JP5567517B2 - 動力伝達装置 - Google Patents
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Description
また、エンジンの圧縮比を変更可能な可変圧縮比エンジンでは、低圧縮比側から高圧縮比側に変更する場合に低速高トルクが要求され、一方、高圧縮比側から低圧縮比側に変更する場合にはトルクは必要なく高速特性が要求される。
そこで、従来、正転と逆転または往路と復路での出力特性を変化させる装置または方法として、例えば、自動車用自動変速機のように電子制御を用いた変速機が知られている。また、回転方向を機械的または電気的に検出し、歯車比の異なる動力伝達経路を選択する方法が知られている。この例として、特許文献1に記載の正逆転可能な2段変速機は、駆動装置の出力軸と遊星歯車減速機の内歯歯車とを電磁的に連結しかつ切断可能な電磁クラッチを備える。
特許文献2の可変圧縮比エンジンは、2つのワンウェイクラッチを用い、2つの動力伝達経路を切り替える。これにより、高減速比の動力伝達経路を選択したとき低回転高トルクの出力が得られ、低減速比の動力伝達経路を選択したとき高回転低トルクの出力が得られると記載されている。
特許文献3の開閉体駆動装置は、特許文献2と同様、2つのワンウェイクラッチを組合せ、動力伝達の分割および選択を図っている。
特許文献5の可逆回転伝動装置は、ラチェットを用い、回転方向による動力伝達経路を選択する。
特許文献6に記載されたカメラの自動巻上げ変速機構は、モータと2系統の伝達歯車とを備え、巻上げ負荷に応じて切換歯車が上下に移動することで動力伝達経路を切り替え、巻上げ速度を自動的に変更する。
例えば、特許文献3の図3を参照すると、出力軸(44)に、互いに反対方向の回転を拘束する第1のワンウェイクラッチ(63)と第2のワンウェイクラッチ(73)が設けられている。第1のワンウェイクラッチは開放側駆動ギア(61)を駆動しようとしており、第2のワンウェイクラッチは閉塞側駆動ギア(71)を駆動しようとしている。また、開放側駆動ギアおよび閉塞側駆動ギアは、それぞれ、共通の中間軸(90)に固定された開放側従動ギア(62)および閉塞側従動ギア(72)と噛み合っている。
特許文献5の装置は、ラチェット切り替えのために入出力軸間でロストルクが生じる。また、駆動軸の内部または駆動軸とつながった部位にラチェットシステムを組み込む必要があり、装置の小型化や構造の簡素化が難しい。さらに、回転バランスが出しにくく高速回転には適さない。加えて、ラチェット嵌合部が周方向の一部に限られるため、装置全体の大きさに対して動力伝達容量が不足するおそれがある。
特許文献6の変速機構は、切換歯車15が上下に移動する途中、いずれの系統にも動力を伝達することができない期間が生じる。また、切換歯車が回転しながら移動するため、切換歯車と伝達歯車とが接触するとき、歯が噛み合わず、歯車同士が反発するおそれがある。したがって、特に高速回転する装置には適用することができない。
入力伝動部材は、入力軸に固定され、入力軸とともに回転する。
第1伝動部材は、入力軸とは別の軸上に設けられる入力側副軸に固定され、入力伝動部材の回転を伝達されて入力側副軸とともに回転する。
第2伝動部材は、出力軸とは別の軸上に設けられる出力側副軸に固定され、出力側副軸とともに回転する。
出力伝動部材は、出力軸に固定され、第2伝動部材の回転を伝達されて出力軸とともに回転する。
上記の各伝動部材として、具体的には歯車、プーリ等を用いることができる。
二方向回転力伝達部材は、入力側副軸の回転力を出力側副軸に伝達し、出力側副軸の回転力に対して入力側副軸を空転させることが可能である。
一方向回転力伝達部材として、具体的にはワンウェイクラッチ等を用いることができる。また、二方向回転力伝達部材として、具体的にはツーウェイクラッチ等を用いることができる。
この動力伝達装置は、外部制御装置や他動力による動力選択装置を使用せず構成が単純なため、体格を小さくし、部品点数やコストを低減することができ、また、動作が確実なため、信頼性を向上することができる。
一方、一方向回転力伝達部材は、入力軸の逆転時に空転し、入力軸の正転時に入力軸の回転力が伝達される。すなわち、一方向回転力伝達部材は、入力軸が逆転から正転へ切り替わるとき、空転状態から動力伝達状態に移行する。このとき同様に、バックラッシュに相当する切替角度が必要となる。
ここで、仮に、一方向回転力伝達部材の切替角度と二方向回転力伝達部材の切替角度との関係により、一方向回転力伝達部材と二方向回転力伝達部材とが共に動力伝達状態となる期間が生じる場合、デッドロックが発生する可能性がある。
「遊び連結部材」には、請求項3に示すカップリングの他、例えば、蛇腹管、ねじれ弾性部材等が該当する。入力軸と出力軸とが直結されるのでなく、遊び連結部材を介して連結されることで、入力軸の逆転から正転への切替時に、入力軸から一方向回転力伝達部材への動力伝達をある角度分遅らせることができる。よって、その角度が一定の要件を満たすことにより、一方向回転力伝達部材と二方向回転力伝達部材とが共に動力伝達状態となる可能性を排除し、デッドロックの発生を防止することができる。
また、一方向回転力伝達部材は、中間軸と出力軸との間に設けられ、中間軸の正転時に中間軸の正転力を出力軸に伝達し、中間軸の逆転時に出力軸を空転させることが可能である。
これにより、遊び連結部材の具体的な構成を提供する。
θ≧Z×λ2−λ1
となるように設定される。
これにより、入力軸が停止または逆転から再び正転に切り替わったとき、突起部は、常に所定の遊び角度θの回転を経てストッパ部に当接するため、より確実にデッドロックの発生を防止することができる。
(一実施形態)
本発明の一実施形態は、自動車等に搭載され圧縮比を変更可能な可変圧縮比エンジンに本発明の動力伝達装置を適用したものである。図4に示す可変圧縮比エンジン80は、カムカバー81、シリンダヘッド82、シリンダブロック83およびロアケース84等から構成される。シリンダブロック83にはシリンダ85が形成され、シリンダ85内に往復移動可能にピストン86が収容される。シリンダヘッド82には、吸気通路を開閉する吸気弁881、排気通路を開閉する排気弁882が設けられる。シリンダ85の内壁、ピストン86の上端、吸気弁881および排気弁882に囲まれた空間は燃焼室89を形成する。ロアケース84内にはクランクシャフト871、コンロッド872等が収容され、ピストン86の往復運動がクランクシャフト871の回転運動に変換される。
また、シリンダブロック83には、動力伝達装置10、モータ17、ウォーム18およびウォームホイール19からなる圧縮比変更機構が設けられている。
モータ17の正転時、動力伝達装置10は、モータ17の正転力を等速でウォーム18に伝達する。また、モータ17の逆転時、動力伝達装置10は、モータ17の逆転力を減速してウォーム18に伝達する。
モータ17の正転力がウォーム18に伝達されると、カムカバー81、シリンダヘッド82およびシリンダブロック83はロアケース84に対して上昇し、カムカバー81の上端位置が図中破線指示した位置に移動する。これにより、燃焼室89の容積が増加するためピストン86の移動による容積変化が小さくなり「低圧縮比」の状態となる。この高圧縮比側から低圧縮比側への推移では燃焼室89の燃焼圧がシリンダブロック83に作用する力が同じ向きに働くことから、大きな駆動力が要求されない。そのため、動力伝達装置10は、モータ17の回転を等速でウォーム18に伝達し、シリンダブロック83を比較的高速で上昇させることができる。
図1〜3に示すように、動力伝達装置10は、ハウジング60、入力側支持板61、出力側支持板62、入力軸11、出力軸12、入力側副軸51および出力側副軸52等を備える。入力軸11および入力側副軸51は、入力側支持板61に固定された軸受63、64に回転可能に支持されており、出力軸12および出力側副軸52は、出力側支持板62に固定された軸受65、66に回転可能に支持されている。さらに、出力軸12は、ハウジング60に固定された軸受67に回転可能に支持されており、入力側副軸51は、ハウジング60に固定された軸受68に回転可能に支持されている。
ワンウェイクラッチ30は、外輪31、内輪32、複数のコロ33およびスプリング34から構成される。複数のコロ33は、外輪31と内輪32とに挟まれる環状の隙間に配置されている。外輪31の内壁に、各コロ33に対応するくさび部31aが形成されている。くさび部31aは、周方向の一方(図のCW方向)でコロ33が噛み込み、周方向の他方(図のCCW方向)でコロ33がフリーとなる形状に形成されている。スプリング34は、コロ33とコロ33との間に設けられ、コロ33を外輪31側へ押し付けている。
図5(a)に示すスタンバイ状態において、外輪31および内輪32は停止しており、コロ33はくさび部31aに押し付けられている。
また、図5(b)に示すように、コロ33がくさび部31aから離れた状態からくさび部31aに噛み込み空転状態から動力伝達状態に移行するとき、または、逆に動力伝達状態から空転状態に移行するときには、所定の切替角度λ1の回転が必要である。切替角度λ1は、いわゆるバックラッシュに相当する。
図1のVIa部拡大図である図6(a)に示すように、ツーウェイクラッチ50は、外輪としての入力側副軸51、内輪としての出力側副軸52、コロ53、保持器54、摺動ばね55、ケース56等から構成される。
保持器54は、コロ53を保持する。摺動ばね55は、径方向内側の端部55aが保持器54に引っ掛かり、径方向外側の摺動部55bがケース56内壁に当接して突っ張る。ケース56はハウジング60に固定され、入力側副軸51の径方向外側を保持するとともに、軸受57を介して出力側副軸52を回転可能に支持している。
また、ワンウェイクラッチ30と同様、ツーウェイクラッチ50が空転状態から動力伝達状態に移行するとき、または、動力伝達状態から空転状態に移行するとき、バックラッシュに相当する所定の切替角度λ2の回転が必要である。
図7(a)に示すように、カップリング20は、円柱状の入力ロータ21と中間ロータ23、及びコイル状のスプリング29から構成される。入力ロータ21は入力軸11と同軸かつ一体に設けられる。中間ロータ23は中間軸13と同軸かつ一体に設けられる。
図7(b)に示すように、入力ロータ21は、中間ロータ23側の端面に突起する2つの扇形状の突起部22を設けている。一方、中間ロータ23は、入力ロータ21側の端面に2つの扇形状のストッパ部24を設けている。突起部22およびストッパ部24は、それぞれ回転軸Pに対して対象に配置される。突起部22は、ストッパ部24同士の周方向の間に、ストッパ部24に対して所定の遊び角度θの範囲で相対回転可能に配置される。
図8(a)に示すように、入力軸11の正転時、正転力は、カップリング20を経由して中間軸13に伝達される。すると、ワンウェイクラッチ30において内輪32の回転数Rinは正の値であるから、外輪31の回転数Routをゼロと見なせば、「Rin>Rout」の関係が成立し、正転力が出力軸12に等速で伝達される(図5(c)参照)。
ここで、各変数を以下のように定義する。
n(1/s):入力軸11の1秒あたりの回転数(正転を正、逆転を負とする。)
λ1(deg):ワンウェイクラッチ30の切替角度
λ2(deg):ツーウェイクラッチ50の切替角度
Z(−):入力側減速比(=(第1ギア42の歯数/入力ギア41の歯数)=(入力軸11および中間軸13の回転数/入力側副軸51の回転数)、特許請求の範囲の「入力側変速比」に相当する。)
T1(s):中間軸13(=ワンウェイクラッチ30の内輪32)が切替角度λ1回転する時間
T2(s):入力側副軸51(=ツーウェイクラッチ50の外輪)が切替角度λ2回転するのに対応して入力軸11および中間軸13が角度Z×λ2回転する時間
T1=λ1/(360・n) ・・・(式1)
T2=Z×λ2/(360・n) ・・・(式2)
よって、Z×λ2>λ1のとき、図9(a)に示すようにT2>T1となる。すると、入力軸11が逆転から正転へ切り替わる時刻をt0とすると、ワンウェイクラッチ30は、時刻t0から時間T1後に空転状態から動力伝達状態に移行し、ツーウェイクラッチ50は、時刻t0から時間T2後に動力伝達状態から空転状態に移行する。したがって、図中斜線指示した範囲にてワンウェイクラッチ30とツーウェイクラッチ50とが同時に動力伝達状態となることとなり、いわゆるデッドロックが発生する。
なお、入力軸11が正転から逆転へ切り替わるときには、ワンウェイクラッチ30が動力伝達状態から空転状態に移行した後、ツーウェイクラッチ50が空転状態から動力伝達状態に移行するため、デッドロックは発生しない。
θ≧Z×λ2−λ1 ・・・(式3)
Z×λ2>λ1のとき、θは正の値を取る。また、時間Tθを以下のように定義する。
Tθ(s):入力軸11が中間軸13に対して遊び角度θ回転する時間
なお、入力軸11が正転から逆転へ切り替わるときには、カップリング20のスプリング29によって突起部22が初期位置に戻されることから、入力軸11と中間軸13との間に、遊び角度θによる回転時間差が生じない。したがって、図9(a)に示す比較例と同じ挙動をする。
この動力伝達装置10は、外部制御装置や他動力による動力選択装置を使用せず構成が単純なため、体格を小さくし、部品点数やコストを低減することができ、また、動作が確実なため、信頼性を向上することができる。
(ア)上記実施形態では、入力ギア41と第1ギア42との関係により、入力軸11の回転は減速して入力側副軸51に伝達される。また、第2ギア43と出力ギア44との関係により、出力側副軸52の回転は減速して出力軸12に伝達される。すなわち、「減速→減速」かつ「全体として減速」の関係にある。ここで、入力軸11の逆転時にワンウェイクラッチ30の外輪である出力軸12を内輪である中間軸13に対して空転させるため、出力軸12の回転数が入力軸11の回転数よりも小さいこと、つまり、動力伝達装置10が「全体として減速」することは必須の要件である。
ここで、「等速→減速」または「少し増速→多いに減速」の場合、式2における「Z」は1または1より小さい値となる。したがって、「Z」は、「入力側減速比」から、「等速または増速」の場合を含む「入力側変速比」に拡張して解釈される。
(エ)「一方向回転力伝達部材」および「二方向回転力伝達部材」は、上記実施形態のワンウェイクラッチおよびツーウェイクラッチに限らず、他の形式のものであってもよい。例えば、ワンウェイクラッチに代えて反転防止ラチェットを用いてもよい。
図10(a)の構成は、円柱状の突起部72aが入力ロータ71aに設けられ、扇形状のストッパ部74aが出力ロータ73aに設けられる。入力ロータ71aが正転すると、突起部72aがストッパ部74aの外壁76aに当接し、入力ロータ71aから出力ロータ73aへの動力伝達が可能となる。
さらに、上記の図7、図10の各実施形態に対し、「突起部」が出力ロータに設けられ、「ストッパ部」が入力ロータ側に設けられてもよい。
さらに、ワンウェイクラッチ30の切替角度λ1、ツーウェイクラッチ50の切替角度λ2および入力側減速比Zの関係が「Z×λ2≦λ1」である場合には「θ=0」であっても式3が成立することから、遊び角度θを設ける必要がない。よって、カップリングを無くして入力軸11と中間軸13とを直結してもよい。その場合、入力軸11がワンウェイクラッチ30の内輪32となり得る。
(コ)本発明の動力伝達装置は、可変圧縮比エンジンに限らず、正逆転で入力軸と出力軸との変速比および伝達トルクを変更する種々の装置に適用可能である。
以上、本発明はこのような実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の形態で実施することができる。
11 ・・・入力軸、
12 ・・・出力軸、
13 ・・・中間軸、
20 ・・・カップリング(遊び連結部材)、
21 ・・・入力ロータ、
22 ・・・突起部、
23 ・・・中間ロータ、
24 ・・・ストッパ部、
29 ・・・スプリング(付勢手段)、
30 ・・・ワンウェイクラッチ(一方向回転力伝達部材)、
31 ・・・外輪、
32 ・・・内輪、
41 ・・・入力ギア(入力伝動部材)、
42 ・・・第1ギア(第1伝動部材)、
43 ・・・第2ギア(第2伝動部材)、
44 ・・・出力ギア(出力伝動部材)、
50 ・・・ツーウェイクラッチ(二方向回転力伝達部材)
51 ・・・入力側副軸、外輪、
52 ・・・出力側副軸、内輪、
θ ・・・遊び角度、
Z ・・・入力側減速比(入力側変速比)、
λ1 ・・・ワンウェイクラッチ(一方向回転力伝達部材)の切替角度、
λ2 ・・・ツーウェイクラッチ(二方向回転力伝達部材)の切替角度。
Claims (4)
- 入力軸の回転力を出力軸へ伝達し、前記入力軸の一方の回転方向への回転を正転とし前記入力軸の他方の回転方向への回転を逆転とすると、前記入力軸の正転時には前記出力軸を前記入力軸の回転と等速に回転させ、前記入力軸の逆転時には前記出力軸を前記入力軸の回転に対し減速して回転させる動力伝達装置であって、
前記入力軸に固定され、前記入力軸とともに回転する入力伝動部材と、
前記入力軸とは別の軸上に設けられる入力側副軸に固定され、前記入力伝動部材の回転を伝達されて前記入力側副軸とともに回転する第1伝動部材と、
前記出力軸とは別の軸上に設けられる出力側副軸に固定され、前記出力側副軸とともに回転する第2伝動部材と、
前記出力軸に固定され、前記第2伝動部材の回転を伝達されて前記出力軸とともに回転する出力伝動部材と、
前記入力軸の正転時に前記入力軸の正転力を前記出力軸に伝達し、前記入力軸の逆転時に前記出力軸を空転させることが可能な一方向回転力伝達部材と、
前記入力側副軸の回転力を前記出力側副軸に伝達し、前記出力側副軸の回転力に対して前記入力側副軸を空転させることが可能な二方向回転力伝達部材と、
前記入力軸と前記出力軸とを所定の角度範囲で互いに相対回転可能に連結する遊び連結部材と、
を備え、
前記入力軸の正転時、前記入力軸の正転力が前記一方向回転力伝達部材を経由して前記出力軸に伝達され、
前記入力軸の逆転時、前記入力軸の逆転力が前記入力伝動部材、前記第1伝動部材、前記入力側副軸、前記二方向回転力伝達部材、前記出力側副軸、前記第2伝動部材、前記出力伝動部材を経由して前記出力軸に伝達されることを特徴とする動力伝達装置。 - 前記遊び連結部材は、
前記入力軸に固定される入力ロータ、及び、前記入力軸と前記出力軸との間に設けられる中間軸に固定される中間ロータから構成されるカップリングであって、当該カップリングは、前記入力ロータおよび前記中間ロータの一方に突起部を設け、前記入力ロータおよび前記中間ロータの他方に前記突起部が当接可能なストッパ部を設けることで、前記入力ロータと前記中間ロータとを所定の遊び角度θの範囲内で相対回転可能としつつ、前記突起部が前記ストッパ部に当接することで前記入力軸の回転力を前記中間軸に伝達可能であり、
前記一方向回転力伝達部材は、
前記中間軸と前記出力軸との間に設けられ、前記中間軸の正転時に前記中間軸の正転力を前記出力軸に伝達し、前記中間軸の逆転時に前記出力軸を空転させることが可能であることを特徴とする請求項1に記載の動力伝達装置。 - 前記カップリングにおいて、前記所定の遊び角度θは、
前記一方向回転力伝達部材が空転状態から動力伝達状態に移行するとき必要な切替角度をλ1とし、前記二方向回転力伝達部材が動力伝達状態から空転状態に移行するとき必要な切替角度をλ2とし、前記入力側副軸の単位時間当たりの回転数に対する前記入力軸の単位時間当たりの回転数の比である入力側変速比をZとすると、
θ≧Z×λ2−λ1
となるように設定されることを特徴とする請求項2に記載の動力伝達装置。 - 前記カップリングは、
前記入力軸が正転から停止または逆転に切り替わったとき、前記突起部が前記ストッパ部に対して前記所定の遊び角度θを確保する位置に戻すように前記入力ロータを前記中間ロータに対して逆転方向に付勢する付勢手段を有することを特徴とする請求項3に記載の動力伝達装置。
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