JP5567750B1 - アームレスト角度調節機構 - Google Patents

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Abstract

【課題】
安全性や強度に優れ、軽量化や薄型化が容易で、製造コストを低く抑えることもできるアームレスト角度調節機構を提供する。
【解決手段】
アームレスト角度調節機構10を、内歯部材12と、回動中心Cからずれた位置に揺動可能な状態で取り付けられた外歯部材13と、アーム側固定部材14と、外歯付勢部材15とで構成し、下限位置から上向きに回動するアーム部材20が角度調節可能区間を越えた際に外歯13aと内歯12aが噛み合わない退避位置へ外歯部材13を退避させる退避カム機構12c,13cと、下向きに回動するアーム部材20が下限位置に達した際に外歯部材13を外歯13aと内歯12aが噛み合う噛合位置へ復帰させる復帰カム機構12f,13fと、アーム部材20の上限ストッパー機構12d,13d及び下限ストッパー機構12e,13eとが、アーム部材20に内蔵されるようにした。
【選択図】 図5

Description

本発明は、自動車のシートなどに備えられるアームレストに組み込むためのアームレスト角度調節機構に関する。
自動車のシートなどに備えられるアームレストとしては、そのアーム部材が上限位置と下限位置との間で回動可能な状態でシートに支持され、アーム部材が下限位置から上向きに回動して所定角度となるまでの角度調節可能区間においてアーム部材の角度を調節可能としたものが既に知られている。この種のアームレストに組み込まれるアームレスト角度調節機構としては、これまでに種々のものが提案されている。例えば、特許文献1には、シートに対して固定するためのシート側固定部材(固定支持部51)と、アーム部材(アームレスト本体10)の回動方向に姿勢変位可能な外歯部材(可変支持部52及びストッパ部54)と、アーム部材と一体的に回動する内歯部材(保持部53)とを備えたアームレスト角度調節機構(支持機構50)が提案されている。特許文献1のアームレスト角度調節機構では、内歯部材に設けられた内歯(保持歯部75)と外歯部材に設けられた外歯(支持歯部77)とが噛み合うことにより、アーム部材の角度を調節することが可能となっている。
しかし、特許文献1のアームレスト角度調節機構は、外歯が外歯部材の外周部における僅かな区間に3個しか設けられておらず、外歯と内歯が噛み合ったときにアーム部材20に下向きの力が加わると、個々の外歯に大きな力が加わるものとなっていた。このため、特許文献1のアームレスト角度調節機構は、使用状態にあるアーム部材に子供が乗るなどして大きな負荷が加わると、外歯が破損してアーム部材が下向きに回動するおそれがあり、必ずしも安全性に優れたものとは言えなかった。特許文献1のアームレスト角度調節機構において、外歯の強度を高めようとすると、外歯や内歯を厚く形成する必要があり、アームレスト角度調節機構の軽量化や薄型化が困難になるという欠点があった。また、外歯や内歯の加工に特殊プレスが必要になるなど、製造コストが高くなるという欠点もあった。
特開2010−125219号公報
本発明は、上記課題を解決するために為されたものであり、アーム部材の角度を調節するための内歯や外歯を厚く形成しなくても、それらの破損を防止することができ、軽量化や薄型化が容易で製造コストを低く抑えることもできるアームレスト角度調節機構を提供することを目的とする。
上記課題は、
アームレストのアーム部材を上限位置と下限位置との間で回動可能な状態でシートフレームに支持させるとともに、アーム部材が下限位置から上向きに回動して所定角度となるまでの角度調節可能区間においてアーム部材の角度を調節可能とするアームレスト角度調節機構であって、
内周の一部に多数の内歯を具備し、シートフレームに直接的又は間接的に固定される内歯部材と、
外周に多数の外歯を具備し、アーム部材の回動中心からずれた位置に揺動可能な状態で取り付けられた外歯部材と、
外歯部材が取り付けられ、アーム部材に結合されるアーム側固定部材と、
内歯部材に内挿された外歯部材を付勢するための外歯付勢部材と
で構成され、
内歯部材をシートフレームに固定した取付状態において、
下限位置から上向きに回動するアーム部材が角度調節可能区間を越えた際に当接する一対のカム突起で構成され、外歯と内歯が噛み合わない退避位置へ外歯部材を退避させる退避カム機構と、
下向きに回動するアーム部材が下限位置に達した際に当接する一対のカム突起で構成され、退避位置にある外歯部材を外歯と内歯が噛み合う噛合位置へ復帰させる復帰カム機構と、
アーム部材の上限位置を規定する上限ストッパー機構と
アーム部材の下限位置を規定する下限ストッパー機構と
が、内歯部材と外歯部材又はアーム側固定部材とに設けられるとともに、これらの機構がアーム部材に内蔵されるようにしたことを特徴とするアームレスト角度調節機構
を提供することによって解決される。
このように、多数の内歯と外歯を内歯部材の内周と外歯部材の外周にそれぞれ設けることにより、アーム部材に加わる負荷トルクに伴って生ずる歯面への負荷を減少することができる。また、内歯と外歯を多数設けることで力を分散させることが可能になる。その結果、外歯と内歯を薄く形成することができるので、アームレスト角度調節機構の軽量化や薄型化が容易となる。さらに、外歯と内歯の加工は、特殊プレスではなく、普通プレスで行うことができて、その製造コストを抑えることも可能になり、安全性を高めることも可能になる。
外歯部材の揺動中心は、アーム部材の回動中心からずれた位置であれば特に限定されないが、前記回動中心からの距離が、内歯及び外歯のピッチ円の半径の1/2程度となるように設定すると好ましい。これにより、制約されるスペース、制約されたサイズのピッチ円において、内歯及び外歯を、前記ピッチ円の半周における30%程度の区間に設けることが可能になる。一方、図9に示すように、外歯部材の揺動中心を前記ピッチ円の外側に配置することで、内歯及び外歯を、前記ピッチ円の半周における60%程度の区間に設けることも可能である。
なお、アームレストの長さ(Lとする。)を250mm程度とした場合には、アームレストの先端負荷は、590N程度になると想定される。このとき、歯車(内歯部材及び外歯部材)のピッチ円半径をrとすると、内歯及び外歯には、L/rに比例する負荷が掛かることになる。また、アームレストの操作角度(下限位置から上限位置までの角度)は、通常、110〜120°程度であり、角度調節可能区間の角度は、15〜45°程度が望まれる。また、アームレストは、その幅(上下方向の寸法)が70〜90mm程度以下が望まれ、その厚さは50mm以下と薄くすることが望まれる。特に、厚さに関しては車幅寸法の制約から、より一層薄くすることが望まれる。
本発明のアームレスト角度調節機構においては、内歯部材の内周部に形成された内歯のピッチ円の半径と、外歯部材の外周部に形成された外歯のピッチ円の半径とを同一にし、より大きい半径を選択することが好ましい。ピッチ円の半径を大きくすることにより、歯面に掛かる負荷が減少するとともに、歯数をより多く確保することが可能で、前記ピッチ円の半周における20%程度の区間はもちろんのこと、60%程度の区間に設けることもできる。内歯と外歯の数(歯数)に特に制約は無いが、この歯数によって調整の刻み(ピッチ)が決まることから、全周換算で、72個(ピッチ5°)〜120個(ピッチ3°)の範囲とすると好ましい。上限は特に無いが、通常、180個(ピッチ2°)以下とされる。因みに、板厚2mmの鋼板を使用して、ピッチ円半径rが30mmで、全周換算の歯数が72個の歯車(内歯部材及び外歯部材)を形成する場合、外歯の数は、強度面から、アーム先端負荷490Nの場合で4個、980Nへの対応には、8個が必要となる。よって、外歯の個数は、上記条件の場合、5個以上とすると好ましく、10個以上とするとさらに好ましい。また、上限ストッパー機構や下限ストッパー機構などがアーム部材に内蔵されるようにすることにより、これらの機構が外部に露出しないようにして、子供が誤って指を挟むなどの事故を防止し、アームレスト角度調節機構の安全性をさらに高めることも可能になる。
また、本発明のアームレスト角度調節機構においては、内歯及び外歯における一対の歯面のうち、一方の歯面の傾斜角度を他方の歯面の傾斜角度よりも小さくすると好ましい。これにより、角度調節可能区間にあるアーム部材を上向きに回動させようとした際には、内歯と外歯の噛合いが容易に外れるようにしながらも、角度調節可能区間にあるアーム部材を下向きに回動させようとした際には、内歯に対して外歯をしっかりと食い込ませた状態とすることが可能になる。すなわち、アーム部材の操作性とロック力を両立しやすくすることができる。また、内歯及び外歯における一対の歯面のうち、下方負荷を受ける歯面の傾斜角度を20〜40°とし、アーム部材先端の負荷400〜600Nでスリップする付勢力に設定することで、アームレストやシートフレームの破損を防ぐ新たな効果が得られ好ましい。
さらに、本発明のアームレスト角度調節機構において、外歯付勢部材は、通常、板ばねやコイルばねなどの弾性部材が用いられ、上向きに回動するアーム部材が角度調節可能区間にあるときには外歯部材を噛合位置へ付勢する噛合位置付勢機能と、アーム部材が角度調節可能区間以外にあるとき、又は、下向きに回動するアーム部材が角度調節可能区間にあるときに、外歯部材を退避位置へ付勢する退避位置付勢機能とを発揮するように設けられる。外歯付勢部材は、これら噛合位置付勢機能と退避位置付勢機能のそれぞれについて独立した弾性部材を設けることによって実現してもよい。しかし、アームレスト角度調節機構をよりシンプルな構造とするためには、外歯付勢部材を、1つの弾性部材で構成し、アーム部材の回動に伴って外歯付勢部材の付勢方向を変えて噛合位置付勢機能と退避位置付勢機能とが切り替わるようにすると好ましい。また、退避付勢力を噛合付勢力よりも強くした上で、外歯付勢部材による噛合付勢力と退避付勢力とが常時作用するように構成するものも好ましい。
さらにまた、本発明のアームレスト角度調節機構においては、内歯部材、外歯部材、外歯付勢部材及びアーム側固定部材を、外歯部材が回動可能な隙間を持たせて結合し、ユニット化するための、段付、フランジ付の結合部材を備え、これらの部材をユニット化した状態でアーム部材に装着できるようにすると好ましい。このように、アームレスト角度調節機構をユニット化することにより、アーム部材などに対してアームレスト角度調節機構を容易に組み込むことができるようになるだけでなく、アームレスト角度調節機構を共通化し、アーム部材の寸法など、周囲の部品の仕様が変更されても、容易に対応することが可能になる。したがって、本発明のアームレスト角度調節機構を世界展開する際にも有利である。
以上のように、本発明によって、アーム部材の角度を調節するための内歯や外歯を厚く形成しなくても、それらの破損を防止することができ、軽量化や薄型化が容易で製造コストを低く抑えることもできるだけでなく、ストッパーが内蔵されて安全なアームレスト角度調節機構を提供することが可能になる。
本発明に係るアームレスト角度調節機構を使用したアームレストの動作を説明する図である。 本発明に係るアームレスト角度調節機構を分解した状態を示した斜視図である。 本発明に係るアームレスト角度調節機構をアーム部材に取り付けた状態をアーム部材の回動中心を通る平面で切断して示した断面図である。 本発明に係るアームレスト角度調節機構をユニット化した状態でアーム部材に装着している様子を示した斜視図である。 アーム部材が下限位置にあるときのアームレスト角度調節機構における各部の位置関係を示した図である。 図5に示す状態からアーム部材を僅かに上向きに回動させたときのアームレスト角度調節機構における各部の位置関係を示した図である。 図6に示す状態からアーム部材をさらに上向きに回動させ、退避カム機構が作用したときのアームレスト角度調節機構における各部の位置関係を示した図である。 図7に示す状態からアーム部材をさらに上向きに回動させ、アーム部材が上限位置に達したときのアームレスト角度調節機構における各部の位置関係を示した図である。 外歯部材の揺動中心を内歯部材と重ならない位置に設けた態様のアームレスト角度調節機構を示した図である。 外歯付勢部材をコイルばねで構成した態様のアームレスト角度調節機構を示した図である。 外歯付勢部材を2つの板ばねで構成した態様のアームレスト角度調節機構を示した図である。 内歯部材を断面非円形状とした態様のアームレスト角度調節機構を示した図である。
[アームレスト角度調節機構の概要]
本発明のアームレスト角度調節機構の好適な実施態様について、図面を用いてより具体的に説明する。本発明に係るアームレスト角度調節機構10は、図1に示すように、アーム部材20を上限位置と下限位置との間で回動可能な状態でシート30のシートフレームに支持させるためのものであり、アーム部材20が下限位置から上向きに回動して所定角度となるまでの角度調節可能区間においてアーム部材20の角度を調節可能とするものとなっている。
アームレスト角度調節機構10は、図2及び図3に示すように、シート側固定部材11と、内歯部材12と、外歯部材13と、アーム側固定部材14と、外歯付勢部材15と、ユニットカバー16と、樹脂カバー18と、段付でフランジ付の結合部材17とで構成している。シート側固定部材11は、シート30のシートフレームに固定するための部材となっている。内歯部材12は、その内周部における一部の区間に多数の内歯12aを有するものとなっており、アーム部材20の内側に回動自在な遊合状態で内挿された状態でシート側固定部材11の外面に固定される(内装部材12とシート側固定部材11は、1つの部材に一体化してもよい。)。外歯部材13は、その外周部における一部の区間に多数の外歯13aを有するものとなっており、アーム側固定部材14の内面におけるアーム部材の回動中心Cからずれた位置Cで内歯部材12に内挿される。なお、外歯部材13の自在な回動を保証する部材間の隙間は、段付でフランジ付の結合部材17により設けられる。
アーム側固定部材14は、ユニットカバー16を介してアーム部材20に固定される。ユニットカバー16の外面には、ウレタン発泡など、必要な樹脂カバー18が嵌め込まれる。外歯付勢部材15は、外歯部材13に当接又はピン結合されて付勢するためのものであり、アーム側固定部材14に取り付けられる。ユニットカバー16には、アーム部材20に対して外方から嵌め込んでかしめ結合するための壁面が設けられている。結合部材17は、内歯部材12(又はシート側固定部材11)を、シートフレームに回動不可能な固定状態に保持するとともに、外歯部材13とアーム側固定部材14(及びユニットカバー16)とが回動自在な隙間を確保するものであり、加えて、部材11,12,13,14,16,18を結合してユニット化するためのものとなっている。これにより、部材11〜18(アームレスト角度調節ユニット)は、図4に示すように、ユニット化した状態でアーム部材20に簡単にかしめ装着することができる。また、図5〜8に示す外歯部材13を所定の範囲で揺動させることができるように、軸孔13bは、円弧状の長孔となっている。
[アームレスト角度調節機構の動作]
続いて、本実施態様のアームレスト角度調節機構の動作について説明する。図5〜8は、アームレスト角度調節機構10における各部の位置関係を示した図である。アーム部材20が下限位置にあるときには、外歯部材13は、噛合位置にあり、図5に示すように、内歯12aと外歯13aとが噛み合った状態となっている。このとき、外歯付勢部材15は、点P10で外歯部材13に接触して外歯部材13を付勢しており(付勢力F)、外歯部材13は、付勢力Fにおける線分C10に垂直な成分によって噛合位置(同図における上側)へ付勢された状態となっている。
それぞれの内歯12aにおける一対の歯面α,βのうち、アーム部材20に下向きの力が加わった際に負荷が掛かる側の歯面αの傾斜角度θは、アーム部材20に上向きの力が加わった際に負荷が掛かる側の歯面βの傾斜角度θよりも大きくなっており、外歯13aの一対の歯面もこれに対応するように傾斜されている。本実施態様において、傾斜角度θは、略0°となっており、傾斜角度θは、約45°となっている。このため、角度調節可能区間にあるアーム部材20を上向きに回動させようとした際には、内歯12aと外歯13aの噛合いが外れて、アーム部材20を容易に操作できる一方、角度調節可能区間にあるアーム部材20を下向きに回動させようとしても、内歯12aに対して外歯13aが食い込んだ状態となり、アーム部材20がその位置でしっかりと掛止されて下向きに回動しないようになっている。ただし、傾斜角度θを0°とした場合、外れた噛合いが再び噛み合う際に歯先同士が干渉し、アーム部材20が少し戻される。これは、傾斜角度θを10°程度にすることで解決できる。
アーム部材20が下限位置にある図5の状態からアーム部材20を上向きに回動させると、アーム部材20と一体的に回動するアーム側固定部材14の回動に伴い、図6に示すように、外歯部材13の揺動中心Cが、回動中心Cを中心として紙面向かって反時計回りに変位していく。このため、外歯部材13aは、揺動中心Cを中心として、内歯12aと外歯13aの噛合いが外れる向き(同図においては下向き)に揺動する。ただし、外歯部材13は、外歯付勢部材15によって噛合位置へ付勢されているため、外歯13aは、アーム部材20が下限位置にあったときからn個分ずれた内歯12aに噛み合った状態となる。このとき、アーム部材20の角度は、内歯12aのピッチのn倍に相当する角度だけ変化している。これにより、アーム部材20が角度調節可能区間にあるときは、アーム部材20の角度を段階的に調節(アーム部材20を所定の角度で維持)できるようになっている。
角度調節可能区間にあるアーム部材20をさらに上向きに回動させ、アーム部材20が角度調節可能区間を越えると、図7に示すように、外歯部材13の外周部に設けられた外歯側退避カム13cが、内歯部材12の内周部に設けられた内歯側退避カム12cに当接して乗り上がり、外歯部材13が退避位置へと案内される。このとき、外歯付勢部材15による付勢力Fにおける線分C10に垂直な成分によって退避位置(同図における右側下方)へ付勢された状態となっている。換言すると、外歯付勢部材15が乗り越した状態となり、その付勢方向が切り替わる。このため、角度調節可能区間を越えると、外歯13aと内歯12aが噛み合うことがなく、アーム部材20の角度を調節すること(アーム部材20を所定の角度で維持すること)ができない状態となる。ただし、アーム部材20を上向き又は下向きに回動させること自体は可能である。この状態は、後述する復帰カム機構12f,13fにより、外歯部材13が噛合位置へ復帰するまで維持される。
角度調節可能区間を越えたアーム部材20をさらに上向きに回動させていくと、図8に示すように、外歯部材13の外周部に設けられた外歯側上限ストッパー13dが、内歯部材12の内周部に設けられた内歯側上限ストッパー12dに当接し、外歯部材13は、それ以上回動することができない状態となる。すなわち、アーム部材20は、それ以上は上向き(後向き)に回動させることができない上限位置(収納状態)となる。
上限位置にあるアーム部材20(又は角度調節可能区間を越えた位置にあるアーム部材20)を下向きに回動させていくと、図5に示すように、外歯部材13に設けられた外歯側下限ストッパー13eが、内歯部材12に設けられた内歯側下限ストッパー12eに当接し、外歯部材13は、それ以上回動することができない状態となる。すなわち、アーム部材20は、それ以上は下向きに回動させることができない下限位置(使用状態)となる。また、外歯部材13の外周部に設けられた外歯側復帰カム13fが、内歯部材12の内周部に設けられた内歯側復帰カム12fに当接することにより、それまでは退避位置にあった外歯部材13が噛合位置へと案内される。すなわち、内歯12aと外歯13aとが再び噛み合って、アーム部材20の角度を調節することが可能な状態となる。このとき、外歯付勢部材15による付勢力Fにおける線分C10に垂直な成分によって噛合位置へ付勢された状態となる。
[アームレスト角度調節機構の詳細]
本実施態様において、図3に示される各構成部材は、プレス加工で形成している。内歯部材12においては、板厚の多少厚いものを用い、図5に示される内歯12a、内歯側退避カム12c、内歯側上限ストッパー12d及び内歯側復帰カム12fなどを紙面手前側に延在する形態にプレス加工している。ピッチ円Cの半径rを大きくすることで2〜3mm程度の板厚の選択ができて、ファインブランキング用の特殊機械でなく、普通のプレス機で精密金型を用いて加工可能である。同様に、外歯部材13も、ピッチ円Cの半径rを大きくすることで2mm程度の板厚を選択でき、普通プレスで加工可能である。外歯部材13の揺動中心Cの回転軸も別部材を用いることなくアーム側固定部材14(図3)をプレス加工することで形成している。このように、樹脂カバー18を除いて全ての部材が普通プレスでの加工が可能であり、図3に示す如く機構部の寸法を鋼板の板厚の合計内に納めることで、30mm程度の極めて薄いサイズのアームレストを製作可能である。
樹脂カバー18は、ウレタン発砲する際に表皮を押し付けて漏れを防ぐ役割と、アームレストをシートフレームにボルト留めした後のキャップ23の外れ止めの役割とを果たすものである。アームレスト角度調節機構の各部材は、ヘッダー加工品である結合部材17で図4に示されるユニット状態にかしめ結合される。これを希望するサイズのアーム部材20にプレスかしめで組み付け発砲することで希望するアームレストが完成する。世界展開においては、ユニットのみを配送し、後を現地で生産すれば合理的である。
また、本実施態様において、内歯側上限ストッパー12d及び外歯側上限ストッパー13dからなる上限ストッパー機構と、内歯側下限ストッパー12e及び外歯側上限ストッパー13eからなる下限ストッパー機構は、アームレスト角度調節ユニットに内蔵されているため、子供などが誤って上限ストッパー機構や下限ストッパー機構に指を挟む危険性のないものとなっている。
[アームレスト角度調節機構の他の実施態様]
本発明のアームレスト角度調節機構の技術的範囲は、上記の実施態様に限定されるものではなく、その要旨を損なわない範囲で適宜変更を施すことができる。例えば、図1〜図8に示した上記実施態様においては、外歯部材12の揺動中心Cをピッチ円Cの内側に設定することで、制約されるスペース、制約されたサイズのピッチ円Cにおいて、内歯12a及び外歯13aを、ピッチ円Cの半周における30%程度の区間に設け、小型化を図っていたが、図9に示すように、外歯部材13の揺動中心Cをピッチ円Cの外側とし、アーム部材20の先端側に大きくずらすことで、ピッチ円Cの半周における60%程度の区間に内歯12a及び外歯13aを設けることが可能になることは、先に記した通りである。また、シート側固定部材11と内歯部材12の一体化や、アーム側固定部材14とユニットカバー16の一体化や、それらを形成する鋼板の材質や板厚の変更や、結合部材17を段付ボルトとカラーとワッシャや一般ボルトの組合せとすることなどが可能であり、また、歯形の角度やピッチ円Cの半径rの設定の仕方などで歯数の増減が可能であることは、言うまでもない。
また、図1〜図8に示した上記実施態様において、外歯付勢手段15は、1枚の板ばねで構成していた。しかし、外歯付勢手段15は、図10に示すように、コイルばねで構成することもできる。また、外歯付勢手段15は、図11に示すように、2枚の板ばね15a,15bで構成することもできる。この場合、板ばね15aは、上向きに回動するアーム部材20が角度調節可能区間にあるときに外歯部材13を噛合位置へ付勢するように作用し、板ばね15bは、アーム部材20が角度調節可能区間以外にあるとき、又は、下向きに回動するアーム部材20が角度調節可能区間にあるときには、外歯部材13を退避位置へ付勢するように作用する。噛合位置へ押し付けるために必要な外歯付勢部材15の付勢力は、歯面α,βの傾きにより決まり、傾斜角度θ,θによっては、その付勢力を増減させる必要がある。また、この付勢力と歯面α,βの傾きの選定によって、例えば、下限ストッパー機構に980Nの強度を確保した上で、角度調節の途中の使用状態においては、破損防止の目的で490N程度の負荷でスリップさせることも可能である。
さらに、図1〜図8に示した上記実施態様において、内歯部材12は、断面円形状となっていた。しかし、内歯部材12は、図12に示すように、断面非円形状とすることもできる。内歯部材12は、内歯12aが設けられた区間のみ円形状となっていれば、他の区間は円形状とする必要がない。内歯部材12の断面形状は、仕様などに応じて適宜変更することができる。これと同様のことが、外歯部材13にも言える。
10 アームレスト角度調節機構
11 シート側固定部材
11a 軸孔
12 内歯部材
12a 内歯
12b 軸孔
12c 内歯側退避カム(退避カム機構)
12d 内歯側上限ストッパー(上限ストッパー機構)
12e 内歯側下限ストッパー(下限ストッパー機構)
12f 内歯側復帰カム(復帰カム機構)
13 外歯部材
13a 外歯
13b 軸孔
13c 外歯側退避カム(退避カム機構)
13d 外歯側上限ストッパー(上限ストッパー機構)
13e 外歯側下限ストッパー(下限ストッパー機構)
13f 外歯側復帰カム(復帰カム機構)
14 アーム側固定部材
14a 嵌込口
14b 軸孔
15 外歯付勢部材
16 ユニットカバー
16a 軸孔
17 結合部材
18 樹脂カバー
18a 軸孔
20 アーム部材
22 表皮
23 キャップ
30 シート
アーム部材の回動中心
外歯部材の揺動中心
内歯のピッチ円(外歯のピッチ円)

Claims (7)

  1. アームレストのアーム部材を上限位置と下限位置との間で回動可能な状態でシートフレームに支持させるとともに、アーム部材が下限位置から上向きに回動して所定角度となるまでの角度調節可能区間においてアーム部材の角度を調節可能とするアームレスト角度調節機構であって、
    内周の一部に多数の内歯を具備し、シートフレームに直接的又は間接的に固定される環状の内歯部材と、
    外周に多数の外歯を具備し、該外歯が設けられた部分が内歯部材の内側に収容され、アーム部材の回動中心からずれた位置を中心として揺動可能な状態で取り付けられた外歯部材と、
    外歯部材が取り付けられ、アーム部材に結合されるアーム側固定部材と、
    内歯部材に内挿された外歯部材を付勢するための外歯付勢部材と
    で構成され、
    内歯部材をシートフレームに固定した取付状態において、
    下限位置から上向きに回動するアーム部材が角度調節可能区間を越えた際に当接する一対のカム突起で構成され、外歯と内歯が噛み合わない退避位置へ外歯部材を退避させる退避カム機構と、
    下向きに回動するアーム部材が下限位置に達した際に当接する一対のカム突起で構成され、退避位置にある外歯部材を外歯と内歯が噛み合う噛合位置へ復帰させる復帰カム機構と、
    アーム部材の上限位置を規定する上限ストッパー機構と
    アーム部材の下限位置を規定する下限ストッパー機構と
    が、内歯部材と外歯部材又はアーム側固定部材とに設けられるとともに、これらの機構がアーム部材に内蔵されるようにしたことを特徴とするアームレスト角度調節機構。
  2. 内歯部材の内周部に形成された内歯のピッチ円の半径と、外歯部材の外周部に形成された外歯のピッチ円の半径とが同一であり、
    内歯及び外歯が、前記ピッチ円の半周における20%以上60%以下の区間に設けられた請求項1記載の角度調節機構。
  3. 内歯及び外歯における一対の歯面のうち、一方の歯面の傾斜角度が他方の歯面の傾斜角度よりも小さくされた請求項1又は2記載のアームレスト角度調節機構。
  4. 外歯付勢部材が、1つの弾性部材で構成され、
    上向きに回動するアーム部材が角度調節可能区間にあるときには外歯部材を噛合位置へ付勢し、
    アーム部材が角度調節可能区間以外にあるとき、又は、下向きに回動するアーム部材が角度調節可能区間にあるときには、外歯部材を退避位置へ付勢する
    ようにアーム部材の回動に伴って外歯付勢部材の付勢方向が切り替わるようにした請求項1〜3いずれか記載のアームレスト角度調節機構。
  5. 外歯付勢部材による外歯部材を噛合位置へ付勢する噛合付勢力と退避位置へ付勢する退避付勢力とが常時作用するように構成され、退避付勢力が噛合付勢力よりも強くなるようにした請求項4記載のアームレスト角度調節機構。
  6. 内歯部材、外歯部材、外歯付勢部材及びアーム側固定部材を結合してユニット化するための結合部材を備え、
    これらの部材をユニット化した状態でアーム部材に装着できるようにした請求項1〜5いずれか記載のアームレスト角度調節機構。
  7. 内歯及び外歯における一対の歯面のうち、下方負荷を受ける歯面の傾斜角度が20〜40°とされ、外歯付勢部材が、400〜600Nの負荷でスリップする付勢力のものである請求項1〜6いずれか記載のアームレスト角度調節機構。
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