JPH0674821A - 赤外線検出器 - Google Patents

赤外線検出器

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JPH0674821A
JPH0674821A JP5051866A JP5186693A JPH0674821A JP H0674821 A JPH0674821 A JP H0674821A JP 5051866 A JP5051866 A JP 5051866A JP 5186693 A JP5186693 A JP 5186693A JP H0674821 A JPH0674821 A JP H0674821A
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JP
Japan
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resin film
temperature
infrared
envelope
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Application number
JP5051866A
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English (en)
Inventor
Jun Kamiyama
準 神山
Toshiyuki Nojiri
俊幸 野尻
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ISHIZUKA DENSHI KK
Original Assignee
ISHIZUKA DENSHI KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 被測定体などからの赤外線量を検出するため
に使用する赤外線検出器に関し、赤外線の全域に渡って
検出感度を向上させることができるとともに、構造を簡
単にすることを目的とする。 【構成】 窓11wを有する外囲器11と、カーボンブ
ラックまたは無機顔料を分散させた高分子材料からな
り、窓11wを閉塞するように配設した樹脂フィルム1
4と、外囲器11内に配設され、樹脂フィルム14に密
着させたサーミスタ素子15と、外囲器11内に配設さ
れた温度補償用サーミスタ素子17とで構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、被測定体などからの
赤外線量を検出するために使用する赤外線検出器に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、赤外線検出器は、電気抵抗の温度
依存性を利用したサーミスタ素子を感温素子として用い
たものが広く用いられている。図9は、従来の赤外線検
出器、例えば特開昭62−222134号に開示されて
いる赤外線検出器の構成を示す断面図である。図9にお
いて、1は外囲器を示し、平板部1bと、この平板部1
bを覆い、平板部1bと対向する部分に窓1wが設けら
れた有底筒状部1pとで構成されている。
【0003】2A1 ,2A2 および2B1 ,2B2 は外
囲器1の平板部1bに設けられている端子を示し、平板
部1bを貫通している。3は外囲器1の窓1wを閉塞す
るように取り付けられた窓板を示し、赤外線を透過させ
る性質を有するもので構成されている。4は窓板3の裏
面(図の下側の面)側に配設されるポリ塩化ビニルなど
の高分子材料で構成した赤外線吸収膜を示し、外囲器1
の窓1wに取り付けられた窓板3を透過した赤外線を吸
収するものである。
【0004】5は赤外線吸収膜4の裏面に取り付けられ
たサーミスタ素子を示し、端子2A 1 ,2A2 間に接続
されている。6は遮蔽板を示し、サーミスタ素子5の裏
面側に配設されるように端子2A1,2A2 間に取り付
けられ、窓板3から入って後述する温度補償用サーミス
タ素子7に到る赤外線を遮蔽するためのものである。7
は温度補償用サーミスタ素子を示し、遮蔽板6の裏面側
に配設され、端子2B1 ,2B2 間に接続されている。
【0005】図10は図9に示したサーミスタ素子およ
び温度補償用サーミスタ素子を用いたブリッジ回路の構
成を示す回路図である。Baは電源としての電池、R1
は電池Baの陽極に一端が接続されている第1の抵抗器
を示し、この第1の抵抗器R1 の他端にはサーミスタ素
子5の一端と、温度補償用サーミスタ素子7の一端とが
接続されている。R2 はサーミスタ素子5の他端に一端
が接続されている第2の抵抗器、R3 は温度補償用サー
ミスタ素子7の他端に一端が接続されている第3の抵抗
器を示し、この第2および第3の抵抗器R2 ,R3 の他
端はそれぞれ電池Baの陰極に接続されている。
【0006】Aはサーミスタ素子5と第2の抵抗器R2
との接続点に接続されている端子、Bは温度補償用サー
ミスタ素子7と第3の抵抗器R3 との接続点に接続され
ている端子を示し、この端子A,B間に発生する電位差
に基づいて図示を省略した回路によって赤外線量を検出
する。
【0007】次に、動作について説明する。まず、外囲
器1に取り付けた窓板3を透過した赤外線は窓板3の裏
面側に配設された赤外線吸収膜4に吸収されるので、こ
の赤外線吸収膜4に密接させたサーミスタ素子5の温度
は応答性よく上昇する。そして、温度補償用サーミスタ
素子7への赤外線は遮蔽板6で遮蔽されるので、温度補
償用サーミスタ素子7は赤外線に影響されることなく周
囲の温度を検出し得る。
【0008】このように温度の変化によって抵抗値が変
化するサーミスタ素子5および温度補償用サーミスタ素
子7を用いて図10に示すブリッジ回路を構成すること
により、窓板3を透過した赤外線量に応じた電位差が端
子A,B間に発生するので、この電位差に基づいて赤外
線量を検出することができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来の赤外線検出器は
赤外線吸収膜4を高分子材料、例えばポリ塩化ビニルで
構成した場合、図11に示す赤外線吸収率となり、7μ
m〜13μmの範囲の赤外線吸収率は高いが、平均する
と、略50%程度に過ぎない。そして、7μm以下の赤
外線はほとんど吸収されずに透過してしまうので、7μ
m以下の赤外線吸収率は20%以下と極めて低いものに
なる。
【0010】なお、高分子材料を、例えばポリフッ化ビ
ニル、ポリアクリルアミド、ポリ酢酸ビニル、ポリアク
リルニトリル、ナイロン、フェノール樹脂、尿素樹脂、
エポキシ樹脂、ブタジエンなどとした場合の赤外線吸収
率の図示は省略するが、ポリ塩化ビニルで赤外線吸収膜
4を構成した場合と同様な赤外線吸収率を示す。
【0011】したがって、これらの高分子材料を使用し
たとしても、赤外線吸収膜4の平均した赤外線吸収率は
略20%程度と考えられるので、赤外線吸収膜4の温度
上昇は期待できる程のものではなく、検出感度は低いも
のとなる欠点がある。また、赤外線は赤外線吸収膜4に
到達する前に窓板3で一部が吸収されるので、実際の検
出感度はさらに低いものとなる欠点がある。さらに、赤
外線吸収膜4の赤外線吸収率が低いために、温度補償用
サーミスタ素子7の温度を上昇させないように温度補償
用サーミスタ素子7に到達する赤外線を遮蔽する遮蔽板
6を設けなければならず、検出感度を上げるための構造
が複雑になる欠点があった。
【0012】この発明は、上述のような欠点に鑑みなさ
れたもので、赤外線の全域に渡って検出感度を向上させ
ることができるとともに、構造を簡単にすることができ
る赤外線検出器を提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、この発明の赤外線検出器は、窓を有する外囲器
と、カーボンブラックまたは無機顔料を分散させた高分
子材料からなり、外囲器の窓を閉塞するように配設した
樹脂フィルムと、外囲器内に配設され、樹脂フィルムに
密着させた感温素子と、外囲器内に配設された温度補償
用感温素子とで構成したものである。また、樹脂フィル
ムの外囲器内面側に反射膜を形成して感温素子を設ける
か、或いは反射膜に開口部を設けてその開口部に露呈す
る樹脂フィルムに感温素子を設けたものである。また、
樹脂フィルムの外囲器内面側に感温素子を設けて樹脂フ
ィルムとともに感温素子を反射膜で覆うようにしたもの
である。また、前記樹脂フィルムに無機顔料として、ク
ロムイエロ、弁柄、チタンホワイト、群青の1種以上を
混入させたものである。
【0014】
【作用】上述のような手段によって、この発明の赤外線
検出器は、カーボンブラックまたは無機顔料が分散した
樹脂フィルムに赤外線が入射すると、赤外線は乱反射す
るとともに赤外線の略全波長の赤外光を吸収し得るよう
になされたものであり、赤外線検出感度を高めるように
なされる。更に、樹脂フィルムの外囲器内面側に反射膜
を設けることによって、温度補償用感温素子への二次輻
射の影響を防止し、また、外囲器内からの熱放射を反射
膜によって遮断して樹脂フィルムへの影響を防止するこ
とにより、一層赤外線検出感度を高めるものである。
【0015】
【実施例】以下、この発明にかかる赤外線検出器の実施
例について図に基づき説明する。図1はこの発明にかか
る赤外線検出器の一実施例を示す側断面図であり、図2
は図1に示した赤外線検出器の蓋を取り除いた斜視図で
ある。図1および図2において、11は樹脂または金属
からなる外囲器を示し、外囲器は方形状であり、その側
面が開口し、その前部に約200mm2 の窓11wが設
けられ、且つその下部に切り欠き部11hが設けられて
いる枠体部11pと、この枠体部11pの開口部を閉塞
する蓋11cとで構成されている。
【0016】12は外囲器11の切り欠き部11hを閉
塞するように配設されているソケットを示し、ソケット
12にはピン13A1 ,13A2 およびピン13B1
13B2 が貫通した状態で設けられている。14は外囲
器11の窓11wを内側から閉塞するように配設された
樹脂フィルムを示し、0.2mmの厚さのポリエステルを
基材としてカーボンブラックを分散させたものである。
【0017】15は感温素子としてのサーミスタ素子を
示し、樹脂フィルム14の外囲器11内側面(裏面)に
接着剤16で密着させて取り付けられ、リード線15e
1 ,15e2 がピン13A1 ,13A2 に接続されてい
る。17は温度補償用感温素子としてのサーミスタ素子
を示し、ピン13B1 ,13B2 に接続されたリード線
17e1 ,17e2 によって立設されている。
【0018】樹脂フィルム14は、ポリエステルにカー
ボンブラックを分散させた樹脂フィルムであり、その赤
外線吸収率を示す特性図が図3に示されている。因に、
この発明と比較するために樹脂フィルムをポリエステル
のみで構成した場合の赤外線吸収率を示す特性図を図4
に示した。この特性図から明らかなように、ポリエステ
ルにカーボンブラックを分散させることによって、樹脂
フィルムの赤外線吸収率が改善されることが示されてい
る。図3の赤外線吸収率を示す特性図から明らかなよう
に、赤外線の略全波長に渡って赤外線吸収率が略100
%であることを示している。
【0019】次に、動作について説明する。まず、外囲
器11に取り付けた樹脂フィルム14に赤外線が入射す
ると、赤外線はポリエステルに分散させたカーボンブラ
ックによって乱反射し、図3に示すように、全域に渡っ
て略100%の赤外線吸収率でポリエステルに吸収され
るので、樹脂フィルム14の温度は赤外線量に応じて上
昇する。そして、樹脂フィルム14の温度は裏面に密着
させたサーミスタ素子15の抵抗値を変化させるので、
赤外線量による樹脂フィルム14の温度変化がサーミス
タ素子15の抵抗値の変化となって現れる。
【0020】このとき、赤外線は樹脂フィルム14で略
100%が吸収されるので、樹脂フィルム14を透過し
た赤外線による温度補償用サーミスタ素子17への影響
は無視できるため、温度補償用サーミスタ素子17は赤
外線に影響されることなく周囲の温度を検出し得る。し
たがって、図10に示したブリッジ回路をサーミスタ素
子15および温度補償用サーミスタ素子17を用いて構
成することにより、端子A,B間に発生する電位差に基
づいて赤外線量を検出することができる。
【0021】上述したように、この発明の一実施例によ
れば、図3に示す樹脂フィルム14の赤外線吸収率は、
図4に示すポリエステルのみで樹脂フィルムを構成した
赤外線吸収率に対して高いので、端子A,B間に得られ
る電位差は、ポリエステルのみで樹脂フィルムを構成し
た場合に対して2倍〜3倍となり、先に説明した従来例
に対しては8倍〜9倍となる。したがって、赤外線の全
域に渡って検出感度が向上し、検出感度の高い赤外線検
出器を得ることができる。また、樹脂フィルム14の赤
外線吸収率は略100%であるため、温度補償用サーミ
スタ素子17への赤外線を遮蔽する遮蔽板を設ける必要
がなくなり、構成が簡単になる。
【0022】図5は、赤外線検出器の樹脂フィルム14
としてポリ塩化ビニルにカーボンブラックを分散させた
ものを用いた場合の赤外線吸収率を示す特性図である。
この樹脂フィルム14は、約0.2mmの厚さのポリ塩化
ビニルを基材としてカーボンブラックを分散させたもの
である。
【0023】この特性図から明らかなように、ポリ塩化
ビニルとカーボンブラックとで樹脂フィルム14を構成
した場合、赤外線吸収率を平均すると略90%の赤外線
吸収率を示しており、ポリエステルの場合と比較して多
少赤外線吸収率が低下するものの、ポリエステルとカー
ボンブラックとで樹脂フィルム14を構成した場合と略
同様な効果を得ることができる。
【0024】ここで、赤外線の検出感度に関係すると考
えられる樹脂フィルムの膜厚について考察する。まず、
樹脂フィルムを高分子材料のみで構成した場合、膜厚を
薄くすると、赤外線が透過し易くなって赤外線吸収率が
低く、赤外線の検出感度が低下する傾向にある。しか
し、高分子材料にカーボンブラックまたは無機顔料を分
散させて樹脂フィルムを構成した場合、膜厚を薄くして
も、上記したように、赤外線吸収率は低下することがな
い。したがって、樹脂フィルムの膜厚を薄くして熱容量
を小さくすることにより、熱応答性および検出感度を向
上させることができる。
【0025】なお、上記した実施例では、高分子材料を
ポリエステルまたはポリ塩化ビニルとした例で説明した
が、高分子材料は、例えばポリ酢酸ビニル、ポリエチレ
ン、ポリアクリルアミド、ナイロンなどであっても同様
な効果を得ることができる。また、高分子材料にカーボ
ンブラックを分散させた例で説明したが、カーボンブラ
ックの代わりにクロムイエロ、弁柄、チタンホワイトま
たは群青の無機顔料を1種以上を分散させても同様な効
果を得ることができる。
【0026】次に、この発明に係る赤外線検出器の他の
実施例について側断面図に基づいて説明する。図6にお
いて、11は樹脂または金属からなる外囲器の断面図を
示しており、その前部に窓11wが設けられている。赤
外線検出用サーミスタ素子15と温度補償用サーミスタ
素子17のそれぞれのリード線15′,17′が外囲器
11の底部に植設されて外部導出用ピンとして用いる。
また、図示されていないが、外囲器11の底部に孔を設
けてリード線15′,17′をそれらの孔に貫通させて
もよい。無論、外囲器11の形状は、上記実施例のよう
に、切り欠き部を設けてその切り欠き部にソケットを挿
入する構造であってもよい。また、外囲器11は、その
後部或いは側面に蓋を設けた形状であってもよい。
【0027】14は上記実施例と同様な材質の樹脂フィ
ルムであり、その一面にアルミニウム等の金属材料から
なる反射膜18が設けられている。その外囲器11に形
成された窓11wを、反射膜18が形成された樹脂フィ
ルム14で覆うように外囲器11に固定される。無論、
反射膜18は、アルミニウム等が混入した樹脂フィルム
であってもよい。赤外線検出用サーミスタ素子15は、
窓11wの略中央に位置するように反射膜18に接着剤
16で固定されている。外囲器11内には、外囲器11
内の周囲温度を検出するための温度補償用サーミスタ素
子17が配置される。
【0028】次に、図6の実施例の動作について説明す
る。先ず、外囲器11の窓11wに取り付けられた樹脂
フィルム14に略全波長の赤外線が吸収されて樹脂フィ
ルム14の温度が赤外線量に応じて上昇する。樹脂フィ
ルム14の温度は、反射膜18を通して樹脂フィルム1
4の裏面に密着した赤外線検出用サーミスタ素子15に
伝達され、サーミスタ素子の抵抗変化として赤外線量を
検出する。赤外線検出用サーミスタ素子15は、室温の
影響を受けており、この影響を相殺するために、温度補
償用サーミスタ素子17によって周囲温度を検出して、
その影響を図10に示すようなブリッジ回路によって相
殺して赤外線量を電位差として検出する。
【0029】樹脂フィルム14は、厚さ約0.2mmのポ
リエステルを基材として、これにカーボンブラックまた
は無機顔料を分散させたものを使用している。カーボン
ブラックを分散させたポリエステルは、1μmから約1
3μmの赤外光を略100%吸収する性質を持っている
ので樹脂フィルム14を透過する赤外線は僅かである。
そして、赤外線吸収によって樹脂フィルム14の温度が
上昇し、樹脂フィルム14の裏面から輻射熱が二次的に
放射される。しかしなから、樹脂フィルム14の裏面に
形成した反射膜18によって樹脂フィルム14からの赤
外線の二次輻射を防ぎ、外囲器11内に配設された温度
補償用サーミスタ素子17への影響を防止している。
【0030】尚、反射膜18は、その厚さが0.5〜5
μmのアルミニウム等の金属膜であれば、反射膜18を
通して正確に検知することができる。しかし、反射膜1
8の厚さが5μm以上の場合は、反射膜18の熱容量が
大きくなり、反射膜14に吸収され、検出不能となるお
それがあるので、反射膜18の熱容量を考慮してその厚
さは5μm以下とするのが望ましい。このように反射膜
18が厚い場合は、以下のような実施例とすると良好な
赤外線検出感度を得ることができる。
【0031】図7及び図8は、この発明にかかる赤外線
検出器の他の実施例を示すものである。図7(a)は、
図6の実施例と異なり、反射膜18に開口部19を設け
た実施例であり、他の構成は図6と同様であるので、そ
の構成の説明は省略する。この実施例では、図7(b)
に示すように、樹脂フィルム14に反射膜18を比較的
厚く形成した場合に好適な実施例であり、赤外線検出用
サーミスタ素子15が、その開口部19に露呈する樹脂
フィルム14に接着剤16によって固定される。したが
って、赤外線による吸収熱が反射膜18によって吸収さ
れることなく、赤外線検出用サーミスタ素子15によっ
て、樹脂フィルム14の温度を正確に検出することがで
きる。
【0032】また、図8の実施例は、樹脂フィルム14
に赤外線検出用サーミスタ素子15が接着剤16で固着
された後、反射膜18を赤外線検出用サーミスタ素子1
5と樹脂フィルム14を覆うように形成したものであ
る。反射膜18は、アルミニウム薄膜を被着したり、或
いは樹脂フィルム14に赤外線検出用サーミスタ素子1
5が固着された後に、蒸着或いはメッキなどの方法によ
るアルミニウム等の薄膜で形成したものである。この実
施例では、赤外線検出用サーミスタ素子15の検出効率
を高めることができるとともに、樹脂フィルム14によ
る二次輻射を防ぐことができるので、温度補償用サーミ
スタ素子17が正確に周囲温度を検出することができ
る。無論、図6乃至図8の実施例においても、樹脂フィ
ルム14は、高分子材料をポリエステルまたはポリ塩化
ビニル或いはポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリアク
リルアミド、ナイロンなどを用いる。また、高分子材料
にカーボンブラックを分散させたもの、或いはクロムイ
エロ、弁柄、チタンホワイトまたは群青の無機顔料を1
種以上を分散させたものである。
【0033】尚、上述の実施例では、感温素子としてサ
ーミスタ素子15を使用し、温度補償用感温素子として
サーミスタ素子17を使用しているが、サーミスタ素子
に限定するものではなく、温度を検出し得る他の感温素
子を使用してもよいことは言うまでもない。
【0034】ここで、上記実施例の赤外線検出器につい
て、その赤外線検出能力に基づいて説明する。赤外線検
出能力αは、赤外線検出用サーミスタ素子15による検
知温度をTS、温度補償用サーミスタ素子17による検
知温度TC 、被測定物体の温度をTwとしたとき、次式
のように表される。
【0035】
【数1】
【0036】測定には、40℃に温度制御された黒体塗
装壁面を有する測定槽を用い、上記実施例の赤外線検出
器をその黒体塗装壁面に向けて設置し、黒体塗装壁面を
被測定物体(Tw =40℃)と仮定してTS ,TC を測
定して検出能力αを求めることができる。その測定結果
によれば、従来の赤外線検出器の場合、赤外線検出能力
αは、33%であったのに対して、図1の実施例の場合
が40%であり、図6の実施例の場合が42%であり、
図7(a)の実施例の場合が45%となり、従来の赤外
線検出器に比べて赤外線検出能力の向上がみられた。無
論、予め赤外線検出器の固有の赤外線検出能力αを求め
ておけば、赤外線検出器の被測定物体に向けることによ
り、被測定物体の温度Tw を検出することができること
は言うまでもない。
【0037】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、窓を
有する外囲器と、カーボンブラックまたは無機顔料を分
散させた高分子材料からなり、外囲器の窓を閉塞するよ
うに配設した樹脂フィルムと、外囲器内に配設され、樹
脂フィルムに密着させた感温素子と、外囲器内に配設さ
れた温度補償用感温素子とで赤外線検出器を構成してお
り、赤外線の全域に渡って略100%の赤外光を吸収し
得る赤外線検出感度の高い赤外線検出器を提供すること
ができる。また、無機顔料としてクロムイエロ、弁柄、
チタンホワイト、群青の1種以上として赤外線検出器を
構成したとしても、同様に赤外線の全域に渡って検出感
度を向上させることができ、赤外線の全域に渡って略1
00%の赤外光を吸収し得る赤外線検出感度の高い赤外
線検出器を提供することができる。
【0038】さらに、樹脂フィルムに二次輻射を防ぐ反
射膜を設けることによって、外囲器内に設けられた温度
補償用サーミスタ素子への影響を防ぐとともに、外囲器
内からの熱放射を反射膜によって遮断して樹脂フィルム
への影響を防止することにより、一層赤外線検出能力を
高めることができる。無論、従来例のように、赤外線の
透過窓も必要がなく、樹脂フィルムの赤外線吸収率が極
めて良好であるとともに、樹脂フィルムに反射膜が形成
されているために、温度補償用感温素子への赤外線の遮
蔽を目的とする遮蔽板を設ける必要がなく、構造が極め
て簡単になる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の赤外線検出器の一実施例を示す側断
面図である。
【図2】図1に示した赤外線検出器の蓋を取り除いた斜
視図である。
【図3】この発明における樹脂フィルムをポリエステル
にカーボンブラックを分散させて構成した場合の赤外線
吸収率を示す特性図である。
【図4】この発明と比較するために樹脂フィルムをポリ
エステルのみで構成した場合の赤外線吸収率を示す特性
図である。
【図5】この発明における樹脂フィルムをポリ塩化ビニ
ールにカーボンブラックを分散させて構成した場合の赤
外線吸収率を示す特性図である。
【図6】この発明の赤外線検出器の他の実施例を示す側
断面図である。
【図7】(a)はこの発明の赤外線検出器の他の実施例
を示す側断面図、(b)はその要部を示す断面図であ
る。
【図8】この発明の赤外線検出器の他の実施例を示す側
断面図である。
【図9】従来の赤外線検出器の構成を示す説明図であ
る。
【図10】図6に示したサーミスタ素子および温度補償
用サーミスタ素子を用いたブリッジ回路の構成を示す回
路図である。
【図11】従来の赤外線吸収膜の赤外線吸収率を示す特
性図である。
【符号の説明】
11 外囲器 11p 枠体部 11w 窓 11h 切り欠き部 11c 蓋 12 ソケット 13A1 ,13A2 ピン 13B1 ,13B2 ピン 14 樹脂フィルム 15 サーミスタ素子 15e1 ,15e2 リード線 15′ リード線 16 接着剤 17 温度補償用サーミスタ素子 17e1 ,17e2 リード線 17′ リード線 18 反射膜 19 開口部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窓を有する外囲器と、 カーボンブラックまたは無機顔料を分散させた高分子材
    料からなり、前記窓を閉塞するように配設した樹脂フィ
    ルムと、 前記樹脂フィルムに密着させて前記外囲器内に配設され
    た感温素子と、 前記外囲器内に配設された温度補償用感温素子と、から
    なることを特徴とする赤外線検出器。
  2. 【請求項2】 窓を有する外囲器と、 カーボンブラックまたは無機顔料を分散させた高分子材
    料からなり、前記窓を閉塞するように配設した樹脂フィ
    ルムと、 前記樹脂フィルムの前記外囲器内面に形成された反射膜
    と、 前記反射膜に密着させて前記外囲器内に配設された感温
    素子と、 前記外囲器内に配設された温度補償用感温素子と、から
    なることを特徴とする赤外線検出器。
  3. 【請求項3】 窓を有する外囲器と、 カーボンブラックまたは無機顔料を分散させた高分子材
    料からなり、前記窓を閉塞するように配設した樹脂フィ
    ルムと、 前記樹脂フィルムの前記外囲器内面に形成された反射膜
    と、 前記反射膜が除去された前記樹脂フィルムの露呈部に密
    着させて前記外囲器内に配設された感温素子と、 前記外囲器内に配設された温度補償用感温素子と、から
    なることを特徴とする赤外線検出器。
  4. 【請求項4】 窓を有する外囲器と、 カーボンブラックまたは無機顔料を分散させた高分子材
    料からなり、前記窓を閉塞するように配設した樹脂フィ
    ルムと、 前記反射膜が除去された前記樹脂フィルムの前記外囲器
    内に配設された感温素子と、 前記感温素子と前記樹脂フィルムを覆う反射膜と、 前記外囲器内に配設された温度補償用感温素子と、から
    なることを特徴とする赤外線検出器。
  5. 【請求項5】 前記無機顔料がクロムイエロ、弁柄、チ
    タンホワイト、群青の1種以上であることを特徴とする
    請求項1,2,3又は4に記載の赤外線検出器。
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