JP5570902B2 - 車両ピッチ角の推定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車載カメラにより取得した撮像画像を基に、車両のピッチ角を推定する装置に関する。
車両の走行支援等を目的として、車両前部等に搭載される車載カメラによって車両周辺の撮像画像を取得し、その撮像画像を基に、車両の外部に存在する物体を検知したり、該物体と自車両との相対的な位置関係等を監視する技術が従来より知られている。
この種の技術における車載カメラは車体と一体的に動くように車両に搭載されるので、車両のピッチ角(詳しくは、車幅方向の軸であるピッチ軸周りの車体の傾斜角)の変動に伴い、車載カメラの撮像画像内での物体の位置が変動する。そして、この変動は、車両の外部に存在する物体と自車両との相対的な位置関係等を把握する場合の誤差要因となる。
このため、この種の技術では、車両のピッチ角を推定し、撮像画像から認識される物体の位置を、車両のピッチ角の推定値に応じて適宜補正することが行なわれる場合が多い。
この場合、車両のピッチ角を推定する手法としては、例えば特許文献1に見られる技術が本願出願人により提案されている。
この特許文献1に見られる技術は、2台の車載カメラによって取得されるステレオ画像を基に、車両の外部に存在する静止対象物の空間的な位置(実空間座標系での位置)の時系列を求め、この時系列を近似する直線の、カメラ座標系(車載カメラに対して固定された座標系)での傾きを算出することによって、車両のピッチ角の推定値を求める。
また、例えば非特許文献1に見られる如く、1台の車載カメラ(車載単眼カメラ)によって互いに異なる時刻で順次取得される撮像画像を基に、車両のピッチ角を含めた車両の姿勢を算出する技術も知られている。
この非特許文献1に見られる技術は、1台の車載カメラ(車載単眼カメラ)によって互いに異なる時刻で順次取得される複数の撮像画像を基に、時間差を有する撮像画像間における車載カメラの姿勢の角度変化量(3軸周りの角度変化量)を求め、この角度変化量を積算する(積分する)ことによって、ピッチ角を含めた車両の姿勢を算出する。
特許第3808287号
「車載単眼カメラを用いた自車両の運動推定」/山口晃一郎,加藤武男,二宮芳樹/IEEJ Transaction on Electronics, Information and System 129(12), 2213-2221,2009
しかしながら、前記特許文献1あるいは非特許文献1に見られる技術では、次のような不都合がある。すなわち、特許文献1に見られる技術は、2台の車載カメラを用いるものであるので、これらの車載カメラを含めた装置が高価なものとなり、コスト的に不利なものとなりやすい。また、物体の空間的な位置を精度よく認識するためには、2台の車載カメラの光軸の向きや位置関係を高精度に設定しておく必要があるので、それらの車載カメラの組付け作業に手間がかかりやすい。
また、前記非特許文献1に見られる技術では、角度変化量を積算するために、ピッチ角の推定値に誤差が累積的に蓄積しやすい。また、この技術では、ピッチ角の推定値の初期値を設定する必要がある。そして、この初期値が、実際の値からずれていると、そのずれ分が、その後のピッチ角の推定値に継続的に包含されてしまうという不都合がある。
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、単一の車載カメラによって取得される撮像画像を基に、車両のピッチ角を精度よく推定することができる車両ピッチ角の推定装置を提供することを目的とする。
本発明の車両ピッチ角の推定装置は、かかる目的を達成するために、車両周辺を撮像する車載カメラによって互いに異なる時刻に取得された複数の撮像画像を基に、車両のピッチ角を推定する装置であって、前記複数の撮像画像に基づいて、該複数の撮像画像が撮像された期間内における前記車載カメラの空間的な移動方向を示す並進ベクトルを逐次算出し、該複数の撮像画像のうちの1つの撮像画像に対応する時刻における車載カメラに対する該並進ベクトルの向きから推定される前記車両のピッチ角としての第1ピッチ角推定値を逐次算出する第1ピッチ角推定値算出手段を備えたことを特徴とする。
かかる本発明によれば、車載カメラによって互いに異なる時刻に取得された複数の撮像画像に基づいて、該複数の撮像画像が撮像された期間内における前記車載カメラの空間的な移動方向を示す並進ベクトルが前記第1ピッチ角推定値算出手段により算出される。
上記並進ベクトルは、例えばStructure from Motion(以下SfMということがある)に基づく公知の手法によって算出することができる。例えば前記複数の撮像画像を基に、それらの撮像画像内の静止物の特徴点のオプティカルフローを求めることができるので、そのSfMに基づいて、上記並進ベクトルを算出することができる。
このように算出される第1ピッチ角推定値は、積算演算を必要とすることなく算出できるので、累積的な誤差が蓄積されることはない。よって、本発明によれば、単一の車載カメラによって取得される撮像画像を基に、車両のピッチ角を精度よく推定することができる。
かかる本発明では、前記複数の撮像画像に基づいて、該複数の撮像画像が撮像された期間内における前記車載カメラの姿勢の角度変化量を示す回転行列を算出し、該回転行列により示される前記車載カメラのピッチ方向の姿勢の角度変化量を積算することによって推定される前記車両のピッチ角としての第2ピッチ角推定値を逐次算出する第2ピッチ角算出手段と、所定の期間内で算出された前記第1ピッチ角推定値の平均値と該所定期間内で算出された前記第2ピッチ角推定値の平均値との偏差を算出し、該偏差に応じて前記第2ピッチ角推定値を補正することにより車両のピッチ角の推定値を決定するピッチ角推定値決定手段とをさらに備えることが好ましい。
これによれば、車載カメラによって互いに異なる時刻に取得された複数の撮像画像に基づいて、前記並進ベクトルが第1ピッチ角推定値算出手段により算出されることに加えて、該複数の撮像画像が撮像された期間内における前記車載カメラの姿勢の角度変化量を示す回転行列が前記第2ピッチ角推定値算出手段により算出される。この回転行列は、前記並進ベクトルと同様に、SfMに基づく公知の手法によって算出することができる。
そして、前記第2ピッチ角推定値算出手段は、上記回転行列により示される前記車載カメラのピッチ方向の姿勢の角度変化量を積算することによって推定される前記車両のピッチ角としての第2ピッチ角推定値を逐次算出する。
ここで、本願発明者の種々様々な実験、検討によれば、前記第1ピッチ角推定値は、積算演算を必要とすることなく算出できることから、該第1ピッチ角推定値に誤差が累積していくようなことはないものの、車両の実際のピッチ角に対して瞬時的な誤差を生じることがある。
これに対して、前記車載カメラの姿勢の異なる時刻間の相対的な変化量としての前記角度変化量は、比較的高精度に算出することが可能であるものの、該角度変化量を積算することによって、前記第2ピッチ角推定値を算出することとなるために、該第2ピッチ角推定値には、その初期値の誤差や累積的な誤差が含まれやすい。ひいては、該第2ピッチ角推定値は、車両の実際のピッチ角に対してオフセットを生じやすい。
そこで、前記第2ピッチ角推定値算出手段を備える本発明では、所定の期間内で算出された前記第1ピッチ角推定値の平均値と該所定期間内で算出された前記第2ピッチ角推定値の平均値との偏差を算出し、該偏差に応じて前記第2ピッチ角推定値を補正することにより車両のピッチ角の推定値を決定するピッチ角推定値決定手段を備える。
この場合、上記偏差は、車両の実際のピッチ角に対する第2ピッチ角推定値のオフセット分に相当するものとなる。このため、該偏差に応じて前記第2ピッチ角推定値を補正することによって、該第2ピッチ角推定値から上記オフセット分を除去することが可能となる。その結果、当該補正により得られるピッチ角の推定値を、実際のピッチ角により一層精度よく合致させることができることとなる。
よって、前記第2ピッチ角推定値算出手段を備える本発明によれば、単一の車載カメラによって取得される撮像画像を基に、車両のピッチ角をより一層精度よく推定することができる。
かかる本発明では、前記所定の期間は、一定の時間間隔の期間でもよいが、該所定の期間の時間間隔を適宜、可変的に設定してもよい。例えば、前記車両の車速に応じて前記所定の期間の時間間隔を設定する所定期間設定手段をさらに備えることが好ましい。
このようにすることにより、路面の状況等に適した前記時間間隔を設定して、前記偏差の信頼性を高めることが可能となる。ひいては、車両のピッチ角の推定精度をより一層高めることが可能となる。
本発明の一実施形態における車両ピッチ角の推定装置の構成を示すブロック図。 図2(a),(b)は並進ベクトルから第1ピッチ角を算出する算出方法を説明するための図。 実際の車両ピッチ角、第1ピッチ角推定値及び第2ピッチ角推定値の経時変化の例を示す図。 実際の車両ピッチ角及びピッチ角推定値の経時変化の例を示す図。
本発明の一実施形態を以下に図1〜図4を参照して説明する。
図1を参照して、本実施形態の車両ピッチ角の推定装置1は、車両(図示省略)に搭載されたものであり、車載カメラ2と、演算処理ユニット3とを備える。
車載カメラ2は、車両の周辺、例えば車両の前方を監視するために車両の前部に搭載されており、車両前方の画像を撮像する。この車載カメラ2は、CCDカメラ等により構成され、撮像画像の画像信号を生成して出力する。なお、撮像画像は、カラー画像、モノトーン画像のいずれであってもよい。また、車載カメラ2は、車両の後方又は側方の画像を撮像するカメラであってもよい。
演算処理ユニット3は、図示を省略するCPU、RAM、ROM、インターフェース回路等を含む電子回路ユニットであり、車載カメラ2で生成された画像信号が入力される。
この演算処理ユニット3は、実装されたプログラムを実行することによって実現される機能として、画像取得部4、カメラ運動推定部5、第1ピッチ角推定値算出部6、第2ピッチ角推定値算出部7及びピッチ角推定値決定部8を備える。該演算処理ユニット3は、所定の演算処理周期でこれらの各機能部の処理を逐次実行することによって、車両のピッチ角の推定値を逐次算出する。
以下に、演算処理ユニット3の各機能部の処理を含めて、該演算処理ユニット3の全体処理の詳細を説明する。
車載カメラ2は、演算処理ユニット3から所定の演算処理周期で指示されるタイミングで車両前方の画像を撮像する。そして、その撮像により生成された画像信号が、車載カメラ2から演算処理ユニット3の画像取得部4に逐次取り込まれる。この画像取得部4は、車載カメラ2から入力されるアナログ信号である画像信号(各画素毎の画像信号)をデジタルデータに変換し、図示しない画像メモリに記憶保持する。
この場合、車載カメラ2によって互いに異なる時刻(所定の演算処理周期の時間間隔毎の時刻)で撮像された複数の撮像画像、例えば2つの撮像画像が定期的に更新されつつ、画像メモリに記憶保持される。
以降の説明では、2つの撮像画像の撮像時刻を時刻t1、t2とし、それらの2つの撮像画像を時刻t1画像、時刻t2画像ということがある。
画像取得部4の処理によって画像メモリに記憶保持された2つの撮像画像(時刻t1画像及び時刻t2画像)は、カメラ運動推定部5に与えられ、該カメラ運動推定部5の処理が次に実行される。
このカメラ運動推定部5は、与えられた2つの撮像画像から、Structure from Motion(以下SfMという)に基づく公知の手法を用いて、車載カメラ2の空間的な移動方向を示す並進ベクトルTvと、2つの撮像画像の撮像時刻t1,t2間の時間間隔における車載カメラ2の空間的な姿勢の角度変化量を示す回転行列Rとを算出する。
上記並進ベクトルTvは、図2(a)に示す如く、時刻t1での車載カメラ2の基準点P(車載カメラ2に対して固定された点であり、例えば車載カメラ2の光学中心)から、時刻t2での車載カメラ2の基準点Pへの移動ベクトル(換言すれば、時刻t1での車載カメラ2の基準点Pに対する、時刻t2での車載カメラ2の基準点Pの位置ベクトル)として表されるベクトルである。
また、上記回転行列Rは、換言すれば、時刻t1での車載カメラ2のカメラ座標系と時刻t2での車載カメラ2のカメラ座標系との原点を一致させた場合における両カメラ座標系の間の座標変換(3軸周りの回転変換)を表現する行列である。なお、カメラ座標系は、車載カメラ2に対して固定された座標系、例えば図2(a)に示す如く基準点Pを原点として車載カメラ2に対して固定された座標系(3軸座標系)である。このカメラ座標系は、本実施形態では、車載カメラ2の光軸方向をZ軸方向、車載カメラ2の横方向(車幅方向)をX軸方向、車載カメラ2の縦方向(Z軸方向及びX軸方向に直交する方向)をY軸方向とする3軸座標系である。
これらの並進ベクトルTvと回転行列Rとは、時刻t1画像における静止物体の特徴点と、時刻t2画像における該静止物体の特徴点とから得られるオプティカルフローに関するSfMに基づく公知の手法(例えば、「Structure from Motion without Correspondence」/Frank Dellaert, Steven M.Seitz, Charles E.Thorpe, Sebastian Thrun/Computer Sience Department & Robotics Institute Canegie Mellon University, Pittsborgh PA 15213を参照)によって算出される。
補足すると、並進ベクトルTvと回転行列RとをSfMに基づく手法によって算出するために、3つ以上の撮像画像を使用してもよい。
カメラ運動推定部5によって、上記の如く算出された並進ベクトルTvと回転行列Rとは、それぞれ、第1ピッチ角推定値算出部6、第2ピッチ角推定値算出部7に与えられ、これらの第1ピッチ角推定値算出部6及び第2ピッチ角推定値算出部7の処理が次に実行される。
並進ベクトルTvが与えられる第1ピッチ角推定値算出部6は、時刻t1(又は時刻t2)における車載カメラ2に対する該並進ベクトルTvの向きに基づいて、車両のピッチ角の第1推定値としての第1ピッチ角推定値を算出する。
この場合、並進ベクトルTvは、車両が走行している路面にほぼ平行なベクトル(換言すれば、車両がピッチ変動なく進行している場合の進行方向にほぼ平行なベクトル)と見なすことができる。また、本実施形態では、車載カメラ2の光軸(Z軸方向)は、車両のピッチ角が“0”である状態で、路面に平行になるように設定されている。
従って、車両のピッチ角が“0”である場合には、時刻t1(又は時刻t2)における車載カメラ2のカメラ座標系で見た並進ベクトルTvの向きは、Z軸方向(光軸方向)とほぼ同方向の向きとなる。
一方、車両のピッチ角が“0”でない場合には、時刻t1(又は時刻t2)における車載カメラ2のカメラ座標系で見た並進ベクトルTvの向きは、図2(a),(b)に示す如く、該カメラ座標系のXZ平面に対して車両のピッチ角に対応する傾きを生じることとなる。
そこで、第1ピッチ角推定値算出部6は、本実施形態では、並進ベクトルTvが、時刻t1(又は時刻t2)における車載カメラ2のカメラ座標系のXZ平面に対してなす角度θp1を、第1ピッチ角推定値として算出する。
具体的には、第1ピッチ角推定値算出部6は、次式(1)により、第1ピッチ角推定値θp1を算出する。
Figure 0005570902

なお、式(1)におけるtx,ty,tzはそれぞれ、図2(b)に示す如く、カメラ座標系における並進ベクトルTvのX座標成分、Y座標成分、Z座標成分である。また、式(1)では、車両のピッチ角の正方向は、図2(a)に示すように、車載カメラ2の光軸が前方に向かって下がる方向とされている。
補足すると、θp1の大きさが十分に小さいと見なせる場合には、式(1)の右辺の括弧内の演算結果の値をそのままθp1[rad]として算出するようにしてもよい。
前記回転行列Rが与えられる第2ピッチ角推定値算出部7は、該回転行列Rにより示される車載カメラ2の空間的な姿勢の角度変化量(2つの撮像画像の撮像時刻t1,t2間の時間間隔における角度変化量)のうちのピッチ方向の角度変化量を演算処理ユニット3の演算処理周期で逐次積算(累積加算)することによって、車両のピッチ角の第2推定値としての第2ピッチ角推定値θp2を算出する。
なお、第2ピッチ角推定値θp2は、車両の運転開始時等に初期化される。この場合、第2ピッチ角推定値θp2の初期値としては、例えば“0”、あるいは、前回の車両の運転時に最終的に算出された車両のピッチ角推定値が設定される。
以上説明した第1ピッチ角推定値算出部6及び第2ピッチ角推定値算出部7の処理によって、並進ベクトルTvに基づく車両のピッチ角の推定値としての第1ピッチ角推定値θp1と、回転行列Rに基づく車両のピッチ角の推定値としての第2ピッチ角推定値θp2とが所定の演算処理周期で逐次算出される。
補足すると、本実施形態では、カメラ運動推定部5の処理(詳しくは、カメラ運動推定部5が並進ベクトルTvを算出する処理)と、第1ピッチ角推定値算出部6の処理とによって、本発明における第1ピッチ角推定値算出手段が実現される。また、カメラ運動推定部5の処理(詳しくは、カメラ運動推定部5が回転行列Rを算出する処理)と、第2ピッチ角推定値算出部7の処理とによって、本発明における第7ピッチ角推定値算出手段が実現される。
ここで、上記の如く算出される第1ピッチ角推定値θp1及び第2ピッチ角推定値θp2の経時変化の実測例を示すグラフをそれぞれ、図3に実線で示す。なお、図3に示す破線のグラフは、車両の実際のピッチ角(実ピッチ角)の経時変化の波形を示すグラフである。この実ピッチ角のグラフは、車両に実験的に搭載したジャイロセンサによって計測したものである。
図3のグラフで示す如く、並進ベクトルTvに基づく第1ピッチ角推定値θp1は、実ピッチ角に対して定常的なオフセットは生じないものの、実ピッチ角に対して瞬時的なずれを生じやすいものとなっている。
一方、回転行列Rに基づく第2ピッチ角推定値θp2の波形は、実ピッチ角の波形に比較的精度よく合致するものの、実ピッチ角に対して定常的なオフセットを生じている。このオフセットは、θp2の初期値の誤差、あるいは、瞬時的な誤差の累積に起因するものである。
演算処理ユニット3の処理の説明に戻って、上記の如く第1ピッチ角推定値算出部6及び第2ピッチ角推定値算出部7がそれぞれ逐次算出した第1ピッチ角推定値θp1と第2ピッチ角推定値θp2とは、ピッチ角推定値決定部8に与えられ、該ピッチ角推定値決定部8の処理が以下に説明する如く実行される。
すなわち、このピッチ角推定値決定部8は、現在時刻から所定時間前までの期間で算出された第1ピッチ角推定値θp1と第2ピッチ角推定値θp2とを図示しないメモリに時系列的に記憶保持する。該メモリに記憶保持される第1ピッチ角推定値θp1と第2ピッチ角推定値θp2とは、新たな(最新の)θp1,θp2がピッチ角推定値決定部8に与えられる毎に更新される。
そして、ピッチ角推定値決定部8は、まず、メモリに記憶保持されたθp1,θp2のデータのうち、車速センサ(図示省略)により検出した車両の車速に応じて設定した所定の時間間隔の期間分の最新のデータ(現在時刻から所定の時間間隔前の過去時刻までの期間内のデータ)を抽出し、その抽出したθp1、θp2のそれぞれのデータの平均値を算出する。すなわち、ピッチ角推定値決定部8は、現在時刻から所定の時間間隔前の過去時刻までの期間(これは本発明における所定の期間に相当する)内のθp1の平均値θp1_aveとθp2の平均値θp2_aveとを算出する。
この場合、上記所定の時間間隔は、検出された車速が大きいほど、短い時間間隔に設定される。なお、該時間間隔は、車速に対して連続的に変化するように設定してもよいが、車速に対して段階的に変化するように設定してもよい。
次いで、ピッチ角推定値決定部8は、第1ピッチ角推定値θp1の平均値θp1_aveと第2ピッチ角推定値sθp2の平均値θp2_aveとの偏差(=θp1_ave−θp2_ave)を算出し、この偏差によって、現在時刻での第2ピッチ角推定値θp2(θp2の最新値)を補正することによって、現在時刻での車両のピッチ角推定値を決定する。具体的には、ピッチ角推定値決定部8は、上記偏差を現在時刻での第2ピッチ角推定値θp2(θp2の最新値)に加算することによって、現在時刻での車両のピッチ角推定値を決定する。
以上のピッチ角推定値決定部8の処理が、所定の演算処理周期で逐次実行され、これにより、車両のピッチ角推定値が逐次決定される。なお、現在時刻から所定の時間間隔前の過去時刻までの期間内における各時刻でのθp1とθp2との偏差を求め、その偏差の該期間内での平均値を求めることによって、第1ピッチ角推定値θp1の平均値θp1_aveと第2ピッチ角推定値θp2の平均値θp2_aveとの偏差(=θp1_ave−θp2_ave)を算出するようにしてもよい。
補足すると、以上の処理を実行するピッチ角推定値決定部8は、本発明におけるピッチ角決定手段としての機能と、所定期間設定手段としての機能とを有する。
図4は、上記の如くピッチ角推定値決定部8によって逐次決定される車両のピッチ角推定値の経時変化の例を示すグラフを実線で表している。このピッチ角推定値のグラフは、図3に示した第1ピッチ角推定値θp1と第2ピッチ角推定値θp2とから算出されたピッチ角推定値のグラフ、すなわち、各時刻での第2ピッチ角推定値θp2に、上記偏差(=θp1_ave−θp2_ave)を加算してなるグラフである。なお、図4中の破線のグラフは、図3に示した実ピッチ角のグラフである。
図4に示す如く、ピッチ角推定値は実ピッチ角に精度よく合致するものとなる。
以上が本実施形態における演算処理ユニット3が実行する処理の詳細である。かかる本実施形態によれば、所定の演算処理周期で算出される第2ピッチ角推定値θp2を、現在時刻から所定の時間間隔前の過去時刻までの期間内における第1ピッチ角推定値θp1の平均値θp1_aveと第2ピッチ角推定値θp2の平均値θp2_aveとの偏差(=θp1_ave−θp2_ave)の分だけ補正することによって、最終的なピッチ角推定値が逐次決定される。
これにより、ピッチ角推定値は、第2ピッチ角推定値θp2の初期値の誤差や、瞬時的な誤差の累積に起因して該第2ピッチ角推定値θp2が実ピッチ角に対して生じるオフセット分を、実ピッチ角に近い波形となる第2ピッチ角推定値θp2から除去したものとなるように決定されることとなる。このため、実ピッチ角に精度よく合致するピッチ角推定値を得ることができる。従って、単一の車載カメラ2を使用した安価な構成で、車両のピッチ角を精度よく推定できる。
また、上記偏差(=θp1_ave−θp2_ave)を求めるために使用するθp1、θp2のサンプリング期間を規定する前記所定の時間間隔が、車速が大きいほど、短い時間に設定される。このため、該所定の時間間隔の期間は、その期間内での路面の勾配変化等に起因する車両の実ピッチ角の大きな変動が生じ難い期間に設定される。
この結果、信頼性の高い(S/N比の高い)第1ピッチ角推定値θp1及び第2ピッチ角推定値θp2のデータを使用して、上記偏差(=θp1_ave−θp2_ave)を算出することができる。ひいては、ピッチ角推定値の精度を効果的に高めることができる。
また、車両のピッチ角を精度よく推定できるので、撮像画像内の物体と車両(自車両)との位置関係などを高い信頼性で把握するようにすることが可能となる。ひいては、該物体と車両との将来の接触の可能性等を高い信頼性で予測し、その予測に基づく車両の制動装置の制御や、運転者に対する報知を的確に行なうことが可能となる。
なお、以上説明した実施形態では、上記偏差(=θp1_ave−θp2_ave)を求めるために使用するθp1、θp2のサンプリング期間を規定する前記所定の時間間隔を車速に応じて変化させるように決定したが、該時間間隔を一定の時間間隔としてもよい。あるいは、その他の状況(例えば第1ピッチ角推定値θp1もしくは第2ピッチ角推定値θp2の振動状況等)に応じて該所定の時間間隔を可変的に設定するようにしてもよい。
また、例えば凹凸のバラツキが通常よりも大きな路面(大きな石が突発的にあるような状況)では、車速が大きい場合に、車速が小さいときに比べて、平均よりも大きなピッチ変動が生じる(バラツキが低車速の場合よりも大きくなる)ことが予想される。このため、そのような路面状況では、車速が大きいほど、前記所定の時間間隔を長くするようにしてもよい。
1…車両ピッチ角推定装置、2…車載カメラ、5…カメラ運動推定部(第1ピッチ角推定値算出手段、第2ピッチ角推定値算出手段)、6…第1ピッチ角推定値算出部(第1ピッチ角推定値算出手段)、7…第2ピッチ角推定値算出部(第2ピッチ角推定値算出手段)、8…ピッチ角推定値決定部(ピッチ角推定値決定手段、所定期間設定手段)。

Claims (3)

  1. 車両周辺を撮像する車載カメラによって互いに異なる時刻に取得された複数の撮像画像を基に、車両のピッチ角を推定する装置であって、
    前記複数の撮像画像に基づいて、該複数の撮像画像が撮像された期間内における前記車載カメラの空間的な移動方向を示す並進ベクトルを逐次算出し、該複数の撮像画像のうちの1つの撮像画像に対応する時刻における車載カメラに対する該並進ベクトルの向きから推定される前記車両のピッチ角としての第1ピッチ角推定値を逐次算出する第1ピッチ角推定値算出手段を備えたことを特徴とする車両のピッチ角推定装置。
  2. 請求項1記載の車両のピッチ角推定装置において、
    前記複数の撮像画像に基づいて、該複数の撮像画像が撮像された期間内における前記車載カメラの姿勢の角度変化量を示す回転行列を算出し、該回転行列により示される前記車載カメラのピッチ方向の姿勢の角度変化量を積算することによって推定される前記車両のピッチ角としての第2ピッチ角推定値を逐次算出する第2ピッチ角算出手段と、
    所定の期間内で算出された前記第1ピッチ角推定値の平均値と該所定期間内で算出された前記第2ピッチ角推定値の平均値との偏差を算出し、該偏差に応じて前記第2ピッチ角推定値を補正することにより車両のピッチ角の推定値を決定するピッチ角推定値決定手段とをさらに備えることを特徴とする車両ピッチ角の推定装置。
  3. 請求項2記載の車両ピッチ角の推定装置において、
    前記車両の車速に応じて前記所定の期間の時間間隔を設定する所定期間設定手段をさらに備えることを特徴とする車両ピッチ角の推定装置。
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