JP5570538B2 - 基材への機能性コーティング剤コーティング方法とコーティング装置 - Google Patents

基材への機能性コーティング剤コーティング方法とコーティング装置 Download PDF

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Description

本発明は、単葉のガラス板、プリント基板、或いは連続の基板、フィルムといった平面状の各種基材、特に、太陽光発電機のフロントパネルへの機能性コーティング剤コーティング方法と、それに使用されるコーティング装置に関する。
近年、太陽光発電機が広く普及している。太陽光発電機は、東日本大震災の発生後は原子力発電機の代替品として注目されている。しかし、現状の太陽光発電機では発電効率や生産性に限界がある。その原因の一つに光/電気変換素子の変換効率の低さがあるが、屋外に設置されている太陽光発電機は常に風雨や砂塵に曝されていることから、太陽光発電機のフロントガラス表面に水垢や砂塵等が堆積して太陽光が遮断されるとか、屈折率が大きくなって光透過性が劣化することも大きな要因となっている。
フロントガラスの汚れを防止し、光屈折率を小さくして、太陽光を効率良く取り入れるために、従来はフロントガラスの表面に厚さ数100nmの薄膜で、膜厚が均一である機能性レジスト膜が形成されている。従来の機能性レジスト膜の成膜方法の大部分にはPVD法(物理的蒸着法)が採用されている。PVD法は真空環境内での成膜であるため生産性が著しく劣るという難点があった。
基材に薄膜、特に、DLC膜をコーティングする技術が各種開発されている。その一つとして本件出願人の先の特許出願(特許文献1)がある。特許文献1では、ロールへのDLC膜の成膜方法やDLC膜を備えたDLC成膜ロールを開示してある。この他にも、DLC膜の成膜方法やDLC膜を成膜した部材として特許文献2〜8がある。特許文献1〜8のDLC膜を設けた基材は、耐摩耗性は向上するが、親水性が乏しい(撥水性がある)ため、塗りムラができ易い(塗り厚が不均一になり易い)ため、太陽光発電機のフロントガラス表面へのレジスト膜の成膜に応用しても、フロントガラスの汚れ防止及び屈折率の改善は必ずしも十分ではなかった。
特開2010−189694号公報 特開2004−323973号公報 特開平11−181572号公報 特開2003−147527号公報 特開平10−219450号公報 特開平10−29762号公報 特開2010−137540号公報 特開2010−137543号公報
本発明の課題は、基材(パネル)表面の汚れ防止や光透過性の向上等の機能を兼ね備えた機能性コーティング剤をnm単位の薄さで、均一にコーティングできるようにすることにある。
[コーティング方法]
本発明の基材への機能性コーティング剤コーティング方法は、コーターロールに機能性コーティング剤を供給し、その機能性コーティング剤をコーターロールの回転により、移動中の基材表面にコーティングする方法において、コーターロールとドクターロールが対向し、ドクターロールは少なくともその表面に親水性DLC(Diamond Like Carbon)が成膜されたものであり、コーターロールに供給される機能性コーティング剤を前記ドクターロールによりコーターロール全面に薄く均し、機能性コーティング剤は粘性が小さく液状であり水溶性であり常温で乾燥する性質であり、コーターロール全面に薄く均された前記機能性コーティング剤を、常温、大気圧下において、前記コーターロールにより基材にコーティングする方法である。
前記コーティング方法において、ドクターロールは少なくとも表面にμm単位の超極細溝を備えた彫刻ロールであり、その表面に親水性DLCが成膜されたものとすることもできる。
前記コーティング方法において、コーターロールの回転方向と基材の移動方向を逆方向にすることもできる。
前記コーティング方法において、機能性コーティング剤を直に冷却するか又はドクターロールとコーターロールの双方又はいずれか一方を冷却することにより間接的に冷却することもできる。
前記コーティング方法において、移送される基材の板厚を計測し、その計測結果に応じてドクターロールとコーターロールの間隔を調節することにより、又はコーターロールの高さを調節することにより、コーターロールと基材との間隔を調節して、機能性コーティング剤のコーティング膜厚を調節することもできる。
[コーティング装置]
本発明の機能性コーティング剤コーティング装置は、常温、大気圧の環境下で使用されるコーティング装置であり、ドクターロールと、コーターロールと、バックアップロールと、ガイドロールを備え、ガイドロールにより移送されバックアップロ―ルでバックアップされる基材に、ドクターロールとコーターロール間に供給される機能性コーティング剤をコーターロールにより塗布可能な機能性コーティング剤コーティング装置において、前記ドクターロールは、少なくとも、表面に親水性DLCが成膜されたものである。
前記コーティング装置において、ドクターロールは、少なくとも、表面にμm単位の超極細溝が設けられた彫刻ロールであり、その表面に親水性DLCが成膜されたものである
前記コーティング装置のコーターロールは、基材の移送方向と逆方向に回転させることができる。
前記コーティング装置は、コーティング剤供給装置(タンク)を備え、そのコーティング剤供給装置に冷却機能を設けて機能性コーティング剤を冷却可能とすることもできる。
前記コーティング装置は、ドクターロールとコーターロールの双方又はいずれか一方に冷媒通路を設け、冷媒通路を流れる冷媒によりそれらロールを冷却してコーティング剤を冷却することもできる。
前記コーティング装置は、コーティング剤温度を計測する温度計を設け、その計測結果に基づいてコーティング剤を冷却することができる。温度計は非接触式のものが望ましい。
[コーティング方法の効果]
本発明の基材への機能性コーティング剤コーティング方法は次のような効果がある。
1.常温、大気圧下でコーティングするのでコーティング作業が容易である。
2.機能性コーティング剤が、粘性が小さく液状であり、水溶性であり、常温で乾燥する性質であるため、基材に形成された機能性コーティング膜が迅速(数十秒程度)に乾燥し、高速で連続してコーティング作業ができ、生産性が向上する。乾燥機も不要となる。
3.表面に親水性DLCが成膜されているドクターロールを使用するので、水溶性の機能性コーティング剤がドクターロールに馴染み易く、広がり易くなり、コーターロールがドクターロールと接触することにより、コーターロールに塗布される機能性コーティング剤が薄く、均一になり、コーターロールにより基材に数10nm〜数100nmと薄く、均一にコーティングできる。
4.コーターロールの回転方向を基材の移動方向と逆方向にすれば、機能性コーティング剤を薄くコーティングできる。
5.コーターロールの回転速度が、基材がコーターロールを通過する間に1回転以下となるようにすれば、コーティング膜に縞ができず(厚さムラができず)、均一厚に成膜できる。
6.機能性コーティング剤を冷却すれば、昇温による膜厚のバラつきを防止でき、均一厚の膜ができる。
7.ロールコーターは基材に対して線接触であり、基材表面に追従しながらコーティング剤がコーティングされるため、薄膜、均一厚の良好なモロホルジー(表面形状)が得られる。
8.表面に厚さ数10nm〜数100nm、ビッカース硬度9H前後の機能性コーティング剤がコーティングされ、水の接触角3°前後以下、光透過度80〜96%程度のパネルが得られる。
9.基材の表面に機能性コーティング剤を成膜できるので、表面が汚れ難く、耐候性が良く、屈折率が小さく、光透過性が劣化しにくいパネルが得られる。
10.コーティング膜厚が数10nm〜数100nmと薄いため、光透過性がよく、太陽光発電機のフロントパネルに使用すれば太陽光の無駄が減少し、屈折率が小さく、太陽光を有効活用できるパネルが得られる。
11.ビッカース硬度9H以上と硬いため傷付きにくい(耐候性のある)パネルが得られる。
12.水の接触角3°以下のであるため水が流れ易く、水垢などが付きにくい(耐候性のある)パネルが得られる。
[コーティング装置の効果]
本発明の機能性コーティング剤コーティング装置は次のような効果がある。
1.常温、大気圧の環境下に配置するので、コーティング装置の設置が容易である。また、PVD法に比してコーティング設備が簡潔になる。
2.少なくともドクターロールの表面に親水性DLCが成膜されているので、基材に数10nm〜数100nmのコーティング膜を均一に成膜できる。また、DLC膜があるためドクターロールの耐摩耗性が向上し、ドクターロールの交換スパンが長くなり経済的である。また、交換頻度が少なくなるためメンテナンスも容易になる。
3.冷却機能を備えているので、ドクターロールとコーターロールの双方又は一方を冷却しながらコーティングすれば、長時間のコーティング作業に機能性コーティング剤の昇温を防止でき、昇温による成膜の膜厚のバラつきを防止でき均一厚の成膜ができる。
4.コーターロールの回転方向が基材の移動方向と逆方向の場合は、数10nm〜数100nmの薄膜を容易に成膜できる。
5.コーターロールの回転速度が、基材がコーターロールを通過する間に1回転以下となるようにすれば、コーターロールが基材に1回転以上接触することがないため成膜に縞ができず(厚さムラができず)、均一厚に成膜できる。
6.コーティング剤温度を測定可能な温度計を設けたので、機能性コーティング剤を温度管理でき、肉厚にバラつきのないコーティングが可能となる。
7.ドクターロールが表面にマイクロ単位の超極細な溝が格子状、ハニカム状、曲線状、斜行線状に形成された彫刻ロールであるため、機能性コーティング剤が溝の内部に入り易って表面全般に拡散し易くなり、コーターロールへ塗布される機能性コーティング剤が薄く均一化され、数10nm〜数100nmの薄さの機能性コーティング膜が基材全面に均一に形成できる。また、溝内に空気だまりが生じにくく、気泡が溜まりにくいので、基材にコーティングされる機能性コーティング膜にピンホールなどができにくい。
8.ドクターロールには一般的にゴム又はニッケル/クロムメッキが用いられており、これら材質は表面エネルギーが大きい(表面張力が大きい)他、ドクターロールとコーターロール間における摩擦で発生する摩擦熱や外気温によりコーティング剤温度の上昇が懸念されるが、本発明では、機能性DLC膜を備えたドクターロールを使用するので、ドクターロールの表面エネルギーが低下して親水性が向上し、ドクターロールとコーターロ−ル間における摩擦が低減し、コーティング剤の昇温も少ない。
本発明の機能性コーティング剤コーティング装置の一例を示す説明図。
[コーティング装置及びコーティング方法の実施形態]
本発明の基材への機能性コーティング剤コーティング方法及びコーティング装置は、太陽光パネル(フロントガラス)への成膜に限らず、各種分野で使用されるパネルにコーティング可能なコーティング方法及びコーティング装置である。これら方法及び装置の一例を、太陽光発電機のフロントパネルの場合を一例として以下に説明する。以下の説明は基材が単葉のパネルの場合であるが、本発明での基材は連続するシート、フィルム等であってもよい。
本発明のコーティング装置は、図1に示すように、ガイドロール1と、ドクターロール2と、コーターロール3と、バックアップロール4を備えている。このコーティング装置では基材5がガイドロール1により矢印方向に移送され、バックアップロール4の上まで移送されてくると、その基材5の上面にコーターロール3で機能性コーティング剤6が塗布されるようにしてある。
本発明のコーティング方法では、前記コーティング装置を使用することができるが、他のコーティング装置でも使用可能である。前記コーティング装置を使用する場合は、そのコーティング装置を常温、大気圧の環境に設置して使用する。機能性コーティング剤は水溶性で、粘性が小さいもの、例えば1.3Pa・s以下の粘性のものが特に適する。また、パネル表面の汚れを防止でき、傷付きにくく(耐候性に優れ)、透明で、光が透過しにくくならない(光透過性に優れた)特性のコーティング剤が好ましい。また、成膜された基材への密着性を高めるためにバインダーを含むものが適する。例えば、1nm〜10nmの粒子径のシリカ(SiO)の含有率が5%以下の透明無機バインダーが適する。ガラス、ポリカーボネート、ステンレス、樹脂等のあらゆる基材の表面は、目に見えない微細な凹凸になっている。1nm〜10nmの粒子径のシリカを含む透明無機バインダーを使用することにより、それら凹凸表面への密着性が向上する。また、基材の表面に出ていないと効果のない光触媒酸化チタンや帯電防止酸化スズ等の機能性材料が表面に出易くなり、機能性コーティング剤の特性が発揮され易くなる。本発明の機能性コーティング剤には株式会社ジャパンナノコートのAS−LRコート(液状)が適する。AS−LRコートは無機バインダーとしてシリカを含むものであり、シリカを中心とした無機酸化物の持っている凝集力(分子間力)を利用し、溶媒の発揮と同時に進む凝集力を抑制することにより、常温において、透明で密着性の高い薄膜を成膜することができるものである。この機能性コーティング剤は帯電防止、水汚れ防止、赤外線、紫外線カット、反射防止、低屈折、遮音といった各種特性を備えたものである。本発明のコーティング方法では、基材の材質、例えば、樹脂等の場合は、プライマーを塗布してから機能性コーティング剤を成膜することもできる。
機能性コーティング剤6はドクターロール2とコーターロール3の間に供給される。コーターロール3の表面に付着した機能性コーティング剤6のうち余分なコーティング剤は、コーターロール2と逆方向に回転するドクターロール2で掻き取られて薄く均され、基材5に均一厚に塗布されるようにしてある。
機能性コーティング剤6を基材5に塗布する場合は、コーターロール3を基材5の移送方向と同方向に回転(ノーマル回転)させるのが通常であるが、コーターロール3を基材5の移送方向と逆方向に回転(リバース回転)させることもできる。基材5への成膜を薄くするためにはリバース回転が適する。リバース回転させる場合は、コーターロール3の回転力を基材5の移送力よりも弱くして基材5がスムースに移動できるようにする必要がある。
コーターロール3の回転速度は、基材5がコーターロール3の下を通過する間に一回転以下となるようにして、基材5に塗布されるコーティング剤に肉厚ムラが生じないようにするのが望ましい。基材5がコーターロール3の下を通過する間に、コーターロール3が1回転以上回転すると接触ムラが生じ易くなる。
ドクターロール2には、表面に親水性のDLCが成膜されているロールを使用することができる。そのロールを使用することにより、親水性のコーティング剤がDLC膜に馴染み易くなり、コーターロール3の表面のコーティング剤がその表面全体に均一厚に広がり易くなり、基材5の表面にコーティング膜が均一厚に成膜され易くなる。表面にマイクロ単位の超極細溝を格子状、螺旋状、斜行線状、ハニカム状等の形状で設けた彫刻ロールや、その表面に親水性のDLC膜(アモルファス系炭素膜)を設けたロールを使用することもできる。このようなロールを使用することにより親水性のコーティング剤がロール表面に馴染み易くなり、コーターロール3の表面のコーティング剤が表面全体に均一厚に薄く広がり易くなり、基材5の表面にコーティング剤を均一厚に成膜し易くなる。一般的にドクターロールの表面材にはゴム又はニッケル・クロムめっきが施されているが、これらの材質は撥水性が高く、機能性コーティング剤が水溶性の場合は、はじかれてしまい、ロール表面の溝模様がコーターロールを介して基材に転写されることがあるが、本発明ではそのようなことがない。
本発明におけるコーティング剤の粘度(流動性)は外気温に左右され易い。コーターロールには通常ゴム製のものが使用される。ゴム製のコーターロールは長時間の連続稼働により熱を帯びる。熱を帯びるとコーティング剤が加温されて粘度が高くなって流動性が低下し、薄く均一に成膜し難くなる。これら問題を解消するため、本発明では図1に示すように、コーティング剤供給装置(タンク)7に温調機能を設け、ドクターロール2とコーターロール3の間に供給される機能性コーティング剤6の近くに非接触の温度センサ8を設けて、温度センサ8での検知温度が高くなると前記温調機能が作動して、コーティング剤供給装置7内の機能性コーティング剤6を冷却し、そのコーティング剤6がドクターロール2とコーターロール3の間に供給されるようにするのが望ましい。また、コーティング剤供給装置7に温調機能を設けるのではなく、ドクターロール2とコーターロール3の双方又はいずれか一方に温調機能を設けることもできる。具体的には、それらロール内に冷媒通路を設け、その冷媒通路に冷媒、例えば水や気体を供給して冷却することもできる。この場合は、非接触の温度センサをドクターロール2とコーターロール3の双方又はいずれか一方の近くに設け、そのセンサでそれらロールの温度を検知して、コーティング剤供給装置7に設けた温調機能の作動をコントロールできるようにすることもできる。
基材5は一定厚であるとは限らず不均一なものもあり、歪んだり、反り返ったりしているものもある。例えば太陽光発電機用のフロントパネルは同一規格品であっても、その板厚には0.01〜0.1mmのバラつきがある。このようにバラつきのある基材では基材全面に均一厚に成膜することが困難であるため、図1のようにガイドロール1で移送される基材5の上方に板厚センサ(例えば、レーザー変位計)を設け、そのセンサで検知された板厚を基準となる基材寸法と比較し、基材寸法と著しく異なる場合は警告を発生して基材5の移送を停止するとか、ドクターロール2とコーターロール3の双方又はコーターロール3の高さが自動的に調節されるようにするとか、ドクターロール2とコーターロール3の間隔を調整する等して基材5に均一厚に成膜できるようにするのが望ましい。
前記ドクターロール2に親水性DLCを成膜するには各種方法が考えられるが、一つの方法としては、本発明者が先に開発して特許出願した親水性DLCの成膜方法によることができる。その方法は、真空チャンバー内にロールを設置し、そのチャンバー内を常温(15℃以上100℃以下であるが、より望ましくは20℃以上50℃以下)且つ真空状態にし、RF高周波電源からチャンバー内のRF電極に高周波を供給してロールの周辺にプラズマを発生させ、チャンバー内の高電圧パルス電源からロールに負の高電圧パルスを印加して基材表面をイオンエッチングによりクリーニングする。ロールが溝付きロール(彫刻ロール)の場合は、前記クリーニング時にその溝内をもクリーニングする。この洗浄後にDLCの原料ガスとOを前記真空チャンバー内に供給し、その原料ガスとOを真空チャンバー内で反応させて生成される酸素を含むDLC(親水性DLC)を前記ロールの表層に注入しながらその表面に親水性DLCを堆積させることで親水性DLC膜を形成する方法である。この成膜方法において、親水性DLC膜の形成前に少なくともOを含むSi系ガスを真空チャンバー内に供給して、当該Si系ガスを真空チャンバー内で分解反応させて前記基材の表面にO含有層を形成し、当該O含有層に親水性DLC膜を注入・堆積することもできる。この場合、Si系ガスとしてヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)を用いることができる。また、親水性DLC膜の形成前に、真空チャンバー内にDLCの原料ガスを供給してその原料ガスを真空チャンバー内で反応させて生成されるDLCを基材の表面に注入しながら酸素を含まないDLC膜を堆積させ、そのDLC膜の表面に親水性DLC膜を形成することもできる。この場合、DLC膜の形成前に基材とDLC膜の付着性を高めるためのミキシング層を形成することもできる。前記成膜方法により形成されたロールは、クリーニングされた基材の表面に、DLCの原料ガスとOが反応して生成された親水性DLC膜を備えたものである。前記親水性DLC成膜基材は、基材と親水性DLC膜との間に、少なくともOを含むSi系ガスを分解反応させて生成されたO含有層を備えたものであってもよい。O含有層がヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)を分解反応させて形成されたものであってもよい。基材と親水性DLC膜との間に、DLCの原料ガスを反応させて生成された酸素を含まないDLC膜を設けることもできる。基材とDLC膜との間に、基材とDLC膜の付着性を高めるためのミキシング層を設けることもできる。このロールは、ゴム、SUS、アルミニウム製のロール、又は表面にCrメッキやNiメッキされた金属製のロールとすることもできる。前記親水性DLC膜の膜厚は0.2〜5μm程度のものが適する。前記親水性DLC膜の硬度は800〜2500HVのものが適する。
コーターロールにはアルミロール、カーボンロール、樹脂ロール、ゴムロール、CFRPロール(カーボン繊維強化プラスチックロール)、金属ロール、非鉄金属ロールといった各種材質製のロールを使用することができる。金属ロールの表面にはCr(クローム)メッキやNi(ニッケル)メッキを施したロールもある。印刷用コーティングではコーティング膜厚の制御のため、ドクターロールやドクターバーが用いられている。
前記説明では、ドクターロールを使用する場合であるが、ドクターロールに代えてドクターブレードを使用することもできる。この場合は、コーターロールを、DLC膜を備えたものとするのが望ましく、コーターロールに冷媒による冷却機能を設けることもできる。ドクターロールとドクターブレードを併用することもできる。
本発明の基材へのコーティング剤コーティング方法とコーティング装置は、プリント基板や他の基板に機能性レジストを塗布してレジスト膜を作るのに利用することができる。その場合は、コーティング剤を機能性レジストに代えることにより利用することができる。
1 ガイドロール
2 ドクターロール
3 コーターロール
4 バックアップロール
5 基材
6 機能性コーティング剤
7 コーティング剤供給装置
8 温度センサ

Claims (11)

  1. コーターロールに機能性コーティング剤を供給し、その機能性コーティング剤をコーターロールの回転により、移動中の基材表面にコーティングする方法において、
    コーターロールとドクターロールが対向し、
    ドクターロールは少なくともその表面に親水性DLCが成膜されたものであり、
    コーターロールに供給される機能性コーティング剤を前記ドクターロールによりコーターロール全面に薄く均し、
    機能性コーティング剤は粘性が小さく液状であり水溶性であり常温で乾燥する性質であり、
    コーターロール全面に薄く均された前記機能性コーティング剤を、常温、大気圧下において、前記コーターロールにより基材にコーティングする、
    ことを特徴とする基材への機能性コーティング剤コーティング方法。
  2. 請求項1記載の基材への機能性コーティング剤コーティング方法において、
    ドクターロールは少なくとも表面にμm単位の超極細溝を備えた彫刻ロールであり、その表面に親水性DLCが成膜されたものである、
    ことを特徴とする基材への機能性コーティング剤コーティング方法。
  3. 請求項1又は請求項2記載の基材への機能性コーティング剤コーティング方法において、
    コーターロールの回転方向と基材の移動方向を逆方向にする、
    ことを特徴とする基材への機能性コーティング剤コーティング方法。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の基材への機能性コーティング剤コーティング方法において、
    機能性コーティング剤を直に冷却するか又はドクターロールとコーターロールの双方又はいずれか一方を冷却することにより間接的に冷却する、
    ことを特徴とする基材への機能性コーティング剤コーティング方法。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の基材への機能性コーティング剤コーティング方法において、
    移送される基材の板厚を計測し、その計測結果に応じてドクターロールとコーターロールの間隔を調節することにより、又はコーターロールの高さを調節することにより、コーターロールと基材との間隔を調節して、機能性コーティング剤のコーティング膜厚を調節する、
    ことを特徴とする基材への機能性コーティング剤コーティング方法。
  6. 常温、大気圧の環境下で使用されるコーティング装置であり、ドクターロールと、コーターロールと、バックアップロールと、ガイドロールを備え、ガイドロールにより移送されバックアップロ―ルでバックアップされる基材に、ドクターロールとコーターロール間に供給される機能性コーティング剤をコーターロールにより塗布可能な機能性コーティング剤コーティング装置において、
    前記ドクターロールは、少なくとも、表面に親水性DLCが成膜されたものである、
    ことを特徴とする機能性コーティング剤コーティング装置。
  7. 請求項6記載の機能性コーティング剤コーティング装置において、
    ドクターロールは、少なくとも、表面にμm単位の超極細溝が設けられた彫刻ロールであり、その表面に親水性DLCが成膜されたものである、
    ことを特徴とする機能性コーティング剤コーティング装置。
  8. 請求項6又は請求項7記載の機能性コーティング剤コーティング装置において、
    コーターロールが基材の移送方向と逆方向に回転する、
    ことを特徴とする機能性コーティング剤コーティング装置。
  9. 請求項6から請求項8のいずれか1項に記載の機能性コーティング剤コーティング装置において、
    前記コーティング装置は、コーティング剤供給装置を備え、そのコーティング剤供給装置に冷却機能を設けて機能性コーティング剤を冷却可能とした、
    ことを特徴とする機能性コーティング剤コーティング装置。
  10. 請求項6から請求項9のいずれか1項に記載の機能性コーティング剤コーティング装置において、
    ドクターロールとコーターロールの双方又はいずれか一方に冷媒通路を設け、冷媒通路を流れる冷媒によりそれらロールを冷却してコーティング剤を冷却できるようにした、
    ことを特徴とする機能性コーティング剤コーティング装置。
  11. 請求項6から請求項10のいずれか1項に記載の機能性コーティング剤コーティング装置において、
    コーティング剤温度を計測する温度計を設け、その計測結果に基づいてコーティング剤を冷却できるようにした、
    ことを特徴とする機能性コーティング剤コーティング装置。
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