JP5566827B2 - 塗工装置 - Google Patents

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Description

本発明は、長尺状のウエブに塗工液をダイによって塗工する塗工装置に関するものである。
従来より、フィルム、布帛、紙、金属箔、金属メッシュなどの長尺状のウエブに塗工液をダイによって塗工する塗工装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この塗工装置は、ウエブがバックアップロール上を搬送され、このウエブにダイから塗工液を吐出して塗工する。
最近、この塗工装置を2台用いて、ウエブの両面に塗工液を塗工する場合がある。この場合には、1台目の塗工装置を用いて、ウエブの裏面に塗工液を塗工して裏塗工部分を形成して乾燥させる。その後、2台目の塗工装置を用いて、ウエブの表面に塗工液を塗工し表塗工部分を形成する。そして、表塗工部分と裏塗工部分は位置合わせをする必要があるため、ウエブの幅方向における中心又は耳端部を基準にして塗工を行っている。
特開2001−179156号公報
しかし、最近のリチウムイオン電池における電極部材の両面に塗工液を塗工する場合には、表塗工部分と裏塗工部分の位置合わせ精度が、従来より高く要求されている。そのため、従来の上記位置合わせ方法では、この高い精度の要求に答えられないという問題点がある。
そこで、本発明は上記問題点に鑑み、ウエブの両面に塗工液を塗工する場合に、表塗工部分と裏塗工部分の位置合わせを正確に行うことができる塗工装置を提供する。
本発明は、長尺状のウエブであって、裏面に塗工液が塗工された前記ウエブを走行させるバックアップロールと、走行する前記ウエブの表面に塗工液を塗工して塗工部分を形成するダイと、前記ダイに塗工液を供給するポンプと、前記ウエブの表面の前記塗工部分における左右どちらか一方の一端部の位置を検出する第1表端部検出手段と、前記ウエブの裏面の塗工部分における前記一端部の位置を検出する第1裏端部検出手段と、前記ウエブの表面の前記塗工部分における左右どちらか一方の他端部の位置を検出する第2表端部検出手段と、前記ウエブの裏面の前記塗工部分における前記他端部の位置を検出する第2裏端部検出手段と、前記ダイに至るまでの前記ウエブを幅方向に移動させるウエブ修正手段と、(1)前記ウエブ修正手段を用いて前記ウエブを幅方向に移動させて、前記第1表端部検出手段が検出する前記ウエブの表面の前記塗工部分の前記一端部の位置と、前記第1裏端部検出手段が検出する前記ウエブの裏面の前記塗工部分の前記一端部の位置とを一致させる工程と、(2)前記第2表端部検出手段が検出する前記ウエブの表面の前記塗工部分の前記他端部の位置と、前記第2裏端部検出手段が検出する前記ウエブの裏面の前記塗工部分の前記他端部の位置とを検出する工程と、(3)前記表裏面の前記他端部の位置が一致しない場合に、前記ウエブ修正手段を用いて前記ウエブを幅方向に移動させて、前記ウエブの裏面の前記塗工部分の幅方向の中心と、前記ウエブの表面の前記塗工部分の幅方向の中心とを一致させる工程と、を順番に行う制御手段と、を有したことを特徴とする塗工装置である。
本発明によれば、ウエブの表塗工部分と裏塗工部分の中心を一致させることができる。
本発明の実施例1に係る塗工装置の説明図である。 ダイと塗工されたウエブの平面図である。 ウエブ修正装置の正面図である。 ウエブ修正装置の平面図である。 ウエブ修正装置の固定台の平面図である。 修正ロールによってウエブを修正する前の平面図である。 修正ロールによってウエブを幅方向に移動させた状態の平面図である。 塗工後のウエブの縦断面図であって、表裏塗工部分の左端部のみを一致させた場合である。 塗工後のウエブの縦断面図であって、表裏塗工部分の中央を一致させた場合である。 実施例1の塗工装置の動作状態を示す第1のフローチャートである。 同じく塗工装置の動作状態を示す第2のフローチャートである。 実施例2における塗工後のウエブの縦断面図である。 実施例2の塗工装置の動作状態を示すフローチャートである。
以下、本発明の一実施例の塗工装置10について図面に基づいて説明する。
本発明の実施例1の塗工装置10について図1に基づいて説明する。
本実施例の塗工装置10は、長尺状のウエブW(例えば、リチウムイオン電池の電極部材である金属箔)に塗工液を塗工するものであり、塗工ヘッドとしてはダイ12を用いている。本実施例の場合には、ウエブWの裏面には、既に塗工液が塗工され、塗工部分1が形成され、本実施例では、このウエブWの表面に塗工液を塗工して塗工部分2を形成する。塗工厚さとしては20〜100μmである。本明細書では、ウエブWの裏面の塗工部分1を「裏塗工部分1」と呼び、表面の塗工部分2を「表塗工部分2」と呼ぶ。
(1)塗工装置10の構成
まず、塗工装置10の構成について説明する。
図1に示すように、バックアップロール14によって、裏塗工部分2が形成されたウエブWが下から上に搬送され、このバックアップロール14の側方にダイ12が配置され、ダイ12によって表塗工部分2が形成される。その度、不図示の乾燥装置で表塗工分2が加熱乾燥される。ダイ12は、上部ヘッド16と、この上部ヘッド16の下面に取り付けられた下部ヘッド18とから構成され、先端にいくほど先細りとなっている。ダイ12の幅方向の寸法は、ウエブWより幅広に構成されている。下部ヘッド18には、液溜め部20が設けられ、液溜め部20から、ダイ12の先端部に向かってスリット22が設けられている。すなわち、上部ヘッド16と下部ヘッド18との間にシム17が挟まれており、これによりスリット22が形成され、このスリット22の先端部が塗工液の吐出口となる。シム17は、図2に示すように略コの字状をなし、上部ヘッド16の下面と、下部ヘッド18の上面との間に挟持されるものであり、このシム17の両端部の間隔bが、ダイ12におけるスリット22の幅方向の寸法、すなわち、キャビティ幅bとなる。なお、ウエブWの幅をLとすると、表塗工部分2の幅寸法Mは、L>Mである。そして、塗工幅Mは、シム17の開口幅よりも0.5〜10mm広く塗工される。液溜め部20の下部であって、かつ、幅方向の中心には塗工液入口24が開口している。
塗工装置10は、塗工液を貯留しているタンク26と、タンク26に貯留されている塗工液をダイ12の液溜め部20に圧送するポンプ28を有している。ポンプ28とダイ12の塗工液入口24の間には、塗工液を圧送するための給液配管30が配されている。
給液配管30の途中には、給液バルブ32が設けられている。この給液バルブ32は、アクチュエータにより開閉する。
ダイ12を水平方向に移動させて、ダイ12をウエブWから退避、又は、ダイ12をウエブWに近づけてニップさせる移動装置38が設けられている。この移動装置38は、コッター又はACサーボモータにより移動可能であり、1μm単位でダイ12の位置を調整できる。そして、この移動装置38によって、ダイ12とバックアップロール14との間隙である塗工間隙aを調整できる。
図2に示すように、バックアップロール14の搬送路の後方には、非接触型の厚みセンサ40が設けられ、表塗工部分2の塗工厚を検出する。
また、同じくバックアップロール14の搬送路の後方には、ウエブWの表塗工部分2の両端部及び裏塗工部分1の両端部を検出する各センサが設けられている。この各センサについては後から詳しく説明する。
バックアップロール14の搬送路の手前には、ウエブWの幅方向の位置を修正するウエブ修正装置50が設けられている。巻出し装置から巻き出されたウエブWは、案内ロール76、案内ロール72を経てこのウエブ修正装置50の修正ロール52に至り、その後に案内ロール78を経てバックアップロール14に至る。このウエブ修正装置50については後から詳しく説明する。
(2)表塗工部分2と裏塗工部分1の両端部を検出するセンサの構成
次に、表塗工部分2と裏塗工部分1の両端部を検出する各センサについて説明する。
バックアップロール14の搬送路の後方であって、ウエブWの表面上方には、左右一対の表左端部センサ42Lと表右端部センサ42Rとが配置されている。表左端部センサ42Lの位置は固定され、表右端部センサ42Rは、表センサ移動部43によってウエブWの幅方向に移動自在である。この表センサ移動部43は、例えばモータやアクチュエータなどによって、表右端部センサ42Rを移動させる。
ウエブWを挟んで裏面側には左右一対の裏左端部センサ44Lと裏右端部センサ44Rが配置されている。裏左端部センサ44Lは表左端部センサ42Lと表裏反対の位置に固定されている。また、裏左端部センサ44Rは表左端部センサ42Rと表裏反対の位置に配され、裏右端部センサ44Rは、裏センサ移動部45によってウエブWの幅方向に移動自在となっている。この裏センサ移動部45は、例えばモータやアクチュエータなどによって、裏右端部センサ44Rを移動させる。
表左端部センサ42Lと表右端部センサ42Rと裏左端部センサ44Lと裏右端部センサ44Rとは、例えば、光電管、CCDなどよりなる画素センサより構成され、ウエブWの表塗工部分2の左端部と右端部とを検出する。
(3)ウエブ修正装置50の構造
次に、ウエブ修正装置50について、図3〜図7に基づいて説明する。
ウエブ修正装置50は、ステアリングローラー方式によって、修正ロール52を、図6の状態から図7のように軸方向に移動させる。
水平な固定台56の上に、水平な移動台58が配され、この移動台58の上面に修正ロール52が回動自在に支持されている。すなわち、修正ロール52は、移動台58から突出した左右一対の支持脚60,60によって回動自在に支持されている。
固定台56の上面には、左右一対の円弧状の左レール62,右レール64が2組設けられている。移動台58下面には4個の車輪66が設けられ、前記左右一対のレール62,64に移動自在に載置されている。これによって、固定台56に対し、移動台58は修正ロール52の軸方向に移動する。但し、完全な軸方向でなく、自動車のステアリングと同様に左レール62,右レール64がそれぞれ1つの中心に向かって円弧状に形成され、走行するウエブWに対し修正ロール52が円弧状に移動してテンションが掛からないようにしている。
この移動台58を軸方向に移動させるために、回動自在にネジ棒68が移動台58の側部に設けられ、このネジ棒68が修正モータ70によって回動する。この修正モータ70が回転するとネジ棒68も回転し、移動台58を軸方向に引っ張るか、又は、押すことによって修正ロール52が軸方向に移動する。
また、修正ロール52と、案内ロール78との間には、ウエブWの右耳部の位置を検出するための耳端部センサ46が設けられている。この耳端部センサ46の検出位置によってウエブWが幅方向に移動したか否かを判断する。この耳端部センサ46は、耳端部センサ移動部48によって、ウエブWが幅方向に移動自在となっている。耳端部センサ移動部48は、アクチュエータ、又は、モータよりなり、これにより耳端部センサ46を移動させる。
なお、修正ロール52を軸方向に移動する構造として、上記ではステアリングローラー方式のみを説明したが、このステアリングローラー方式に加えて、固定台56も移動させて、修正ロール52を軸方向に移動させてもよい。
(4)塗工装置10の電気的構成
次に、塗工装置10の電気的構成について図1に基づいて説明する。
コンピュータよりなる制御部34にはバックアップロール14を回転させる走行モータ36、ポンプ28のポンプモータ、給液バルブ32を開閉するアクチュエータ、移動装置38の移動モータとがそれぞれ接続されている。
また、制御部34には、厚みセンサ40、表左端部センサ42L、表右端部センサ42R、裏左端部センサ44L、裏右端部センサ44R、表センサ移動部43及び裏センサ移動部45が接続されている。
さらに、制御部34には、ウエブ修正装置50の修正モータ70、耳端部センサ46、耳端部センサ移動部48も接続されている。
(5)塗工装置10の動作状態
次に、塗工装置10を用いて、表塗工部分2を形成する動作について、図10及び図11のフローチャートに基づいて説明する。この動作では、図9に示すように、制御部34は、表塗工部分2の中央と、裏塗工部分1の中央とを一致させるように制御する。この理由は、表塗工部分2の塗工幅と裏塗工部分1の塗工幅とが完全に一致していなくても、表塗工部分2の中央と裏塗工部分1の中央とを一致させるように塗工することを重要であるからである。
図10に示すように、ステップS1において、制御部34は、バックアップロール14によってウエブWを所定の走行速度Vで搬送し、ダイ12を移動装置38によって近づけて、ニップを行う。そして、ポンプ28から塗工液を圧送し、開閉バルブ32を開状態にして、ダイ12の吐出口から塗工液を吐出し、走行するウエブWの表面に塗工液を塗工する。この場合に、塗工部分の塗工厚さは、ポンプ28の供給量によって決まり、単位時間当たりの供給量に対応した塗工液がウエブWに塗工される。また上記したように、ウエブWに表塗工部分2の塗工幅Mは、シム17の開口幅よりも0.5〜10mm広く塗工される。しかし、塗工部分2の塗工幅Mは、ダイ12とバックアップロール14との塗工間隙aによって変動するため、移動装置38を用いて、塗工間隙aの調整を精密に行う。制御部34は、塗工液の塗工状態が定常状態になるとステップS2に進む。
ステップS2において、制御部34は、厚み検出センサ40を用いてウエブWの塗工厚さhを検出し、ステップS3に進む。
ステップS3において、制御部34は、塗工厚さhと予め定めた基準塗工厚さh0とを比較する。この基準塗工厚さh0は、作業者が塗工したい厚さに設定しておく。制御部34は、塗工厚さh>基準塗工厚さh0であればステップS4に進み、塗工厚さh<基準塗工厚さh0であればステップS5に進み、塗工厚さh=基準塗工厚さh0であればステップS6に進む。
ステップS4において、塗工厚さh>基準塗工厚さh0であるので、ダイ12から吐出される塗工液の吐出量を減らす必要がある。そのため、制御部34は、ポンプ28の回転数を落として、塗工液の供給量を減少させ、ステップS2に戻る。
ステップS5において、塗工厚さh<基準塗工厚さh0であるので、ダイ12から吐出される塗工液の吐出量を増加させる必要がある。そのため、制御部34は、ポンプ28の回転数を増加させて、塗工液の供給量を増加させ、ステップS2に戻る。
ステップS6において、塗工厚さh=基準塗工厚さh0であるので、設定通りの塗工厚さを有しているので、次に、表塗工部分2と裏塗工部分1の位置合わせを行う。まず、制御部34は、表左端部センサ42Lと裏左端部センサ44Lを用いて、ウエブWの表塗工部分2の左端部と、裏塗工部分1の左端部をそれぞれ検出する。そして、ステップS7に進む。
ステップS7において、制御部34は、表塗工部分2の左端部と裏塗工部分1の左端部が一致しているか否かを、検出した位置に基づいて判断する。この表左端部センサ42Lと裏左端部センサ44Lとは、固定されているため、その検出範囲に表塗工部分2の左端部と裏塗工部分1の左端部が検出されるか否かで判断する。そして、一致していれば図11におけるステップS10に進み、一致していなければステップS8に進む。
ステップS8において、制御部34は、検出した表裏の左端部の差分cだけ、耳端部センサ46を耳端部センサ移動部48によって移動させる。すなわち、裏塗工部分1の左端部に対し、表塗工部分2の左端部が、左側にc=2mmずれている場合には、耳端部センサ46を右側に2mmだけ耳端部センサ移動部48によって移動させる。逆に、裏塗工部分1の左端部に対し、表塗工部分2の左端部が、右側にc=2mmずれている場合には、耳端部センサ46を左側に2mmだけ耳端部センサ移動部48によって移動させる。そして、ステップS9に進む。
ステップS9において、制御部34は、ウエブ修正装置50を作動させてウエブWの幅方向の位置を修正する。すなわち、ウエブ修正装置50は、耳端部センサ46がウエブWの右耳部を検出できるように、修正ロール52を軸方向に移動させる。例えば、耳端部センサ46を右側に2mmだけ移動させた場合には、ウエブWを右側にc=2mmずらせる。逆に耳端部センサ46が左側に2mmだけ移動させた場合には、ウエブWを左側にc=2mmずらせる。そして、ステップS6に戻る。これによって、ウエブWの表塗工部分2の左端部と、裏塗工部分1の左端部とが一致する。なお、一致しない場合には、ステップS6〜S9の制御を繰り返す。
図11に示すように、ステップS10において、制御部34は、表右端部センサ42Rと裏右端部センサ44Rを用いて、表塗工部分2の右端部と裏塗工部分1の右端部とを検出する。この場合に、両センサ42R,44Rは、移動自在となっているため、制御部34は、表センサ移動部43と裏センサ移動部45を用いて両センサ42R,44Rを幅方向に移動させ、それぞれの右端部を検出する。
ステップS11において、制御部34は、ウエブWの表塗工部分2の右端部と裏塗工部分1の右端部とが一致しているか否かを判断し、一致していればステップS15に進み、一致していなければステップS12に進む。
ステップS12において、ウエブWの表塗工部分2の右端部と裏塗工部分1の右端部とが一致していないので、制御部34は、ウエブWの中央Sを表裏で一致するように計算する。すなわち、図8に示すように、表裏の右端部を検出した場合に、表塗工部分2の右端部が、裏塗工部分1の右端部よりもdmmだけ短いと検出したと仮定する。すると、制御部34は、ウエブWの裏塗工部分1の中央と表塗工部分2の中央とを一致させるために、現在塗工されているウエブWをd/2mmだけ右側に移動しなければならないと判断する。すなわち、d>0であれば、裏塗工部分1の幅寸法が短いため、右側にd/2mmだけ移動させる。一方、逆に、表塗工部分2が裏塗工部分1よりもdmmだけ長い場合には、すなわち、d<0であれば、ウエブWの幅方向にd/2mmだけ左側に移動させる。
ステップS13において、制御部34は、上記計算結果に基づいて、耳端部センサ46を、耳端部センサ移動部48を用いて移動させる。例えば、d>0であれば、耳端部センサ46を右側にd/2mmだけ移動させる。一方、逆に、d<0であれば、耳端部センサ46をd/2mmだけ左側に移動させる。そしてステップS14に進む。
ステップS14において、制御部34は、ウエブ修正装置50を作動させてウエブWの幅方向の位置を修正する。すなわち、ウエブ修正装置50は、修正ロール52を軸方向に移動させ、耳端部センサ46が、ウエブWの右耳部を検出できるように、例えば、ウエブWを幅方向の右側にd/2移動させる。そして、ステップS10に戻り、表塗工部分2と裏塗工部分1の中央Sが一致するまでステップS11〜ステップSS14を繰り返してフィードバック制御を行う。これによって、図9に示すように、ウエブWの表塗工部分2と裏塗工部分1の中央Sを一致させる。
ステップS15において、制御部34は、塗工が終了したか否かを判断し、塗工が終了していなければ、図10におけるステップS2に戻る。そして塗工が終了していればこの制御を終了する。
(5)効果
本実施例の塗工装置10によれば、まず表裏塗工部分1,2の左端部を一致させ、その後表裏の右端部の位置を検出し、図9に示すように、表塗工部分2と裏塗工部分1の中央を一致させる。これによって、表裏塗工部分1,2がずれていた場合でも、その中央を一致させることができる。
次に、実施例2の塗工装置10について、図12及び図13に基づいて説明する。
本実施例と実施例1の異なる点は、実施例1では図9に示すように、表裏塗工部分1,2の中央を一致させるように制御したが、本実施例では、図12に示すように、制御部34が、表裏塗工部分1,2の幅方向の寸法を一致させ、かつ、表裏塗工部分1,2の両端部の位置が一致させるように制御する。
(1)塗工装置10の動作状態
本実施例の塗工装置10の動作状態について図13に基づいて説明する。なお、制御部34の最初の制御は、実施例1における図10、図11のステップS1〜S14と同一であるため、説明を省略し、異なる部分であるステップS21から説明する。
まず、制御部34は、図13のステップS14において、ウエブWの表塗工部分2の中央と裏塗工部分1の中央が一致すると、このステップS21に至る。
ステップS21において、制御部34は、表右端部センサ42Rと裏右端部センサ44Rを用いて、表塗工部分2の右端部と裏塗工部分1の右端部を検出する。そして、制御部34は、表塗工部分2の右端部と裏塗工部分1の右端部の位置を比較する。表塗工部分2の右端部が、裏塗工部分1よりも左側に存在している場合は、ステップS22に進む。一方、逆に表塗工部分2の右端部が裏塗工部分1の右端部よりも右側に存在していればステップS23に進む。
ステップS22において、表塗工部分2の右端部が、裏塗工部分1よりも左側に存在しているため、表塗工部分2の塗工幅M2が、裏塗工部分1の塗工幅M1よりも狭いことになる。制御部34は、移動装置38を用いて、ダイ12とバックアップロール14との塗工間隙aを狭める。すなわち、M2<M1ということは、塗工間隙aが広すぎて、ポンプ28から定量供給された塗工液が全量塗工されていない可能性があるからである。制御部34は、塗工間隙aを狭めて塗工幅M2を広げて、ステップS11に戻る。
ステップS23においては、表塗工部分2の右端部が裏塗工部分1の右端部よりも右側に存在しているため、表塗工部分2の塗工幅M2が裏塗工部分1の塗工幅M1よりも広いこととなる。そのため、制御部34は、移動装置38を用いて、ダイ12とバックアップロール14との塗工間隙aを広げる。すなわち、M2>M1ということは、塗工間隙aが狭すぎて、塗工液が両側にはみ出して塗工幅M2を広げている可能性があるからである。制御部34は、塗工間隙aを広げて塗工幅M2を狭め、ステップS22に戻る。そして、制御部34は、ステップS11〜ステップS23を繰り返してフィードバック制御を行い、図12に示すように、表塗工部分2の塗工幅M2と裏塗工部分1の塗工幅M1を一致させる。
ステップS24において、表塗工部分2の塗工幅M2と裏塗工部分1の塗工幅M1を一致すると、制御部34は、塗工が終了したか否かを判断し、塗工が終了していなければ、図10におけるステップS2に戻る。そして塗工が終了していれば、この制御を終了する。
(2)効果
本実施例の塗工装置10であると、図12に示すように、ウエブWの表塗工部分2と裏塗工部分1とが完全に一致する。
変更例
上記実施例では、表左端部センサ42Lと裏左端部センサ44Lを固定とし、表右端部センサ42Rと裏右端部センサ44Rを幅方向に移動可能としたが、これに限らず、左側のセンサを移動可能とし、右側のセンサを固定してもよい。
上記実施例では、左右一対の表左端部センサ42Lと表右端部センサ42Rを設けたが、これら左右一対のセンサを1つとしたウエブWの幅方向に長い画素センサを用いて、両センサの働きを機能させてもよい。裏左端部センサ44Lと裏右端部センサ44Rも同様である。
上記では本発明の一実施例を説明したが、これらの実施例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の主旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施例やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
W ウエブ
10 塗工装置
12 ダイ
14 バックアップロール
20 液溜め部
22 スリット
24 塗工液入口
26 タンク
28 ポンプ
34 制御部
38 移動装置
40 厚み検出センサ
42L 表左端部センサ
42R 表右端部センサ
44L 裏左端部センサ
44R 裏右端部センサ
46 耳端部センサ
50 ウエブ修正装置

Claims (5)

  1. 長尺状のウエブであって、裏面に塗工液が塗工された前記ウエブを走行させるバックアップロールと、
    走行する前記ウエブの表面に塗工液を塗工して塗工部分を形成するダイと、
    前記ダイに塗工液を供給するポンプと、
    前記ウエブの表面の前記塗工部分における左右どちらか一方の一端部の位置を検出する第1表端部検出手段と、
    前記ウエブの裏面の塗工部分における前記一端部の位置を検出する第1裏端部検出手段と、
    前記ウエブの表面の前記塗工部分における左右どちらか一方の他端部の位置を検出する第2表端部検出手段と、
    前記ウエブの裏面の前記塗工部分における前記他端部の位置を検出する第2裏端部検出手段と、
    前記ダイに至るまでの前記ウエブを幅方向に移動させるウエブ修正手段と、
    (1)前記ウエブ修正手段を用いて前記ウエブを幅方向に移動させて、前記第1表端部検出手段が検出する前記ウエブの表面の前記塗工部分の前記一端部の位置と、前記第1裏端部検出手段が検出する前記ウエブの裏面の前記塗工部分の前記一端部の位置とを一致させる工程と、
    (2)前記第2表端部検出手段が検出する前記ウエブの表面の前記塗工部分の前記他端部の位置と、前記第2裏端部検出手段が検出する前記ウエブの裏面の前記塗工部分の前記他端部の位置とを検出する工程と、
    (3)前記表裏面の前記他端部の位置が一致しない場合に、前記ウエブ修正手段を用いて前記ウエブを幅方向に移動させて、前記ウエブの裏面の前記塗工部分の幅方向の中心と、前記ウエブの表面の前記塗工部分の幅方向の中心とを一致させる工程と、
    を順番に行う制御手段と、
    を有したことを特徴とする塗工装置。
  2. 前記制御手段は、前記(3)の工程に続いて、
    (4)前記表裏面の前記他端部の位置が一致しない場合に、前記ウエブの表面の前記塗工部分の幅方向の寸法を変更して、前記表裏面の前記他端部の位置を一致させる工程を行う、
    ことを特徴とする請求項1に記載の塗工装置。
  3. 前記ウエブ修正手段は、前記ウエブの少なくとも左右どちらか一方の耳端部を検出する耳端部検出手段と、前記耳端部検出手段を前記ウエブの幅方向に移動させる耳端部移動手段とを有し、
    前記制御手段は、前記ウエブの幅方向に移動させる距離に対応して、前記耳端部検出手段の位置を前記耳端部移動手段を用いて移動させ、
    前記ウエブ修正手段は、前記耳端部検出手段が前記ウエブの前記耳端部を検出できるように、前記ウエブを幅方向に移動させる、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の塗工装置。
  4. 前記ダイを前記バックアップロールに対し接近、又は、退避させるダイ移動手段をさらに有し、
    前記制御手段は、前記ダイ移動手段を用いて、前記ダイと前記バックアップロールとの塗工間隙を調整して、前記ウエブの表面の前記塗工部分の幅方向の寸法を変更する、
    ことを特徴とする請求項2に記載の塗工装置。
  5. 前記ウエブにおける前記塗工部分の塗工厚さを検出する厚さ検出手段をさらに有し、
    前記制御手段は、前記厚さ検出手段が検出した検出塗工厚さが、予め設定した基準厚さより小さいときは、前記ポンプの塗工液の供給量を多くし、前記検出塗工厚さが、前記基準厚さより大きいときは、前記ポンプの塗工液の供給量を少なくするフィードバック制御を行う、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の塗工装置。
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