JP5565615B2 - 車体前部構造 - Google Patents
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Description
フロントグリルと、
前記フロントグリルの車両後方側に位置し、エンジンルームを車両前方側から遮蔽する遮蔽体とを備えている車体前部構造に関する。
従来、上記の車体前部構造では、図4に示すようにロアネット2の遮蔽部としての縦壁部30の曲率半径が非常に大きく設定されていた。符号1はフロントグリル、3はフロントバンパ、15はフロントグリルガーニッシュ、12はフロントグリル1の開口14を上下複数の開口部分14Hに区分けする横桟、8はフロントフード、Frは車両前方側、Rrは車両後方側である。類似する技術に特許文献1の技術がある。
本発明の目的は、外観を向上させることができる車体前部構造を提供する点にある。
フロントグリルと、
前記フロントグリルの車両後方側に位置し、エンジンルームを車両前方側から遮蔽する遮蔽体とを備えている車体前部構造であって、
前記遮蔽体の遮蔽部に車両後方側ほど下方に位置する傾斜部が形成され、
前記傾斜部は、前記遮蔽体の車幅方向の一端部付近から中央部付近まで連続して延び、
前記遮蔽体は、前記傾斜部が設けられている範囲内で、前記フロントグリルとは非接触状態にある点にある。(請求項1)
前記フロントグリルの開口を上下複数の開口部分に区分けする1又は2以上の横桟が前記フロントグリルに設けられ、
前記遮蔽部は、前記傾斜部が前記複数の開口部分の裏側にそれぞれ位置する階段状に形成され、
上下に隣り合う前記傾斜部同士の間の段差面部が前記横桟の車両後方側に位置していると、次の作用を奏することができる。(請求項2)
また、前記傾斜部が前記複数の開口部分の裏側にそれぞれ位置するから、車両前方側からフロントグリルの前記複数の開口部分に入り込んだ光を遮蔽部の各傾斜部で前下方に向けて反射させることができる。
その結果、車両前方側からフロントグリルを見た場合にフロントグリルの奥側の遮蔽部に奥行き感が出て車体前部の外観を向上させることができる。
そして、上下に隣り合う傾斜部同士の間の段差面部は横桟の車両後方側に位置しているから、フロントグリル内に入り込んだ光が段差面部で車両前方側に反射されることを防止することができ、前記奥行き感が段差面部によって低下することを抑制することができる。(請求項2)
ホーンからの音を車両前方側に通すホーン孔が前記遮蔽部に形成されていると、次の作用を奏することができる。(請求項3)
前記ホーン孔が前記遮蔽部に形成されている場合、上記のようにホーンからの音を遮蔽部のホーン孔から車両前方側に通すことができるものの、遮蔽体の曲率半径が大きく設定されている構造では、前記ホーン孔が遮蔽部に形成されたことで遮蔽部の剛性が不足してホーン孔の周辺のべかつきが生じやすい。
これに対して、本発明の上記構成によれば、遮蔽体の遮蔽部が階段状に形成されているから遮蔽部の剛性を向上させることができ、ホーンからの音を遮蔽部のホーン孔から車両前方側に通すことができる構造でありながら、ホーン孔の周辺のべかつきを防止することができる。(請求項3)
前記段差面部は車両前方側ほど下方に位置するように傾斜していると、次の作用を奏することができる。(請求項4)
前記遮蔽体は、フロントバンパの空気取り入れ用の開口を装飾する装飾部を下半部に備えたロアネットであり、
前記遮蔽部は前記ロアネットの上半部に設けられていると、次の作用を奏することができる。(請求項5)
フロントバンパ3は車幅方向に長く形成されて車幅方向の両端部が車両後方側に緩やかに折曲している。そして、フロントバンパ3の前面部に車幅方向に長い開口3Hが形成されている。
フロントグリル1はロアネット2の車両前方側Frに位置する装飾用外装部品であり、スクリューでロアネット2に取り付けられている。図3に示すように、このフロントグリル1は、横長の長方形環状の第1枠部11に、車幅方向に沿う複数の第1横桟12と上下方向に沿う複数の第1縦桟13を架け渡して格子状に形成されている。第1横桟12はフロントグリル1の開口14を上下複数の開口部分14Hに区分けしている。前記開口部分14Hは横長の長方形状に形成されている。
ロアネット2はフロントバンパ3の裏側(車両後方側Rr)にクリップやビスを用いて取り付けられ、エンジンルームを車両前方側Frから遮蔽する機能と、フロントバンパ3を補強する機能と、フロントバンパ3の空気取り入れ用の開口3Hを装飾する機能と、フォグランプやフロントグリル1を支持する機能とを有している。
前記装飾部20は、横長の長方形環状の第2枠部21と、第2枠部21の両側部の間に架け渡された複数の第2横桟22と、第2枠部21の上下両端部の間に架け渡された複数の第2縦桟23と、右側の第2横桟部分22Rと右側の第2縦桟部分23Rから成る右側格子部24Rを車両後方側Rrから閉じる右側縦壁部25とを備えている。右側縦壁部25は右側の第2横桟部分22Rの後端部と右側の第2縦桟部分23Rの後端部に連なっている(図2参照)。
図2に示すように、ロアネット2の上側縦壁部30は、上端部側ほど車両後方側Rrに位置するように後ろ上がり傾斜姿勢に前記第2枠部21の上端部21Jから立ち上がり、エンジンルームを車両前方側Frから覆い隠して車体前部の外観を向上させている。上側縦壁部30の鉛直線に対する傾斜角(後ろ上がり傾斜姿勢の傾斜角)は小さく設定されている。そして、この上側縦壁部30にフロントグリル1がスクリューで固定されている。上側縦壁部30の左側の部分にも複数の空気流通孔31が形成され、上側縦壁部30の左側の部分の下部には大きな長方形状の空気流通孔31Hが形成されている。
これに対して、本発明の上記構成によれば、上側縦壁部30が階段状に形成されているから、前述のように上側縦壁部30の剛性を向上させることができ、ホーンからの音を上側縦壁部30のホーン孔32から車両前方側Frに通すことができる構造でありながら、ホーン孔32の周辺のべかつきを防止することができる。さらに、上記のように上側縦壁部30の剛性を向上させることができるので、上側縦壁部30の形状安定性を向上させることができ、エンジンルームへの空気流入量を安定させることができ、フロントフード8とロアネット2との見切りを安定させることができる。
図2に入射光H1と上側縦壁部30で反射された反射光H2を示してある。このように車両前方側Frからの入射光H1は傾斜部34によって前下方に反射されて反射光H2が前下方に向かう。その結果、車両前方側Frからフロントグリル1を見た場合にフロントグリル1の奥側のロアネット2の上側縦壁部30に奥行き感が出て車体前部の外観を向上させることができる。
上記の実施形態では前記遮蔽体をフロントバンパ3と別体のロアネットで構成したが、この構造に換えて、フロントバンパ3の上端部をフロントグリル1の裏側に延出して前記遮蔽体を形成してあってもよい。
2 遮蔽体(ロアネット)
3 フロントバンパ
3H 開口(フロントバンパの開口)
12 横桟(第1横桟)
14 開口(フロントグリルの開口)
14H 開口部分
20 装飾部
30 遮蔽部(上側縦壁部)
32 ホーン孔
34 傾斜部
35 段差面部
Fr 車両前方側
Rr 車両後方側
Claims (5)
- フロントグリルと、
前記フロントグリルの車両後方側に位置し、エンジンルームを車両前方側から遮蔽する遮蔽体とを備えている車体前部構造であって、
前記遮蔽体の遮蔽部に車両後方側ほど下方に位置する傾斜部が形成され、
前記傾斜部は、前記遮蔽体の車幅方向の一端部付近から中央部付近まで連続して延び、
前記遮蔽体は、前記傾斜部が設けられている範囲内で、前記フロントグリルとは非接触状態にある車体前部構造。 - 前記フロントグリルの開口を上下複数の開口部分に区分けする1又は2以上の横桟が前記フロントグリルに設けられ、
前記遮蔽部は、前記傾斜部が前記複数の開口部分の裏側にそれぞれ位置する階段状に形成され、
上下に隣り合う前記傾斜部同士の間の段差面部が前記横桟の車両後方側に位置している請求項1記載の車体前部構造。 - ホーンからの音を車両前方側に通すホーン孔が前記遮蔽体に形成されている請求項2記載の車体前部構造。
- 前記段差面部は車両前方側ほど下方に位置するように傾斜している請求項2又は3記載の車体前部構造。
- 前記遮蔽体は、フロントバンパの空気取り入れ用の開口を装飾する装飾部を下半部に備えたロアネットであり、
前記遮蔽部は前記ロアネットの上半部に設けられている請求項1〜4のいずれか一つ記載の車体前部構造。
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