JP5570844B2 - 吸収性物品 - Google Patents

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Description

本発明は、テープタイプの紙おむつやパンツタイプの紙おむつ等の紙おむつ、生理用ナプキン等の基本吸収性物品や、これらの基本吸収性物品の上に積層する等して使用される尿採りパッド等の補助吸収性物品、等の吸収性物品に関するものである。
近年、地球環境の保護という観点から、資源の有効利用が推進されているが、紙おむつや生理用ナプキン等の吸収性物品に関わる業界においても例外ではない。そこで、現在では、資源の有効利用に関わるさまざまな開発が進められており、例えば、使用済みの吸収性物品を堆肥や固形燃料として利用する提案もなされている(例えば、特許文献1等参照。)。
もっとも、吸収性物品の構成材料であるパルプやポリマー等は、その製造のために森林伐採や二酸化炭素排出等を伴う。そこで、現在では、吸収性物品の構成材料を再利用すること自体が重要な課題となっており、例えば、使用済みの吸収性物品からパルプやポリマー(吸収性樹脂)を回収する方法や装置が多数提案されるに至っている(例えば、特許文献2、特許文献3、特許文献4等参照。)。
また、吸収性物品の製造工程においては、消費者に提供することのできない不良品が製造されてしまうことがあり、さまざまな不良品の検出方法や検出装置が提案されている(例えば、特許文献5等参照。)。不良品は、使用済みの吸収性物品に比べて廃棄される数は少ないが、不良品の問題点は、通常、構造等にあり、構成材料(素材)自体にはない。したがって、不良品から回収された構成材料は、品質が高く、再利用するに好適である。また、不良品は、未使用であり、衛生上の問題が少ないとの利点も有する。したがって、不良品からパルプやポリマー等の構成材料を回収する必要性も高く、不良品から構成材料を回収する装置も、多数提案されている(例えば、特許文献6、特許文献7等参照。)。
一方、現在では、以上のようなさまざまな装置や方法を駆使して回収したパルプやポリマー等を吸収性物品の構成材料としてどのように利用するかについても各種提案がされている。例えば、特許文献8は、段落[0010]において「分離した各成分のうち上位部分の高品質なパルプ成分のみを回収し、洗浄・殺菌・脱水処理後にシート状に成形して綿状の再生パルプPとし、別途高分子吸収ポリマー2aの両面に再生パルプPを積層圧着して吸水性シート2を形成する。そして、この吸水性シート2を不織布3,5と防水性シート4とで被覆一体化して再生おむつ1を得る」としている。
しかしながら、吸収性物品から回収したパルプやポリマー等には、糸ゴム等の弾性伸縮部材や、ホットメルト等の接着剤、フィルム、化学繊維、埃等の異物が含まれている。これらの異物は、少なくとも回収後において、パルプやポリマー等の構成材料と色が異なっていることがあるため、回収パルプや回収ポリマー等を再利用した際に、当該異物が目につき、装着者、被装着者等に不衛生感や違和感を与えることがある。したがって、回収パルプや回収ポリマーに対する異物の混入量が少なくなるよう、回収方法や回収装置の改良が日々進められている。しかしながら、現在のところ、回収品の品質を上げようとすると回収率の低下につながるため、異物の存在はある程度やむを得ないものとして、当該異物の存在を前提に吸収性物品の構成材料としての再利用が求められている。しかるに、特許文献8が提案する再生おむつ1によると、再生パルプPに混入した異物が、不織布3,5や防水性シート4を通して視認されてしまうとの問題が生じる。
また、回収されたパルプやポリマー等を吸収性物品の構成材料として再利用する方法としては、特許文献9にも提案がされている。この特許文献9は、段落[0008]において「上面を形成する上部吸水性紙層部と、下面を形成する下部吸水性紙層部と、前記上部及び下部吸水性紙層部間に配設され、プラスチック廃材粉砕物、紙廃材粉砕物及び吸水性樹脂を含む吸水性混合層部とを備えており、前記上部吸水性紙層部、吸水性混合層部及び下部吸水性紙層部は、合わせられて一体に形成されており、少なくともその一方の面に、3mm以上の大きさの複数の凹部又は凸部が形成されていることを特徴とする吸収体」を提案する。また、この特許文献9は、例えば、段落[0021]において「紙廃材粉砕物は、粒度が5mm以下における紙廃材を粉砕した粉砕物であり、例えば、不良紙おむつ若しくは紙おむつ廃材の粉砕物、不良乳パッド若しくは乳パッド廃材の粉砕物、不良尿パッド若しくは尿パッド廃材の粉砕物、不良生理用ナプキン若しくは生理用ナプキン廃材の粉砕物」などがあるとし、段落[0022]において「プラスチック廃材粉砕物及び紙廃材粉砕物としては、前記の紙廃材粉砕物の他に、プラスチック及びパルプを含む廃材の粉砕物、例えば不良紙おむつの粉砕物、紙おむつの裁断屑の粉砕物、不良乳パッドの粉砕物、乳パッドの裁断屑の粉砕物、不良尿パッドの粉砕物、尿パッドの裁断屑の粉砕物、不良生理用ナプキンの粉砕物、生理用ナプキンの裁断屑の粉砕物」があるとしている。
しかしながら、特許文献9は、例えば、段落[0014]において「このように凸部の高さ又は凹部の深さを吸収体の厚さ以上に形成すると、吸収体の上を覆う不織布が、凸部又は畝状の凸部により保持されて、吸収体の上に安定して位置することとなり、不織布の下に液を溜める空間が形成されるので、不織布上に残留する液は、不織布を透過して液溜めの空間に滞留され、不織布上での液の滞留時間を短くすることができる。したがって、吸収体の上面に形成される凹部が、凸部を囲み、一部で連通するような形状に形成すると、液溜空間の容積を大きくでき、不織布上の液の滞留時間を小さくできるので好ましい」とするように、吸水性の問題は課題としているものの、異物の視認性の問題は課題としていない。したがって、特許文献9は、例えば、段落[0012]において「一対の成形型の中の一方の成形型の型面に複数の凸部例えば突起又は凹部例えば窪みを形成し、他方の成形型の型面を平坦な面に形成することができる」との一般論を展開するものの、上記吸水性の問題が解決されない「当該一方が吸収体の下方で、当該他方が吸収体の上方であること」は想定していない。このことは、例えば、段落[0014]において「上方側の面の成形に雄型又は雌型を用い、下側の面の成形に平坦な面の型を用いると、上方側の面に、複数の独立した凸部即ち突起又は互いに連通する凹部を形成し、下方側の面を平坦に形成することができる」とするのみであること等からも明らかである。
そして、以上の異物混入の問題は、回収されたパルプやポリマー等を再利用しない場合においても、例えば、吸収性物品の製造過程において埃等の異物が混入する可能性があるため、同様に生じる可能性がある。なお、金属等の製品の品質に直ちに影響を及ぼす異物の混入は当然排除されるが、埃等の異物は、製品の品質に直ちに影響を及ぼすものではなく、上記したような不衛生感、違和感等を与えるという点で影響を及ぼすものであるため、完全に排除することが可能であるものの、製造コストの観点からは、少量の混入を許容するということも考えられる。
特開2004‐338989号公報 特開2003‐225645号公報 特開2003‐326161号公報 特開2002‐273260号公報 特開2008‐136943号公報 特開2007‐175591号公報 特開平8‐117688号公報 特開2003‐135521号公報 特開2003‐239166号公報
本発明が解決しようとする主たる課題は、例えば、製造過程において混入した異物や、吸収性物品を分離回収して得た回収パルプや回収ポリマー等の回収材料が利用されたことにより当該回収材料と伴に混入した異物が、肌面側又は外面側から視認される可能性が少ない吸収性物品を提供することにある。
この課題を解決した本発明は、次のとおりである。
〔請求項1記載の発明〕
透液性トップシートと不透液性バックシートとの間に、吸収体が介在された吸収性物品であって、
前記吸収体として、下面が前記バックシートに接着された下層吸収体と、この下層吸収体の上面上に積層された上層吸収体と、が設けられ、
前記下層吸収体は、下面側から上面側へ圧する圧加工によって複数の凹部が形成されており、
この複数の凹部の存在によって、前記下層吸収体の下面と前記バックシートとの間に複数の凹部空間が形成されており、
前記下層吸収体が、吸収性物品を分離回収して得た回収パルプ及び回収ポリマーの少なくとも一方を含む、
ことを特徴とする吸収性物品。
請求項1の作用効果)
下層吸収体の上面上に上層吸収体が積層されていると、下層吸収体の製造工程において混入した異物や、回収パルプや回収ポリマーとともに混入した異物、等は、肌面側から(トップシート上から)見えなくなる。したがって、例えば、不衛生感や違和感等の問題が生じない。
下層吸収体が下面側から上面側へ圧する圧加工をされていると、下層吸収体の密度が高まるため、上層吸収体を通り抜けて下層吸収体に吸収された体液の上層吸収体への逆戻りが抑制される。
下層吸収体に混入した異物は、この下層吸収体の下面と接着されるバックシートを通して視認される可能性がある。しかしながら、上記圧加工によって複数の凹部が形成されていると、この複数の凹部の存在によって上記異物が目立たなくなり、視認される可能性が減る。
上記複数の凹部の存在によって、下層吸収体下面とバックシートとの間に複数の凹部空間が形成され、この凹部空間に下層吸収体を通り抜けた体液が溜まるようになる。この場合、体液と伴に下層吸収体に混入した異物が凹部空間に排出され、この排出された異物がバックシートを通して視認される可能性がある。しかしながら、上記圧加工によって下層吸収体の密度が高まっていると、大きな異物は下層吸収体から排出されることなく下層吸収体内に保持されることになる。結果、大きな異物がバックシートを通して視認される可能性は少ない。また、小さな異物は下層吸収体から凹部空間に排出される可能性があるが、体液よりも軽い異物は下層吸収体側(上側)に浮き、バックシートから離れた位置に留まることになる。したがって、軽い異物がバックシートを通して視認される可能性は少ない。結果、バックシートを通して視認される可能性のある異物の割合は、全体としての極めて少なく、視認される可能性も少ない。
下層吸収体が吸収性物品を分離回収して得た回収パルプや回収ポリマーを含むと、資源の有効利用となる。
請求項2記載の発明〕
前記複数の凹部空間には、それぞれ前記下層吸収体の上面側へ更に凹む直径0.3〜5.0mmの細孔空間、又は幅0.3〜5.0mmの細溝空間が設けられている、
請求項1記載の吸収性物品。
(作用効果)
大きな異物及び小さくて軽い異物以外の異物、つまり小さいが重い異物は、下層吸収体から凹部空間に排出されると、バックシート側に留まる可能性がある。しかしながら、凹部空間に下層吸収体の上面側へ更に凹む細孔空間又は細溝空間が設けられていると、被装着者の動き等に伴って吸収性物品が動いた際に、例えば、凹部空間内の体液が動くことにより、あるいは重力のかかる方向が変わることにより、上記重い異物が細孔空間又は細溝空間に入り込む。そして、下側吸収体はパルプを構成材料とするため、当該細孔空間や細溝空間には繊維が突き出ており、この繊維によって重い異物の細孔空間や細溝空間からの排出が抑制される。結果、バックシートを通して視認される可能性のある異物の割合が更に少なくなる。
本発明によると、例えば、製造過程において混入した異物や、吸収性物品を分離回収して得た回収パルプや回収ポリマー等の回収材料が利用されたことにより当該回収材料と伴に混入した異物が、肌面側又は外面側から視認される可能性が少ない吸収性物品となる。
本形態の吸収性物品の平面図である。 本形態の吸収性物品の断面図である。 下層吸収体に設ける凹部の形態例である。 下層吸収体に設ける凹部の形態例である。 細孔空間及び細溝空間の説明図である。
次に、本発明の実施の形態を説明する。
本発明の吸収性物品は、具体的な適用形態が特に限定されず、例えば、テープタイプの使い捨て紙おむつやパンツタイプの使い捨て紙おむつ等の紙おむつ、生理用ナプキン等の基本吸収性物品に適用可能なほか、これらを基本吸収性物品とし、これら基本吸収性物品の上に積層される等して使用される尿採りパッド等の補助吸収性物品、等にも適用可能である。以下では、その一例として、本発明の吸収性物品をパッド型の補助吸収性物品に適用する場合について説明する。
図1及び図2に示すように、本形態の吸収性物品100は、透液性トップシート1と不透液性バックシート2との間に、パルプ(天然繊維)及びポリマーを構成材料とする吸収体3が介在されてなるフラットタイプの吸収性物品である。
吸収体3の周囲には、吸収体3の周縁から外方に延出するトップシート1及びバックシート2のはみ出し部分同士を、ヒートシール、超音波シール等の融着、ホットメルト等の接着剤を使用して接着したフラップ5が形成されている。吸収体3の長手(前後)方向両外方に延出するフラップがエンドフラップであり、吸収体3の幅方向両側方に延出するフラップがサイドフラップである。ただし、フラップ5は、トップシート1及びバックシート2のいずれか一方により、又は他のシートを継ぎ足すことにより、吸収体3の周囲に形成することもできる。
サイドフラップ(5)におけるトップシート1とバックシート2との間に糸ゴム等からなる細長状の弾性伸縮部材を長手(前後)方向に沿って伸長状態で固定してもよい。この固定は、例えば、ホットメルト等の接着剤を使用して行うことができる。また、細長状の弾性伸縮部材は特に限定されず、例えば、糸状、紐状、帯状等に形成された、スチレン系ゴム、オレフィン系ゴム、ウレタン系ゴム、エステル系ゴム、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリスチレン、スチレンブタジエン、シリコーン、ポリエステル等からなる部材を用いることができる。
トップシート1は、被装着者の体液を透過する透液性であれば、その素材、形状等が特に限定されず、例えば、有孔又は無孔の不織布や、穴あきプラスチックシート等を用いることができる。
当該不織布を構成する素材繊維としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、アミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を例示することができる。また、不織布の加工方法としては、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等を例示することができる。ただし、これらの中でも、スパンレース法は、接着剤を使用しない、得られる不織布の柔軟性が高くなる等の利点を有するため好適である。
トップシート1の目付け量(単位面積当たりの質量)や厚みは特に限定されず、例えば、目付け量を15〜30g/m2、厚みを0.05〜1.00mmとすることができる。
バックシート2は、被装着者の体液を透過しない不透液性であれば、その素材、形状等が特に限定されず、例えば、ポリエチレンフィルム等の他、ムレ防止の点から遮水性(不透液性)を損なわずに透湿性を備えた遮水・透湿性シートも用いることができる。この遮水・透湿性シートとしては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン樹脂中に無機充填材を溶融混練してシートを形成した後に、一軸又は二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シートを用いることができる。この遮水・透湿性シートにおいても臭気の透過は抑制される。
バックシート2の目付け量(単位面積あたりの質量)や厚みも特に限定されず、例えば、目付け量を13〜40g/m2、厚みを0.01〜0.10mmとすることができる。
ただし、バックシート2としては、異物を目立たなくするという観点から、隠蔽率が高いシート、具体的には光線透過率が98%以下であるシートを用いるのが好ましく、光線透過率が90%以下であるシートを用いるのがより好ましい。
この光線透過率を下げるための方法は特に限定されず、ピンク、グリーン、ブルー等の色が付与された色付きシート用いることや、二酸化チタンが配合されたシートを用いることができる。この二酸化チタンの配合量は、好ましくは2.0質量%以上、より好ましくは2.5〜30.0質量%である。二酸化チタンの配合により、光線透過率が下がると伴に、白色度が高まる。
また、バックシート2としては、全面が同一色とされた色付きシートを用いることのほか、例えば、吸収性物品100の幅方向中央を示すライン状のセンター色目印(インジケーター)が印刷等されたシートを用いることもできる。この色目印は、例えば、吸収性物品100を基本吸収性物品上に積層する場合に利用されるが、異物を目立たなくするとの効果も奏する。
なお、この色目印は、バックシート2の内面に色を付けて形成することも、外面に色を付けて付すことも、バックシート2自体に色を付けて形成することもできる。
吸収性物品100の裏面(外面)を布のような肌触りとするために、バックシート2の外面に不織布等の外装シートを張り合わせたり、バックシート2として外面に不織布をラミネートしたラミネートシートを用いたりすることもできる。
この不織布を構成する素材繊維としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、アミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を例示することができる。また、不織布の加工方法としては、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等を例示することができる。ただし、これらの中でも、スパンレース法は、接着剤を使用しない、得られる不織布の柔軟性が高くなる等の利点を有するため好適である。
外装シートを設ける場合、この外装シートの目付け量(単位面積あたりの質量)や厚みも特に限定されず、例えば、目付け量を13〜30g/m2、厚みを0.05〜1.00mmとすることができる。
吸収体3は、図2に示すように、下面32Bがバックシート2にホットメルト等の接着剤を使用して接着された下層吸収体32と、この下層吸収体32の上面32A上に積層された上層吸収体31と、から主になる。
本形態においては、特に下層吸収体32が、吸収性物品を分離回収して得た回収パルプ及び回収ポリマーの少なくとも一方を、好ましくは両方を含み、資源の有効利用が図られている。
ここで、当該分離回収の対象となる吸収性物品は特に限定されず、例えば、不良品とされた吸収性物品や、使用済みの吸収性物品等を例示することができる。また、当該不良品とされた吸収性物品には、例えば、特許文献5に開示された検出方法・装置等を用いることにより最終工程に至る前の工程で不良品とされた半製品の状態にある吸収性物品も含まれる。なお、不良品とされた吸収性物品からパルプやポリマーを回収するに際しては、当該吸収性物品を細かく粉砕し、篩、振動、風力等を利用して選別する吸収性物品の分離(分解)作業が必要になり、この分離作業に伴って回収パルプや回収ポリマーに、糸ゴム等の弾性伸縮部材や、ホットメルト等の接着剤、フィルム、化学繊維、埃等の異物が混入する可能性がある。
このように吸収性物品100は、下層吸収体32が回収パルプや回収ポリマーを含むが、下層吸収体32の上面32A上に上層吸収体31が積層されているため、回収パルプや回収ポリマーとともに下層吸収体32の構成材料となってしまった異物は、トップシート1上(肌面側、上面側)から見えない。したがって、例えば、不衛生感や違和感等の問題が生じない。
なお、下層吸収体32に回収パルプや回収ポリマー等を使用しない場合においても、下層吸収体32としてはグレードの低い材料を使用し、上層吸収体31としてはグレードの高い材料を使用した場合等は、上層吸収体31には異物が混入しておらず、かつ、下層吸収体32には埃等の異物が混入している可能性がある、という状態になり得る。
下層吸収体32には、フラッフ状の未使用パルプ(バージンパルプ)や粉末状の未使用ポリマーを含ませる(構成材料とする)こともできる。この場合、回収されたパルプやポリマーと未使用のパルプやポリマーとの配合質量割合は、好ましくは5〜90:95〜10、より好ましくは10〜50:90〜50である。
また、下層吸収体32におけるパルプ及びポリマーの目付け量(単位面積あたりの質量)は特に限定されず、例えば、パルプの目付け量を80〜2000g/m2、ポリマーの目付け量を40〜1000g/m2とすることができる。好ましくは、パルプの目付け量が100〜1000g/m2、ポリマーの目付け量が50〜500g/m2である。ポリマーの目付け量が少ないと吸収性に劣る可能性があり、他方、ポリマーの目付け量が多いとパルプ(繊維)の絡み合いが不十分となり、下層吸収体32のヨレや割れ等が生じる可能性がある。なお、以上において、パルプの目付け量は回収パルプ及び未使用パルプの合計質量であり、ポリマーの目付け量は回収ポリマー及び未使用ポリマーの合計質量である。
回収ポリマーや未使用ポリマーは、回収パルプや未使用パルプにホットメルト等の接着剤を使用することにより固着して用いることも、この固着をせずに用いることもできる。
下層吸収体32は、必要に応じて図示しないクレープ紙や不織布等からなる外包材で包み込むこともできる。外包材で包み込むことにより、下層吸収体32の形状安定性が向上し、また、ポリマーの散逸が防止される。特に外包材として前述バックシートと異なる色のシートを用いた場合は、よりいっそう異物が見えにくくなるとの利点もある。
下層吸収体32の平面形状は特に限定されず、図示例では前後方向に長い長方形状とされているが、例えば、太もも内側に対するフィット性を高めるために、股間部を含む前後方向中間領域を脚周りに沿う内方に括れた形状とすることもできる(いわゆる砂時計形状)。
下層吸収体32は、図2に示すように、下面32B側から上面32A側へ圧するエンボス加工等の圧加工によって、下面32B側から上面32A側へ食い込む複数の凹部32a,32a…が形成されている。この複数の凹部32a,32a…の存在によって、下層吸収体32の下面32Bとバックシート2(上面)との間に複数の凹部空間40,40…が形成され、かつ、下層吸収体下面32Bのバックシート2に対する接着領域が狭められている。
下層吸収体32が圧加工をされていると、下層吸収体32の密度(単位容積当たりの質量)が高まるため、上層吸収体31を通り抜けて下層吸収体32に吸収された体液の上層吸収体31への逆戻りが抑制される。なお、この逆戻りの抑制は、毛細管現象等によるものと考えられる。
下層吸収体32に混入された異物は、下層吸収体32の下面と接着されるバックシート2を通して視認される可能性がある。しかしながら、上記圧加工によって複数の凹部32a,32a…が形成されていると、この複数の凹部32a,32a…の存在によって、下層吸収体下面32Bのバックシート2に対する接着領域が狭められるため、異物が目立たなくなり、視認される可能性が減る。
また、複数の凹部32a,32a…の存在によって、下層吸収体下面32Bとバックシート2との間に複数の凹部空間40,40…が形成され、この凹部空間40,40…に下層吸収体32を通り抜けた体液が溜まる。この場合、体液と伴に異物が下層吸収体32内から凹部空間40,40…に排出され、この排出された異物がバックシート2を通して視認される可能性がある。しかしながら、下側吸収体32は上記したように圧加工によって密度が高まっているため、大きな異物は繊維間に挟み込まれた状態となり、下層吸収体32から排出されることなく保持され、バックシート2を通して視認される可能性がない。また、小さな異物は下層吸収体32内から凹部空間40,40…に排出される可能性があるが、体液よりも軽い異物は下層吸収体32側(上側)に浮き、バックシート2から離れた位置に留まるため、バックシート2を通して視認される可能性がない。結果、バックシート2を通して視認される異物の割合が極めて少なくなり、視認される可能性も減る。
本形態において、凹部32a,32a…の平面形状は特に限定されず、例えば、図3に示すように、真円形状とすることのほか、楕円形状等の他の円形状、三角形状、菱形等の四角形状、五角形状、六角形状等の多角形状とすること等ができる(以下、これらの形態を「分散形態」ともいう。)。これらの形状は、全体にわたって同一とすることも、規則的又は不規則的に異なるものとすることもできる。また、図4に符号32bで示すように、凹部を直線状、曲線状、ジグザグ形状等に延びる溝状とすることもできる(以下、この形態を「連続形態」ともいう。)。また、凹部32bを溝状とする場合は、図示例のように当該凹部32bが前後方向に延びる形態のほか、幅方向に延びる形態、任意の方向に延びる形態とすることもできる。
ただし、上記分散形態及び連続形態のいずれの場合においても、図5に示すように、下層吸収体32に、下層吸収体32の上面32A側へ更に凹む細凹部32Cを形成し、この細凹部32Cの存在によって、複数の凹部空間40,40…に、それぞれに下層吸収体32の上面32A側へ更に凹む細孔空間又は細溝空間(以下、これらの空間を合わせて「細空間」ともいい、符号40Xで示す。)が設けられた形態とするのが好ましい。
この点、大きな異物及び小さくて軽い異物以外の異物、つまり小さいが重い異物は、下層吸収体32内から凹部空間40,40…に排出されると、バックシート2側に留まる(滞留する)可能性がある。しかしながら、上記のように凹部空間40,40…に細空間40X,40X…が設けられていると、被装着者の動き等に伴って吸収性物品100が動いた際に、例えば、凹部空間40,40…内の体液が動くことによって、あるいは重力のかかる方向が変わることによって、上記重い異物が細空間40Xに入り込む。そして、下層吸収体32はパルプを構成材料とするため、細空間40Xには繊維が突き出ており、この繊維によって重い異物の細空間40Xからの流出(排出)が抑制される。結果、バックシート2を通して視認される可能性のある異物の割合が更に減る。
このような重い異物の細空間40Xからの流出防止という観点からは、細孔空間40X(細凹部32C)の直径Z3(図5の(a)(b)参照)が、0.3〜5.0mmであるのが好ましく、0.5〜3.0mmであるのがより好ましい。また、同様の観点から、細溝空間40X(細凹部32C)の幅Z3(図5の(a)(c)参照)が、0.3〜5.0mmであるのが好ましく、0.5〜3.0mmであるのがより好ましい。細空間40X(細凹部32c)の直径Z3が短過ぎ、あるいは幅Z3が狭すぎると、重い異物が細空間40Xに入り込まなくなる可能性があり、他方、細空間40X(細凹部32c)の直径Z3が長過ぎ、あるいは幅が広過ぎると、細空間40Xに突き出た繊維によっても、重い異物が細空間40Xから排出されてしまう可能性がある。
なお、図5の(b)に示した細凹部32Cは主に分散形態の場合を、図5の(c)に示した細凹部32Cは主に連続形態の場合を想定したものであるが、この想定に限定されるものではない。つまり、分散形態の凹部32aに1又は2以上の細溝凹部32cを伴わせることや、連続形態の凹部32bに1又は2以上の細孔空間32cを伴わせること等もできる。
一方、重い異物の細空間40Xからの流出防止という観点からは、細空間40X(細凹部32C)の深さZ2(図5の(a)参照)が、0.5〜5.0mmであるのが好ましく、1.0〜3.0mmであるのがより好ましい。深さZ2が浅過ぎると、細空間40Xに入り込んだ重い異物が流出する可能性がある。他方、細空間40X(細凹部32C)の深さZ2を深くするには下層吸収体の厚さD2(図2参照)自体を厚くする必要があり、構成材料の無駄、吸収体3全体の増厚によるゴワツキ等の原因となる可能性がある。
複数の凹部32a(32b)を形成するにあたっては、下層吸収体下面32Bのバックシート2に対する接着領域の面積率が、下層吸収体下面32Bの5〜80%(好ましくは10〜50%)とされ、かつ、相互に隣接する凹部空間40(凹部32a(32b))同士の平均離間距離が1〜30mm(好ましくは3〜20mm)とされ、加えて下層吸収体32の上面32A側における密度と下側吸収体32の下面32B側における密度との差(密度差)が、10000〜100000g/m3(好ましくは20000〜80000g/m3)とされていると好適である。
なお、相互に隣接する凹部空間40(凹部32a(32b))同士の平均離間距離は、凹部32aが分散形態の場合は、図3に示すように、相互に隣接する凹部32a,32a間の最短距離X2の平均値を意味する。また、当該平均離間距離は、凹物32bが連続形態の場合も同様であり、図4に示すように、相互に隣接する凹部32b,32b間の最短距離Y2の平均値を意味する。また、下層吸収体32の上面32A側とは下層吸収体32の厚さ方向中心から上面32A側を、下層吸収体32の下面32B側とは下層吸収体32の厚さ方向中心から下面32B側を意味する。
上記接着領域の面積率を増やし、あるいは平均離間距離を長くすると、異物が目立ち易くなる。しかしながら、単に接着領域の面積率を下げると、下層吸収体32のバックシート2に対する接着が不十分になる可能性があり、また、平均離間距離を短くすると、相互に隣接する凹部空間40,40間の接着が不十分となって下層吸収体32のバックシート2に対する接着が当該部分において剥がれる可能性がある。しかるに、上記密度差が10000g/m3以上とされていると、接着に際して利用されるホットメルト等の接着剤が下層吸収体32の上面32A側には浸透しないが下面32B側には確実に浸透するため、下層吸収体32のバックシート2に対する接着力が確実に奏せられ、上記接着が不十分になる可能性が減る。ただし、密度差が100000g/m3を超えると、下層吸収体下面32B側の強度が弱くなり過ぎ、例えば、かえって接着強度を維持するのに不十分となる可能性があり、また、吸収性物品100全体としてのコシを保つことができなくなる可能性がある。
なお、下層吸収体32をバックシート2に固着するための接着剤の塗布量は、例えば、0.5〜50g/m2とすることができる。また、下層吸収体32とバックシート2との接合強度は、例えば、0.5〜30.0gf/25mmとすることができる。
ここで、下層吸収体下面32Bのバックシート2に対する接着領域とは、凹部空間40が形成される領域以外の領域であり、接着領域の面積とは、下層吸収体下面32Bの凹部32a(32b)が形成されない領域の総面積である。したがって、接着領域の面積は、凹部32aを分散形態とする場合は、図3に示すように、凹部32aの直径X1を適宜調節することによって調節することができ、また、凹部32bを連続形態とする場合は、図4に示すように、凹部32bの幅Y1を適宜調節することによって調節することができる。
ただし、凹部32aを分散形態とする場合、凹部32aの直径X1は、2〜15mmとするのが好ましく、3〜10mmとするのがより好ましい。また、凹部32bを連続形態とする場合、凹部32bの幅Y1は、2〜15mmとするのが好ましく、3〜10mmとするのがより好ましい。凹物32aの直径X1が短過ぎ、あるいは凹部32bの幅Y1が狭過ぎると、凹部32a(32b)を深く形成することができず、異物の視認抑制効果が十分に奏せられない可能性がある。他方、凹部32aの直径X1が長過ぎ、あるいは凹部32bの幅Y1が広過ぎると、細空間40Xに重い異物が入り込む確率が減り、異物の視認性低下効果が十分に奏せられない可能性がある。
なお、各凹部32aの直径X1は、凹部32aが真円形状でない場合は平均径を意味する。また、この場合、各凹部32aの面積は、通常10〜500mm2、好ましくは15〜200mm2である。
凹部32a(32b)は、例えば、エンボスロールを加熱して形成するヒートエンボス等の熱圧加工によって形成することもできる。熱圧加工によると、下層吸収体32に混入されている熱融着性の異物によって繊維同士が結合されるため、下層吸収体32の形状安定性が向上する。しかも、当該結合によって下層吸収体32から凹部空間40への異物の排出が抑制されるため、異物の視認性を低下させるという面からも好ましいものとなる。
その他、以上の凹部32a(32b)は、下層吸収体32を前述外包材で包み込んだ後、この外包材の上から形成することもできる。また、凹部32a(32b)の断面形状は特に限定されず、例えば、図2に示すような逆お椀形状とすることができる。さらに、凹部32aを分散形態とする場合、その配列(パターン)は特に限定されず、例えば、前後方向及び幅方向に沿って点線状に設けることや、千鳥状に設けること等ができる。
下層吸収体32の凹部32a(32b)間、つまりバックシート2と接着される部分(凸部分)には、例えば、体液の成分に応じて呈色反応を示す色付きの反応試薬等を、単独で、あるいはポリマーに含浸させて含ませることもできる。バックシート2と接着される部分に色付きの反応試薬等が含まれていると、当該反応試薬の色変化によって被装着者の健康状態を把握することができ、しかも相対的に異物が目立たなくなる。また、当該凸部分は肌面から離れており、被装着者の肌が反応試薬に直接触れる可能性がないため、被着用者の肌への悪影響を避けることができる。さらに、当該凸部分は、凹部空間40間に存在しており、体液との接触状態が保たれるため、時間の経過により尿が乾燥して反応試薬の色が退色し、検査の判定が困難になるといった不具合が回避される。
また、このように反応試薬を用いる場合においては、前述バックシート2に対象分析項目や呈色見本等を印刷等によって表示することができる。この表示により、検査結果が一目瞭然となり、簡易かつ迅速な検査が可能となる。
反応試薬としては、例えば、癌抗原、pH、尿タンパク、尿比重、尿潜血、糖に対して呈色反応を示す反応試薬等の中から2種以上を併用することもできる。これの反応試薬を用いることにより、例えば、泌尿器系癌、尿結石、腎疾患、腎不全、糸球体腎炎、糖尿病等の疾病の検査が可能になる。
なお、泌尿器系癌の検出には、抗原抗体反応を利用した免疫法を採用するのが好ましい。この方法においては、標識抗体と結合した尿中の抗原が発色基剤と反応して呈色反応を示す。また、尿結石の検出には、pH指示薬としてブロムチモールブルーを利用した変色法を採用するのが好ましい。腎疾患の検出には、指示薬としてテトラブロモブルーを利用した尿タンパクを検出する方法を採用するのが好ましい。腎不全、尿比重及び尿中の塩分量には密接な関係があることから、この関係を利用して、腎不全の検査には、尿中のナトリウムイオンと結合して変色するカルボン酸基含有ポリマーを用いることができる。糸球体腎炎の検査には、潜血尿中のヘモグロビンの酸化還元反応を利用した検出方法を採用するのが好ましく、糖尿病の検査には、尿中のブドウ糖を酵素で分解、発色させて検出する方法を採用するのが好ましい。
反応試薬等を下層吸収体32のバックシート2と接着される部分に偏在させるためには、例えば、下層吸収体32を形成する際の反応試薬の投入タイミングを調節するとよい。
下層吸収体32における下面32B側の密度及び上面32A側の密度は、上記密度差が確保されていれば好適であり、例えば、下層吸収体下面32B側の密度を10000〜60000g/m3、好ましくは20000〜50000g/m3とすることができ、また、下層吸収体上面32A側の密度を20000〜100000g/m3、好ましくは30000〜90000g/m3とすることができる。
上層吸収体31は、フラッフ状の未使用パルプ(バージンパルプ)や粉末状の未使用ポリマー等によって構成される。この点、上層吸収体31にも回収パルプや回収ポリマーを配合することができるが、異物に対する視認性の問題から、仮に配合するとしても配合質量割合を20%以下とする必要があり、配合しない方が好ましい。この点、下層吸収体32の構成材料であるパルプ(繊維)は、回収に際して繊維が短くなっているため、吸収体3全体としてのコシを出し、また割れを防止するためにも、上層吸収体31には特に回収パルプを配合しない方が好ましい。なお、吸収体3全体としてのコシを向上させ、また割れを防止するためには、適宜ホットメルト等の接着剤や、ヒートエンボス等を利用して上層吸収体31の繊維同士を接着するとよい。
上層吸収体31におけるパルプ(繊維)及びポリマーの目付け量(単位面積当たりの質量)は特に限定されず、例えば、パルプの目付け量を80〜2000g/m2、ポリマーの目付け量を40〜1000g/m2とすることができる。好ましくは、パルプの目付け量が100〜1000g/m2、ポリマーの目付け量が50〜500g/m2である。ポリマーの目付け量が少ないと吸収性に劣る可能性があり、他方、ポリマーの目付け量が多いとパルプ(繊維)の絡み合いが減り、上層吸収体32のヨレや割れ等が発生する可能性がある。
ポリマーは、パルプにホットメルト等の接着剤を使用することにより固着して用いることも、この固着をせずに用いることもできる。
上層吸収体31は、必要に応じて図示しないクレープ紙や不織布等からなる外包材で包み込むこともできる。外包材で包み込むことにより、上層吸収体31の形状安定性が向上し、また、ポリマーの散逸が防止される。
上層吸収体31の平面形状は特に限定されず、図示例では前後方向に長い長方形状とされているが、例えば、太もも内側に対するフィット性を高めるために、下層吸収体32と同様、股間部を含む前後方向中間領域を脚周りに沿う内方に括れた形状とすることもできる(いわゆる砂時計形状)。
上層吸収体31は、図示例では1層となっているが、2層、3層、4層又はそれ以上の複数層とすることもできる。また、上層吸収体31を上記外包材で包み込む場合、1層ごとに包み込むことも、2層以上の複数層をまとめて包み込むこともできる。
上層吸収体31を何層とするかに関わらず、上層吸収体31の厚さD1(図2参照)は、2〜30mmとするのが好ましく、5〜20mmとするのがより好ましい。上層吸収体31の厚さD1が薄過ぎると、体液吸収性の問題や異物の視認性の問題が生じる可能性があり、他方、上層吸収体31の厚さD1が厚過ぎると、吸収性物品100の装着感が低下する可能性がある。
また、上層吸収体31の厚さを上記範囲とすることとの関係において、下層吸収体32の厚さD2(図2参照)は、2〜30mmとするのが好ましく、5〜20mmとするのがより好ましい。下層吸収体31の厚さD2が薄過ぎると、回収パルプや回収ポリマーを十分に使用することができなくなり、また、凹部32a(32b)の深さが薄くなるため、異物の視認性の問題が生じる可能性がある。他方、下層吸収体31の厚さD2が厚過ぎると、上層吸収体31の厚さを薄くする必要が生じるため、吸収体3全体としての吸収性が不十分となる可能性があり、また、上層吸収体31の厚さを薄くしないとすると、吸収性物品100の装着感が低下する可能性がある。
吸収性物品100の寸法、形状等は特に限定されず、例えば、幅L2(図1参照)を60〜250mm、長さL1(図1参照)を150〜500mmとすることができる。
本形態の吸収性物品100は、基本吸収性物品の上に積層される等して使用される補助吸収性物品であるため、表面(肌面)の幅方向両側部に身体側に突出する立体ギャザーを有しないものとなっている。しかしながら、補助用であるか否かに関わらず、立体ギャザー等の公知の付加構成を適用することができる。
また、本形態において、凹部32a(32b)や細凹部32cの形成方法は特に限定されず、例えば、前述特許文献9等に開示の方法を採用することができ、下層吸収体下面32Bの成形に雄型又は雌型を用い、下層吸収体上面32Aの成形に平坦な面の型を用いること等ができる。
本発明は、テープタイプの紙おむつやパンツタイプの紙おむつ等の紙おむつ、生理用ナプキン等の基本吸収性物品や、これらの基本吸収性物品の上に積層する等して使用される尿採りパッド等の補助吸収性物品、等の吸収性物品として適用可能である。
1…トップシート、2…バックシート、3…吸収体、5…フラップ、31…上層吸収体、32…下層吸収体、32A…下層吸収体上面、32B…下層吸収体下面、32a,32b…凹部、40…空間凹部、40X…細空間、100…吸収性物品。

Claims (2)

  1. 透液性トップシートと不透液性バックシートとの間に、吸収体が介在された吸収性物品であって、
    前記吸収体として、下面が前記バックシートに接着された下層吸収体と、この下層吸収体の上面上に積層された上層吸収体と、が設けられ、
    前記下層吸収体は、下面側から上面側へ圧する圧加工によって複数の凹部が形成されており、
    この複数の凹部の存在によって、前記下層吸収体の下面と前記バックシートとの間に複数の凹部空間が形成されており、
    前記下層吸収体が、吸収性物品を分離回収して得た回収パルプ及び回収ポリマーの少なくとも一方を含む、
    ことを特徴とする吸収性物品。
  2. 前記複数の凹部空間には、それぞれ前記下層吸収体の上面側へ更に凹む直径0.3〜5.0mmの細孔空間、又は幅0.3〜5.0mmの細溝空間が設けられている、
    請求項1記載の吸収性物品。
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