JP5402061B2 - ターボチャージャ - Google Patents
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Description
ここで、特許文献1には、可変容量型のターボチャージャが開示されている。
そのため、上記隙間から第1導入壁の孔部と支持軸との間のクリアランスを通って、可変ノズルの内部に流入する排気ガスの流れが生じていた。
以上より、特許文献1に開示された可変容量型のターボチャージャには、可変ノズル内における排気ガスの流れに乱れが生じることで損失が発生してしまうため、タービン効率が低下してしまうという問題があった。
本発明のターボチャージャは、排気ガスが流動するスクロール流路が形成されたタービンハウジングと、スクロール流路からタービンハウジング内に設けられた回転翼に導入される排気ガスの流量を可変とする可変ノズルとを備え、可変ノズルは、タービンハウジング側に設けられる第1導入壁と、第1導入壁に対向して設けられる第2導入壁と、第1導入壁及び第2導入壁の間に回転自在に設けられる複数のノズルベーンとを有する可変容量型のターボチャージャであって、タービンハウジングと第1導入壁との間に形成される隙間のスクロール流路側の開口部に、排気ガスから付勢されて上記開口部を遮蔽する略環状のシール部を有するという構成を採用する。
このような構成を採用する本発明では、シール部が排気ガスから付勢されることで、上記開口部がシール部により遮蔽される。よって、本発明では、上記隙間内への排気ガスの流入が抑えられ、上記隙間を介して可変ノズル内に流入する排気ガスの流れが抑制される。
このような構成を採用する本発明では、排気ガスから付勢されることで板状部材が第1導入壁とタービンハウジングとの一方に密着し、かつ、上記円環部の外周に筒状部材が嵌合していることから、上記開口部がシール部により遮蔽される。よって、本発明では、上記隙間内への排気ガスの流入が抑えられ、上記隙間を介して可変ノズル内に流入する排気ガスの流れが抑制される。
このような構成を採用する本発明では、排気ガスから付勢されることで板状部材が第1導入壁に密着し、かつ、上記円環部の外周に筒状部材が嵌合していることから、上記開口部がシール部により遮蔽される。よって、本発明では、上記隙間内への排気ガスの流入が抑えられ、上記隙間を介して可変ノズル内に流入する排気ガスの流れが抑制される。
このような構成を採用する本発明では、排気ガスの熱等により上記円環部が熱変形したとしても、シール部は上記円環部の変形に追従する。よって、本発明では、筒状部材と上記円環部との密着性が維持される。
このような構成を採用する本発明では、排気ガスの熱等により上記円環部が熱変形したとしても、シール部は上記円環部の変形に追従する。よって、本発明では、筒状部材と上記円環部との密着性が維持される。
このような構成を採用する本発明では、上記それぞれの端部が周方向で互いに重ね合わせられているため、上記分断箇所から上記隙間側への排気ガスの漏出が抑制される。
本発明によれば、第1導入壁とタービンハウジングとの間の隙間を介して可変ノズル内に流入する排気ガスの流れを抑制できることから、可変ノズル内におけるタービンハウジングのスクロール流路から回転翼に向かう排気ガスの流れに生じていた乱れが減少する。よって、本発明によれば、可変ノズル内における排気ガスの流れが乱れることで発生する損失が減少し、結果として、ターボチャージャのタービン効率を向上させることができるという効果がある。
本実施形態に係るターボチャージャ1の構成を、図1から図3を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係るターボチャージャ1の全体構成を示す概略図である。図2は、図1における可変ノズル8周辺の拡大図である。図3は、本実施形態におけるシール部10の構成を示す概略図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A線視断面図である。なお、上記図中の矢印Fは前方向を示す。
図1に示すように、ターボチャージャ1は、タービンハウジング2と、軸受けハウジング3と、コンプレッサハウジング4とが前方より順次配置され一体的に設けられた構成となっている。
インペラ軸5の両端には、回転する翼であるタービンインペラ(回転翼)6及びコンプレッサインペラ7がそれぞれ一体的に連結されている。タービンインペラ6及びコンプレッサインペラ7は、いずれも複数の翼が回転軸周りに等間隔で配設された構成となっている。タービンインペラ6は、タービンハウジング2の略中央部に配置され、コンプレッサインペラ7は、コンプレッサハウジング4の略中央部に配置されている。
タービンスクロール流路21は、エンジンから排出された排気ガスが導入される不図示のガス流入口に連通している。タービン出口22は、不図示の排気ガス浄化装置に接続されている。
タービンスクロール流路21は、可変ノズル8及びタービンインペラ6の設置箇所を介してタービン出口22に連通している。
タービンハウジング2の壁面81bに対向する部分には、タービンインペラ6を囲むように設けられる後方側に突出する円環部24が形成されている。
円環部24の外周面24aの径方向外側には、空間25が形成されており、タービンスクロール流路21は空間25及び隙間23を介してタービン出口22に連通している。
図2に示すように、筒状部材12は、前後方向で移動自在に円環部24の外周面24aに嵌合している。板状部材11は、壁面81bに沿う形状で形成されている。シール部10は、板状部材11と第1壁面81bとが接触する位置に設置されている。
コンプレッサ入口41は、不図示のエアクリーナを介して外部に連通しており、コンプレッサインペラ7の設置箇所及びディフューザ流路43を介してコンプレッサスクロール流路42に連通している。コンプレッサスクロール流路42は、不図示のエンジンにおける吸気口に接続されている。
まず、ターボチャージャ1の過給動作を説明する。
エンジンの回転数が低いときはエンジンから排出される排気ガスの流量が少ないので、可変ノズル8の流路径が広いとタービンインペラ6を回転させるに必要なエネルギーを排気ガスから得ることが難しい。そのため、可変ノズル8の流路径を狭くすることで、可変ノズル8内を流動する排気ガスの流速を高め、タービンインペラ6を容易に回転させることができる。
よって、エンジンの回転数に合わせて適切な可変ノズル8の流路径を選択することで、低回転域から高回転域までの広い範囲に亘りエンジンの性能を向上させることができる。
以上で、ターボチャージャ1の過給動作が終了する。
図2に示すように、タービンスクロール流路21の内部には高圧の排気ガスが流動しており、タービンスクロール流路21と連通する空間25の内部も高圧となっている。一方、タービン出口22を流動する排気ガスの圧力はタービンスクロール流路21内に比べ低下している。そのため、タービン出口22と連通する隙間23内の圧力は、空間25内の圧力よりも低くなっている。この圧力の差から、シール部10における板状部材11の前面側には後方側への排気ガスの付勢力が発生し、筒状部材12の外周面には径方向内側への排気ガスの付勢力が発生する。
ここで、ノズルベーン83は第2導入壁82に対向する鍔部83aを有しているため、上記排気ガスの流れに鍔部83aが付勢されノズルベーン83は前方向に変位する。よって、ノズルベーン83が前方向に変位されることによっても、可変ノズル8内における排気ガスの流れに生じる乱れを減少させることができる。
本実施形態によれば、可変ノズル8内におけるタービンスクロール流路21からタービンインペラ6に向かう排気ガスの流れに生じていた乱れが減少する。よって、本実施形態によれば、可変ノズル8内における排気ガスの流れが乱れることで発生する損失が減少し、結果として、ターボチャージャ1のタービン効率を向上させることができるという効果がある。
図4は、本実施形態におけるシール部10の第1の変形例である第2シール部13を示す概略図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のB−B線視断面図である。
図4に示すように、第2シール部13は、本実施形態における板状部材11及び筒状部材12と各々略同一の形状を呈する第2板状部材14及び第2筒状部材15を有している。もっとも、第2シール部13は、周方向で弾性変形自在に所定の一箇所で分断されており、上記分断箇所13aにスリット13bが形成されている。
図5は、本実施形態におけるシール部10の第2の変形例である第3シール部16を示す概略図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のC矢視図である。
図5に示すように、第3シール部16は、本実施形態における板状部材11及び筒状部材12と略同一の形状を呈する第3板状部材17及び第3筒状部材18を有している。もっとも、第3シール部16は、周方向で弾性変形自在に所定の一箇所で分断されており、第3シール部16の分断箇所16aにおけるそれぞれの端部は周方向で互いに重ね合わせられている。より具体的には、第3板状部材17のそれぞれの端部が周方向で互いに重ね合わせられ、第3筒状部材18のそれぞれの端部も周方向で互いに重ね合わせられている。
図6は、本実施形態におけるシール部10の他の設置方法を示す概略図である。
図6に示すように、第1導入壁(円環部)81に凹部81cを形成し、凹部81cにおける径方向外側に対向する外周面81dに筒状部材12が前後方向で移動自在に嵌合している。また、タービンハウジング2には第1導入壁81に対向する第2壁面27が形成されており、第2壁面27は前後方向に直交する平面となっている。板状部材11は、排気ガスにより前方向に向かって付勢され第2壁面27に密着し、開口部26を遮蔽する。よって、図6に示すような構成によっても、本実施形態と同様の効果を得ることができる。
図7(a)に示すように、第2シール部13は軸方向で2つ重ねられ、かつ、図7(b)に示すように、互いのスリット13bの位置が中心軸に関して対向する位置に配置されている。このような構成によれば、両方のスリット13bが第2シール部13のリング状の部材によってそれぞれ遮蔽されるため、スリット13bからの排気ガスの漏出を抑制することができる。なお、必ずしも互いのスリット13bの位置は中心軸に関して対向している必要はなく、スリット13bが上記リング状部材によって遮蔽される位置にあればよい。
図8に示すように、シール部10と、シール部10よりも僅かに大きな径を有するシール部10Aとは、互いに対向して重ね合わせられ、空間25内に設置されている。シール部10とシール部10Aとは、同じ熱膨張係数の材料で形成されている。
シール部10は外周面24aに嵌合し、壁面81bに接触している。シール部10Aはシール部10に嵌合し、タービンハウジング2に接触している。このような構成によれば、排気ガスの流動によりシール部10は壁面81bに付勢され、シール部10Aはタービンハウジング2に付勢される。さらに、シール部10とシール部10Aとが互いに嵌合しているため、シール部10及びシール部10Aにより、開口部26を遮蔽することができる。
Claims (1)
- 排気ガスが流動するスクロール流路が形成されたタービンハウジングと、前記スクロール流路から前記タービンハウジング内に設けられた回転翼に導入される前記排気ガスの流量を可変とする可変ノズルとを備え、前記可変ノズルは、前記タービンハウジング側に設けられる第1導入壁と、前記第1導入壁に対向して設けられる第2導入壁と、前記第1導入壁及び前記第2導入壁の間に回転自在に設けられる複数のノズルベーンとを有する可変容量型のターボチャージャであって、
周方向で弾性変形自在に所定の一箇所にスリットが形成されていることで分断されると共に、前記タービンハウジングと前記第1導入壁との間に形成される隙間の前記スクロール流路側の開口部に、前記排気ガスから付勢されて前記開口部を遮蔽する略環状の第1のシール部と、
周方向で弾性変形自在に所定の一箇所にスリットが形成されていることで分断されると共に、当該スリットが前記第1のシール部のスリットに非対向となるように重ねて設置され、前記排気ガスから付勢されて前記第1のシール部のスリットを遮蔽する略環状の第2のシール部と、を有し、
前記第1のシール部は、略環状を呈し前記第1導入壁と前記タービンハウジングとの一方に対向する板状部材と、前記第1導入壁と前記タービンハウジングとの他方が有する円環部の外周面に嵌合し前記板状部材の内周縁部に接続され略円筒状を呈する筒状部材とを有し、
前記第1導入壁は略環状を呈し、その外径は前記タービンハウジングが有する前記円環部の外径よりも大きく形成され、
前記板状部材は前記第1導入壁に対向し、前記筒状部材は前記円環部の外周に嵌合していることを特徴とするターボチャージャ。
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