第1の実施の形態
以下、本発明に係る棒金管理装置第1の実施の形態について、図面を参照して説明する。ここで、図1乃至図8は本発明の第1の実施の形態を示す図である。
図1(a)に示すように、棒金管理装置は、硬貨に関する処理を行う硬貨釣銭機65と、紙幣に関する処理を行う紙幣釣銭機60と、これら硬貨釣銭機65および紙幣釣銭機60に指示を出すPOSレジスタ(制御装置)50と、を備えている。また、棒金管理装置は、扁平形状からなる複数個(本実施の形態では4つ)の筐体11と、当該筐体11に対して出し入れ自在に設けられ、扁平形状からなり、棒金を収納することができる複数個(本実施の形態では4つ)の棒金ドロア10と、棒金ドロア10の各々に対応させて設けられ、当該棒金ドロア10を制御する制御部15(図2参照)と、筐体11を支持する支持部13を有するとともに当該筐体11を収納する外部筐体12も備えている。なお、筐体11は、一つの棒金ドロア10を出し入れ自在に収納するとともに、各棒金ドロア10に対応する一つの制御部15を収納している。
また、外部筐体12は、フロアに固定されて移動することができない構造になっており、外部筐体12の前面は、図1(b)に示すように、シャッター17などのカバー部によって覆われるように構成されている。このため、店舗が閉まっている間に、棒金ドロア10が外部筐体12から取り外されて盗まれたり、外部筐体ごと持ち運ばれて盗まれたりすることを防止することができる。
また、図1(a)に示すように、筐体11の各々は互いに同じ扁平形状からなり、同様に、棒金ドロア10の各々は互いに同じ形状からなっている。また、筐体11が外部筐体12の支持部13に載置されることによって、棒金ドロア10の各々は他の棒金ドロア10上に配置されることとなる。
ところで、本実施の形態では以下、棒金管理装置が4つの棒金ドロア10を備えた態様を用いて説明するが、これに限られることはなく、任意の数からなることができる。また、本実施の形態では、筐体11が一つの棒金ドロア10を出し入れ自在に収納するように構成されているが、これに限られることはなく、筐体11が二つ以上の棒金ドロア10を出し入れ自在に収納するように構成されてもよい。
図2に示すように、制御部15の各々は、互いに直列に接続されて送受信可能となっている。そして、制御部15の各々は、互いに同一の制御プログラムに従って駆動されるように構成されている。
また、本実施の形態のPOSレジスタ50は、棒金ドロア10に対応する制御部15のうちの最も上位に接続された制御部15aに、各棒金ドロア10の在高情報に基づかない処理情報を送信するように構成されている。より具体的には、POSレジスタ50は、出金されるべき金種別本数からなる出金要求情報を処理情報として棒金ドロア10に対応する制御部15のうち最も上位に接続された制御部15aに送信するように構成されている。
また、棒金ドロア10に対応する制御部15の各々は、対応する棒金ドロア10の金種別本数からなる在高情報を、POSレジスタ50または上位の制御部15から送信された金種別本数からなる出金要求情報から差し引くことによって、出金されるべき残りの金種別本数からなる出金要求情報を算出するともに、当該出金されるべき残りの金種別本数からなる出金要求情報を下位の制御部15に送信することができるように構成されている。
各制御部15における駆動態様をより具体的に説明すると、最も上位の制御部15aは、対応する棒金ドロア10の金種別本数からなる在高情報を、POSレジスタ50から送信された金種別本数からなる出金要求情報から差し引くことによって、出金されるべき残りの金種別本数からなる出金要求情報を算出するともに、当該出金されるべき残りの金種別本数からなる出金要求情報を下位の制御部15bに送信することとなる。
また、最も上位ではない制御部15b,15c,15d(残り3つの制御部15b,15c,15d)は、対応する棒金ドロア10の金種別本数からなる在高情報を、上位の制御部15から送信された金種別本数からなる出金要求情報から差し引くことによって、出金されるべき残りの金種別本数からなる出金要求情報を算出するともに、当該出金されるべき残りの金種別本数からなる出金要求情報を下位の制御部15c,15dに送信することとなる。
なお、制御部15の各々は、上位の制御部15またはPOSレジスタ50からデータを受信した場合には、データを受信した旨を返信するように構成されている。また、制御部15の各々は、下位の制御部15にデータを送信した場合において、(例えば、当該制御部15の下位に制御部15が接続されていない場合であって)所定の時間が経過してもデータを受信した旨の返信が帰ってこない場合には、通信タイムアップとして、出金処理の際には異常終了した旨を上位の制御部15またはPOSレジスタ50に送信し(図4参照)、他方、情報吸い上げ処理の際には正常終了した旨を上位の制御部15またはPOSレジスタ50に送信する(図6参照)ように構成されている。
また、制御部15の各々は、当該棒金ドロア10の金種別本数からなる在高情報を、POSレジスタ50または上位の制御部15から送信された金種別本数からなる出金要求情報から差し引くことによって、出金されるべき残りの金種別本数が0(各金種について0)となった場合には、その旨を上位の制御部15またはPOSレジスタ50に送信するように構成されている。
また、図2に示すように、筐体11内には、棒金ドロア10の各々に対応させて当該棒金ドロア10内の金種別本数を認識するために設けられ、光を照射する投光部と投光部から照射された光を受光する受光部とを有する認識センサ22が設けられている。また、棒金ドロア10には、認識センサ22の投光部から照射される光が透過するためのスリット21が設けられている。
また、図3に示すように、筐体11内には、当該棒金ドロア10を筐体11に対してロックするためのロック部30が設けられている。なお、ロック部30の構成は、特開2006−285472号に記載されている構成と略同一であり、図3に示すように、回動軸32を中心として回動可能となり、当接部分31aを有するロックアーム31と、このロックアーム31に連結され、ロックアーム31を回動軸32を中心に回動させる駆動装置39と、ロックアーム31の当接部分31aに当接可能なロック板35と、を有している。また、ロックアーム31のうち回動軸32が設けられた箇所の上方には、筐体に固定されたバネ33が設けられており、ロックアーム31に付勢力を付与している。具体的構造は、特開2006−285472号と略同一であるため、ここでは省略する。
また、棒金ドロア10と筐体11との間には、制御部15に接続されたロータリエンコーダ(変位検出手段)(図示せず)が設けられており、棒金ドロア10の筐体11に対する位置を検出することができるようになっている。そして、ロータリエンコーダと認識センサ22とが協働することによって、棒金の直径を検出して金種の判定を行い、棒金ドロア10内の金種別本数を認識するようになっている。具体的構造は、前述の特開2006−285472号と略同一であるため、ここでは省略する。
そして、棒金ドロア10のロックが解除され、棒金ドロア10が引き出された後、棒金ドロア10が押し込まれて閉じられるときに、制御部15は、認識センサ22とロータリエンコーダからの情報に基づいて、棒金ドロア10から取り出された棒金の金種別本数を判別し、棒金ドロアから取り出された棒金の金種別本数が、対象となっている棒金ドロア10から出金すべき棒金の金種別本数に合致した場合にのみ、ロック部30によって棒金ドロア10を筐体11に対してロックさせるように構成されている(取り出された棒金の金種別本数が、出金すべき金種別本数よりも多くても少なくても、棒金ドロア10を筐体11に対してロックさせないように構成されている)。
また、POSレジスタ50は、処理情報として金種別の在高情報を集計するよう在高集計要求指示を棒金ドロア10のうち最も上位の制御部15aに送信することができるようにも構成されている。そして、制御部15の各々は、POSレジスタ50または上位の制御部15から送信された在高集計要求指示に基づいて、当該棒金ドロア10の金種別の在高情報を出力し、かつ、下位の制御部15に在高集計要求指示を送信することができるように構成されている。
なお、本実施の形態では、最も上位の制御部15aに対応する棒金ドロア10aが外部筐体12内で最も上方に位置し、最も上位の制御部15aの次(2番目)の制御部15bに対応する棒金ドロア10bが外部筐体12内で上から2番目に位置し、2番目の制御部15bの次(3番目)の制御部15cに対応する棒金ドロア10cが外部筐体12内で上から3番目に位置し、3番目の制御部15cの次(4番目)の制御部15dに対応する棒金ドロア10dが外部筐体12内で上から4番目に位置する態様を用いて説明するが、これに限られることはなく、制御部15の上位および下位の関係と、棒金ドロア10の位置関係を無関係に変更することができる。
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について述べる。
構造上の利点
まず、本実施の形態の棒金管理装置による構造上の利点について説明する。
本実施の形態では、図1(a)に示すように、棒金ドロア10の各々が互いに同じ形状からなるとともに、当該棒金ドロア10を収納する筐体11の各々が互いに同じ形状からなり、かつ、筐体11を支持する支持部13を有する外部筐体12が設けられている。このため、支持部13上に任意の数の棒金ドロア10を収納した筐体11を載置するだけで、任意の数の棒金ドロア10を利用することができることとなる。
この結果、使用者の使用態様(例えば使用店舗での使用態様)に応じて棒金ドロア10の数を任意に適宜調整することができ、例えば、棒金をあまり使用しない使用店舗においては外部筐体12内に載置する棒金ドロア10の量を少なくし、他方、棒金を大量に使用する使用店舗においては外部筐体12内に載置する棒金ドロア10の量を多くすることができる。
なお、棒金ドロア10の各々が互いに同じ形状からなるとともに、当該棒金ドロア10を収納する筐体11の各々が互いに同じ形状からなっているので、外部筐体12の支持部13間の間隔を調整したりすることなく、任意の数の棒金ドロア10と筐体11を外部筐体12の支持部13上に載置することができる。また、棒金ドロア10を収納した筐体11を上下方向に積み上げることができるので、筐体11や棒金ドロア10を載置するために必要な床面積を小さくすることができる。
出金時の利用態様(出金処理)
次に、本実施の形態の棒金管理装置における出金時の利用態様について説明する。
[出金されるべき棒金の金種別本数>収納されている棒金の金種別本数の総数の場合]
最初に、出金されるべき棒金の金種別本数が、棒金ドロア10に収納されている棒金の金種別本数の総数よりも多い場合について、図4を用いて説明する。
より具体的に説明するために、出金されるべき棒金の金種別本数が100円棒金が5本、10円棒金が10本であり、最も上位の制御部15aに対応する棒金ドロア10aに収納されている100円棒金が2本、10円棒金が2本であり、2番目の制御部15bに対応する棒金ドロア10bに収納されている100円棒金が1本、10円棒金が2本であり、3番目の制御部15cに対応する棒金ドロア10cに収納されている100円棒金が1本、10円棒金が3本であり、4番目の制御部15dに対応する棒金ドロア10dに収納されている100円棒金が0本、10円棒金が2本である態様を用いて説明する。
まず、POSレジスタ50から、出金されるべき金種別本数からなる出金要求情報(100円棒金:5本、10円棒金:10本)が、処理情報として、棒金ドロア10に対応する制御部15のうち最も上位に接続された制御部15aに送信される(図4参照)。
次に、最も上位の制御部15aによって、POSレジスタ50から送信された金種別本数からなる出金要求情報(100円棒金:5本、10円棒金:10本)から対応する棒金ドロア10の金種別本数からなる在高情報(100円棒金:2本、10円棒金:2本)が差し引かれることによって、出金されるべき残りの金種別本数からなる出金要求情報(100円棒金:3本、10円棒金:8本)が算出される。このとき最も上位の制御部15aは、自身が出金すべき金種別本数(100円棒金:2本、10円棒金:2本)を記憶する。その後、最も上位の制御部15aによって、出金されるべき残りの金種別本数からなる出金要求情報(100円棒金:3本、10円棒金:8本)が下位(2番目)の制御部15bに送信される(図4参照)。
次に、2番目の制御部15bによって、最も上位の制御部15aから送信された金種別本数からなる出金要求情報(100円棒金:3本、10円棒金:8本)から対応する棒金ドロア10の金種別本数からなる在高情報(100円棒金:1本、10円棒金:2本)が差し引かれることによって、出金されるべき残りの金種別本数からなる出金要求情報(100円棒金:2本、10円棒金:6本)が算出される。このとき2番目の制御部15bは、自身が出金すべき金種別本数(100円棒金:1本、10円棒金:2本)を記憶する。その後、2番目の制御部15bによって、出金されるべき残りの金種別本数からなる出金要求情報(100円棒金:2本、10円棒金:6本)が3番目の制御部15cに送信される(図4参照)。
次に、3番目の制御部15cによって、2番目の制御部15bから送信された金種別本数からなる出金要求情報(100円棒金:2本、10円棒金:6本)から対応する棒金ドロア10の金種別本数からなる在高情報(100円棒金:1本、10円棒金:3本)が差し引かれることによって、出金されるべき残りの金種別本数からなる出金要求情報(100円棒金:1本、10円棒金:3本)が算出される。このとき3番目の制御部15cは、自身が出金すべき金種別本数(100円棒金:1本、10円棒金:3本)を記憶する。その後、3番目の制御部15cによって、出金されるべき残りの金種別本数からなる出金要求情報(100円棒金:1本、10円棒金:3本)が4番目の制御部15dに送信される(図4参照)。
次に、4番目の制御部15dによって、3番目の制御部15cから送信された金種別本数からなる出金要求情報(100円棒金:1本、10円棒金:3本)から対応する棒金ドロア10の金種別本数からなる在高情報(100円棒金:0本、10円棒金:2本)が差し引かれることによって、出金されるべき残りの金種別本数からなる出金要求情報(100円棒金:1本、10円棒金:1本)が算出される。このとき4番目の制御部15dは、自身が出金すべき金種別本数(100円棒金:0本、10円棒金:2本)を記憶する。そして、4番目の制御部15dによって、出金されるべき残りの金種別本数からなる出金要求情報(100円棒金:1本、10円棒金:1本)が下位の制御部に送信されることとなるが、当該制御部15dの下位には制御部が接続されていないので、所定の時間が経過してもデータを受信した旨の返信が帰ってこない。このため、4番目の制御部15dは、通信タイムアップとして、異常終了した旨を上位(3番目)の制御部15cに送信することとなる(図4参照)。
そして、3番目の制御部15cが異常終了した旨を4番目の制御部15dから受け取ると、当該3番目の制御部15cによって異常終了した旨が上位(2番目)の制御部15bに送信される(図4参照)。同様に、2番目の制御部15bが異常終了した旨を3番目の制御部15cから受け取ると、当該2番目の制御部15bによって異常終了した旨が上位(最も上位)の制御部15aに送信される(図4参照)。そして、最も上位の制御部15aが異常終了した旨を2番目の制御部15bから受け取ると、当該最も上位の制御部15aによって異常終了した旨がPOSレジスタ50に送信される(図4参照)。そして、POSレジスタ50によって、異常終了した旨が、操作者に報知されることとなる。
[出金されるべき棒金の金種別本数≦収納されている棒金の金種別本数の総数の場合]
次に、出金されるべき棒金の金種別本数が、棒金ドロア10に収納されている棒金の金種別本数の総数以下である場合について、図5を用いて説明する。
なお、この場合には、制御部15によって、対応する棒金ドロア10の金種別本数からなる在高情報を、POSレジスタ50または上位の制御部15から送信された金種別本数からなる出金要求情報から差し引くことによって、出金されるべき残りの金種別本数が0(各金種について0)となった場合に、正常終了した旨が上位の制御部15またはPOSレジスタ50に送信されること以外は、上述した「出金されるべき棒金の金種別本数>収納されている棒金の金種別本数の総数」と同様である。
より具体的に説明するために、出金されるべき棒金の金種別本数が100円棒金が3本、10円棒金が5本であり、最も上位の制御部15aに対応する棒金ドロア10aに収納されている100円棒金が2本、10円棒金が2本であり、2番目の制御部15bに対応する棒金ドロア10bに収納されている100円棒金が1本、10円棒金が2本であり、制御部15に対応する棒金ドロア10に収納されている100円棒金が3本、10円棒金が5本である態様を用いて説明する。
まず、POSレジスタ50から、出金されるべき金種別本数からなる出金要求情報(100円棒金:3本、10円棒金:5本)が、処理情報として、棒金ドロア10に対応する制御部15のうち最も上位に接続された制御部15aに送信される(図5参照)。
次に、最も上位の制御部15aによって、POSレジスタ50から送信された金種別本数からなる出金要求情報(100円棒金:3本、10円棒金:5本)から対応する棒金ドロア10の金種別本数からなる在高情報(100円棒金:2本、10円棒金:2本)が差し引かれることによって、出金されるべき残りの金種別本数からなる出金要求情報(100円棒金:1本、10円棒金:3本)が算出される。このとき最も上位の制御部15aは、自身が出金すべき金種別本数(100円棒金:2本、10円棒金:2本)を記憶する。その後、最も上位の制御部15aによって、出金されるべき残りの金種別本数からなる出金要求情報(100円棒金:1本、10円棒金:3本)が下位(2番目)の制御部15bに送信される(図5参照)。
次に、2番目の制御部15bによって、最も上位の制御部15aから送信された金種別本数からなる出金要求情報(100円棒金:1本、10円棒金:3本)から対応する棒金ドロア10の金種別本数からなる在高情報(100円棒金:1本、10円棒金:2本)が差し引かれることによって、出金されるべき残りの金種別本数からなる出金要求情報(100円棒金:0本、10円棒金:1本)が算出される。このとき2番目の制御部15bは、自身が出金すべき金種別本数(100円棒金:1本、10円棒金:2本)を記憶する。その後、2番目の制御部15bによって、出金されるべき残りの金種別本数からなる出金要求情報(100円棒金:0本、10円棒金:1本)が下位の制御部15に送信される(図5参照)。
次に、3番目の制御部15cによって、2番目の制御部15bから送信された金種別本数からなる出金要求情報(100円棒金:0本、10円棒金:1本)から対応する棒金ドロア10の金種別本数からなる在高情報(100円棒金:3本、10円棒金:5本)が差し引かれる(超える分はマイナスとならずに0となる)ことによって、出金されるべき残りの金種別本数からなる出金要求情報(100円棒金:0本、10円棒金:0本)が算出される。このとき3番目の制御部15cは、自身が出金すべき金種別本数(100円棒金:0本、10円棒金:1本)を記憶する。
ここで、3番目の制御部15cによって、出金されるべき残りの金種別本数が0(100円棒金:0本、10円棒金:0本)と算出されているので、当該制御部15cによって正常終了したことが判断されるとともに、正常終了した旨が上位(2番目)の制御部15bに送信される(図5参照)。ここで、3番目の制御部15cは、出金されるべき残りの金種別本数を(100円棒金:−3本、10円棒金:−4本)と算出し、両棒金とも0以下となったことをもって、正常終了したと判断してもよい。
そして、2番目の制御部15bが正常終了した旨を3番目の制御部15cから受け取ると、当該2番目の制御部15bによって正常終了したと判断され、かつ、正常終了した旨が上位(最も上位)の制御部15aに送信される(図5参照)。そして、最も上位の制御部15aが正常終了した旨を2番目の制御部15bから受け取ると、当該最も上位の制御部15aによって正常終了したと判断され、かつ、正常終了した旨がPOSレジスタ50に送信される(図5参照)。そして、POSレジスタ50によって、正常終了した旨が、操作者に報知されることとなる。
上述のように、正常終了したことが制御部15によって判断されると、各制御部15によって対応するロック部30がロック状態から解除状態へと変えられる。そして、棒金ドロア10から棒金が取り出されることとなるが、このとき、各制御部15によって、認識センサ22とロータリエンコーダからの情報に基づいて、棒金ドロア10から取り出された棒金の金種別本数が判別される。そして、棒金ドロア10から取り出された棒金の金種別本数が、当該棒金ドロア10の各制御部15が記憶している出金すべき金種別本数に合致した場合にのみ、ロック部30によって棒金ドロア10が筐体11に対してロックされることとなる。
上述した例を取って説明すると、最も上位の制御部15aに対応する棒金ドロア10aに収納されている2本の100円棒金と2本の10円棒金が取り出されると、ロック部30によって当該棒金ドロア10aが筐体11aに対してロックされる。また、2番目の制御部15bに対応する棒金ドロア10bに収納されている1本の100円棒金と2本の10円棒金が取り出されると、ロック部30によって当該棒金ドロア10bが筐体11bに対してロックされる。また、3番目の制御部15cに対応する棒金ドロア10cに収納されている1本の10円棒金が取り出されると、ロック部30によって当該棒金ドロア10cが筐体11cに対してロックされる。
このため、各棒金ドロア10から指示された金種と本数からなる棒金を確実に出金することができ、棒金を出金する作業の正確性を向上させることができる。なお、このような処理を行うためには、上述した処理(図5参照)に合わせた運用をおこなう必要がある。即ち、操作者は、ロックが解除された棒金ドロア10の内、上位の棒金ドロア10から優先的に棒金を取り出すよう運用する必要がある。このような運用がなされる限りにおいて、上述したような、各棒金ドロア10から出金すべき棒金の金種別本数と、実際に出金された金種別本数とを比較し、合致した場合のみ棒金ドロア10のロックを可能とする制御が、十分な効果を発揮する。
ところで、上述のように本実施の形態では、各棒金ドロア10の在高情報に基づかない処理情報をPOSレジスタ50から送信し、各棒金ドロア10から棒金を出金させることができる。このため、POSレジスタ50が各棒金ドロア10の在高情報を把握していない場合であっても、必要な棒金ドロア10に対応するロック部30のみを解除状態とすることができ、棒金を出金する作業効率を向上させることができる。
情報吸い上げ時の利用態様(情報吸い上げ処理)
次に、本実施の形態の棒金管理装置において、各棒金ドロア10内に収納されている棒金の金種別本数に関する情報を吸い上げるときの利用態様について、図6を用いて説明する。
まず、POSレジスタ50から、金種別の在高情報を集計するよう在高集計要求指示が、処理情報として、棒金ドロア10に対応する制御部15のうち最も上位に接続された制御部15aに送信される(図6参照)。
次に、最も上位の制御部15aによって、POSレジスタ50から送信された在高集計要求指示に基づいて、当該棒金ドロア10aの金種別の在高情報と共に、下位(2番目)の制御部15bに在高集計要求指示が送信される(図6参照)。
次に、2番目の制御部15bによって、最も上位の制御部15aから送信された在高情報と在高集計要求指示に基づいて、当該在高情報に棒金ドロア10bの金種別の在高情報を加算した在高情報と共に、下位(3番目)の制御部15cに在高集計要求指示が送信される(図6参照)。
次に、3番目の制御部15cによって、2番目の制御部15bから送信された在高情報と在高集計要求指示に基づいて、当該在高情報に棒金ドロア10cの金種別の在高情報を加算した在高情報と共に、下位(3番目)の制御部15cに在高集計要求指示が送信される(図6参照)。
次に、4番目の制御部15dによって、3番目の制御部15cから送信された在高情報と在高集計要求指示に基づいて、当該在高情報に棒金ドロア10dの金種別の在高情報を加算した在高情報と共に、下位の制御部に在高集計要求指示が送信される(図6参照)。ここで、4番目の制御部15dの下位には制御部が接続されていないので、所定の時間が経過してもデータを受信した旨の返信が帰ってこない。このため、4番目の制御部15dは、通信タイムアップとして、正常終了した旨と合計した在高情報を上位(3番目)の制御部15cに送信することとなる。
そして、3番目の制御部15cが正常終了した旨と在高情報を4番目の制御部15dから受け取ると、当該3番目の制御部15cによって正常終了した旨と在高情報が上位(2番目)の制御部15bに送信される(図6参照)。同様に、2番目の制御部15bが正常終了した旨と在高情報を3番目の制御部15cから受け取ると、当該2番目の制御部15bによって正常終了した旨と在高情報が上位(最も上位)の制御部15aに送信される(図6参照)。そして、最も上位の制御部15aが正常終了した旨と在高情報を2番目の制御部15bから受け取ると、当該最も上位の制御部15aによって正常終了した旨と在高情報がPOSレジスタ50に送信される。
そして、POSレジスタ50によって、全棒金ドロア10の合計の金種別の在高情報と、正常終了した旨が、操作者に報知されることとなる。このため本実施の形態によれば、POSレジスタ50で、各棒金ドロア10内に収納されている金種別棒金の合計本数を正確に把握することができる。
なお、各棒金ドロア10から出力される金種別の棒金数の合計である金種別の在高情報は、上述したように在高集計要求指示とともに上位から下位に伝達されてもよいし、図6に示すように、正常終了した旨とともに下位から上位に伝達されてもよい。
ところで本実施の形態では、上述のように、各制御部15が同一の制御プログラムに従って駆動されるように構成されている。このため、各制御部15に異なる制御プログラムをインストールすることなく、低コストで、任意の数の棒金ドロア10を利用することができる。また、制御装置としてのPOSレジスタ50は、管理する棒金ドロア10の台数(または、接続される制御部15の台数)を把握する必要はなく、各棒金ドロア10(または制御部15)を区別するためのアドレスを割り当てる必要もない。このため、制御装置としてのPOSレジスタ50に、棒金ドロア10の台数やアドレスを設定する必要がなく、棒金ドロア10の台数を増減するときは、物理的な信号線の接続のみを行えばよく、プログラムの更新や新たな設定などは必要ない。この結果、使用者の使用態様(例えば使用店舗での使用態様)に応じて棒金ドロア10の数を任意に適宜調整することができる。
なお、上記では、筐体11を支持する支持部13を有するとともに当該筐体11を収納する外部筐体12を用いて説明し、当該外部筐体12内に筐体11が載置されることによって、棒金ドロア10の各々が他の棒金ドロア10上に配置される態様を用いて説明した。
しかしながら、これに限られることはなく、例えば、筐体11の各々が、共通の連結部を有し、他の筐体11上に連結されて配置可能となっている態様であってもよい。より具体的には、例えば図7(a)に示すように、筐体11の各々が、上面に設けられた上方凸部18aと、下面に設けられた下方凹部19aとを有し、一の筐体11の上方凸部18aと、他の棒金筐体11の下方凹部19aとが嵌合可能となっていてもよいし、例えば図7(b)に示すように、筐体11の各々が、上面に設けられた上方凹部18bと、下面に設けられた下方凸部19bとを有し、一の筐体11の上方凹部18bと、他の棒金筐体11の下方凸部19bとが嵌合可能となっていてもよい。また、例えば、筐体11の各々が、互いにネジ止めされてもよいし、互いに固定用金具で連結されてもよい。
また、棒金ドロア10を収納する筐体11が設けられず、例えば図8に示すように、任意の複数個の棒金ドロア10を引き出し可能に支持する支持部13’を有する外部筐体12のみが設けられてもよい。この場合には、各棒金ドロア10に対応する制御部15、認識センサ22、ロータリエンコーダなどは、外部筐体12に取り付けられることとなる。なお、外部筐体12は、上述したように、シャッター17などのカバー部によって覆われるように構成されてもよい。
第2の実施の形態
次に、図9乃至図11により、本発明の第2の実施の形態について説明する。第1の実施の形態は、POSレジスタ(制御装置)50が、棒金ドロア10に対応する制御部15のうちの最も上位に接続された制御部15aに、各棒金ドロア10の在高情報に基づかない処理情報を送信するものであったが、第2の実施の形態は、POSレジスタ(制御装置)50が、棒金ドロア10に対応する制御部15のうち最も上位に接続された制御部15aに、各棒金ドロア10の在高情報に基づいた処理情報を送信するものである。
まず、処理情報のデータ構造について説明する。
本実施の形態において、POSレジスタ50から送信される処理情報は、図9に示すように、1つまたは複数のブロック90Bからなり、各ブロック90Bが出金することを指示する出金肯定情報(図9では“1”で示している)または出金しないことを指示する出金否定情報(図9では“0”で示している)からなる作動可否情報である出金可否情報91を格納するヘッダ部90と、1つまたは複数のブロック92Bからなり、出金肯定情報“1”に対応して設定され、対応する棒金ドロア10から所定の金種別本数の棒金の出金を命じるコマンドとしての個別出金要求情報95を格納するコマンド部92とを有している。
制御部15の各々は、ヘッダ部90の所定の位置(本実施の形態では矢印A1)のブロック90Bに格納される出金可否情報91を参照して、その処理情報が、自身宛の処理か否かを判断する。参照した出金可否情報91が作動可(たとえば“1”)の場合は、コマンド部92の処理を実行し、参照した出金可否情報91が作動不可(たとえば“0”)の場合は、何もしない。
各制御部15は、ヘッダ部90の所定の位置A1の出金可否情報91を参照した後に、所定のルールに従って、出金可否情報91の格納場所を変更する。具体的には、次に処理情報を送信する制御部15に対応する出金可否情報91を所定の位置A1のブロック90Bに移し替える。
なお、制御装置であるPOSレジスタ50は、前記所定のルールに従って出金可否情報91の格納場所を変更したときに、所定の位置A1のブロック90Bに、制御部15の接続順に従って、対応する出金可否情報91が格納されるようにヘッダ部91を作成する。
本実施の形態では、前記所定の位置A1はヘッダ部90の右端のブロック90Bを、前記所定のルールは右シフトを採用している。これにより、制御装置であるPOSレジスタ50は、上位の制御部15に対応する出金可否情報91をヘッダ部90の右側に、下位の制御部15に対応する出金可否情報91をヘッダ部90の左側に格納する。各制御部15は、ヘッダ部90の右端のブロック90Bの出金可否情報91を参照し、各ブロック90Bの出金可否情報91を右側のブロック90Bに移動(全体を右シフト)し、次位の制御部15に処理情報を送信する。右シフトにより空となった左端のブロック90Bには、作動不可(たとえば“0”)情報を格納する。なお、所定のルールに従った出金可否情報91の格納場所の変更は、ヘッダ部90の所定の位置A1の出金可否情報91を参照する前におこなっても良い。この場合、制御装置であるPOSレジスタ50が最初に作成する処理情報は、ヘッダ部90の右端のブロック90Bにダミー情報が格納される。
また、制御部15の各々は、ヘッダ部90の所定の位置A1のブロック90Bの出金可否情報91を読み出し、かつ、出金可否情報91を読み出す前または出金可否情報91を読み出した後において該ブロック90Bをシフトさせることができるように構成されている。また、制御部15の各々は、読み出した出金可否情報91が出金肯定情報“1”からなる場合に、コマンド部92の所定の位置A2のブロック92Bのコマンドである個別出金要求情報95を、当該出金肯定情報“1”に対応する個別出金要求情報95として読み出して記憶し、かつ、当該個別出金要求情報95を消去してシフトさせることができるように構成されている。より具体的には、以下に示すように構成されている。
各制御部15はコマンド部92の個別出金要求情報95を参照し処理を実行する。コマンド部92の各ブロック92Bには、ヘッダ部90内の出金可否情報91の内、作動可(“1”)とされる情報に対応した処理が格納される。即ち、コマンド部92には、ヘッダ部90内の作動可(“1”)の情報と同じ数だけ、個別出金要求情報95が格納される。制御部15は、参照したヘッダ部91が作動可(“1”)の場合、コマンド部92の所定の位置(本実施の形態では矢印A2)のブロック92Bに格納されるコマンドである個別出金要求情報95を参照して処理を実行する。参照後、所定のルールに従って、個別出金要求情報95の格納場所を変更する。具体的には、次に所定の位置A1のブロック92Bに格納される作動可(“1”)情報に対応する個別出金要求情報95を、所定の位置A2のブロック92Bに移し替える。
本実施の形態では、コマンド部92の左端のブロック92Bを所定の位置A2とし、前記所定のルールは、ブロック92Bごと左シフトするものとする。これにより、制御装置であるPOSレジスタ50は、ヘッダ部91が作動可(“1”)とされた制御部15の内、最も上位の制御部15に対する個別出金要求情報95を、コマンド部92の左端のブロック92Bに格納し、次位の制御部15に対する個別出金要求情報95を、その右隣のブロック92Bに格納する。各制御部15は、コマンド部92の左端のブロック90Bの個別出金要求情報95を参照して実行した場合は、各個別出金要求情報95を左側のブロック90Bに移動(全体をブロック単位で左シフト)し、次位の制御部15に処理情報を送信する。
また、一つの処理情報で、作動可となるヘッダ部91に対応するコマンドがすべて同じ(共通コマンド)である場合には(図10参照)、コマンド部92に格納するコマンドを1つのみにすることができる。本実施の形態における共通コマンドの例として、ロック解除命令96がある。各制御部15は、ヘッダ部91を参照して作動可であったとき、コマンド部92のコマンドを実行する。このとき、このコマンドが共通コマンドであった場合は、上述のようなコマンド部92の格納場所変更作業(ブロック単位の左シフト)を実行する必要はない。
また、制御部15の各々は、ヘッダ部90から出金肯定情報“1”が消去されて無くなったことを認識すると正常終了したと判断し、かつ、正常終了した旨を上位の制御部15またはPOSレジスタ50に送信するように構成されている(図9参照)。
図9乃至図11に示す第2の実施の形態において、上述した以外の構成は図1乃至図8に示す第1の実施の形態と略同一である。なお、図9乃至図11に示す第2の実施の形態において、図1乃至図8に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
以下、本実施の形態の棒金管理装置における出金時の利用態様(出金処理)について説明する。
具体的に説明するために、最も上位の制御部15aに対応する棒金ドロア10aから3本の100円棒金を取り出し、3番目の制御部15cに対応する棒金ドロア10cから5本の10円棒金を取り出す態様を用いて説明する。なお、POSレジスタ50は、後述する各棒金ドロア10内に収納されている棒金の金種別本数に関する情報を吸い上げることによって、各棒金ドロア10内に収納されている棒金の金種別棒本数に関する情報(在高情報)を把握している。そして、POSレジスタ50は、当該情報に基づいて各棒金ドロア10から取り出す棒金の金種別棒本数を決定するように構成されている。
まず、POSレジスタ50によって、ヘッダ部90とコマンド部92とを有する処理情報が、棒金ドロア10に対応する制御部15のうち最も上位に接続された制御部15aに送信される(図9参照)。
次に、最も上位の制御部15aによって、ヘッダ部90の所定の位置(図9において矢印A1で示した位置)のブロック90Bの出金可否情報91が読み出され、かつ、出金可否情報91が読み出された後において当該ブロック90Bが図9の右側へシフトされて消去される。このとき、読み出した出金可否情報91が出金肯定情報“1”からなっているので、最も上位の制御部15aによって、コマンド部92の所定の位置(図9において矢印A2で示した位置)のコマンドである個別出金要求情報95(100円:3本)が読み出されて記憶され、かつ、当該個別出金要求情報95が図9の左側へシフトされて消去される。
次に、最も上位の制御部15aによって、ブロック90Bがシフトされた後のヘッダ部90がチェックされる。本実施の形態では、未だヘッダ部90内に出金肯定情報“1”が含まれているので、ヘッダ部90と、(読み出された個別出金要求情報95が消去された後の)残りの個別出金要求情報95を含むコマンド部92とを有する処理情報が、2番目の制御部15bに送信される(図9参照)。
次に、2番目の制御部15bによって、ヘッダ部90の所定の位置A1のブロック90Bの出金可否情報91が読み出され、かつ、出金可否情報91が読み出された後において当該ブロック90Bがシフトされる。このとき、読み出した出金可否情報91が出金否定情報“0”からなっているので、2番目の制御部15bによって、コマンド部92の個別出金要求情報95が読み出されることはない。
次に、2番目の制御部15bによって、ブロック90Bがシフトされた後のヘッダ部90がチェックされる。本実施の形態では、未だ当該ヘッダ部90内に出金肯定情報“1”が含まれているので、ヘッダ部90と、残りの個別出金要求情報95を含むコマンド部92とを処理情報が、3番目の制御部15cに送信される(図9参照)。
次に、3番目の制御部15cによって、ヘッダ部90の所定の位置A1のブロック90Bの出金可否情報91が読み出され、かつ、出金可否情報91が読み出された後において当該ブロック90Bがシフトされる。このとき、読み出した出金可否情報91が出金肯定情報“1”からなっているので、3番目の制御部15cによって、コマンド部92の所定の位置A2の個別出金要求情報95が読み出されて記憶され、かつ、当該個別出金要求情報95が消去されてシフトされる。
ここで、3番目の制御部15cによって、ヘッダ部90がチェックされる。本実施の形態では、当該ヘッダ部90内にもう出金肯定情報“1”が含まれていないので、当該制御部15cによって正常終了したことが判断されるとともに、正常終了した旨が上位(2番目)の制御部15bに送信される(図9参照)。
そして、2番目の制御部15bが正常終了した旨を3番目の制御部15cから受け取ると、当該2番目の制御部15bによって正常終了したと判断され、かつ、正常終了した旨が上位(最も上位)の制御部15aに送信される(図9参照)。そして、最も上位の制御部15aが正常終了した旨を2番目の制御部15bから受け取ると、当該最も上位の制御部15aによって正常終了したと判断され、かつ、正常終了した旨がPOSレジスタ50に送信される(図9参照)。そして、POSレジスタ50によって、正常終了した旨が、操作者に報知されることとなる。
上述のように正常終了したことが制御部15によって判断されると、個別出金要求情報95を読み出した制御部15によって対応するロック部30(上述の例で言うと、最も上方に位置する棒金ドロア10aに対するロック部30と、上から3番目に位置する棒金ドロア10cに対するロック部30)が解除状態となる。
上述のように、正常終了したことが制御部15によって判断されると、各制御部15によって対応するロック部30がロック状態から解除状態へと変えられる。そして、棒金ドロア10から棒金が取り出されることとなるが、このとき、各制御部15によって、認識センサ22とロータリエンコーダからの情報に基づいて、棒金ドロア10から取り出された棒金の金種別本数が判別される。そして、棒金ドロア10から取り出された棒金の金種別本数が、当該棒金ドロア10の各制御部15が記憶している出金すべき金種別本数に対する出金要求情報に合致した場合にのみ、ロック部30によって棒金ドロア10が筐体11に対してロックされることとなる。
上述した例を取って説明すると、最も上位の制御部15aに対応する棒金ドロア10aに収納されている3本の100円棒金が取り出されると、ロック部30によって当該棒金ドロア10aが筐体11aに対してロックされる。また、3番目の制御部15cに対応する棒金ドロア10cに収納されている5本の10円棒金が取り出されると、ロック部30によって当該棒金ドロア10cが筐体11cに対してロックされる。このため、各棒金ドロア10から指示された金種と本数からなる棒金を確実に出金することができ、棒金を出金する作業の正確性を向上させることができる。
なお、上記では、出金可否情報91が読み出された後にブロック90Bをシフトさせる態様を用いて説明したが、これに限られることはなく、出金可否情報91が読み出される前にブロック90Bをシフトさせてもよく、上述した例であれば、最も上位の制御部15aによってブロック90Bをシフトさせる代わりに2番目の制御部15bによってブロック90Bをシフトさせ、2番目の制御部15bによってブロック90Bをシフトさせる代わりに3番目の制御部15cによってブロック90Bをシフトさせてもよい。なお、この場合には、POSレジスタ50から送信されるヘッダ部90は、ブロック90Bが予め一つ左側へずれたものが送信され、最も上位の制御部15aによってブロック90Bが一つ右側へシフトされた後で、当該ヘッダ部90が最も上位の制御部15aによって読み出されて記憶されることとなる。
ところで、上記では、POSレジスタ50から送信される処理情報が、個別出金要求情報95を有し、制御部15の各々が、読み出した出金可否情報91が出金肯定情報“1”からなる場合に出金肯定情報“1”に対応する個別出金要求情報95を読み出して記憶し、かつ、個別出金要求情報95をシフトさせる態様を用いて説明したが、これに限られることはない。
例えば、図10に示すように、POSレジスタ50から送信される処理情報が、個別出金要求情報95の代わりに、ロック部30を解除状態にするロック解除命令(共通コマンド)96を有してもよい。
以下、具体的に説明するために、最も上位の制御部15aに対応する棒金ドロア10aと、3番目の制御部15cに対応する棒金ドロア10cのロック部30が解除状態になる態様を用いて説明する。
まず、POSレジスタ50から、複数のブロック90Bからなり、各ブロック90Bが作動可のロック解除肯定情報“1”または作動不可のロック解除否定情報“0”からなる作動可否情報としてロック解除可否情報91’を含むヘッダ部90と、ロック部30を解除状態にするロック解除命令96を格納したブロック92Bを1つだけ有するコマンド部92とを有する処理情報が、棒金ドロア10に対応する制御部15のうち最も上位に接続された制御部15aに送信される(図10参照)。
次に、最も上位の制御部15aによって、ヘッダ部90の所定の位置A1のブロック90Bのロック解除可否情報91’が読み出され、かつ、ロック解除可否情報91’が読み出された後において当該ブロック90Bがシフトされる。このとき、読み出したロック解除可否情報91’がロック解除肯定情報“1”からなっているので、最も上位の制御部15aによって、コマンド部92の所定の位置A2のブロック92Bが読み出され、ロック解除命令96が実行されてロック部30が解除状態にされる。このとき、ロック解除命令96は共通コマンドなのでコマンド部92のシフトは実行されない。
次に、最も上位の制御部15aによって、ブロック90Bがシフトされた後のヘッダ部90と、ロック解除命令96を含むコマンド部92とを有する処理情報が、2番目の制御部15bに送信される(図10参照)。
次に、2番目の制御部15bによって、ヘッダ部90の所定の位置A1のブロック90Bのロック解除可否情報91’が読み出され、かつ、ロック解除可否情報91’が読み出された後において当該ブロック90Bがシフトされる。このとき、読み出したロック解除可否情報91’がロック解除否定情報“0”からなっているので、2番目の制御部15bによって、コマンド部92が読み出されることはない。また、ロック解除命令96は共通コマンドなのでコマンド部92のシフトは実行されない。
次に、2番目の制御部15bによって、ブロック90Bがシフトされた後のヘッダ部90と、ロック解除命令96を含むコマンド部92とを有する処理情報が、3番目の制御部15cに送信される(図10参照)。
次に、3番目の制御部15cによって、ヘッダ部90の所定の位置A1のブロック90Bのロック解除可否情報91’が読み出され、かつ、ロック解除可否情報91’が読み出された後において当該ブロック90Bがシフトされる。このとき、読み出したロック解除可否情報91’がロック解除肯定情報“1”からなっているので、3番目の制御部15cによって、コマンド部92の所定の位置A2のブロック92Bが読み出され、ロック解除命令96が実行されてロック部30が解除状態にされる。このとき、ロック解除命令96は共通コマンドなのでコマンド部92のシフトは実行されない。
次に、3番目の制御部15cによって、ブロック90Bがシフトされた後のヘッダ部90がチェックされ、当該ヘッダ部90内にもうロック解除肯定情報“1”が含まれていないので、3番目の制御部15cによって正常終了したと判断され、かつ、正常終了した旨が2番目の制御部15bに送信される(図10参照)。また、3番目の制御部15cが正常終了した旨を2番目の制御部15bが受け取ると、当該2番目の制御部15bによって正常終了したと判断され、かつ、正常終了した旨が上位(最も上位)の制御部15aに送信される(図10参照)。また、2番目の制御部15bが正常終了した旨を最も上位の制御部15aが受け取ると、当該最も上位の制御部15aによって正常終了したと判断され、かつ、正常終了した旨がPOSレジスタ50に送信される(図10参照)。そして、POSレジスタ50によって、正常終了した旨が、操作者に報知されることとなる。
上述のように正常終了したことが制御部15によって判断されると、ロック解除命令96を読み出した制御部15によって対応するロック部30(上述の例で言うと、最も上方に位置する棒金ドロア10aに対するロック部30と、上から3番目に位置する棒金ドロア10cに対するロック部30)が解除状態となる。このため、適切な棒金ドロア10から棒金を確実に出金することができ、棒金を出金する作業効率を向上させることができる。
なお、上記では、ロック解除可否情報91’が読み出された後にブロック90Bをシフトさせる態様を用いて説明したが、これに限られることはなく、ロック解除可否情報91’が読み出される前にブロック90Bをシフトさせてもよい。
情報吸い上げ時の利用態様(情報吸い上げ処理)
次に、本実施の形態の棒金管理装置において、各棒金ドロア10内に収納されている棒金の金種別本数に関する情報を吸い上げるときの利用態様について、図11を用いて説明する。
まず、POSレジスタ50から、複数のブロック90Bからなり、各ブロック90Bが作動可の吸い上げ肯定情報“1”または作動不可の吸い上げ否定情報“0”からなる作動可否情報としての吸い上げ可否情報91”を含むヘッダ部90と、各棒金ドロア10の在高情報を出力するように指示する在高集計要求指示97を格納したブロック92Bを1つだけ有するコマンド部92とを有する処理情報が、棒金ドロア10に対応する制御部15のうち最も上位に接続された制御部15aに送信される(図11参照)。
次に、最も上位の制御部15aによって、ヘッダ部90の所定の位置A1のブロック90Bの吸い上げ可否情報91”が読み出され、かつ、吸い上げ可否情報91”が読み出された後において当該ブロック90Bがシフトされる。このとき、読み出した吸い上げ可否情報91”が吸い上げ肯定情報“1”からなっているので、最も上位の制御部15aによって、コマンド部92の所定の位置A2のブロック92Bが読み出され、在高集計要求指示97に基づいて、当該棒金ドロア10aの金種別の在高情報が出力される。このとき、在高集計要求指示97は共通コマンドなのでコマンド部92のシフトは実行されない。
次に、最も上位の制御部15aによって、ブロック90Bがシフトされた後のヘッダ部90と、在高集計要求指示97を含むコマンド部92とを有する処理情報が、2番目の制御部15bに送信される(図11参照)。
次に、2番目の制御部15bによって、ヘッダ部90の所定の位置A1のブロック90Bの吸い上げ可否情報91”が読み出され、かつ、吸い上げ可否情報91”が読み出された後において当該ブロック90Bがシフトされる。このとき、読み出した吸い上げ可否情報91”が吸い上げ否定情報“0”からなっているので、2番目の制御部15bによって、コマンド部92が読み出されることはない。また、在高集計要求指示97は共通コマンドなのでコマンド部92のシフトは実行されない。
次に、2番目の制御部15bによって、ブロック90Bがシフトされた後のヘッダ部90と、在高集計要求指示97を含むコマンド部92とを有する処理情報が、3番目の制御部15cに送信される(図11参照)。
次に、3番目の制御部15cによって、ヘッダ部90の所定の位置A1のブロック90Bの吸い上げ可否情報91”が読み出され、かつ、吸い上げ可否情報91”が読み出された後において当該ブロック90Bがシフトされる。このとき、読み出した吸い上げ可否情報91”が吸い上げ肯定情報“1”からなっているので、3番目の制御部15cによって、コマンド部92の所定の位置A2のブロック92Bが読み出され、在高集計要求指示97に基づいて、当該棒金ドロア10cの金種別の在高情報が出力される。このとき、在高集計要求指示97は共通コマンドなのでコマンド部92のシフトは実行されない。
次に、3番目の制御部15cによって、ブロック90Bがシフトされた後のヘッダ部90がチェックされ、当該ヘッダ部90内にもう吸い上げ肯定情報“1”が含まれていないので、3番目の制御部15cによって正常終了したと判断される。
そして、3番目の制御部15cによって、正常終了した旨と在高情報が読み出された棒金ドロア10a,10c内の金種別の在高情報とが2番目の制御部15bに送信される(図11参照)。また、3番目の制御部15cが正常終了した旨を2番目の制御部15bが受け取ると、当該2番目の制御部15bによって正常終了したと判断され、かつ、正常終了した旨と在高情報が読み出された棒金ドロア10a,10c内の金種別の在高情報が上位(最も上位)の制御部15aに送信される(図11参照)。また、2番目の制御部15bが正常終了した旨を最も上位の制御部15aが受け取ると、当該最も上位の制御部15aによって正常終了したと判断され、かつ、正常終了した旨と在高情報が読み出された棒金ドロア10a,10c内の金種別の在高情報がPOSレジスタ50に送信される(図10参照)。
そして、POSレジスタ50によって、正常終了した旨と在高情報が読み出された棒金ドロア10a,10c内の金種別の在高情報が、操作者に報知されることとなる。このため本実施の形態によれば、POSレジスタ50で、所定の棒金ドロア10内に収納されている金種別棒金の合計本数を正確に把握することができる。
なお、各棒金ドロア10から出力される金種別の棒金数の合計である金種別の在高情報は、上述したように在高集計要求指示97とともに上位から下位に伝達されてもよいし、正常終了した旨とともに下位から上位に伝達されてもよい。
上述のように本実施の形態では、各棒金ドロア10の在高情報に基づいた処理情報をPOSレジスタ50から送信し、各棒金ドロア10から棒金を出金させることができる。このため、確実な情報に基づいて必要な棒金ドロア10のみを解除状態とすることができ、棒金を出金する作業効率を向上させることができる。
また、本実施の形態でも第1の実施の形態と同様、各制御部15が同一の制御プログラムに従って駆動されるように構成されている。このため、異なる制御プログラムをインストールすることなく、低コストで、任意の数の棒金ドロア10を利用することができる。この結果、使用者の使用態様(例えば使用店舗での使用態様)に応じて棒金ドロア10の数を任意に適宜調整することができる。