JP4183594B2 - 吸収性シート - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、おりものシート、パンティライナー、尿漏れシート、あるいは汗脇パッド、襟元パッド、母乳パッド等のように、下着やシャツ及びブラウス等の衣服に着けられた状態で体液を吸収する吸収性シートに関し、特に、薄型の吸収性シートに関する。
この種の吸収性シートは、少量の体液が排泄される際に用いられるものであり、下着等衣服の内面に貼り付けられた状態で体液を吸収するようになっている。
ところで、近年、吸収性シートには、それぞれ、ブルー、ピンク、モカ、黒等の数種の色に着色されたものが知られており、衣服の色と同系色のものを選択して装着し、衣服を脱いだ際、衣服の色に対して吸収性シートの色を目立たないようにした技術が開示されている(例えば、非特許文献1参照)。
"ソフィ Colorライナー"、[on line]、ユニチャーム、[平成15年7月24日検索]、インターネット<URL:http://www.unicharm.co.jp/newpro/color/>
衣服には多種多様の色彩、模様、風合いがあり、非特許文献1に示された吸収性シートでは、吸収性シートの色を衣服の色に対して目立たなくさせるには限界があった。
従って、本発明の目的は、あらゆる衣服に装着しても、その存在を目立たなくなるようにし、違和感がなく印象性のよい吸収性シートを提供することにある。
発明者等は、吸収性シートの色を衣服の色と同系色にするのではなく、吸収性シート全体を透明にすれば、あらゆる衣服に対してもその存在が目立たなくなるという着想に至り、例えば、表面層や防漏層等に含有されている着色剤の量を一定以下にするという手段等により、吸収性シート全体の透明化を実現できることを知見した。
本発明は、上記知見に基づいてなされたものであり、液透過性及び液保持性を有する表面層と液不透過性を有する防漏層とを含む積層シートを備え、該積層シートが、衣服に装着された場合、該表面層側から該衣服の色を透かすように構成された吸収性シートであって、前記吸収性シートの厚みは、0.3〜2.5mmであり、前記表面層は、着色剤の含量が2%以下であり、該着色剤である酸化チタンの含量は0.5%以下である一又は複数の不織布からなり、前記防漏層は、着色剤の含量が2%以下であり、該着色剤である酸化チタンの含量は0.5%以下であるフィルムからなる請求項1に記載の吸収性シートを提供することにより、前記目的を達成したものである。
本出願において定義する、「背黒色明度LB」とは、Lab表色系において、標準黒色板を背面にした吸収性シートが示す明度L値をいい、その値が0〜100の範囲で小さく、標準黒色板のL値に近い程、吸収性シートの透明感が高いことを意味する。
また、本出願において定義する、「背白色明度LW」とは、標準白色板を背面にした積層シートが示す明度L値をいい、その値が0〜100の範囲で大きく、標準白色板のL値に近い程、吸収性シートの透明感が高いことを意味する。
一般的には、「背黒色明度LB」が低い程、黒色であることを意味し、表面が黒い物品を含み、また、「背白色明度LW」が高い程、白色であることを意味し、表面が白い物品を含む。しかしながら、本願が規定する2つの明度を満足するものは、透明感が高い物品であることを示している。
本発明によれば、表面層及び防漏層の双方を透明にすることにより、吸収性シート全体を透明にすることができるため、吸収性シートをあらゆる衣服に装着しても、その存在を目立たなくなるようにし、違和感がなく印象性をよくすることができる。
以下、本発明の吸水性シートの最も好ましい一実施形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1又は図2に示すように、本実施形態の吸水性シート1は、液透過性を有する表面シート(表面層)2及び液不透過性を有する防漏シート(防漏層)3を含む積層シート1Aを備え、この積層シート1Aが、衣服10に装着された場合、表面シート2側から衣服10の色を透かすように構成されている。
表面シート2は、着色剤の含量が2%以下である一又は複数の不織布からなり、防漏シート3は、着色剤の含量が2%以下であるフィルムからなる。かかる吸収性シート1の詳細を述べる。
本実施形態の吸収性シート1は、1又は複数の表面シート2(2A、2B…)からなる表面層と、防漏シートからなる防漏層とが積層された構造であり、薄いシート状に形成されている。
表面層は、液透過性のみならず液保持性の確保と、透明感の確保とのバランスを保つ観点から、1〜3枚の表面シート2(2A、2B…)の多層構造にし、そのうちの幾つかの中間層〜下層を吸収層として機能させることが好ましい。この場合、表面シート2に用いられる不織布は、同じ種類のものでもよく、異なる種類のものであってもよい。また、表面層において最上層に位置する表面シート2Aには、液透過性を向上させる観点から、複数の孔が形成されて配列している。
防漏層は、液不透過性及び透明感を確保する観点から、1枚の防漏シート3の単体で構成されることが好ましいが、防漏シート3と、表面層において最下層に位置する不織布又は別の不織布との2層構造にしてもよい。
表面シート2は、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン等のポリアミドなどの熱可塑性樹脂からなる繊維から構成される不織布、又は、上記繊維の2種類以上の複合繊維から構成される不織布であり、その繊度が1.8〜3.6dtexであることが好ましい。
表面シート2の最上表面は、例えばレーヨンのスパンレース不織布のように、高い親水性及び柔軟性を発現する不織布であってもよく、この場合、その繊度が1.8〜3.6dtexであることが好ましい。
不織布の1枚当たりの坪量は、クッションとして機能する柔軟性、及び十分な透明感を確保するという観点から、12〜80g/m2であり、特に、14〜40g/m2であることが好ましい。不織布の1枚当たりの厚さは、0.1〜1mmであり、特に、0.2〜0.6mmであることが好ましい。
なお、不織布に、吸収性向上の観点から、親水化処理を施すのが好ましく、以下、この点について説明する。
不織布表面の親水化処理は、おりものように少量の体液を積極的に吸収して人体の表面に残さないようにする機能を有する。本実施形態の吸水性シートは、生理用ナプキンや紙おむつのように大量の体液を吸収するものでないため、親水化処理を必ずしも必要としないが、表面上において体液を残さずにサラットした使用感を担保するには、親水化処理を施すことが好ましい。
特に、表面層が1枚の不織布から構成される場合、その不織布は、体液が肌当接面側から背面側に移行しやすい構造であることが好ましい。このような構造は、毛管力について背面側を肌当接面側よりも大きくすることにより実現されるものであり、(1)背面側の繊維が、肌当接面側の繊維よりも強く親水化されている、(2)背面側の繊維が、肌当接面側の繊維よりも細くされている、等の構成により具現化される。このような構造の具体的な製造方法については、不織布の形成工程において、予め、繊維ウェブを2層で積繊したものを用意しておき、上記(1)にあっては、背面側の繊維を強親水性の親水化剤で処理するか、あるいは、背面側の繊維に付着する親水化剤の量を増やし、上記(2)にあっては、背面側の繊維ウェブに用いる繊維を細くする。
以上ような構造を有する不織布は、1枚であっても、「液透過性」及び「液保持性」の双方を発揮するようになる。
不織布に含有される着色剤の量は、2重量%以下にしており、この着色剤には、例えば、酸化チタン(TiO2)、炭酸カルシウム(CaCO3)、硫酸バリウム(BaSO4)等が挙げられる。
特に、酸化チタンは、主に白色顔料として用いられ、不織布に含有された場合、高い白色度、大きい遮蔽力等を発揮するものであるが、本実施形態の場合、不織布自体の透明感を高める観点から、不織布における酸化チタンの含有量は、0〜2重量%が好ましく、0〜0.5重量%が特に好ましい。
特に吸収シートが複数の表面シート2(2A、2B…)を有する場合、最表面の表面シート以外は酸化チタンの含有量が0.5重量%以下で、最表面の表面シートも2重量%以下、更に好ましくは0.5重量%以下であることが、透明感維持の点で好ましい。
また、不織布には、上記同様の観点から、紙(吸収紙)、コットン、パルプ等のように、通常の状態では不透明(白色)である繊維からなるものを極力含まない。
不織布の融着には、スパンボンド法、エアスルー法、ヒートロール法、スパンレース法等が用いられるが、特に、不織布の繊維同士を密着させて繊維間の乱反射を抑制する観点から、スパンボンド法又はヒートロール法を用いることが好ましい。
不織布同士の接着には、ホットメルト接着又はヒートシール(エンボス)及びこれらの併用がなされる。ホットメルト接着にはスパイラルスプレー、多列ビード、スロットスプレー、薄膜等が用いられるが、上記同様に繊維間の乱反射を抑制するには全面で密着させるメルトパターン(スパイラル、スロット、薄膜)がよく、吸収性の観点からは適当に隙間のあるパターンが良い(スパイラル、多列ビード)。また、適当に隙間のあるパターンでは、全体の透明性を低下させない効果がある点で優れる。以上の点から、スパイラルスプレー法が好ましい。また後述するように、ヒートシール(エンボス)を併用することによって不織布の密着性を高めることが更に好ましい。
不織布同士の接着剤4(4A、4B)には、スチレン-ブタジエン-スチレン(SBS)系、スチレン-エチレン-ブタジエン-スチレン(SEBS)系、オレフィン系ホットメルト等が用いられるが、上記同様に表面シート2の層間の透明感を高める観点から、接着剤4における酸化チタンの含有量は、0〜0.5重量%が好ましい。
なお、接着剤4の塗工量は、不織布同士の十分な接合力の確保と、不織布の積層間における透明感の確保とのバランスを保つ観点から、3〜15g/m2であることが好ましい。この塗工量は、後述する接着剤4(4C)についても同様である。
上述した表面シート2のうち少なくとも一つの不織布には、例えば、カミツレ抽出分始め各種精油分含有の植物オイル等のような油脂剤(油脂成分)、又はグリセリン等のようなローション剤(粘性成分)が含浸させることも好ましい。このような油脂剤又はローション剤は、本来、(1)製品の柔軟性を向上する、(2)製品表面の滑らかさを改善する、(3)着用者の皮膚のかぶれ等を防止する、等の目的で少量用いられるものであるが、不織布における繊維間隙を充填し、繊維間の乱反射を抑制して透明化する機能を発揮する。なお、吸収性シート1の全体に、油脂剤又はローション剤が含浸されていてもよい。
防漏シート3は、例えば、ポリエチレン、ポリ酢酸ビニル、或いはエチレン-酢酸ビニル共重合体やポリエチレン-ポリ酢酸ビニル複合フィルム等のポリオレフィン系樹脂等の熱可塑性樹脂からなる液不透過性のフィルムであり、着色剤を含まない通常のポリエチレンフィルムを用いることも可能である。また、該フィルムを多孔性にし、透湿性を有することも好ましい。
高い透明性の観点から、フィルムの1枚当たりの坪量は、15〜50g/m2であり、フィルムの1枚当たりの厚さは、0.05〜0.4mmが好ましい。なお、透湿性を有する場合には、フィルムの透湿度は、1.0〜2.5g/(100cm2・24hr)が好ましい。
防漏シート3は、上記表面シート2と同様、フィルムに含有される着色剤の量を、2重量%以下、更に好ましくは0.5重量%以下にしたものであり、この着色剤には、上記同様、酸化チタン(TiO2)、炭酸カルシウム(CaCO3)、硫酸バリウム(BaSO4)等が挙げられる。
特に、酸化チタンの含有量を0.5重量%以下にすることが、高い透明性の観点から一層好ましい。
ここで、一般に、多孔性の透湿シートは、当業者に多用されており、この透湿シートにおいては、ベースフィルム中に、相溶性のない炭酸カルシウム(CaCO3)等の無機紛体を多量に分散させ、ベースフィルムを延伸する際に、紛体と樹脂界面に微細な剥離(孔)を形成し、その微細孔を水蒸気の放出孔としている。このような透湿フィルムは、多量の顔料を含み、微細孔自体における光の乱反射によりフィルム自身を濁らせるため、本実施形態の防漏シートとして不適切である。
そのため、防漏シート3には、透明性を確保しつつ透湿機能をも確保する観点から、ポリエステル系エラストマーからなるフィルムが用いられている。このフィルムを構成する樹脂は、非晶性部分における高い分子運動性、及び高い親水性に起因して、選択的にフィルムに取り込んだ水蒸気を外部に放出するという性質を有し、この性質により、フィルムに透明性及び透湿性をもたせるものである。
フィルムと不織布との接着には、スロットスプレー法、スパイラルスプレー法、薄膜塗工等により、オレフィン系ホットメルト、スチレン-ブタジエン-スチレン(SBS)系、スチレン-エチレン-ブタジエン-スチレン(SEBS)系等の接着剤4(4C)が用いられる。この接着剤4(4C)における酸化チタンの含有量は、上記不織布同士の接着剤4(4A、4B)の場合と同様、0〜0.5重量%が好ましい。
上述した表面シート2及び防漏シート3が積層されてなる積層シート1Aは、ヒートシールによるエンボス処理等により、一体的に接合されている。積層シート1Aの平面視における接合面積率は、不織布の繊維同士を密着させてその空隙を小さくし繊維間の乱反射を抑える観点から、15〜50%が好ましい。
エンボスによる積層シート1Aの接合面積率が、15%以上であると、エンボス部分の透明度の高い領域の視覚印象が強まり、全体が非常に透明な印象となるため好ましい。一方、全体の柔らかさと吸収性の観点からは接合面積率が50%以下であることが好ましく、30%以下であることがより好ましい。
また、エンボスは、シート全体の硬さを上げないためにはドット状、小円状など離散的なパターンが好ましく、特に直径2mm以下の円形のドットが全面に亘ったパターンが、透明性、柔軟性の両立から好ましい。
積層シート1Aの裏面(防漏シート3の外表面)には、衣服固着用(衣服装着用)の粘着剤5が貼付されている。この粘着剤5は、上記接着剤4について述べた観点と同様に、例えばSEBS系ホットメルト等において、酸化チタンの含有量を0〜0.5重量%にしたものであり、剥離紙によって覆われている。
積層シート1A(吸収性シート1)の全体の厚さは、シートのクッション感(柔らかさ)と吸収容量の確保と、積層シート1A全体の透明感の確保とのバランスを保つ観点から、0.3〜2.5mmが好ましい。
最低限の吸収性及びクッション感を確保する観点からは、積層シート1Aの厚さが、0.3mm以上であることが好ましく、0.6mm以上であることがより好ましい。また、透明感の確保の観点からでは、2.5mm以下であることが好ましく、2.0mm以下であることがより好ましい。
本実施形態においては、任意の衣服10を背面にした積層シート1Aの透明感(シースルー効果又は非遮蔽性)は、上記定義の背黒色明度LB及び背白色明度LWを用いて、物性値として表される。
透明感を認識する観点で、背黒色明度LBは0〜20で、且つ背白色明度LWは30〜100であることが好ましい。背黒色明度LBは2〜15であることが、また、背白色明度LWは70〜100であることが一層好ましい。標準黒色板はL値が0〜5のもの、標準白色板はL値が100のものを用いることにする。(なお、本実施形態にて用いた、標準黒色板のL値は4、標準白色板のL値は100であった。)
以上述べたように、本実施形態によれば、積層シート1Aが、衣服に装着された場合、表面層側から衣服の色を透かすように構成されており、吸収性シート1全体の透明感を高めることができ、その結果、あらゆる衣服10に着用しても、吸収性シート1の存在を目立たなくなるようにし、違和感がなく印象性をよくすることができる。
本発明は、吸収性シートの透明感を高めることができれば、上述の実施形態によらず、例えば表面シート2及び防漏シート3間を固定する接着剤に関し含有する着色剤の量が0.5重量%以上だが、表面シート2に油脂剤又はローション剤を含浸させて、繊維間の乱反射を抑制して透明感を高め、透明感のある吸収性シートを得てもよい。このように、前述の透明化の手段は適宜選択して吸収性シートを製造する。
以下、上記実施形態の吸収性シート1をより具体的にした実施例1〜3を、比較例1と併せて述べる。
[実施例1]
複合繊維を用いて、エアスルー法によりエアスルー不織布を得た。この複合繊維は、繊度が2.2dtexのPET/PE樹脂に、酸化チタンが0.5重量%以下の割合で含有させたものである。エアスルー不織布の坪量は、25g/m2であった。
ペレット樹脂(日本合成化学工業(株)製の「フレクマー」)を溶融押し出すことにより、フィルムを得た。このフィルムは、酸化チタンを含まず、透明である。このフィルムは、坪量が20g/m2であり、透湿度が2.0g/(100cm2・24hr)であった。
エアスルー不織布及びフィルムを、共に、長さ17cm×幅7cmの寸法で切断した。このフィルムに、オレフィン系ホットメルト接着剤(酸化チタン0.5重量%以下)を、スロットスプレー法により、塗工量10g/m2の割合で塗布し、そのフィルムにエアスルー不織布を貼り合わせて積層シートを形成した。その後、積層シートの全体をヒートシールしてから、所定の形状に切断した。この段階での積層シートは、1枚のエアスルー不織布が表面シートとして、1枚のフィルムが防漏シートとして、それぞれ積層されたものである。
剥離紙に、衣服固着用の粘着剤5として、長さ100mm×幅5mmの4本のSEBS系ホットメルト接着剤(酸化チタンを含まない)を塗布し、積層シート1Aの裏面(防漏シート3の外表面)の中央部に転着し、実施例1の吸収性シート1を得た。この吸収性シート1は、厚さが0.6mmであった。
[実施例2]
連続長繊維を用いて、スパンボンド法によりスパンボンド不織布を得た。この連続長繊維は、繊度が2.2dtexのポリプロピレン-ポリエチレン樹脂に、酸化チタンが全く含有されないものである。スパンボンド不織布の坪量は、14g/m2であった。
このスパンボンド不織布に、アルキルエーテルサルフェート(アニオン系界面活性剤)を0.2重量%付着して親水化処理を施した。
このスパンボンド不織布を2枚と、上記実施例1と同様のフィルムを1枚とを用意し、それぞれ、長さ17cm×幅7cmの寸法で切断した。
2枚のスパンボンド不織布の間に、オレフィン系ホットメルト接着剤(酸化チタン0.5重量%以下)を、スパイラルスプレー法により、塗工量5g/m2の割合で塗布し、スパンボンド不織布とフィルムの間に、上記接着剤を、スロットスプレー法により、塗工量10g/m2の割合で塗布し、2枚の不織布と1枚のフィルムとを張り合わせて積層シートを形成した。更に、この積層シート全体に、ピン直径1.5mmの円形のドットエンボスを施した。
その後、上記実施例1と同様、全体をヒートシールしてから所定の形状に切断した。この段階での積層シートは、2枚のスパンボンド不織布が表面シートとして、1枚のフィルムが防漏シートとして、それぞれ積層されたものである。
尚、このドットエンボスによる接合面積率は、25%であった。
衣服固着用の粘着剤を、上記実施例1の場合と同様に施し、実施例2の吸収性シートを得た。この吸収性シートは、厚さが、0.45mmであった。
[実施例3]
防漏シートに、坪量が30g/m2のポリエチレンフィルム(酸化チタンを含まない)を用いた点以外は、上記実施例2と同様にして、吸収性シートを得た。
この吸収性シートに、ローション剤として、グリセリン試薬(関東化学(株)製)を0.5g滴下して全体に広げ、実施例3の吸収性シートを得た。この吸収性シートは、厚が、0.4mmであり、ヒートシールによる接合面積率が、25%であった。
[比較例1]
従来品として、花王(株)製の「ロリエパンティライナー(無香)」を、比較例1の吸収性シートにした。この吸収性シートにおいて、不織布には、酸化チタンが5重量%含有され、フィルムには、炭酸カルシウムが50重量%以上含有されていた。又吸収体として吸収紙を含む。
吸収性シートは、厚さが、2.1mmであり、ヒートシールによるシート全体の接合はなされていない。
[評価試験]
〈透明感(シースルー効果)評価方法〉
実施例1〜3及び比較例1の吸収性シートを、それぞれサンプルとして選択した。吸収性シートの背面(ズレ止め粘着材面)に標準黒色板を当て、その状態での吸収性シートの明度L値を、分光色差計(日本電色工業(株)製、型式:SE−2000、使用レンズ:φ30mm)を用い、反射モードで3回測定し、その平均値を背黒色明度LBとした。
同様に、吸収性シートの背面に標準白色板を当て、その状態での吸収性シートの明度L値を、反射モードで3回測定し、その平均値を背白色明度LWとした。
標準黒色板のL値は、4であり、標準白色板のL値は、100であった。
〈官能(外観性・印象性)評価方法〉
パンティライナ(吸収性シート)の使用経験がある女性モニター5名に、各サンプルを2枚ずつと、生理用ショーツ(花王(株)製の「ロリエアクティブフィットアップ」、色:シルキーモカ)とを渡して、以下に示す外観性評価及び印象性評価を行った。
なお、外観性評価及び印象性評価は、各サンプルを2時間着用した後に、残りの各サンプルを着用する際に行われた。各サンプルの着用順序は、特に指定しなかった。
《外観性評価》
パンティライナの外観性(色差)の評価を、以下の判断基準に基づいて数値化し、その平均値を求めた。この数値は、1〜4の範囲で1に近い程、外観性に違和感がないことを示している。
1…違和感がない
2…やや違和感がない
3…やや違和感がある
4…違和感がある
《印象性評価》
パンティライナ全体の印象性の評価を、以下の判断基準に基づいて数値化し、その平均値を求めた。この数値は、1〜5の範囲で1に近い程、印象性がよいことを示している。
1…印象がよい
2…やや印象がよい
3…どちらとも言えない
4…やや印象が悪い
5…印象が悪い
実施例1〜3及び比較例1の厚さ、背黒色明度LB、背白色明度LW、官能評価の結果を、表1に示す。
Figure 0004183594
[評価結果]
表1に示すように、背黒色明度LBが0〜20の範囲内にあり、且つ、背白色明度LWが30〜100の範囲内にあれば、吸収性シートの透明感(シースルー効果)が概ね良好であった。実施例1→実施例2→実施例3の順に、背黒色明度LBが標準黒色板のL値に近くなり、また、背白色明度LWが標準白色板にL値に近くなり、透明感が高くなった。この透明感は、吸収性シートの厚さが小さい程、高くなった。
実施例1〜3の吸収性シートは、官能評価(外観性評価及び印象性評価)の全ての項目が、比較例1の吸収性シートよりも良好であり、実施例1→実施例2→実施例3の順に、外観性及び印象性が優れるようになった。
以上の評価結果は、(1)表面シート、防漏シート、接着剤等に酸化チタンを含有させないこと、(2)表面シートにスパンボンド不織布等を用い、更に、エンボスによって接合面積率を高めていることにより、密着した繊維同士の間で乱反射を抑制していること、(3)表面シートをローション剤に含浸させることにより、繊維間隙がローション剤で埋まり、乱反射を抑制していること等に起因していることが明らかになった。
本実施形態の吸収性シートを、衣服に貼り付けた状態で示す斜視図である。 本実施形態の吸収性シートの積層構造の概略を示す断面図である。
符号の説明
1A 積層シート
2、2A、2B、2C 表面シート(表面層)
3 防漏シート(防漏層)
4、4A、4B、4C 接着剤
5 粘着剤
B 背黒色明度
W 背白色明度

Claims (5)

  1. 液透過性及び液保持性を有する表面層と液不透過性を有する防漏層とを含む積層シートを備え、該積層シートが、衣服に装着された場合、該表面層側から該衣服の色を透かすように構成された吸収性シートであって、
    前記吸収性シートの厚みは、0.3〜2.5mmであり、
    前記表面層は、着色剤の含量が2%以下であり、該着色剤である酸化チタンの含量は0.5%以下である一又は複数の不織布からなり、
    前記防漏層は、着色剤の含量が2%以下であり、該着色剤である酸化チタンの含量は0.5%以下であるフィルムからなる請求項1に記載の吸収性シート。
  2. 前記積層シートは、背黒色明度LBが0〜20であり、且つ、背白色明度LWが30〜100である請求項1に記載の吸収性シート。
  3. 前記表面層及び前記防漏層の各層間は、接着剤により固定されており、該接着剤は、着色剤の含量が0.5%以下であって、
    前記防漏層の外表面には、衣服装着用の粘着剤が付されており、該粘着剤は、着色剤の含量が0.5%以下である請求項1又は2に記載の吸収性シート。
  4. 前記積層シートは、一体的に接合されており、平面視における接合面積率が15%以上である請求項1〜の何れかに記載の吸収性シート。
  5. 前記表面層は、着色剤の含量が2%以下であり、該着色剤である酸化チタンを含まない一又は複数の不織布からなり、
    前記防漏層は、着色剤の含量が2%以下であり、該着色剤である酸化チタンを含まないフィルムからなり、
    前記表面層を形成する少なくとも一つの不織布には、油脂成分又は粘性成分が含浸されている請求項1〜の何れかに記載の吸収性シート。
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