために、第2部材20の直径を大きくするなどして空間部21の流路長を長くしたり、空間部21の周囲を冷却する冷却フィンや冷却装置を外部に設けても良い。
【0044】
かくして上述した構造の薄型の流体検出装置によれば、既存のガス配管のフランジ結合部間に挟み込み、その流路内に介挿するだけで、簡易にガスタービン等の燃料ガス供給系に組み付けることができる。そしてガス配管を通流する燃料ガスの、ガス配管の壁面近傍に流れる層流境界層または層流底層の流れの一部を前述した空間部21に導き、その流速(流量)を効果的に計測することができる。しかも前述したようにガス配管を通流する燃料ガスの流速(流量)を、分岐流路3を流れる流体の流速として高精度に測定することができるので、その実用的利点が絶大である。
【0045】
尚、ガス配管を通流する燃料ガスが高温であっても、また燃料ガスに塵が含まれるような場合であっても、その燃料ガスの一部を分岐流路3を介してバイパスして計測を行うので、その途中で燃料ガスを冷却したり、更には折れ曲がった流路構造が持つ慣性集塵効果により塵を取り除くことができるので、一般的に耐熱性がさほど高くない熱式流量計4を用いても、その計測を容易にしかも安定に行うことができる。特に従来のオリフィスを用いて生成される差圧を利用して流量計測を行う流量計と異なり、流路内壁近傍の流れからその流体の質量流量を検出するので、圧力損失の問題等を招来することなくその計測を高精度に行い得る等の利点が奏せられる。
【0046】
図7は上述した構造の流体検出装置を用いて計測された流量と、主流路1を流れる流体の実流量との関係を対比して示したものである。この図7において特性Aはその上流側と下流側とに内径21mmの直管(ガス配管)をフランジを介してそれぞれ接続した場合、特性Bは上流側と下流側とに内径27mmの直管(ガス配管)をフランジを介してそれぞれ接続した場合、そして特性Cは上流側に内径21mmの直管(ガス配管)を接続し、下流側に内径27mmの直管(ガス配管)を接続した場合における各計測特性をそれぞれ示している。
【0047】
また特性Dは上流側に内径21mmの曲管(ガス配管)を接続すると共に、下流側に内径21mmの直管(ガス配管)を接続した場合、特性Eは上流側に内径27mmの曲管(ガス配管)を接続すると共に、下流側に内径27mmの直管(ガス配管)を接続した場合、そして特性Fは上流側に内径21mmの曲管(ガス配管)を接続すると共に、下流側に内径27mmの直管(ガス配管)を接続した場合における各計測特性をそれぞれ示している。
【0048】
これらの各特性A〜Fにそれぞれ示されるように、ガス配管の内径に殆ど依存することなく、しかもガス配管が直管であるか曲管であるかに依存することなく、つまり流体の流れに歪みがあるか否かに拘わることなく本発明に係る流体検出装置によれば、略直線に近い検出特性が得られることが確認できた。また主流量と平均側壁流量との誤差も殆どないことが確認できた。即ち、流れと検出出力とが比例関係にあると看做し得る領域が比較的広く、十分な検出精度を有することが確認できた。
【0049】
このような実験結果を踏まえれば、例えば図8に示すように開口端部2が主流路1の流路断面積を狭めるような、その管内の内側に突出する部位7の先端に設けられていても、その突出部位7が主流路1の内壁面近傍に流れる層流境界層または層流底層を妨げるものでなければ、その突出高さは殆ど問題にならないと言える。従って標準的なガス配管の内径が21mmまたは27mmであることを考慮すれば、前述したように主流路1の最小内径を19mmとした流体検出装置を準備しておくだけで、21mmまたは27mmの配管にそのまま適用することが可能となる。
【0050】
ここで上述した流量検出装置に組み込まれる熱式流量計4について簡単に説明する。この熱式流量計は、例えば図9に示すようにシリコン基台B上に設けた発熱抵抗体からなるヒータ素子Rhを間にして、流体の通流方向Fに測温抵抗体からなる一対の温度センサRu,Rdを設けた素子構造を有し、マイクロフローセンサと称される。そして熱式流量計(マイクロフローセンサ)は、上記ヒータ素子Rhから発せられる熱の拡散度合い(温度分布)が前記流体の通流によって変化することを利用し、前記温度センサRu,Rdの熱による抵抗値変化から前記流体の流量Qを検出するものとなっている。
【0051】
具体的にはヒータ素子Rhから発せられた熱が流体の流量Qに応じて下流側の温度センサRdに加わることで、該温度センサRdの熱による抵抗値の変化が上流側の温度センサRuよりも大きいこと利用して上記流量Qを計測するものとなっている。尚、図中Rrは、前記ヒータ素子Rhから離れた位置に設けられた測温抵抗体からなる温度センサであって、周囲温度の計測に用いられる。
【0052】
図10は上述したマイクロフローセンサを用いた熱式流量計の概略構成を示している。即ち、ヒータ素子Rhの駆動回路は、該ヒータ素子Rhと周囲温度計測用の温度センサRr、および一対の固定抵抗R1,R2を用いてブリッジ回路41を形成し、所定の電源から供給される電圧VccをトランジスタQを介して前記ブリッジ回路41に印加すると共に、該ブリッジ回路41のブリッジ出力電圧を差動増幅器42にて求め、そのブリッジ出力電圧が零となるように前記トランジスタQを帰還制御して前記ブリッジ回路41に加えるヒータ駆動電圧を調整するように構成される。このように構成されたヒータ駆動回路により、前記ヒータ素子Rhの発熱温度が、その周囲温度tよりも常に一定温度差Δtだけ高くなるように制御される。
【0053】
一方、前記一対の温度センサRu,Rdの熱による抵抗値変化から前記マイクロフローセンサに沿って通流する流体の流量Qを検出する流量検出回路は、上記一対の温度センサRu,Rdと一対の固定抵抗Rx,Ryを用いて流量計測用のブリッジ回路43を形成し、温度センサRu,Rdの抵抗値の変化に応じたブリッジ出力電圧を差動増幅器44を介して検出するように構成される。そして前記ヒータ駆動回路によりヒータ素子Rhの発熱量を一定化した条件下において、差動増幅器44を介して検出されるブリッジ出力電圧Voutから前記マイクロフローセンサに沿って通流する流体の流量Qを求めるものとなっている。このようなマイクロフローセンサの特徴は、極めて低流速(例えば下限が0.3mm/秒)の気流を計測できることである。そのため、上述の実施の形態のように主流路の流量に対し分岐流路の流量が極めて小さくても(例えば1/1000程度)、分岐流路に流れる流体を高感度に検出することができる。
【0054】
このように構成される熱式流量計において、図8に示すようにブリッジ回路41に加えるヒータ駆動電圧Vhをモニタすれば、このヒータ駆動電圧Vhは周囲温度の変化に対応したものであるから、例えば燃焼室から伝わってくる燃焼振動に起因する温度変化を上記ヒータ駆動電圧Vhの変化量(振幅)や振動周波数として捉えることが可能となる。即ち、燃焼振動は、燃焼室に近いガス配管等における燃料ガスや、その周囲の空気に伝わってくる。従ってこのような燃焼振動を熱式流量計におけるヒータ素子Rhの駆動電圧の変化として捉えれば、これによって燃焼振動を簡易にモニタすることが可能となる。従って熱式流量計を用いて流量測定を行うと同時に、同じ熱式流量計を用いて燃焼振動をモニタすることが可能となる。
【0055】
尚、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。例えば主流路1の内壁面に沿ってその周方向に複数設けられる開口端部2の数nは、その仕様に応じて定めれば良いものである。またその開口端部2の大きさや形状についても種々変形可能であり、例えば凹部に代えてパイプ状に突出するものとして実現することも可能である。更に主流路1の断面形状は円形でなくても良い。円形以外の断面形状を有する主流路1にn個の開口端部2を設ける場合、各開口端部2の設置位置については、実験によって最適な位置を見出すことが望ましい。或いは主流路1の断面積を仮想線でn等分に分割し(ただし仮想線は主流路断面の中心を通る)、それぞれの分割片の仮想中心線上に各開口端部2を設けても良い。これは、主流路1の断面形状が円形のときに、各開口端部2を、その周囲に等角度に配置することに相当する。更には熱式の流量計については、前述した半導体上に集積したマイクロフローセンサに代えて、サーモパイル(熱電対)で温度センサを構成したものや、数ミクロンのワイヤを用いた熱線式のものを用いることも可能である。要は本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、主流路の内壁に極めて近い位置の流体の流れを分流し、その流れを検出するので、以下に挙げる効果のうちの少なくとも一つを奏することができる。
(1) 流路に流れる流体が高温であったとしてもその流れを検出できるように構成することが可能であると共に、圧力損失が極めて小さくなるように構成できる。
(2) 流れと検出出力とが比例関係にあるとみなせる領域が比較的広くなるように構成できる。
(3) 分岐流路の流入側の開口端部と流出側の開口端部との位置を近接させて設けることを可能とし、それゆえガスの振動を正確に検出できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る流体検出装置の流量検出原理を説明するための図。
【図2】本発明の実施形態に係る流体検出装置の基本的な構成例を示す図。
【図3】本発明に係る流体検出装置の別の実施形態を示す図。
【図4】本発明に係る流体検出装置の更に別の実施形態を示す図。
【図5】本発明に係る流体検出装置の好ましい実施形態を示す図。
【図6】本発明に係る流体検出装置の具現例を示す概略構成図。
【図7】図6に示す流体検出装置の計測特性を示す図。
【図8】本発明に係る流体検出装置の変形例を示す図。
【図9】本発明に係る流体検出装置に組み込まれる熱式流量計の例を示す図。
【図10】図9に示す熱式流量計の基本的な回路構成図。
【符号の説明】
1 主流路
2,2a,2b 開口端部
3,3a,3b 分岐流路
4 熱式流量計
5 信号処理部
6 連結流路
10 第1部材
12 貫通孔
13a,13b 溝(連結流路)
20 第2部材
21 空間部(連通部)
30 連結板
Claims (6)
- 流体を通流する主流路と、
この主流路の内壁面近傍に前記主流路の上流側または下流側に向けた開口端部を有し、この開口端部を介して前記主流路の内壁面近傍を流れる前記流体の一部を分岐して通流させる1つまたは複数の分岐流路と、
上記分岐流路に設けられて該分岐流路を通流する流体の流れを検出する熱式流れセンサとを具備したことを特徴とする流体検出装置。 - 前記開口端部を上流側に向けた複数の分岐流路の各開口端部、または前記開口端部を下流側に向けた複数の分岐流路の各開口端部は、前記主流路の軸心を中心としてその流路断面に沿って等角度間隔に設けられる請求項1に記載の流体検出装置。
- 前記開口端部を上流側に向けた複数の分岐流路同士、または前記開口端部を下流側に向けた複数の分岐流路同士は互いに並列に接続され、
前記熱式の流れ検出器は、上記並列接続された複数の分岐流路にそれぞれ流れる流体の総流量を検出し得る位置に設けられるものである請求項1または2に記載の流体検出装置。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の流体検出装置において、
前記分岐流路の他端側は、周囲の環境に向けて開放されていることを特徴とする流体検出装置。 - 上記各分岐流路の他端部は互いに連通され、その連通部に前記熱式の流れ検出器が設けられる請求項2または3に記載の流体検出装置。
- 上記各分岐流路のそれぞれの流路抵抗が、前記各分岐流路の他端部を互いに連通した連通部の流路抵抗よりも大きいことを特徴とする請求項5に記載の流体検出装置。
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