JP4781213B2 - 吸収性物品 - Google Patents

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Description

本発明は、吸収性物品、特に生理用ナプキン、失禁パッド等の吸収性物品に関する。
従来、生理用ナプキン等の吸収性物品において、身体への密着性や漏れ防止性を向上させるために、中央部や中央部から臀部にかけて、吸収体を突出させることが知られている。この種の吸収性物品は、その肌当接面と着用者の肌との間に隙間が生じることを防ぎ、体液が、吸収性物品の肌当接面又は着用者の肌を伝わって漏れるのを低減することを目的としている。また、この種の吸収性物品には、吸収体が中高部を有し、着用時における吸収性物品の肌当接面と排泄部との密着性が高められているものがある。
吸収体の中高部は、例えば、下層吸収体の上に上層吸収体が積層されて形成される場合がある。また、吸収体の厚さを、その中央部のみ大きくして、中高部を有する吸収体が一体的に形成される場合もある。いずれの場合にも、中高部は、体液が直接排泄される部位であり、着用者の液排泄部に対向する位置に、吸収体の厚さが他の部位よりも大きくなされるように形成されている。
例えば、特許文献1には、下層吸収体の上に上層吸収体が形成されている生理用ナプキンが開示されている。また特許文献2には、中高部が一体的に形成されている吸収体を有する生理用ナプキンが開示されている。
実開平5−24025号公報 特開2003−33397号公報
前述したように生理用ナプキンは中高部を有するため、中央部の液吸収保持性能が他の部位よりも高められている。しかし、中高部は、吸収体の厚さが大きく形成されているため、吸収体の厚さ方向全体における液吸収保持性能が十分に発揮されない場合がある。例えば、中高部へ排泄された体液が、その肌当接面側から非肌当接面側へ速やかに移動しない場合があり、このような場合ナプキン着用時のドライ感が得られ難い。
また、中高部においては、排泄された体液が、その肌当接面側から非肌当接面側へ速やかに移動したとしても、吸収体の中央部に吸収された体液が、吸収体の外方へ向って吸収体内を十分に拡散しないために、吸収体全体の液吸収保持性能が十分に発揮されない場合もある。
前述したような現象は、特に中高部が積層構造を有する場合に起こり易い。
従って、本発明の目的は、多層からなる吸収体を有し、肌当接面側から非肌当接面側への液の移動が速く、吸収体内における液の拡散性が良く、装着感に優れた吸収性物品を提供することにある。
本発明は、表面シート、裏面シート及び両シート間に介在された吸収体を具備した吸収性物品において、該吸収体は、一又は複数の上層吸収体が下層吸収体の上に積層されて形成されており、一又は複数の前記上層吸収体は、多数の深い凹部により前記下層吸収体と接合一体化されており、該下層吸収体には、多数の浅い凹部が形成されており、該浅い凹部は、平面視において前記上層吸収体の周縁の内側の領域にも形成されている吸収性物品を提供することにより、上記目的を達成したものである。
本発明の多層からなる吸収体を有する吸収性物品によれば、肌当接面側から非肌当接面側への液の移動が速く、吸収体内における液の拡散性が良く、装着感に優れている。
以下、本発明の吸収性物品をその好ましい実施形態に基づいて、図面を参照しながら説明する。
本実施形態の吸収性物品1は生理用ナプキンであり、図1〜図5に示すように、液透過性の表面シート2、通気性及び液不透過性の裏面シート3及び両シート間に介在された液保持性の吸収体4を具備しており、実質的に縦長である。
本実施形態の生理用ナプキン(以下、単にナプキンともいう)における吸収体4は、一つの上層吸収体41が下層吸収体42の上に積層されて形成されており、該上層吸収体41は、少なくとも該上層吸収体41の中央部において、多数の深い凹部5,5…により下層吸収体42と接合一体化されている。下層吸収体42には、上層吸収体41の前記中央部が積層されている部分以外に、多数の浅い凹部6,6…が形成されており、平面視において該浅い凹部6は、上層吸収体41の全周縁の内側にも形成されている。
本実施形態のナプキン1について、更に以下に説明する。
ナプキン1は、その長手方向が前方部A、長手方向中央領域である排泄部対向部B(着用者の液排泄部に対向配置される排泄部対向領域を幅方向中央に有する部分)及び後方部Cに区分される。
表面シート2及び裏面シート3それぞれは、縦長であり、その長手方向がナプキン1の長手方向(以下、単にナプキン長手方向ともいう)と一致している。表面シート2は、ナプキン着用時に、着用者の肌に当接する肌当接面を形成している。
吸収体4は、縦長であって、その長手方向がナプキン1と一致している。吸収体4は、図2に示すように、台紙9に包まれた状態で、表面シート2及び裏面シート3間に狭持固定されている。
また、表面シート2及び裏面シート3それぞれは、吸収体4の長手方向前後端それぞれから延出し、その延出部分において互いにヒートシール等の公知の接合方法により接合されて、エンドシール部を形成している。また、表面シート2及び裏面シート3それぞれは、吸収体4の幅方向両端それぞれから延出し、同様に接合されている。
吸収体4について、更に以下に説明する。
吸収体4は、図1及び図2に示すように、上層吸収体41と下層吸収体42との積層構造を有している。上層吸収体41及び下層吸収体42それぞれは、縦長であり、その長手方向がナプキン長手方向と一致している。上層吸収体41及び下層吸収体42それぞれは、パルプ繊維等から形成されていることが好ましい。
下層吸収体42は、ナプキン1よりも小さく、略同形状である。上層吸収体41の寸法は、長さ及び幅それぞれが、下層吸収体42よりも小さく形成されている。上層吸収体41は、下層吸収体42の身体面側で平面視における中央部に積層されており、吸収体4の中高部を形成している。詳述すると、上層吸収体41は、排泄部対向部Bにおけるナプキン1の幅方向(以下、単にナプキン幅方向ともいう)の中央部に配されており、該上層吸収体41の前後端部それぞれは、前方部A及び後方部Cそれぞれへ延出している。即ち、上層吸収体41は、前方部Aから、排泄部対向部Bを通って、後方部Cまで延在している。上層吸収体41は、ナプキン着用時に着用者の液排泄部に対向して、表面シート2を通った体液を受ける部位である。
上層吸収体41は、多数の深い凹部5,5…により下層吸収体42と接合されている。本実施形態においては、上層吸収体41は、その中央部と全周縁との間においても深い凹部5,5…により下層吸収体42と一体化されている。深い凹部5は、平面視円形であり、離散的に不連続に形成されており、全体として千鳥格子状の配置パターンに形成されている。本実施形態では、深い凹部5,5…それぞれは、エンボスにより形成されている。
深い凹部5,5…それぞれは、図2に示すように、下層吸収体42の非肌当接面側から上層吸収体41の内部に及ぶように形成されている。深い凹部5,5…それぞれは、吸収体4の非肌当接面側に凹部を形成している。深い凹部5において、下層吸収体42を構成する繊維の一部は、上層吸収体41内へ入り込んだ状態で、該上層吸収体41を構成する繊維と一体的に圧密化されている。
上層吸収体41と下層吸収体42とは、多数の深い凹部5,5…により接合されており、密着した状態で一体化されている。
上層吸収体41及び下層吸収体42それぞれの深い凹部5が形成されている部分は、各該吸収体を構成する繊維が圧密化されていて、密度が大きくなっている。深い凹部5は、圧密化により毛管力が高められており、上層吸収体41から下層吸収体42へ体液が伝わる導液路としての役割を果たしている。
多数の深い凹部5,5…を有する吸収体4は、例えば、次のように作製することができる。まず、上層吸収体41を下層吸収体42の上に積層して積層体を形成し、次に、該積層体を、その非肌当接面側がエンボス加工を受けるように、周面にエンボス用凸部が規則的に配置されたエンボスロール及びそれに対向配置されたアンビルロールを備えたエンボス装置に送り、エンボス加工を施す。該エンボス加工においては、エンボス用凸部が、上層吸収体41内部にまで及ぶように、エンボスロールとアンビルロールとの間隔、エンボス用凸部の高さ等を調節することが好ましい。
また、下層吸収体42には、図2及び図3に示すように、上層吸収体41が積層されていない部分と、該上層吸収体41における全周縁内側の所定幅の領域Pとに、浅い凹部6が形成されている。このように、領域Pには、浅い凹部6が形成されている領域と深い凹部5が形成されている領域とが重なって形成されている。本実施形態では、浅い凹部6,6…それぞれは、エンボスにより形成されている。
浅い凹部6は、平面視円形であり、離散的に不連続に形成されており、全体として千鳥格子状の配置パターンに形成されている。浅い凹部6は、浅い凹部6同士間の距離が、深い凹部5同士間の距離よりも小さく配されている。これは、深い凹部5が形成されている領域と浅い凹部6が形成されている領域との間に毛管力勾配を付与させるためであり、より外側への液の移行を促進させる機能がある。このような毛管力勾配を付与させる他の方法として、各凹部の面積を大きくし、吸収体における凹部の割合を高くするという方法を用いても良い。
―1
本明細書において、深い凹部5の「深い」と、浅い凹部6の「浅い」とは、それぞれ、凹部の深さを相対的に区別する意味を有している。更に説明すると、本実施形態では、深い凹部5は、上層吸収体41と下層吸収体42とを接合一体化するように形成されており、浅い凹部6は下層吸収体42のみに形成されている。
浅い凹部6,6…それぞれは、図2に示すように、下層吸収体42の非肌当接面側から該下層吸収体42の内部に影響が及ぶように形成されている。浅い凹部6,6…それぞれは、下層吸収体42の非肌当接面側に凹部を形成している。下層吸収体42の浅い凹部6が形成されている部分は、該吸収体を構成する繊維が圧密化されて、高密度となっており、毛管力が高められている。
多数の浅い凹部6,6…を有し且つ多数の深い凹部5,5…を有する吸収体4は、例えば、次のように作製することができる。多数の深い凹部5,5…が形成された吸収体4を、その非肌当接面側がエンボス加工を受けるように、周面にエンボス用凸部が規則的に配置されたエンボスロール及びそれに対向配置されたアンビルロールを備えたエンボス装置に送り、エンボス加工を施す。このエンボス加工においては、エンボス用凸部が、下層吸収体41内部にのみ及ぶように、エンボスロールとアンビルロールとの間隔、エンボス用凸部の高さ等を調節することが好ましい。尚、下層吸収体42に、多数の浅い凹部6,6…を形成した後、上層吸収体41を積層し、多数の深い凹部5,5…を形成しても良い。
(吸収体4のエンボスロール側が非肌当接面側であり、アンビルロール側が肌当接面側ではないでしょうか。)
また、深い凹部5又は浅い凹部6が形成されている部分の吸収体4におけるエンボスロール側(図2の場合肌当接面側)が、アンビルロール側(図2の場合非肌当接面側)からも窪んでいる場合もある。これは、吸収体4の肌当接面側を構成する繊維が、各前記エンボス部が形成されている状態を安定化させるため、非肌当接面側に向って移動することによるものと考えられ、圧密化による影響が非加工面側にも及んでいるため、導液効果を有する。
吸収体4について、更に以下に説明する。
吸収体4を平面視した場合、前記領域Pにおいて、浅い凹部6,6…それぞれが、図3に示すように、深い凹部5,5…それぞれの間に点在している。図3は、図1において四角に囲まれている吸収体4の部分の拡大平面図である。
深い凹部5,5…それぞれは、図2に示すように、浅い凹部6,6…それぞれよりも深く形成されており、吸収体4には、図3及び図4に示すように、深い凹部5と、上層吸収体41の周縁の内側に形成された浅い凹部6とが重なり合った複合凹部8も形成されており、該複合凹部8には段差部81が形成されている。
本実施形態において、複合凹部8は、上層吸収体41における全周縁内側の所定幅の領域Pに形成されている。
複合凹部8は、吸収体4の非肌当接面側から、吸収体4の内部に及ぶように形成されている。吸収体4を平面視した場合、浅い凹部6は、図3に示すように、複合凹部8において、該浅い凹部6の一部が深い凹部5と重なるように下層吸収体41に形成されている。浅い凹部6の深さは、深い凹部5よりも浅いため、図4に示すように、該浅い凹部6により段差部81が形成される。
段差部81を有する複合凹部8は、図4に示すように、肌当接面側よりも非肌当接面側の方が、その断面積が大きくなっており、複合凹部8の壁部の面積が拡がっている。また、複合凹部8の壁部は、吸収体4を構成する繊維が段階的に圧密化されており、毛管力が段階的に高められているので段差部81の方向へ拡散がより促進されやすく、段差部81の配置によって長手方向・幅方向・ランダムな拡散設計が可能である(本実施形態では、ランダム)。段差部81による拡散の促進は、主に下層吸収体42で進むことから、上層吸収体4からの液をより引き込み易くなっている結果、複合凹部8を設けることにより、上層吸収体41から下層吸収体42への体液の移動速度が、更に高められている。
また、浅い凹部6が、深い凹部5とは全く重ならないように下層吸収体41に形成される場合には、該浅い凹部6は、深い凹部5,5…それぞれの間に点在することになる。一方、浅い凹部6全体が深い凹部5内に含まれるように、該浅い凹部6が下層吸収体42に形成される場合には、結果として、該浅い凹部6は、下層吸収体42には形成されないことになる。
本実施形態において、上層吸収体41は縦長に形成されており、吸収体4を平面視した場合、浅い凹部6は、図2及び図3に示すように、上層吸収体41における長手方向の両側縁41a,41aそれぞれの内側の前記領域Pで、深い凹部5の間に点在しているか又は深い凹部5と重なっている。
下層吸収体42には、多数の浅い凹部6,6…が、前記領域Pから、ナプキン幅方向の外方に向って配されているため、上層吸収体41から下層吸収体42へ移動した体液は、多数の浅い凹部6,6…を伝わって、ナプキン幅方向の外方に向かって、下層吸収体42内を拡散するので、下層吸収体42の吸収性能が効率良く使用される。その結果、上層吸収体41から下層吸収体42へ体液が速やかに移動する良好な状態が維持される。
また、本実施形態においては、上層吸収体41の前後端縁それぞれの内側の前記領域Pでも、浅い凹部6が、深い凹部5の間に点在しており、また下層吸収体42には、多数の浅い凹部6,6…が、上層吸収体41の前後端部それぞれから、ナプキン長手方向の外方に向って配されているため、前述したのと同様に、上層吸収体41から下層吸収体42へ移動した体液は、多数の浅い凹部6,6…を伝わって、ナプキン長手方向の外方に向かって、下層吸収体42内を拡散する。
また、下層吸収体42は、上層吸収体41の全周縁部が載置されている領域Pが、多数の深い凹部5,5…及び浅い凹部6,6…が形成されて剛性が高められている。上層吸収体41は、その全周縁部が、剛性の高められた前記領域Pの上に接合されているため、上層吸収体41と下層吸収体42との一体性が特に高められている。
本実施形態のナプキン1の寸法等は、その具体的な用途に応じて、適宜設計されることが好ましい。また、上層吸収体41、下層吸収体42、深い凹部5及び浅い凹部6の寸法等も、ナプキン1の寸法及びその具体的な用途に応じて、適宜設計されることが好ましい。
例えば、ナプキン1を、経血の量が多い場合又は夜間等の長時間の使用に用いる場合には、ナプキン1は以下のように設計されることが好ましい。
ナプキン1の寸法は、長さが20〜50cm、特に27〜50cm、幅が5〜10cm、特に7〜10cmであることが好ましい。
上層吸収体41の寸法は、長さが5〜20cm、特に7〜17cm、幅が2〜5cm、特に2.5〜3.5cmであることが好ましい。また、上層吸収体41の坪量は、100〜1000g/m2、特に150〜600g/m2であることが好ましい。
下層吸収体42の寸法は、長さが15〜50cm、特に25〜45cm、幅が5〜10cm、特に7〜10cmであることが好ましい。また、下層吸収体42の坪量は、100〜600g/m2、特に150〜350g/m2であることが好ましい。
また、深い凹部5の径は、0.8〜4mm、特に1〜3mmであることが好ましい。深い凹部5同士間の距離(例えば、中心間の距離)は、ナプキン長手方向に2〜10mm、特に3〜7mm、ナプキン幅方向に2〜10mm、特に3〜7mmであることが好ましい。また、深い凹部5の深さは、吸収体4における上層吸収体41が積層されている部分の厚さに対して、2〜50%、特に10〜40%であることが好ましい。
浅い凹部6の径は、0.8〜4mm、特に1〜3mmであることが好ましい。また、浅い凹部6同士間の距離(例えば、中心間の距離)は、ナプキン長手方向に2〜10mm、特に3〜7mm、ナプキン幅方向に2〜10mm、特に3〜7mmであることが好ましい。また、浅い凹部6の深さは、下層吸収体42の厚さに対して、2〜50%、特に10〜40%であることが好ましい。
更に、吸収体4を平面視した場合、上層吸収体41における全周縁の内側において、浅い凹部6と、深い凹部5とが配されている領域Pの幅は、5〜15mm、特に7〜12mmであることが好ましい。
次に、本実施形態のナプキン1を形成する各材料について説明する。
まず、表面シート2の形成材料としては、液透過性のシートであれば特に制限されないが、例えば、図5(a)及び(b)に示すような、肌当接面側に突出した多数の凸部24を有する凹凸シートを用いることが好ましい。
本実施形態における凹凸シートからなる表面シート2は、肌当接面側の第1繊維層21と非肌当接面側の第2繊維層22とからなる。第1繊維層21と第2繊維層22とは、部分的に熱融着されて熱融着部23が凹部として形成されている。第1繊維層21は、熱融着部23以外の部位において、圧縮弾性を有する多数の凸部24を形成している。
前記凹凸シートは、繊維集合体からなる第1繊維層21及び第2繊維層22を、熱エンボスにより所定のパターンで部分的に熱融着させた後、第2繊維層22を水平方向に熱収縮させて得られる。詳述すると、熱エンボスによる熱融着は、例えば、多数のエンボスピンが規則的に配設されたエンボス面(エンボスロールの周面等)を、第1繊維層21と第2繊維層22との積層体における第1繊維層21側に圧接させ、各ピンに熱圧された部位における、第1繊維層21及び/又は第2繊維層22の構成繊維を溶融させて行われる。
第2繊維層22の熱収縮は、例えば、第2繊維層22を熱収縮性繊維から構成するか又は第2繊維層22中に熱収縮性繊維を含ませておき、第1繊維層21と第2繊維層22とを熱融着させると同時に又は両者を熱融着させた後に、第2繊維層22を加熱処理することにより行われる。多数の凸部24は、第2繊維層22を水平方向に熱収縮させることにより、第1繊維層21の熱融着部23以外の部位が凸形に変形して生じたものである。
多数の熱融着部23は、散点状且つ千鳥状に規則的に形成されていることが好ましい。熱融着部23同士間の距離はほぼ一定である。
各凸部24は、それぞれドーム状をなしており、その内部は第1繊維層21を構成する繊維で満たされている。また、各凸部24が形成された部分における第1繊維層21と第2繊維層22との界面は接合されていないが密着した状態とされている。
第1繊維層21の構成繊維は、実質的に熱収縮性を有しないものか、又は第2繊維層22の構成繊維の熱収縮温度以下で熱収縮しないものであることが好ましい。
第2繊維層22の構成繊維としては、熱可塑性ポリマー材料からなり且つ熱収縮性を有するものが好適である。また、該構成繊維は、収縮後にもエラストマー的挙動を示すものであることが好ましい。そのような繊維の例としては、潜在捲縮性繊維が挙げられる。第2繊維層22中の潜在捲縮性繊維の含有割合は40〜100重量%であることが好ましい。潜在捲縮性繊維は、加熱される前においては、従来の不織布用の繊維と同様に取り扱うことができ、且つ所定温度で加熱することによって螺旋状の捲縮が発現して収縮する性質を有する繊維である。潜在捲縮性繊維を用いることで、熱収縮性及びエラストマー的挙動の両者を同時に発現させることができる。
潜在捲縮性繊維は、例えば収縮率の異なる2種類の熱可塑性ポリマー材料を成分とする偏心芯鞘型又はサイド・バイ・サイド型の複合繊維からなる。その例としては、特開平9−296325号公報や特許第2759331号公報に記載のものが挙げられる。第2繊維層22は、例えば、このような潜在捲縮性繊維を含ませておき、第1繊維層21との熱融着と同時に又はその後に、加熱により該繊維の捲縮を発現させ、収縮させることができる。
また、本実施形態のナプキン1を構成する裏面シート3、上層吸収体41及び下層吸収体42の形成材料としては、従来の吸収性物品に用いられている材料を用いることができる。
前述した本実施形態のナプキン1によれば、肌当接面側から非肌当接面側への液の移動が速いため、ドライ感が優れている。また、下層吸収体42の吸収性能が効率的に使用されるため、特に、経血の量が多い場合又は夜用等の長時間の使用に用いる場合に好ましく用いられる。
本発明の吸収性物品は、前述した実施形態に制限されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更が可能である。
例えば、本発明の吸収性物品は、複数の上層吸収体を有していても良い。この場合、複数の該上層吸収体それぞれが、吸収性物品の厚み方向に積層されていても良く、また、複数の該上層吸収体それぞれが、吸収性物品の長手方向又は幅方向に配されていても良い。
また、本実施形態のナプキン1において、深い凹部5及び浅い凹部6それぞれは、吸収体4の非肌当接面側から形成されていたが、深い凹部5及び/又は浅い凹部6は、吸収体4の肌当接面側から形成されていても良い。また、本実施形態のナプキン1において、吸収体4は、上層吸収体41が下層吸収体42の上に積層された状態で、台紙9に包まれていたが、ナプキン1の加工性の観点からは、上層吸収体41と下層吸収体42との間に台紙が挿入されかつ全体を台紙で包まれた形態や、上層吸収体41及び下層吸収体42それぞれが、台紙により包まれた形態であっても良い。
更に、本実施形態のナプキン1は、排泄部対向部Bに一対のウイング部を有していても良い。また、ナプキン1は、肌当接面側におけるナプキン長手方向の両側部に一対のサイド防漏部を有していてもよい。また、ナプキン1は、後方部Bに一対のバックフラップ部を有していて良い。
更にまた、本発明の吸収性物品は、生理用ナプキンであっても良いが、パンティライナー又は失禁パッド等であっても良い。
図1は、本発明の吸収性物品としての生理用ナプキンの一実施形態を示す平面図である。 図2は、図1の生理用ナプキンのX−X線拡大断面図である。 図3は、図2の生理用ナプキンにおける吸収体の非肌当接面側の要部を示す拡大平面図である。 図4は、図3のY−Y線拡大断面図である。 図5(a)及び(b)は、図1の生理用ナプキンの表面シートの一部を拡大して示しており、(a)は縦断面斜視図であり、(b)は(a)に示すZ−Z線拡大断面図である。
符号の説明
1 生理用ナプキン(吸収性物品)
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収体
41 上層吸収体
41a 側縁
42 下層吸収体
5 深い凹部
6 浅い凹部
8 複合凹部
81 段差部
9 台紙
A 前方部
B 排泄部対向部
C 後方部

Claims (3)

  1. 表面シート、裏面シート及び両シート間に介在された吸収体を具備した吸収性物品において、
    前記吸収体は、一又は複数の上層吸収体が下層吸収体の上に積層されて形成されており、
    一又は複数の前記上層吸収体は、多数の深い凹部により前記下層吸収体と接合一体化されており、
    前記下層吸収体には、多数の浅い凹部が形成されており、該浅い凹部は、平面視において前記上層吸収体の周縁の内側の領域にも形成されており、
    前記浅い凹部が形成されている領域と前記深い凹部が形成されている領域とが重なって形成されており、
    前記深い凹部及び前記浅い凹部それぞれは、前記吸収体の非肌当接面側から形成されており、
    前記深い凹部と、前記上層吸収体の周縁の内側に形成された前記浅い凹部とが重なり合った複合凹部も形成されている吸収性物品。
  2. 前記複合凹部には段差部が形成されている請求項記載の吸収性物品。
  3. 縦長の前記上層吸収体を一つ有しており、該上層吸収体が、前記下層吸収体の中央部に積層されており、該上層吸収体における全周縁の内側に、前記浅い凹部が形成されている領域と前記深い凹部が形成されている領域とが重なって形成されている請求項1又は2記載の吸収性物品。
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