JPH09103861A - ダイカスト機におけるプランジャーチップの冷却方法及びその装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 鋳造品の品質を向上させるとともに、鋳造の
サイクルタイムを短くする。 【解決手段】 本発明に係るダイカスト機におけるプラ
ンジャーチップの冷却方法は、キャビティに溶湯を供給
するときにはプランジャーチップの溶湯押圧面から離れ
た部位に冷却液を流し、キャビティに充填された溶湯を
増圧するときにはプランジャーチップの溶湯押圧面に近
い部位に冷却液を流すことを特徴とする。このため、キ
ャビティに溶湯を供給するときにはプランジャーチップ
の溶湯押圧面の冷却効率が低下するため溶湯が凝固し難
くなり、鋳造品の品質が向上する。逆に、キャビティに
充填された溶湯を増圧するときにはプランジャーチップ
の溶湯押圧面の冷却効率が高くなるためビスケットの凝
固が早くなり、鋳造のサイクルタイムが短くなる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ダイカスト機にお
けるプランジャーチップの冷却方法及びその装置に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】これに関連する従来のプランジャーチッ
プにおける冷却装置が特開平５−３０５４１０号公報に
記載されており、その縦断面図が図６に示されている。
前記プランジャーチップ１の内部には中央に冷却水を溜
める空間２が形成されており、この空間２に冷却水通路
４と排水路６とが接続されている。そして、前記冷却水
通路４から前記空間２に供給された冷却水がその空間２
を通過して排水路６に戻されることにより、鋳造中に前
記プランジャーチップ１の冷却が行われる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】一般的に、ダイカスト
機ではキャビティに溶湯を供給するとき、即ち、プラン
ジャーチップの前進時には溶湯が凝固し難いようにする
ためプランジャーチップの溶湯押圧面１ｆを冷却したく
ない。一方、キャビティに充填された溶湯を増圧すると
きにはビスケットを早く凝固させてサイクルタイムの短
縮を図るために前記溶湯押圧面１ｆを強力に冷却した
い。しかしながら、上記したプランジャーチップの冷却
装置では鋳造中にほぼ一定の冷却効率でプランジャーチ
ップ１の溶湯押圧面１ｆが冷却される。このため、キャ
ビティに溶湯を供給するときには冷却過多となって溶湯
が凝固し易くなり、逆に、そのキャビティに充填された
溶湯の増圧を行うときには冷却不足になってビスケット
の凝固が遅くなるという問題がある。本発明の技術的課
題は、プランジャーチップの溶湯押圧面の冷却効率を状
況に応じて変えられるようにすることにより、溶湯供給
時における溶湯の凝固を抑制するとともに、増圧時にお
ける溶湯の凝固を促進しようとするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記した課題は、以下の
特徴を有するダイカスト機におけるプランジャーチップ
の冷却方法及びその装置によって解決される。即ち、請
求項１に記載の発明は、キャビティに溶湯を供給すると
きにはプランジャーチップの溶湯押圧面から離れた部位
に冷却液を流し、キャビティに充填された溶湯を増圧す
るときにはプランジャーチップの溶湯押圧面に近い部位
に冷却液を流すことを特徴とする。したがって、キャビ
ティに溶湯を供給するときにはプランジャーチップの溶
湯押圧面の冷却効率が低下するため溶湯が凝固し難くな
り、鋳造品の品質が向上する。逆に、キャビティに充填
された溶湯を増圧するときにはプランジャーチップの溶
湯押圧面の冷却効率が高くなるためビスケットが強力に
冷却されて凝固が早くなる。このため、鋳造のサイクル
タイムが短くなる。

【０００５】また、請求項２に記載の発明は、プランジ
ャーチップに冷却液を供給する冷却液通路と、前記プラ
ンジャーチップの溶湯押圧面から離れた部位に形成され
た第一通路と、前記プランジャーチップの溶湯押圧面に
近い部位に形成された第二通路と、キャビティに溶湯を
供給するときには前記冷却液通路と第一通路とを接続
し、また、前記キャビティに充填された溶湯を増圧する
ときには前記冷却液通路と第二通路とを接続する通路切
換え手段と、を有することを特徴とする。このため、キ
ャビティに溶湯を供給するときにはプランジャーチップ
の溶湯押圧面から離れた部位に冷却液が流れ、キャビテ
ィに充填された溶湯を増圧するときにはプランジャーチ
ップの溶湯押圧面に近い部位に冷却液が流れる。即ち、
本発明により、請求項１に記載された発明を実施するこ
とができる。

【０００６】また、請求項３に記載の発明は、請求項２
に記載されたダイカスト機におけるプランジャーチップ
の冷却装置において、通路切換え手段は、プランジャー
チップに対して軸方向から加わる力により弾性体を変形
させて、その変形量が予め決められた量に達したときに
冷却液通路を第二通路に接続することを特徴とする。こ
のため、キャビティに充填された溶湯が増圧されている
状態を判定するための特別のセンサーが不要になり、前
記増圧状態で自動的に冷却液通路は第二通路に接続され
る。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、図１〜図５に基づいて本発
明の一の実施の形態に係るダイカスト機におけるプラン
ジャーチップの冷却方法及びその装置の説明を行う。こ
こで、図１は本実施の形態に係るダイカスト機における
プランジャーチップの冷却装置（以下、冷却装置とい
う）を表す縦断面図、図２は図１のII詳細図である。図
３は冷却装置の動作を表す縦断面図、図４は図３のIV詳
細図である。また、図５は本実施の形態に係るダイカス
ト機の全体概略図である。

【０００８】前記プランジャーチップ２０はプランジャ
ースリーブ１２（図５参照）内の溶湯を押圧する部材で
あり、図１に示されるように、そのプランジャーチップ
２０の前部表面を構成するアウターチップ２１と、その
アウターチップ２１を支持するインナーチップ２３、及
びインナーチップ２３を後記するスライドロッド３０に
連結する筒状の連結ブロック２５とから構成されてい
る。前記アウターチップ２１はプランジャースリーブ１
２内を摺動できる外径を備えた有底円筒形のチップであ
り、その前面２１ｆが溶湯を押圧する溶湯押圧面となっ
ている。また、前記アウターチップ２１の内側には底面
の位置に中心から縁部にかけて溝２１ｒが形成されてお
り、さらに、そのアウターチップ２１の内側壁には後方
に雌ねじ２１ｗが形成されている。

【０００９】前記インナーチップ２３はアウターチップ
２１の内側に嵌め込まれる軸部２３ｊとその軸部２３ｊ
と同軸に固定されたフランジ部２３ｆとから構成されて
おり、その軸部２３ｊの外側面前部に溝２３ｒが形成さ
れている。さらに、前記軸部２３ｊの外側面後方には前
記アウターチップ２１の雌ねじ２１ｗと螺合する雄ねじ
２３ｍが形成されている。そして、前記インナーチップ
２３の雄ねじ２３ｍがアウターチップ２１の雌ねじ２１
ｗに螺合されてそのインナーチップ２３の軸部２３ｊが
アウターチップ２１の内側に嵌合されることにより、ア
ウターチップ２１の溝２１ｒとインナーチップ２３の溝
２３ｒとが接続されるとともに双方の溝２１ｒ，２３ｒ
が蓋をされた状態となり、インナーチップ２３の先端面
中心から外側面にかけて冷却水通路ｗｒが形成される。

【００１０】前記インナーチップ２３の内部にはフラン
ジ部２３ｆの後端面２３ｂから軸部２３ｊの中央にかけ
て円柱形の凹部２３ｈが形成されており、さらに、前記
軸部２３ｊの先端部には前記凹部２３ｈと連通する主貫
通孔２３ｋが中心線を一致させた状態で形成されてい
る。そして、前記インナーチップ２３がアウターチップ
２１に嵌め込まれた状態でその主貫通孔２３ｋがアウタ
ーチップ２１の溝２１ｒの中心、即ち、前記冷却水通路
ｗｒの入口に接続されるようになっている。さらに、前
記軸部２３ｊの先端部には溝２３ｒの端部、即ち、前記
冷却水通路ｗｒの末端と前記凹部２３ｈとを連通させる
Ｌ形貫通路２３ａが形成されている。

【００１１】前記インナーチップ２３に形成された凹部
２３ｈにはフランジ部２３ｆの位置にリニヤモーション
ベアリング２３ｘが固定されており、この凹部２３ｈ内
をスライドロッド３０の円柱部３０ｆが軸方向に摺動で
きるようになっている。さらに、前記インナーチップ２
３の凹部２３ｈにはリニヤモーションベアリング２３ｘ
の前方位置に筒状の第１ゴムブッシュ２３ｙが装着され
ており、前記スライドロッド３０の円柱部３０ｆと前記
凹部２３ｈとの間の気密性を確保できるようになってい
る。即ち、前記インナーチップ２３の内部には凹部２３
ｈとスライドロッド３０の円柱部３０ｆとによって空間
Ｓが画成され、その空間Ｓが主貫通孔２３ｋ、冷却水通
路ｗｒ及びＬ形貫通路２３ａと連通するようになってい
る。

【００１２】前記スライドロッド３０は、先端部分が前
記インナーチップ２３の凹部２３ｈに収納される前述の
円柱部３０ｆと後記するプランジャーロッド４０に連結
されるソケット部３０ｓとから構成されており、その円
柱部３０ｆの途中位置に鍔部３０ｔが固定されている。
前記円柱部３０ｆにはその中央軸方向に貫通孔である給
水通路３２が形成されており、さらに、その給水通路３
２を挟んで両側に同じく貫通路である排水通路３４が形
成されている。また、前記円柱部３０ｆの先端にはその
円柱部３０ｆと同軸に、かつ、前記給水通路３２を塞ぐ
ように弁体３６が固定されている。

【００１３】前記弁体３６は、図２、図４に示されるよ
うに、インナーチップ２３の主貫通孔２３ｋに挿入され
る有底円筒形の細長い部材であり、先端部側面に横孔３
６ｋが形成されている。さらに、前記横孔３６ｋを前後
から挟むようにリング状の第一突条３６ｔと第二突条３
６ｒとが形成されており、それらの突条３６ｔ，３６ｒ
の外径が前記主貫通孔２３ｋの入口部に装着された筒状
の第２ゴムブッシュ２３ｚの内径よりも大きく設定され
ている。これによって、前記弁体３６が主貫通孔２３ｋ
に挿入されて第一突条３６ｔ、又は第二突条３６ｒが第
２ゴムブッシュ２３ｚの位置まで到達すると、前記主貫
通孔２３ｋと空間Ｓとの間は第一突条３６ｔ、又は第二
突条３６ｒと第２ゴムブッシュ２３ｚとによって遮断さ
れる。

【００１４】前記インナーチップ２３の後端面２３ｂに
は、図１、図３に示されるように、リング状部材２４を
介して連結ブロック２５がボルト２７により同軸に固定
される。前記連結ブロック２５は筒状に成形されたブロ
ックで、前記スライドロッド３０の鍔部３０ｔの外径に
ほぼ等しい内径を備えており、その後端部には前記鍔部
３０ｔの軸方向の動きを規制する内フランジ２５ｆが設
けられている。さらに、前記連結ブロック２５の内フラ
ンジ２５ｆと前記リング状部材２４との間にはスライド
ロッド３０と平行にガイドロッド２８が設けられてお
り、このガイドロッド２８がスライドロッド３０の鍔部
３０ｔに形成されたガイド孔３０ｘに挿通されている。
また、前記ガイドロッド２８の周囲にはリング状部材２
４とスライドロッド３０の鍔部３０ｔとの間に両者２
４，３０ｔを離す方向に付勢された皿ばね２９が装着さ
れている。

【００１５】ここで、前記皿ばね２９のバネ定数は、前
記プランジャーチップ２０がプランジャースリーブ１２
内を前進しているときには（給湯＆チップ前進時）、そ
の皿ばね２９が変形せずに前記スライドロッド３０は後
退限位置に保持されるように、また、前記プランジャー
チップ２０がキャビティ内の溶湯を増圧しているときに
は（充填＆増圧時）、皿ばね２９が押し縮められてスラ
イドロッド３０は前進限位置に保持されるように設定さ
れている。

【００１６】そして、前記スライドロッド３０が、図
３、図４に示されるように、インナーチップ２３内を前
進限位置まで移動すると、前記弁体３６の第二突条３６
ｒが主貫通孔２３ｋの第２ゴムブッシュ２３ｚの位置ま
で移動して前記主貫通孔２３ｋと空間Ｓとの間がシール
されるとともに、その弁体３６の横孔３６ｋがその主貫
通孔２３ｋと連通する。これによって、前記給水通路３
２から供給された冷却水はその横孔３６ｋから主貫通孔
２３ｋに導かれ、冷却水通路ｗｒ、Ｌ形貫通路２３ａ、
空間Ｓを通って排水通路３４に戻される。即ち、前記プ
ランジャーチップ２０の溶湯押圧面２１ｆに近い部位に
冷却水が流れるようになる。

【００１７】逆に、前記スライドロッド３０が、図１、
図２に示されるように、インナーチップ２３内を後退限
位置まで移動すると、前記弁体３６の第一突条３６ｔが
主貫通孔２３ｋの第２ゴムブッシュ２３ｚの位置まで移
動して前記主貫通孔２３ｋと空間Ｓとの間がシールされ
るとともに、その弁体３６の横孔３６ｋと第二突条３６
ｒが主貫通孔２３ｋから抜かれてその横孔３６ｋが空間
Ｓと連通する。これによって、前記給水通路３２から供
給されて冷却水はその横孔３６ｋから空間Ｓに導かれ、
その空間Ｓから排水通路３４に戻される。即ち、前記プ
ランジャーチップ２０の溶湯押圧面２１ｆから離れた部
位に冷却水が流れるようになる。

【００１８】前記スライドロッド３０はソケット部３０
ｓによってプランジャーロッド４０に連結されている。
前記プランジャーロッド４０は射出シリンダ４２（図５
参照）のピストンロッド４３に連結される筒状の部材で
あり、その内側が排水路４０ｈとなっている（図１参
照）。そして、前記排水路４０ｈの中央に給水パイプ４
０ｐが位置決めされており、その給水パイプ４０ｐがゴ
ムホース４０ｔによって前記スライドロッド３０の給水
通路３２に接続されている。即ち、前記給水パイプ４０
ｐ及びスライドロッド３０の給水通路３２が本発明の冷
却液通路に相当し、インナーチップ２３内の空間Ｓ及び
スライドロッド３０の排水通路３４が本発明の第一通
路、インナーチップ２３内の主貫通孔２３ｋ、冷却水通
路ｗｒ、Ｌ形貫通路２３ａが本発明の第二通路に相当す
る。さらに、スライドロッド３０に固定された弁体３６
及び皿ばね２９等が本発明の通路切換え手段に相当す
る。また、前記皿ばね２９が本発明の弾性体に相当す
る。

【００１９】次に、本実施の形態に係る冷却装置の動作
について説明する。ダイカスト機の金型が型締めされ、
さらに、プランジャーロッド４０の給水パイプ４０ｐか
らスライドロッド３０及びプランジャーチップ２０に冷
却水が供給される。この時、前記プランジャーチップ２
０には外力が加わっていないため、スライドロッド３０
は皿ばね２９のばね力によって、図１に示されるよう
に、後退限位置に保持されている。このため、図２に示
されるように、主貫通孔２３ｋと空間Ｓとの間が弁体３
６の第一突条３６ｔと第２ゴムブッシュ２３ｚとによっ
てシールされるとともに、その弁体３６の横孔３６ｋと
第二突条３６ｒが主貫通孔２３ｋから抜かれてその横孔
３６ｋが空間Ｓと連通する。これによって、冷却水は給
水通路３２から弁体３６の横孔３６ｋ、空間Ｓを通り排
水通路３４に戻される。即ち、前記プランジャーチップ
２０の溶湯押圧面２１ｆから離れた部位に冷却水が流れ
るようになる。

【００２０】このようにして鋳造の準備が完了すると、
給湯口１２ｍ（図５参照）からプランジャースリーブ１
２の内部に溶湯が供給され、次に、射出シリンダ４２が
駆動される。これによって、前記プランジャーチップ２
０がプランジャースリーブ１２内を前進し、溶湯がプラ
ンジャーチップ２０の溶湯押圧面２１ｆにより押されて
金型のキャビティ内に供給される。この時、前記皿ばね
２９がスライドロッド３０を後退限位置に保持している
ため、前述のように、冷却水は給水通路３２から弁体３
６の横孔３６ｋ、空間Ｓを通り排水通路３４に戻され
る。このため、前記プランジャーチップ２０の溶湯押圧
面２１ｆにおける冷却効率は低く、溶湯の凝固が抑制さ
れる。

【００２１】そして、前記キャビティ内に溶湯が充填さ
れてその溶湯の増圧が開始されると前記プランジャーチ
ップ２０に加わる軸方向に力によって皿ばね２９が押し
縮められ、スライドロッド３０は、図３、図４に示され
るように、前進限位置に保持される。このため、前記弁
体３６の第二突条３６ｒが主貫通孔２３ｋの第２ゴムブ
ッシュ２３ｚの位置まで移動して前記主貫通孔２３ｋと
空間Ｓとの間がシールされるとともに、その弁体３６の
横孔３６ｋがその主貫通孔２３ｋと連通する。これによ
って、前記給水通路３２から供給された冷却水はその横
孔３６ｋから主貫通孔２３ｋに導かれ、冷却水通路ｗ
ｒ、Ｌ形貫通路２３ａ、空間Ｓを通って排水通路３４に
戻される。即ち、前記プランジャーチップ２０の溶湯押
圧面２１ｆに近い部位に冷却水が流れるようになり、前
記プランジャーチップ２０の溶湯押圧面２１ｆにおける
冷却効率は向上する。そして、ビスケット（製品部に圧
力をかけるためにプランジャーチップとスプールコア間
にできる円盤状の凝固片）が強力に冷却されて凝固が促
進される。

【００２２】このように、本実施の形態に係る冷却装置
１０によると、キャビティ１３に溶湯を供給するときに
はプランジャーチップ２０の溶湯押圧面２１ｆの冷却効
率が低下するため溶湯が凝固し難くなり、鋳造品質が向
上する。逆に、キャビティ１３に充填された溶湯を増圧
するときにはプランジャーチップ２０の溶湯押圧面２１
ｆの冷却効率は高くなるため、ビスケットが強力に冷却
されて凝固が促進される。このため、鋳造のサイクルタ
イムが短くなる。また、プランジャーチップ２０に対し
て軸方向から加わる力により皿ばね２９を押し縮め、そ
の変形量が予め決められた量に達したときに、弁体３６
によって給水通路３２は冷却水通路ｗｒ等に接続され
る。このため、キャビティ１３に充填された溶湯が増圧
されている状態を判定するための特別のセンサーが不要
になり、増圧状態で自動的にプランジャーチップ２０の
溶湯押圧面２１ｆの冷却効率が向上するようになる。

【００２３】以上、本発明の実施の形態について説明し
たが、この本発明の実施の形態には請求の範囲に記載し
た技術的事項以外に次のような各種の技術的事項を有す
るものであることを付記しておく。 （１） 請求項２に記載されたダイカスト機におけるプ
ランジャーチップの冷却装置において、通路切換え手段
は、プランジャーチップに対して軸方向から加わる力が
所定の力よりも大きいときに冷却液通路を第二通路と連
通させることを特徴とするダイカスト機におけるプラン
ジャーチップの冷却装置。このため、キャビティ内に溶
湯を供給している状態と、キャビティ内に溶湯が充填さ
れて増圧している状態とを確実に判定することができ、
通路の切換えタイミングがずれることがない。 （２） 請求項２に記載されたダイカスト機におけるプ
ランジャーチップの冷却装置において、第二通路は、有
底円筒形のアウターチップとそのアウターチップの内側
に嵌め込まれるインナーチップとの境目に形成されるこ
とを特徴とするダイカスト機におけるプランジャーチッ
プの冷却装置。アウターチップとインナーチップとを外
した状態で第二通路を成形できるために冷却効率に応じ
てその第二通路の経路を自由に設定することができる。

【００２４】

【発明の効果】本発明によると、キャビティに溶湯を供
給するときにはプランジャーチップの溶湯押圧面の冷却
効率が低下するため溶湯が凝固し難くなり、鋳造品の品
質が向上する。逆に、キャビティに充填された溶湯を増
圧するときにはプランジャーチップの溶湯押圧面の冷却
効率が高くなるためビスケットが強力に冷却されて凝固
が促進される。このため、鋳造のサイクルタイムが短く
なる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一の実施の形態に係るダイカスト機に
おけるプランジャーチップの冷却装置を表す全体縦断面
図である。

【図２】図１のII詳細図である。

【図３】本発明の一の実施の形態に係るダイカスト機に
おけるプランジャーチップの冷却装置の動作を表す全体
縦断面図である。

【図４】図３のIV詳細図である。

【図５】本発明の一の実施の形態に係るダイカスト機の
全体概略図である。

【図６】従来のダイカスト機におけるプランジャーチッ
プの冷却装置を表す全体縦断面図である。

【符号の説明】

Ｓ 空間（第一通路） ２０ プランジャーチップ ２１ アウターチップ ２１ｆ 溶湯押圧面 ２１ｒ 溝（冷却水通路 第二通路） ２３ インナーチップ ２３ｒ 溝（冷却水通路 第二通路） ２３ａ Ｌ形貫通路（第二通路） ２９ 皿ばね（通路切換え手段、弾性体） ３０ スライドロッド ３２ 給水通路（冷却液通路） ３４ 排水通路 ３６ 弁体（通路切換え手段） ４０ｐ 給水パイプ（冷却液通路）

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 キャビティに溶湯を供給するときにはプ
   ランジャーチップの溶湯押圧面から離れた部位に冷却液
   を流し、キャビティに充填された溶湯を増圧するときに
   はプランジャーチップの溶湯押圧面に近い部位に冷却液
   を流すことを特徴とするダイカスト機におけるプランジ
   ャーチップの冷却方法。
2. 【請求項２】 プランジャーチップに冷却液を供給する
   冷却液通路と、 前記プランジャーチップの溶湯押圧面から離れた部位に
   形成された第一通路と、 前記プランジャーチップの溶湯押圧面に近い部位に形成
   された第二通路と、 キャビティに溶湯を供給するときには前記冷却液通路と
   第一通路とを接続し、また、前記キャビティに充填され
   た溶湯を増圧するときには前記冷却液通路と第二通路と
   を接続する通路切換え手段と、を有することを特徴とす
   るダイカスト機におけるプランジャーチップの冷却装
   置。
3. 【請求項３】 請求項２に記載されたダイカスト機にお
   けるプランジャーチップの冷却装置において、 通路切換え手段は、プランジャーチップに対して軸方向
   から加わる力により弾性体を変形させて、その変形量が
   予め決められた量に達したときに冷却液通路を第二通路
   に接続することを特徴とするダイカスト機におけるプラ
   ンジャーチップの冷却装置。