JP5573119B2 - 遠心送風機とそれを用いた熱交換装置 - Google Patents

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本発明は、遠心送風機とそれを用いた熱交換装置に関するものである。
例えば、携帯電話の基地局は、数十アンペア以上の電流が流れることから、ある点では発熱体とも表現される。つまり、冷却をすることがその動作を安定化させるためには極めて重要なものとなる。このような携帯電話の基地局はその冷却を行う為に次のような構成をとっている(図10参照)。
すなわち、発熱体となる送・受信機を収納したキャビネットと、キャビネットの開口部に装着された熱交換装置(101)とを備えた構成となっている。そして、図10に示すように、熱交換装置101の構造としては、外気用の第1吸込口107と第1吐出口108およびキャビネット内用の第2吸込口109および第2吐出口110を有する本体ケース111と、この本体ケース111内に設けられた外気用の第1送風機112およびキャビネット内用の第2送風機113と、前記本体ケース111内において室外空気とキャビネット内空気との熱交換を行う熱交換器114とを備えている。さらには、送風機(第1送風機112、第2送風機113)と制御回路115とを別の区画に設け、制御回路115は、塵埃を含んだ外気空気を送風する第1送風機112側ではなく、キャビネット側の第2送風機113に隣接して設けられていた(なお、これに類似する先行文献としては特開平10−190270号公報)。
特開平10−190270号公報
上記従来の熱交換装置101においては、1つの本体ケース111内に2つの送風機、すなわち、外気用の第1送風機112とキャビネット内用の第2送風機113と、熱交換器114とを収納した構成となっているため、本体ケース111自体が大きくなっている。一方、携帯電話の基地局は小型化がすすみ、熱交換装置本体に対しても、小型化することが要求されている。そのため、キャビネット内用の送風機(第2送風機113)をなくした熱交換装置が考えられているが、第1送風機112だけを制御する制御回路となる。そのため、制御対象の第1送風機112近傍に制御回路を配置しようとすると、塵埃を含んだ空気にさらされるという課題がある。
そこで、本発明は、塵埃にさらされない制御回路一体型の遠心送風機を提供し、さらには、熱交換装置を小型化することを目的とするものである。
そして、この目的を達成する為に本発明は、モータと羽根車とを有し、外気吸込口を設けた吸込口側板と、反吸込み側側板と、スクロール板で構成されたスクロールケーシングで覆われた遠心送風機であって、前記スクロール板に、径方向に突出して、前記モータを駆動する制御回路を内蔵した制御ボックスを設け、この制御ボックスは、前記羽根車を設けた空間と区画されるとともに、内部を制御回路を搭載した基板が収められる基板エリアと隔離エリアとに分けられ、前記基板エリアは、前記制御ボックスの径方向外側に設けられていることを特徴とするものであり、これにより、所期の目的を達成するものである。
以上のように本発明は、モータと羽根車とを有し、外気吸込口を設けた吸込口側板と、反吸込み側側板と、スクロール板で構成されたスクロールケーシングで覆われた遠心送風機であって、前記スクロール板に、径方向に突出して、前記モータを駆動する制御回路を内蔵した制御ボックスを設け、この制御ボックスは、前記羽根車を設けた空間と区画されるとともに、内部を制御回路を搭載した基板が収められる基板エリアと隔離エリアとに分けられ、前記基板エリアは、前記制御ボックスの径方向外側に設けられていることを特徴とするものであるので、送風機に吸い込まれた塵埃から制御回路を保護し、さらには、熱交換装置を小型化するものである。さらには、基板エリアと羽根車が設けられたエリアの間に隔離エリアを設けているので、制御回路の発熱は送風される空気に伝わりにくくなっている。
本発明の一実施形態の設置例を示す斜視図 同熱交換装置の断面図 同熱交換装置、発熱体収納装置の断面図 同熱交換装置の斜視図 同熱交換装置のスクロールケーシングの斜視図 同熱交換装置のモータ固定板の斜視図 同熱交換装置の送風ファン取付図 同熱交換装置の送風ファン取付要部詳細図 同熱交換装置のモータ取付断面図 従来の熱交換装置の構成図
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1において、1はビルディングを示し、その屋上2には携帯電話の基地局3が設けられている。基地局3は箱状のキャビネット4とこのキャビネット4内に設けた送・受信機5と前記キャビネット4の前面開口部には、開閉自在のドア7を設け、このドア7に熱交換装置6が取り付けられている。
この熱交換装置6は、図2、図3に示すように、外気(第1環境)用の第1吸気口8と第1吐出口9およびキャビネット4内(第2環境、以降、内気と呼ぶ)用の第2吸気口10および第2吐出口11を有する本体ケース12と、この本体ケース12内に設けられた外気用の送風ファン13と、前記本体ケース12内において外気と内気との熱交換を行う熱交換器14とを備えている。
熱交換器14は、平行四辺形状で合成樹脂製の複数の板体をそれぞれ所定間隔を離した状態で重合させた構成としている。この板体の表面には、その表面をレーン状に仕切る複数の整流壁をそれぞれ設けている。板体は上下方向を長くした平行四辺形状となっており、前記整流壁は、流入口となる前記板体の一端から他端側に向けて伸延させている。この整流壁は、前記他端側の手前で一方の長辺(流入口側の辺と鈍角で隣り合った辺)側に湾曲させる形状とし、流出口につながっている。このような板体(整流壁)によって、板体上に略L字状の複数の送風レーンができることになる。このような熱交換器14によれば、内気(第2環境用風路)については、キャビネット4側に短い送風レーンが設けられ、外気側に長い送風レーンが設けられる。一方、外気(第1環境用風路)については、キャビネット4側に長い送風レーンが設けられ、外気側に短い送風レーンが設けられる。
このような熱交換器14は、底面を外気側の第1流入口14a(第1環境用空気吸込口)とし、外気側の流出口は、それぞれ第1吐出口9と接続されている。また、熱交換器14では、天面を内気側の第2流入口14b(第2環境用空気吸込口)とし、内気側の流出口は、それぞれ第2吐出口11と接続されている。
また、外気用の送風ファン13は、第1流入口14aに向けて空気を送り込むような位置に設けられている。キャビネット4内用の空気の第2流入口14b(第2環境用空気吸込口)においては、第2流入口14b自体が斜面となってキャビネット4内の空気の吸込口(第2吸気口10)との間にチャンバー16が形成されることになる。
次に、熱交換装置6の作用について説明する。キャビネット4内で送・受信機5によって高温となった空気(内気)は、キャビネット4内に設けられた循環ファン17によって熱交換装置6の第2吸気口10からチャンバー16内へと送り込まれる。一方、冷たい外気は、送風ファン13の運転によって第1吸気口8から吸い込まれ、熱交換器14の第1流入口14aへと送られる。熱交換器14では、冷たい外気と高温の内気との間で熱交換が行われ、冷やされた内気は、第2吐出口11からキャビネット4内に吹き出され、外気は、第1吐出口9より再び外気へと放出されることになる。
このような構成によれば、断面が平行四辺形となる熱交換器14を用いることによって、キャビネット4内の循環ファン17からの送風空気は、チャンバー16を通過して、第2吸気口10側に向いた熱交換器14の第2流入口14bへと流入することになる。従って、キャビネット4内で熱くなった空気は、効率よく熱交換器14へと流入することになる。また、熱交換器14は、平行四辺形状の板体を用いているので、内部の送風レーンでは曲がる角度が小さく、圧力損失が小さく抑えられることになる。
次に、送風ファン13について図4〜6を用いて説明する。
図4、図5に示すように、本体ケース12は、背面側の背板12aと、その背板12a側を開口とし、本体ケース12の前面側(枠体の前面側とも表現できる)に設けられた箱体12bとで構成されている。この箱体12bは、送風ファン13を覆う樹脂で成型されたスクロールケーシング21と、熱交換器14を覆う金属製の直方体の本体ケース12とで構成されている。このスクロールケーシング21は、前面側に外気空気吸込み口を供えた吸込口側板21aと、反吸込み側側板21bと、スクロール板21cとで構成されている。なお、反吸込み側側板21bは、背板12aと共有しても良い。スクロールケーシング21内には、モータ22とそのモータ22の回転軸に取り付けられた遠心型の羽根車23とが収められている。スクロール板21cには、径方向に突出した制御ボックス24を一体に設ける。この制御ボックス24には、モータ22を駆動する制御回路(図示せず)が内蔵され、羽根車23を設けた空間と仕切り壁25で区画されている。この仕切り壁25は、羽根車23を設けた区画におけるスクロール板の役割を果たしている。また、制御ボックス24は、内部を基板エリア26と隔離エリア27とに分けられている。基板エリア26は、制御ボックス24の径方向外側に設けられ、制御回路を搭載した基板が収められることになる。隔離エリア27は、羽根車23を設けた区画と基板エリア26との間に設けられている。
図6に示すように、モータ22は、背板12a側のモータ固定板28に取り付けられる。モータ固定板28は、制御ボックス24の背面側(背板12a側)を塞ぐような形状をしていて、この制御ボックス24の基板エリア26を塞ぐ部分に制御回路を搭載した制御基板収納箱29が設けられる。モータ固定板28は、背板12aに取り付けられる。モータ固定板28と背板12aが固定された状態でスクロールケーシング21が取り付けられる。制御基板収納箱29は基板エリア26に収まることになる。
モータ22は、モータ固定板28とモータカバー30とで挟むようにして固定される。モータカバー30は、回転軸部分を開口したモータ22を押さえる部分と、モータ固定板28と結合する脚部分とで構成される。モータ固定板28には、この脚部分をはめ込むスリットが設けられていて、モータカバー30を回転軸中心に回動させることによって、固定・開放が容易にできることになっている。また、脚部分にはモータ22を駆動するための配線を通して固定する配線固定部31を設け、モータ22の固定を容易にしている。
図7に示すように、モータ22を駆動するための配線(リード線33)は、スクロール板21cから一旦スクロールケーシング21外へ出される。その後、制御ボックス24の基板エリア26に設けられた切欠き32から制御回路内へ導かれている。また、リード線33は、モータ固定板28の端部に設けられた折り曲げ(リード線保護部34)内に這わされることになる。
なお、図9に示すように、モータ22とモータ固定板28との間には、防振ゴム35が設けられていて、モータ22の振動を背板12aに伝えにくくしている。
このような構成によれば、モータ22を駆動するための制御回路は、外気が通過するエリア(羽根車23が設けられたエリア)とが区画されているため、外気の中に混入している塵埃にさらされることがない信頼性の高い送風機が得られる。また、制御回路は、モータ固定板28にモータ22と一体的に固定されているので、配線作業、その後の組立作業が容易になる。さらには、基板エリア26と羽根車23が設けられたエリアの間に隔離エリア27を設けているので、制御回路の発熱は送風される空気に伝わりにくくなっている。また、この隔離エリア27を設け、モータ22駆動用の配線を隔離エリア27を通さないことにより、制御回路側に塵埃あるいは水滴などが入り難い構造になっている。
このような送風ファン13を用いた熱交換装置6は、外気取入れ口となる第1吸気口8から塵埃などを含んだ外気を吸い込んでも、制御回路に直接触れることがないので、塵埃等による制御回路への影響は発生し難くなっている。また、この熱交換装置6は、制御対象が送風ファン13のみであり、装置内の制御配線をモータ固定板28で完結し、簡単な作業で組立が可能になる。
以上のように本発明は、モータと羽根車とを有し、外気吸込口を設けた吸込口側板と、反吸込み側側板と、スクロール板で構成されたスクロールケーシングで覆われた遠心送風機であって、前記スクロール板に、径方向に突出して、前記モータを駆動する制御回路を内蔵した制御ボックスを設け、この制御ボックスは、前記羽根車を設けた空間と区画されていることを特徴とするものであるので、例えば、設置面積が限られる通信機器の基地局や、その他屋外設置機器における冷却設備としてきわめて有用なものとなる。
1 ビルディング
2 屋上
3 基地局
4 キャビネット
5 送・受信機
6 熱交換装置
8 第1吸気口
9 第1吐出口
10 第2吸気口
11 第2吐出口
12 本体ケース
12a 背板
12b 箱体
13 送風ファン
14 熱交換器
14a 第1流入口
14b 第2流入口
16 チャンバー
21 スクロールケーシング
21a 吸込口側板
21b 反吸込み側側板
21c スクロール板
22 モータ
23 羽根車
24 制御ボックス
25 仕切り壁
26 基板エリア
27 隔離エリア
28 モータ固定板
29 制御基板収納箱
30 モータカバー
31 配線固定部
32 切欠き
33 リード線
34 リード線保護部
35 防振ゴム

Claims (2)

  1. モータと羽根車とを有し、外気吸込口を設けた吸込口側板と、反吸込み側側板と、スクロール板で構成されたスクロールケーシングで覆われた遠心送風機であって、前記スクロール板に、径方向に突出して、前記モータを駆動する制御回路を内蔵した制御ボックスを設け、この制御ボックスは、前記羽根車を設けた空間と区画されるとともに、内部を制御回路を搭載した基板が収められる基板エリアと隔離エリアとに分けられ、前記基板エリアは、前記制御ボックスの径方向外側に設けられていることを特徴とする遠心送風機。
  2. 前面に第1環境用の第1吸気口と第1吐出口を設け、背面に第2環境用の第2吸気口および第2吐出口を設けた本体ケースと、この本体ケース内に設けられた第1環境用の送風ファンと、前記本体ケース内において第1環境の空気と第2環境の空気との熱交換を行う熱交換器とを備え、前記熱交換器は、複数の板体を所定間隔離した状態で重合させた構成とし、積層方向に形成される対向する2面に第1環境用、第2環境用空気吸込口を設け、積層方向に形成される他の面のひとつに第1環境用空気吹出口を設け、この第1環境用空気吹出口を設けた面と対向する面に第2環境用空気吹出口を設けたものであって、前記第1環境用空気吸込口を設けた面を前記送風ファンに向け、さらに、前記第1環境用空気吹出口を本体ケースに設けた前記第1吐出口に、前記第2環境用空気吹出口を本体ケースに設けた前記第2吐出口に、それぞれ接するようにして設置し、前記第2吸気口と前記第2環境用空気吸込口との間にチャンバーが形成され、前記本体ケースは、背面側を開口した箱体と、この箱体の背面側に設けた背板とで構成され、前記送風ファンは、請求項1記載の遠心送風機であることを特徴とする熱交換装置。
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