JP5569161B2 - ガス分解素子およびその製造方法 - Google Patents
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Description
また、半導体製造装置の廃ガスには、アンモニア、水素等が含まれるのが普通であり、アンモニアの異臭を完全に除去するには、ppmオーダーにまで除害する必要がある。この目的のために、半導体製造装置の廃ガス放出の際にスクラバーを通して、薬品を含む水に有害ガスを吸収させる方法が多く用いられてきた。一方、エネルギや薬品等の投入なしに、安価なランニングコストを得るために、リン酸型燃料電池でアンモニアを分解する、半導体製造装置の排気ガス処理の提案もされている(特許文献4)。
リン酸型燃料電池を、化合物半導体製造の排気中のアンモニアの除害に用いる装置(特許文献4)についても、除害能力の向上を阻害する、圧力損失や電気抵抗の増大などを踏み込んで解決する工夫がなされていない。電気化学反応をアンモニア等の除害に用いる場合、圧力損失の増大、高温環境下での電極/集電体間の電気抵抗の増大等を画期的な構造で抑止しない限り、実用レベルの大きな処理能力を得ることができず、ジャストアイデアに留まっている状況にある。
上記の構成によって、第1電極の集電体は電気抵抗が低くなり、ガス分解の電気化学反応を円滑化することで、ガス分解の処理能力の増大に資することができる。
上記の製造方法によって、電気抵抗の低い第1電極集電体を形成することができ、十分高い処理能力を持つガス分解素子を簡単に製造することができる。
このアンモニア分解素子10では、円筒形の固体電解質1の内面を覆うようにアノード(第1電極)2が設けられ、また外面を覆うようにカソード(第2電極)5が設けられて、円筒形MEA7(1,2,5)が形成されている。アノード2は燃料極、またカソード5は空気極と呼ばれることがある。筒状体は、一般には、らせん状やサーペンタイン状などに曲がりくねっていてもよいが、図1の場合は、直円筒形のMEA7である。円筒形MEAの内径は、たとえば20mm程度であるが、適用する装置に応じて、変えるのがよい。本実施の形態のアンモニア分解素子10では、円筒形のMEA7の内筒中に、アノード集電体11が配置されている。また、カソード5の外面に巻き付くようにカソード集電体12が配置されている。
Niメッシュシート11aが円筒MEA7の内面側のアノード2に導電接続して、多孔質金属体11sから中心導電棒11kへと導電する。さらに、図1(a)に示すように、入口17側において、Niメッシュシート11aはMEA7から延び出た部分を有し、その部分の先端Wが中心導電棒11kに導電接続されている。このため、Niメッシュシート11aは、並列的に、(1)Niメッシュシート11a/多孔質金属体11s/中心導電棒11k、という導電路と、(2)Niメッシュシート/中心導電棒11k、という導電路とを形成する。この結果、円筒MEA7の内面に位置して、低い電気抵抗を維持しながら、圧力損失の増大を防止することができる。この構造が本発明の基本をなす。この点については、あとであらためて詳しく説明する。
多孔質金属体11sは、アンモニアを含む気体の圧力損失を低くするために、気孔率を高くできる金属めっき体、たとえばセルメット(登録商標:住友電気工業株式会社)を用いるのがよい。円筒MEAの内面側では、複数の部材で形成される集電体11の全体の電気抵抗を低くしながら、アノード側への気体導入の圧力損失を低くすることが重要なポイントである。
アノード2とNiメッシュシート11aとは、Niペーストを塗布後に還元焼結されて結合しており、両者の間に、焼結されたNiペースト8aが介在している。また、多孔質金属体11sとNiメッスシート11aとの間にも、同様に還元焼結されたNiペースト8bが位置している。
Niメッシュシート12aが、円筒MEA7の外面に接触して、外部配線へと導電する。銀ペースト塗布配線12gは、カソード5における酸素ガスを酸素イオンに分解するのを促進する触媒として作用する銀を含み、かつカソード集電体12の電気抵抗を低くすることに寄与する。カソード5に銀を含ませることも可能であるが、カソード集電体12に、所定の性状の銀ペースト塗布配線12gは、酸素分子を通しながら銀粒子がカソード5に接触して、カソード5内に含まれる銀粒子と同等の触媒作用を発現する。しかも、カソード5に含ませるより安価である。
上記のNiメッシュシート12aは、銀ペースト塗布配線12gの有無によらず、銀めっき層で被覆されていてもよい。銀めっき層は、カソード5での酸素分子の分解を促進する触媒として作用する。また、電気抵抗が小さいので、カソード集電体12の電気抵抗を低下させる。銀ペースト塗布配線12gと共に用いるのがより有効であるが、銀ペースト塗布配線12gを省略してもよい。
本実施の形態のガス分解素子10の特徴は、つぎのとおりである。
(1)アノード2を覆うようにアノード2全体にNiメッシュシートが配置され、そのアノード2と多孔質金属体11sとの間に、Niメッシュシート11aが介在している。
(2)Niメッシュシート11aはMEA7から延び出る部分を持ち、この延び出た部分が中心導電棒11kに抵抗溶接されている。Niメッシュシート11aは、溶接部Wで中心導電棒11kに接合されている。
(3)気体の通路Pに配置された多孔質金属体11sは、断続的な配置であり、通路Pの全体長に占める多孔質金属体11sの割合は、20%程度であり、非常に小さい。多孔質金属体11sの役割は、アノード集電体11の中にあって、低い電気抵抗を維持しながら、気体の素通り防止をすることにある。気体の素通り防止とは、分解対象のガスを含む気体をアノード2に接触しやすくするために、その気体を乱流化すること等で実現される。素通り防止しながらそれでいて圧力損失は増大させないことが重要である。通路Pの全体長に占める多孔質金属体11sの割合を20%程度とすることは、圧力損失を低くするのに大きな効果がある。
上記の特徴により、つぎのような顕著な作用を得ることができる。
(E1)Niメッシュシート11aは、アノード2と多孔質金属体11sとの間に介在して、両者の間の導電性を高めることができる。これは、Niメッシュシート11aが滑らかな一枚の面であって、相手に合わせて接触しやすいのに対して、多孔質金属体とくにセルメット11sは、中心導電棒11kに巻き回されたらせん状であって、微細な樹枝状部分の集合からなるためである。
(E2)アノード2から中心導電棒11kへと、(アノード2/Niメッシュシート11a/多孔質金属体11s/中心導電棒11k)の導電路に加えて、(アノード2/Niメッシュシート11a/中心導電棒11k)の導電路が並列的に付加される。この結果、アノード集電体11の電気抵抗を画期的に小さくできる。
(E3)上記(E2)の電気抵抗の低減により、多孔質金属体11sの通路Pに占める長さを短くすることができる。上述のように、多孔質金属体11sのトータル長さを通路Pの全長さの20%程度にすることができる。この結果、通路Pにおける圧力損失を画期的に低くできる。さらに言えば、多孔質金属体11sは、上述のように断続的であり、かつ、分解の電気化学反応が大きな速度で進行する高温領域(気体の入口側よりも出口側で高温に昇温する)に重点的に配置される。
仮に、Niメッシュシート11aを用いない場合は、多孔質金属体11sが、直接、アノード2に接触する。この場合、多孔質金属体11sをセルメット等の金属めっき体で構成しても、接触抵抗は大きなものになる。金属めっき体は、所定厚みを有してシート状であり、ミクロ的には樹枝状の金属が延びて樹枝間で連続している。筒状体MEAの内面側に第1電極集電体として金属めっき体を装入するとき、上記シート状の金属めっき体を渦巻き状に巻いて渦の軸心を筒状体MEAの軸心に沿うようにして装入する。この渦巻き状シートの外周面では、らせんの最も外の縁または所定位置の母線部分については筒内面に沿って接触しやすいが、それより内側の部分については非同心円ではなくらせん状なので、第1電極から離れる傾向がある。このため、多孔質金属体と第1電極との接触面積を十分大きくとりにくい。また、接触圧についても同様に所定の母線部分は十分な接触圧を保つことができるが、それより内側では不十分である。このため、多孔質金属体を、直接、第1電極に接触させて導通をとる場合、接触抵抗が大きくなり、第1電極集電体の電気抵抗を増大させる。集電体の電気抵抗の増大は、電気化学反応の能力を減少させる。そして、さらに不都合なことに、接触面積を稼ぐために、従来、多孔質金属体11sはアノード2の長さ一杯に連続して配置されていた。このような多孔質金属体11sの長さ一杯の連続配置が、導入される気体の圧力損失を増大させていた。
これに対して、Niメッシュシートを用いると、次のようにして接触抵抗を下げることができる。すなわち、Niメッシュシート11aの場合、一枚のシート状なので第1電極の内筒面に沿って全周で接触することは自然である。そして、筒状体内に充満するように加える外力(圧縮性)および充満させるための材料増の調整などによって、金属メッシュシート11aと金属めっき体11sとは相互になじみ合ってアノード2側に張り出してアノード2との接触面積を大きくすることができる。また、金属メッシュシート11aと金属めっき体11sとの接触界面では、樹枝状金属同士が押し合わされ、また相手側の隙間に入り込んで相互に接触するため、接触抵抗は低い状態が維持される。
さらに、アノード2/Niメッシュシート11a/金属めっき体11s、の各界面にNiペースト8a,8bを配置して還元焼結することで、さらに電気抵抗を低下させることができる。還元焼結については、このあと説明する。
上記のように、多孔質金属体11sに金属めっき体であるセルメット(登録商標)を用いても、Niメッシュシートを用いない場合、接触抵抗は比較的大きく、ガス分解素子10のカソード集電体12とアノード集電体11との間の電気抵抗は、たとえば4〜7Ω程度あった。これに、上記のNiメッシュシート11aを挿入して、Niペースト8a,8bを配置し、還元焼結することによって、1Ω程度以下に下げることができる。すなわち1/4以下程度にすることができる。
なお、このあと用いるNiメッシュシートの語も、上記材料で形成されているメッシュシートであることを意味している。
アンモニアを含む気体は、Niメッシュシート11aおよび多孔質金属11sの空隙を通りながら、アノード2と接触して、下記のアンモニア分解反応をする。酸素イオンO2−は、カソードでの酸素ガス分解反応によって生じ、固体電解質1を通ってアノード2に到達したものである。すなわち陰イオンである酸素イオンが固体電解質を移動する場合の電気化学反応である。
(アノード反応):2NH3+3O2−→N2+3H2O+6e−
より詳しくは、一部のアンモニアが、2NH3→N2+3H2の反応を生じ、この3H2が酸素イオン3O2−と反応して3H2Oを生成する。
カソード5には空気、とくに酸素ガスが、スペースSを通るように導入され、カソード5において酸素分子から分解した酸素イオンをアノード2に向かって固体電解質1へと送り出す。カソード反応はつぎのとおりである。
(カソード反応):O2+4e−→2O2−
上記の電気化学反応の結果、電力が発生し、アノード2とカソード5との間に電位差を生じ、カソード集電体12からアノード集電体11へと電流Iが流れる。カソード集電体12とアノード集電体11との間に負荷、たとえばこのガス分解素子10を加熱するためのヒータ41を接続しておけば、そのための電力を供給することができる。ヒータ41への上記電力の供給は、部分的であってもよく、むしろ大部分の場合において、自家発電の供給量はヒータ全体に要する電力の半分以下であることが多い。
プロトン導電性の固体電解質1を用いると、たとえばアンモニアを分解する場合、アノード2でアンモニアを分解してプロトン、窒素分子および電子を生じさせて、プロトンを固体電解質1を経てカソード5へと移動させ、カソード5において酸素と反応して水(H2O)を生じさせる。プロトンは酸素イオンと比べて小さいので固体電解質中の移動速度は大きい。このため加熱温度を低くしながら実用レベルの分解容量を得ることができる。固体電解質1の厚みも、強度を確保できる厚みとしやすい。
また、たとえば筒状体MEAを用いてアンモニア分解を行うとき、内側をアノードとした場合、酸素イオン導電性の固体電解質では、水を筒状体の内側(アノード)で生成する反応となる。水は、筒状体MEAの出口付近の温度が低い部分では水滴を形成して圧力損失の原因となる場合がある。これに対して、プロトン導電性の固体電解質を用いると、プロトンと酸素分子と電子とが、カソード(外側)で反応して水を生成する。外側はほぼ開放されているので、出口側の温度の低い箇所で水滴となって付着しても圧力損失を生じにくい。
一方、セルメットシート11sの巻き始め部分を中心導電棒11に抵抗溶接によって固定し、巻き回して仮止めする。この巻き回されたセルメット11sの外表面にNiペースト8bを塗布して、上記のNiメッシュシート11a付きの円筒MEA7に装入する。このあと、直ぐに(RS工程)還元焼結によってセルメット11sとNiメッシュシート11aとを接合する。この(RS工程)のときまでに、Niメッシュシート11aとアノード2とが還元焼結されていない場合は、この(RS工程)において、並行して、還元焼結される。次いで、(W工程)Niメッシュシート11aの延び出た部分(端部)Wを中心導電棒11kの外周に配置して、抵抗溶接する。(RS工程)と(W工程)とは順序を入れ替えてもよい。これによって、アノード集電体11を形成して、次工程に移ることができる。
抵抗溶接は、たとえば次の条件で行うことができる。
抵抗溶接機:ミヤチテクノス社製、溶接電源:IS−120B、溶接トランス:ITH−651A6W6、溶接ヘッド:MH−D500C、溶接条件:電流6.0kA×圧力25.0N
また、還元焼結の条件は、20%NH3を含有する窒素雰囲気中で、800℃×10〜20分間の保持、である。
1.中心導電棒11k:
本実施の形態では、MEA7が円筒形であり、かつ、アノード集電体11に中心導電棒11kを用いた点にも特徴の一つがある。中心導電棒11kは、少なくとも表層にCrを含まない金属で形成するのがよい。たとえばNi導電棒11kとするのがよい。Crを含むステンレススティールを用いた場合、使用中に、アノード2中のセラミックスGDCなどがCr被毒によって機能不全を生じるからである。中心導電棒11kの直径は、特にこだわらないが、円筒固体電解質1の内径の1/9〜1/3程度とするのがよい。たとえば上記内径18mmのとき、2mm〜6mm程度とするのがよい。太くしすぎると流すことのできるガスの最大流量が減少し、細くし過ぎると電気抵抗が大きくなり発電時の電圧低下につながる。多孔質金属体11sは、シート状のもの(セルメットシート)が巻きはじめの部分で中心導電棒11kに抵抗溶接され、らせん状に緊密に巻き付けられ、らせんの状態が維持される。このため、多孔質金属体11sと中心導電棒11kとの界面の電気抵抗は小さい。中心導電棒11kを用いることの利点は次のとおりである。
(1)アノード2から外部配線に至る間の全体の電気抵抗を低くすることができる。すなわちアノード集電体11の電気抵抗の低減に役立つ。
(2)従来の円筒MEAを用いた場合の泣き所は、内面側の集電体の外部端子を簡単な構造で、小型にまとめることができない点にある。円筒MEAの内面側の集電には多孔質金属体は不可欠であるが、この多孔質金属体は端の部分をまとめにくく、小型化された端子部を形成することができなかった。たとえば、多孔質金属の端を引き伸ばして外部との導電接続をはかる場合、ガス分解素子自体が大掛かりになり、商品価値は大きく低下する。また、圧力損失の点でも多孔質金属体の延長は好ましくない。
さらに、円筒MEA7の内側には、アンモニアを含む気体が導入されるので、気密性の高い、気体搬送路と円筒MEA7との接続、およびアノード集電体11と外部配線との接続が重要となる。円筒MEA7の端には、アノード集電体の外部配線への接続部、および、気体搬送路との接続部が、両方ともに設けられる。
中心導電棒11kは、ねじ切りや溝きり等の加工が容易であり、ソリッド棒なので、多少の外部の応力に変形することはなく、安定にその形状を維持することができる。この結果、アノード集電体11と外部配線との接続部を簡単な構造で、しかも小型で実現することができる。
(3)ガス分解素子10を能率よく稼働させるには300℃〜1000℃に加熱する必要がある。加熱のためのヒータ41は、空気通路の外側に配置するしかない。熱は円筒MEA7の外側から内側へと伝導するが、円筒MEA7の端部も当然、高温になる。高温の端部に高い気密性で、外部配線および気体搬送路を接続させるには、上記の高温では、特殊な耐熱性の樹脂が必要になる。また、ガスによる腐食等も高温になるほど進行が高くなる傾向があるので、耐食性についても、特殊な材料が必要になるおそれがある。この結果、使用可能な樹脂が、非常に高価になるおそれがある。
しかし、中心導電棒11kを用いれば、ヒータ41側の外側から最も遠い位置にあり、しかも容易に軸方向に延ばすことができる。このため、比較的、温度が低い箇所まで延ばした位置で、気密性を高くしながら、外部配線との導電接続、および気体搬送路との接続、を行うことができる。その結果、非常に特殊な樹脂を用いることなく、通常のレベルの耐熱性かつ耐食性の樹脂を用いることができ、経済性を高め、かつ耐久性を向上させることができる。
管状継ぎ手30の本体部31には、気密性を保ってその本体部31を貫通する導電貫通部37cが設けられ、気密性を保つために封止樹脂38等が塗られている。この導電貫通部37cは、円柱棒で、外部配線11eと確実な導電接続を行うためにナット39を螺合させるねじを切っておくのがよい。導電貫通部37cの管内先端には導電線37bが接合されており、この導電線37bの他端には接続板37aが接合されている。
接続板37aと、中心導電棒11kの先端部35との導電接続は、接続器具たとえばドライバを用いて、そのドライバを管状継ぎ手30の突き出し孔部31aを通して、ねじ34を螺合することで、行う。ドライバによるねじ34の締め付けによって、先端部35と接続板37aとの導電接続における電気抵抗(接触抵抗)をほとんどなくすことができる。
また、カソード集電体12のNiメッシュシート12aの端部の外周に、外部配線12eを周回させることで、外部への引き出しを行うことができる。カソード5は、円筒MEA7の外面側に位置するので、アノード集電体11から外部への引き出しほど困難ではない。
気体搬送路45は、弾性変形可能な樹脂等の管を用いるのがよい。その管45を、突き出し孔部31aの外周に嵌め合わせ、締結具47で締結することで、気密性のよい接続を得ることができる。
図6における、アノード集電体11と外部配線11eとの接続、および管状継ぎ手30と気体搬送路45との接続は、ともに非常に簡単かつ小型の構造で実現されている。また、上記の2種類の接続が、ヒータからの熱硫の主流部から外れた位置へと、中心導電棒11kおよびその付属品である先端部35によって離されている。このため、フッ素樹脂という普通の耐熱性樹脂または耐食性樹脂によって、長期間の繰り返し耐久性を確保することができる。また、確認のために付言するが、中心導電棒11kは、多孔質金属体11sと小さい接触抵抗で導電接続することは、上述したとおりである。
従来、カソード5には銀粒子を配置して、銀粒子の触媒作用によって酸素分子の分解速度を向上させるのが普通であった。しかし、カソード5に銀粒子を含ませる構造では、カソード5の価格が高くなり、経済性を低下させる。カソード5に銀粒子を含有させる代わりに、カソード5外面において、銀ペースト塗布層の形態で銀粒子の配線を形成することができる。
図7は、円筒形のカソード5の外周面に設けられた、銀ペースト塗布配線12gとNiメッシュシート12aとを示す図である。銀ペースト塗布配線12gは、銀ペーストをカソード5の外周面に、たとえば図5に示すように帯状の配線を格子状(母線方向+環状方向)に配置する。
この銀ペーストにおいて重要なのは、乾燥後または焼結後に、気孔率の高い多孔質にすることである。図8は銀ペースト塗布配線12gの表面を示すSEM(Scanning Electron Microscopy)像を示し、(a)は画像データであり、(b)はその説明図である。図8に示すように、塗布し乾燥(焼結)した後に多孔質になる銀ペーストは市販されており、たとえば京都エレックス株式会社製のDD−1240などを用いることができる。銀ペースト塗布配線12gを多孔質にすることの重要性はつぎの理由に基づく。
カソード5には酸素分子O2をできるだけ多く供給するのがよく、しかも銀ペーストに含まれる銀粒子は、カソード5におけるカソード反応を促進する触媒作用を有する(図10参照)。銀ペースト塗布配線12gをカソード5に塗布することで、カソード中の酸素イオンを通すLSMなどの金属酸化物と、銀粒子と、酸素分子O2とが接触する箇所(接触箇所)が高密度で生じる。銀ペースト塗布配線12gを多孔質にすることで、多くの酸素分子O2が、多孔質の気孔中に入って上記の接触箇所に触れ、カソード反応を生じやすくなる。
さらに、銀粒子を含む銀ペースト塗布配線12gは、導電性が高いので、Niメッシュシート12aを補助してカソード集電体12における電気抵抗を低くする。このために、銀ペースト塗布配線12gは、上記のように、格子状(母線方向、環状方向)に連続するように設けるのがよい。外側のNiメッシュシート12aは、この銀ペースト塗布配線12gに接触して導通するように巻き付けられる。
要約すると、多孔質になる銀ペースト塗布配線12gによって、(1)カソード反応を促進して、かつ(2)カソード集電体12の電気抵抗を下げることができる。
銀ペースト塗布配線12gは、図5に示すように帯状に格子状に設けてもよいし、またはカソード5の全外周面に形成してもよい。カソード5の全外周面に銀ペースト塗布した場合には、配線とは呼びにくいが、本説明では、全外周面の領域に抜けた領域なく塗布する場合も、銀ペースト塗布配線と呼ぶこととする。このカソード5の全外周面に塗布する場合は、Niメッシュシート12aを省略することができる。
−構成と作用−
図9は、固体電解質1が酸素イオン導電性の場合における、アノード2の電気化学反応を説明するための図である。アノード2には、アンモニアを含む気体が導入され、気孔2hを通って流れる。アノード2は、表面酸化されて酸化層を有する金属粒連鎖体21と、酸素イオン導電性のセラミックス22とを主成分とする焼結体である。酸素イオン導電性のセラミックス22としては、SSZ(スカンジウム安定化ジルコニア)、YSZ(イットリウム安定化ジルコニア)、SDC(サマリウム安定化セリア)、LSGM(ランタンガレート)、GDC(ガドリア安定化セリア)などを用いることができる。
金属粒連鎖体21の金属は、ニッケル(Ni)またはNiに鉄(Fe)を含むものとするのがよい。さらに好ましくはTiを2〜10000ppm程度の微量含むものである。(1)Ni自体、アンモニアの分解を促進する触媒作用を有する。また、FeやTiを微量含むことでさらに触媒作用を高めることができる。さらに、このNiを酸化させて形成されたニッケル酸化物は、これら金属単味の促進作用をさらに高めることができる。ただし、アンモニアの分解反応(アノード反応)は還元反応なので、使用前の製品には焼結処理等で生じた酸化層がNi粒連鎖体に形成されていたのが、使用によってアノード中の金属粒連鎖体も還元されて酸化層が消失することになる。しかし、Ni自体の触媒作用は確実にあり、さらに、酸化層がないことをカバーするために、FeやTiをNiに含有させて触媒作用の低下を補うことができる。
上記の触媒作用に加えて、アノードにおいて、酸素イオンを分解反応に参加させている。すなわち、分解を電気化学反応のなかで行う。上記のアノード反応2NH3+3O2−→N2+3H2O+6e−では、酸素イオンの寄与があり、アンモニアの分解速度を大きく向上させる。(3)アノード反応では、自由な電子e−が生じる。電子e−がアノード2に滞留すると、アノード反応の進行は、妨げられる。金属粒連鎖体21は、ひも状に細長く、酸化層21bで被覆された中身21aは良導体の金属(Ni)である。電子e−は、ひも状の金属粒連鎖体の長手方向に、スムースに流れる。このため、電子e−がアノード2に滞留することはなく、金属粒連鎖体21の中身21aを通って、外に流れる。金属粒連鎖体21により、電子e−の通りが、非常に良くなる。要約すると、本発明の実施の形態における特徴は、アノードにおける次の(e1)、(e2)および(e3)にある。
(e1)ニッケル粒連鎖体、Fe含有ニッケル連鎖体、またはFe,Ti含有ニッケル粒連鎖体による分解反応の促進(高い触媒機能)
(e2)酸素イオンによる分解促進(電気化学反応の中での分解促進)
(e3)金属粒連鎖体のひも状良導体による電子の導通性確保(高い電子伝導性)
上記の(e1)、(e2)および(e3)によって、アノード反応は非常に大きく促進される。
温度を上げて、触媒に分解対象ガスを接触させるだけで、その分解対象ガスの分解は進行する。それは先行文献に開示されており、上記したように周知である。しかし、上記のように、燃料電池を構成する素子において、カソード5からイオン導電性の固体電解質1を経て、酸素イオンを反応に関与させ、その結果、生じる電子を外に導通させることで、分解反応速度は飛躍的に向上する。上記の(e1)、(e2)および(e3)の機能、およびその機能をもたらす構成をもつことが、本発明の大きな特徴である。
なお、上記は固体電解質1が酸素イオン導電性の場合の説明であるが、固体電解質1はプロトン(H+)導電性でもよく、その場合、アノード2におけるイオン導電性セラミックス22はプロトン導電性のセラミックス、たとえばバリウムジルコネート等を用いる。
−配合および焼結−
アノード2の酸素イオン導電性の金属酸化物(セラミックス)をSSZとする場合、SSZの原料粉末の平均径は0.5μm〜50μm程度とする。表面酸化された金属粒連鎖体21と、SSZ22との配合比は、mol比で0.1〜10の範囲とする。焼結方法は、たとえば大気雰囲気中で、温度1000℃〜1600℃の範囲に、30分〜180分間保持することで行う。製造方法については、とくに円筒MEA7の製造法に関連づけて、このあと説明する。
−還元析出法−
金属粒連鎖体21は、還元析出法によって製造するのがよい。この金属粒連鎖体21の還元析出法については、特開2004−332047号公報などに詳述されている。ここで紹介されている還元析出法は、還元剤として3価チタン(Ti)イオンを用いる方法であり、析出する金属粒(Ni粒など)は微量のTiを含む。このため、Ti含有量を定量分析することで、3価チタンイオンによる還元析出法で製造されたものと特定することができる。3価チタンイオンとともに存在する金属イオンを変えることで、所望の金属の粒を得ることができる。Niの場合はNiイオンを共存させる。Feイオンを微量加えると、微量Feを含むNi粒連鎖体が形成される。
また、連鎖体を形成するには、金属が強磁性金属であり、かつ所定のサイズ以上であることを要する。NiもFeも強磁性金属なので、金属粒連鎖体を容易に形成することができる。サイズについての要件は、強磁性金属が磁区を形成して、相互に磁力で結合し、その結合状態のまま金属の析出→金属層の成長が生じて、金属体として全体が一体になる過程で、必要である。所定サイズ以上の金属粒が磁力で結合した後も、金属の析出は続き、たとえば結合した金属粒の境界のネックは、金属粒の他の部分とともに、太く成長する。アノード2に含まれる金属粒連鎖体21の平均直径Dは5nm以上、500nm以下の範囲とするのがよい。また、平均長さLは0.5μm以上、1000μm以下の範囲とするのがよい。また、上記平均長さLと平均径Dとの比は3以上とするのがよい。ただし、これら範囲外の寸法を持つものであってもよい。
−酸化層の形成−
表面酸化処理は、アノード2に用いる場合は、還元されるので重要度は少し低下する。表面酸化処理方法はつぎのとおりである。(i)気相法による熱処理酸化、(ii)電解酸化、(iii)化学酸化の3種類が好適な手法である。(i)では大気中で500〜700℃にて1〜30分処理するのがよい。最も簡便な方法であるが、酸化膜厚の制御が難しい。(ii)では標準水素電極基準で3V程度に電位を印加し、陽極酸化することにより表面酸化を行うが、表面積に応じ電気量により酸化膜厚を制御できる特徴がある。しかし、大面積化した場合、均一に酸化膜をつけることは難しい手法である。(iii)では硝酸などの酸化剤を溶解した溶液に1〜5分程度浸漬することで表面酸化する。酸化膜厚は時間と温度、酸化剤の種類でコントロールできるが薬品の洗浄が手間となる。いずれの手法も好適であるが、(i)または(iii)がより好ましい。
望ましい酸化層の厚みは、1nm〜100nmであり、より好ましくは10nm〜50nmの範囲とする。ただし、この範囲外であってもかまわない。酸化皮膜が薄すぎると触媒機能が不十分となる。また、わずかな還元雰囲気でもメタライズされてしまう恐れがある。逆に酸化皮膜が厚すぎると触媒性は充分保たれるが、反面、界面での電子伝導性が損なわれ、発電性能が低下する。
−構成および作用−
図10は、固体電解質1が酸素イオン導電性の場合における、カソード5における電気化学反応を説明するための図である。カソード5には、空気とくに酸素分子が導入される。カソード5は、酸素イオン導電性のセラミックス5cとを主成分とする焼結体とする。この場合の酸素イオン導電性のセラミックス5cとして、LSM(ランタンストロンチウムマンガナイト)、LSC(ランタンストロンチウムコバルタイト)、SSC(サマリウムストロンチウムコバルタイト)などを用いるのがよい。
本実施の形態におけるカソード5では、Ag粒子は銀ペースト塗布配線12gの形態で配置される。この中で、Ag粒子はカソード反応O2+4e−→2O2−を大きく促進させる触媒機能を有する。この結果、カソード反応は非常に大きい速度で進行することができる。Ag粒子の平均径は、10nm〜100nmとするのがよい。
上記は固体電解質1が酸素イオン導電性の場合の説明であるが、固体電解質1はプロトン(H+)導電性でもよく、その場合、カソード5におけるイオン導電性セラミックス5cはプロトン導電性のセラミックス、たとえばバリウムジルコネート等を用いるのがよい。
−焼結−
SSZの平均径は0.5μm〜50μm程度のものを用いるのがよい。焼結条件は、大気雰囲気で、1000℃〜1600℃に、30分〜180分間程度保持する。
電解質1は、固体酸化物、溶融炭酸塩、リン酸、固体高分子などを用いることができるが、固体酸化物は小型化でき、取り扱いが容易なので好ましい。固体酸化物1としては、酸素イオン導電性の、SSZ、YSZ、SDC、LSGM、GDCなどを用いるのがよい。また、上記のように、プロトン導電性のバリウムジルコネートを用いることもできる。
アノード2の集電材の重要な一要素である多孔質金属体11sは金属めっき体とするのがよい。多孔質金属体11には金属めっき多孔体とくにNiめっき多孔体、すなわち上述のセルメット(登録商標)を用いるのがよい。Niめっき多孔体は、気孔率を大きくとることができ、たとえば0.6以上0.98以下とすることができる。これによって、内面側電極であるアノード2の集電体の一要素として機能しながら、非常に良好な通気性を得ることができる。気孔率が0.6未満では、圧力損失が大きくなり、ポンプ等による強制循環をするとエネルギ効率が低下し、またイオン導電材等に曲げ変形等を生じて好ましくない。圧力損失を低減し、イオン導電材の損傷を防止するために、気孔率は、0.8以上とするのがよく、更に好ましい範囲として0.9以上とする。一方、気孔率が0.98を超えると電気伝導性が低下して集電機能が低下する。
図11により、円筒形MEA7の製造方法の概要について説明する。図11には、アノード2、およびカソード5ごとに、焼成を行う工程を示す。まず、市販されている円筒形固体電解質1を購入して準備する。次いで、カソード5を形成する場合は、所定の流動性を持つようにカソード構成材料を溶媒に溶かした溶液を調整して、円筒形固体電解質の外面に均等になるように塗布する。次いで、カソード5に適切な焼成条件で焼成する。このあとアノード2の形成に移る。図9に示す製造方法の他に、多くのバリエーションがある。焼成回数を1回ですます場合で、図9に示すように、各部分ごとに焼成を行うのではなく、塗布状態のまま、各部分を形成して、最後に、各部分の最大公約数的な条件で焼成を行う。この他、多くのバリエーションがあり、各部分を構成する材料と、目標とする分解効率と、製造経費等を総合的に考えて製造条件を決めることができる。
図12は、ガス分解素子10の配列例を示す図である。図12(a)は、1つの円筒形MEA7を用いた場合のガス除害装置であり、また、図12(b)は、図12(a)に示すものを、複数(12個)、並列に配置した構成のガス除害装置である。1つのMEA7では処理容量が不足する場合に、複数の並列配置は、面倒な加工無しに容量増大をはかることができる。複数のどの円筒形MEA7についても、内面側に、上記のアノード集電体11(11a,11s,11k)を装入し、内面側にアンモニアを含む気体を流す。円筒形MEA7の外面側は、スペースSを設けて高温の空気または高温の酸素に触れさせるようにする。
また、加熱装置であるヒータ41については、複数、並列配置した円筒形MEA7の全体をまとめて結束する態様により、設けることができる。このような全体をまとめて結束する態様をとることで、小型化をはかることができる。
表1は、本発明のガス分解素子を適用できる他のガス分解反応を例示する表である。ガス分解反応R1は、実施の形態1で説明したアンモニア/酸素の分解反応である。その他、ガス分解反応R2〜R8のどの反応に対しても本発明のガス分解素子は用いることができる。すなわち、アンモニア/水、アンモニア/NOx、水素/酸素/、アンモニア/炭酸ガス、VOC(揮発性有機化合物:volatile organic compounds)/酸素、VOC/NOx、水/NOx、などに用いることができる。また、どの反応においても、第1電極はアノードに限定されず、カソードとしてもよい。カソードもそれに応じて対をなすようにする。
上記の電気化学反応はガス除害を目的としたガス分解反応である。しかし、ガス除害を主目的としないガス分解素子もあり、本発明のガス分解素子は、そのような、電気化学反応装置、たとえば燃料電池等にも用いることができる。
Claims (11)
- ガスを分解するために用いる素子であって、
内面側の第1電極と、外面側の第2電極と、該第1電極および第2電極によって挟まれる固体電解質とで構成される、筒状体のMEA(Membrane Electrode Assembly)と、
前記MEAを加熱するためのヒータと、
前記筒状体のMEAの内面側に装入され、前記第1電極に導通する多孔質金属体と、
前記多孔質金属体の導電性軸をなすように挿通された中心導電棒と、
前記第1電極と前記多孔質金属体との間に装入された金属のメッシュシートとを備え、
前記金属のメッシュシートは、 前記MEAの端から出た部分を有し、その端から出た部分が前記中心導電棒に導電接続されていることを特徴とする、ガス分解素子。 - 前記金属のメッシュシートは筒状をなして、前記第1電極を覆うように該第1電極にわたって配置されていることを特徴とする、請求項1に記載のガス分解素子。
- 前記金属のメッシュシートの端から出た部分は、縮径されて前記中心導電棒の外周に溶接されていることを特徴とする、請求項2に記載のガス分解素子。
- 前記金属メッシュシートの端から出た部分は、前記中心導電棒の外周に、1つまたは複数の点で抵抗溶接によって接合されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のガス分解素子。
- 前記金属のメッシュシートは、前記ガスを含む気体が導入される前記MEAの入口側および/または出口側で、前記中心導電棒に導電接続されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のガス分解素子。
- 前記分解対象のガスが、半導体製造装置から排出されるガスであって、少なくともアンモニアを含むガスであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のガス分解素子。
- 前記第1電極と第2電極とから電力を取り出して前記ヒータに電力を供給することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載のガス分解素子。
- 外部装置へ電力を供給するために燃料電池として機能することを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載のガス分解素子。
- 筒状体MEAの内面側を第1電極とし、該第1電極の集電体に、該筒状体の内側に配置された、金属のメッシュシートと多孔質金属体と該多孔質金属体を挿通する中心導電棒とを用いたガス分解素子の製造方法であって、
前記中心導電棒に前記多孔質金属シートを固定して巻き回す工程と、
前記筒状体MEAの内面に、筒状の前記金属のメッシュシートを、前記筒状体MEAの端から出る部分を有するように配設する工程と、
前記多孔質金属シートが巻き回された中心導電棒を、前記金属のメッシュシートが配置された前記筒状体MEAの中に装入する工程と、
前記巻き回された多孔質金属体と前記金属のメッシュシートとを導電接続させる工程と、
前記金属のメッシュシートの端から出た部分を、前記中心導電棒に導電接続する工程とを備えることを特徴とする、ガス分解素子の製造方法。 - 前記金属のメッシュシートの端から出た部分を中心導電棒に、溶接によって接合することを特徴とする、請求項9に記載のガス分解素子の製造方法。
- 前記巻き回された多孔質金属体と前記金属のメッシュシートとの間にNiペーストが介在するように、前記中心導電棒を前記筒状体MEAの中に装入する前に、前記巻き回された多孔質金属体または筒状体MEA内に配設された金属のメッシュシートに、Niペーストを塗布することを特徴とする、請求項9または10に記載のガス分解素子の製造方法。
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