JP5573555B2 - 鋳造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、鋳造装置に関する。特に、圧力を加えて金型に溶融金属(溶湯)を射出して製品を鋳造するいわゆるダイカストマシンに関する。本明細書でいう「鋳造装置」は「ダイカストマシン」を意味する。
鋳造装置は、典型的には、金型と、金型に流し込むための溶湯を一時的に収容するスリーブと、スリーブ内を往復移動して溶湯を金型へ射出するためのプランジャチップと、プランジャチップの後端部分に連結されているロッドを備える。ロッドはアクチュエータによって前進/後退する。即ち、プランジャチップがロッドを介して前進/後退する。このような鋳造装置では、スリーブ内に溶湯を供給する際に、溶湯の熱によってスリーブが熱変形する場合がある。その場合、熱変形したスリーブ内でプランジャチップが移動すると、スリーブと、プランジャチップとの間で芯ずれが起き、プランジャチップの周縁部にかじりや磨耗が生じるおそれがある。
そこで、例えば特許文献1に、プランジャチップの周縁部にかじりや磨耗が発生し難いように工夫した鋳造装置が提案されている。その鋳造装置は、ロッドの先端部を曲面状に形成するとともに、ロッド先端部分をプランジャチップの後部からプランジャチップ内に差し込んで連結することにより、ロッドに対してプランジャチップを揺動可能としている。プランジャチップが揺動するため、プランジャチップが移動する際、スリーブとプランジャチップの間で調心が行われ(即ち、スリーブの変形に応じてプランジャチップが揺動するので)、プランジャチップの周縁部にかじりや磨耗が生じることが抑制される。
実開平6−29757号公報
発明者らの検討により、以下のことが判明した。特許文献1の鋳造装置では、ロッドはプランジャチップの後端からプランジャチップ内に差し込まれて連結されている。そのため、プランジャチップは、ロッド先端を中心として揺動(いわゆる「首振り」)することはできるが、プランジャチップの中心軸とロッドの中心軸とが互いに大きくずれることはできない。そのため、例えばスリーブの熱変形の度合いが大きい場合などには、プランジャチップがロッドに対して十分に揺動したとしても、スリーブとプランジャチップの間の芯ずれが十分には解消されず、プランジャチップがスリーブに偏当たりするなどして、プランジャチップの周縁部にかじりや磨耗が生じる場合があった。プランジャチップの周縁部のかじりや磨耗の発生を従来の装置よりも効果的に抑制する鋳造装置が望まれている。
本明細書が開示する鋳造装置は、金型と、金型に射出するための溶湯を一時的に溜めるスリーブと、スリーブ内に往復移動可能に配置されているプランジャチップと、スリーブ内のプランジャチップ後側でアクチュエータによって前進/後退するロッドを備える。プランジャチップは、ロッドに機械的に連結されていない。なお、ロッドが前進するとプランジャチップ後端がロッドに揺動可能に当接する。プランジャチップ後端には、少なくとも一部に可撓性を備える引き戻し部材が連結されている。プランジャチップは、ロッドの前進に伴って、ロッドに後端を押されてスリーブ内を前進し、引き戻し部材の後退に伴って、引き戻し部材に後端を引かれてスリーブ内を後退する。
上記の鋳造装置では、プランジャチップはロッドと機械的に連結されてはおらず、ロッドに当接するに過ぎない。さらに、プランジャチップ後端に連結される引き戻し部材は、少なくとも一部に可撓性を備えており、その可撓性を備える部分によってプランジャチップの揺動を許容する。従って、上記の鋳造装置では、プランジャチップは前後に移動しながら大きく揺動することができる。即ち、スリーブの変形に伴ってプランジャチップの中心軸とロッドの中心軸とを大きくずらしながら、ロッドの先端でプランジャチップを押して、プランジャチップをスリーブ内で前進させることができる。スリーブの熱変形の度合いが大きい場合においても、スリーブとプランジャチップとの間の芯ずれを解消し易くなり、プランジャチップがスリーブに偏当たりし難くなる。その結果、従来の装置に比べて、プランジャチップの周縁部のかじりや磨耗の発生が効果的に抑制され得る。
プランジャチップの内部には冷却媒体を案内する冷却媒体流路が形成されていてもよい。その場合、引き戻し部材が冷却媒体流路への冷却媒体の供給/排出を行う流路管を兼ねるとよい。即ち、引き戻し部材は中空であり、その内部を通じてプランジャチップ内部へ冷却媒体が供給されるとよい。中空の流路は2本設けられ、一方が供給路で他方が排出路であるとよい。この構成によると、プランジャチップを前進させて溶湯を金型に射出した後、プランジャチップの前面に接する溶湯(スリーブ先端に残存する溶湯)を冷却し、凝固を促進させることができる。
プランジャチップ後端には、曲面状のロッド先端が遊嵌する略半球状の窪みが形成されていてもよい。この構成によると、プランジャチップの窪みと、ロッドの先端との曲面同士の当接によってプランジャチップが滑らかに揺動でき、プランジャチップの中心軸とロッドの中心軸とがずれる場合であっても、ロッドの先端部がプランジャチップの後端部分に対して無理なく当接することができる。そのため、プランジャチップに過大な力が伝達されることがない。或いはロッドからプランジャチップに加わる力が偏在してしまうことが抑制される。その結果、従来の装置に比べて、プランジャチップの周縁部のかじりや磨耗の発生をより顕著に抑制し得る。
第1実施例の鋳造装置の模式的断面図を示す。 プランジャの模式的断面図を示す。 プランジャチップとロッドとが芯ずれを起こした様子を示す。 プランジャチップが後退する様子を示す。 第2実施例の鋳造装置の模式的断面図を示す。
(第1実施例)
図面を参照して第1実施例の鋳造装置2を説明する。本実施例の鋳造装置2は、圧力を加えて金型に溶融金属(溶湯)を射出して製品を鋳造する装置(ダイカストマシン)である。図1に示すように、鋳造装置2は、主な部品として、固定金型4と、固定金型に密着及び離間する可動金型6と、固定金型4に固定されるスリーブ10と、スリーブ10内を往復移動するプランジャ30とを備える。本実施例の鋳造装置2は、スリーブ10がその長手方向を略水平にして備えられ、スリーブ10内をプランジャ30が水平方向に往復移動する横型の鋳造装置である。なお、プランジャ30の構造の理解を助けるため、図1から図5は断面図ではあるが、図1と図5のみ、プランジャ30を側面図で示している点に留意されたい。
固定金型4と可動金型6とは、ともに合金鋼製の金型である。固定金型4は、図示しない固定盤に固定されている。可動金型6は、図示しない可動盤に固定されている。可動盤の移動に伴って、可動金型6が固定金型4に密着/離間する。なお、金型同士を密着させることは「金型を閉じる」と称し、密着した金型を離間することは「金型を開く」と称する。図1は、金型を閉じたとき(可動金型6が固定金型4に密着したとき)の状態を示している。このとき、2つの金型4、6の間には、製品を鋳造するためのキャビティ(図示省略)と、そのキャビティとスリーブ10内の空間を連通する湯道8が形成される。スリーブ10から射出される溶湯は、湯道8を通過してキャビティに供給される。
スリーブ10は、合金鋼製の円筒状部材である。スリーブ10の長手方向中央付近の上部には、外部からスリーブ10内に溶湯を供給するための溶湯供給孔12が形成されている。また、スリーブ10は、前方で上記の湯道8と連通している。スリーブ10の前端の上部には、湯道8とスリーブ10内とを連通する湯道孔14が開口している。なお、「スリーブ10の前方(後方)」とは、往復移動するプランジャ30の前進(後退)方向を意味する。
プランジャ30は、プランジャチップ32と、ロッド33と、引き戻し部材36、38で構成されている。プランジャチップ32は、スリーブ10内の溶湯をキャビティへと押出すための合金鋼製の円柱状部材であり、その先端面がスリーブ10内の空間に面するようにスリーブ10内に配置される。プランジャチップ32は、プランジャチップ32の外周面と、スリーブ10の内周面とがほぼ隙間なく接する径(厳密には僅かに小さい径)を有している。また、プランジャチップ32の後端面には半球状に窪んでいる当接部50が形成されている。
ロッド33は、プランジャチップ32の後側に備えられる。ロッド33は、プランジャチップ32を押して前進させるための部材である。ロッド33は、小径部34と大径部52とを備える。大径部52は、プランジャチップ32より小径に形成されている。大径部52の後端部は、ロッド33を前後動させる油圧装置(アクチュエータ)70に接続されている。小径部34は大径部52の先端面に一体に形成されている。また、小径部34は、大径部52より小径であって、大径部52と同軸に形成されている。小径部34の先端部(以下では、単に「ロッド33の先端部」と呼ぶ)は、曲面状に形成されている。ロッド33の先端部は、プランジャチップ32と機械的に連結されていないことに留意されたい。アクチュエータ70がロッド33を前進させると、ロッド33の先端部は、プランジャチップ32の当接部50に遊嵌する。プランジャチップ32が前進する際、プランジャチップ32の当接部50と、ロッド33の先端部との曲面同士が当接し、プランジャチップ32が滑らかに揺動することができる。ロッド33の先端部がプランジャチップ32の当接部50に当接した状態でロッド33をさらに前進させることにより、ロッド33がプランジャチップ32を押す。これによりプランジャチップ32がスリーブ10内を前進する。この構成を備えるため、仮に、図3に示すように、プランジャチップ32とロッド33とが芯ずれを起こした場合であっても(ロッド33とプランジャチップ32の中心軸がずれた場合であっても)、両者の中心軸がずれた状態のまま、ロッド33の先端部がプランジャチップ32の当接部50に当接し、プランジャチップ32を押すことができる。また、プランジャチップ32の当接部50と、ロッド33の先端部との曲面同士の当接により、ロッド33の先端部がプランジャチップ32の後端に対して無理な角度で当接することが防止される。そのため、プランジャチップ32に過大な力が伝達されたり、或いは、プランジャチップ32に偏った力が加わることもない。なお、ロッド33を後退させると、図4に示すように、ロッド33の先端部は当接部50から離間する。
引き戻し部材36、38は、可撓性を備える管状部材(フレキシブルチューブ)である。引き戻し部材36、38の素材には、例えば金属メッシュで覆われたゴムチューブが用いられる。金属メッシュを採用する理由は、撓みや引っ張りに対する強度を確保するためである。図1に示すように、引き戻し部材36、38は、プランジャチップ32の後端面と、ロッド33の大径部52の先端面とを連結する。より詳しく言うと、引き戻し部材36は、大径部52の供給路54とプランジャチップ32の導入路46とを連結する。また、引き戻し部材38は、大径部52の排出路56とプランジャチップ32の導出路48とを連結する。供給路54、導入路46、排出路56、導出路48については後で詳しく説明する。
引き戻し部材36、38の長さは小径部34より長い。しかしながら、引き戻し部材36、38は可撓性を有しているので、ロッド33の前進により大径部52とプランジャチップ32後端面との間が短くなった場合、引き戻し部材36、38は図1に示すように撓む。プランジャチップ32は、ロッド33の先端によって押出される。即ち、引き戻し部材36、38はプランジャチップ32の押出しに貢献しない。一方、ロッド33の後退時には、図4に示すように、ロッド33の先端部は当接部50から離間するが、プランジャチップ32は、ロッド33の後退に伴って後退する引き戻し部材36、38によって引っ張られてスリーブ10内を後退する。引き戻し部材36、38は、プランジャチップ32の引き戻しに耐えられるように、金属メッシュの外覆を有するフレキシブルチューブを採用している。
図2に、プランジャ30の模式的断面図を示す。図2に示すように、プランジャチップ32の内部には、冷却媒体流路44と、導入路46と、導出路48が形成されている。冷却媒体流路44は、プランジャチップ32の内部に冷却媒体(例えば水)を案内するための流路である。導入路46は冷却媒体流路44に冷却媒体を導入するための流路である。導出路48は冷却媒体流路44から冷却媒体を導出するための流路である。導入路46、導出路48は、いずれも、プランジャチップ32の後端面と冷却媒体流路44とを連通している。
また、図2に示すように、ロッド33の大径部52内には、軸方向に沿って供給路54及び排出路56が形成されている。供給路54は、プランジャチップ32の冷却媒体流路44内に供給するための冷却媒体を通過させるための流路であり、排出路56は、冷却媒体流路44内から排出された冷却媒体を通過させるための流路である。供給路54及び排出路56は、図示しない冷却媒体循環装置に接続されている。また、供給路54及び排出路56の先端部は、大径部52の先端面に開口している。
さらに、上述の通り、引き戻し部材36は、大径部52の供給路54とプランジャチップ32の導入路46とを連結し、引き戻し部材38は、大径部52の排出路56とプランジャチップ32の導出路48とを連結する。また、引き戻し部材36、38は管状部材である。即ち、引き戻し部材36は、供給路54から供給される冷却媒体を導入路46に移送させるための流路管として利用され、引き戻し部材38は、導出路48から排出される冷却媒体を排出路56に移送させるための流路管として利用される。
この構成を備えるため、供給路54、引き戻し部材36、導入路46を通過させて冷却媒体を冷却媒体流路44内に供給し、導出路48、引き戻し部材38、排出路56を通過させて冷却媒体を冷却媒体流路44内から排出することができる。プランジャ30によってスリーブ10内の溶湯を押出した後、プランジャチップ32の先端面に接する溶湯を冷却することができ、溶湯の凝固が促進される。
上記の各部材のほかに、鋳造装置2は、可動金型6、アクチュエータ70、冷却媒体循環装置(図示省略)の動作を制御するためのコントローラ(図示省略)を備えている。さらに、鋳造装置2は、スリーブ10内に鋳造に必要な量の溶湯を供給するための溶湯供給装置(図示省略)を備えている。
本実施例の鋳造装置2を用いて製品を鋳造する場合における鋳造装置2の動作を図1〜図4を参照して説明する。この動作は、スリーブ10内に溶湯Hを供給する段階(図1参照)、プランジャ30を前進させて溶湯Hをキャビティに押出す段階(図2、図3参照)、溶湯Hが凝固して製品が成形された後に型抜き(型開き)を行う段階、型抜き後にプランジャ30を後退させる段階(図4参照)の4段階に分けて説明される。
(1.溶湯供給段階)
図1に示すように、コントローラは、可動盤を動作させることによって、金型を閉じ(可動金型6を固定金型4に密着させ)、2つの金型4、6の間にキャビティ及び湯道8を形成する。このとき、プランジャチップ32の先端面は溶湯供給孔12より後方に位置する。この状態で、溶湯供給装置(図示省略)によって、溶湯供給孔12から、スリーブ10内に溶湯Hを供給する。
(2.溶湯押出し、凝固段階)
次いで、コントローラは、アクチュエータ70を動作させることによって、ロッド33を前進させる。ロッド33が前進すると、図2に示すように、ロッド33の先端部がプランジャチップ32の当接部50に当接する。ロッド33の先端部がプランジャチップ32の当接部50に当接した状態でロッド33をさらに前進させることにより、ロッド33がプランジャチップ32を押す。これによりプランジャチップ32がスリーブ10内を前進する。プランジャチップ32が前進すると、プランジャチップ32の先端面によってスリーブ10内の溶湯Hが押される。このとき、引き戻し部材36、38は、図1に示すように撓むのみでプランジャチップ32を押すことはない。引き戻し部材36、38はプランジャチップ32の前進に貢献しない。
上記の溶湯供給段階でスリーブ10内に供給された溶湯Hの熱により、図3に示すように、スリーブ10が熱変形する場合がある。そのため、スリーブ10の中心軸とプランジャ30の中心軸との間の位置ずれ(芯ずれ)が生じる場合がある。この点、本実施例の鋳造装置2では、図3に示すように、ロッド33とプランジャチップ32とが機械的に連結されておらず、かつ、引き戻し部材36、38は可撓性を備える。そのため、本実施例の鋳造装置2では、ロッド33とプランジャチップ32の中心軸がずれた状態のまま、ロッド33の先端部をプランジャチップ32の当接部50に当接させ、プランジャチップ32を押すことができる。このとき、引き戻し部材36、38は、自身が変形することによって、ロッド33とプランジャチップ32との中心軸のずれを許容する。従って、例えば、スリーブ10の熱変形の度合いが大きい場合などにおいても、スリーブ10とプランジャチップ32との間の芯ずれを解消し易くなり、プランジャチップ32がスリーブ10に偏当たりし難くなる。その結果、従来の装置に比べて、プランジャチップ32の周縁部のかじりや磨耗の発生が効果的に抑制され得る。
プランジャチップ32を所定の前進端位置まで前進させると、コントローラは、その状態で、スリーブ10内、湯道8内、キャビティ内のそれぞれの溶湯Hが凝固するまでの間、所定時間待機する。コントローラは、プランジャチップ32内部の冷却媒体流路44内に冷却媒体を供給し、プランジャチップ32の先端面に接する溶湯Hを冷却し、溶湯Hの凝固を促進させる。キャビティ内の溶湯Hが凝固することにより、製品が成形される。また、湯道8及びスリーブ10内に残った溶湯Hが凝固することにより、方案部が成形される。「方案部」は、「溶湯が凝固した部分のうちの製品以外の部分」を意味する専門用語である。
(3.型抜き段階)
所定時間が経過し、キャビティ内、湯道8内、スリーブ10内のそれぞれの溶湯が凝固すると、コントローラは、可動盤を動作させ、可動金型6を固定金型4から離間させる。このとき、コントローラは、アクチュエータ70を動作させ、可動金型6の動作に合わせてプランジャチップ32をさらに前進させ、成形された製品及び方案部を固定金型4から離脱させる。このとき、コントローラは、プランジャチップ32の後端面がスリーブ10の前端開口部から外側に出ない位置までしかプランジャチップ32を前進させない。
(4.プランジャ後退段階)
コントローラは、成形された製品及び方案部を固定金型4から離脱させたのち、アクチュエータ70を動作させ、ロッド33を後退させる。図4に示すように、ロッド33が後退すると、ロッド33の先端部は当接部50から離間する。プランジャチップ32は、ロッド33の後退に伴って後退する引き戻し部材36、38によって引っ張られてスリーブ10内を後退する。
以上、本実施例の鋳造装置2について説明した。上述の通り、本実施例の鋳造装置2では、プランジャチップ32は、その後端がロッド33と揺動可能に当接するに過ぎず、機械的に連結されてはいない。さらに、プランジャチップ32後端に連結される引き戻し部材36、38は可撓性を備えており、自身が変形することによってプランジャチップ32の揺動を許容する。従って、本実施例の鋳造装置2では、プランジャチップ32の中心軸とロッド33の中心軸とを大きくずらしながら、ロッド33の先端部でプランジャチップ32を押して、プランジャチップ32をスリーブ10内で前進させることができる。そのため、例えば、スリーブ10の熱変形の度合いが大きい場合などにおいても、スリーブ10とプランジャチップ32との間の芯ずれを解消し易くなり、プランジャチップ32がスリーブ10に偏当たりし難くなる。その結果、従来の装置に比べて、プランジャチップ32の周縁部のかじりや磨耗の発生が効果的に抑制され得る。なお、プランジャチップ32を後退させる場合も、引き戻し部材36、38の可撓性によってプランジャチップ32はスリーブ10の軸ずれに順応して揺動しながら後退する。
本実施例では、引き戻し部材36は、可撓性を有する管状部材であって、プランジャチップ32とロッド33を連結する。より詳しくは、引き戻し部材36は、大径部52の供給路54とプランジャチップ32の導入路46とを連結し、引き戻し部材38は、大径部52の排出路56とプランジャチップ32の導出路48とを連結する。そのため、供給路54、引き戻し部材36、導入路46を通過させて冷却媒体を冷却媒体流路44内に供給し、導出路48、引き戻し部材38、排出路56を通過させて冷却媒体を冷却媒体流路44内から排出することができる。プランジャ30によってスリーブ10内の溶湯を押出した後、プランジャチップ32の先端面に接する溶湯を冷却することができ、溶湯の凝固が促進される。
プランジャチップ32の後端には、曲面状のロッド33先端部が遊嵌する略半球状の当接部50が形成されている。プランジャチップ32の当接部50と、ロッド33の先端部との曲面同士の当接によってプランジャチップ32が滑らかに揺動でき、プランジャチップ32の中心軸とロッド33の中心軸とがずれる場合であっても、ロッド33の先端部がプランジャチップ32の後端に対して無理な角度で当接することが防止される。そのため、プランジャチップ32に無理な力が伝達されることがない。その結果、従来の装置に比べて、プランジャチップ32の周縁部のかじりや磨耗の発生をより顕著に抑制し得る。
(第2実施例)
図5を参照して、第1実施例と異なる点を中心に、第2実施例の鋳造装置102について説明する。第2実施例の鋳造装置102は、プランジャ130が第1実施例のものとは異なる。
本実施例のプランジャ130は、プランジャチップ32と、ロッド134と、引き戻し部材136、138を備える。プランジャチップ32は、第1実施例のものと同様である。本実施例のロッド134は、先端部が曲面状に形成されている。ロッド134が前進すると、曲面状の先端部は、プランジャチップ32後端に設けられた当接部50に遊嵌する。また、ロッド134の後端部は、アクチュエータ170に連結されている。本実施例のロッド134内部には、冷却媒体流路は設けられていない。本実施例のロッド134の先端部も、ロッド134の前進に伴ってプランジャチップ32の当接部50に遊嵌するが、プランジャチップ32の後端と機械的に連結されてはいない。
引き戻し部材136、138は、それぞれ、可撓性を備えない管状部材からなるパイプ部137、139の後端に、可撓性を備える管状部材からなるジョイント部140、142を連結して構成される。引き戻し部材136は、パイプ部137の先端部が導入路46に接続され、ジョイント部140の後端部がアクチュエータ170に接続されている。引き戻し部材138は、パイプ部139の先端部が導出路48に接続され、ジョイント部142の後端部がアクチュエータ170に接続されている。アクチュエータ170を前後動させることにより、ロッド134、引き戻し部材136、138は同期して前後動することとなる。なお、本実施例でも、引き戻し部材136、138は、冷却媒体循環装置(図示省略)と接続されている。従って、本実施例の鋳造装置102も、引き戻し部材136及び導入路46を通過させて冷却媒体を冷却媒体流路44内に供給し、導出路48及び引き戻し部材138を通過させて冷却媒体を冷却媒体流路44内から排出することができる。そのため、プランジャ130によってスリーブ10内の溶湯を押出した後、プランジャチップ32の先端面に接する溶湯を冷却することができ、溶湯の凝固が促進される。
また、本実施例の鋳造装置102でも、ロッド134が前進すると、図5に示すように、ロッド134の先端部がプランジャチップ32の当接部50に当接し、その状態でプランジャチップ32が押されることにより、プランジャチップ32がスリーブ10内を前進する。このとき、ロッド134と同期して前進する引き戻し部材136、138は、ジョイント部140、142が撓むことにより、プランジャチップ32を押すことはない。また、本実施例でも、プランジャチップ32の当接部50と、ロッド134の先端部との曲面同士の当接によってプランジャチップ32が滑らかに揺動する。そのため、スリーブ10の熱変形等により、スリーブ10の中心軸とプランジャ30の中心軸との間の位置ずれ(芯ずれ)が生じる場合であっても、ロッド134とプランジャチップ32の中心軸がずれた状態のまま、ロッド134によってプランジャチップ32を押すことができる。このとき、引き戻し部材136、138は、ジョイント部140、142が変形することによって、ロッド134とプランジャチップ32との中心軸のずれを許容する。本実施例の鋳造装置102でも、スリーブ10とプランジャチップ32との間の芯ずれを解消し易くなり、プランジャチップ32がスリーブ10に偏当たりし難くなる。従来の装置に比べて、プランジャチップ32の周縁部のかじりや磨耗の発生が効果的に抑制され得る。
なお、本実施例でも、ロッド134が後退すると、ロッド134の先端部は当接部50から離間する。プランジャチップ32は、ロッド134と同期して後退する引き戻し部材136、138によって引っ張られてスリーブ10内を後退する。
上記の各実施例の変形例を以下に列挙する。
(1)上記の各実施例では、プランジャチップ32内部に冷却媒体流路44が形成され、2本の引き戻し部材36、38(136、138)が、それぞれ、冷却媒体の供給又は排出のための流路管として機能する場合の例を説明した。これに代えて、冷却媒体流路が設けられていないプランジャチップを採用してもよい。この場合、引き戻し部材は、少なくとも一部が可撓性を備える部材であれば、中空でなくともよく、任意の部材を用いることができる。また、引き戻し部材の数も2本に限られず、任意とすることができる。例えば、引き戻し部材は1本のみであってもよい。
(2)上記の第2実施例では、引き戻し部材136、138は、それぞれ、可撓性を備えない管状部材からなるパイプ部137、139の後端に、可撓性を備える管状部材からなるジョイント部140、142を連結して構成される例を説明した。即ち、引き戻し部材は、一部が可撓性を有する管状部材であって、一端がプランジャチップに連結され、他端がアクチュエータに連結される。ジョイント部140、142は、パイプ部137、139の後端には限られず、パイプ部137、139の任意の位置に備えられていてもよい。従って、例えば、ジョイント部140、142がパイプ部137、139の先端や中間部に備えられていてもよい。
(3)上記の第2実施例では、引き戻し部材136、138は、それぞれ、可撓性を備えるジョイント部140、142を一箇所にのみ備えるが、これに代えて、可撓性を備える部分を、1本の引き戻し部材中の複数個所に備えてもよい。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
2、102:鋳造装置
4:固定金型
6:可動金型
8:湯道
10:スリーブ
12:溶湯供給孔
14:湯道孔
30、130:プランジャ
32:プランジャチップ
33、134:ロッド
36、38、136、138:引き戻し部材
44:冷却媒体流路
70、170:アクチュエータ
H:溶湯

Claims (3)

  1. 金型と、
    金型に射出するための溶湯を一時的に溜めるスリーブと、
    スリーブ内に往復移動可能に配置されているプランジャチップと、
    スリーブ内のプランジャチップ後側でアクチュエータによって前進/後退するロッドと、を備える鋳造装置であって、
    プランジャチップは、ロッドに機械的に連結しておらず、
    プランジャチップ後端には、少なくとも一部に可撓性を備える引き戻し部材が連結され、
    プランジャチップは、ロッドの前進に伴って、ロッドに後端を押されてスリーブ内を前進し、引き戻し部材の後退に伴って、引き戻し部材に後端を引かれてスリーブ内を後退することを特徴とする鋳造装置。
  2. プランジャチップの内部には冷却媒体を案内する冷却媒体流路が形成され、
    前記引き戻し部材は中空であり、その内部を通じて冷却媒体流路内に冷却媒体が供給されることを特徴とする請求項1記載の鋳造装置。
  3. プランジャチップ後端には、曲面状のロッド先端が遊嵌する略半球状の窪みが形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の鋳造装置。
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