JP5564279B2 - シート用パッドの製造方法 - Google Patents

シート用パッドの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5564279B2
JP5564279B2 JP2010026772A JP2010026772A JP5564279B2 JP 5564279 B2 JP5564279 B2 JP 5564279B2 JP 2010026772 A JP2010026772 A JP 2010026772A JP 2010026772 A JP2010026772 A JP 2010026772A JP 5564279 B2 JP5564279 B2 JP 5564279B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vent hole
cavity
gas vent
pad
reinforcing member
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2010026772A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011161772A (ja
Inventor
洋介 濱田
泰輔 米澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bridgestone Corp filed Critical Bridgestone Corp
Priority to JP2010026772A priority Critical patent/JP5564279B2/ja
Publication of JP2011161772A publication Critical patent/JP2011161772A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5564279B2 publication Critical patent/JP5564279B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Molding Of Porous Articles (AREA)

Description

本発明は、通気性を具備する補強部材が発泡体に一体に固着されてなるとともに、これらの補強部材および発泡体に車両のシートフレームに接触した状態で固定される被固定部が一体に設けられたシート用パッドを形成するシート用パッドの製造方法、およびシート用パッドに関する。
従来より、この種のシート用パッドの製造方法として、キャビティ内に連通するガス抜き孔が形成された金型において、ガス抜き孔が開口するキャビティ面に補強部材を配置する配置工程と、キャビティ内で発泡原料を発泡させ、発泡体を形成するとともに該発泡体に補強部材を一体に固着させることで、シート用パッドを形成する発泡工程と、を備える方法が知られている。
これにより、発泡工程時に、キャビティ内の発泡ガスや空気などを、通気性を具備する補強部材を通してガス抜き孔から抜き出して、シート用パッドの欠肉やコラップスなどの成形不良を抑え、シート用パッドを高精度に形成することができる。
しかしながら、この方法では、補強部材においてガス抜き孔を覆う部分に含浸した発泡原料が、補強部材を透過してガス抜き孔内へ流入するおそれがあった。
そこで、この問題を解決するために、例えば下記特許文献1に示されるような、ガス抜き孔を開閉する弁体が、該弁体をガス抜き孔に対して進退可能に支持する支持手段を介してキャビティ内に設けられた金型を用いる方法を適用することが考えられる。この方法では、配置工程時に、補強部材を弁体の下方からガス抜き孔を覆うようにキャビティ内に着脱自在に取り付ける。そして、発泡工程時に、弁体がガス抜き孔と離隔した状態にあることで開かれたガス抜き孔からキャビティ内の気体を排出し、その後、キャビティ内で発泡する発泡原料が、補強部材を介して弁体をガス抜き孔に押し付けることでガス抜き孔を塞ぐ。
これにより、キャビティ内の発泡ガスや空気などをガス抜き孔から抜き出してシート用パッドの欠肉やコラップスなどの成形不良を抑えつつ、ガス抜き孔内への発泡原料の流入を抑制することができる。
特開2006−69080号公報
しかしながら、前記従来のシート用パッドの製造方法では、発泡工程時に、発泡原料が補強部材に含浸することで補強部材が硬くなるおそれがあった。さらに、この発泡工程時に、発泡原料が補強部材に含浸する一方で、キャビティ内の発泡ガス等がガス抜き孔から抜き出されるため、補強部材のうち、ガス抜き孔を覆う部分が、発泡原料の含浸を起因として特に硬くなり易かった。ここで、ガス抜き孔を、シート用パッドの前記被固定部を形成する被固定部の形成領域に開口した場合、この製造方法で製造されたシート用パッドでは、前記被固定部が硬くなり易く、例えば、車両の走行時やシートへの着座時に、特にシートフレームと前記被固定部との間で擦れ音が発生するおそれがあることがわかった。
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、ガス抜き孔内への発泡原料の流入を抑制するとともに、高精度で、かつシートフレームとの間での擦れ音の発生を抑制可能なシート用パッドを形成することができるシート用パッドの製造方法、およびシート用パッドを提供することである。
前記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
本発明に係るシート用パッドの製造方法は、通気性を具備する補強部材が発泡体に一体に固着されてなるとともに、これらの補強部材および発泡体に車両のシートフレームに接触した状態で固定される被固定部が一体に設けられたシート用パッドを形成するシート用パッドの製造方法であって、キャビティ内に連通するガス抜き孔が形成された金型において、前記ガス抜き孔が開口するキャビティ面に前記補強部材を配置する配置工程と、キャビティ内で発泡原料を発泡させ、前記発泡体を形成するとともに該発泡体に前記補強部材を一体に固着させることで、前記シート用パッドを形成する発泡工程と、を有し、前記ガス抜き孔は、前記キャビティ面のうち、前記被固定部を形成する被固定部の形成領域に開口し、前記補強部材において少なくとも前記ガス抜き孔に対応する部分には、非通気性部材が取り付けられ、前記発泡工程は、キャビティ内で発泡する発泡原料により前記補強部材を前記キャビティ面に押し付けた状態で、前記非通気性部材により前記ガス抜き孔をキャビティの内側から覆い、前記金型には、前記ガス抜き孔の少なくとも一部を画成するとともに、前記非通気性部材が前記補強部材を介して磁着する磁着部材が備えられ、前記配置工程は、前記補強部材を前記キャビティ面に配置しながら、該補強部材が前記非通気性部材と前記磁着部材との間に挟み込まれるように前記非通気性部材を前記磁着部材に磁着させ、該非通気性部材により前記ガス抜き孔をキャビティの内側から覆うことを特徴とする。
この発明によれば、発泡工程時に、キャビティ内で発泡する発泡原料により補強部材をキャビティ面に押し付けた状態で、非通気性部材によりガス抜き孔をキャビティの内側から覆うので、発泡原料のガス抜き孔内への流入を、非通気性部材により抑制することができる。
一方、キャビティ内の発泡ガスや空気は、通気性を具備する補強部材を通してガス抜き孔から排気することができる。
以上より、ガス抜き孔内への発泡原料の流入を抑制しつつ、シート用パッドを高精度に形成することができる。
またガス抜き孔が、キャビティ面の前記被固定部の形成領域に開口しているので、前述のように、発泡工程時に、非通気性部材によりガス抜き孔をキャビティの内側から覆うことで、この製造方法で製造されたシート用パッドにおける前記被固定部のうち、少なくともガス抜き孔に対応する部分に非通気性部材が配設され、該被固定部のうち、非通気性部材が配設された部分の表面が、発泡原料が含浸して硬くなった補強部材によって構成されるのを抑えることができる。
また、配置工程時に、磁着部材に非通気性部材を磁着させ、該非通気性部材によりガス抜き孔をキャビティの内側から覆うので、発泡工程時に、発泡原料のガス抜き孔内への流入を、非通気性部材により抑制することができる。しかもこのように、配置工程時に、非通気性部材を磁着部材に磁着させることで該非通気性部材によりガス抜き孔を覆うので、発泡工程前に、予め非通気性部材をガス抜き孔に高精度に位置決めしておくことが可能になり、前述の作用効果を確実に奏功することができる。
一方、配置工程時に、補強部材が非通気性部材と磁着部材との間に挟み込まれるように非通気性部材を磁着部材に磁着させているので、ガス抜き孔が非通気性部材によって完全に閉塞されることがなく、発泡工程時に、キャビティ内の発泡ガスや空気を、通気性を具備する補強部材を通してガス抜き孔から排気することができる。
またこのように、配置工程時に、補強部材が非通気性部材と磁着部材との間に挟み込まれるように非通気性部材を磁着部材に磁着させているので、発泡工程時に、補強部材のうち、非通気性部材が取り付けられている部分に発泡原料が含浸するのを、この非通気性部材によって抑制することができる。したがって、この製造方法で製造されたシート用パッドにおける前記被固定部のうち、非通気性部材が配設された部分の表面を、発泡原料が含浸していない補強部材によって構成することができる。
また、非通気性部材が、補強部材に取り付けられていることから、配置工程時に、補強部材をキャビティ面に配置しながら、非通気性部材を磁着部材に磁着させることが可能になる。したがって、この金型に設けられているガス抜き孔の数によらず、非通気性部材でガス抜き孔を容易に覆わせることが可能になるとともに、補強部材をキャビティ面に対して高精度かつ容易に配置することが可能になり、配置工程を容易に行うことができる。
さらにこのように、配置工程を容易に行うことができることから、キャビティ内のスペースが制約されている場合であっても、キャビティ内に補強部材を非通気性部材とともに位置決めしながら配置する作業の煩雑さを緩和することができる。
また、前記磁着部材は、内部が前記ガス抜き孔とされた筒状の磁石であっても良い。
この場合、磁着部材が、内部がガス抜き孔とされた筒状の磁石であるので、非通気性部材を磁着部材(磁石)に磁着させ、該非通気性部材によりガス抜き孔をキャビティの内側から覆うことで、ガス抜き孔だけでなくガス抜き孔の開口周縁部も、非通気性部材によりキャビティの内側から確実に覆うことが可能になる。したがって、キャビティ内の発泡原料が、補強部材のうち、ガス抜き孔を覆う部分およびガス抜き孔の開口周縁部に配置された部分に含浸するのを確実に抑えることが可能になり、発泡原料がガス抜き孔内に流入するのを確実に抑制することができる。
またこのように、発泡原料が、補強部材のうち、ガス抜き孔を覆う部分およびガス抜き孔の開口周縁部に配置された部分にも含浸するのを確実に抑えることができるので、シート用パッドの被固定部の表面のより広い範囲を、発泡原料が含浸していない補強部材によって構成することができる。
また前記磁着部材は、内部が前記ガス抜き孔とされたガス抜き筒部、および該ガス抜き孔をキャビティの外側から閉塞する閉塞壁部を有する孔画成体と、前記ガス抜き孔内に固定された磁石と、を備え、前記孔画成体には、前記ガス抜き孔とキャビティの外部とを連通する連通路が形成されていても良い。
この場合、孔画成体に前記連通路が形成されているので、ガス抜き孔からキャビティの外部に排気されるキャビティ内の発泡ガスや空気の流量を、例えば連通路の流路径や流路長などを変更することで調整することができる。したがって、ガス抜き孔から排気される発泡ガスや空気の流量を、磁石ではなく孔画成体を加工することで調整することが可能になり、この調整を比較的安価に行うことができる。
なおこのように、ガス抜き孔から排気される発泡ガスや空気の流量を調整すると、発泡ガスや空気の排気時に、キャビティ内の発泡原料が、補強部材に含浸しにくくなることから、発泡原料が補強部材を通してガス抜き孔内に流入してしまうのを確実に抑制するとともに、シート用パッドの被固定部の表面のより広い範囲を、発泡原料が含浸していない補強部材によって構成することができる。
また、本発明の参考例に係るシート用パッドの製造方法は、通気性を具備する補強部材が発泡体に一体に固着されてなるとともに、これらの補強部材および発泡体に車両のシートフレームに接触した状態で固定される被固定部が一体に設けられたシート用パッドを形成するシート用パッドの製造方法であって、キャビティ内に連通するガス抜き孔が形成された金型において、前記ガス抜き孔が開口するキャビティ面に前記補強部材を配置する配置工程と、キャビティ内で発泡原料を発泡させ、前記発泡体を形成するとともに該発泡体に前記補強部材を一体に固着させることで、前記シート用パッドを形成する発泡工程と、を有し、前記ガス抜き孔は、前記キャビティ面のうち、前記被固定部を形成する被固定部の形成領域に開口し、前記補強部材において少なくとも前記ガス抜き孔に対応する部分には、非通気性部材が取り付けられ、前記発泡工程は、キャビティ内で発泡する発泡原料により前記補強部材を前記キャビティ面に押し付けた状態で、前記非通気性部材により前記ガス抜き孔をキャビティの内側から覆い、前記配置工程は、前記補強部材を、該補強部材に対して前記非通気性部材が前記キャビティ面側に位置するとともに前記非通気性部材と前記キャビティ面との間に隙間をあけた状態で、前記キャビティ面に配置しても良い。
この場合、配置工程時に、補強部材を、該補強部材に対して非通気性部材がキャビティ面側に位置するように配置しているので、発泡工程時に、キャビティ内で発泡する発泡原料により、補強部材を、非通気性部材とキャビティ面との間の隙間が狭まるようにキャビティ面側に押し込んでキャビティ面に押し付けたときに、キャビティ面と補強部材との間に挟み込まれた非通気性部材によって、ガス抜き孔がキャビティの内側から覆われて塞がれることとなる。したがって、発泡原料のガス抜き孔内への流入を、非通気性部材により確実に抑制することができる。
一方、配置工程時に、非通気性部材とキャビティ面との間に隙間をあけた状態で補強部材を配置するので、非通気性部材によってガス抜き孔がキャビティの内側から塞がれるまで、キャビティ内の発泡ガスや空気を、通気性を具備する補強部材および前記隙間を通してガス抜き孔から排気することができる。
ここで、前述のように、発泡工程時に、キャビティ面の前記被固定部の形成領域に開口するガス抜き孔を塞ぐ非通気性部材が、キャビティ面と補強部材との間に挟み込まれているので、この製造方法で製造されたシート用パッドにおける前記被固定部のうち、少なくともガス抜き孔に対応する部分の表面に、発泡原料が含浸しにくい非通気性部材を配設することができる。
また、前記本発明に係るシート用パッドの製造方法、および前記本発明の参考例に係るシート用パッドの製造方法によれば、前記被固定部のうち、少なくとも前記ガス抜き孔に対応する部分には、前記非通気性部材が配設されているシート用パッドを製造することができる
この発明によれば、前記本発明に係るシート用パッドの製造方法、または前記本発明の参考例に係るシート用パッドの製造方法により製造されることで、被固定部のうち、少なくとも金型のガス抜き孔に対応する部分に、非通気性部材が配設されるので、この部分の表面が発泡原料の含浸を起因として硬くなるのを抑えることが可能になり、シートフレームと被固定部との間での擦れ音の発生を抑制することができる。
また、前記非通気性部材は、前記被固定部に沿って配設されていても良い。
この場合、非通気性部材が、被固定部に沿って配設されているので、金型のガス抜き孔を、前記被固定部の形成領域に沿って広く開口したとしても、前述の作用効果を確実に奏功させることができる。したがって、ガス抜き孔からキャビティ内の発泡ガスや空気を確実に排気してこのシート用パッドをより高精度に形成しつつ、このシート用パッドの被固定部とシートフレームとの間での擦れ音の発生を抑制することができる。
また、非通気性部材が被固定部に沿って配設されているので、被固定部のより広い範囲において表面が発泡原料の含浸を起因として硬くなるのを抑えることが可能になり、擦れ音の発生を一層抑制することができる。
本発明によれば、ガス抜き孔内への発泡原料の流入を抑制するとともに、高精度で、かつシートフレームとの間での擦れ音の発生を抑制可能なシート用パッドを形成することができる。
本発明の第1参考例の実施形態に係るシート用パッドの製造方法で製造されるシート用パッドの一部断面を含む斜視図である。 図1に示すシート用パッドを裏面から見た斜視図である。 本発明の第1参考例の実施形態に係るシート用パッドの製造方法に用いる金型を示す断面図である。 図3に示すA−A矢視断面図である。 本発明の第1参考例の実施形態に係るシート用パッドの製造方法の一工程図である。 本発明の第1参考例の実施形態に係るシート用パッドの製造方法の一工程図である。 本発明の第実施形態に係るシート用パッドの製造方法の一工程図である。 本発明の第実施形態に係るシート用パッドの製造方法の一工程図である。 本発明の第実施形態に係るシート用パッドの製造方法の一工程図である。 本発明の第2参考例の実施形態に係るシート用パッドの製造方法で製造されるシート用パッドを裏面から見た斜視図である。 本発明の第2参考例の実施形態に係るシート用パッドの製造方法の一工程図である。 本発明の第2参考例の実施形態に係るシート用パッドの製造方法の一工程図である。 本発明に係るシート用パッドの製造方法の第3参考例で製造されるシート用パッドを裏面から見た斜視図である。 本発明に係るシート用パッドの製造方法の第3参考例の一工程図である。
(第1参考例の実施形態)
以下、図面を参照し、本発明の第1参考例の実施形態に係るシート用パッドの製造方法で製造されるシート用パッドについて説明する。
図1に示すように、シート用パッド1は、通気性を具備する補強部材3が発泡体2に一体に固着されてなるとともに、これらの補強部材3および発泡体2に車両のシートフレームFに接触した状態で固定される被固定部5が一体に設けられている。なお図1に示すシート用パッド1は、前記車両におけるシートの着座部となるいわゆるクッションパッドである。
発泡体2は、発泡原料(例えば、ウレタン原料)を発泡することで形成され、例えばポリウレタンフォーム等で形成されている。発泡体2の裏面には、シートフレームFが嵌め込まれる凹部6が形成されている。
補強部材3は、前記凹部6を画成する壁面に一体に固着されている。この補強部材3は、通気性を具備する膜状体であり、例えば、寒冷紗、粗毛フェルト、不織布などで形成されている。
シートフレームFの平面視形状は、矩形枠状とされ、シート用パッド1の前記被固定部5は、前記凹部6を画成する底壁面6aの外周縁部および側壁面に沿って設けられている。
そして図2に示すように、被固定部5のうち、少なくとも後述する金型10のガス抜き孔12に対応する部分には、補強部材3に取り付けられた非通気性部材4が配設されている。本実施形態では、非通気性部材4は、被固定部5のうち、前記底壁面6aの外周縁部に沿う部分に配設されている。図示の例では、非通気性部材4は、補強部材3と発泡体2との間に挟み込まれて被固定部5(前記底壁面6aの外周縁部)に沿って延びる帯状とされており、例えば、前記被固定部5全体のうちの5%以上の範囲にわたって配設されている。
この非通気性部材4は、補強部材3の柔軟性を阻害することがない程度の柔軟性を有しており、例えば樹脂製フィルム(例えば、ポリエチレンフィルムや、ナイロンシート、ポリウレタン等)や、紙テープ等で形成されている。これらのうち、例えば紙テープを採用した場合、非通気性部材4の確実な低VOC化および低コスト化を図ることができる。
次に、このシート用パッド1を製造する金型10について説明する。
図3に示すように、金型10は、キャビティ11内に連通しキャビティ11の内部と外部とを連通するガス抜き孔12が形成され、該ガス抜き孔12が開口するキャビティ面14に補強部材3を配置した状態で、キャビティ11内で発泡原料を発泡させることにより、発泡体2を形成するとともに該発泡体2に補強部材3を一体に固着してシート用パッド1を形成する。
本実施形態では、金型10は、シート用パッド1の表面側を成形するように凹設された下型15と、シート用パッド1の裏面側を成形する上型16と、を備えており、上型16が、下型15にヒンジ部を介して回動可能に設けられるとともに下型15の上面開口を開閉する。そして、上型16が下型15の上面開口を閉じることにより、上型16のキャビティ面14と下型15のキャビティ面13との間に、シート用パッド1の形状に対応する発泡空間であるキャビティ11が形成される。
上型16および下型15は、例えば、磁石に磁着されない非磁着性を具備する金属材料(例えば、アルミニウム材料など)等で形成されている。
ガス抜き孔12は、上型16に複数設けられており、上型16のキャビティ面14に開口している。そして図4に示すように、ガス抜き孔12は、キャビティ面14のうち、シート用パッド1の前記被固定部5を形成する被固定部の形成領域17に開口している。図示の例では、複数のガス抜き孔12の全てが、キャビティ面14の前記被固定部の形成領域17のうち、前記被固定部5において前記底壁面6aの外周縁部に沿って設けられた部分を形成する領域に、互いに間隔をあけて開口している。
なお、キャビティ面14の前記被固定部の形成領域17には、キャビティ11内の発泡ガス等が残存し易いため、このようにガス抜き孔12を前記被固定部の形成領域17に開口させることにより、シート用パッド1をキャビティ11内に発泡ガス等が残存するのを効果的に抑制することができる。
また上型16のキャビティ面14には、このキャビティ面14に補強部材3を固定する固定手段18が設けられている。図示の例では、固定手段18は、補強部材3に取り付けられた被固定体19(図5参照)が磁着可能な磁石(例えば、永久磁石など)で形成されている。
次に、この金型10を用いてシート用パッド1を形成するシート用パッドの製造方法について説明する。
ここで図5に示すように、補強部材3には、非通気性部材4および被固定体19がそれぞれ予め取り付けられている。非通気性部材4は、補強部材3において少なくともガス抜き孔12に対応する位置に予め取り付けられている。また被固定体19は、例えば、強磁性体材料(鉄、コバルト、ニッケルなど)からなる板状体や、少なくとも一方の面が着磁されたマグネットシートで形成されている。図示の例では、被固定体19は、補強部材3のうち、非通気性部材4が取り付けられた面と異なる面に取り付けられるとともに、この面において、補強部材3を挟んで非通気性部材4の反対側に位置する部分を回避して取り付けられている。なお、非通気性部材4および被固定体19は、補強部材3の同一の面に取り付けられていても良い。
シート用パッド1の製造に際し、まず上型16を開けた後、補強部材3を上型16のキャビティ面14に配置する配置工程を行う。この際、非通気性部材4が、補強部材3に対してキャビティ面14の反対側に位置した状態で、被固定体19を固定手段18に磁着させることで、補強部材3をキャビティ面14に配置する。
なお、この配置工程を行うとともに、下型15内に発泡原料を投入し、その後、上型16を閉じる。
次に、キャビティ11内で発泡原料を発泡させる発泡工程を行う。この際、キャビティ11内の発泡ガスや空気は、通気性を具備する補強部材3を通してガス抜き孔12から排気される。
そしてこの工程では、図6に示すように、発泡原料が発泡しつづけると、補強部材3が、キャビティ11内で発泡する発泡原料により上型16のキャビティ面14に押し付けられる。すると、補強部材3が、キャビティ面14と非通気性部材4との間に挟み込まれた状態で、ガス抜き孔12が、補強部材3に取り付けられた非通気性部材4により、キャビティ11の内側から覆われる。これにより、発泡原料のガス抜き孔12内への流入が、非通気性を具備する非通気性部材4により抑制される。なおこの際、非通気性部材4は、前記被固定部の形成領域17に沿って配置される。
ここで、補強部材3が、キャビティ11内で発泡する発泡原料により上型16のキャビティ面14に押し付けられたときに、キャビティ面14と非通気性部材4との間に挟み込まれているので、ガス抜き孔12が非通気性部材4によって完全に閉塞されることがない。したがって、補強部材3が、キャビティ11内で発泡する発泡原料によりキャビティ面14に押し付けられた後に、仮にキャビティ11内に発泡ガスや空気が残存していた場合であっても、残存する発泡ガスなどは、通気性を具備する補強部材3を通してガス抜き孔12から排気される。
そして、キャビティ11内で発泡体2が形成されるとともに該発泡体2に補強部材3が一体に固着されてシート用パッド1が形成されることで発泡工程が終了する。その後、上型16を開けて、シート用パッド1を金型10から脱型することにより、シート用パッド1を得ることができる。
以上説明したように、本実施形態に係るシート用パッドの製造方法によれば、発泡工程時に、キャビティ11内で発泡する発泡原料により補強部材3をキャビティ面14に押し付けた状態で、非通気性部材4によりガス抜き孔12をキャビティ11の内側から覆うので、発泡原料のガス抜き孔12内への流入を、非通気性部材4により抑制することができる。
一方、キャビティ11内の発泡ガスや空気は、通気性を具備する補強部材3を通してガス抜き孔12から排気することができる。
以上より、ガス抜き孔12内への発泡原料の流入を抑制しつつ、シート用パッド1を高精度に形成することができる。
またガス抜き孔12が、キャビティ面14の前記被固定部の形成領域17に開口しているので、前述のように、発泡工程時に、非通気性部材4によりガス抜き孔12をキャビティ11の内側から覆うことで、この製造方法で製造されたシート用パッド1における前記被固定部5のうち、少なくともガス抜き孔12に対応する部分に非通気性部材4が配設され、該被固定部5のうち、非通気性部材4が配設された部分の表面が、発泡原料が含浸して硬くなった補強部材3によって構成されるのを抑えることができる。
すなわち本実施形態では、発泡工程時に、補強部材3が、キャビティ面14と非通気性部材4との間に挟み込まれた状態で、非通気性部材4によりガス抜き孔12がキャビティ11の内側から覆われるので、補強部材3のうち、非通気性部材4が取り付けられている部分に発泡原料が含浸するのを、この非通気性部材4によって抑制することができる。したがって、この製造方法で製造されたシート用パッド1における前記被固定部5のうち、非通気性部材4が配設された部分の表面を、発泡原料が含浸していない補強部材3によって構成することができる。
また、本実施形態に係るシート用パッド1によれば、前記本実施形態に係るシート用パッド1の製造方法により製造されることで、被固定部5のうち、少なくとも金型10のガス抜き孔12に対応する部分に、非通気性部材4が配設されるので、この部分の表面が発泡原料の含浸を起因として硬くなるのを抑えることが可能になり、シートフレームFと被固定部5との間での擦れ音の発生を抑制することができる。
さらに、非通気性部材4が、被固定部5に沿って配設されているので、本実施形態のように、金型10のガス抜き孔12を、前記被固定部の形成領域17に沿って広く開口したとしても、前述の作用効果を確実に奏功させることができる。したがって、ガス抜き孔12からキャビティ11内の発泡ガスや空気を確実に排気してこのシート用パッド1をより高精度に形成しつつ、このシート用パッド1の被固定部5とシートフレームFとの間での擦れ音の発生を抑制することができる。
また、非通気性部材4が被固定部5に沿って配設されているので、被固定部5のより広い範囲において表面が発泡原料の含浸を起因として硬くなるのを抑えることが可能になり、擦れ音の発生を一層抑制することができる。
なお、本実施形態では、固定手段18は、補強部材3に取り付けられた被固定体19が磁着可能な磁石で形成されているものとしたが、これに代えて、例えば補強部材3を貫通することで固定するピン状に形成されていても良い。この場合、被固定体19はなくても良い。
(第実施形態)
次に、本発明に係る第実施形態のシート用パッドの製造方法で用いられる金型30を、図7を参照して説明する。
なお、この第実施形態においては、第1参考例の実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
図7に示すように、金型30は、ガス抜き孔12を画成する磁着部材31を備えている。この金型30の上型16には、キャビティ面14に開口する貫通孔32が複数形成されており、これらの貫通孔32内に前記磁着部材31が各別に装着されている。
磁着部材31には、補強部材3に取り付けられた非通気性部材34が、該補強部材3を介して磁着する。本実施形態では、磁着部材31は、内部がガス抜き孔12とされた筒状の磁石33とされている。磁石33は、永久磁石で形成されるとともに貫通孔32内に嵌合され、磁石33のキャビティ11の内側の端面は、上型16のキャビティ面14に滑らかに連なって面一となっている。また非通気性部材34は、板状とされ、例えば強磁性体材料(鉄、コバルト、ニッケルなど)からなる板状体や、少なくとも一方の面が着磁されたマグネットシート等で形成されている。
次に、この金型30を用いてシート用パッド1を形成するシート用パッドの製造方法について説明する。ここで、補強部材3には、非通気性部材34が、少なくともガス抜き孔12に対応する位置に予め取り付けられている。
まず、図7に示すように、前記配置工程を行う。この際、本実施形態では、補強部材3を上型16のキャビティ面14に配置しながら、補強部材3が非通気性部材34と磁着部材31(磁石33)との間に挟み込まれるように非通気性部材34を磁着部材31に磁着させる。これにより、ガス抜き孔12が、非通気性部材34によりキャビティ11の内側から覆われることとなる。図示の例では、キャビティ面14のうちのガス抜き孔12の開口周縁部12aも、非通気性部材34によりキャビティ11の内側から覆われる。
その後、図8に示すように、前記発泡工程を行う。ここで本実施形態では、補強部材3が非通気性部材34と磁着部材31との間に挟み込まれるように非通気性部材34を磁着部材31に磁着させているので、ガス抜き孔12が非通気性部材34によって完全に閉塞されることがなく、補強部材3が、キャビティ11内で発泡する発泡原料によりキャビティ面14に押し付けられた後に、仮にキャビティ11内に発泡ガスや空気が残存していた場合であっても、残存する発泡ガスなどは、通気性を具備する補強部材3を通してガス抜き孔12から排気される。
以上説明したように、本実施形態に係るシート用パッドの製造方法によれば、配置工程時に、磁着部材31に非通気性部材34を磁着させ、該非通気性部材34によりガス抜き孔12をキャビティ11の内側から覆うので、発泡工程時に、発泡原料のガス抜き孔12内への流入を、非通気性部材34により抑制することができる。しかもこのように、配置工程時に、非通気性部材34を磁着部材31に磁着させることで該非通気性部材34によりガス抜き孔12を覆うので、発泡工程前に、予め非通気性部材34をガス抜き孔12に高精度に位置決めしておくことが可能になり、前述の作用効果を確実に奏功することができる。
一方、配置工程時に、補強部材3が非通気性部材34と磁着部材31との間に挟み込まれるように非通気性部材34を磁着部材31に磁着させているので、ガス抜き孔12が非通気性部材34によって完全に閉塞されることがなく、発泡工程時に、キャビティ11内の発泡ガスや空気を、通気性を具備する補強部材3を通してガス抜き孔12から排気することができる。
またこのように、配置工程時に、補強部材3が非通気性部材34と磁着部材31との間に挟み込まれるように非通気性部材34を磁着部材31に磁着させているので、発泡工程時に、補強部材3のうち、非通気性部材34が取り付けられている部分に発泡原料が含浸するのを、この非通気性部材34によって抑制することができる。したがって、この製造方法で製造されたシート用パッド1における前記被固定部5のうち、非通気性部材34が配設された部分の表面を、発泡原料が含浸していない補強部材3によって構成することができる。
また、磁着部材31が、内部がガス抜き孔12とされた筒状の磁石33であるので、非通気性部材34を磁着部材31(磁石33)に磁着させ、該非通気性部材34によりガス抜き孔12をキャビティ11の内側から覆うことで、ガス抜き孔12だけでなくガス抜き孔12の開口周縁部12aも、非通気性部材34によりキャビティ11の内側から確実に覆うことが可能になる。したがって、キャビティ11内の発泡原料が、補強部材3のうち、ガス抜き孔12を覆う部分およびガス抜き孔12の開口周縁部12aに配置された部分に含浸するのを確実に抑えることが可能になり、発泡原料がガス抜き孔12内に流入するのを更に確実に抑制することができる。
またこのように、発泡原料が、補強部材3のうち、ガス抜き孔12を覆う部分およびガス抜き孔12の開口周縁部12aに配置された部分に含浸するのを確実に抑えることができるので、シート用パッド1の被固定部5の表面のより広い範囲を、発泡原料が含浸していない補強部材3によって構成することができる。
また、非通気性部材34が、補強部材3に取り付けられていることから、配置工程時に、補強部材3をキャビティ面14に配置しながら、非通気性部材34を磁着部材31に磁着させることが可能になる。したがって、この金型30に設けられているガス抜き孔12の数によらず、非通気性部材34でガス抜き孔12を容易に覆わせることが可能になるとともに、補強部材3をキャビティ面14に対して高精度かつ容易に配置することが可能になり、配置工程を容易に行うことができる。
さらにこのように、配置工程を容易に行うことができることから、キャビティ11内のスペースが制約されている場合であっても、キャビティ11内に補強部材3を非通気性部材34とともに位置決めしながら配置する作業の煩雑さを緩和することができる。
なお磁着部材31は、ガス抜き孔12の少なくとも一部を画成すれば良く、例えば、磁着部材が、貫通孔32の内周面に取り付けられた磁石とされ、貫通孔32の内周面のうち、該磁着部材が取り付けられていない部分とともにガス抜き孔12を画成しても良い。
(第実施形態)
次に、本発明に係る第実施形態のシート用パッドの製造方法で用いられる金型を、図9を参照して説明する。
なお、この第実施形態においては、第実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
図9に示すように、この金型40の磁着部材41は、内部がガス抜き孔12とされたガス抜き筒部42、および該ガス抜き孔12をキャビティ11の外側から閉塞する閉塞壁部43を有する孔画成体44と、ガス抜き孔12内に固定された磁石46と、を備えている。
図示の例では、ガス抜き筒部42は、貫通孔32内に嵌合され、ガス抜き筒部42のキャビティ11の内側の端面は、上型16のキャビティ面14に滑らかに連なって面一となっている。また閉塞壁部43は、ガス抜き筒部42のキャビティ11の外側の開口端部を閉塞しており、孔画成体44は、全体としてキャビティ11の内側に開口する有頂筒状をなしている。
磁石46は、ガス抜き孔12内にその軸線方向に沿って延在する棒状に形成され、孔画成体44の閉塞壁部43に固定されるとともに該閉塞壁部43の中央部からキャビティ11の内側に向けて延在している。磁石46のキャビティ11の内側の端面は、上型16のキャビティ面14と面一となっている。この磁石46には、前記非通気性部材34が補強部材3を介して磁着する。
そして、孔画成体44には、ガス抜き孔12とキャビティ11の外部とを連通する連通路45が形成されている。図示の例では、連通路45は、ガス抜き筒部42のキャビティ11の外側に位置する部分に、その周方向に間隔をあけて複数形成されている。
この金型40において、キャビティ11内の発泡ガスや空気などは、ガス抜き孔12および連通路45を通って排気される。
以上説明したように、本実施形態に係るシート用パッドの製造方法によれば、孔画成体44に前記連通路45が形成されているので、ガス抜き孔12からキャビティ11の外部に排気されるキャビティ11内の発泡ガスや空気の流量を、例えば連通路45の流路径や流路長などを変更することで調整することができる。したがって、ガス抜き孔12から排気される発泡ガスや空気の流量を、磁石46ではなく孔画成体44を加工することで調整することが可能になり、この調整を比較的安価に行うことができる。
またこのように、ガス抜き孔12から排気されるキャビティ11内の発泡ガスや空気の流量を調整すると、発泡ガスや空気の排気時に、キャビティ11内の発泡原料が、補強部材3に含浸しにくくなることから、発泡原料が補強部材3を通してガス抜き孔12内に流入してしまうのを確実に抑制するとともに、シート用パッド1の被固定部5の表面のより広い範囲を、発泡原料が含浸していない補強部材3によって構成することができる。
(第2参考例の実施形態)
次に、本発明に係る第2参考例の実施形態のシート用パッドの製造方法で製造されるシート用パッド50を、図10を参照して説明する。
なお、この第2参考例の実施形態においては、第1参考例の実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
図10に示すように、このシート用パッド50では、非通気性部材4が、前記被固定部5の表面に配設され露出している。
次に、このシート用パッド50を、前記金型10を用いて製造するシート用パッドの製造方法について説明する。
ここで図11に示すように、補強部材3には、非通気性部材4および被固定体19が、補強部材3の同一の面にそれぞれ予め取り付けられている。なお被固定体19は、非通気性部材4と異なる面に取り付けられていても良い。
まず、前記配置工程を行う。この際、本実施形態では、補強部材3を、該補強部材3に対して非通気性部材4がキャビティ面14側に位置するとともに非通気性部材4とキャビティ面14との間に隙間51をあけた状態で、キャビティ面14に配置する。このように、非通気性部材4とキャビティ面14との間に隙間51をあけた状態で補強部材3を配置するので、キャビティ11内の発泡ガスや空気は、通気性を具備する補強部材3および前記隙間51を通してガス抜き孔12から排気される。
次に、前記発泡工程を行う。この際、図12に示すように、キャビティ11内で発泡する発泡原料により、補強部材3が、非通気性部材4とキャビティ面14との間の隙間51が狭まるようにキャビティ面14側に押し込まれてキャビティ面14に押し付けられたときに、キャビティ面14と補強部材3との間に挟み込まれた非通気性部材4によって、ガス抜き孔12がキャビティ11の内側から覆われて塞がれる。これにより、ガス抜き孔12内への発泡原料の流入が確実に抑制される。
以上説明したように、本実施形態に係るシート用パッドの製造方法によれば、発泡工程時に、キャビティ面14の前記被固定部の形成領域17に開口するガス抜き孔12を塞ぐ非通気性部材4が、キャビティ面14と補強部材3との間に挟み込まれているので、この製造方法で製造されたシート用パッド1における前記被固定部5のうち、少なくともガス抜き孔12に対応する部分の表面に、発泡原料が含浸しにくい非通気性部材4を配設することができる
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば前記各実施形態では、金型10は、上型16および下型15を備えるものとしたが、これらに加えて、キャビティ11内に配設される中子型を備える構成であっても良い。
また前記各実施形態では、非通気性部材4、34は、シート用パッド1の前記被固定部5に沿って延びる帯状とされるものとしたが、これに限られるものではない。例えば、図13に示すシート用パッド60のように、複数の非通気性部材61が、前記被固定部5に沿って互いに間隔をあけて配設されていても良い。
このシート用パッド60は、図14に示すように、例えば、配置工程前に、複数の非通気性部材61がそれぞれ、複数のガス抜き孔12に対応する位置に予め各別に取り付けられた補強部材3を用いることで形成することができる。
さらに前記各実施形態では、非通気性部材4、34、61は、シート用パッド1、50、60の前記被固定部5に沿って配設されるものとしたが、前記被固定部5に沿っていなくても良い。
また前記各実施形態では、金型10、30、40には、ガス抜き孔12が複数形成されているものとしたが、1つであっても良い。
また前記各実施形態では、複数のガス抜き孔12が、キャビティ面14の前記被固定部の形成領域17に沿って互いに間隔をあけて開口しているものとしたが、これに限られるものではない。例えば、1つのガス抜き孔12が、前記被固定部の形成領域17に沿って延びる長穴状に開口していても良い。
また前記各実施形態では、シートフレームFの平面視形状は、矩形枠状とされるものとしたが、これに限られるものではない。
さらに前記各実施形態では、発泡体2に凹部6が形成されているものとしたが、凹部6はなくても良い。
さらにまた、前記各実施形態では、前記被固定部5は、前記凹部6を画成する底壁面6aの外周縁部と側壁面に沿って設けられているものとしたが、これに限られるものではない。例えば、被固定部5が、凹部6が形成されていない発泡体2および補強部材3に一体に設けられていても良い。
また前記各実施形態では、シート用パッド1、50、60として、いわゆるクッションパッドを採用したが、これに限られるものではなく、例えば、前記車両におけるシートの背もたれ部となるいわゆるバックパッド等であっても良い。
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
1、50、60 シート用パッド
2 発泡体
3 補強部材
4、34、61 非通気性部材
5 被固定部
F シートフレーム
10、30、40 金型
11 キャビティ
12 ガス抜き孔
14 キャビティ面
17 被固定部の形成領域
31、41 磁着部材
33、46 磁石
42 ガス抜き筒部
43 閉塞壁部
44 孔画成体
45 連通路
51 隙間

Claims (3)

  1. 通気性を具備する補強部材が発泡体に一体に固着されてなるとともに、これらの補強部材および発泡体に車両のシートフレームに接触した状態で固定される被固定部が一体に設けられたシート用パッドを形成するシート用パッドの製造方法であって、
    キャビティ内に連通するガス抜き孔が形成された金型において、前記ガス抜き孔が開口するキャビティ面に前記補強部材を配置する配置工程と、
    キャビティ内で発泡原料を発泡させ、前記発泡体を形成するとともに該発泡体に前記補強部材を一体に固着させることで、前記シート用パッドを形成する発泡工程と、を有し、
    前記ガス抜き孔は、前記キャビティ面のうち、前記被固定部を形成する被固定部の形成領域に開口し、
    前記補強部材において少なくとも前記ガス抜き孔に対応する部分には、非通気性部材が取り付けられ、
    前記発泡工程は、キャビティ内で発泡する発泡原料により前記補強部材を前記キャビティ面に押し付けた状態で、前記非通気性部材により前記ガス抜き孔をキャビティの内側から覆い、
    前記金型には、前記ガス抜き孔の少なくとも一部を画成するとともに、前記非通気性部材が前記補強部材を介して磁着する磁着部材が備えられ、
    前記配置工程は、前記補強部材を前記キャビティ面に配置しながら、該補強部材が前記非通気性部材と前記磁着部材との間に挟み込まれるように前記非通気性部材を前記磁着部材に磁着させ、該非通気性部材により前記ガス抜き孔をキャビティの内側から覆うことを特徴とするシート用パッドの製造方法。
  2. 請求項記載のシート用パッドの製造方法であって、
    前記磁着部材は、内部が前記ガス抜き孔とされた筒状の磁石であることを特徴とするシート用パッドの製造方法。
  3. 請求項記載のシート用パッドの製造方法であって、
    前記磁着部材は、内部が前記ガス抜き孔とされたガス抜き筒部、および該ガス抜き孔をキャビティの外側から閉塞する閉塞壁部を有する孔画成体と、前記ガス抜き孔内に固定された磁石と、を備え、
    前記孔画成体には、前記ガス抜き孔とキャビティの外部とを連通する連通路が形成されていることを特徴とするシート用パッドの製造方法。
JP2010026772A 2010-02-09 2010-02-09 シート用パッドの製造方法 Expired - Fee Related JP5564279B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010026772A JP5564279B2 (ja) 2010-02-09 2010-02-09 シート用パッドの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010026772A JP5564279B2 (ja) 2010-02-09 2010-02-09 シート用パッドの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011161772A JP2011161772A (ja) 2011-08-25
JP5564279B2 true JP5564279B2 (ja) 2014-07-30

Family

ID=44593021

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010026772A Expired - Fee Related JP5564279B2 (ja) 2010-02-09 2010-02-09 シート用パッドの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5564279B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5798867B2 (ja) * 2011-09-30 2015-10-21 株式会社東洋クオリティワン 軟質ウレタンモールドフォーム用副資材及びフォームの製造方法

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05138782A (ja) * 1991-11-22 1993-06-08 Bridgestone Corp 車両用シート
JP2005144060A (ja) * 2003-11-19 2005-06-09 Toyo Tire & Rubber Co Ltd シート用パッド
JP2005279972A (ja) * 2004-03-26 2005-10-13 Toyo Tire & Rubber Co Ltd シート用パッドの製造方法
JP2006192831A (ja) * 2005-01-17 2006-07-27 Toyo Tire & Rubber Co Ltd 発泡成形品の製造方法
JP4157108B2 (ja) * 2005-05-13 2008-09-24 東洋ゴム工業株式会社 シート用パッドの製造方法
JP2008126633A (ja) * 2006-11-24 2008-06-05 Bridgestone Corp 発泡樹脂成形品の製造方法
JP2010017962A (ja) * 2008-07-11 2010-01-28 Bridgestone Corp 発泡成形品及びその製造方法
JP5439213B2 (ja) * 2010-02-09 2014-03-12 株式会社ブリヂストン 発泡成形体の製造装置および発泡成形体の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011161772A (ja) 2011-08-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5380909B2 (ja) 金型及び樹脂発泡成形品の成形方法
JP5617686B2 (ja) 表皮一体の発泡成形体の成形金型
US20140292043A1 (en) Conveyance seat
JP5439213B2 (ja) 発泡成形体の製造装置および発泡成形体の製造方法
WO2014054299A1 (ja) シート用バックパッド及びその製造方法
JP5564279B2 (ja) シート用パッドの製造方法
US5919544A (en) Composite molded product, production process and apparatus therefor
JP5014508B1 (ja) 発泡成形体の製造方法
JP4157108B2 (ja) シート用パッドの製造方法
JP5784454B2 (ja) 発泡成形体の製造方法
JP4884989B2 (ja) クッションパッドの成形方法及びクッションパッドの発泡成形型
WO2012008518A1 (ja) 発泡成形体の製造方法、発泡成形体の製造装置および発泡成形体
JP2006192831A (ja) 発泡成形品の製造方法
JP2009072916A (ja) シート用バックパッド及びその製造方法
JP2004358910A (ja) シート用パッドの製造方法
JP2011177958A (ja) 発泡成形体の製造方法および発泡成形体の製造装置
JP2013233680A (ja) 金型及び発泡成形体の製造方法
JP5146615B1 (ja) 成形用機器
JP5090124B2 (ja) シート用パッド及びその製造方法、並びに、シート構成部材の製造方法
JP5394214B2 (ja) シート用バックパッド及びその製造方法
JP2008307834A (ja) クッション体の製造方法
JP2005279972A (ja) シート用パッドの製造方法
JP2009051127A (ja) 発泡成形品の製造方法
JP5973298B2 (ja) シート用バックパッドの製造方法及びその成形型
JP7038566B2 (ja) シートパッド及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130118

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20131111

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131119

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140120

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140520

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140616

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5564279

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees