JP5570478B2 - 箱型荷台の回動式ドアの係止装置 - Google Patents

箱型荷台の回動式ドアの係止装置 Download PDF

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Description

本発明は、トラック等の車両に架装される箱型荷台において、貨物の積み降ろしのために後部に設けられる回動式の後部ドア等を、開放時に箱型荷台の側面などに掛け止めして保持するドア係止装置に関するものである。
貨物輸送用の車両であるトラックの荷台には、上方が開放された無蓋の荷台、屋根を備え周囲が密閉された6面体の箱型荷台等がある。近年では、風雨等による貨物の損傷を防止でき、梱包を簡易化できるとともに荷くずれ防止も容易な箱型荷台、つまりバンボディが広く普及している。箱型荷台の中には、迅速な貨物の積み降ろし等荷役作業の合理化を目的として、跳ね上げ式の屋根を備え荷台の側面から貨物の積み降ろしができるウイングボディと呼ばれる荷台もある。
箱型荷台では、通常、荷台後部に観音開き式の後部ドアが設けられ、この後部ドアを開放して貨物の積み降ろしを行う。観音開き式となった左右の後部ドアのそれぞれは、車両の側方側の端部が複数のヒンジによって後部フレームの両側の支柱に固定される。左右の後部ドアには、これを閉鎖位置に保持するロックロッドが取り付けられ、ロックロッドの上端及び下端は、後部ドアの閉鎖時にフレームの上下に固着された受具(カムキーパー)に固定される。このような回動式の後部ドアは、ウイングボディの後部にも設けられている。回動式のドアを箱型荷台の側面に取り付けることもあり、また、左右の後部ドアの一方又は双方をさらに分割してヒンジで連結し、後部ドアの部分的な開放を可能とすることもある。
後部ドアを開放して貨物の積み降ろしを行うときは、ロックロッドを上下のカムキーパーから外した後、後部ドアを270°回動して荷台の側面に平行に近接させた状態で、係止装置によって後部ドアを保持する。こうした係止装置は一例として実公平5−13888号公報に開示されており、この公報に記載された後部ドアの係止装置について、図6により説明する。
図6(a)に示されるとおり、トラックの箱型荷台の後部には2枚の後部ドアRDが設置され、これらは、後部フレームの両側の支柱にヒンジHGにより取り付けられて観音開き式に開閉する。後部ドアRDにはロックロッドLRが装着されており、後部ドアRDの閉鎖時においては、ロックロッドLRの上下に固着したカムCをカムキーパーCKに係合し、後部ドアRDを閉鎖位置に保持する。
貨物の積み降ろし作業時には、ロックロッドLRを回動してカムCとカムキーパーCKとの係合を解除し、ヒンジHGを中心に後部ドアRDを回動して箱型荷台の後部を開放する。そして、図6(a)に示す状態から後部ドアRDを裏返すようにさらに回動し、つまり、270°回動して箱型荷台の側面に後部ドアRDを係止する。そのための係止装置として、後部ドアRDの表面には、T形先端部及び円環部からなる掛け金1が短いチェーンで連結して固着される(図6(b)の詳細図参照)とともに、荷台の側面には、掛け金1のT形先端部11を掛け止めする溝を形成した止め具2(図6(c)の詳細図参照)が固着されている。後部ドアの一部を分割してヒンジで連結し、部分的な開放を可能とする場合(いわゆる、3枚、4枚観音)には、係止装置の止め具は閉鎖されたままの部分の後部ドア表面に固着される。また、箱型荷台の側面に取り付けた回動式のドアの止め具も同じ側面に固着され、このような回動式ドアでは、ドアの開放時には180°回動した状態で係止される。
ところで、係止装置によって開放位置に保持された後部ドア等には、その周囲を流れる風の影響や貨物の積み降ろし作業に伴う荷台の揺れ等に起因して、係止装置の掛け金が外れるような振動の発生する虞れがある。また、工場の構内で積み降ろし作業を行うときなどには、後部ドアを開放位置に保持した状態でエンジンを駆動し、車両を短距離移動させることがあり、この際にもそうした振動が生じ易い。後部ドアの係止装置には、掛け金が外れて後部ドアが閉鎖方向に回動する不測の事態を防止するため、外れ防止手段が設けられており、これは、一般的に図6(c)に示すように構成されている。
図6(c)に示されるとおり、荷台の側面に固着される止め具2は、断面ハット形の掛け止め部材21を備え、その中高部と荷台の側面との間には間隙が存在する。掛け止め部材21の中高部には横溝部と縦溝部を組み合わせたT形の溝が形成してあり、270°回動した後部ドアRDを係止するときは、図6(b)に示す掛け金1のT形先端部11を横溝部に挿入した後、これを縦溝部に沿って溝の下端部まで移動させ、図6(c)における下部の2点鎖線の位置とする。また、止め具2は外れ防止手段として機能する止め片STを備え、止め片STは、その隅部が掛け止め部材21の中高部の隅部にピンPNで取り付けてあり、掛け止め部材21の中高部表面に沿って回動自在となっている。
掛け金1のT形先端部11を掛け止め部材21のT形の溝に挿入するときは、止め片STを手動で上部の2点鎖線の位置とし、横溝部を露出させる。T形先端部を縦溝部の下端部まで移動させたときは、止め片STから手を離すと、止め片STが自重によってピンPNを中心として回動し、図の実線位置となる。この位置では、止め片STがストッパとなってT形先端部の上昇を阻止するので、振動等に起因する掛け金1の外れを防止することができる。
実公平5−13888号公報
上述した後部ドアの係止装置では、後部ドアの振動等による掛け金の外れを防ぐ外れ防止手段として、掛け止め部材の表面に沿って回動する止め片が設けられている。係止装置により後部ドアを開放位置に保持するには、後部ドアに連結された掛け金を掛け止め部材の溝に挿入するが、そのとき、作業者は一方の手で止め片を上方に移動しながら他方の手で掛け金を掴み、T形先端部を溝に挿入する。この作業は、開放した後部ドアを荷台の側面に平行に近接させ、その狭い間隙で実行することとなるため、やり難い作業であって作業者に負担をかける。
また、回動する止め片を設けた後部ドアの係止装置では、掛け止め部材の表面に止め片が重ねられるため、止め具の可動部品点数が増加するとともに、止め具全体の厚み寸法が増加する。止め具を荷台の側面に固着する場合、一般道路を走行する車両には、安全上の観点等から車両横幅寸法に法規による規制があり、トラック(ことに大型トラック)の荷台の横幅は規制の許容値ぎりぎりに設定されることが多いので、止め片の厚さといえども止め具の厚み寸法が増大するのは好ましくない。このような問題点は、観音開き式の2枚の後部ドア用係止装置に限らず、箱型荷台の側面に取り付けられた回動式ドアの係止装置や、後部ドアの一方又は双方を分割して部分的な開放を可能としたときの係止装置にも共通するものである。
本発明の課題は、トラック等の箱型荷台の回動式ドアを開放時に箱型荷台の側面などに保持する係止装置において、止め具の厚みを増大することなく、外れ防止手段を簡易化して掛け止め作業を容易とし、上述の問題点を解決することにある。
上記の課題に鑑み、本発明は、チェーンに連結された掛け金を掛け止めするための止め具を、T形先端部が挿入される直線溝が形成された掛け止め部材と、突起を形成した外れ防止部材とにより構成し、T形先端部を挿入した後掛け金を回動して、T形先端部の横棒を外れ防止部材の突起を乗り越えて移動させることにより、掛け金を弾性的にロックして逆方向への回動を阻止する外れ防止手段とするものである。すなわち、本発明は、
「車両に積載される箱型荷台において、ヒンジにより回動して開閉される前記箱型荷台のドアを、開放時に掛け止めして保持する係止装置であって、
前記係止装置は、前記ドアにチェーンで連結して固着され、横棒を有するT形先端部及び円環部からなる掛け金と、開放時に前記ドアを保持する面に固着され、前記掛け金の横棒を挿入して掛け止めする止め具とを備えており、さらに、
前記止め具は、直線状の溝が形成された掛け止め部材と、円形断面の突起が形成された外れ防止部材とを備え、前記外れ防止部材が前記掛け止め部材よりも前記掛け金の挿入方向前方に配置されるとともに、前記外れ防止部材の円形断面の突起の頂点と前記掛け止め部材との間の距離が、前記掛け金の横棒の幅よりも小さく設定されており、
前記掛け金の横棒を、前記掛け止め部材の直線状の溝を通して前記掛け止め部材と前記外れ防止部材との間に挿入した後、前記掛け金を回動して、前記掛け金の横棒を前記外れ防止部材の円形断面の突起を乗り越えて移動させることにより、前記掛け金の逆方向への回動を阻止して前記掛け金の外れを防止する」
ことを特徴とする係止装置となっている。
請求項2に記載のように、前記外れ防止部材に4個の円形断面の突起を形成し、前記掛け金を回動してT形先端部の横棒を前記外れ防止部材の突起を乗り越えて移動させるときは、両方向に回動可能とすることができる。また、請求項3に記載のように、前記外れ防止部材に2個の円形断面の突起と2個の阻止突起とを形成し、T形先端部の横棒を前記外れ防止部材の円形断面の突起を乗り越えて移動させるときは、一方向にのみ回動可能とすることもできる。
請求項4に記載のように、前記外れ防止部材には、前記掛け金の横棒の長さよりも大きな径を有する円形の周壁部を形成することが好ましい。
請求項5に記載のように、前記掛け止め部材に形成された直線状の溝は、縦方向に延びていることが好ましい。
請求項6に記載のように、本発明は、前記箱型荷台の後部ドアを、開放時に前記箱型荷台の側面に保持するため、前記止め具を前記箱型荷台の側面に固着する係止装置に対して適用するのが好ましい。
請求項7に記載のように、前記掛け止め部材を断面ハット形とし、その中高部に前記直線状の溝を形成することができる。
また、請求項8に記載のように、前記止め具の前記掛け止め部材を板状とし、かつ、前記外れ防止部材を断面ハット形として、前記外れ防止部材の中高部に突起を形成することができる。このような係止装置は、請求項9に記載のように、止め具の固着される、開放時に前記ドアを保持する面が断熱材を介在させた積層構造の断熱パネルである場合に適用し、前記止め具を断熱パネルに埋め込んで固着することが好ましい。
本発明の係止装置は、基本的には、チェーンに連結された掛け金とこれを掛け止めする止め具とを組み合わせたものであり、掛け金には横棒を有するT形先端部が形成されるとともに、止め具は、T形先端部(横棒)の挿入される直線溝が形成された掛け止め部材を備えている。そして、掛け止め部材に対して掛け金挿入方向の前方には、突起を形成した外れ防止部材が配置され、その突起の頂点と掛け止め部材との間の距離は掛け金の横棒の幅よりも小さく設定されている。
掛け金を止め具に係止して掛け止めを行うときは、掛け金の横棒を、掛け止め部材の直線状の溝を通して掛け止め部材と外れ防止部材との間に挿入した後、掛け金を回動する。これによって、T形先端部の横棒は、掛け止め部材や外れ防止部材を弾性的に変形させながら外れ防止部材の突起を乗り越えて移動し、直線状の溝に対して一定の角度(ほぼ90°)をなす位置に弾性的にロックされる。掛け金は、チェーンにより回動式のドアに連結されているので、ドアが風等で振動しチェーンに引張力が作用したとしても、それが掛け金を回動させるトルクに変換されることはない。そのため、T形先端部の横棒が直線状の溝の方向に戻るような、逆方向への回動は阻止され、掛け金が止め具から外れるのを確実に防止することができる。
掛け止め作業を行う際、作業員は、掛け金の円環部を手で保持して、T形先端部を直線状の溝に挿入した後、外れ防止部材の突起を乗り越えるよう掛け金を回動するが、この一連の作業は片手で行うことが可能である。この作業は、例えば、270°回転した後部ドアと荷台の側面との狭い間隙であっても容易に実行することができ、しかも、外れ防止部材の突起を乗り越えた時点では、操作力が急減していわゆる節度感が生じるから、作業員は、外れ防止手段の設定が完了したことを容易に知り得ることとなる。
また、外れ防止部材は、掛け止め部材の裏側に収納され、掛け止め部材の表面には可動部品が何ら存在しないから、可動部品点数が増加したり、止め具全体の厚み寸法が増大して車両幅寸法の規制を逸脱する事態を招くようなことはない。
請求項2の発明のように、外れ防止部材に4個の円形断面の突起を形成すると、4個の突起は、それらの中心の周りに点対称に配置されるから、掛け金を回動してT形先端部の横棒を突起を乗り越え移動させるときは、両方向に回動することができる。そのため、回動式ドアの係止装置を取り付ける場所について、その自由度が増すこととなる。また、請求項3の発明のように、外れ防止部材に2個の円形断面の突起と2個の阻止突起とを形成した場合には、掛け金は一方方向にのみ回動可能となり、例えば、左右の後部ドアの各々について、互いに逆方向に回動して係止するように設定することができる。
請求項4の発明は、外れ防止部材に、掛け金の横棒の長さよりも大きな径を有する円形の周壁部を形成するものである。このような周壁部が掛け金の横棒の両端よりも僅かに外方に存在すると、外れ防止部材の突起を乗り越えるよう作業員が掛け金を回動する際に、掛け金のT形先端部が周壁部にガイドされてスムースな回動を行わせることができる。ことに、請求項2の発明のように、外れ防止部材に4個の突起を形成した止め具では、回動してロックされたT形先端部の横棒が、何らかの作用により、上下方向に平行に移動して下側又は上側の2個の突起を乗り越える不安定な動きを生じる虞れがあるが、周壁部が外方に存在すれば、周壁部と横棒とが干渉してこうした不測の動きが防止される。
請求項5の発明は、掛け止め部材に縦方向に延びる直線状の溝を形成するものである。回動式のドアにチェーンにより連結された掛け金は、通常、チェーンの自由状態(チェーンの隣接する輪の円環面が互いに直交する状態、つまり、チェーンに捩れのない状態)では、T形先端部の横棒がドアの表面に平行となるよう取り付けてある。この掛け金の先端部の横棒を縦方向に延びる直線溝に挿入するときは、チェーンが自由状態から90°捩られるが、その後、外れ防止手段の設定のため90°戻すように回動すると、チェーンは自由状態に戻る。前述したように、もともとチェーンは、引張力が作用したとしても掛け金を回動させるトルクに変換されないものであるけれども、チェーンが自由状態であって捩れがないときには、回動させるトルクは全く生じない。その結果、請求項5の発明では、外れ防止の機能がより一層確実なものとなる。
本発明では、止め具の厚さ寸法を極力抑えることができるので、請求項6の発明のように、箱型荷台の観音開き式後部ドアを、開放時に箱型荷台の側面に保持するため、止め具を側面に固着する係止装置に好適なものである。
請求項7の発明は、掛け止め部材を断面ハット形とし、その中高部に直線状の溝を形成したものである。このときは、掛け止め部材が基本的には従来のものと同様な形状となるので、従来の係止装置の部品の利用が可能となる。
請求項8の発明は、止め具の掛け止め部材を板状とするとともに、外れ防止部材を断面ハット形としてその中高部に突起を形成するものである。このような係止装置では、止め具の固着されるドアの保持面とほぼ同一の面に、掛け止め部材を設置することができる。例えば、冷凍車あるいは温度管理車の荷台として広く普及している、積層構造の断熱パネル(サンドイッチパネル)からなる箱型荷台に本発明の係止装置を適用するときは、請求項9の発明のように、こうした止め具を断熱パネルに埋め込んで固着すると、止め具が断熱パネルの表面から殆ど突出しない状態で固着することができる。
本発明の係止装置に用いる掛け金を示す図である。 本発明の係止装置における止め具の第1実施例を示す図である。 図2の止め具の取り付け構造及び作用、並びに止め具の第2実施例を示す図である。 本発明の止め具の第3実施例を示す図である。 本発明の止め具の変形例を示す図である。 車両用箱型荷台の後部ドア及び従来の係止装置を示す図である。
以下、図面に基づいて本発明の係止装置について説明する。ここで述べる本発明の実施例は、本発明を、箱型荷台の観音開き式の後部ドアを開放時に荷台側面に掛け止めする係止装置に適用したものであるが、箱型荷台の後部ドアの基本的な構造あるいは係止装置の装着個所等については、図6に示す箱型荷台と格別変わるものではない。本発明を説明する図面では、対応する部品等については図6のものと同一の符号を付している。
本発明の係止装置では、図1に示すとおり、後部ドアRDの表面にフックFが固定されており、T形先端部11及び円環部12からなる掛け金1が、短いチェーンによりフックFに連結されている。掛け金1のT形先端部11の横棒11Aは、チェーンが自由状態となってフックFから垂下している際には、後部ドアRDの表面と平行に延びるよう設定されている。この実施例の掛け金1は、2個の円環体を有するチェーンでフックFに連結されているが、1個のみの円環体を介して連結してもよい。掛け金がT形先端部及び円環部からなるものであり、チェーンを介して後部ドアに固着される点は、図6(b)に示す従来の掛け金と同様である。
後部ドアの開放時に掛け金1の掛け止めを行うため、荷台の側面に固着される止め具2は、第1実施例のものにおいては、図2に示すとおり、断面ハット形の掛け止め部材21を備えており、その中央の中高部21Aには、縦方向に延びる直線状の溝22が形成される。この溝22は、掛け金1の横棒11Aが縦方向になった状態で通過可能となるよう、横棒11Aより少しばかり大きい形状となっている(後述の図3(b)参照)。また、掛け止め部材21に対して掛け金挿入方向の前方となる位置(中高部21Aの裏面側)には、断面円形の突起、すなわち、球状の突起23を形成した外れ防止部材24が設置されており、球状の突起23は、この実施例では4個のものが中心の周りに点対称となるよう配置してある。
外れ防止部材24は、その両側の曲げ片24Aに形成した取り付け突起24Bを、掛け止め部材21の両側の曲げ片21Bに設けた取り付け穴21Cに嵌め込むことにより、掛け止め部材21に装着される(図2の拡大分解図参照)。取り付け突起を掛け止め部材の曲げ片に形成し、取り付け穴を外れ防止部材に設けてもよい。装着されたときには、掛け止め部材21の中高部21Aの裏面と球状の突起23の頂点との間の距離dは、掛け金1の横棒11Aの幅w(図1)よりも小さくなり、かつ、球状の突起23の頂点の近傍以外では、中高部21Aの裏面と外れ防止部材24との間には、掛け金1の横棒11Aが挿入可能な間隙が形成される。
止め具2は、図3(a)に示されるように、箱型荷台の側面パネルSPに固着される。この実施例では、側面パネルSPが水平に延びる山形リブLBを多数有する波板パネルであり、止め具2は、直線状の溝22が縦方向となるよう、また、外れ防止部材24が山形リブLBの間の凹所に入り込むように固着される。つまり、止め具2は、側面パネルSPからの突出量が最小となる状態で固着されている。
本発明の係止装置の操作方法及び掛け金の外れ防止機能について、図3(a)及び(b)を参照して説明する。
貨物の積み降ろし時に後部ドアを開放し、さらに270°回動して後部ドアを荷台の側面と平行状態にすると、図1の掛け金1が止め具2に近接して位置する。作業員は、掛け金1の円環部12を保持し、T形先端部11の横棒11Aが縦方向となるよう掛け金1を90°回動して、図3(a)に示すように、これを掛け止め部材21の直線状の溝22を通して、中高部21Aの裏面と外れ防止部材24との間の間隙に挿入する。その後、チェーンの捩れを戻すように掛け金1を逆方向に90°回動させると、図3(b)に示すように、T形先端部11の横棒11Aが、掛け止め部材21や外れ防止部材24を弾性的に変形させながら外れ防止部材24の突起23を乗り越えて移動し、突起23の間の凹部に横方向にロックされる。これにより、横棒11Aが縦方向に戻って掛け止め部材21の溝22を通過し、止め具2から外れるのを防止することができる。
横棒11Aの突起23の乗り越え及びロックは、外れ防止部材24やその取り付け部等の弾性に由来するものであるけれども、掛け金1が連結されるチェーンは、引張力が作用しても掛け金を回動させるトルクに変換されないものであり、ことに、チェーンが自由状態であって捩れがないときには、回動させるトルクは全く生じない。したがって、風の影響等により係止した後部ドアに振動が生じたとしても、横棒11Aが回動して掛け金1が外れる事態を招くことはない。
掛け止め作業を行う際、作業員は、一連の作業を片手で行うことが可能であり、後部ドアと荷台の側面との狭い間隙であっても容易に実行することがでる。そして、外れ防止部材24の突起23を乗り越えた時点では、節度感が生じるから、外れ防止手段の設定が完了したことを容易に知り得ることとなる。また、掛け止め部材21の表面には可動部品が存在しないから、可動部品点数が増加したり、止め具2全体の厚み寸法が増大することはない。
図3(b)に示す第1実施例の止め具においては、外れ防止部材24に4個の球状の突起23が中心の周りに点対称となるよう配置してある。そのため、横棒11Aをロックする際には、どちらの方向にも回動させることができる。これに対し、図3(c)に示す第2実施例の止め具のように、外れ防止部材24に2個の球状の突起23と2個の阻止突起25(例えば、外れ防止部材24を切り起こしてストッパとしたもの)とを対称的に形成すると、横棒11Aを阻止突起25側には回動できないから、ロックする際の回動方向が規制される。場合によっては、球状の突起23と阻止突起25とを1個ずつ設けるようにしてもよい。
図4(a)には、外れ防止部材24に円形の周壁部26を形成した第3実施例の止め具を示し、図4(b)には、その外れ防止部材24を単品で示す。第3実施例の止め具における掛け止め部材21は、第1実施例又は第2実施例のものと同一構造である。
この実施例の外れ防止部材24は、図4(b)から分かるように、円形の周壁部26を有するカップ状の円筒体の底面に、図2の外れ防止部材と同様な4個の球状の突起23を形成し、さらに、掛け止め部材21に装着するための曲げ片24Aを円筒体と一体的に形成したものである。円形の周壁部26の径は、掛け止め部材21の溝22の縦方向長さとほぼ同一、つまり、掛け金1の横棒11Aの長さL(図1)よりも少しばかり大きい長さに設定されている。こうした外れ防止部材24は、鍛造あるいはプレスにより製造することが好ましい。
第3実施例の止め具では、掛け止め部材21の縦方向の溝22から挿入された横棒11Aが、外れ防止部材24における円形の周壁部26の内部に入り込み、ここで球状の突起23を乗り越えるように回動される。このとき、横棒11Aの両端が周壁部26に沿うようにガイドされながら回動するので、突起23をスムースに乗り越え横棒11Aが横方向となってロックされる。横方向の姿勢でロックされた状態では、横棒11Aが上下方向に平行に移動しようとすると横棒11Aの両端が周壁部26と干渉を起こすため、横棒11Aが下側又は上側の2個の突起を乗り越えて動くようなことはない。
図5は、本発明の係止装置を、積層構造の断熱パネルからなる箱型荷台に適用する目的などのために、改良した変形例を示すものである。この変形例では、止め具の掛け止め部材を板状とするとともに、外れ防止部材を断面ハット形としてその中高部に突起を形成する。そして、こうした止め具を断熱パネルに埋め込んで装着しており、図5にはその止め具の構造を示している。
断熱パネルIPは、発泡合成樹脂等の断熱材INの両面に金属等の薄板を積層したものであり、これに止め具42を埋め込む凹部43を設ける。止め具42は、板状の掛け止め部材42Aと断面ハット形の外れ防止部材42Bとを組み合わせたものであって、両方の部材は、ブラインドリベットを用いて断熱パネルIPの荷台外側の薄板に共締めされる。掛け止め部材42Aには、縦方向の直線状の溝42Cが形成されるとともに、凹部43に埋め込まれた外れ防止部材42Bの中高部(この例では円筒形であり、図4(b)と同様な周壁部を有する。)には、掛け止め部材42Aまでの距離等が図2の係止装置と同様な寸法に設定された突起42Dが形成される。
開放された後部ドアを係止するときは、掛け金のT形先端部(図示省略)を掛け止め部材42Aの直線状の溝42Cを通過させて、掛け止め部材42Aと外れ防止部材42Bの中高部との間隙に挿入した後、その横棒を、外れ防止部材42Bの突起42Dを乗り越えて移動させることにより、掛け金を弾性的にロックして逆方向への回動を阻止する。こうした掛け止め機能及び外れ防止機能は、図2等の係止装置と同様であるが、この変形例の係止装置の止め具は、断熱パネルから殆ど突出せずコンパクトな構造となっている。
以上詳述したように、本発明は、車両用箱型荷台の回動式ドアを開放時に掛け止めして保持する係止装置において、チェーンに連結された掛け金を掛け止めするための止め具に直線状の溝と突起とを形成し、掛け金の横棒を直線状の溝から挿入した後、これを回動して突起を乗り越えて移動させることにより、掛け金を弾性的にロックして逆方向への回動を阻止するものである。
上述の実施例では、車両用箱型荷台の観音開き式後部ドアの係止装置について説明しているけれども、車両に取り外し自在に積載して運搬されるコンテナにも観音開き式後部ドアが設けられており、本発明は、こうしたコンテナの後部ドアを掛け止めする係止装置としても適用できる。また、箱型荷台の側面に取り付けられた回動式ドアの係止装置や、分割した後部ドアの一部を開放し、閉鎖されたままの部分の後部ドア表面に係止する係止装置としても用いることができる。そして、直線状の溝を横方向に設ける、外れ防止部材と掛け止め部材とをネジ等を用いて取り付けるなど、実施例に対し種々の変形が可能であることは明らかである。
1 掛け金
11 T形先端部
11A 横棒
12 円環部
2、42 止め具
21、42A 掛け止め部材
22、42C 直線状の溝
23、42D 突起
24、42B 外れ防止部材
25 阻止突起
26 周壁部
RD 後部ドア
SP 側面パネル
IP 断熱パネル

Claims (9)

  1. 車両に積載される箱型荷台において、ヒンジにより回動して開閉される前記箱型荷台のドアを、開放時に掛け止めして保持する係止装置であって、
    前記係止装置は、前記ドアにチェーンで連結して固着され、横棒を有するT形先端部及び円環部からなる掛け金と、開放時に前記ドアを保持する面に固着され、前記掛け金の横棒を挿入して掛け止めする止め具とを備えており、さらに、
    前記止め具は、直線状の溝が形成された掛け止め部材と、円形断面の突起が形成された外れ防止部材とを備え、前記外れ防止部材が前記掛け止め部材よりも前記掛け金の挿入方向前方に配置されるとともに、前記外れ防止部材の円形断面の突起の頂点と前記掛け止め部材との間の距離が、前記掛け金の横棒の幅よりも小さく設定されており、
    前記掛け金の横棒を、前記掛け止め部材の直線状の溝を通して前記掛け止め部材と前記外れ防止部材との間に挿入した後、前記掛け金を回動して、前記掛け金の横棒を前記外れ防止部材の円形断面の突起を乗り越えて移動させることにより、前記掛け金の逆方向への回動を阻止して前記掛け金の外れを防止することを特徴とする係止装置。
  2. 前記外れ防止部材には、4個の円形断面の突起が形成されており、前記掛け金を回動して前記掛け金の横棒を前記外れ防止部材の突起を乗り越えて移動させるときは、両方向に回動可能となっている請求項1に記載の係止装置。
  3. 前記外れ防止部材には、2個の円形断面の突起と2個の阻止突起とが形成されており、前記掛け金を回動して前記掛け金の横棒を前記外れ防止部材の円形断面の突起を乗り越えて移動させるときは、一方向に回動可能となっている請求項1に記載の係止装置。
  4. 前記外れ防止部材には、前記掛け金の横棒の長さよりも大きな径を有する円形の周壁部が形成されている請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の係止装置。
  5. 前記掛け止め部材に形成された直線状の溝は、縦方向に延びている請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の係止装置。
  6. 前記ドアは前記箱型荷台の後部ドアであり、前記止め具の固着される、開放時に前記ドアを保持する面は、前記箱型荷台の側面である請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の係止装置。
  7. 前記掛け止め部材が断面ハット形であって、その中高部に前記直線状の溝が形成されている請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の係止装置。
  8. 前記掛け止め部材が板状であり、かつ、前記外れ防止部材が断面ハット形であって、前記外れ防止部材の中高部に突起が形成されている請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の係止装置。
  9. 前記止め具の固着される、開放時に前記ドアを保持する面が断熱材を介在させた積層構造の断熱パネルであり、前記止め具がその断熱パネルに埋め込まれて固着された請求項8に記載の係止装置。
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