JPH11125120A - 可変容量型ターボチャージャ - Google Patents

可変容量型ターボチャージャ

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JPH11125120A
JPH11125120A JP28968297A JP28968297A JPH11125120A JP H11125120 A JPH11125120 A JP H11125120A JP 28968297 A JP28968297 A JP 28968297A JP 28968297 A JP28968297 A JP 28968297A JP H11125120 A JPH11125120 A JP H11125120A
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JP
Japan
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housing
turbine
exhaust gas
nozzle
back plate
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JP28968297A
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English (en)
Inventor
Tomoyuki Isotani
知之 磯谷
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ノズルベーンとタービンハウジングとの間のク
リアランスを簡単に適正状態に調整することのできる可
変容量型ターボチャージャを提供する。 【解決手段】ターボチャージャ11のセンタハウジング
12には、可変ノズル機構31及びタービンハウジング
14が取り付けられる。その際、センタハウジング12
のハウジング基準面52と、可変ノズル機構31におけ
るノズルバックプレート32のプレート基準面53aと
が当接し、センタハウジング12に対してノズルベーン
74が位置決めされる。また、センタハウジング12に
タービンハウジング14を取り付けるためのボルト62
の締付量を調節することで、それらハウジング12,1
4間に設けられたガスケット57の弾性変形量が調整さ
れる。このガスケット57の弾性変形量の調整により、
ノズルベーン34とタービンハウジング14との間のク
リアランス調整が行われる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の過給シ
ステムとして用いられるターボチャージャに係り、詳し
くはタービンホイールに吹き付けられる排気ガスの流速
を可変とするためのノズルベーンが設けられた可変容量
型のターボチャージャに関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車用の内燃機関において、
その出力向上のためには燃焼室へ充填される空気の量を
増やすことが好ましい。そこで従来は、ピストンの移動
に伴って燃焼室内に発生する負圧で空気を燃焼室に充填
するだけでなく、その空気を強制的に燃焼室へ送り込ん
で、同燃焼室への空気の充填効率を高める過給システム
が提案され、実用されている。そして、こうした過給シ
ステムとしては、例えば実開昭62−139931号公
報に記載された可変容量型ターボチャージャが知られて
いる。
【0003】同公報に記載のターボチャージャは、内燃
機関の排気通路を流れる排気ガスによって回転するター
ビンホイールと、同機関の吸気通路内の空気を強制的に
燃焼室側へ送り込むコンプレッサホイールとを備えてい
る。これらタービンホイールとコンプレッサホイールと
は、ロータシャフトを介して一体回転可能に連結されて
いる。そして、タービンホイールに排気ガスが吹き付け
られて同ホイールが回転すると、その回転はロータシャ
フトを介してコンプレッサホイールに伝達される。こう
してコンプレッサホイールが回転することにより、吸気
通路内の空気が強制的に燃焼室に送り込まれるようにな
る。
【0004】また、上記ターボチャージャには、タービ
ンホイールに吹き付けられる排気ガスが通過する排気ガ
ス流路を備え、同流路はタービンホイールの外周を囲う
ように同ホイールの回転方向に沿って形成される。従っ
て、排気ガス流路を通過した排気ガスは、タービンホイ
ールの軸線へ向かって吹き付けられることになる。この
ような排気ガス流路には、タービンホイールに吹き付け
られる排気ガスの流速を可変とするための複数のノズル
ベーンが設けられている。これらノズルベーンは、ター
ビンホイールの軸線を中心として等角度毎に位置し、互
いに同期した状態で開閉動作する。
【0005】タービンホイールに吹き付けられる排気ガ
スの流速は、上記ノズルベーンを同期して開閉動作さ
せ、隣合うノズルベーン間の隙間の大きさを変化させる
ことによって調整される。こうしてノズルベーンを開閉
させて上記排気ガスの流速調整を行うことにより、ター
ビンホイールの回転速度が調整され、ひいては燃焼室に
強制的に送り込まれる空気の量が調整される。こうした
燃焼室への吸入空気量の調整を行うことにより、内燃機
関の出力向上と燃焼室内の過剰圧防止との両立が図られ
るようになる。ここで上記ノズルベーンの支持構造を図
4に示す。
【0006】図4に示すように、ノズルベーン71は、
ターボチャージャにおけるセンタハウジング72とター
ビンハウジング73との間に設けられたノズルバックプ
レート74に支持されている。そのノズルバックプレー
ト74とタービンハウジング73との対向面間には、タ
ービンホイール75へ吹き付けられる排気ガスが流れる
排気ガス流路76が設けられている。ノズルベーン71
は、その排気ガス流路76内に位置した状態で、ノズル
バックプレート74を厚さ方向に貫通して回動可能に支
持された軸77に固定されている。そして、軸77の回
動によりノズルベーン71が開閉し、タービンホイール
75へ吹き付けられる排気ガスの流速が調整される。
【0007】ノズルベーン71を支持するバックプレー
ト74は、同プレート74とセンタハウジング72との
間に設けられたドエル78及び管部材79と、同プレー
ト74とタービンハウジング73との間に設けられたス
ペーサ80によって位置決めされている。このノズルバ
ックプレート74の位置決めは、ノズルベーン71の先
端面とタービンハウジング73に形成された排気ガス流
路76の内壁面との間のクリアランスが適正な値となる
ように行われる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このようにドエル7
8、管部材79及びスペーサ80の大きさを調整してノ
ズルバックプレート74を適宜の位置に固定すること
で、上記クリアランスを適正な値に調整することができ
るようにはなる。しかし、それらドエル78、管部材7
9及びスペーサ80の大きさを調整するのにかかる手間
も無視できないものとなる。
【0009】本発明はこのような実情に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、ノズルベーンとタービンハ
ウジングとの間のクリアランスを簡単に適正状態に調整
することのできる可変容量型ターボチャージャを提供す
ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成させるた
め、請求項1記載の発明では、タービンホイールが回転
可能に支持されたセンタハウジングと、そのセンタハウ
ジングとの間に前記タービンホイールを挟む態様で同セ
ンタハウジングに取り付けられるタービンハウジング
と、前記センタハウジングと前記タービンハウジングと
の間に設けられたノズルバックプレートと、そのノズル
バックプレートと前記タービンハウジングとの対向面間
に設けられて前記タービンホイールに吹き付けられる排
気ガスが通過する排気ガス流路と、前記ノズルバックプ
レートに支持されるとともに前記タービンホイールに吹
き付けられる排気ガスの流速を可変とすべく前記排気ガ
ス流路内で開閉動作するノズルベーンとを備える可変容
量型ターボチャージャにおいて、前記ノズルバックプレ
ートと前記センタハウジングとの間、及び前記タービン
ハウジングと前記センタハウジングとの間の一方には、
前記ノズルバックプレートと前記タービンハウジングと
の対向面の内の一方の対向面を前記センタハウジングに
対して位置決めするための基準面を設け、前記ノズルバ
ックプレートと前記センタハウジングとの間、及び前記
タービンハウジングと前記センタハウジングとの間の他
方には、前記ノズルバックプレートと前記タービンハウ
ジングとの対向面間の距離を調整すべく弾性変形する弾
性部材を設けた。
【0011】同構成によれば、センタハウジングにノズ
ルバックプレート及びタービンハウジングを取り付ける
と、基準面によって前記ノズルバックプレートと前記タ
ービンハウジングとの対向面の内の一方の対向面が前記
センタハウジングに対して位置決めされる。そして、ノ
ズルバックプレートに支持されたノズルベーンと上記タ
ービンハウジングとのクリアランスは、センタハウジン
グにタービンハウジングを取り付ける際における弾性部
材の弾性変形量に基づいて変化する。従って、弾性部材
の弾性変形量を適宜に調整すべくセンタハウジングとタ
ービンハウジングとの取り付けを行うことで、一方の対
向面に対する他方の対向面の相対位置、即ちノズルベー
ンとタービンハウジングとのクリアランスを簡単に適正
状態に調整することができるようになる。
【0012】請求項2記載の発明では、前記ノズルバッ
クプレートと前記タービンハウジングとの間に、前記排
気ガス流路から排気ガスが漏れるのを防止するシール部
材を設けた。
【0013】同構成によれば、排気ガス流路から排気ガ
スが漏れるのを防止し、可変容量型ターボチャージャの
シール性を一層向上させることができるようになる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した一実施
形態を図1〜図3に従って説明する。図1に示すよう
に、ターボチャージャ11は、センタハウジング12、
コンプレッサハウジング13及びタービンハウジング1
4を備えている。センタハウジング12には、ロータシ
ャフト15がその軸線Lを中心に回転可能に支持されて
いる。このロータシャフト15の一端部(図中左端部)
には、複数の羽根16aを備えたコンプレッサホイール
16が取り付けられている。また、ロータシャフト15
の他端部(図中右端部)には、同じく複数の羽根17a
を備えたタービンホイール17が取り付けられている。
【0015】センタハウジング12の一端側には、コン
プレッサホイール16の外周を囲うように、しかも渦巻
き状に延びるかたちで上記コンプレッサハウジング13
が取り付けられている。このようなコンプレッサハウジ
ング13において、センタハウジング12の反対側に位
置する部分には、内燃機関の燃焼室(図示せず)に供給
される空気が導入される吸気入口13aが設けられてい
る。また、コンプレッサハウジング13の内部には、同
ハウジング13と同じく渦巻き状に延びて上記燃焼室と
連通するコンプレッサ通路18が設けられている。更
に、コンプレッサハウジング13には、吸気入口13a
を介して同ハウジング13内に導入された空気をコンプ
レッサ通路18へ送り出すための送出通路19が設けら
れている。この送出通路19は、コンプレッサ通路18
に沿って設けられている。そして、ロータシャフト15
の回転に基づきコンプレッサホイール16が軸線Lを中
心に回転すると、空気が吸気入口13a、送出通路19
及びコンプレッサ通路18を介して燃焼室へ強制的に送
り込まれるようになる。
【0016】一方、センタハウジング12の他端側に
は、タービンホイール17の外周を囲うように、しかも
渦巻き状に延びるかたちで上記タービンハウジング14
が取り付けられている。そしてこのタービンハウジング
14内には、同ハウジング14と同じく渦巻き状に延び
るスクロール通路20が設けられている。このスクロー
ル通路20は、内燃機関の排気通路(図示せず)と連通
し、燃焼室からの排気ガスが同排気通路を介して送り込
まれる。
【0017】また、タービンハウジング14内には、ス
クロール通路20内の排気ガスをタービンホイール17
へ向けて吹き付けるための排気ガス流路23が、そのス
クロール通路20に沿って設けられている。この排気ガ
ス流路23からのタービンホイール17への排気ガスの
吹き付けによって、タービンホイール17が軸線Lを中
心に回転するようになる。なお、タービンホイール17
に吹き付けられた後の排気ガスは、タービンハウジング
14においてセンタハウジング12と反対側に位置する
部分に設けられた排気出口14aを介して触媒(図示せ
ず)へ送り出される。
【0018】次に、センタハウジング12とタービンハ
ウジング14との間に設けられて、上記排気ガス流路2
3を介してタービンホイール17に吹き付けられる排気
ガスの流速を調整する可変容量機構(可変ノズル機構)
31について、図2(a),(b)を参照して説明す
る。なお、図2(a)は同機構31の正面図であり、図
2(b)は同機構31の断面図である。
【0019】これら図2(a),(b)に示すように、
可変ノズル機構31は、リング状に形成されたノズルバ
ックプレート32を備えている。ノズルバックプレート
32には、複数の軸33が同プレート32の円心を中心
として等角度毎に設けられている。各軸33は、ノズル
バックプレート32をその厚さ方向に貫通して回動可能
に支持されている。これら軸33の一端部(図3(b)
中の右端部)には、ノズルベーン34が固定されてい
る。また、軸33の他端部(図3(b)中の左端部)に
は、同軸33と直交してノズルバックプレート32の外
縁部へ延びる開閉レバー35が固定されている。開閉レ
バー35の先端には二股に分岐した一対の挟持部35a
が設けられている。
【0020】各開閉レバー35とノズルバックプレート
32との間には、ノズルバックプレート32と重なるよ
うに環状のリングプレート36が設けられている。この
リングプレート36は、その円心を中心に周方向へに回
動可能となっている。また、リングプレート36にはそ
の円心を中心とする等角度毎に複数のピン37が設けら
れており、それらピン37が各開閉レバー35の挟持部
35a間に回動可能な状態で挟持されている。
【0021】そして、リングプレート36がその円心を
中心に回動されると、各ピン37が各開閉レバー35の
挟持部35aをリングプレート36の回動方向へ押す。
その結果、それら開閉レバー35は軸33を回動させる
こととなり、軸33の回動に伴い各ノズルベーン34は
同軸33を中心にして各々同期した状態で開閉動作す
る。また、隣合うノズルベーン34間の隙間の大きさ
は、それらノズルベーン34の同期した開閉動作に基づ
き変化する。
【0022】上記構成の可変ノズル機構31は、図1に
示すように、センタハウジング12とタービンハウジン
グ14との間に配設され、それらハウジング12,14
に挟まれることによって固定される。この状態におい
て、ノズルバックプレート32とタービンハウジング1
4との対向する面は、軸線Lと直交する方向へ延びて排
気ガス流路23の内側面23a,23bを構成すること
となる。また、リングプレート36の外縁部(図中下端
部)には軸線Lと同方向へ延びるピン46が設けられ、
そのピン46には可変ノズル機構31を駆動するための
駆動機構42が連結される。
【0023】駆動機構42は、センタハウジング12に
上記ピン46と同方向へ延びた状態で回動可能に支持さ
れた支軸43を備えている。この支軸43の一端部(図
中右端部)には、上記ピン46に対して回動可能に連結
された駆動レバー44が固定されている。また、支軸4
3の他端部(図中左端部)には、図示しないアクチュエ
ータに連結された操作片45が固定されている。
【0024】そして、アクチュエータの駆動により操作
片45が操作されて支軸43が回動すると、支軸43の
回動に伴い駆動レバー44が支軸43を中心に回動す
る。その結果、駆動レバー44によりピン46を介して
リングプレート36が周方向に押され、軸線Lを中心に
回動することとなる。このリングプレート36の回動に
より、隣合うノズルベーン34間の隙間の大きさが調整
され、当該隙間の調整に基づきスクロール通路20から
排気ガス流路23を介してタービンホイール17へ吹き
付けられる排気ガスの流速が調節される。
【0025】更に、タービンホイール17へ吹き付けら
れる排気ガスの流速を調節することにより、タービンホ
イール17、ロータシャフト15及びコンプレッサホイ
ール16の回転速度が適宜に調節され、ひいては燃焼室
へ強制的に送り込まれる空気の量が調節される。こうし
た燃焼室への吸入空気量の調整を行うことにより、内燃
機関の出力向上と燃焼室内の過剰圧防止との両立が図ら
れるようになる。
【0026】次に、センタハウジング12に対するター
ビンハウジング14及び可変ノズル機構31の取付構造
を図3に基づき詳しく説明する。図3に示すように、セ
ンタハウジング12の外周面におけるタービンハウジン
グ14寄りの位置には、ロータシャフト15の軸線Lか
ら離れる方向へ突出する取付板51が設けられている。
この取付板51は、センタハウジング12の外周面に沿
って、軸線Lを中心とする円環状に延びている。また、
センタハウジング12におけるタービンハウジング14
側の端部には、排気ガス流路23の内側面23bと対向
するハウジング基準面52が設けられている。このハウ
ジング基準面52は、ロータシャフト15の軸線Lを中
心とする円環状に延びている。
【0027】センタハウジング12の取付板51とター
ビンハウジング14の内側面23bとの間には可変ノズ
ル機構31が設けられている。同機構31のノズルバッ
クプレート32は、同プレート32の内周面から軸線L
へ近づく方向に突出する内突部53と、同プレート32
の外周面から軸線Lに対し離れる方向に突出する外突部
54とが設けられている。それら突部53,54は、軸
線Lを中心とする円環状に延びており、内突部53にお
ける上記ハウジング基準面52と対向する面はプレート
基準面53aとなっている。
【0028】可変ノズル機構31のノズルバックプレー
ト32は、その内突部53の内周面をセンタハウジング
12におけるタービンハウジング14側端部の外周面に
嵌め込むことによってセンタハウジング12に取り付け
られている。この状態にあっては、ノズルバックプレー
ト32のプレート基準面53aがセンタハウジング12
のハウジング基準面52に当接し、その当接によって排
気ガス流路23の内側面23aがセンタハウジング12
に対して位置決めされる。また、それら基準面52及び
53aは、互いに当接したとき当該基準面52,53a
間がシールされるよう高精度に形成されている。
【0029】タービンハウジング14は、その外径がセ
ンタハウジング12における取付板51の外径よりも大
きくなっている。そして、センタハウジング12におけ
る取付板51側端面の内周側には、その取付板51を嵌
め込むための嵌込部55が設けられている。この嵌込部
55は、ロータシャフト15の軸線Lを中心とする円環
状に延びており、嵌込部55の取付板51と対向する面
には凹部56が同じく円環状に延びるように設けられて
いる。その凹部56内には、ゴム等の弾性材料よりなる
円環状のガスケット57が嵌め込まれている。タービン
ハウジング14がセンタハウジング12に取り付けられ
ていない状態において、ガスケット57は、その一部が
凹部56からはみ出すようになっている。そして、ター
ビンハウジング14がセンタハウジング12に取り付け
られるときには、ガスケット57は取付板51により凹
部56の底面へ向かって押し込まれるようになる。
【0030】また、タービンハウジング14の内側に
は、ロータシャフト15の軸線Lへ向かって突出する押
圧突部58が設けられている。この押圧突部58は、軸
線Lを中心とする円環状に延びるとともに、同押圧突部
58におけるノズルバックプレート32の外突部54と
対向する面には同じく円環状に延びる凹部59が設けら
れている。その凹部59内には、ゴム等の弾性材料より
なる円環状のガスケット60が嵌め込まれている。そし
て、タービンハウジング14がセンタハウジング12に
取り付けられるときには、タービンハウジング14の押
圧突部58に設けられたガスケット60がノズルバック
プレート32の外突部54に押し付けられるようにな
る。
【0031】タービンハウジング14の外縁部には、ロ
ータシャフト15の軸線Lに沿って延びるとともに同ハ
ウジング14における取付板51側の端面にて開口する
ネジ穴61が、軸線Lを中心とする等角度毎に複数設け
られている。そして、センタハウジング12の取付板5
1をタービンハウジング14の嵌込部55に嵌め込んだ
状態で、上記ネジ穴61にボルト62を螺入して締め付
けると同ボルト62の頭部62aが取付板51に圧接す
る。その取付板51へのボルト62の頭部62aの圧接
により、タービンハウジング14がセンタハウジング1
2に固定されるようになる。
【0032】次に、上記のように構成されたターボチャ
ージャ11において、センタハウジング12に対する可
変ノズル機構31及びタービンハウジング14の取り付
けについて説明する。
【0033】センタハウジング12におけるタービンハ
ウジング14側の端部外周面には、可変ノズル機構31
のノズルバックプレート32に設けられた内突部53の
内周面が嵌め込まれる。この状態にあっては、センタハ
ウジング12のハウジング基準面52と上記内突部53
のプレート基準面53aとが当接し、それら基準面5
2,53a間がシールされるとともに、排気ガス流路2
3の内側面23aがセンタハウジング12に対して位置
決めされる。
【0034】その後、タービンハウジング14の嵌込部
55と、センタハウジング12の取付板51とが嵌め合
わされる。この状態にあっては、タービンハウジング1
4に設けられたガスケット57,60がそれぞれ、セン
タハウジング12の取付板51及びノズルバックプレー
ト32の外突部54に接触する。更に、その後にボルト
62がタービンハウジング14のネジ穴61に所定量螺
入されると、ボルト62の頭部62aがセンタハウジン
グ12の取付板51に接触する。
【0035】この状態で更にボルト62を締め付ける
と、タービンハウジング14が取付板51側に押し付け
られる。このとき、タービンハウジング14のガスケッ
ト57,60がそれぞれ取付板51及び外突部54によ
って凹部56,59の底面に向けて押し込まれ、ガスケ
ット57,60がロータシャフト15の軸線方向へ弾性
的に縮むこととなる。この軸線方向へのガスケット60
の弾性変形量を調整することで、排気ガス流路23の内
側面23a,23b間の距離、即ちノズルベーン34と
内側面23bとのクリアランスが調整される。従って、
上記ボルト62の締め付け量を調整してガスケット60
の弾性変形量を適宜に変更することで、ノズルベーン3
4と排気ガス流路23の内側面23bとのクリアランス
を簡単に適正状態へと調整することができるようにな
る。
【0036】こうしたボルト62の締め付けによって、
可変ノズル機構31がタービンハウジング14とセンタ
ハウジング12との間に挟まれた状態で、そのセンタハ
ウジング12に取付固定されるとともに、タービンハウ
ジング14もセンタハウジング12に取付固定される。
【0037】また、センタハウジング12に可変ノズル
機構31及びタービンハウジング14が取付固定された
状態では、タービンハウジング14に設けられたガスケ
ット57,60がそれぞれ取付板51及びノズルバック
プレート32の外突部に接触する。そのため、ガスケッ
ト57,60によってセンタハウジング12の取付板5
1とタービンハウジング14の嵌込部55との間のシー
ル、及びノズルバックプレート32の外突部54とター
ビンハウジング14の押圧突部58との間のシールが行
われるようになる。
【0038】従って、ガスケット60による外突部54
と押圧突部58との間のシールと、ハウジング基準面5
2及びプレート基準面53aによる当該基準面52,5
3a間のシールとによって、排気ガス流路23からの排
気ガスの漏れが防止される。また、ガスケット57によ
る取付板51と嵌込部55との間のシールによって、タ
ービンハウジング14とセンタハウジング12との間か
ら、ターボチャージャ11の外部への排気ガスの漏れが
防止される。
【0039】以上詳述した本実施形態によれば、以下に
示す効果が得られるようになる。 ・可変ノズル機構31(ノズルバックプレート32)を
センタハウジング12に取り付けることで、排気ガス流
路23の内側面23aが同ハウジング12に対して位置
決めされる。そして、タービンハウジング14をセンタ
ハウジング12に取り付けるためのボルト62の締付量
を調節することで、取付板51と嵌込部55との間に設
けられたガスケット57におけるロータシャフト15の
軸線方向についての弾性変形量が調整される。従って、
タービンハウジング14の取付時におけるボルト62の
締付量の調節を行うだけで、排気ガス流路23における
内側面23a,23b間の距離、即ちノズルベーン34
と内側面23bとの間のクリアランスを簡単に適正状態
へと調整することができる。
【0040】・ガスケット57による取付板51と嵌込
部55との間のシールによって、タービンハウジング1
4とセンタハウジング12との間から、ターボチャージ
ャ11の外部へ排気ガスが漏れるのを防止することがで
きる。
【0041】・ガスケット60による外突部54と押圧
突部58との間のシールと、ハウジング基準面52及び
プレート基準面53aによる当該基準面52,53a間
のシールとによって、排気ガス流路23から排気ガスが
漏れるのを防止することができる。従って、ターボチャ
ージャ11のシール性を一層向上させることができるよ
うになる。
【0042】なお、本実施形態は、例えば以下のように
変更することもできる。 ・本実施形態におけるガスケット60を省略し、ターボ
チャージャ11の部品点数を少なくしてもよい。
【0043】・ガスケット57及び凹部56と、ハウジ
ング基準面52及びプレート基準面53aとの位置関係
を逆にしてもよい。即ち、センタハウジング12の取付
板51及びタービンハウジング14の嵌込部55にそれ
ぞれ基準面を設け、ノズルバックプレート32の内突部
53にガスケット及び凹部を設けてもよい。この場合、
センタハウジング12にタービンハウジング14を取り
付けることで、排気ガス流路23の内側面23bがセン
タハウジング12に対して位置決めされる。そして、タ
ービンハウジング14がセンタハウジング12に取り付
けられたとき、ノズルベーン34と内側面23bとのク
リアランスが適正状態となるよう、内突部53に設けら
れたガスケットの硬さ等を予め調整しておくことにな
る。この場合でも、ボルト62を締め付けるだけで、ノ
ズルベーン34と内側面23bとのクリアランスを簡単
に適正状態へと調整することができる。
【0044】・本実施形態では、ガスケット57,60
及び凹部56,59をタービンハウジング14側に設け
る変わりに、センタハウジング12側に設けるようにし
てもよい。
【0045】・本実施形態では、ハウジング基準面52
及びプレート基準面53aを互いに当接したとき、それ
ら基準面52,53a間のシールを行うべく高精度に形
成したが、本発明はこれに限定されない。即ち、可変ノ
ズル機構31がセンタハウジング12に取り付けられた
とき、排気ガス流路23の内側面23aがセンタハウジ
ング12に対して位置決めされるならば、基準面52,
53a間のシールが行われなくてもよい。
【0046】・本実施形態では、ボルト62の締付量を
調節してガスケット57の弾性変形量を調整すること
で、ノズルベーン34と内側面23bとのクリアランス
調整を行うようにしたが、本発明はこれに限定されな
い。即ち、ガスケット57に代えてゴム等からなるシー
ル性を持たない弾性部材を設け、その弾性部材の弾性変
形量をボルト62の締付量調節によって調整してもよ
い。この場合、ゴム等からなる弾性部材を必ずしも円環
状に形成する必要はない。
【0047】次に、以上の実施形態から把握することの
できる請求項以外の技術的思想を、その効果とともに以
下に記載する。 ・請求項1又は2記載の可変容量型ターボチャージャに
おいて、前記基準面及び前記弾性部材は、前記ノズルバ
ックプレートと前記センタハウジングとの間、及び前記
タービンハウジングと前記センタハウジングとの間のシ
ールを行うものであることを特徴とする可変容量型ター
ボチャージャ。同構成によれば、ノズルベーンとタービ
ンハウジングとのクリアランス調整を簡単に行うばかり
でなく、上記基準面及び弾性部材によるシールでターボ
チャージャの外部に排気ガスが漏れるのを防止すること
ができる。
【0048】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、センタハ
ウジングにノズルバックプレート及びタービンハウジン
グを取り付けると、基準面によって前記ノズルバックプ
レートと前記タービンハウジングとの対向面の内の一方
の対向面が前記センタハウジングに対して位置決めされ
る。そして、ノズルバックプレートに支持されたノズル
ベーンと上記タービンハウジングとのクリアランスは、
センタハウジングにタービンハウジングを取り付ける際
における弾性部材の弾性変形量に基づいて変化する。従
って、弾性部材の弾性変形量を適宜に調整すべくセンタ
ハウジングとタービンハウジングとの取り付けを行うこ
とで、一方の対向面に対する他方の対向面の相対位置、
即ちノズルベーンとタービンハウジングとのクリアラン
スを簡単に適正状態に調整することができるようにな
る。
【0049】請求項2記載の発明によれば、前記ノズル
バックプレートと前記タービンハウジングとの間に、前
記排気ガス流路から排気ガスが漏れるのを防止するシー
ル部材を設けたため、可変容量型ターボチャージャのシ
ール性を一層向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のターボチャージャの一実施形態を示す
断面図。
【図2】ノズルベーンを開閉動作させるための可変ノズ
ル機構を示す正面図及び断面図。
【図3】センタハウジングに対する可変ノズル機構及び
タービンハウジングの取付構造を示す拡大断面図。
【図4】ノズルバックプレートの従来の支持構造を示す
拡大断面図。
【符号の説明】
11…ターボチャージャ、12…センタハウジング、1
4…タービンハウジング、17…タービンホイール、2
3…排気ガス流路、23a,23b…内側面、31…可
変容量機構(可変ノズル機構)、32…ノズルバックプ
レート、34…ノズルベーン、52…ハウジング基準
面、53a…プレート基準面、57…ガスケット、60
…ガスケット。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】タービンホイールが回転可能に支持された
    センタハウジングと、そのセンタハウジングとの間に前
    記タービンホイールを挟む態様で同センタハウジングに
    取り付けられるタービンハウジングと、前記センタハウ
    ジングと前記タービンハウジングとの間に設けられたノ
    ズルバックプレートと、そのノズルバックプレートと前
    記タービンハウジングとの対向面間に設けられて前記タ
    ービンホイールに吹き付けられる排気ガスが通過する排
    気ガス流路と、前記ノズルバックプレートに支持される
    とともに前記タービンホイールに吹き付けられる排気ガ
    スの流速を可変とすべく前記排気ガス流路内で開閉動作
    するノズルベーンとを備える可変容量型ターボチャージ
    ャにおいて、 前記ノズルバックプレートと前記センタハウジングとの
    間、及び前記タービンハウジングと前記センタハウジン
    グとの間の一方には、前記ノズルバックプレートと前記
    タービンハウジングとの対向面の内の一方の対向面を前
    記センタハウジングに対して位置決めするための基準面
    を設け、 前記ノズルバックプレートと前記センタハウジングとの
    間、及び前記タービンハウジングと前記センタハウジン
    グとの間の他方には、前記ノズルバックプレートと前記
    タービンハウジングとの対向面間にあって弾性変形する
    弾性部材を設けたことを特徴とする可変容量型ターボチ
    ャージャ。
  2. 【請求項2】請求項1記載の可変容量型ターボチャージ
    ャにおいて、 前記ノズルバックプレートと前記タービンハウジングと
    の間に、前記排気ガス流路から排気ガスが漏れるのを防
    止するシール部材を更に設けたことを特徴とする可変容
    量型ターボチャージャ。
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