JP5569268B2 - バッテリー用温度センサ装置 - Google Patents
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例えば、特許文献1には、保持体に設置した樹脂フィルムと、該樹脂フィルムに設けられ保持体の導光部を介して赤外線を検知する赤外線検知用感熱素子と、樹脂フィルムに遮光状態に設けられ保持体の温度を検知する温度補償用感熱素子と、を備えた赤外線センサが提案されている。この赤外線センサでは、導光部の内側面に赤外線吸収膜を形成すると共に、樹脂フィルムにカーボンブラック等の赤外線吸収材料を含有させて赤外線の吸収を高めている。
すなわち、特許文献1及び2の赤外線センサでは、樹脂フィルムにカーボンブラック等の赤外線吸収材料を含有させた構造が採用されているが、その場合でも赤外線の一部が感熱素子の周囲において樹脂フィルムを透過してしまい赤外線の吸収効果が十分ではないという不都合がある。また、樹脂フィルムの検出面とは反対側の方向から入射される赤外線が樹脂フィルムに吸収されてしまうと、検出精度が低下してしまう問題があった。特許文献1および2では、ケース等の筐体で検出面の反対側からの赤外線を遮蔽しているが、筐体自体から放射される赤外線を遮蔽できないため、やはり検出精度が低下してしまう。
また、複数の上記赤外線センサを用いて複数点で温度測定を行う場合、各赤外線センサにそれぞれリファレンスの感熱素子が別途設けられているため、温度検出回路が複雑になってしまう不都合があった。
すなわち、この赤外線センサでは、絶縁性フィルムが、ポリイミド基板で形成され、金属配線膜が、銅箔で形成されているので、材料費が安い汎用的な片面フレキシブル基板を利用することができ、低コスト化を図ることができる。
すなわち、この赤外線センサでは、絶縁性フィルムの一方の面に接着されていると共に接着面側に形成された空洞部内に感熱素子を非接触で収納する筐体を備えているので、外部から絶縁性フィルムの一方の面への赤外線の入射を筐体により防ぐことができると共に、空洞部により筐体が感熱素子に直接接触しないようにして筐体から感熱素子への熱伝導を抑制することができる。
すなわち、この赤外線センサでは、感熱素子が、Mn,CoおよびFeの金属酸化物を含有するセラミックス焼結体、すなわちMn−Co−Fe系材料で形成されたサーミスタ素子であるので、温度係数であるB定数が高いため、絶縁性フィルムの温度変化を感度良く検出することができる。また、Mn−Co−Cu系材料などの他のサーミスタ材料に比べ機械的強度も高いため、耐環境に対する信頼性も高い。
すなわち、この赤外線センサでは、セラミックス焼結体が、立方晶スピネル相を主相とする結晶構造を有しているので、電気特性のばらつきが小さく、複数の赤外線センサを用いる際に高精度な測定が可能になる。
すなわち、この温度センサ装置では、基板に実装された一つの基準感熱素子と、基板に実装された複数の上記本発明の赤外線センサと、を備えているので、同一基板上の一つの基準感熱素子による測定温度をリファレンスとして、複数の上記本発明の赤外線センサでの測定温度に対する共通の基準温度にできるため、簡単な温度検出回路で構成することが可能になる。
すなわち、本発明に係る赤外線センサによれば、絶縁性フィルムの一方の面に形成された金属配線膜が、感熱素子の周囲に該感熱素子を囲うように配されているので、検出面側からの赤外線は透過させずに絶縁性フィルムの熱収集を改善すると共に、検出面の反対側からの赤外線は遮蔽して高精度に赤外線を検出することが可能である。また、本発明の温度センサ装置によれば、基板に実装された一つの基準感熱素子と、基板に実装された複数の上記本発明の赤外線センサと、を備えているので、基準温度を一つにでき、簡単な温度検出回路で構成することで全体のコストを低減することができる。
上記金属配線膜4は、パターン形成された金属薄膜であって、赤外線の反射効果が高い金属材料が好ましく、例えば銅箔で形成されている。
すなわち、本実施形態の絶縁性フィルム2および金属配線膜4は、絶縁性フィルム2とされるポリイミド基板の片面に、金属配線膜4とされる銅箔がパターン形成された片面フレキシブル基板によって作製されたものである。
上記接着電極4bには、それぞれ感熱素子3の端子電極3aが半田等の導電性接着剤で接着されて、感熱素子3が実装される。
上記空洞部5aは、例えば半球状に形成され、その中央に感熱素子3は位置するように接着面に設けられている。
さらに、絶縁性フィルム2の一方の面に接着されていると共に接着面側に形成された空洞部5a内に感熱素子3を非接触で収納する筐体5を備えているので、外部から絶縁性フィルム2の一方の面への赤外線の入射を筐体5により防ぐことができると共に、空洞部5aにより筐体5が感熱素子3に直接接触しないようにして筐体5から感熱素子3への熱伝導を抑制することができる。
さらに、感熱素子3のセラミックス焼結体が、立方晶スピネル相を主相とする結晶構造を有しているので、電気特性のばらつきが小さく、複数の赤外線センサを用いる際に高精度な測定が可能になる。
上記基板13は、各バッテリーセル12の充放電を制御する基板であり、各バッテリーセル12に対向する下面に上記基準感熱素子23および各赤外線センサ1が実装されている。なお、各赤外線センサ1は、それぞれ対応するバッテリーセル12に対向した位置に設置されている。
なお、符号24は、抵抗であり、この抵抗24と感熱素子3または基準感熱素子23との分圧回路で、サーミスタである感熱素子3または基準感熱素子23の抵抗を電圧として測定するようになっている。
また、基準感熱素子23と複数の赤外線センサ1の感熱素子3とが、立方晶スピネル相を主相とする結晶構造を有したMn−Co−Fe系材料からなる同じセラミックス焼結体であるので、互いに電気特性のばらつきが小さく、高精度な測定が可能になる。
なお、感熱素子としては、上述したように薄膜サーミスタやチップサーミスタが用いられるが、サーミスタ以外に焦電素子等も採用可能である。
また、筐体の空洞部に感熱素子を収納しているが、この空洞部内に絶縁性フィルムよりも熱伝導率の低い発泡樹脂を充填して感熱素子を覆っても構わない。
Claims (6)
- 複数のバッテリーセルの温度を測定する温度センサ装置であって、
基板と、該基板に実装された一つの基準感熱素子と、前記基板に実装された複数の赤外線センサと、を備え、
前記赤外線センサが、絶縁性フィルムと、該絶縁性フィルムの一方の面に設けられた感熱素子と、前記絶縁性フィルムの一方の面に形成され前記感熱素子に接続された一対の金属配線膜と、前記絶縁性フィルムの一方の面に接着されている筐体と、を備え、
前記金属配線膜が、前記感熱素子の周囲に該感熱素子を囲うように配されており、
前記基準感熱素子及び複数の前記赤外線センサが、前記バッテリーセルに対向する前記基板の面に実装され、
複数の前記赤外線センサが、前記基板に互いに間隔を空けて実装され、前記絶縁性フィルムの他方の面を検出面とし、それぞれ対応する前記バッテリーセルに対向した位置に配置されることを特徴とするバッテリー用温度センサ装置。 - 請求項1に記載のバッテリー用温度センサ装置において、
前記基板が、前記バッテリーセルの充放電を制御する基板であることを特徴とするバッテリー用温度センサ装置。 - 請求項1又は2に記載のバッテリー用温度センサ装置において、
前記絶縁性フィルムが、ポリイミド基板で形成され、
前記金属配線膜が、銅箔で形成されていることを特徴とするバッテリー用温度センサ装置。 - 請求項1から3のいずれか一項に記載のバッテリー用温度センサ装置において、
前記筐体が、接着面側に形成された空洞部内に前記感熱素子を非接触で収納することを特徴とするバッテリー用温度センサ装置。 - 請求項1から4のいずれか一項に記載のバッテリー用温度センサ装置において、
前記感熱素子が、Mn,CoおよびFeの金属酸化物を含有するセラミックス焼結体で形成されたサーミスタ素子であることを特徴とするバッテリー用温度センサ装置。 - 請求項5に記載のバッテリー用温度センサ装置において、
前記セラミックス焼結体が、立方晶スピネル相を主相とする結晶構造を有していることを特徴とするバッテリー用温度センサ装置。
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