JP5571524B2 - 内視鏡推進装置 - Google Patents

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Description

本発明は、消化管などの管内で内視鏡の挿入部を推進させる内視鏡推進装置に関するものである。
従来から、医療分野において、大腸や小腸のような屈曲した消化管内に内視鏡の挿入部を挿入して、消化管内壁面の観察や診断、治療を施すことが行われている(特許文献1及び2参照)。この場合、消化管が複雑に屈曲しかつ比較的自由に動くS字結腸であると、このS字結腸内で挿入部を奥へ進めるためには、手技に熟練度が要求されていた。このため、S字結腸のような複雑に屈曲した消化管内でも挿入部を容易に奥へ進めることができる内視鏡が求められていた。
近年、挿入部の先端部に取り付けられ、この挿入部を消化管内で推進させる内視鏡推進装置が開発されている(特許文献3参照)。この内視鏡推進装置は、挿入部の軸方向に沿って少なくとも3個以上設けられた伸縮ユニットからなる。
各種伸縮ユニットは、挿入部が挿通され、その軸方向に伸縮自在な蛇腹管と、この蛇腹管の外周を覆い、加圧により径方向に拡径するとともに軸方向に収縮する略筒状の特殊なバルーンと、このバルーンの両端と蛇腹管の両端とをそれぞれ固定して、バルーンの内側に密閉空間を形成する一対のフランジと、この密閉空間に加圧用の圧縮空気を給排する給排チューブとで構成される。各伸縮ユニットは、拡径したときに消化管の内壁をグリップし、縮径したときにグリップを解除する。内視鏡推進装置は、各伸縮ユニットを所定の順番で拡径・縮径させる、いわゆるミミズの移動を模した蠕動運動を行うことで、挿入部を消化管内で前進/後進させる。
この際に、例えば特許文献1の図2に記載のように、挿入部先端側の伸縮ユニット(以下、先端側伸縮ユニットという)へ圧縮空気を給排するエアチューブが、挿入部後端側の伸縮ユニット(以下、後端側伸縮ユニットという)の外面と消化管内壁との間に配置されていると、この後端側伸縮ユニットが拡径したときに、エアチューブが後端側伸縮ユニットと消化管内壁との間で挟まれて閉塞し、圧縮空気の供給ができなくなる。
そこで、特許文献3の内視鏡推進装置では、先端側伸縮ユニットへ圧縮空気を給排するエアチューブを、後端側伸縮ユニットの内部、より具体的には蛇腹管の外面とバルーンの内面との間に形成される密閉空間内に通している。(特許文献3の図2、図4、図6等参照)。この密閉空間内のエアチューブは、一対のフランジにそれぞれ形成された通気穴に接続している。
特開平8−089476号公報 特開平2−256558号公報 特開2009−240713号公報
エアチューブを後端側伸縮ユニットの内部に通した場合、この後端側伸縮ユニットがその一対のフランジの間隔が狭まるように軸方向に収縮したときに、エアチューブにも軸方向に収縮しようとする力が作用するため、エアチューブが後端側伸縮ユニット内で屈曲する。この際に、エアチューブの屈曲が大きくなると、エアチューブがキンクするおそれがある。ここで、エアチューブのキンクとは、エアチューブが折れ曲がって閉塞してしまう状態である。
本発明は上記問題を解決するためのものであり、エアチューブ等の給排チューブのキンクを防止可能な内視鏡推進装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の内視鏡推進装置は、内視鏡の挿入部が挿通される内部空間を有し、前記挿入部の軸方向に沿って一列に配置された複数の伸縮ユニットであり、前記内部空間を形成しかつ前記軸方向に伸縮自在な伸縮管と、前記伸縮管の外周を覆う略筒状を有しており、内側からの加圧により前記挿入部の径方向に拡径するとともに前記軸方向に収縮し、前記加圧が解除されたときに元の状態に復元する筒状伸縮体と、前記筒状伸縮体の両端部において前記筒状伸縮体と前記伸縮管とを固定して、前記筒状伸縮体の内周と前記伸縮管の外周との間に密閉空間を形成する端部固定手段とからなる複数の伸縮ユニットと、複数の前記伸縮ユニットのうち、前記挿入部の最も先端側に位置する最先端伸縮ユニットを、前記挿入部に解除可能に固定する最先端伸縮ユニット固定手段と、各前記伸縮ユニットに設けられ、前記内部空間と各前記伸縮ユニットの前記密閉空間とを連通する連通路と、前記内部空間において、前記挿入部の外周と前記伸縮管の内周との間に前記軸方向に延びるように配設され、前記密閉空間に対して前記筒状伸縮体の加圧用の流体を給排する複数の給排チューブであって、一端が前記連通路の接続口に接続するとともに他端が前記内部空間外に引き出されて前記流体の供給源に接続しており、前記内部空間において前記接続口との接続部分以外の部分がいずれの前記伸縮ユニットにも固定されていない複数の給排チューブと、を備えることを特徴とする。
前記端部固定手段は、前記挿入部が挿通され、前記伸縮管の両端部にそれぞれ接続された環状部材であり、前記環状部材の外周面に前記筒状伸縮体が取り付けられ、前記環状部材の内周面に前記伸縮管が取り付けられており、前記連通路は、前記伸縮管の両端部に配置される2つの前記環状部材の一方に設けられていることが好ましい。
前記連通路は、前記環状部材の内周面に設けられた前記接続口と前記環状部材の内周と外周を貫通する貫通口とを有しており、前記環状部材の外周面には、前記筒状伸縮体が取り付けられる部分に、前記貫通口と前記密閉空間とを連通させるための略凹形状の溝が形成されていることが好ましい。また、前記連通路は、前記伸縮管の両端部に配置される2つの前記環状部材のうち、後端側の環状部材に設けられることが好ましい。また、互いに隣り合う前記伸縮ユニットの前記伸縮管の、互いに対向する側の端部が、共通の前記環状部材に接続していることが好ましい。
記最先端伸縮ユニットの前記伸縮管から前記挿入部の最も後端側に位置する最後端伸縮ユニットの前記伸縮管までを覆う長さを有する1本の略筒状のカバーと、前記カバーを、前記軸方向に沿って一列に配置された複数の前記伸縮管のそれぞれの両端部に対応する位置で括って、複数の前記筒状伸縮体を形成する括り部材と、を備えていることが好ましい。
前記最先端伸縮ユニット固定手段は、前記最先端伸縮ユニットの前記内部空間を形成する内面に、その周方向に沿って設けられた略ドーナツ形状のバルーンであり、その内部が加圧されたときに内径が縮径して前記挿入部の外周をグリップし、前記加圧が解除されたときに内径が前記挿入部の径よりも大きくなるように拡径して前記グリップを解除するバルーンと、各前記伸縮ユニットの前記内部空間を通って前記バルーンに接続し、当該バルーンに対して加圧用の流体を給排するバルーン用給排チューブと、からなることが好ましい。
前記給排チューブ内に、当該給排チューブの剛性を高める補強手段が設けられていることが好ましい。また、前記伸縮管は蛇腹構造を有していることが好ましい。また、前記伸縮ユニットが、前記軸方向に沿って少なくとも3個以上配置されていることが好ましい。
本発明の内視鏡推進装置は、各伸縮ユニットに対して加圧用の流体を給排する給排チューブを、内視鏡の挿入部が挿通される内部空間を通して各伸縮ユニットにそれぞれ一箇所で接続し、この接続部分以外の部分をいずれの伸縮ユニットにも固定しないようにすることで、伸縮ユニットが挿入部の軸方向に収縮した場合でも伸縮ユニットと給排チューブとが相対的にスライドするため、給排チューブに対して軸方向に収縮しようとする力は作用しない。その結果、給排チューブのキンクを防止することができる。
電子内視鏡システムの構成を示す斜視図である。 (A)は内視鏡推進装置の側面図、(B)はバルーンの内側の構造を説明するための説明図である。 伸縮ユニット内のエアチューブの断面図である。 第3フランジの斜視図である。 図4中のV−V線に沿う断面図である。 第3フランジを挿入部の後端側から見た背面図である。 第3フランジとエアチューブの接続状態を示した(A)斜視図、(B)背面図である。 第3フランジとエアチューブの接続部分の断面図である。 (A)第1フランジの背面図、(B)第2フランジの背面図、(C)第3フランジの背面図である。 推進制御装置を説明するための説明図である。 (A)〜(E)は内視鏡推進装置の動作を説明するための説明図である。 (A)は縮径状態の第3伸縮ユニットの断面の拡大図、(B)は縮径状態の第3伸縮ユニットの断面の拡大図である。 (A)、(B)は第3伸縮ユニットが拡縮したときの各エアチューブの状態を説明するための説明図である。 オーバチューブとバルーンとの間の空気室内にエアチューブを通している比較例の断面図である。 挿入部に対するキャップの固定を解除した状態を示す断面図である。 挿入部に対してキャップを固定した状態を示す断面図である。
図1において、電子内視鏡システム10は、電子内視鏡11、プロセッサ装置12、光源装置13、内視鏡推進装置(自走装置)14、推進制御装置(供給源)15などから構成される。電子内視鏡11は、消化管内に挿入される挿入部16と、電子内視鏡11の把持及び挿入部16の操作に用いられる操作部17と、プロセッサ装置12及び光源装置13に接続するユニバーサルコード18とを備えている。
挿入部16は可撓性を有する棒状体である。挿入部先端部16aには、図示は省略するが、観察窓、照明窓、及び送気・送水用ノズル等が設けられている。なお、以下の説明では、挿入部16の先端側の方向及び面をそれぞれ先端側、先端面といい、挿入部16の後端側の方向及び面をそれぞれ後端側、後端面という。
操作部17は、アングルノブ22、操作ボタン23等を備えている。アングルノブ22は、挿入部16の湾曲方向及び湾曲量を調整する際に回転操作される。操作ボタン23は、送気・送水や吸引等の各種の操作に用いられる。また、操作部17には、ユニバーサルコード18が接続されている。
ユニバーサルコード18には、送気・送水チャンネルと、撮像信号出力用ケーブル及びライトガイドが組み込まれている。このユニバーサルコード18の先端部にはコネクタ部25aが設けられている。このコネクタ部25aは光源装置13に接続する。また、コネクタ部25aからはコネクタ部25bが分岐しており、このコネクタ部25bはプロセッサ装置12に接続する。
推進制御装置15には、操作ユニット26が接続している。この操作ユニット26は、内視鏡推進装置14の前進・後退・停止の指示を入力するためのボタン、後述する各伸縮ユニット28a〜28dを伸縮させるタイミングをコントロールすることで内視鏡推進装置14の移動速度を調整するための速度調節ボタン、および全ての伸縮ユニット28a〜28dを伸張した状態とすることで緊急時に容易に内視鏡推進装置14を抜去するための緊急退避ボタンなどを備えている。
プロセッサ装置12は、電子内視鏡11から入力される画像信号から内視鏡画像を生成し、この内視鏡画像に各種画像処理を施す。画像処理済みの内視鏡画像は、プロセッサ装置12にケーブル接続されたモニタ27に表示される。光源装置13は、照明光をライトガイドに供給する。
内視鏡推進装置14は、挿入部先端部16aに取り付けられており、消化管内で挿入部16を前進または後進させる。内視鏡推進装置14は、挿入部16の先端側から順にその軸方向(以下、挿入部軸方向という)に沿って設けられた第1〜第4伸縮ユニット28a,28b,28c,28dからなる。各伸縮ユニット28a〜28dは、それぞれ個別に、加圧によって挿入部16の径方向に拡径するとともに挿入部軸方向に収縮し、加圧が解除されると元の状態に復元する。以下、前者の状態を拡径状態といい、後者の状態を縮径状態という。
各伸縮ユニット28a〜28dには、第1〜第4エアチューブ(給排チューブ)29a,29b,29c,29dを介して、推進制御装置15から圧縮空気が供給される。推進制御装置15は、操作ユニット26からの操作信号に基づき、各エアチューブ29a〜29dへの圧縮空気の給排を制御する。
図2(A),(B)に示すように、内視鏡推進装置14の第1〜第4伸縮ユニット28a〜28dは、挿入部16に外嵌されかつ挿入部軸方向に沿って並べて設けられた第1〜第4オーバチューブ(伸縮管)31a〜31dを備えている。各オーバチューブ31a〜31dは、挿入部軸方向に伸縮自在な蛇腹構造を有している。各オーバチューブ31a〜31dの内部空間S(図8、図12参照)には、挿入部16、各エアチューブ29a〜29d(第1オーバチューブ31aを除く)が挿通される。
第1オーバチューブ31aの先端部は、挿入部先端部16aに外嵌された略環状のキャップ32の開口に嵌合している。また、第1オーバチューブ31aの後端部は、挿入部先端部16aに外嵌された略環状の第1フランジ33aの先端側の開口に嵌合している。この第1フランジ33aの後端側の開口には、第2オーバチューブ31bの先端部が嵌合している。これにより、第1オーバチューブ31aと第2オーバチューブ31bとが第1フランジ33aを介して連結される。
以下同様に、第2〜第4オーバチューブ31b〜31dの後端部はそれぞれ第1フランジ33aと同形状の第2〜第4フランジ33b〜33dの先端側の開口に嵌合し、さらに、第3及び第4オーバチューブ31c,31dの先端部はそれぞれ第2及び第3フランジ33b,33cの後端側の開口に嵌合している。これにより、第M(Mは1〜3)オーバチューブと第(M+1)オーバチューブとが第Mフランジを介して連結される。従って、各オーバチューブ31a〜31d、キャップ(環状部材、最先端伸縮ユニット固定手段)32、各フランジ(環状部材)33a〜33dは一体化している。
キャップ32は、挿入部16の外周に着脱自在に固定される。これに対して各フランジ33a〜33dは、挿入部16の外周に遊嵌されており、挿入部16に固定されていない。このため、キャップ32によって、各オーバチューブ31a〜31d、各フランジ33a〜33dは、挿入部16に対してその挿入部軸方向に移動自在に保持される。
キャップ32及び各フランジ33a〜33dの後端部の外周面には、その周方向に沿って環状溝35が形成されている。キャップ32の後端部から第4フランジ33dの後端部までの間の各部材の外周面は、1本の略筒状の弾性カバー36で覆われている。弾性カバー36は、例えば合成ゴムや天然ゴム等からなる略円筒状の弾性体と、この弾性体内に、挿入部軸方向に沿うように設けられた複数の繊維とからなる。この繊維は例えばガラスロービング繊維やカーボンロービング繊維のような、挿入部軸方向に伸縮し難い非伸縮性を有している。
弾性カバー36は、キャップ32及び各フランジ33a〜33dのそれぞれの環状溝35に対応する位置でピアノ線(括り部材)37などにより括られている。これにより、弾性カバー36に、第1〜第4バルーン36a〜36d(筒状伸縮体)が形成される。第1バルーン36aは、第1オーバチューブ31aの外周を囲むとともに、両端部がキャップ32及び第1フランジ33aにそれぞれ固定される。同様に、第2バルーン36b〜第4バルーン36dは、それぞれ第2〜第4オーバチューブ31b〜31dの外周を囲み、両端部がそれぞれ第1及び第2フランジ33a,33b、第2及び第3フランジ33b,33c、第3及び第4フランジ33c,33dに固定される。これにより、各バルーン36a〜36dの内側には、それぞれ密閉された第1〜第4空気室(密閉空間)38a〜38dが形成される。
第1〜第4バルーン36a〜36dは、その内側から加圧されたときに、挿入部16の径方向に膨張するとともに挿入部軸方向に収縮し、この加圧が解除されると弾性復元力により元の状態に復元する。
第1伸縮ユニット28aは、第1オーバチューブ31aと、キャップ32と、第1フランジ33aと、第1バルーン36aとにより構成される。また、第N(Nは2〜4)伸縮ユニットは、第Nオーバチューブと、第(N−1)及び第Nフランジと、第Nバルーンとにより構成される。
第1〜第4エアチューブ29a〜29dは、例えばポリ塩化ビニルなどで形成されている。第1エアチューブ29aは、第4フランジ33d、第4オーバチューブ31d、第3フランジ33c、第3オーバチューブ31c、第2フランジ33b、第2オーバチューブ31bの内部空間を通って第1フランジ33aに接続している。また、第2エアチューブ29bは、第4フランジ33d、第4オーバチューブ31d、第3フランジ33c、第3オーバチューブ31cの内部空間を通って第2フランジ33bに接続している。
第3エアチューブ29cは、第4フランジ33d、第4オーバチューブ31dの内部空間を通って第3フランジ33cに接続している。また、第4エアチューブ29dは、第4フランジ33dに接続している。
図3において、各エアチューブ29a〜29dは、各伸縮ユニット28a〜28dの内周面に沿うように、各伸縮ユニット28a〜28d内では断面が略扁平かつ略円弧状に形成されている。各エアチューブ29a〜29dの流路は、複数の仕切り壁40で仕切られている。仕切り壁40は、挿入部16の径方向に対して略平行な方向に立設され、かつ各エアチューブ29a〜29dの長手方向(挿入部軸方向)に長く延びている。各仕切り壁40により各エアチューブ29a〜29dの剛性が高められる。
次に、第3フランジ33cを例に挙げてフランジの構造について説明を行う。図4〜図6に示すように、第3フランジ33cは、挿入部16が挿通されるとともに、第3及び第4オーバチューブ31c,31dが嵌合する挿通孔(内部空間)42を有している。また、第3フランジ33cの外周面には、上述の環状溝35の他に、第3空気室38c内で開口した開口穴43と、この開口穴43の縁から先端側に向かって長く延びた2本の略凹形状の溝44とが形成されている。
第3フランジ33cの内周面には、その周方向に沿ってエアチューブ接続部46、第1エアチューブ支持部47、第2エアチューブ支持部48が所定間隔をあけて設けられている(図6参照)。この間隔は、エアチューブ29a〜29dの幅よりも一回り大きくなるように調整されている。
エアチューブ接続部46は、内周面上で開口穴43の開口部分に位置する。このエアチューブ接続部46の後端面には、挿入部16の後端側に向かって突出したチューブ接続口50が形成されている。また、エアチューブ接続部46の内部には、開口穴43とチューブ接続口50とを接続する貫通口51が形成されている(図5参照)。さらに、エアチューブ接続部46の両端部には、エアチューブの側端部を支持するために略凹円弧状のガイド部52が形成されている(図6参照)。
第1及び第2エアチューブ支持部47,48の周方向の両端部にも、エアチューブ接続部46と同様にガイド部52が形成されている。これにより、エアチューブ接続部46と第1エアチューブ接続部46との間、第1エアチューブ支持部47と第2エアチューブ支持部48との間、第2エアチューブ支持部48とエアチューブ接続部46との間にそれぞれエアチューブを支持する断面略円弧状の支持凹部54a,54b,54cが形成される(図6参照)。
各支持凹部54a,54b,54cは、その断面積がエアチューブの断面積よりも一回り以上大きくなるように形成されている。このため、各支持凹部54a,54b,54cの内面とエアチューブの外面との間には遊びが生じる。これにより、各支持凹部54a,54b,54cは、エアチューブを挿入部軸方向にスライド移動自在に支持する。
図7(A),(B)に示すように、第1エアチューブ29aは、支持凹部54bにより挿入部軸方向にスライド移動自在に支持される。第2エアチューブ29bは、支持凹部54aにより挿入部軸方向にスライド移動自在に支持される。第3エアチューブ29cは、チューブ接続口50に接続され、この状態で接着剤等により固定される。これにより、図8に示すように、第3エアチューブ29cが、チューブ接続口50、貫通口51、及び開口穴43を介して、第3空気室38cに接続する。
第1、第2、第4フランジ33a,33b,33dは、第3フランジ33cと同じ構造であるのでその構造についての説明は省略する。また、第1〜第4フランジ33a〜33dは、互いのエアチューブ接続部46の位置が重ならないように取り付けられている。具体的には、第1フランジ33aを基準としたときに、挿入部16の後端側から見て第2フランジ33bは挿入部16の中心軸を中心として時計回りに90°回転し、第3フランジ33cは時計回りに180°回転し、第4フランジ33dは時計回りに270°回転している(図2(B)参照)。
図9(A)に示すように、第1フランジ33aのチューブ接続口50には第1エアチューブ29aが接続固定される。図9(B)に示すように、第2フランジ33bのチューブ接続口50には第2エアチューブ29bが接続固定され、支持凹部54aには第1エアチューブ29aがスライド移動自在に支持される。図9(C)に示すように、第4フランジ33dのチューブ接続口50には第4エアチューブ29dが接続固定され、支持凹部54a,54b,54cにはそれぞれ第3エアチューブ29c、第2エアチューブ29b、第1エアチューブ29aがスライド移動自在に支持される。これにより、第1、第2、第4エアチューブ29a,29b,29dと、第1、第2、第4空気室38a,38b,38dとがそれぞれ接続する。
第1エアチューブ29aは、その先端が第1フランジ33aのチューブ接続口50に固定された状態で、その第2〜第4伸縮ユニット28b〜28d内に位置する部分が第2フランジ33bの支持凹部54a、第3フランジ33cの支持凹部54b、第4フランジ33dの支持凹部54cにより挿入部軸方向にスライド移動自在に支持される。
第2エアチューブ29bは、その先端が第2フランジ33bのチューブ接続口50に固定された状態で、その第3及び第4伸縮ユニット28c,28d内に位置する部分が第3フランジ33cの支持凹部54a、第4フランジ33dの支持凹部54bにより挿入部軸方向にスライド移動自在に支持される。
第3エアチューブ29cは、その先端が第3フランジ33cのチューブ接続口50に固定された状態で、その第4伸縮ユニット28d内に位置する部分が第4フランジ33dの支持凹部54aによりスライド移動自在に支持される。
このように各エアチューブ29a〜29dは、一箇所(各フランジ33a〜33dのチューブ接続口50)でそれぞれ各伸縮ユニット28a〜28dに接続固定されており、この固定部分以外の箇所では各伸縮ユニット28a〜28dのいずれの部分にも固定されない。
図10に示すように、推進制御装置15は、コンプレッサ58と、コンプレッサ58から発生した圧縮空気を各エアチューブ29a〜29dへ導く4本の管路59a,59b,59c,59dと、各管路59a〜59dの途中に設けられた供給弁60a,60b,60c,60d及び開放弁61a,61b,61c,61dと、圧力計62a,62b,62c,62dとから構成されている。コンプレッサ58が作動している状態で開放弁を閉じて供給弁を開くと、これに対応するエアチューブを介して空気室に圧縮空気が供給される。この状態で供給弁を閉じて開放弁を開くと空気室が大気圧に戻る。
推進制御装置15から第1〜第4エアチューブ29a〜29dをそれぞれ介して供給された圧縮空気は、第1〜第4エアチューブ29a〜29dを通って、第1〜第4空気室38a〜38d内にそれぞれ供給される。また、第1〜第4空気室38a〜38d内の圧縮空気は、開放弁61a〜61dを開放したときに、第1〜第4エアチューブ29a〜29dを通って開放弁61a〜61dからそれぞれ排出される。
圧力計62a〜62dは、それぞれ第1エアチューブ29a及び第1空気室38a内の圧力、第2エアチューブ29b及び第2空気室38b内の圧力、第3エアチューブ29c及び第3空気室38c内の圧力、第4エアチューブ29d及び第4空気室38d内の圧力を測定する。
次に、図11を用いて上記構成の内視鏡推進装置14の作用について説明を行う。なお、図面の煩雑化を防止するため、各エアチューブ29a〜29dは図示を省略している。
最初に、挿入部先端部16aに内視鏡推進装置14が取り付けられ、そのキャップ32が挿入部先端部16aに固定される。このとき、各伸縮ユニット28a〜28dは縮径状態である。次いで、プロセッサ装置12及び光源装置13の電源がONされて検査準備が完了した後、挿入部先端部16aが患者の消化管内に挿入される。
挿入部先端部16aが消化管内の所定位置、例えばS字結腸の手前まで進められた後、推進制御装置15の電源がONされる。推進制御装置15は、コンプレッサ58を作動させるとともに、第1及び第4供給弁60a,60dを開いて第1及び第4開放弁61a,61dを閉じる。また、第2及び第3供給弁60b,60cを閉じて第2及び第3開放弁61b,61cを開く。これにより、第1及び第4エアチューブ29a,29dからそれぞれ第1及び第4空気室38a,38dに圧縮空気が供給される。
図11(A)に示すように、第1及び第4空気室38a,38dへの圧縮空気の供給により、第1及び第4バルーン36a,36dが拡径するとともに挿入部軸方向に収縮する。推進制御装置15は、圧力計62a,62dの測定結果に基づき、第1及び第4空気室38a,38d内の圧力が所定の設定圧力値に達した時に、第1及び第4供給弁60a,60dを閉じる。
第1及び第4バルーン36a,36dの挿入部軸方向の収縮に伴い、キャップ32と第1フランジ33aとの間隔が狭まり第1オーバチューブ31aが挿入部軸方向に収縮するとともに、第3フランジ33cと第4フランジ33dとの間隔が狭まり第4オーバチューブ31dが挿入部軸方向に収縮する。これにより、第1及び第4伸縮ユニット28a,28dが縮径状態から拡径状態に変形して、第1及び第4バルーン36a,36dの外面が消化管の内壁に圧着される。こうして第1及び第4伸縮ユニット28a,28dが消化管の内壁をグリップする。
次いで、操作ユニット26で前進指示が入力されると、推進制御装置15は、第2供給弁60bを開いて第2開放弁61bを閉じるとともに、第4開放弁61dを開く。これにより、第2空気室38bへ圧縮空気が供給されるとともに、第4空気室38dが大気圧に戻る。なお、第2供給弁60bは、圧力計62bで測定された第2空気室の圧力が設定圧力値に達した時に閉じられる。
図11(B)に示すように、第2伸縮ユニット28bが拡径状態に変形して消化管の内壁をグリップするとともに、第4伸縮ユニット28dが縮径状態に変形して消化管の内壁のグリップが解除される。
図11(C)に示すように、推進制御装置15は、各供給弁及び開放弁を適宜開閉して、第1伸縮ユニット28aを縮径状態に変形させるとともに、第3伸縮ユニット28cを拡径状態に変形させて消化管の内壁をグリップさせる。この際に、第1伸縮ユニット28aの後方の第2,第3伸縮ユニット28b,28cは、消化管の内壁をグリップしている。また、キャップ32は挿入部16に固定されている一方で、他の各部材は挿入部16に対してフリーな状態になっている。このため、第1伸縮ユニット28aが挿入部軸方向へ伸長しようとする動作は、挿入部16を消化管の内壁に対して前進させる推進力に変換され、挿入部16が前進する。
図11(D)に示すように、推進制御装置15は、第2伸縮ユニット28bを縮径状態に変形させるとともに、第4伸縮ユニット28dを拡径状態に変形させる。第2伸縮ユニット28bが挿入部軸方向に伸長するときは、第2伸縮ユニット28bの後方の第3,第4伸縮ユニット28c,28dが消化管の内壁をグリップしている。図11(C)と同様に、第2伸縮ユニット28bが伸長する動作は、挿入部16を前進させる推進力に変換され、挿入部16がさらに前進する。
図11(E)に示すように、推進制御装置15は、第3伸縮ユニット28cを縮径状態に変形させるとともに、第1伸縮ユニット28aを拡径状態に変形させる。この状態では、第3伸縮ユニット28cが挿入部軸方向に伸長したとしても、第1伸縮ユニット28aが挿入部軸方向に収縮にして消化管の内壁をグリップしているので、挿入部16は前進しない。この図11(E)の状態は、図11(A)に示した初期状態と同じである。
推進制御装置15は、上述の図11(A)、図11(B)、図11(C)、図11(D)の各状態が順番に繰り返し実行されるように、各供給弁及び開放弁を適宜開閉する。これにより、各伸縮ユニット28a〜28dが図11(A)〜図11(D)で説明したような、いわゆるミミズの移動を模した蠕動運動をすることで、挿入部16が前進する。
図12(A)、(B)に示すように、例えば第3伸縮ユニット28cを縮径状態から拡径状態に切り替える際には、第3空気室38c内に圧縮空気が供給(括弧付き数字(1)参照)されて、第3バルーン36cが拡径するとともに挿入部軸方向に収縮(括弧付き数字(2)参照)する。このとき、第3バルーン36cの収縮に伴い、第3オーバチューブ31cが挿入部軸方向に収縮することで、第3フランジ33cが挿入部16の先端側にΔLだけスライド移動する(括弧付き数字(3)参照)。
図13(A),(B)に示すように、第3フランジ33cの挿入部軸方向先端側へのΔLのスライド移動に伴い、第4オーバチューブ31d及び第4フランジ33dも挿入部軸方向の先端側へΔLだけスライド移動する。この際に、第3及び第4エアチューブ29c,29dは、それぞれ第3及び第4フランジ33c,33dと一体に挿入部軸方向の先端側へΔLだけスライド移動する。
一方、第1エアチューブ29aは、第2〜第4フランジ33b〜33dの支持凹部54a〜54cのいずれかによってスライド移動自在に支持されているが、第3及び第4伸縮ユニット28c,28dのいずれの部分にも固定されてはいない。また、第1エアチューブ29aは、上述したようにポリ塩化ビニルからなり、その表面は平滑であるため、第2〜第4オーバチューブ31b〜31dの内面や支持凹部54a〜54cに対して滑り易い。このため、第3伸縮ユニット28cの挿入部軸方向の収縮、及びこの収縮に伴う第4伸縮ユニット28dの挿入部軸方向のスライド移動により、第3及び第4伸縮ユニット28c,28から第1エアチューブ29aに対して力が作用することはない。
また、第2エアチューブ29bも、第2フランジ33bに接続している先端部以外の箇所で第3及び第4伸縮ユニット28c,28dに固定されてはいない。このため、第1エアチューブ29aと同様に、第3及び第4伸縮ユニット28c,28から第2エアチューブ29bに対して力が作用することはない。
これに対して比較例を示す図14において、オーバチューブ66とバルーン67との間に形成される空気室68内をエアチューブ69が通り、かつこのエアチューブ69の両端部がそれぞれ一対のフランジ70a,70bの通気穴71に接続している伸縮ユニット72の場合は、この伸縮ユニット72が挿入部軸方向に収縮した時に、エアチューブ69の両端部にはエアチューブ69を収縮させる方向に挿入部軸方向の力が作用する。その結果、エアチューブ69がキンクしてしまう。キンクは、エアチューブ69がその力を挿入部軸方向において吸収しきれずに、挿入部軸方向と直交する方向に変形する現象である。
このような比較例のエアチューブ69に対して、本発明の第1〜第3エアチューブ29a〜29cは、それぞれ第2〜第4伸縮ユニット28b〜28dの内部空間(内部空間S、挿通孔42)、第3及び第4伸縮ユニット28c,28dの内部空間、第4伸縮ユニット28dの内部空間を通って、第1〜第3伸縮ユニット28a〜28cにそれぞれ一箇所で固定されている。このため、各伸縮ユニット28a〜28dのいずれが挿入部軸方向に収縮した場合でも、各伸縮ユニット28b〜28dと各エアチューブ29a〜29cとが相対的にスライドするだけであり、各エアチューブ29a〜29cに対して挿入部軸方向に収縮しようとする力は作用しない(図13参照)。その結果、各エアチューブ29a〜29cのキンクが防止される。
また、比較例では、伸縮ユニット72を挿入部軸方向に収縮させる際にエアチューブ69が屈曲するため、このエアチューブ69の弾性復元力が抵抗力として作用する。その結果、比較例では空気室68に供給する圧縮空気の圧力を高くする必要があり、バルーン67が破裂するおそれがあった。これに対して、本発明では、第2〜第4伸縮ユニット28b〜28dを挿入部軸方向に収縮させる際に、その内部空間を通る第1〜第3エアチューブ29a〜29cが屈曲して抵抗力を発生することはない。このため、本発明の伸縮ユニットは、比較例の伸縮ユニットよりも挿入部軸方向に収縮し易くなるので、各空気室38a〜38dに供給する圧縮空気の圧力を比較例よりも下げることができる。その結果、各バルーン36a〜36dが破裂し難くなる。
また、比較例の伸縮ユニット72では、空気室68内に通すエアチューブ69の本数が増加するのに従い伸縮ユニット72を挿入部軸方向に収縮させるのに要する力が増加するため、各伸縮ユニットに個体差が生じてしまう。これに対して、本発明では、上述したように第2〜第4伸縮ユニット28b〜28dを挿入部軸方向に収縮させる際に、その内部空間を通る第1〜第3エアチューブ29a〜29cが抵抗力を発生することはないので、各収縮ユニット28a〜28dの個体差が減少する。
また、比較例では、伸縮ユニット72毎に別個にバルーン67を取り付ける必要があるが、本発明では、1本の弾性カバー36(図2参照)をピアノ線37で括るだけで4個のバルーン36a〜36dを同時に形成可能であるため、製造工程を簡単にすることができる。
また、比較例では、伸縮ユニット72毎にエアチューブ69の両端部をそれぞれ一対のフランジ70a,70bに接続しているので、エアチューブ69を撓ませなければ内視鏡推進装置を曲げることができず、内視鏡推進装置が曲げ難いという問題があった。これに対して本発明では、各エアチューブ29a〜29dをそれぞれ各伸縮ユニット28a〜28dに一箇所で固定しているので、内視鏡推進装置14を曲げた場合に、各エアチューブ29a〜29dは挿入部軸方向にスライド移動するだけで撓むことはない。その結果、本発明の内視鏡推進装置14は、比較例の装置よりも曲げ易さが向上している。
また、比較例の伸縮ユニット72では空気室68にエアチューブ69を通す必要があるのに対して、本発明の各伸縮ユニット28a〜28dでは各空気室38a〜38dにエアチューブ29a〜29dを通す必要がない。このため、本発明の各空気室38a〜38dの容積を比較例の空気室68の容積よりも小さくすることができる。空気室38a〜38dの容積が小さくなるほど空気室38a〜38d内により短時間で圧縮空気が充填されるため、各伸縮ユニット28a〜28dが縮径状態から拡径状態に切り替わるのに要する時間(応答時間)が短縮する。
なお、上記図12(A),(B)及び上記図13(A),(B)では、第3伸縮ユニット28cが挿入部軸方向に収縮した場合を例に挙げて説明を行ったが、第2伸縮ユニット28bまたは第4伸縮ユニット28dが挿入部軸方向に収縮した場合も、その内部空間を通るエアチューブに対して挿入部軸方向に収縮しようとする力が作用することはない。さらに、2個以上の伸縮ユニットが同時に挿入部軸方向に収縮した場合、例えば第2伸縮ユニット28bと第3伸縮ユニット28cが挿入部軸方向に収縮した場合も、第3フランジ33c等のスライド移動量が「ΔL×2」に変わるだけであり、その内部空間を通るエアチューブに対して挿入部軸方向に収縮しようとする力が作用することはない。
上記実施形態では、キャップ32は挿入部先端部16aの外周に着脱自在に固定されるが、このキャップ32の固定・固定解除を操作ユニット26で行えるようにしてもよい。例えば図15に示すように、第1オーバチューブ31aの先端部分の内周面に、その周方向に沿って略ドーナツ状のバルーン75を設けてもよい。このバルーン75の内径は、圧縮空気が供給されていない非圧縮状態において挿入部先端部16aの外径よりも大きくなっている。
バルーン75には、圧縮空気の給排を行うための給排チューブ76の一端が接続している。この給排チューブ76の他端は、各伸縮ユニット28a〜28dの内部空間(内部空間S、挿通孔42)を通って、推進制御装置15に接続している。
推進制御装置15は、操作ユニット26からの指令に応じて、給排チューブ76への圧縮空気の給排を制御する。推進制御装置15は、操作ユニット26から挿入部先端部16aの固定指令が入力されると、給排チューブ76へ圧縮空気を供給する。これにより、図16に示すように、バルーン75が内側に膨張してその内径が狭まることで、バルーン75が挿入部先端部16aの外周をグリップする。これにより、バルーン75を介してキャップ32が挿入部先端部16aに固定される。
キャップ32の固定後、推進制御装置15は、操作ユニット26から挿入部先端部16aの固定解除指令が入力されると、コンプレッサ58から発生した圧縮空気を給排チューブ76に導く管路(図示せず)の途中に設けた開放弁(図示せず)を開放する。これにより、バルーン75及び給排チューブ76の内部が大気圧に戻り、バルーン75が図15に示した元の状態に復元して挿入部先端部16aのグリップを解除する。挿入部先端部16aに対するキャップ32の固定が解除される。
以上説明したように、挿入部16及び内視鏡推進装置14が消化管内などに挿入されている状態でも、操作ユニット26を操作することでキャップ32の固定・固定解除を切り替えることができる。これにより、例えば、内視鏡推進装置14で挿入部16を消化管内の所望の位置まで進めた後、キャップ32の固定を解除することで、挿入部16だけを消化管のさらに奥に進めることができる。その結果、内視鏡推進装置14が入らない、あるいは進められないような狭い管路内の観察を行うことができる。
なお、バルーン75を、第1オーバチューブ31aの先端部分の内周面上に設ける代わりに、キャップ32の内周面上などに設けてもよい。また、バルーン75の代わりに、挿入部先端部16aに対するキャップ32の固定/固定解除を遠隔操作で切替可能な各種の固定部材を設けてもよい。
上記実施形態では、第1〜第4エアチューブ29a〜29dをそれぞれ第1〜第4フランジ33a〜33dに接続しているが、第1〜第4伸縮ユニット28a〜28dの任意の1箇所に接続してもよい。例えば、第1〜第4オーバチューブ31a〜31dにその内面と外面とを貫通する貫通穴を設けて、各オーバチューブ31a〜31dの貫通穴にそれぞれ各エアチューブ29a〜29dを接続してもよい。
上記実施形態では、弾性カバー36(図2参照)をピアノ線37で括ることより第1〜第4バルーン36a〜36dを形成しているが、各第1〜第4バルーン36a〜36d(筒状伸縮体)をそれぞれ別個に取り付けてもよい。
上記各実施形態では、各伸縮ユニット28a〜28dがそれぞれ個別のオーバチューブ31a〜31dを備えているが、例えば、挿入部16の軸方向に長く延びた一本のオーバチューブの外周に、その軸方向に沿って複数のバルーン36a〜36d(弾性カバー36)、キャップ32及びフランジ33a〜33dを設けることによって、各伸縮ユニットを構成してもよい。
上記各実施形態では、各バルーン36a〜36dの両端部と、各オーバチューブ31a〜31dの両端部とをそれぞれキャップ32、各フランジ33a〜33dを介して固定しているが、フランジを介さずに、圧着や接着等の各種方法を用いて両者を固定してもよい。
上記実施形態では、第1〜第4フランジ33a〜33dの外周面と、第1〜第4バルーン36a〜36dの内面との間に隙間(図8参照)が形成されているが、両者が密着していてもよい。この場合でもチューブ接続口50と貫通口51とは溝44を介して連通するため、開口穴43から溝44を通して各空気室38a〜38dに圧縮空気を給排することができる。
上記実施形態では、内視鏡推進装置14を4個の伸縮ユニット28a〜28dにより構成しているが、ミミズの移動を模した蠕動運動を行う場合には3個以上の伸縮ユニットがあればよいので、内視鏡推進装置を3個あるいは5以上の伸縮ユニットにより構成してもよい。また、上記各実施形態では、各バルーン36a〜36dの内側に圧縮空気を給排しているが、圧縮空気の代わりに液体等の各種流体を用いてもよい。
上記実施形態では、第M(Mは1〜3)オーバチューブと第(M+1)オーバチューブとが共通の第Mフランジを介して接続されているが、この第Mフランジを第Mオーバチューブに接続するフランジと、第M+1オーバチューブに接続するフランジとに分けてもよい。
上記実施形態では、内視鏡推進装置14が電子内視鏡11の挿入部16に取り付けられる場合について説明を行ったが、本発明の内視鏡推進装置は、消化管や人工管路等の各種管内に挿入される各種内視鏡の挿入部に取り付け可能である。
11 電子内視鏡
14,68 内視鏡推進装置
16 挿入部
28a〜28d 第1〜第4伸縮ユニット
29a〜29d 第1〜第4エアチューブ
31a〜31d 第1〜第4オーバチューブ
33a〜33d 第1〜第4フランジ
36a〜36d 第1〜第4バルーン
38a〜38d 第1〜第4空気室
50 チューブ接続口
51 貫通口

Claims (10)

  1. 内視鏡の挿入部が挿通される内部空間を有し、前記挿入部の軸方向に沿って一列に配置された複数の伸縮ユニットであり、前記内部空間を形成しかつ前記軸方向に伸縮自在な伸縮管と、前記伸縮管の外周を覆う略筒状を有しており、内側からの加圧により前記挿入部の径方向に拡径するとともに前記軸方向に収縮し、前記加圧が解除されたときに元の状態に復元する筒状伸縮体と、前記筒状伸縮体の両端部において前記筒状伸縮体と前記伸縮管とを固定して、前記筒状伸縮体の内周と前記伸縮管の外周との間に密閉空間を形成する端部固定手段とからなる複数の伸縮ユニットと、
    複数の前記伸縮ユニットのうち、前記挿入部の最も先端側に位置する最先端伸縮ユニットを、前記挿入部に解除可能に固定する最先端伸縮ユニット固定手段と、
    各前記伸縮ユニットに設けられ、前記内部空間と各前記伸縮ユニットの前記密閉空間とを連通する連通路と、
    前記内部空間において、前記挿入部の外周と前記伸縮管の内周との間に前記軸方向に延びるように配設され、前記密閉空間に対して前記筒状伸縮体の加圧用の流体を給排する複数の給排チューブであって、一端が前記連通路の接続口に接続するとともに他端が前記内部空間外に引き出されて前記流体の供給源に接続しており、前記内部空間において前記接続口との接続部分以外の部分がいずれの前記伸縮ユニットにも固定されていない複数の給排チューブと、
    を備えることを特徴とする内視鏡推進装置。
  2. 前記端部固定手段は、前記挿入部が挿通され、前記伸縮管の両端部にそれぞれ接続された環状部材であり、
    前記環状部材の外周面に前記筒状伸縮体が取り付けられ、前記環状部材の内周面に前記伸縮管が取り付けられており、
    前記連通路は、前記伸縮管の両端部に配置される2つの前記環状部材の一方に設けられていることを特徴とする請求項1記載の内視鏡推進装置。
  3. 前記連通路は、前記環状部材の内周面に設けられた前記接続口と、前記環状部材の内周と外周を貫通する貫通口とを有しており、
    前記環状部材の外周面には、前記筒状伸縮体が取り付けられる部分に、前記貫通口と前記密閉空間とを連通させるための略凹形状の溝が形成されていることを特徴とする請求項2記載の内視鏡推進装置。
  4. 前記連通路は、前記伸縮管の両端部に配置される2つの前記環状部材のうち、後端側の環状部材に設けられることを特徴とする請求項2または3記載の内視鏡推進装置。
  5. 互いに隣り合う前記伸縮ユニットの前記伸縮管の、互いに対向する側の端部が、共通の前記環状部材に接続していることを特徴とする請求項2ないし4いずれか1項記載の内視鏡推進装置。
  6. 記最先端伸縮ユニットの前記伸縮管から前記挿入部の最も後端側に位置する最後端伸縮ユニットの前記伸縮管までを覆う長さを有する1本の略筒状のカバーと、
    前記カバーを、前記軸方向に沿って一列に配置された複数の前記伸縮管のそれぞれの両端部に対応する位置で括って、複数の前記筒状伸縮体を形成する括り部材と、を備えていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の内視鏡推進装置。
  7. 前記最先端伸縮ユニット固定手段は、
    前記最先端伸縮ユニットの前記内部空間を形成する内面に、その周方向に沿って設けられた略ドーナツ形状のバルーンであり、その内部が加圧されたときに内径が縮径して前記挿入部の外周をグリップし、前記加圧が解除されたときに内径が前記挿入部の径よりも大きくなるように拡径して前記グリップを解除するバルーンと、
    各前記伸縮ユニットの前記内部空間を通って前記バルーンに接続し、当該バルーンに対して加圧用の流体を給排するバルーン用給排チューブと、からなることを特徴とする請求項1ないし6いずれか1項記載の内視鏡推進装置。
  8. 前記給排チューブ内に、当該給排チューブの剛性を高める補強手段が設けられていることを特徴とする請求項1ないし7いずれか1項記載の内視鏡推進装置。
  9. 前記伸縮管は蛇腹構造を有していることを特徴とする請求項1ないし8いずれか1項記載の内視鏡推進装置。
  10. 前記伸縮ユニットが、前記軸方向に沿って少なくとも3個以上配置されていることを特徴とする請求項1ないし9いずれか1項記載の内視鏡推進装置。
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