JP5567081B2 - 亀裂進展推定方法、及び情報処理装置 - Google Patents

亀裂進展推定方法、及び情報処理装置 Download PDF

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Description

本発明は、亀裂進展推定方法、及び情報処理装置に関し、とくに亀裂の進展を正確かつ簡易に推定するための技術に関する。
特許文献1には、高温機器の寿命評価に際し、演算条件、応力および破断時間データからクリープ損傷量を算出し、演算条件、応力および疲労寿命データから疲労損傷量を算出し、クリープ損傷量、疲労損傷量および限界損傷データから損傷量を判定し、損傷量から対象部品の寿命を判定することが記載されている。
また特許文献2には、部材に生じた欠陥の進展寿命を評価するため、溶接部の部材の形状、運転サイクルの時間的変化を表す対応データを記憶し、部材に生じた欠陥(亀裂)を表す欠陥条件データを記憶し、対応データと欠陥条件データに基づき疲労およびクリープによるき裂進展量を算出することが記載されている。
特開2008−275466号公報 特開2011−232206号公報
一般に火力発電所や原子力発電所の蒸気タービンやボイラ等の高温下で用いられる構造物に生じる亀裂の解析は、亀裂の発生と進展とを別にして行われている。また現場において実機に亀裂の発生が見つかった場合には、直ちに亀裂箇所を削り取る運用がなされていることが多く、亀裂の進展挙動については必ずしも把握されていない。
また亀裂の進展の推定を正確に行うおうとすれば、例えば、有限要素法(FEM)による数値解析を実施する必要があるが、推定によって進展する亀裂の深さごとにメッシュ(FEMモデル)を切り直す必要があるために多大な労力を要し、また高性能の情報処理装置を用いる必要があり不経済であった。
本発明はこのような背景に鑑みてなされたもので、部材に生じる亀裂の進展を正確かつ簡易に推定することが可能な亀裂進展推定方法、及び情報処理装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するための本発明の一つは、部材に生じる亀裂の進展を推定する方法であって、部材の部位ごとに、進展する亀裂の深さとクリープ寄与度との関係を、(1)部材に実際に作用する応力を簡素化して模擬した、進展する亀裂の深さにおける応力の時系列的な変化、(2)クリープ破断特性、及び(3)部位に亀裂が発生するまでの繰り返し応力の発生回数の実測値、から求め、求めた前記関係から取得される、部材の所定部位についての進展する亀裂の深さにおけるクリープ寄与度に対応するパリス則の定数C,mを取得し、
次の関係
da/dN=C・(ΔK)
ΔK=Δσ(a)・(π・a) 1/2
(但し、aは亀裂深さ、Nは繰り返し応力の発生回数、C,mは前記部材に応じて定まる定数、ΔKは応力拡大係数範囲、Δσ(a)は前記所定部位に亀裂が生じていない場合における前記所定部位の深さ方向の応力分布)
に基づき、前記所定部位における亀裂の進展を推定し、
前記応力分布Δσ(a)は、既知の複数の応力−ひずみ特性のうち次の関係を満たすものを選出し、
1/N =1/N pp +1/N cp
Δε cp =A2・N cp −α2
Δε pp =A1・N pp −α1
(但し、N は前記部位における既知の亀裂発生回数、N cp はひずみ範囲分割法におけるcp型(引張クリープひずみ+圧縮塑性ひずみ)の亀裂発生回数、N pp はひずみ範囲分割法におけるpp型(引張塑性ひずみ+圧縮塑性ひずみ)の亀裂発生回数、Δε cp はひずみ範囲分割法におけるcp型のひずみ範囲、Δε pp はひずみ範囲分割法におけるpp型のひずみ範囲、A1,A2,α1,α2はいずれも実験的に求められる定数)
選出した前記応力−ひずみ特性に基づき、前記部位に亀裂が生じていない場合における当該部位の応力分布Δσ(0)を求め、前記Δσ(0)に基づく数値解析を実施することにより求めたものである。
本発明によれば、部材に実際に作用する応力を簡素化して模擬した、進展する亀裂の深さにおける応力の時系列的な変化に基づき、進展する亀裂の深さとクリープ寄与度との関係を算出するので、部材に実際に作用する応力の時系列的な変化を算出結果に反映させることができる。このため、実際の状況に近い形で進展する亀裂の深さとクリープ寄与度との関係を算出することができる。また部材に生じる亀裂の進展を正確かつ簡易に推定することができる。また部材に実際に作用する応力を簡素化して進展する亀裂の深さにおける応力の時系列的な変化を模擬しているので、部材に実際に作用する複雑な応力を考慮する場合に比べて容易かつ迅速に進展する亀裂の深さとクリープ寄与度との関係を算出することができる。
尚、部材は、例えば、発電所の蒸気タービンの構成する部材であり、この場合、進展する亀裂の深さとクリープ寄与度との前記関係の前記算出に際して用いる、前記(1)前記部材に実際に作用する応力を簡素化して模擬した、進展する亀裂の深さにおける応力の時系列的な変化には、例えば、前記蒸気タービンの起動時、運転時、停止時に前記蒸気タービンに作用する応力の時系列的な変化が含まれる。
本発明によれば、亀裂の進展を推定しようとする部位に亀裂が生じていない場合における当該部位の応力分布Δσ(0)についてのみ、数値解析を実施し、その後の亀裂の進展については上式を用いて推定するので、膨大な数値計算を行うことなく、簡易かつ迅速に亀裂の進展を推定することができる。
本発明のうちの他の一つは、上記亀裂進展推定方法であって、
定数C,mと保持時間との既知の関係に基づき保持時間ごとのクリープ寄与度を求め、
求めた保持時間ごとの前記クリープ寄与度のうち、取得した前記所定部位についての進展する亀裂の深さにおける前記クリープ寄与度に一致するものを特定し、
特定したクリープ寄与度に対応する前記既知の関係に基づき前記定数C,mを決定し、決定した定数C,mを用いて当該深さにおける亀裂の進展を推定することとする。
本発明によれば、進展する亀裂の深さにおけるクリープ寄与度に応じて適切にパリス則定数C,mを選択して亀裂の進展を推定するので、亀裂の進展を高い精度で推定することができる。またパリス則定数C,mを時間の関数C(t)、m(t)として捉え、クリープ寄与度と保持時間とを結びつけることにより進展する亀裂の深さにおいて採用すべきパリス則定数C,mを決定するようにしたため、実測されたパリス則定数C,mと保持時間との関係(即ち、ΔKとda/dNの関係)を利用して、簡易かつ正確に亀裂の進展を推定することができる。尚、実測されたパリス則定数C,mと保持時間との関係に基づき他の保持時間についてのパリス則定数C,mと保持時間との関係を推定することで、亀裂の進展を推定可能な範囲を拡張することができる。
その他、本願が開示する課題、及びその解決方法は、発明を実施するための形態の欄、及び図面により明らかにされる。
本発明によれば、部材に生じる亀裂の進展を正確かつ簡易に推定することができる。
情報処理装置100の主なハードウエア構成を示す図である。 情報処理装置100の主な機能を示す図である。 亀裂進展推定処理S300を説明するフローチャートである。 ユーザから情報の指定(入力)を受け付ける際に情報処理装置100が表示する画面である。 応力−ひずみ特性の一例である。 対象部位における深さ方向の応力分布Δσ(a)の一例である。 進展する亀裂の深さにおける応力の時系列変化700の一例である。 クリープ破断特性800の一例である。 パリス則定数と保持時間の関係900の一例である。 進展する亀裂の深さにおけるクリープ寄与度に応じてパリス則の定数C,mを決定した例を示す図である。 亀裂の進展の推定結果の一例である。 亀裂の進展の推定結果の一例である。 亀裂の進展の推定結果の一例である。 亀裂の進展の推定結果の一例(修正前)である。 亀裂の進展の推定結果の一例(修正後)である。 亀裂の進展の推定結果である。 情報処理装置100が記憶する、亀裂が生じていない場合における深さ方向の応力分布の一例である。 情報処理装置100が記憶する、進展する亀裂の深さとクリープ寄与度との関係の一例である。 情報処理装置100が記憶する、クリープ寄与度とパリス則の定数C,mと関係の一例である。
以下、実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
図1に一実施形態として説明する亀裂進展解析システムの実現に用いる情報処理装置100の主なハードウエア構成を示している。本実施形態の亀裂進展解析システムは、例えば、発電所(火力発電所、原子力発電所等)の蒸気タービンやボイラなどの高温下で用いられる構造物や各種機器等の部材に生じる高温亀裂や疲労亀裂の解析や診断に用いられる。
同図に示すように、情報処理装置100は、中央処理装置101(CPU,MPU等)、主記憶装置102(ROM、RAM、NVRAM等)、補助記憶装置103(ハードディスクドライブ、光磁気ディスクドライブ、SSD(Solid State Drive等)、入力装置104(キーボード、マウス、タッチパネル等)、出力装置105(液晶モニタ、有機ELパネル等)、及び通信装置106(NIC(Network Interface Card)等)を備える。
図2に情報処理装置100が提供する主な機能を示している。同図に示すように、情報処理装置100は、応力−ひずみ特性記憶部201、亀裂発生回数記憶部202、応力−ひずみ特性選出部203、応力分布Δσ(0)算出部204、応力分布Δσ(a)算出部205、亀裂進展推定処理部206、クリープ寄与度算出部207、パリス則定数決定部208、クリープ破断特性記憶部209、及びパリス則定数−保持時間記憶部210の各機能を提供する。
尚、これらの機能は、中央処理装置101が主記憶装置102や補助記憶装置に格納されているプログラムを読み出して実行することにより、もしくは、情報処理装置100のハードウエアが備える機能によって実現される。
同図に示す機能のうち、応力−ひずみ特性記憶部201は、亀裂の進展を推定しようとする部材の一つ以上の部位(上記構造物の所定位置)について、応力範囲ごとの複数の応力−ひずみ特性を記憶する。
亀裂発生回数記憶部202は、入力装置104などを介して取得した、亀裂の進展を推定しようとする部材(例えば、蒸気タービン、ボイラ。以下、対象部材と称する。)の一つ以上の部位(例えば、R部、切り欠き部、外周部等)の夫々における亀裂の発生回数を記憶する。
応力−ひずみ特性選出部203は、対象部材の亀裂の進展を推定しようとする所定の部位(以下、対象部位と称する。)について、応力−ひずみ特性記憶部201が記憶している応力範囲ごとの複数の応力−ひずみ特性のうち、次の関係を満たすものを選出する。
1/N=1/Npp+1/Ncp ・・・ 式1
Δεcp=A2・Ncp −α2 ・・・ 式2
Δεpp=A1・Npp −α1 ・・・ 式3
ここでNは対象部位における亀裂発生回数、Ncpはひずみ範囲分割法におけるcp型(引張クリープひずみ+圧縮塑性ひずみ)の亀裂発生回数、Nppはひずみ範囲分割法におけるpp型(引張塑性ひずみ+圧縮塑性ひずみ)の亀裂発生回数、Δεcpはひずみ範囲分割法におけるcp型のひずみ範囲、Δεppはひずみ範囲分割法におけるpp型のひずみ範囲、A1,A2,α1,α2はいずれも実験によって求められる定数(例えば、参考文献1「”超高圧高温プラントにおけるタービン止め弁/制御弁の損傷解析および材料評価”,火力原子力発電,Vol.35,No.11,Nov.1984,中代雅士ら,第48頁」を参照。)である。
応力分布Δσ(0)算出部204は、応力−ひずみ特性選出部203によって選出された応力−ひずみ特性に基づき、対象部位に亀裂が生じていない場合における、対象部位における応力分布Δσ(0)(表面応力、表面応力範囲)を求めて記憶する。
応力分布Δσ(a)算出部205は、応力分布Δσ(0)算出部204によって求められたΔσ(0)を用いて数値解析(例えば有限要素法による解析(FEM))を実施し、対象部位に亀裂が生じていない場合における、対象部位における深さ方向の応力分布Δσ(a)を求める(図5、図17)。
亀裂進展推定処理部206は、応力分布Δσ(a)算出部205によって求められた応力分布Δσ(a)と次のパリス則とに基づき、対象部位における亀裂の進展を推定する。
da/dN=C・(ΔK) ・・・ 式4
ΔK=Δσ(a)・(π・a)1/2 ・・・ 式5
尚、aは亀裂深さ、Nは繰り返し応力の発生回数、C,mは対象部材に応じて定まる定数、ΔKは応力拡大係数範囲である。
クリープ寄与度算出部207は、亀裂進展推定処理部206によって行われる上記推定に際し、進展する亀裂の深さとクリープ寄与度との関係(図18)を求める。
パリス則定数決定部208は、クリープ寄与度算出部207が求めた、進展する亀裂の深さとクリープ寄与度との関係(図18)と、後述するクリープ寄与度とパリス則の定数C,mとの関係(図19)とに基づき、亀裂進展推定処理部206が進展する亀裂の深さにおいて亀裂の進展を推定する際に用いるパリス則の定数C,mを決定する。
クリープ破断特性記憶部209は、後述する対象部材のクリープ破断特性700(例えば対象部材と同じ素材について実験により求めたクリープ破断特性)を記憶する(図6)。
パリス則定数−保持時間記憶部210は、パリス則の定数C,mと保持時間との関係800(図8)を記憶する。
図3はユーザが亀裂進展解析システムを利用して亀裂の進展の推定を行う際に情報処理装置100が行う処理(以下、亀裂進展推定処理S300と称する。)を説明するフローチャートである。以下、同図とともに亀裂進展推定処理S300について説明する。
まず情報処理装置100は、ユーザから、入力装置104を介して、解析対象(対象部材、対象部位、材質等)、運転条件(蒸気温度、蒸気圧力等)、亀裂に関する情報(亀裂の発生状況等)の指定を受け付ける(S311)。
図4に上記受け付けに際して情報処理装置100が出力装置105に表示する画面の一例を示す。同図に示すように、この例では、情報処理装置100は、解析対象として材質や発生部位を、また運転条件として蒸気温度及び蒸気圧力を、また亀裂に関する情報として亀裂発生時の起動停止回数、現在の表面亀裂の長さ、及び亀裂の深さ(初期亀裂の深さ)を受け付けている。
尚、図4の画面中、対象部位における応力分布Δσ(0)については、ユーザは、その指定(入力)を省略することもできる。ユーザが応力分布Δσ(0)の指定を省略した場合、情報処理装置100は、応力分布Δσ(0)をひずみ範囲分割法によって自動的に求める(前述した応力分布Δσ(0)算出部204の機能)。
また図4の画面中、ユーザは、亀裂の深さ(初期亀裂の深さ)については指定(入力)を省略することができる。ユーザが亀裂の深さの指定を省略した場合、情報処理装置100は、指定(入力)された表面亀裂の長さから亀裂の深さを求める。尚、情報処理装置は、例えば、線形破壊力学の経験則並びに安全性を考慮して、亀裂の深さを表面亀裂の1/3とする。
次に情報処理装置100は、受け付けた対象部位について記憶している、亀裂発生回数N、及び応力範囲ごとの複数の応力−ひずみ特性を取得する(S312,S313)。
図5に応力−ひずみ特性の一例を示す(参考文献1より抜粋)。応力−ひずみ特性記憶部201は、同図に示すような応力−ひずみ特性を応力範囲ごとに複数記憶している。
続いて情報処理装置100は、取得した応力範囲ごとの複数の応力−ひずみ特性の中から前述した式1〜式3の関係を満たすものを選出する(S314)。そして情報処理装置100は、選出した応力−ひずみ特性に基づき、対象部位に亀裂が生じていない場合における、対象部位における応力分布Δσ(0)を求める(S315)。
次に情報処理装置100は、求めたΔσ(0)を用いて数値解析(例えば、有限要素法による解析)を実施し、対象部位に亀裂が生じていない場合における、対象部位における深さ方向の応力分布Δσ(a)を求める(S316)。
図6にこのときに求められる上記応力分布Δσ(a)の一例を示す。この例では、上記数値解析によって求められる、対象部位における亀裂深さ方向の直線上の応力分布に基づき、Δσ(a)を求めている。この例では、上記数値解析において圧縮が最大となる時刻(t)における応力分布Δσ(a)の絶対値と、上記数値解析において引っ張りが最大となる時刻(t)における応力分布Δσ(a)の絶対値との和を、対象部位に亀裂が生じていない場合における対象部位の応力分布Δσ(a)として求めている。
図3に戻り、続いて情報処理装置100は、求めた応力分布Δσ(a)と前述したパリス則(式3,4)とに基づき、対象部位における亀裂の進展(繰り返し応力の発生回数Nと亀裂の深さとの関係)を推定する(S317〜S319)。
ここで一般に対象部材の形状、素材の性質、対象部材が置かれた環境(温度、圧力等)は、進展する亀裂の深さに応じて変化する。このため、上記推定に際しては、繰り返し応力が作用することによって進展する亀裂の深さに応じてクリープ寄与度も変化することを考慮する。
具体的には、情報処理装置100は、進展する亀裂の深さごとの亀裂の進展を推定するにあたり、その亀裂の深さにおけるクリープ寄与度を求め、求めたクリープ寄与度に応じてパリス則の定数C,mを決定(選択)する。
進展する亀裂の深さにおけるクリープ寄与度は、例えば、図7に示すように、対象部位に実際に作用する応力(例えば、蒸気タービンの起動時、運転時、停止時に蒸気タービンの所定部位に作用する応力)を簡素化して模擬した、進展する亀裂の深さにおける応力の時系列変化700、及び図8に例示するクリープ破断特性800(同図は参考文献2「NIMS/CDS/No.31B/1994のp.10」から抜粋)を、次式に代入することにより求める。
Figure 0005567081
ここでtは時刻、Nrは対象部位に亀裂が発生するまでに作用した繰り返し応力の発生回数、t(Δσ(t))は応力Δσ(t)を作用させた場合における破断時間である。
例えば、対象部位の表面については、図7の時系列変化700において、Δσ(t)=180MPa、Δσ (t)=20MPa、Δσ (t)=140MPaであり、Δσ(t)=180MPaが時刻t’−時刻t’の3時間継続し、Δσ (t)=20MPaが時刻t’−時刻tの150時間継続し、Δσ (t)=140MPaが時刻t−時刻tの3時間継続したとする。
この場合、図8のクリープ破断特性800から、時刻tにおける180MPaに対応する破断時間(time to rupture)が20000時間、時刻tにおける20MPaに対応する破断時間が1.0E+07(指数表記)時間、時刻tにおける140MPaに対応する破断時間が50000時間と取得できるので、例えば、繰り返し応力の発生回数Nrが617回であるとすれば、式6から、進展する亀裂の深さにおけるクリープ寄与度は、
Figure 0005567081
となる。
また対象部位の表面から亀裂が3mm進んだ部分については、図7の時系列変化700において、Δσ(t)=140MPa、Δσ (t)=15MPa、Δσ (t)=110MPaであり、Δσ(t)=140MPaが時刻t’−時刻t’の3時間継続し、Δσ (t)=15MPaが時刻t’−時刻tの150時間継続し、Δσ (t)=110MPaが時刻t−時刻tの3時間継続したとする。
この場合、図8のクリープ破断特性800から、時刻tにおける140MPaに対応する破断時間(time to rupture)が4.0E+04時間、時刻tにおける20MPaに対応する破断時間が3.0E+07時間、時刻tにおける110MPaに対応する破断時間が1.0E+05時間と取得できるので、例えば、繰り返し応力の発生回数Nrが617回であるとすれば、式6から、進展する亀裂の深さにおけるクリープ寄与度は、
Figure 0005567081
となる。
また対象部位の表面から亀裂が5mm進んだ部分については、図7の時系列変化700において、Δσ(t)=100MPa、Δσ (t)=10MPa、Δσ (t)=80MPaであり、Δσ(t)=100MPaが時刻t’−時刻t’の3時間継続し、Δσ (t)=10MPaが時刻t’−時刻tの150時間継続し、Δσ (t)=80MPaが時刻t−時刻tの3時間継続したとする。
この場合、図8のクリープ破断特性800から、時刻tにおける100MPaに対応する破断時間(time to rupture)が1.5E+05時間、時刻tにおける10MPaに対応する破断時間が1.0E+08時間、時刻tにおける80MPaに対応する破断時間が2.5E+05時間と取得できるので、例えば、Nrが617回であるとすれば、式6から、進展する亀裂の深さにおけるクリープ寄与度は、
Figure 0005567081
となる。
また対象部位の表面から亀裂が10mm進んだ部分では、図7の時系列変化700において、Δσ(t)=70MPa、Δσ (t)=7MPa、Δσ (t)=56MPaであり、Δσ(t)=70MPaが時刻t’−時刻t’の3時間継続し、Δσ (t)=7MPaが時刻t’−時刻tの150時間継続し、Δσ (t)=56MPaが時刻t−時刻tの3時間継続したとする。
この場合、図8のクリープ破断特性800から、時刻tにおける70MPaに対応する破断時間(time to rupture)が3.5E+05時間、時刻tにおける7MPaに対応する破断時間が3.0E+10(指数表記)時間、時刻tにおける56MPaに対応する破断時間が6.0E+05時間と取得できるので、例えば、Nrが617回であるとすれば、式6から、進展する亀裂の深さにおけるクリープ寄与度は、
Figure 0005567081
となる。
情報処理装置100は、このようにして求めた進展する亀裂の深さにおけるクリープ寄与度に応じて、亀裂の進展を推定する際に用いるパリス則の定数C,mを決定する。
図9は、情報処理装置100が記憶している、パリス則定数と保持時間との関係900の一例である。同図中、10000分保持のデータを除いて、実機(例えば、火力発電所の蒸気タービン再熱蒸気弁曲がり部)と同じ素材(Cr−Mo−V鋳鋼)からなる試験片について所定の環境下(温度:550℃、応力:±220MPa)で実測されたものである。尚、10000分保持のデータは、1分〜1000分保持のグラフに基づいて推定したものである。
ここで同図に示すデータ(各直線)の夫々に対応するクリープ寄与度は、次のようにして求めることができる。例えば、温度が550℃、応力が140MPa、保持時間が167時間の条件下で、試験片が破断に至るまでの繰り返し応力の発生回数が50回であったとする。この場合、図8のクリープ破断特性800から、クリープ損傷のみの場合の破断時間として50000時間が取得されるので、10000分保持のデータのクリープ寄与度は、
クリープ寄与度(10000分保持)=50×(167/50000)=17%
となる。
また例えば、温度が550℃、応力が140MPa、保持時間が16.7時間の条件下で、試験片が破断に至るまでの繰り返し応力の発生回数が110回であったとすると、1000分保持のデータのクリープ寄与度は、
クリープ寄与度(1000分保持)=110×(16.7/50000)=3.7%
となる。
また例えば、温度が550℃、応力が140MPa、保持時間が1.67時間の条件下で、試験片が破断に至るまでの繰り返し応力の発生回数が422回であったとすると、100分保持のデータのクリープ寄与度は、
クリープ寄与度(100分保持)=110×(1.67/50000)=1.4%
となる。
また例えば、温度が550℃、応力が140MPa、保持時間が0.167時間の条件下で、試験片が破断に至るまでの繰り返し応力の発生回数が1025回であったとすると、10分保持のデータのクリープ寄与度は、
クリープ寄与度(10分保持)=1025×(0.167/50000)=0.34%
となる。
また温度が550℃、応力が140MPa、保持時間が0.0167時間の条件下で、試験片が破断に至るまでの繰り返し応力の発生回数が2300回であったとすると、1分保持のデータのクリープ寄与度は、
クリープ寄与度(1分保持)=2300×(0.0167/50000)=0.34%
となる。
情報処理装置100は、以上のようにして求めた各グラフの夫々のクリープ寄与度(図9)と、式6から求めたクリープ寄与度とを対照し、図9に示す各データのうち、式6から求めたクリープ寄与度と値が対応するデータを特定する。尚、上記対照に際しては、必要に応じて対数補間を行う。情報処理装置100は、このようにして特定したデータから求められる定数C,mを、進展する亀裂の深さにおいて亀裂の進展を推定する際に用いるパリス則の定数として決定(選択)する。
図10に、進展する亀裂の深さにおけるクリープ寄与度に応じてパリス則の定数C,mを決定した例を示す。同図は、亀裂の深さが1mm以上3mm未満のときは10000分保持のデータに基づくパリス則の定数C,mを、3mm以上5mm未満のときは1000分保持のデータに基づくパリス則の定数C,mを、5mm以上20mm未満のときは100分保持のデータに基づくパリス則の定数C,mを、夫々進展する亀裂の深さにおいて亀裂の進展を推定する際に用いるパリス則の定数として決定した場合である。
図3に戻り、情報処理装置100は、亀裂の進展の推定が終了すると(S319:YES)、その結果を出力装置105に出力する(S320)。尚、例えば、情報処理装置100は、繰り返し応力の発生回数Nが所定数を超えたことをもって亀裂の進展の推定を終了する。
図11乃至図13に、情報処理装置100が出力する、亀裂の進展の推定結果の一例を示す。
図11は10000分保持のデータに基づくパリス則の定数C,mを用い、亀裂の深さが1mm以上3mm以下の間(3mmを超える範囲では精度は保証されない)の亀裂の進展を推定した結果である。同図から、例えば、繰り返し応力が50回発生したところで亀裂の深さが3mm(3.0E−03m)に達することがわかる。
図12は1000分保持のデータに基づくパリス則の定数C,mを用い、亀裂の深さが3mm以上5mm以下の間(3mm未満の範囲及び5mmを超える範囲では精度は保証されない)の亀裂の進展を推定した結果である。同図から、例えば、亀裂の深さが3mmを超えてから繰り返し応力が19回発生したところで亀裂の深さが5mm(5.0E−03m)に達することがわかる。
図13は100分保持のデータに基づくパリス則の定数C,mを用い、亀裂の深さが5mm以上20mm以下の間(5mm未満の範囲及び20mmを超える範囲では精度は保証されない)の亀裂の進展を推定した結果である。同図から、例えば、亀裂の深さが5mmを超えてから繰り返し応力が500回発生したところで亀裂の深さが20.9mm(20.9E−03m)に達することがわかる。また同図から、亀裂の深さが30.0mm(30.0E−03m)程度のところで亀裂の進展が停止することが推定できる。
ところで、以上の方法により亀裂の進展を推定した場合、例えば、図14に示すように、亀裂の進展曲線が急峻に(進展曲線の接線の傾きが所定の変化率を超えて)変化することがある(同図ではN=600〜800回の範囲で亀裂が急峻に変化(進展)している)。しかし実際の実機の亀裂を観察してもこのような急峻な亀裂の進展が見られることはない。これはおそらく非線形の事象に線形モデルを適用したことにより生じたものと考えられる(パリス則では亀裂の進展はΔKの8〜10乗に比例するが、クリープを含む事象ではこのような結果は生じ得ない)。
そこで亀裂の進展曲線にこのような急峻に変化する部分が存在する場合には、情報処理装置100は、曲線の急峻な変化が見られる部分のうち、上に凸である部分に原点から接線を引き、この接線(原点近傍(原点もしくはその近傍)と接点とを結ぶ線(図14に破線で示す線))を元の進展曲線と置き換えて進展曲線とする。例えば、図14に示す進展曲線が得られた場合、情報処理装置100は、図15に示すような進展曲線に修正する。このような修正を行うことで、実際の亀裂の進展(もしくはΔJc等の数値計算の結果)に近い進展曲線を得ることができる。
以上に説明したように、本実施形態の亀裂進展解析システムにおいては、亀裂の進展を推定しようとする部位に亀裂が生じていない場合における当該部位の応力分布Δσ(0)についてのみ数値解析を実施し、その後の亀裂の進展はパリス則を用いて推定するようにしているので、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置100を用いて亀裂の進展を正確かつ簡易に推定することができる。
また火力発電所や原子力発電所の蒸気タービンやボイラ等の高温下で用いられる構造物の亀裂の保守に際しては、亀裂が発生すると直ちにこれを補修する運用が行われていることが多いが、本実施形態の亀裂進展解析システムによれば、亀裂が発生した場合にその後の亀裂の進展を容易に推定することができる。このため、亀裂が発生した際にその亀裂についての対応(早急な補修が必要であるか等)を決定することができ、構造物の亀裂のメンテナンスを効率よく行うことができる。
また本実施形態の亀裂進展解析システムにおいては、進展する亀裂の深さにおけるクリープ寄与度に応じて適切にパリス則定数C,mを選択して亀裂の進展を推定するので、亀裂の進展を高い精度で推定することができる。またパリス則定数C,mを時間の関数C(t)、m(t)として捉え、クリープ寄与度と保持時間とを結びつけることにより進展する亀裂の深さにおいて採用すべきパリス則定数C,mを決定するようにしたため、実測されたパリス則定数C,mと保持時間との関係(ΔKとda/dNの関係)を利用して、簡易かつ正確に亀裂の進展を推定することができる。尚、実測されたパリス則定数C,mと保持時間との関係に基づき他の保持時間についてのパリス則定数C,mと保持時間との関係を推定することで、亀裂の進展を推定可能な範囲を拡張することができる。
また本実施形態の亀裂進展解析システムにおいては、情報処理装置100が、部材に実際に作用する応力を簡素化した、進展する亀裂の深さにおける応力の時系列的な変化に基づき、進展する亀裂の深さとクリープ寄与度との関係を算出するので、部材に実際に作用する応力の時系列的な変化を算出結果に反映させることができ、実際の状況に近い形で進展する亀裂の深さとクリープ寄与度との関係を算出することができる。また部材に実際に作用する応力を簡素化して進展する亀裂の深さにおける応力の時系列的な変化を模擬しているので、部材に実際に作用する複雑な応力を考慮する場合に比べて容易かつ迅速に進展する亀裂の深さとクリープ寄与度との関係を算出することができる。
尚、前述したように、情報処理装置100は、ユーザが応力分布Δσ(0)の指定を省略した場合、ひずみ範囲分割法により応力分布Δσ(0)を自動的に求める。また情報処理装置100は、ユーザが亀裂の深さの指定を省略した場合、指定された表面亀裂の長さから亀裂の深さを求める。
図16に、ユーザが応力分布Δσ(0)及び亀裂の深さの双方を指定した場合(符号151)、応力分布Δσ(0)については指定を省略し亀裂の深さについては指定した場合(符号152)、応力分布Δσ(0)及び亀裂の深さのいずれも指定を省略した場合(符号153)、数値計算(ΔJc)による場合(符号154)の夫々についての亀裂の進展の推定結果を示す。同図に示すように、ユーザが応力分布Δσ(0)や亀裂の深さの指定を省略した場合でも、高い精度で亀裂の進展を推定できることがわかる。
以上に説明した実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
例えば、情報処理装置100が、対象部位(R部、切り欠き部、外周部等)ごとに、亀裂が生じていない場合における深さ方向の応力分布Δσ(a)(図6)、進展する亀裂の深さとクリープ寄与度(式6から求まる)との関係、及びクリープ寄与度とパリス則の定数C,mと関係を情報処理装置100を予め求めて記憶(データベース化)しておくようにすれば、ユーザは亀裂の進展予測の結果をより簡易かつ迅速に得ることができる。
この場合に情報処理装置100が記憶する、亀裂が生じていない場合における深さ方向の応力分布の一例を図17に、進展する亀裂の深さとクリープ寄与度との関係の一例を図18に、クリープ寄与度とパリス則の定数C,mとの関係の一例を図19に夫々示す。
100 情報処理装置
201 応力−ひずみ特性記憶部
202 亀裂発生回数記憶部
203 応力−ひずみ特性選出部
204 応力分布Δσ(0)算出部
205 応力分布Δσ(a)算出部
206 亀裂進展推定処理部
207 クリープ寄与度算出部
208 パリス則定数選択部
209 クリープ破断特性記憶部
210 パリス則定数−保持時間記憶部
S300 亀裂進展推定処理
500 進展する亀裂の深さにおける応力の時系列変化
600 クリープ破断特性
700 パリス則定数と保持時間の関係

Claims (4)

  1. 部材に生じる亀裂の進展を推定する方法であって、
    部材の部位ごとに、進展する亀裂の深さとクリープ寄与度との関係を、(1)部材に実際に作用する応力を簡素化して模擬した、進展する亀裂の深さにおける応力の時系列的な変化、(2)クリープ破断特性、及び(3)部位に亀裂が発生するまでの繰り返し応力の発生回数の実測値、から求め、
    求めた前記関係から取得される、部材の所定部位についての進展する亀裂の深さにおけるクリープ寄与度に対応するパリス則の定数C,mを取得し、
    次の関係
    da/dN=C・(ΔK)
    ΔK=Δσ(a)・(π・a) 1/2
    (但し、aは亀裂深さ、Nは繰り返し応力の発生回数、C,mは前記部材に応じて定まる定数、ΔKは応力拡大係数範囲、Δσ(a)は前記所定部位に亀裂が生じていない場合における前記所定部位の深さ方向の応力分布)
    に基づき、前記所定部位における亀裂の進展を推定し、
    前記応力分布Δσ(a)は、
    既知の複数の応力−ひずみ特性のうち次の関係を満たすものを選出し、
    1/N =1/N pp +1/N cp
    Δε cp =A2・N cp −α2
    Δε pp =A1・N pp −α1
    (但し、N は前記部位における既知の亀裂発生回数、N cp はひずみ範囲分割法におけるcp型(引張クリープひずみ+圧縮塑性ひずみ)の亀裂発生回数、N pp はひずみ範囲分割法におけるpp型(引張塑性ひずみ+圧縮塑性ひずみ)の亀裂発生回数、Δε cp はひずみ範囲分割法におけるcp型のひずみ範囲、Δε pp はひずみ範囲分割法におけるpp型のひずみ範囲、A1,A2,α1,α2はいずれも実験的に求められる定数)
    選出した前記応力−ひずみ特性に基づき、前記部位に亀裂が生じていない場合における当該部位の応力分布Δσ(0)を求め、前記Δσ(0)に基づく数値解析を実施することにより求めたものである
    亀裂進展推定方法。
  2. 請求項に記載の亀裂進展推定方法であって、
    定数C,mと保持時間との既知の関係に基づき保持時間ごとのクリープ寄与度を求め、
    求めた保持時間ごとの前記クリープ寄与度のうち、取得した前記所定部位についての進展する亀裂の深さにおける前記クリープ寄与度に一致するものを特定し、
    特定したクリープ寄与度に対応する前記既知の関係に基づき前記定数C,mを決定し、決定した定数C,mを用いて当該深さにおける亀裂の進展を推定する
    亀裂進展推定方法。
  3. CPU及びメモリを供える情報処理装置であって、
    部材の部位ごとに、進展する亀裂の深さとクリープ寄与度との関係を、(1)部材に実際に作用する応力を簡素化して模擬した、進展する亀裂の深さにおける応力の時系列的な変化、(2)クリープ破断特性、及び(3)部位に亀裂が発生するまでの繰り返し応力の発生回数の実測値、から求める手段と、
    求めた前記関係から取得される、部材の所定部位についての進展する亀裂の深さにおけるクリープ寄与度に対応するパリス則の定数C,mを取得する手段と、
    次の関係
    da/dN=C・(ΔK)
    ΔK=Δσ(a)・(π・a) 1/2
    (但し、aは亀裂深さ、Nは繰り返し応力の発生回数、C,mは前記部材に応じて定まる定数、ΔKは応力拡大係数範囲、Δσ(a)は前記所定部位に亀裂が生じていない場合における前記所定部位の深さ方向の応力分布)
    に基づき、前記所定部位における亀裂の進展を推定する手段と、
    前記応力分布Δσ(a)を、
    既知の複数の応力−ひずみ特性のうち次の関係を満たすものを選出し、
    1/N =1/N pp +1/N cp
    Δε cp =A2・N cp −α2
    Δε pp =A1・N pp −α1
    (但し、N は前記部位における既知の亀裂発生回数、N cp はひずみ範囲分割法におけるcp型(引張クリープひずみ+圧縮塑性ひずみ)の亀裂発生回数、N pp はひずみ範囲分割法におけるpp型(引張塑性ひずみ+圧縮塑性ひずみ)の亀裂発生回数、Δε cp はひずみ範囲分割法におけるcp型のひずみ範囲、Δε pp はひずみ範囲分割法におけるpp型のひずみ範囲、A1,A2,α1,α2はいずれも実験的に求められる定数)
    選出した前記応力−ひずみ特性に基づき、前記部位に亀裂が生じていない場合における当該部位の応力分布Δσ(0)を求め、前記Δσ(0)に基づく数値解析を実施することにより求める手段と、
    を備える情報処理装置。
  4. 請求項に記載の情報処理装置であって、
    定数C,mと保持時間との既知の関係に基づき保持時間ごとのクリープ寄与度を求める手段と、
    求めた保持時間ごとの前記クリープ寄与度のうち、取得した前記所定部位についての進展する亀裂の深さにおける前記クリープ寄与度に一致するものを特定する手段と、
    特定したクリープ寄与度に対応する前記既知の関係に基づき前記定数C,mを決定し、決定した定数C,mを用いて当該深さにおける亀裂の進展を推定する手段と
    を備える情報処理装置。
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