JP5565159B2 - 可変容量タービン - Google Patents
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Description
この可変容量タービンには、タービン内における流体の流量を調整する可変ノズルが設けられている。可変ノズルは、一対の円環状部材と、該一対の円環状部材を互いに対向させて連結する複数のピンと、一対の円環状部材の間に回動自在に設けられる翼本体を備えた複数のノズルベーン(翼部)とを有している。複数のノズルベーンが同期して回動することで、可変ノズルにおけるノズル開度が調整され、一対の円環状部材の間に導入される流体の流量が調整される。
上記ピンは一対の円環状部材が対向する方向で延在している一方で、三次元翼状に形成された翼本体は上記対向方向に対して傾斜しており、翼本体にはピンに向けて突出した箇所が存在する。そのため、ノズルベーンを所定の回動範囲で回動させた場合に、上記突出箇所がピンと干渉し、ノズルベーンに要求される回動範囲が確保できなくなる虞があった。
本発明に係る可変容量タービンは、タービンインペラに流入する流体の流量を調整する可変ノズルを備える可変容量タービンであって、可変ノズルは、タービンインペラの外周を囲むように配置される一対の円環状部材と、該一対の円環状部材を間隔を空けて対向配置するように一対の円環状部材間の複数箇所に設けられる連結部材と、翼面が一対の円環状部材の対向方向に平行な面以外の面を少なくとも含む翼本体と回動軸が対向方向となるように翼本体を一対の円環状部材間に回動自在に支持する軸部とからなりタービンインペラの外周に間隔を空けて複数設けられる翼部とを備え、連結部材は、翼本体の回動による可動範囲を避けた態様で設けられる、という構成を採用する。
本発明によれば、連結部材が翼本体の回動による可動範囲を避けた態様で設けられることから、翼本体を回動させたときの翼本体と連結部材との干渉が発生せず、翼本体に要求される広い回動範囲が確保される。
本発明によれば、連結部材が、回動した翼本体と干渉する位置に凹部を有しており、回動時における翼本体と連結部材との干渉が発生しない。また、連結部材が上記対向方向に延在する棒形状に形成されており、従来の可変容量タービンにおける連結部材と同じ位置に、本発明における連結部材を設置することが可能となる。
本発明によれば、翼本体が傾斜して設けられる場合であっても、回動時における翼本体と連結部材との干渉が発生しない。
本発明によれば、翼本体が連結部材に向けて膨出した湾曲形状に形成される場合であっても、回動時における翼本体と連結部材との干渉が発生しない。
本発明によれば、翼本体が連結部材に対して窪んだ湾曲形状に形成される場合であっても、回動時における翼本体と連結部材との干渉が発生しない。
本発明によれば、翼本体と連結部材との間に形成される隙間が、上記対向方向において略同一となることから、要求される回動範囲内で翼部を回動させたときに、翼部が連結部材と干渉しない。
本発明によれば、三次元翼状に形成された翼部を備える可変ノズルを可変容量タービンに用いた場合に、該翼部に要求される回動範囲を確保できるという効果がある。
以下の実施形態では、可変容量タービンを備えるターボチャージャの例を示す。
図1は、本実施形態におけるターボチャージャ100の全体構成図である。
ターボチャージャ100は、不図示のエンジンから導かれる排気ガス(流体)の運動エネルギー等を利用して、圧縮された空気をエンジンに過給し、エンジンの性能を向上させるものである。ターボチャージャ100は、ロータ1と、タービン部2(可変容量タービン)と、軸受け部3と、コンプレッサ部4とを有している。タービン部2、軸受け部3及びコンプレッサ部4は、前方より順次配置され一体的に設けられている。
ロータ軸11は、前後方向で延びる回転軸であって、軸受け部3に回転自在に設けられている。タービンインペラ12は、排気ガスの流動によって回転する回転翼であって、タービン部2の内部に設置され、ロータ軸11の前端部に一体的に接続されている。コンプレッサインペラ13は、回転することで流体を吸引すると共に、吸引した流体を径方向外側に送り出す回転翼であって、コンプレッサ部4の内部に設置され、ロータ軸11の後端部に一体的に接続されている。
タービンスクロール流路21は、エンジンから排出された排気ガスが不図示のガス導入口を介して導入される流路であって、タービンインペラ12を囲んで略環状に形成されている。
空気導入口41は、不図示のエアクリーナを介して外部から空気を導入するための導入口であって、コンプレッサ部4の後側に向かって開口している。
コンプレッサスクロール流路43は、ディフューザ流路42と連通し、コンプレッサインペラ13を囲んで略環状に形成されている。コンプレッサスクロール流路43には、不図示の空気吐出口が接続され、該空気吐出口は、エンジンの吸気口に接続されている。
図2は、図1のA−A線視断面図である。
図3は、ノズルベーン53とピン54との位置関係を示す概略図であって、(a)は図2のB矢視図、(b)は(a)のC−C線視断面図である。
図2及び図3に示すように、可変ノズル5は、シュラウドリング51(円環状部材)と、ハブリング52(円環状部材)と、複数のノズルベーン53(翼部)とを有している。
図3に示すように、ノズルベーン53は、シュラウドリング51とハブリング52との間に設けられる翼本体53aと、翼本体53aの前後方向での両端側から相反する方向に突出する第1軸部53b(軸部)及び第2軸部53c(軸部)とを有している。翼本体53a、第1軸部53b及び第2軸部53cは、一体的に成形されている。
第1軸部53b及び第2軸部53cは、シュラウドリング51及びハブリング52に厚さ方向で形成された孔部に回転自在にそれぞれ嵌合している。そのため、第1軸部53b及び第2軸部53cは、回動軸が前後方向となるように翼本体53aをシュラウドリング51及びハブリング52に回動自在に支持している。なお、第2軸部53cは、ハブリング52を貫通してその後側まで延びており、ノズル駆動部5Aに接続されている。
まず、エンジンの作動に伴い、エンジンから排出された排気ガスが不図示のガス導入口を介して、タービン部2のタービンスクロール流路21に導入される。タービンスクロール流路21に導入された排気ガスは、タービンスクロール流路21内でタービンインペラ12の中心軸周りを旋回して流動する。次に、排気ガスは、タービンスクロール流路21から可変ノズル5内に旋回しつつ導入される。
結果として、上述のような可変ノズル5を用いることで、エンジンの低回転域から高回転域までの広い範囲に亘りエンジンの性能を向上させることができる。
しかし、図3に示すように、本実施形態におけるピン54には凹部54aが形成されているため、翼本体53aの一縁部53dとの干渉を避けることができ、結果としてノズルベーン53に要求される広い回動範囲を確保することができる。また、図3(b)に示す符号53Aは、本実施形態における翼本体53aの最大開度での姿勢を示しており、符号53Bは、従来の可変ノズルにおける翼本体の最大開度での姿勢を示している。翼本体53aの一縁部53dが凹部54a内に配されるため、翼本体53aをピン54側に向けて従来の翼本体以上に回動させることが可能であり、翼本体53aに要求される広い回動範囲を確保することができる。
以上で、ターボチャージャ100の動作が終了する。
本実施形態によれば、ピン54の延在方向に対して傾斜した翼本体53aを有するノズルベーン53を可変ノズル5に用いた場合にも、翼本体53aに要求される広い回動範囲を確保することができる。そのため、エンジンの低回転域から高回転域までの広い範囲に亘ってエンジンの性能を向上できるという効果がある。
図4は、本実施形態におけるピン54及び第2ノズルベーン55の概略図である。
この図において、図3に示す第1の実施形態における構成要素と同一の要素については同一の符号を付し、その説明を省略する。
第2翼本体55aにおける前後方向での断面形状は、ピン54に向けて膨出した湾曲形状に形成されている。そのため、第2翼本体55aの第2翼面55f(翼面)は、前後方向に平行な面以外の面を少なくとも含んでいる。第1軸部53b及び第2軸部53cは、シュラウドリング51及びハブリング52に回転自在に各々軸支されている。
本実施形態によれば、第2翼本体55aにおける前後方向での断面形状がピン54に向けて膨出した湾曲形状に形成されている場合にも、第2ノズルベーン55に要求される広い回動範囲を確保することができる。そのため、エンジンの低回転域から高回転域までの広い範囲に亘ってエンジンの性能を向上できるという効果がある。
図5は、第2ピン56の概略図である。
ノズルベーン53における翼本体53aは、前後方向に対して傾斜して設けられている。第2ピン56(連結部材)は、ノズルベーン53における翼本体53aの傾斜に沿って延在しており、翼本体53aと第2ピン56との間には、翼本体53aにおける翼面53fの法線方向において一定の隙間が形成されている。すなわち、第2ピン56は、翼本体53aが要求される回動範囲で回動した場合に、翼本体53aの回動による可動範囲を避けた態様で設けられている。したがって、翼本体53aに要求される広い回動範囲を確保することができる。
図5は、第3ノズルベーン57の概略図である。
第3ノズルベーン57(翼部)は、第2ノズルベーン55と同様に、第3翼本体57a(翼本体)と、第1軸部53bと、第2軸部53cとを有している。第3翼本体57aの前後方向での断面形状はピン54に対して窪んだ湾曲形状に形成されている。そのため、第3翼本体57aの第3翼面57f(翼面)は、前後方向に平行な面以外の面を少なくとも含んでいる。
また、ピン54は、回動した第3翼本体57aと干渉する位置に第3凹部54c(凹部)を有している。第3凹部54cは、第3翼本体57aの前後方向での両縁部にそれぞれ対向して設けられている。すなわち、ピン54は、第3翼本体57aが要求される回動範囲で回動した場合に、第3翼本体57aの回動による可動範囲を避けた態様で設けられている。したがって、第3翼本体57aに要求される広い回動範囲を確保することができる。
Claims (5)
- タービンインペラに流入する流体の流量を調整する可変ノズルを備える可変容量タービンであって、
前記可変ノズルは、
前記タービンインペラの外周を囲むように配置される一対の円環状部材と、
該一対の円環状部材を間隔を空けて対向配置するように前記一対の円環状部材間の複数箇所に設けられる連結部材と、
翼面が前記一対の円環状部材の対向方向に平行な面以外の面を少なくとも含む翼本体と、回動軸が前記対向方向となるように前記翼本体を前記一対の円環状部材間に回動自在に支持する軸部とからなり、前記タービンインペラの外周に間隔を空けて複数設けられる翼部とを備え、
前記連結部材は、前記翼本体の回動による可動範囲を避けるために、前記対向方向に延在する棒形状に形成されるとともに、回動した前記翼本体と干渉する位置に凹部を有することを特徴とする可変容量タービン。 - 請求項1に記載の可変容量タービンにおいて、
前記翼本体は、前記対向方向における一方の縁部から他方の縁部に向かうに従って前記連結部材から離間するように傾斜して設けられ、
前記凹部は、前記一方の縁部に対向して設けられることを特徴とする可変容量タービン。 - 請求項1に記載の可変容量タービンにおいて、
前記翼本体の前記対向方向での断面形状は、前記連結部材に向けて膨出した湾曲形状に形成され、
前記凹部は、前記翼本体の前記連結部材に向けて膨出した部分に対向して設けられることを特徴とする可変容量タービン。 - 請求項1に記載の可変容量タービンにおいて、
前記翼本体の前記対向方向での断面形状は、前記連結部材に対して窪んだ湾曲形状に形成され、
前記凹部は、前記翼本体の前記対向方向での両縁部にそれぞれ対向して設けられることを特徴とする可変容量タービン。 - 請求項1に記載の可変容量タービンにおいて、
前記翼本体は、前記対向方向に対して傾斜して設けられ、
前記連結部材は、前記翼本体の傾斜に沿って延在していることを特徴とする可変容量タービン。
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