JP5570335B2 - ニオブの回収方法 - Google Patents

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Description

本発明は、スクラップの電子基板に実装されているコンデンサ、または、スクラップのコンデンサから、ニオブを回収する回収方法に関する。
エレクトロニクス機器に使用されている電子基板には、多くの有価金属が使用されている。そこで、当該電子基板がスクラップとなったときには、例えば、銅精錬所において銅精錬工程に投入され、金、銀、銅等の有価金属が回収されている。
ところが、当該電子基板には従来の銅精錬工程では回収できない有価金属が含有されている。具体的には、当該電子基板においてコンデンサとして使用されているニオブ(Nb)がある。当該有価金属を含むコンデンサは、他種のコンデンサに比べて小型で、漏れ電流が少なく、その上、安定性が高い。その為、ニオブコンデンサは、パソコン、携帯電話等の小型のエレクトロニクス製品の電子基板には多数が実装されている。
上述したニオブの回収については、先行する研究は見出せなったが、本出願人は、比較的近い技術として、特許文献1において、タンタルコンデンサが実装された電子基板を550℃以上に加熱し、得られた加熱処理物を粉体と、それ以外とに選別することで、タンタルと他の有価金属とを選別し、回収する方法を開示している。
特開2009−221514号公報
本発明は、上述の状況の下でなされたものであり、その解決しようとする課題は、ニオブコンデンサを実装したスクラップの電子基板、または、スクラップのニオブコンデンサから、高い効率をもってニオブを回収できる方法を提供することである。
上述の課題を解決する為、本発明者等は研究を行った。そして、ニオブコンデンサを構成するニオブ焼結体およびシリコン製のモールド部とも、所定の加熱より粉化することを知見した。さらに、本発明者等は、ニオブコンデンサを構成するシリコン製のモールド部の粉化温度と、ニオブ焼結体の粉化温度とが異なることに想到した。具体的には、スクラップのニオブコンデンサを350〜500℃で加熱する第1の加熱処理と、500℃以上で加熱する第2の加熱処理とを組み合わせ、さらに、当該第1の加熱処理で得られた第1の加熱処理物の状態によっては、粉化したシリコン製のモールド部を除去する工程を加えることで、ニオブを高効率で回収出来るという構成に想到し、本発明を完成した。
即ち、上述の課題を解決する為の、第1の発明は、
ニオブコンデンサが実装された基板またはニオブコンデンサからの、ニオブの回収方法であって、
ニオブコンデンサが実装された基板またはニオブコンデンサを、酸素濃度2.5%以上の雰囲気下、350〜500℃の温度で加熱処理(但し、加熱温度が400℃以下の時は、酸素濃度21%以上の雰囲気下とし、加熱温度が450℃以上の時は、酸素濃度10%以下、2.5%以上の雰囲気下とする。)して第1の加熱処理物を得る第1の加熱処理工程と、
前記第1の加熱処理物を500℃以上の温度で加熱処理して第2の加熱処理物を得る第2の加熱処理工程と、
前記得られた第2の加熱処理物を、当該加熱処理物の長軸長さにより選別する選別工程と、を有することを特徴とするニオブの回収方法である。
第2の発明は、
ニオブコンデンサが実装された基板またはニオブコンデンサからの、ニオブの回収方法であって、
ニオブコンデンサが実装された基板またはニオブコンデンサを、酸素濃度2.5%以上の雰囲気下、350〜500℃の温度で加熱処理(但し、加熱温度が400℃以下の時は、酸素濃度21%以上の雰囲気下とし、加熱温度が450℃以上の時は、酸素濃度10%以下、2.5%以上の雰囲気下とする。)して第1の加熱処理物を得る第1の加熱処理工程と、
前記得られた第1の加熱処理物を、当該第1の加熱処理物の長軸長さにより、当該長軸長さが一定値を超えるものとそれ以下のものとに選別する第1の選別工程と、
前記選別された長軸長さが一定値を超える成分を500℃以上の温度で加熱処理して第2の加熱処理物を得る第2の加熱処理工程と、
前記得られた第2の加熱処理物を、当該第2の加熱処理物の長軸長さにより選別する第2の選別工程と、を有することを特徴とするニオブの回収方法である。
第3の発明は、
選別工程での選別基準を、加熱処理物の0.1mm〜1mmの長軸長さとすることを特徴とする第1の発明に記載のニオブの回収方法である。
第4の発明は、
第1および第2の選別工程での選別基準を、第1および第2の加熱処理物の0.1mm〜1mmの長軸長さとすることを特徴とする第2の発明に記載のニオブの回収方法である。
第5の発明は、
前記基板が貴金属を含み、加熱処理物の長軸長さにより、ニオブと貴金属を選別することを特徴とする第1または第3の発明のいずれかに記載のニオブの回収方法である。
第6の発明は、
前記基板が貴金属を含み、第2の加熱処理物の長軸長さにより、ニオブと貴金属を選別することを特徴とする第2または第4の発明のいずれかに記載のニオブの回収方法である。
第7の発明は、
前記貴金属が、金、銀、銅及びパラジウムから選択される少なくとも1種であることを特徴とする第5または第6の発明のいずれかに記載のニオブの回収方法である。
第8の発明は、
ニオブコンデンサが実装された基板を破砕した後、加熱処理することを特徴とする第1から第7の発明のいずれかに記載のニオブの回収方法である。
本発明によれば、スクラップの電子基板に実装されたニオブコンデンサまたはスクラップのニオブコンデンサから、高効率でニオブの回収が可能となった。
本発明に係るニオブの回収方法は、まず、ニオブコンデンサが実装されたスクラップの電子基板またはスクラップのニオブコンデンサを、酸素濃度2.5%以上の雰囲気下、350〜500℃の温度で加熱処理(但し、加熱温度が400℃以下の時は、酸素濃度21%以上の雰囲気下とし、加熱温度が450℃以上の時は、酸素濃度10%以下、2.5%以上の雰囲気下とする。)する。そして、当該加熱処理により、ニオブコンデンサを構成していたシリコン製のモールド部を粉化し、篩操作等により除去する。
尤も、加熱温度が400℃未満の場合や、450℃を超える場合はシリコン製のモールド部が粉化しない場合もある。シリコン製のモールド部が粉化しない場合は、篩操作等を省いても良い。
次に、当該加熱処理で粉化しなかった部分を、今度は、500℃以上に加熱することで、ニオブコンデンサを構成していたニオブを粉化し、当該温度でも粉化しない貴金属と分離することで、スクラップの電子基板に実装されたニオブコンデンサまたはスクラップのニオブコンデンサから、高効率でニオブを回収するものである。
具体的には、第1(350〜500℃)の加熱処理工程、必要に応じて第1の選別(篩い分け)工程、第2(500℃以上)の加熱処理工程、第2の選別(篩い分け)工程、を有し、必要に応じて、さらに破砕工程、分離精製工程、などを有してなる。
<電子基板>
本発明に用いられるスクラップの電子基板としては、ニオブコンデンサが実装されたものが用いられる。当該電子基板は、使用されなくなった通信機器、音響機器、OA機器、家電製品の廃棄物から回収される。回収される電子基板としては、ニオブコンデンサが実装されていれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、パソコンの制御基板(マザーボード、ドーターボード)、携帯電話の制御基板、などが挙げられる。
前記ニオブコンデンサには、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えばチップコンデンサであることが好ましい。
一方、前記電子基板は、通常、金、銀、銅、パラジウム等の貴金属を含有しており、後述するように、加熱処理物の長軸長さによりニオブと貴金属を選別することができる。
<スクラップのコンデンサ>
本発明に用いられるスクラップのコンデンサとしては、上記電子基板から剥がされて集められたニオブコンデンサや、ニオブコンデンサの製造工程で発生した不良品のニオブコンデンサなどが挙げられる。
<破砕工程>
前記ニオブが実装されたスクラップの電子基板は、必要に応じ前処理として、適当な大きさに破砕を行うことが好ましい。当該破砕の処理方法は、特に制限がなく、目的に応じて適宜選択することが出来る。例えば、一軸又は二軸の破砕機やシュレッダー、などを用いて処理を行うことが出来る。なお、電子基板を細かく粉砕せず、破砕の水準に留めることで、貴金属が微細画分へ混入することを回避出来る。従って、粉砕処理は、二軸破砕機等による粗砕程度に留めることが好ましい。
スクラップのニオブコンデンサのみを処理する場合は、当該破砕工程を省略することもできる。
<第1の加熱処理(焼却)工程>
破砕後の破砕物を、350〜500℃で加熱(焼却)処理して第1の加熱処理物を得る。
当該第1の加熱処理に用いる装置は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば電気炉、ロータリーキルン、などを用いて行うことができる。
当該第1の加熱処理は、加熱温度が400℃以下の時は、酸素濃度21%以上の雰囲気下とし、加熱温度が400〜450℃の時は、酸素濃度5%以上、より好ましくは酸化雰囲気下とし、加熱温度が450℃以上の時は、酸素濃度10%以下、2.5%以上の雰囲気下とする。
これは、ニオブコンデンサを構成していたシリコン製のモールド部の粉化に酸素が必要だからである。ここで「酸化雰囲気」とは、大気雰囲気(酸素21%含有)、または、大気以上の酸素濃度を有する雰囲気のことをいう。
当該第1の加熱処理の温度を400〜450℃、より好ましくは430〜450℃とすることで、ニオブコンデンサを構成していたシリコン製のモールド部は粉化するが、ニオブコンデンサを構成していたニオブ焼結体は粉化しない。
また、加熱温度が400℃未満の場合や、450℃を超える場合はシリコン製のモールド部が粉化しない場合もある。
当該第1の加熱処理の時間は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、5分間〜60分間が好ましい。また、当該第1の加熱処理の際の圧力は、コストの面から特に制御が必要ない大気圧下であることが好ましい。
<第1の選別(篩い分け)工程>
前記第1の加熱処理後、得られた第1の加熱処理物から、粉化した第1の加熱処理物(粉化されたモールド部であるシリコン化合物)を、当該第1の加熱処理物の他の部分から選別し除去する。
一方、前記第1の加熱処理においてシリコン製のモールド部が粉化しない場合は、当該第1の選別(篩い分け)工程を省略しても良い。
当該除去方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば篩い、サイクロン、機械分級機等の物理的選別が好ましい。これらの中でも、篩いによる選別が特に好ましい。物理的選別は水分が存在しないので、乾式精錬には適するからである。
選別基準は、長軸長さが一定値を超えるものとそれ以下のものとで分けることを意味し、好ましくは長軸長さ0.1mm〜1mmを基準に選別することがよい。特に0.1mm〜0.5mmがより好ましい。
当該選別により、長軸長さが1mm以下の部分である粉化した第1の加熱処理物を分離除去することで、粉化したモールド部であるシリコン化合物を除去することが出来る。これにより、後工程におけるニオブ品位が高まる。そこで、上述した第1の加熱処理工程の温度を調整して、当該長軸長を有する粉化した第1の加熱処理物が得られる条件を求めれば良い。
ここで、粉化した第1の加熱処理物の長軸長さとは、当該粉化した第1の加熱処理物を上方から平面視した際における最大の長さを意味する。
粉化した第1の加熱処理物の長軸長さは、例えば篩目が異なる篩を複数用意して、各篩の通過量、残存量により質量平均長さを求める方法、拡大写真を撮影し、スケール等により実測する方法などにより測定することができる。
<第2の加熱処理(焼却)工程>
第1の選別工程により得られた第1の加熱処理物の他の部分を、500℃以上で加熱(焼却)処理する。当該加熱処理装置も、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば電気炉、ロータリーキルン、などを用いて行うことができる。
当該第2の加熱処理(焼却)は、上述した酸化雰囲気下で行う。これは、ニオブコンデンサ内部のニオブ焼結体の粉化に酸素が必要だからである。
当該第2の加熱処理の温度は、500℃以上であり、550℃以上が好ましく、上限は基板等の銅が溶融しない1100℃以下が好ましい。当該加熱温度が500℃以上あれば、ニオブの酸化反応速度が確保でき、短時間でニオブコンデンサ内部のニオブ焼結体が十分に粉化する。
ニオブコンデンサ内部のニオブ焼結体は、酸化マンガン(MnO)及び酸化ニオブ(Nb)層に覆われた金属ニオブまたは酸化ニオブ(NbO)粒子により形成されており、低温ではこのNb酸化物層が保護層となり粒子内部まで酸化しないが、500℃〜550℃にかけて酸化速度が急激に上昇し、酸化物層の亀裂を伴う酸化が始まるため、焼結体の破壊が進むことを知見した。
当該第2の加熱処理の時間は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5分間〜60分間が好ましい。当該第2の加熱処理の際の圧力は、コストの面から、特に制御が必要ない大気圧下であることが好ましい。
<第2の選別(篩い分け)工程>
前記第2の加熱処理後、得られた第2の加熱処理物の長軸長さによりニオブを貴金属と選別する。当該選別方法としても、長軸長さにより選別することができれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば篩い、サイクロン、機械分級機等の物理的選別が好ましい。これらの中でも、篩いによる選別が特に好ましい。選別基準は、前記第1の選別工程と同様である。
当該選別により、長軸長さが1mm以下の部分である粉化した第2の加熱処理物を分離し、これからニオブの回収を行う。長軸長さが1mmを超える第2の加熱処理物の他の部分には、実質的にニオブは含まれておらず、金、銀、銅、パラジウム等の貴金属が含有されているので、貴金属を効率よく回収するのに有利である。
これによりニオブ品位が高まる。そこで、上述した第2の加熱処理の温度を調整して、当該長軸長を有する粉化した第2の加熱処理物が得られる条件を求めれば良い。
<ニオブの分離精製工程>
得られた粉化した第2の加熱処理物から、ニオブを分離精製する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えばフッ酸溶解及び溶媒抽出による湿式法や、塩化揮発による乾式法、などが挙げられる。
本発明に係る電子基板からのニオブの回収方法によれば、簡便な処理によって、金、銀、銅、等の貴金属、および、シリコン随伴の少ないニオブが、濃集物として効率よく回収することができる上、後工程における分別の負荷が削減される。この結果、ニオブの有効利用が図れる。
(実施例1)
(1)第1の加熱処理工程
ニオブコンデンサー5gをるつぼに入れ、400℃に保持した電気炉内に挿入し、第1の加熱処理を1時間実施した。電気炉内には大気を流通させることで、酸素濃度21%の雰囲気を維持した。
(2)第1の選別工程
当該第1の加熱熱処理後、得られた第1の加熱処理物(コンデンサー残渣)を炉から取り出し、空冷した。そして、当該第1の加熱処理物の外観によって、第1の加熱処理物の粉化部分(モールド部)、および、第1の加熱処理物の粉化部分以外の部分(焼結体)の状態を確認した。すると、ニオブコンデンサーにおけるニオブ焼結体およびシリコンモールド部の一部が、共に粉化していることが確認できた。
次に、当該第1の加熱処理物を目開き0.5mmの篩にて篩分けした。このときの第1の篩上は2.55gであり、当初のニオブコンデンサー5gに対する第1の篩上の比率は:2.55g/5g=0.51g/gであった。同様に、第1の篩下は2.1gであり、当初のニオブコンデンサー5gに対する第1の篩下の比率は:2.1g/5g=0.41g/gであった。
(3)第2の加熱処理工程
第1の篩上2.55gをるつぼに入れ、600℃に保持した電気炉内に挿入し、第2の熱処理を1時間実施した。電気炉内には大気を流通させることで、酸素濃度21%の雰囲気を維持した。
(4)第2の選別工程
当該第2の加熱処理後、得られた第2の加熱処理物を炉から取り出し空冷した。当該第2の加熱処理物をその外観によって、第2の加熱処理物の粉化部分、および、第2の加熱処理物の粉化部分以外の部分の状態を確認した。次に、当該第2の加熱処理物を目開き0.5mmの篩にて篩分けした。このときの第2の篩上は0.9gであり、当初のニオブコンデンサー量5gに対する第2の篩上の比率は:0.9g/5g=0.18g/gであった。同様に、第2の篩下は1.7gであり、当初のニオブコンデンサー量5gに対する第2の篩下の比率は:1.7g/5g=0.34g/gであった。
得られた第2の篩下から、湿式法にてニオブ分を分離精製して採取した。一方、得られた第2の篩上から金、銀、銅、パラジウム等の貴金属を分離精製して採取した。
(5)第1および第2の篩下の分析結果
ここで、第1の篩下におけるニオブ濃度、シリコン濃度を蛍光X線分析装置で測定したところニオブ濃度は25.0質量%、シリコン濃度は18.7質量%であった。
第2の篩下におけるニオブ濃度、シリコン濃度を蛍光X線分析装置で測定したところニオブ濃度は40.6質量%、シリコン濃度は2.9質量%であった。
以上の結果を表1に示す。
(実施例2)
第1の加熱処理温度を450℃とした以外は、実施例1と同様の操作、および観察を行って、実施例2に係る第1の篩下、第2の篩上、および、第2の篩下を得、分析を行った。これらの結果を表1に示す。
(実施例3)
第1の加熱処理温度を450℃とし、大気と窒素とを混合して雰囲気の酸素濃度を8.4%とした以外は、実施例1と同様の操作および観察を行って、実施例3に係る第1の篩下、第2の篩上、および、第2の篩下を得、分析を行った。これらの結果を表1に示す。
(実施例4)
第1の加熱処理温度を350℃とした以外は、実施例1と同様の操作および観察を行って、実施例4に係る第1の篩下、第2の篩上、および、第2の篩下を得、分析を行った。これらの結果を表1に示す。
(実施例5)
第1の加熱処理温度を500℃とし、大気と窒素とを混合して雰囲気の酸素濃度を2.5%とした以外は、実施例1と同様の操作および観察を行って、実施例5に係る第1の篩下、第2の篩上、および、第2の篩下を得、分析を行った。これらの結果を表1に示す。
(比較例1)
第1の加熱処理温度を500℃とした以外は、実施例1と同様の操作および観察を行って、比較例1に係る第1の篩下、第2の篩上、および、第2の篩下を得、分析を行った。これらの結果を表1に示す。
(比較例2)
第1の加熱処理温度を600℃とし、大気と窒素とを混合して雰囲気の酸素濃度を2.5%とした以外は、実施例1と同様の操作および観察を行って、比較例2に係る第1の篩下、第2の篩上、および、第2の篩下を得、分析を行った。これらの結果を表1に示す。
Figure 0005570335
(評価)
表1の結果から明らかなように実施例1〜3に係る第1の篩下においては、シリコン濃度が高く、ニオブコンデンサを実装したスクラップの電子基板、または、スクラップのニオブコンデンサから、効率よくシリコン分を分離出来ていることが判明した。
一方、実施例4、5に係る第1の篩下は殆ど発生せず、当該実施例においては、第1の選別工程を省いても良かったことが判明した。
さらに、実施例1〜5に係る第2の篩下の分析結果から、第1の加熱処理を400℃、大気雰囲気とした場合、第2の篩下においてはシリコン濃度が非常に低くなり、効率よくニオブ分を回収できることが判明した。
これに対し、比較例1では、第2の篩下においてはシリコン濃度が非常に低くなり、効率よくニオブ分を回収できることが判明したものの、第2の篩下比率が0.07と低く、生産性の観点から問題があった。
比較例2では、第2の篩下比率が0.44あり生産性の観点からは問題なかったが、第2の篩下においてはシリコン濃度が22.6質量%あり、効率よくニオブ分を回収する観点から問題があった。

Claims (8)

  1. ニオブコンデンサが実装された基板またはニオブコンデンサからの、ニオブの回収方法であって、
    ニオブコンデンサが実装された基板またはニオブコンデンサを、酸素濃度2.5%以上の雰囲気下、350〜500℃の温度で加熱処理(但し、加熱温度が400℃以下の時は、酸素濃度21%以上の雰囲気下とし、加熱温度が450℃以上の時は、酸素濃度10%以下、2.5%以上の雰囲気下とする。)して第1の加熱処理物を得る第1の加熱処理工程と、
    前記第1の加熱処理物を500℃以上の温度で加熱処理して第2の加熱処理物を得る第2の加熱処理工程と、
    前記得られた第2の加熱処理物を、当該加熱処理物の長軸長さにより選別する選別工程と、を有することを特徴とするニオブの回収方法。
  2. ニオブコンデンサが実装された基板またはニオブコンデンサからの、ニオブの回収方法であって、
    ニオブコンデンサが実装された基板またはニオブコンデンサを、酸素濃度2.5%以上の雰囲気下、350〜500℃の温度で加熱処理(但し、加熱温度が400℃以下の時は、酸素濃度21%以上の雰囲気下とし、加熱温度が450℃以上の時は、酸素濃度10%以下、2.5%以上の雰囲気下とする。)して第1の加熱処理物を得る第1の加熱処理工程と、
    前記得られた第1の加熱処理物を、当該第1の加熱処理物の長軸長さにより、当該長軸長さが一定値を超えるものとそれ以下のものとに選別する第1の選別工程と、
    前記選別された長軸長さが一定値を超える成分を500℃以上の温度で加熱処理して第2の加熱処理物を得る第2の加熱処理工程と、
    前記得られた第2の加熱処理物を、当該第2の加熱処理物の長軸長さにより選別する第2の選別工程と、を有することを特徴とするニオブの回収方法。
  3. 選別工程での選別基準を、加熱処理物の0.1mm〜1mmの長軸長さとすることを特徴とする請求項1に記載のニオブの回収方法。
  4. 第1および第2の選別工程での選別基準を、第1および第2の加熱処理物の0.1mm〜1mmの長軸長さとすることを特徴とする請求項2に記載のニオブの回収方法。
  5. 前記基板が貴金属を含み、加熱処理物の長軸長さにより、ニオブと貴金属を選別することを特徴とする請求項1または3のいずれかに記載のニオブの回収方法。
  6. 前記基板が貴金属を含み、第2の加熱処理物の長軸長さにより、ニオブと貴金属を選別することを特徴とする請求項2または4のいずれかに記載のニオブの回収方法。
  7. 前記貴金属が、金、銀、銅及びパラジウムから選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項5または6のいずれかに記載のニオブの回収方法。
  8. ニオブコンデンサが実装された基板を破砕した後、加熱処理することを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のニオブの回収方法。
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