JP5338379B2 - 可変容量タービン及び過給機 - Google Patents
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Description
このような可変容量タービンでは、ノズルユニットがインペラ周りに配列される複数の可動ベーンを備えており、これらの可動ベーンを回動させて可動ベーン間隔を調節することによって、効率的なインペラへの排気ガス供給を実現している。
このため、従来の可変容量タービンにおいては、上記隙間距離の上限値と下限値とを予め設定し、個々の可動ベーンに対して隙間距離が上記上限値と下限値との間に収まるように組立てを行っている。
しかしながら、上限値をより下限値に近づけた場合には、隙間距離の許容範囲が狭くなり、当然ながら当該許容範囲を超える可能性が高くなる。このため、歩留まりの悪化を招くこととなる。
また、本発明によれば、可動ベーンの回動の阻害を抑制するために、各可動ベーンにおいて隙間距離が機械的制約によって定められる下限値以上に設定される。このため、可動ベーンの回動を確実に確保することができる。
したがって、本発明によれば、歩留まりの悪化を抑制するどころか歩留まりを向上させることが可能となる。
また、以下の説明においては、本発明の可変容量タービンを備える過給機について説明する。
図2は、図1で示したノズルベーン50(可動ベーン)とタービンインペラ21との位置関係を示すための模式図である。そして、この図に示すように、ノズルベーン50a〜50kは、タービンインペラ21周りに等間隔で配列されている。図3は、ノズルベーン50と枠体51,52とを拡大した拡大図である。この図に示すように、各ノズルベーン50は、枠体51,52に挟まれて配置されている。
枠体51,52は、ノズルベーン50の配列方向に沿った環状形状を有しており、タービンハウジング22に固定されている。
ノズルベーン駆動リング53aは、枠体52に対して回動自在に設置されている。ノズルベーン駆動軸53bは、ノズルベーン50と同数設けられ、ノズルベーン駆動リング53aに貫装されている。ノズルリンク板53cは、各ノズルベーン50の駆動軸と各ノズルベーン駆動軸53bとを、クランク状に連結する。駆動軸53dは、一端部を連結部53fによってピストンロッド53eと連結されており、ピストンロッド53eの往復運動によって回動される。また、駆動軸53dは、他端部を連結部53gによってノズルベーン駆動リング53aに連結されており、ノズルベーン駆動リング53aは、駆動軸53dの回転運動によって回動される。
このように構成されたベーン駆動機構53が駆動されることによって、各ノズルベーン50が等しく回動される。
また、コンプレッサハウジング32は、外周側から突出した吐出流路を有している。この吐出流路は、内燃機関の給気口に接続されて、加圧空気を内燃機関へと導く。
タービンインペラ21とシャフト41とは溶接等により一体化され、コンプレッサインペラ31とシャフト41とはボルト等を介して結合されている。
なお、ノズルベーン50と枠体51,52との隙間距離とは、図3に示すように、ノズルベーン50と枠体51との隙間距離d1と、ノズルベーン50と枠体52との隙間距離d2とを合わせた距離である。
図4に示すように、本解析では、全ての条件において平均値が一定となる設定の下、ノズルベーン50a〜50e,50g〜50kにおける隙間距離が平均値より小さてノズルベーン50fにおける隙間距離が平均値より極めて大きい条件Aと、ノズルベーン50a,50c,50e,50g〜50kにおける隙間距離が小さくてノズルベーン50b,50d,50fにおける隙間距離が平均値より大きい条件Bと、ノズルベーン50a〜50fにおける隙間距離が平均値より小さくてノズルベーン50g〜50kにおける隙間距離が平均値より大きい条件Cと、全てのノズルベーン50a〜50kにおける隙間距離が平均値である条件Xにおいて解析を行った。
この結果、図5に示すように、供給される流量に関わらず条件Xよりも条件A〜Cの効率が向上した。
したがって、本実施形態の過給機10において「性能的制約によって定められる上限値」を従来の隙間距離の平均値に設定することによって、従来の過給機のタービンの効率を上回ることができる。なお、図4及び図5から分かるように、平均値よりも隙間距離が小さいノズルベーン50の数が、全ノズルベーン数の半数より多い場合には、確実にタービンの効率を向上させることができる。
したがって、本実施形態の過給機10によれば、歩留まりの悪化を抑制するどころか歩留まりを向上させることが可能となる。
しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、ノズルベーン50の枚数がより多いまたはより少ない構成を採用することもできる。
しかしながら、本発明の可変容量タービンは、過給機のみに適用されるものではなく、例えば、発電用タービン等に用いることも可能である。
Claims (3)
- 枠体に挟まれて配置される可動ベーンをインペラ周りに複数備える可変容量タービンであって、
前記可動ベーンと前記枠体との間の隙間の距離を隙間距離とし、
熱膨張によって前記可動ベーンが変形した場合であっても前記可動ベーンと前記枠体との接触を防止できる前記隙間距離のうち最少の値を機械的制約によって定められる下限値とし、
要求されるタービン性能を発揮できる前記隙間距離のうち最大の値を性能的制約によって定められる上限値とし、
各前記可動ベーンにおいて前記可動ベーンと前記枠体との隙間距離が機械的制約によって定められる下限値以上に設定され、全ての各前記可動ベーンにおける前記隙間距離の平均値が性能的制約によって定められる上限値以下に設定され、少なくともいずれかの前記可動ベーンにおける前記隙間距離が前記上限値よりも大きいことを特徴とする可変容量タービン。 - 前記平均値よりも前記隙間距離が小さい前記可動ベーンの数が、全可動ベーン数の半数より多いことを特徴とする請求項1記載の可変容量タービン。
- タービンとコンプレッサとを備える過給機であって、
請求項1または2記載の可変容量タービンを前記タービンとして備えることを特徴とする過給機。
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